JP2000191321A - アルミナの製造方法 - Google Patents

アルミナの製造方法

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JP2000191321A
JP2000191321A JP10378316A JP37831698A JP2000191321A JP 2000191321 A JP2000191321 A JP 2000191321A JP 10378316 A JP10378316 A JP 10378316A JP 37831698 A JP37831698 A JP 37831698A JP 2000191321 A JP2000191321 A JP 2000191321A
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alumina hydrate
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aqueous slurry
hydrate
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Yuji Shirahama
雄二 白浜
Naoyuki Yoshizawa
尚幸 吉沢
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JGC Catalysts and Chemicals Ltd
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Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細孔容積が大きく、シャープな細孔分布を有
する、水素化処理触媒用担体として好適な繊維状アルミ
ナ粒子からなるアルミナ担体の製造方法の提供。 【解決手段】 種子アルミナ水和物を含有する水性スラ
リーを循環させながら、循環中の水性スラリーにアルミ
ニウム塩の水溶液と中和剤の水溶液とを添加し、pH5
〜11の範囲に混合して得られたアルミナ水和物含有水
性スラリーを前記水性スラリーに戻すことからなるアル
ミナの製造方法において、種子アルミナ水和物としてア
スペクト比(長さ/径)10以上の繊維状擬ベーマイト
粒子を用いるアルミナの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミナの製造方
法に関し、さらに詳しくは、細孔の容積、径、および表
面積などが制御されており、触媒担体、特に水素化処理
触媒用担体として好適な多孔性アルミナの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来技術】多孔性アルミナは、触媒担体や吸着剤など
として工業的に広く使用されているが、これらの使用目
的に応じて必要とされる多孔性アルミナの細孔容積、細
孔径、表面積などの範囲が異なるため、目的に応じた細
孔分布の調節が必要とされている。従来、多孔性アルミ
ナの細孔分布、例えば細孔容積の分布や細孔径の分布を
調節する方法として、アルミナ水和物の沈殿の生成条件
を調節する方法が種々提案されている。
【0003】例えば、特公昭57−44605号公報に
は、pH6〜10に調節し、かつ50℃以上の温度に保
持した水酸化アルミニウム含有スラリーにアルミニウム
塩を添加し、該スラリーのpHを5以下あるいは11以
上にした後、中和剤を加えてpH6〜10に戻す操作を
複数回繰り返し、これによりアルミナ生成物の細孔分布
を調節する方法が記載されている。
【0004】また、特開昭58−190823号公報に
は、水酸化アルミニウム含有スラリーの水素イオン濃度
および温度をそれぞれpH6〜10、50℃以上に維持
しながら、アルミニウムモル比で該スラリー中に含まれ
る水酸化アルミニウムの量を100%とした場合に20
〜500%/hrの速度で該スラリー中にアルミニウム
塩およびpH制御剤を添加してアルミナゲルを形成する
工程と、該アルミナゲルをアルミナに変換する工程とか
らなり、上記アルミニウム塩およびpH制御剤のうち、
少なくとも一方が実質的に硫酸根を含有していることを
特徴とするアルミナ担体の製造方法が開示されている。
【0005】しかしながら、このような方法で多孔性ア
ルミナを製造した場合、大量のアルミナ水和物を含有す
るスラリー中でアルミナ水和物の沈殿が生じるためにア
ルミナ水和物の混合が不均一になり、また、アルミナ水
和物微粒子が新たに生成し、結果として最終的に得られ
るアルミナ水和物粒子の大きさに分布が生じ、多孔性ア
ルミナの細孔分布を充分に調節できないおそれがあっ
た。
【0006】そこで、本出願人は、先に国際公開WO9
5/15920号公報において、種子アルミナ水和物を
含有する水性スラリーを循環させながら、循環中の水性
スラリーにアルミニウム塩の水溶液と中和剤の水溶液と
を添加し、pH6〜11の範囲に混合して得られたアル
ミナ水和物含有水性スラリーを前記水性スラリーに戻す
ことからなるアルミナの製造方法に関する特許出願をし
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のアル
ミナの製造方法(国際公開WO95/15920号公
報)をさらに改良して、細孔容積の分布、細孔径の分布
や表面積分布などを細かく制御できる、繊維状アルミナ
粒子からなるアルミナ担体の製造方法を提供することを
目的としている。また、本発明の目的は、触媒担体、特
に炭化水素油の水素化処理触媒として、有効表面積が大
きくて脱硫活性に優れた触媒用アルミナ担体の製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述のア
ルミナの製造方法(国際公開WO95/15920号公
報)について、さらに鋭意研究を重ねた結果、該アルミ
ナの製造方法においては、種子アルミナ水和物の性状が
重要であり、長くて細い繊維状の粒子で、均一な大きさ
の擬ベーマイトを種子アルミナ水和物として使用した場
合、水素化処理触媒用担体として優れた多孔性アルミナ
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】本発明に係わるアルミナの製造方法は、種
子アルミナ水和物を含有する水性スラリーを循環させな
がら、循環中の水性スラリーにアルミニウム塩の水溶液
と中和剤の水溶液とを添加し、pH5〜11の範囲に混
合して得られたアルミナ水和物含有水性スラリーを前記
水性スラリーに戻すことからなるアルミナの製造方法に
おいて、種子アルミナ水和物がアスペクト比(長さ/
径)10以上の繊維状擬ベーマイト粒子であることを特
徴とする。
【0010】前記種子アルミナ水和物は、カルボキシル
基又はその誘導体からなる基を有する不飽和炭化水素の
重合体の存在下に沈殿を生ぜしめて得られた繊維状擬ベ
ーマイト粒子であることことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるアルミナの
製造方法の好適な実施形態について、詳細に説明する。
【0012】本発明では、国際公開WO95/1592
0号公報に記載されているアルミナの製造方法が採用さ
れる。即ち、種子アルミナ水和物を含有する水性スラリ
ーが外部、即ち種子アルミナ水和物を含有する水性スラ
リーを収容する容器外に取り出され、この容器外に設け
られた循環ラインを通じて循環させられ、種子アルミナ
水和物を含有する水性スラリーを循環している間に、ア
ルミニウム塩の水溶液と中和剤の水溶液を添加する、ア
ルミナの製造方法である。この方法では、種子アルミナ
水和物を含有する水性スラリーを循環している間に、ア
ルミニウム塩の水溶液と中和剤の水溶液を添加して得ら
れたアルミナ水和物含有水性スラリーは、前記種子アル
ミナ水和物を含有する水性スラリーとして繰り返し循環
させることができる。
【0013】本発明では、前述の種子アルミナ水和物と
して、アスペクト比(長さ(L)/直径(D))が10
以上の繊維状擬ベーマイト粒子を用いることを特徴とす
る。このような種子アルミナ水和物を使用することによ
り、長繊維状アルミナ単粒子の集束体からなり、細孔分
布のシャープな多孔性アルミナが得られる。長繊維状ア
ルミナ単粒子の集束体からなる多孔性アルミナは、特に
水素化処理触媒用担体として優れている。繊維状擬ベー
マイト粒子のアスペクト比が10より小さい場合には、
細孔分布がブロードになり、水素化処理触媒用担体に使
用した場合に、所望の脱硫活性が得られないことがあ
る。本発明での好ましい繊維状擬ベーマイト粒子のアス
ペクト比は15以上、さらに好ましくは20〜3×10
の範囲が望ましい。なお、本発明での繊維状擬ベーマ
イト粒子のアスペクト比(L)/(D)は、アルミナ水
和物の電子顕微鏡写真から繊維状粒子の長さ(L)と直
径(D)を200個以上測定した平均値である。
【0014】前述の種子アルミナ水和物は、カルボキシ
ル基又はその誘導体からなる基を有する不飽和炭化水素
の重合体の存在下に、アルミニウム塩、例えば硫酸アル
ミニウムの水溶液と、中和剤、例えばアルミン酸ソーダ
の水溶液とをpH5〜11の範囲で、温度30〜95℃
の範囲で反応させて得られる。なお、該種子アルミナ水
和物の調製には、本発明で使用されるアルミニウム塩お
よび中和剤が使用可能である。
【0015】前述のカルボキシル基又はその誘導体から
なる基を有する不飽和炭化水素の重合体としては、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの水に
可溶性の重合体、共重合体が挙げられる。共重合体とし
ては、前述のモノマー同志の共重合体は勿論のこと、他
の共重合性モノマーとの共重合体も共重合体が水溶性で
あれば、同効物として使用できる。共重合用モノマーと
してはアクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、エチ
レン、プロピレン、ブチレンなどが挙げられる。代表的
な共重合体としては、アクリル酸、マレイン酸などとエ
チレン、プロピレン、ブチレンなどの水に可溶性の共重
合体がある。また、前述の重合体は、分子量が約10
〜10程度のものが望ましく、その量は種子アルミナ
に対して0.5〜1.5重量倍とするのが望ましい。繊
維状擬ベーマイト粒子のスペクト比は、前記重合体の分
子量の大きさおよび使用量により調節される。このよう
な方法で得られる繊維状擬ベーマイト粒子は、長さが1
0〜10nmの範囲にあり、直径が0.3〜5nmの
範囲にあり、大きさが均一であるので種子アルミナ水和
物として好適である。
【0016】本発明では、前述の種子アルミナ水和物を
Al換算で、通常、0.01〜5wt%の濃度で
水に懸濁した状態で含む水性スラリーが用いられる。こ
の水性スラリーを循環させながら、循環中の水性スラリ
ーにアルミニウム塩の水溶液と中和剤の水溶液とが添加
される。
【0017】本発明で使用されるアルミニウム塩として
は、水溶性の塩であればよく、例えば、硫酸アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミ
ニウムや、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性硝酸アルミ
ニウム、塩基性塩化アルミニウム、塩基性酢酸アルミニ
ウム、アルミン酸ソーダ、アルミン酸カリなどが挙げら
れる。本発明では、このようなアルミニウム塩を、Al
換算で0.5〜20wt%、好ましくは2〜10
wt%含む水溶液を用いることが望ましい。
【0018】本発明での中和剤は、アルミニウム塩と反
応してアルミナ水和物の沈殿を生成する性質を有する水
溶性物質を意味する。例えば、アルミニウム塩として硫
酸アルミニウムなどのような酸性アルミニウム塩が用い
られている場合には、アルミン酸ソーダ、アルミン酸カ
リ、苛性ソーダ、アンモニアなどのような塩基性物質が
中和剤として用いられ、アルミニウム塩としてアルミン
酸ソーダなどのような塩基性アルミニウム塩が用いられ
ている場合には、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、硫酸、硝酸、塩酸、酢酸などの
ような酸性物質が用いられる。本発明では、このような
中和剤を、前記アルミニウム塩と反応してAl
算で1〜10wt%の濃度範囲のアルミナ水和物が生成
するような量で溶解して含む水溶液を用いることが望ま
しい。
【0019】本発明での製造方法では、前述の種子アル
ミナ水和物を含有する水性スラリーを外部、即ち容器外
に循環させながら、循環中の水性スラリーに、前述のア
ルミニウム塩の水溶液と、前述の中和剤の水溶液とが、
例えば連続的に同時に添加され、瞬時に均一に混合さ
れ、pH5〜11の混合スラリーが調製される。即ち、
種子アルミナ水和物を含有する水性スラリーへのアルミ
ニウム塩の水溶液と中和剤の水溶液との添加および混合
は水性スラリーを収容した容器外で行わわるため、新し
い種子アルミナ水和物の発生が抑制され、種子アルミナ
水和物が均一に粒子成長した長繊維状擬ベーマイトアル
ミナ水和物粒子が得られ、これを洗浄、乾燥、焼成する
ことにより細孔分布のシャープな多孔性アルミナが得ら
れる。
【0020】本発明では、種子アルミナ水和物の量は、
最終的に得られるアルミナ水和物の総量に対する割がA
換算で0.05〜50wt%、さらに好ましく
は0.5〜20wt%の範囲であることが好ましい。種
子アルミナの量が少なすぎると新たな種子アルミナ水和
物の発生が起こり、また、多い場合には種子アルミナ水
和物のアルミナの性状と得られるアルミナの性状の相違
が小さくなり、経済的でない。
【0021】さらに、本発明の方法では、アルミニウム
塩と中和剤とから生成するアルミナ水和物の量が、種子
アルミナ水和物の量に対し、Al換算で0.1〜
10重量倍/hrの割合となるようにアルミニウム塩と
中和剤とを連続的に混合させることが望ましい。新しく
生成するアルミナ水和物の量が0.1重量倍/hrより
も小さい場合には、工業的規模での生産が経済的でな
く、また10重量倍/hrよりも大きい場合には、新し
い種子の発生が起こり、均一に粒子成長させることが困
難となることがある。
【0022】また、前述の混合スラリーのpHは、5〜
11の範囲で、アルミナの特性に応じて調整される。混
合スラリーのpHが5よりも低い場合には、混合スラリ
ー中でアルミナ水和物粒子の成長が起こりにくく、逆に
このpHが11よりも高い場合には生成したアルミナ水
和物が溶解するので好ましくない。該混合スラリーのp
Hは、好ましくは6.0〜10.5、更に好ましくは
6.5〜10.0の範囲に調整することが望ましい。
【0023】本発明では、種子アルミナ水和物を含有す
る水性スラリーにアルミニウム塩の水溶液と中和剤の水
溶液とを混合する時の前記水性スラリーの温度は、特に
制限されないが、前記水性スラリー中の種子アルミナ水
和物の粒子成長の速度的観点から30℃以上、好ましく
は40℃以上、更に好ましくは50〜100℃であるこ
とが望ましい。
【0024】また、本発明では、種子アルミナ水和物を
含有する水性スラリーを循環させながら、この循環過程
で種子アルミナ水和物を含有する水性スラリーを分割
し、分割された一方の種子アルミナ水和物を含有する水
性スラリーにアルミニウム塩を添加して水性スラリー
(a)を形成し、分割された他方の種子アルミナ水和物
を含有する水性スラリーに中和剤を添加して水性スラリ
ー(b)を形成し、次いで、水性スラリー(a)と水性
スラリー(b)とを混合してもよい。
【0025】前述の方法で得られたアルミナ水和物は、
通常の方法により、洗浄、成型、乾燥、焼成して多孔性
アルミナを得る。本発明で得られる多孔性アルミナは、
各種の触媒担体、吸着剤、乾燥剤など、従来、多孔性ア
ルミナが利用されていた産業分野で利用される。特に、
本発明で得られる多孔性アルミナに周期律表第VIA族
の金属成分を酸化物として5〜30wt%、第VIII
族の金属成分を酸化物として1〜10wt%担持した水
素化処理触媒は、BET表面積に対する平均細孔直径〜
600Åの細孔の占める表面積の割合(有効表面積)、
細孔容積が大きく、機械的強度も強く、高い脱硫活性を
示す。
【0026】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0027】実施例1 容器外に設けられた循環ライン及び循環ラインに薬液添
加口2箇所を持つ調合容器に脱イオン水254.34k
gを張り込み、平均分子量16〜17万のイソブチレン
とマレイン酸の共重合体432gを添加し、約2時間高
速攪拌し完全に溶解させた。これに、Al換算濃
度22wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液を1.62
kg添加し十分攪拌した。この溶液のpHは約10.5
であった。この溶液を60℃に加温し、循環させながら
Al換算濃度4.51wt%の硫酸アルミニウム
溶液を約15分でpH7.5になるように添加し、10
分間そのまま保持してアルミナ水和物スラリーを得た。
このアルミナ水和物は、繊維状擬ベーマイトで、繊維の
長さ(L)45nm、直径(D)1.5nmで、アスペ
クト比が30であった。これを、種子アルミナ水和物ス
ラリーとして使用した。
【0028】この種子アルミナ水和物スラリーを60℃
の温度に保持し、容器外に設けられた循環ラインを通じ
て循環させた。循環中の種子アルミナ水和物を含有する
水性スラリーに、温度60℃に保持したAl換算
濃度6.0wt%のアルミン酸ナトリウム水溶液46
8.43gおよびAl換算濃度4.51wt%の
硫酸アルミニウム水溶液274.53kgを、それぞれ
156.14kg/hrおよび91.51kg/hrの
速度で添加し、pH7.0〜7.5の範囲内となるよう
に混合した。得られたアルミナ水和物スラリーは、種子
アルミナ水和物スラリーとして循環して上記操作を3時
間継続した。
【0029】得られたアルミナ水和物スラリーを60℃
で1時間保持した後、洗浄してナトリウム及び硫酸根を
除去したアルミナ水和物スラリーを得た。このアルミナ
水和物スラリーに脱イオン水を加え、Al濃度で
10wt%のスラリーに調製し、15wt%のアンモニ
ア水にてpH10.5に調製し、還流器の付いた熟成タ
ンクにて95℃で5時間熟成した。熟成終了後、このス
ラリーをスチームジャケット付き双腕型ニーダーによ
り、蒸発濃縮し、可塑性のある捏和物とした。この捏和
物をオーガー式押出器で1.9mmの円柱状に押出成型
した。得られたアルミナ成型品は、110℃で16時間
乾燥した後、さらに550℃で3時間焼成してアルミナ
担体(A)を得た。アルミナ担体(A)の各種物性を測
定した結果を表1に示す。
【0030】前述のアルミナ担体(A)と同様にして、
イソブチレンとマレイン酸の共重合体の平均分子量が異
なるもの、平均分子量6.5〜7.5万と約8000の
2種類用いてそれぞれアルミナ担体(B)および(C)
を調製した。これらの性状を表1に示す。共重合体の重
合度を変えることにより望みの性状のアルミナ担体を得
る事が出来る。アルミナ担体(A)は、水銀圧入法によ
る細孔分布において、比較例1のアルミナ担体(D)よ
りも平均細孔直径より小さい範囲でシャープな分布を示
している。
【0031】比較例1 実施例1において、イソブチレンとマレイン酸の共重合
体の代わりに27wt%グルコン酸ソーダ水溶液を4k
gを使用した以外は実施例1と全く同様にしてアルミナ
担体(D)を調製した。表1に性状を示す。
【0032】
【表1】
【0033】実施例2 実施例1のアルミナ担体(A)の調製において、アルミ
ン酸ナトリウム水溶液と硫酸アルミニウム水溶液を混合
するときのpHおよび調合温度を変えた以外はアルミナ
担体(A)と同様の方法で調製して、アルミナ担体
(E)(F)(G)を得た。調合条件およびアルミナ担
体の性状を表2に示す。調合pHや温度などの条件を変
えることで望みの性状のアルミナ担体を得る事が出来
る。
【0034】
【表2】
【0035】参考例1 実施例1のアルミナ担体(A)と比較例1のアルミナ担
体(D)のそれぞれを使用して水素化処理触媒を調製し
た。それぞれの担体にモリブデンとコバルトを酸化物基
準で12wt%と3wt%になるようにパラモリブデン
酸アンモンと硝酸コバルトのアンモニア水溶液を含浸し
た後、回転式乾燥機を用いて室温から250℃まで昇温
乾燥した。乾燥ペレットは、更に550℃で1時間空気
中で焼成し、水素化脱硫触媒を調製した。それぞれの触
媒性状を表3に示す。これらの触媒及び表3に示す市販
触媒を固定床式のマイクロリアクターを用いて次に示す
条件で反応温度を変えて水素化脱硫活性を調べた。 反応条件: 触媒充填量 33g 反応圧力 156kg/cm 液空間速度(LHSV) 0.36hr−1 水素/油比(H/HC)1000Nm/kl 反応温度 360、380℃ また、原料油には、下記性状の常圧残渣油を使用した。 比重(15/4℃) 0.9868g/cm 粘度(50℃) 1341 cSt 残炭 13.1wt% アスファルテン分 8.1wt% イオウ分 4.127wt% 窒素分 2160ppm Ni+V 109ppm 反応結果を表3に示す。脱硫活性は、次式の反応速度定
数により求めた。 K=LHSV×(X/1−X) ただし、X=(原料油硫黄濃度−脱硫油硫黄濃度/原
料油硫黄濃度) 表3から、本発明によるアルミナ担体(A)を用いた水
素化処理触媒は、市販触媒及び比較例のアルミナ担体
(D)を用いた触媒よりもいずれの反応温度においても
反応速度定数Kの値が大きく脱硫活性が優れているこ
とが分かる。
【0036】
【表3】
【0037】
【本発明の効果】本発明の方法で得られる多孔性アルミ
ナは、繊維状アルミナ単粒子よりなる集束体よりなるた
め、細孔直径〜600Åの有効表面積が大きく、細孔分
布がシャープで、細孔容積が大きいにもかかわらず機械
的強度が強いため、水素化処理触媒用担体として有用で
ある。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA01 AA08 BA01A BB06A BB10B BC02B BC16B BD08B BE08A BE08B CB02 EA03X EA03Y EB18Y EC03Y EC07Y EC22X EC22Y FB08 FB57 FB67 FC09 4G076 AA02 AB02 AB08 AC10 BA15 BA45 BB04 BB08 BC01 BC08 BD01 BD02 CA07 CA12 CA25 CA28 DA01 FA08

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 種子アルミナ水和物を含有する水性スラ
    リーを循環させながら、循環中の水性スラリーにアルミ
    ニウム塩の水溶液と中和剤の水溶液とを添加し、pH5
    〜11の範囲に混合して得られたアルミナ水和物含有水
    性スラリーを前記水性スラリーに戻すことからなるアル
    ミナの製造方法において、種子アルミナ水和物がアスペ
    クト比(長さ/径)10以上の繊維状擬ベーマイト粒子
    であることを特徴とするアルミナの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記種子アルミナ水和物が、カルボキシ
    ル基又はその誘導体からなる基を有する不飽和炭化水素
    の重合体の存在下に沈殿を生ぜしめたアルミナ水和物で
    ある請求項1記載のアルミナの製造方法。
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