JP2000189049A - 風味がよく栄養価の高い低塩漬物の製造法 - Google Patents

風味がよく栄養価の高い低塩漬物の製造法

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Yoshio Inoue
義夫 井上
Hiroko Inoue
裕子 井上
Hisashi Katayama
久 片山
Tomoko Katayama
智子 片山
Kyoko Inoue
京子 井上
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/90Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in food processing or handling, e.g. food conservation

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  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
  • Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 風味がよく栄養価の高い低塩漬物の製造法 【構成】 温度調節機・除湿乾燥機・真空ポンプを設備
した乾燥室内に野菜を静置し、室内の空気を窒素ガスま
たは炭酸ガスで置換してから室温を60℃以下・湿度を
70%以下の条件で、野菜(水分減量が30%以下)を
乾燥後、室温0℃〜−1℃で24〜48時間静置したも
のに、重量の3〜0.5%の食塩をまぶしてから、容器
に漬け込み、重し石を置かない状態で、室温が0〜−1
℃の貯蔵室に2〜20日間貯蔵し製品とする。 [効果] 風味がよく栄養価の高い低塩漬物が製造でき
る。また、産業廃棄物(高塩分水)の発生がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[産業上の利用分野]本発明は、風味がよ
く栄養価の高い低塩漬物の製造法に関する。
【0002】[従来の技術]漬物製造の原理は野菜に多
量の食塩を接触させ、食塩の浸透圧によって野菜の細胞
膜を破壊し、細胞内の水溶液を細胞外に流失させるとと
もに食塩を細胞内に浸透させることによって漬物として
の味を付け、漬物としての食感を生じさせ、時間の経過
ともに漬物としての風味を増すものである。
【0003】従来の漬物の製造法は原料となる白菜や大
根などを、そのまま、または天日で野菜を適度に乾燥し
たものに、3〜10%の食塩をまぶしてから容器に漬け
込み、上に適当な重量の重し石を置き5〜10日間経過
後、漬物を取り出し必要に応じて水に浸漬して脱塩し、
漬物の塩分濃度を調整し、調味料などを添加して製品と
している。
【0004】漬物は日本の伝統的食品であるが、現代で
は高塩食品として健康には要注意の食品とされている。
漬物製造業者も漬物の低塩化に努力しているが、漬物の
漬け込みの最初から食塩2%以下の漬物を作ることは、
非常に難しいことだとされている。
【0005】その理由は2%以下の低濃度塩分で漬け込
みをすると、細胞膜の破壊が少なく野菜の細胞が長く生
きていて、塩分の細胞への浸透がスムーズにいかないの
で、生々しい部分がある不完全な漬物となってしまう。
【0006】従来の漬物製造には天日乾燥で野菜の水分
を減量してから漬け込みを行う方法もあるが、この場合
には原料の乾燥が均一にならないという欠点がある。ま
た、多量の食塩を使用すれば野菜の細胞膜の破壊が速く
なり、漬け上がりも速くなるが、細胞膜が多く破壊され
細胞内の成分が多く流失する。そのために、漬物として
の味や食感が損なわれ、仕上がり漬物の価値と食塩の使
用量の調整が非常に難しく、漬物の製造には多年にわた
る経験が必要とされている。
【0007】[発明が解決しようとする課題]本発明は
漬物の漬け込みに使用する食塩の量を3%以下とし、ま
た漬け込みに要する時間を、従来の漬け込み時間よりも
短くし、しかも仕上がった漬物は従来の漬物に比べて塩
分が少なく、風味がよく栄養価が高い低塩漬物の製造法
を開発しようとするものである。
【0008】[課題を解決するための手段]上記目的を
達成するために、次の順序に従って製造を行う。洗浄し
てから、分割した白菜・キャベツ・大根などの野菜を、
気密室に野菜と野菜の間隔をある程度保持しながら静置
する。気密室は密閉できる出入口、ガスの入・出口
パイプ(バルブ・逆止弁付)、温度調節機(加温〜冷
却)、除湿乾燥機、真空ポンプ、冷凍機を設備す
る。
【0009】この気密室に窒素ガスまたは炭酸ガスを送
入して空気を排除し、窒素ガスまたは炭酸ガスと交換す
る。次に気密室内に置いた野菜の含有水分の減量が、3
0%以上になるように、温度調節機(加温〜冷却)・除
湿乾燥機・真空ポンプを用いて、気密室内の室温を60
℃以下・湿度を70%以下の条件で、気体(窒素ガスま
たは炭酸ガス)を循環させるか室内を減圧にすることに
よって野菜を乾燥する。
【0010】乾燥が終った野菜は気体(窒素ガスまたは
炭酸ガス)を充満し、室温を0〜−1℃に保持した気密
室(陽圧)に24〜48時間静置する。次に前記の工程
を終了した野菜に重量の3〜0.5%の食塩をまぶして
から、容器に漬け込んだものを、重し石を置かない状態
で室温が0〜−1℃の貯蔵室に、2〜20日間貯蔵し製
品とする。
【0011】[作用]野菜を静置した気密室の空気を、
窒素ガスまたは炭酸ガスと置き換えることによって酸素
による野菜の変化が防止できる。
【0012】温度調節機によって室温を安定に保ちなが
ら、除湿乾燥機を運転することによって野菜の水分を強
制的に除去するので、野菜を急速に乾燥できる。また、
果肉の厚い茄子・南瓜・大根などの乾燥を行うときは真
空ポンプを用い減圧することによって乾燥時間をさらに
短縮できる。
【0013】室温は低いほど野菜のためにはよいが、あ
まり低いと水分の除去速度(効率)が低くなる。また、
反対に60℃以上の温度になると野菜への悪影響が大き
いので好ましくない。従って60℃以下の温度で、水分
の除去速度があまり低くならない温度で行うように注意
する。
【0014】野菜の水分が所定の減量になったとき乾燥
作業を停止し、気密室の気圧を外圧よりも少し高くし、
室温を0〜−1℃に保持しながら24〜48時間静置す
る。
【0015】このようにして乾燥した野菜は全体が平均
して乾燥されているし、細胞膜も平均的に破壊されてい
るので、次の食塩加工のとき低塩濃度でも塩味が速やか
に付き、また、塩分濃度も希望どおりものができる。そ
して、天日乾燥によるものや高塩濃度による漬物に見ら
れるような漬かりが未熟であったり、漬かり過ぎて柔ら
かくなっているといったことがない。
【0016】乾燥の工程を終了した野菜に重量の3〜
0.5%の食塩をまぶしてから、容器に漬け込んだもの
を重し石を置かない状態で、室温が0〜−1℃の貯蔵室
に2〜20日間貯蔵する。食塩の濃度は仕上がり漬物の
希望食塩濃度より逆算して配合する。
【0017】室温を0〜−1℃に保つのは室温が高くな
ると、漬物が低塩濃度のため好ましくない発酵(腐敗)
が起こるので、それを防止するためである。また、漬け
込み中、漬物の上に重し石を置かなくても低塩濃度でも
塩分は容易に細胞内に浸透して行くことができるので重
しの必要がない。それから、重しを置かないので、細胞
内の液の流失がなく、また、重しの圧も加わらないの
で、野菜としての組織の崩れもない。
【0018】[実施例]ガス入・出口パイプ(バルブ・
逆止支弁付)・温度調節機(加温〜冷却)・除湿乾燥機
を設備した乾燥室内に、洗浄して6等分割した白菜(重
量4kg)を置き、乾燥室内に窒素ガスボンベから窒素
ガスを入口パイプから送入するとともに、出口パイプか
ら空気を排除する。空気が排除されたかどうかは出口パ
イプから排出される気体中に点火したマッチを入れ、マ
ッチの炎が速やかに消えるかどうかによって確認する。
【0019】次に乾燥室内の室温を30℃に保ち、湿度
を65%以下に下げ、室内の気体を循環させながら野菜
の水分が40%(1.6kg)以下に減量するまで乾燥
する。
【0020】乾燥が終わった野菜(2.4kg)をポリ
エチレン袋(厚さ0.05mm、容量40l3枚重ね)
に入れ、窒素ガスを充填してから密封したものを、室温
0〜−1℃の冷蔵室に24時間静置する。
【0021】乾燥の工程を終了した野菜(2.4kg)
に1.5%(36g)の食塩をまぶしてからポリエチレ
ン容器に漬け込み、室温が0〜−1℃の冷蔵室に5日間
貯蔵したものを製品とする。
【0022】[発明による効果] [作用欄]で説明したように、本発明では漬物を製す
るとき塩分濃度を簡単に正確に調整できる。従来の漬
物製造で大量に発生する塩分濃度が高い産業廃水が全く
出ない。本発明によって製造した漬物は野菜の細胞内
成分の流失がないので風味がよく栄養価が高い。低塩
分である。高塩分による細胞の破壊がないので食感
(歯ごたえ)が損なわれていない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598076731 井上 京子 東京都杉並区南荻窪1丁目42―10 (72)発明者 井上 義夫 徳島市下助任町2丁目37番地の2 (72)発明者 井上 裕子 徳島市下助任町2丁目37番地の2 (72)発明者 片山 久 徳島市下助任町2丁目37番地の2 (72)発明者 片山 智子 徳島市下助任町2丁目37番地の2 (72)発明者 井上 京子 東京都杉並区南荻窪1丁目42−10 Fターム(参考) 4B016 LC07 LE03 LG08 LG10 LK01 LP03 LP08 LP11 LP13 4B069 BA01 BA06 DA01 DA16 DA17 HA02 HA09 KD02 KD03 KD04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分割した白菜・キャベツ・大根などの野
    菜を気密室内に入れ、この気密室に窒素ガスまたは炭酸
    ガスを送入して空気を排除し、窒素ガスまたは炭酸ガス
    と交換する。次に気密室内に置いた野菜の含有水分の減
    量が、30%以上になるように、温度調節機(加温〜冷
    却)・除湿乾燥機・真空ポンプを用いて、気密室内の室
    温を60℃以下・湿度を70%以下の条件で、気体(窒
    素ガスまたは炭酸ガス)を循環させるか、室内を減圧に
    することによって野菜を乾燥する。乾燥が終った野菜は
    気体(窒素ガスまたは炭酸ガス)を充満し、室温を0〜
    −1℃に保持した気密室(陽圧)に24〜48時間静置
    する。次に前記の工程を終了した野菜に、重量の3〜
    0.5%の食塩をまぶしてから、容器に漬け込んだもの
    を、重し石を置かない状態で、室温が0〜−1℃の貯蔵
    室に2〜20日間貯蔵し製品とする。
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