JP2000186256A - 樹脂板用表面保護フィルム - Google Patents

樹脂板用表面保護フィルム

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JP2000186256A
JP2000186256A JP10364828A JP36482898A JP2000186256A JP 2000186256 A JP2000186256 A JP 2000186256A JP 10364828 A JP10364828 A JP 10364828A JP 36482898 A JP36482898 A JP 36482898A JP 2000186256 A JP2000186256 A JP 2000186256A
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resin plate
resin
weight
surface protective
protective film
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JP10364828A
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English (en)
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Shigehisa Kobayashi
重久 小林
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂板表面に対する十分な初期粘着性を有
し、加熱処理が施された後も樹脂板表面から容易に剥離
し得るものであり、剥離後の樹脂板表面の汚染が少な
く、良好な濡れを示し、且つ、優れたシャーリングや回
転ノコ歯による切断性を示す樹脂板用表面保護フィルム
を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂からなる基材層の片面に、
粘着剤層が形成されてなる表面保護フィルムにおいて、
粘着剤層が(a)重合触媒として四価の遷移金属を含む
メタロセン化合物を用いて得られた密度が0.900〜
0.920g/cm3 のポリエチレン系樹脂70〜95
重量%と(b)酢酸ビニル含有量が5〜15重量%のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体30〜5重量%の混和物か
らなることを特徴とする樹脂板用表面保護フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂板用表面保護
フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂板を加工する時又は輸送する時
等に、傷付きや汚れから合成樹脂板を保護することを目
的として、仮着する合成樹脂板の種類や保管、加工、輸
送等の条件に応じて各種の表面保護フィルムが用いられ
ている。これらの表面保護フィルムは、保管、加工、輸
送等、最終的な使用目的を果たせば用済として引き剥が
され廃棄される。
【0003】このような表面保護フィルムは、通常、ポ
リエチレン(以下、PEと略称する)、ポリプロピレン
(以下、PPと略称する)、ポリエチレンテレフタレー
ト(以下、PETと略称する)等の熱可塑性樹脂からな
る基材層の片面に、粘着剤層が積層された構成からな
る。
【0004】合成樹脂板の取引分野では、前記するよう
に合成樹脂板製品に表面保護フィルムが仮着されたまま
で、移送され、必要に応じて切断され、小分けされて販
売されることもあり、更には、必要な曲げ加工やその他
絞り成形等の各種加工工程を通して合成樹脂板に表面保
護フィルムが仮着された状態で合成樹脂板の表面を保護
するものである。従って、これらの各種の工程において
合成樹脂板表面から表面保護フィルムが剥離しない程度
の初期粘着力が要求される。特に、曲げ加工やその他絞
り成形等の加工工程においては、比較的高温にも加熱さ
れる。例えば、アクリル系樹脂板の中程度の加熱成形に
おいても、160℃で10分間程度の熱履歴を受ける。
【0005】しかし、表面保護フィルムは、このような
高温の熱履歴を受けると、粘着力が急激に上昇する傾向
を示し、被着合成樹脂板表面に粘着し、剥離することが
極めて困難となる上、被着合成樹脂板表面に粘着剤中の
低分子量成分をブリードし、印刷時のインクののりが悪
くなり、綺麗な印刷ができなくなる等の問題点を有する
ものであった。
【0006】表面保護フィルムの加熱後の粘着力上昇を
抑える方法として、例えば、特開昭59−75974号
公報には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EV
Aと略称する)に、100〜200℃の加熱時にブリー
ドする、融点が20℃以下(18℃)のα−オレフィン
オキサイド等の常温で液状の有機化合物を含有させた粘
着剤層を積層した表面保護フィルムが開示されている。
【0007】しかし、上記表面保護フィルムは、常温で
液状の有機化合物がブリードし易く、保管中に表面保護
フィルムの粘着剤層表面にブリードし、被着合成樹脂板
に対する初期粘着性を低下させてしまい、被着合成樹脂
板表面から剥離し易く、甚だしい場合には被着せず、
又、印刷時のインクののりが悪くなる等、表面保護の性
能を低下してしまうという欠点を有するものであった。
【0008】又、特開平6−328633号公報には、
a)密度が0.915g/ml以下の直鎖状エチレン−
α−オレフィン共重合体樹脂1〜98wt%と、b)酢
酸ビニル含有量が5〜25wt%でメルトインデックス
が0.1〜10g/10分のEVA1〜98wt%、
c)アタクチックポリプロピレン1〜20wt%からな
る粘着層とポリエチレン層が共押出により積層状態に成
形された共押出粘着性フィルムが表面保護フィルムとし
て開示されている。
【0009】しかし、上記共押出粘着性フィルムは、上
記公報中にも記載されているように樹脂板に被着した
後、加熱処理されると、被着樹脂板から上記共押出粘着
性フィルムを剥離する際の剥離力が100g/25mm
を超えてしまう。一般に、樹脂板用表面保護フィルムの
剥離力は、100g/25mm以下が好ましい基準とさ
れているものであり、100g/25mmを超えると剥
離作業性を著しく低下させるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の事実に
鑑みなされたものであって、その目的は、樹脂板表面に
対する十分な初期粘着性を有し、加熱処理が施された後
も樹脂板表面から容易に剥離し得るものであり、剥離後
の樹脂板表面の汚染が少なく、良好な濡れを示し、且
つ、優れたシャーリングや回転ノコ歯による切断性を示
す樹脂板用表面保護フィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の樹
脂板用表面保護フィルムは、熱可塑性樹脂からなる基材
層の片面に、粘着剤層が形成されてなる表面保護フィル
ムにおいて、粘着剤層が(a)重合触媒として四価の遷
移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られた密度が
0.900〜0.920g/cm3 のポリエチレン系樹
脂70〜95重量%と(b)酢酸ビニル含有量が5〜1
5重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体30〜5重量
%の混和物からなることを特徴とする。
【0012】請求項2に記載の発明の樹脂板用表面保護
フィルムは、請求項1記載の発明の樹脂板用表面保護フ
ィルムにおいて、粘着剤層がポリエチレン系樹脂とエチ
レン−酢酸ビニル共重合体の混和物100重量部に対し
て、更に、(c)粘着付与樹脂0.2〜3.0重量部が
配合されたものである。
【0013】請求項3に記載の発明の樹脂板用表面保護
フィルムは、請求項1又は2記載の発明の樹脂板用表面
保護フィルムにおいて、ポリエチレン系樹脂が、クロス
分別法によって10重量%溶出したときの温度から10
0重量%溶出したときの温度までの温度の幅が30℃以
下であり、重量平均分子量/数平均分子量の値が1.5
〜3.5である。
【0014】以下、請求項1〜3に記載の発明(以下、
「本発明」という)の各構成について詳細に説明する。
本発明において粘着剤層に用いられる(a)ポリエチレ
ン系樹脂は、エチレン単独、或いはエチレンとα−オレ
フィンとを構造単位とする樹脂が挙げられる。上記α−
オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等が挙げられる。
上記ポリエチレン系樹脂の重合に用いられる重合触媒と
して四価の遷移金属を含むメタロセン化合物が用いられ
る。四価の遷移金属としては、チタン、ジルコニウム、
ニッケル、パラジウム、ハフニウム、白金等が挙げられ
る。これらの四価の遷移金属に1つまたはそれ以上のシ
クロペンタジエニル環及びその類縁体がリガンドとして
存在する化合物が一般的にメタロセン化合物といわれる
ものである。
【0015】リガンドについて具体的に示すと、シクロ
ペンタジエニル環、及び炭化水素基、置換炭化水素基ま
たは炭化水素−置換メタロイド基により置換されたシク
ロペンタジエニル環、シクロペンタジエニルオリゴマー
環、インデニル環、及び炭化水素基、置換炭化水素基ま
たは炭化水素−置換メタロイド基により置換されたイン
デニル環等が例示され、これらのリガンドが1つまたは
それ以上に存在する。これら以外のリガンドとしては、
塩素、臭素等の一価のアニオンリガンドまたは二価のア
ニオンキレートリガンド、炭化水素、アルコキシド、ア
リールアルコキシド、アリールオキシド、アミド、アリ
ールアミド、ホスフィド、アリールフォスフィド等が例
示される。
【0016】上記炭化水素基のうち代表的なものはメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、イソアミル、
ヘキシル、イソブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、
デシル、セチル、2−エチルヘキシル、フェニルであ
る。
【0017】これらのリガンドが配位したメタロセン化
合物としてはシクロペンタジエニルチタニウムトリス
(ジメチルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタ
ニウムトリス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタ
ジエニル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテト
ラメチルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミ
ドジルコニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチ
ルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフ
ニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロ
ペンタジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコ
ニウムクロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシ
クロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウ
ムジクロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメチル
アミド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミ
ド)、インデニルチタニウムトリス(ジ−n−プロピル
アミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブチル
アミド)(ジ−n−プロピルアミド)等が例示できる。
【0018】重合は通常これらのメタロセン化合物に、
共触媒としてメチルアルミノキサン(MAO)、ホウ素
系化合物等を加えた触媒系で行われる。メタロセン化合
物に対する共触媒の使用割合としては、10〜1000
000モル倍、通常50〜5000モル倍である。
【0019】重合条件については特に制限はなく、不活
性媒体を用いる溶液重合法、あるいは、実質的に不活性
媒体の存在しない塊状重合法、気相重合法も利用でき
る。重合温度としては−100℃から300℃、重合圧
力としては、常圧から100kg/cm2 で行うのが一
般的である。
【0020】これらのメタロセン触媒にて重合されたポ
リオレフィンは分子量分布が狭く、共重合体の場合、ど
の分子量成分にも共重合体成分がほぼ等しい割合で導入
されている。このようなポリエチレン系樹脂の市販品と
しては、ダウ・ケミカル社製のCGCT、アフィニティ
ー、エンゲージ、エクソン・ケミカル社製のEXACT
などが知られている。
【0021】本発明において粘着剤層に用いられるポリ
エチレン系樹脂は、上記重合反応によって得られるポリ
エチレン系樹脂のうち、その密度が0.900〜0.9
20g/cm3 であるものに限定される。密度が0.9
00g/cm3 未満では、得られる粘着剤層の柔軟性が
大きくなり、樹脂板に仮着した後、加熱処理されると粘
着力が著しく上昇し、樹脂板表面から剥離することが難
しくなり、0.920g/cm3 を超えると、粘着剤層
の柔軟性が不足し、樹脂板表面に対する十分な初期粘着
力が得られない。
【0022】上記ポリエチレン系樹脂は、好ましくはク
ロス分別法によって10重量%溶出したときの温度から
100重量%溶出終了したときの温度の幅が30℃以
下、更に好ましくは28℃以下であって、重量平均分子
量/数平均分子量の値が1.5〜3.5、更に好ましく
は、1.7〜3.0である。
【0023】クロス分別法について説明すれば、ポリエ
チレン系樹脂を、140℃あるいはポリエチレン系樹脂
が完全に溶解する温度のο−ジクロロベンゼンに溶解し
た後、一定速度で0℃まで冷却し、予め用意した不活性
担体の表面に薄いポリマー層を結晶性の高い順及び分子
量の大きい順に生成させる。次に温度を連続または段階
状に昇温し、順次溶出した成分の濃度を検出し、組成分
布(結晶性分布)を測定する<温度上昇溶離分別>と共
に、その成分の分子量及び分子量分布を高温型GPCに
より測定する。本発明では、上述した温度上昇溶離分別
(TREF=Temperature Rising Elution Fractionati
on)部分と高温GPC(SEC=Size Exclusion Chrom
atograph)部分とをシステムとして備えているクロス分
別クロマトグラフ装置<CFC−T150A型:三菱化
学社製>を使用し、上述のデータを測定した。
【0024】ポリエチレン系樹脂のクロス分別法により
測定された上記温度幅が30℃を超えると、ポリエチレ
ン系樹脂の中に結晶性の高い成分と低い成分が同時に存
在することになり、樹脂の粘度にむらが生じ、外観的に
均一なフィルムを得ることができない。
【0025】又、上記クロス分別法により測定された重
量平均分子量/数平均分子量の値が1.5未満である
と、樹脂が溶融時に流れにくくなり、成形が困難とな
る。一方、この値が3.5を超えると、分子量の低い分
子と高い分子の存在比率が高くなり、低分子量分は被保
護物から剥離する際に被保護物表面に残って汚染とな
り、印刷加工時のインクののりを悪くし、高分子量分は
フィルム成型時に未溶融のフィッシュアイとなり、貼付
したままの状態で加熱すると被保護物にへこみを生じ、
外観を悪くするのでいずれも好ましくない。
【0026】又、上記ポリエチレン系樹脂は、示差走査
熱量計(DSC)における結晶融解ピークが一つであ
り、融解ピーク温度より全結晶が融解し終わるまでの温
度の幅が20℃以内であるものが更に好ましい。DSC
について説明すれば、測定装置は、DSC(セイコー電
子社製、商品名「SSC5200型」を用いた。測定
は、ポリエチレン系樹脂サンプルを10mg程度白金パ
ンに入れ、一度溶融させた後、5℃/分の速度で−50
℃まで冷却し、それから5℃/分の速度で昇温して行っ
た。
【0027】上記DSCにより測定された結晶融解ピー
クが複数個存在するということは、結晶性の異なる成分
が複数個存在することを意味し、このようなポリエチレ
ン系樹脂は、溶融粘度むらを生じ易く、得られる粘着剤
層が平滑表面を形成し難くなり、その結果、初期粘着性
を低下させ、樹脂板用表面保護フィルムの貼着性が悪く
なる。
【0028】又、上記結晶融解ピークが一つであって
も、結晶融解ピーク温度から全結晶が融解し終わるまで
の温度の幅が20℃を超えるものであると、混在する結
晶性の高いポリエチレン分子と結晶性の低いポリエチレ
ン分子の結晶性の差が大きいことを示し、このようなポ
リエチレン系樹脂は前記同様、溶融粘度むらを生じ易
く、得られる粘着剤層が平滑表面を形成し難くなり、そ
の結果、初期粘着性を低下させ、樹脂板用表面保護フィ
ルムの貼着性が悪くなる。
【0029】粘着剤層の(b)エチレン−酢酸ビニル共
重合体の酢酸ビニル含有量は、5〜15重量%である。
酢酸ビニル含有量が5重量%未満では、粘着剤層の柔軟
性が不足し、樹脂板に対する十分な初期粘着性が得られ
ず、15重量%を超えると、樹脂板に貼着した後、加熱
処理されると、粘着剤層の粘着力が著しく上昇し、樹脂
板表面から剥離し難くなる。
【0030】粘着剤層の(a)成分と(b)成分の含有
比率は、(a)成分70〜95重量%、(b)成分30
〜5重量%である。(a)成分が重量%未満であり、
(b)成分30重量%を超える粘着剤層は、樹脂板に貼
着した後、加熱処理されると、粘着剤層の粘着力が著し
く上昇し、樹脂板表面から剥離し難くなり、(a)成分
が95重量%を超え、(b)成分が5重量%未満である
と、粘着剤層の柔軟性が不足し、樹脂板に対する十分な
初期粘着性が得られない。
【0031】粘着剤層の(a)ポリエチレン系樹脂成分
と(b)エチレン−酢酸ビニル共重合体成分からなる粘
着剤組成物には、更に、(c)粘着付与樹脂が配合され
たものであってもよい。本発明で使用される(c)粘着
付与樹脂は、前記ポリエチレン系樹脂成分等と相溶する
ものであれば特に限定されるものではないが、例えば、
脂肪族系石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン・インデン
樹脂、芳香族系石油樹脂、ロジン樹脂、脂環族系石油樹
脂等が挙げられる。
【0032】粘着付与樹脂の配合量は、上記(a)成分
及び(b)成分の合計量100重量部に対し(c)粘着
付与樹脂0.2〜3.0重量部程度である。粘着付与樹
脂の配合量が0.2重量部未満では初期粘着性が不足
し、3.0重量部を超えると粘着剤表面にブリードし
て、貼着した樹脂板表面を汚染し、印刷時にインクのの
りを悪くする恐れがある。
【0033】本発明において基材層に用いられる熱可塑
性樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オ
レフィン共重合体、ポリプロピレン等が挙げられる。こ
れらの熱可塑性樹脂はそれぞれ単独で用いられてもよい
が、2種以上が併用されてもよい。
【0034】上記基材層及び粘着剤層からなる樹脂板用
表面保護フィルムの製造方法は、特に限定されるもので
はないが、例えば、インフレーション方式もしくはTダ
イ方式の二層もしくはそれ以上の層の多層共押出法が挙
げられる。上記基材層及び粘着剤層は、各々単層であっ
てもよいが、各々2層以上の層からなるものであっても
よい。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、実施例及
び比較例を挙げて具体的に説明するが、本発明は、これ
らの実施例に限定されるものではない。
【0036】(実施例1)低密度ポリエチレン(三井化
学社製、商品名「ミラソン12」)を基材層とし、その
片面に、重合触媒としてメタロセン化合物を用いて得ら
れたポリエチレン系樹脂(エクソン・ケミカル社製、商
品名「EXACT3027」、密度0.900g/cm
3 、重量平均分子量/数平均分子量=2.0、クロス分
別法の測定結果及びDSCの測定結果は、表1の通りで
ある。)を70重量%、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(三菱化学社製、商品名「LV440」、酢酸ビニル含
有量15重量%)を30重量%の割合で混和した粘着剤
を粘着剤層として、基材層の厚み40μm、粘着剤層の
厚み20μmとなるようにTダイによる2層共押出法で
樹脂板用表面保護フィルムを作製した。
【0037】(実施例2〜3、比較例1〜4)実施例1
の粘着剤に替えて、表1に示すポリエチレン系樹脂及び
エチレン−酢酸ビニル共重合体を同表に示す含有比率で
含有させた粘着剤を用いたこと以外、実施例1と同様に
して樹脂板用表面保護フィルムを作製した。
【0038】(実施例4)実施例1の粘着剤組成物10
0重量部に対して粘着付与樹脂(理化ハーキュレス社
製、商品名「フォーラル105」、完全水添ロジンのペ
ンタエリスリトールエステル樹脂)0.2重量部を配合
したこと以外、実施例1と同様にして樹脂板用表面保護
フィルムを作製した。
【0039】(実施例5〜6、比較例5〜10)実施例
4の粘着剤に替えて、表2に示すポリエチレン系樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体及び粘着付与樹脂を同表
に示す含有比率で含有させた粘着剤を用いたこと以外、
実施例4と同様にして樹脂板用表面保護フィルムを作製
した。
【0040】得られた樹脂板用表面保護フィルムを以下
に説明する方法にて、初期粘着力及び加熱後粘着力を測
定し、実施例1〜3及び比較例1〜4の表面保護フィル
ムについて、シャーリング加工性及び貼着樹脂板表面汚
染性を評価した。その結果を表1に示す。又、実施例4
〜6及び比較例5〜10の表面保護フィルムについて、
回転ノコ歯切断性及び貼着樹脂板表面汚染性を評価し
た。その結果を表2に示す。
【0041】測定方法 (初期粘着力)樹脂板用表面保護フィルムを厚さ2mm
の表面を清浄化した市販のアクリル板にラミネーターで
貼着し、23℃で30分放置後、剥離幅25mm、剥離
角度180°で引き剥がした際に要する力を測定する。
【0042】(加熱後粘着力)樹脂板用表面保護フィル
ムを厚さ2mmの表面を清浄化した市販のアクリル板に
ラミネーターで貼着し、160℃に加熱されている熱風
循環式オーブン中に30分間暴露した後取り出し、常温
に冷却した後、前項同様に23℃で30分放置後、剥離
幅25mm、剥離角度180°で引き剥がした際に要す
る力を測定する。尚、加熱後粘着力の良否判定は、50
g/25mm以下を良(容易に剥離できる)と評価し
た。
【0043】(シャーリング加工性)樹脂板用表面保護
フィルムを厚さ0.5mmの表面を清浄化した市販のポ
リカーボネート樹脂板にラミネーターで貼着し、貼着し
た樹脂板用表面保護フィルム側から刃が降りるようにシ
ャーリングによる切断加工を施し、略同じピースに切断
する。切断された2つの面を観察し、樹脂板用表面保護
フィルムと樹脂板の間に1点でも1mm以上の隙間、即
ち、樹脂板用表面保護フィルムの浮きがあったものを不
合格(×)とし、1mm以上の浮きが認められなかった
ものを合格(○)と評価した。
【0044】(回転ノコ歯切断性)樹脂板用表面保護フ
ィルムを厚さ0.5mmの表面を清浄化した市販のポリ
カーボネート樹脂板にラミネーターで貼着し、貼着した
樹脂板用表面保護フィルム側から刃が当たるようにノコ
歯で切断加工し、略同じピースに切断する。切断された
2つの面を観察し、樹脂板用表面保護フィルムと樹脂板
の間に1点でも1mm以上の隙間、即ち、樹脂板用表面
保護フィルムの浮きがあったものを不合格(×)とし、
1mm以上の浮きが認められなかったものを合格(○)
と評価した。
【0045】(貼着樹脂板表面汚染性)樹脂板用表面保
護フィルムを厚さ2mmの表面を清浄化した市販のアク
リル板にラミネーターで貼着し、160℃に加熱されて
いる熱風循環式オーブン中に30分間暴露した後取り出
し、常温に冷却した後、樹脂板用表面保護フィルムを通
常の剥離方法で剥離し、露出したアクリル板表面を濡れ
指数標準液(和光純薬工業社製、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル水溶液)で濡れ試験を行い、表面の濡
れが35dyn/cm以上を良好な濡れ(○)、35d
yn/cm未満を濡れ不良(×)と評価した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明の樹脂板用表面保護フィルムは、
良好な貼着作業性を示す初期粘着性と加熱処理を施した
後にも粘着力が上昇することがない加熱処理後の安定し
た粘着性を示し、加熱処理後の被着樹脂板の樹脂板用表
面保護フィルム剥離面もブリード物による汚染も少な
く、良好な濡れを示し、且つ、シャーリングや回転ノコ
歯による切断加工性も優れた性能を示した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂からなる基材層の片面に、
    粘着剤層が形成されてなる表面保護フィルムにおいて、
    粘着剤層が(a)重合触媒として四価の遷移金属を含む
    メタロセン化合物を用いて得られた密度が0.900〜
    0.920g/cm3 のポリエチレン系樹脂70〜95
    重量%と(b)酢酸ビニル含有量が5〜15重量%のエ
    チレン−酢酸ビニル共重合体30〜5重量%の混和物か
    らなることを特徴とする樹脂板用表面保護フィルム。
  2. 【請求項2】 粘着剤層がポリエチレン系樹脂とエチレ
    ン−酢酸ビニル共重合体の混和物100重量部に対し
    て、更に、(c)粘着付与樹脂0.2〜3.0重量部が
    配合されたものである請求項1記載の樹脂板用表面保護
    フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリエチレン系樹脂が、クロス分別法に
    よって10重量%溶出したときの温度から100重量%
    溶出したときの温度までの温度の幅が30℃以下であ
    り、重量平均分子量/数平均分子量の値が1.5〜3.
    5である請求項1又は2記載の樹脂板用表面保護フィル
    ム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009275212A (ja) * 2007-10-31 2009-11-26 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 粘着フィルム又はシート
KR101162583B1 (ko) 2008-08-05 2012-07-10 디아이씨 가부시끼가이샤 표면 보호 필름
JP7077105B2 (ja) 2018-03-30 2022-05-30 株式会社サンエー化研 表面保護フィルム

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