JP2000185613A - エアバッグ - Google Patents
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- JP2000185613A JP2000185613A JP10366353A JP36635398A JP2000185613A JP 2000185613 A JP2000185613 A JP 2000185613A JP 10366353 A JP10366353 A JP 10366353A JP 36635398 A JP36635398 A JP 36635398A JP 2000185613 A JP2000185613 A JP 2000185613A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 エアバッグの展開特性を良好にする。エアバ
ッグの製造コストを低減する。 【解決手段】 エアバッグ1は、3枚のパネル21,22,
23を重ねて第1の分室31と第2の分室32とを形成する。
下パネル21と中パネル22とを第1の縫合部51で縫合し、
第1の分室31を広く扁平に展開させる。第1の縫合部51
のインフレータ12側に、破断可能な第2の縫合部54を設
ける。この第2の縫合部54が破断することにより、イン
フレータ12が噴射する高温高圧のガスの衝撃を吸収す
る。パネル21,22や第1の縫合部51を厳重に補強する必
要がなく、製造コストを低減できる。
ッグの製造コストを低減する。 【解決手段】 エアバッグ1は、3枚のパネル21,22,
23を重ねて第1の分室31と第2の分室32とを形成する。
下パネル21と中パネル22とを第1の縫合部51で縫合し、
第1の分室31を広く扁平に展開させる。第1の縫合部51
のインフレータ12側に、破断可能な第2の縫合部54を設
ける。この第2の縫合部54が破断することにより、イン
フレータ12が噴射する高温高圧のガスの衝撃を吸収す
る。パネル21,22や第1の縫合部51を厳重に補強する必
要がなく、製造コストを低減できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両のス
テアリングホイールに備えられるエアバッグに関する。
テアリングホイールに備えられるエアバッグに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、自動車のステアリングホ
イールに備えられ、ガスの流入により袋状のエアバッグ
を膨出させ、乗員に加わる衝突の衝撃を緩和する運転席
用のエアバッグ装置が用いられている。そして、このエ
アバッグ装置に用いられるエアバッグは、2枚の円形の
ナイロン製の織布である基布(パネル)の外周同士を縫
い合わせ、偏平な袋状に形成されている。また、このエ
アバッグは、車体側の基布に取付孔を形成し、この取付
孔からガスが流入されるとともに、この取付孔の周囲が
ステアリングホイール本体に固定され、小さく折り畳ま
れて収納されている。そして、インフレータの作動時に
は、このインフレータから噴射されたガスの圧力により
乗員側へ膨出し、前方に投げ出された乗員を受け止めて
拘束し、衝撃を緩和するようになっている。
イールに備えられ、ガスの流入により袋状のエアバッグ
を膨出させ、乗員に加わる衝突の衝撃を緩和する運転席
用のエアバッグ装置が用いられている。そして、このエ
アバッグ装置に用いられるエアバッグは、2枚の円形の
ナイロン製の織布である基布(パネル)の外周同士を縫
い合わせ、偏平な袋状に形成されている。また、このエ
アバッグは、車体側の基布に取付孔を形成し、この取付
孔からガスが流入されるとともに、この取付孔の周囲が
ステアリングホイール本体に固定され、小さく折り畳ま
れて収納されている。そして、インフレータの作動時に
は、このインフレータから噴射されたガスの圧力により
乗員側へ膨出し、前方に投げ出された乗員を受け止めて
拘束し、衝撃を緩和するようになっている。
【0003】そして、このようなエアバッグは、偏平に
広く展開することが求められ、例えば、乗員側の基布と
車体側の基布とをテザーベルトで連結する構成が知られ
ている。また、例えば、特許第2631300号公報、
ヨーロッパ特許第EP0775614A2号明細書に示
されるように、乗員側の基布と車体側の基布とをガスの
流通孔を設けた布で連結し、インフレータから噴射され
たガスを複数の内部区画に順次導入する構成が知られて
いる。そして、これらの構成では、展開完了時の形状を
規制して、通常の姿勢の乗員の有効な拘束が図られてい
る。また、特開平8−192703号公報に記載されて
いるように、ガスの流れを外周側に向かうように制御す
る布製のパネルを設けた構成が知られている。
広く展開することが求められ、例えば、乗員側の基布と
車体側の基布とをテザーベルトで連結する構成が知られ
ている。また、例えば、特許第2631300号公報、
ヨーロッパ特許第EP0775614A2号明細書に示
されるように、乗員側の基布と車体側の基布とをガスの
流通孔を設けた布で連結し、インフレータから噴射され
たガスを複数の内部区画に順次導入する構成が知られて
いる。そして、これらの構成では、展開完了時の形状を
規制して、通常の姿勢の乗員の有効な拘束が図られてい
る。また、特開平8−192703号公報に記載されて
いるように、ガスの流れを外周側に向かうように制御す
る布製のパネルを設けた構成が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さらに、今日において
は、エアバッグの膨出過程を制御し、乗員がエアバッグ
装置に極端に近接して位置した際の展開の際などにも、
乗員へ加わる圧力を緩和できる構成が求められている。
は、エアバッグの膨出過程を制御し、乗員がエアバッグ
装置に極端に近接して位置した際の展開の際などにも、
乗員へ加わる圧力を緩和できる構成が求められている。
【0005】この点、複数枚の基布を重ねて層状の分室
を形成するとともに、ガスが最初に導入される分室につ
いては、互いに重ねられた基布同士を縫合し、扁平に広
く展開させる構成が考えられる。しかしながらこの構成
では、インフレータから噴射される熱せられたガスが、
縫合した位置で基布を剪断する方向に作用する。この
点、エアバッグを熱的および機械的に強度のある構造例
えば耐熱布、耐熱糸で厳重に補強する構成が考えられる
が、この構成では、エアバッグが粗硬になり、折り畳み
嵩が増加して、折り畳み工程が煩雑になるなどの問題を
有している。また、噴射するガスの温度が低いインフレ
ータを用いる構成が考えられるが、この構成では、特殊
なインフレータを用いる必要があり、製造コストが上昇
する問題を有している。
を形成するとともに、ガスが最初に導入される分室につ
いては、互いに重ねられた基布同士を縫合し、扁平に広
く展開させる構成が考えられる。しかしながらこの構成
では、インフレータから噴射される熱せられたガスが、
縫合した位置で基布を剪断する方向に作用する。この
点、エアバッグを熱的および機械的に強度のある構造例
えば耐熱布、耐熱糸で厳重に補強する構成が考えられる
が、この構成では、エアバッグが粗硬になり、折り畳み
嵩が増加して、折り畳み工程が煩雑になるなどの問題を
有している。また、噴射するガスの温度が低いインフレ
ータを用いる構成が考えられるが、この構成では、特殊
なインフレータを用いる必要があり、製造コストが上昇
する問題を有している。
【0006】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、展開特性を容易に良好にできるとともに、製造コ
ストを低減できるエアバッグを提供することを目的とす
る。
ので、展開特性を容易に良好にできるとともに、製造コ
ストを低減できるエアバッグを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のエアバッ
グは、被保護物に対して層状に配置された複数の基布
と、これら基布間に配置された複数の分室と、これら分
室を連通するガス連通部と、前記分室の前記被保護物側
に位置する分室に設けられ、外部に連通するガス排出部
とこのガス排出部が設けられた分室以外の前記分室のい
ずれかに設けられ、ガスが導入されるガス導入部と、こ
のガス導入部を設けた分室を形成する互いに重ねられた
基布を互いに連結する第1の連結部と、前記ガス導入部
と前記第1の連結部とのガスの経路中に位置し、前記ガ
ス導入部を設けた分室を形成する互いに重ねられた基布
を互いに離反可能に連結する第2の連結部とを具備した
ものである。
グは、被保護物に対して層状に配置された複数の基布
と、これら基布間に配置された複数の分室と、これら分
室を連通するガス連通部と、前記分室の前記被保護物側
に位置する分室に設けられ、外部に連通するガス排出部
とこのガス排出部が設けられた分室以外の前記分室のい
ずれかに設けられ、ガスが導入されるガス導入部と、こ
のガス導入部を設けた分室を形成する互いに重ねられた
基布を互いに連結する第1の連結部と、前記ガス導入部
と前記第1の連結部とのガスの経路中に位置し、前記ガ
ス導入部を設けた分室を形成する互いに重ねられた基布
を互いに離反可能に連結する第2の連結部とを具備した
ものである。
【0008】そして、この構成では、ガス導入部からガ
スが導入されると、このガスは、被保護物から離間して
位置する分室に供給されてこの分室を所定の形状まで膨
出させ、続いて、ガス連通部を介して、被保護物側に位
置する分室に供給されてこの分室を所定の形状まで膨出
させる。そして、ガス導入部を設けた分室を形成する互
いに重ねられた基布を第1の連結部で互いに連結したの
で、エアバッグは展開初期に広く扁平に展開する。この
ようにして、エアバッグが、被保護物に向かって突出す
る距離および圧力が容易に制御され、エアバッグに極め
て近接した被保護物に対する圧力の緩和が可能になる。
また、エアバッグを膨出させたガスを外部に排出するガ
ス排出部は、ガス導入部が設けられた分室よりも被保護
物側に位置する分室に設けられるので、各分室を所定の
形状まで膨出させることが可能になるとともに、膨出し
た形状を所定の時間維持することが可能になる。さら
に、ガス導入部と前記第1の連結部とのガスの経路中に
位置し、第2の連結部で互いに重ねられた基布を互いに
離反可能に連結したので、ガス導入部から導入されたガ
スの熱あるいは衝撃が第2の連結部の離反時に吸収され
る。そこで、第1の連結部あるいは基布を厳重に補強す
る必要がなく、また、特殊なインフレータを用いる必要
がなく、製造コストが低減される。
スが導入されると、このガスは、被保護物から離間して
位置する分室に供給されてこの分室を所定の形状まで膨
出させ、続いて、ガス連通部を介して、被保護物側に位
置する分室に供給されてこの分室を所定の形状まで膨出
させる。そして、ガス導入部を設けた分室を形成する互
いに重ねられた基布を第1の連結部で互いに連結したの
で、エアバッグは展開初期に広く扁平に展開する。この
ようにして、エアバッグが、被保護物に向かって突出す
る距離および圧力が容易に制御され、エアバッグに極め
て近接した被保護物に対する圧力の緩和が可能になる。
また、エアバッグを膨出させたガスを外部に排出するガ
ス排出部は、ガス導入部が設けられた分室よりも被保護
物側に位置する分室に設けられるので、各分室を所定の
形状まで膨出させることが可能になるとともに、膨出し
た形状を所定の時間維持することが可能になる。さら
に、ガス導入部と前記第1の連結部とのガスの経路中に
位置し、第2の連結部で互いに重ねられた基布を互いに
離反可能に連結したので、ガス導入部から導入されたガ
スの熱あるいは衝撃が第2の連結部の離反時に吸収され
る。そこで、第1の連結部あるいは基布を厳重に補強す
る必要がなく、また、特殊なインフレータを用いる必要
がなく、製造コストが低減される。
【0009】請求項2記載のエアバッグは、請求項1記
載のエアバッグにおいて、第1の連結部は、基布を互い
に縫合する第1の縫糸を備え、第2の連結部は、基布を
互いに縫合し、前記第1の縫糸より弱い第2の縫糸を備
えたものである。
載のエアバッグにおいて、第1の連結部は、基布を互い
に縫合する第1の縫糸を備え、第2の連結部は、基布を
互いに縫合し、前記第1の縫糸より弱い第2の縫糸を備
えたものである。
【0010】そして、この構成では、第2の連結部の連
結部が破断して力を吸収する作用が簡略な構成で実現さ
れ、製造コストが低減される。
結部が破断して力を吸収する作用が簡略な構成で実現さ
れ、製造コストが低減される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のエアバッグの一実
施の形態を図面を参照して説明する。
施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】図1ないし図4において、1はエアバッグ
で、このエアバッグ1は、図1などに一部を示すエアバ
ッグ装置2を構成し、このエアバッグ装置2は、図示し
ない自動車のステアリングホイールのステアリングホイ
ール本体のボス部に装着され、被保護物である乗員を衝
突の衝撃から保護するようになっている。なお、ステア
リングホイール本体は、通常、傾斜したステアリングシ
ャフトに取り付けられ、傾斜した状態で用いられるもの
であるが、以下、エアバッグ装置が取り付けられた側を
乗員側、上側、あるいは表側とし、乗員側の反対側を車
体側、下側、あるいは裏側として説明する。
で、このエアバッグ1は、図1などに一部を示すエアバ
ッグ装置2を構成し、このエアバッグ装置2は、図示し
ない自動車のステアリングホイールのステアリングホイ
ール本体のボス部に装着され、被保護物である乗員を衝
突の衝撃から保護するようになっている。なお、ステア
リングホイール本体は、通常、傾斜したステアリングシ
ャフトに取り付けられ、傾斜した状態で用いられるもの
であるが、以下、エアバッグ装置が取り付けられた側を
乗員側、上側、あるいは表側とし、乗員側の反対側を車
体側、下側、あるいは裏側として説明する。
【0013】そして、エアバッグ装置2は、支持部材を
構成するベースプレート11と、このベースプレート11に
取り付けられるエアバッグ1、支持部材を構成するイン
フレータ12、図示しないリテーナおよびカバー体となど
から構成されている。
構成するベースプレート11と、このベースプレート11に
取り付けられるエアバッグ1、支持部材を構成するイン
フレータ12、図示しないリテーナおよびカバー体となど
から構成されている。
【0014】そして、ベースプレート11は、金属板をプ
レス成形などして形成され、平面略矩形状をなす基板部
と、この基板部の外周部から下方に折曲された周板部と
が一体に形成されている。そして、基板部には、略中央
部に位置して、円孔状のインフレータ取付孔が形成され
ているとともに、このインフレータ取付孔の周囲に位置
して、複数、本実施の形態では4か所にボルト取付孔が
形成されている。また、周板部には、取付片部が形成さ
れ、この取付片部が、ステアリングホイール本体の芯金
などに取り付けられている。
レス成形などして形成され、平面略矩形状をなす基板部
と、この基板部の外周部から下方に折曲された周板部と
が一体に形成されている。そして、基板部には、略中央
部に位置して、円孔状のインフレータ取付孔が形成され
ているとともに、このインフレータ取付孔の周囲に位置
して、複数、本実施の形態では4か所にボルト取付孔が
形成されている。また、周板部には、取付片部が形成さ
れ、この取付片部が、ステアリングホイール本体の芯金
などに取り付けられている。
【0015】また、インフレータ12は、略円柱状をなす
本体部12a を備え、この本体部12aの外周部からフラン
ジ部12b が突設されているとともに、このフランジ部12
b の上側に位置して、ガスを噴射するガス噴射口12c が
複数放射状に配置されている。また、フランジ部12b に
は、ベースプレート11のボルト取付孔に連通するボルト
取付孔が形成されている。さらに、本体部12a の頭部に
は、固定手段としてのファスナ17が固定されるファスナ
取付部12d が設けられている。また、ファスナ17として
は、例えば、金属製あるいは樹脂製のクリップやビスな
どが用いられる。
本体部12a を備え、この本体部12aの外周部からフラン
ジ部12b が突設されているとともに、このフランジ部12
b の上側に位置して、ガスを噴射するガス噴射口12c が
複数放射状に配置されている。また、フランジ部12b に
は、ベースプレート11のボルト取付孔に連通するボルト
取付孔が形成されている。さらに、本体部12a の頭部に
は、固定手段としてのファスナ17が固定されるファスナ
取付部12d が設けられている。また、ファスナ17として
は、例えば、金属製あるいは樹脂製のクリップやビスな
どが用いられる。
【0016】また、リテーナは、環状をなすリテーナ本
体を備え、このリテーナ本体には、各ボルト取付孔に挿
入される取付ボルトが下方に向かって固着されている。
体を備え、このリテーナ本体には、各ボルト取付孔に挿
入される取付ボルトが下方に向かって固着されている。
【0017】また、カバー体は、合成樹脂により一体に
形成され、ステアリングホイール本体のボス部およびリ
ム部の一部を覆う曲面状の被覆部と、この被覆部の下面
から下方に突設された角筒状の取付壁部とを備えてい
る。そして、これら被覆部の下側と取付壁部の内側とに
囲まれた部分がエアバッグ1の収納空間になっていると
ともに、この収納空間に面して、被覆部の下面に平面略
H字状などをなして脆弱なテアラインが形成されてい
る。また、取付壁部は、ベースプレート11の周板部の外
周部に嵌合し、複数のリベットを用いるなどして固着さ
れている。
形成され、ステアリングホイール本体のボス部およびリ
ム部の一部を覆う曲面状の被覆部と、この被覆部の下面
から下方に突設された角筒状の取付壁部とを備えてい
る。そして、これら被覆部の下側と取付壁部の内側とに
囲まれた部分がエアバッグ1の収納空間になっていると
ともに、この収納空間に面して、被覆部の下面に平面略
H字状などをなして脆弱なテアラインが形成されてい
る。また、取付壁部は、ベースプレート11の周板部の外
周部に嵌合し、複数のリベットを用いるなどして固着さ
れている。
【0018】また、エアバッグ1は、主として、基布と
しての下パネル(裏パネル、第1の基布)21と、中パネ
ル(中央パネル、中間基布)22と、上パネル(表パネ
ル、第2の基布)23とを備えている。そして、これらパ
ネル21,22,23は、それぞれナイロン66の315デニ
ールの織布を円形に切り出した円形状をなし、下から上
に重ねられて配置され、外周の縁部を840デニールの
ナイロン66糸を用いた外周縫製部25に沿って一体的に
縫い合わされ、3層2室の袋体が構成されている。すな
わち、下パネル21と上パネル23とにより、偏平な袋状の
外殻が形成されているとともに、中パネル22により、外
殻の内側が、分室としての第1の分室31と、この第1の
分室31の上側に位置する第2の分室32とに区画されてい
る。
しての下パネル(裏パネル、第1の基布)21と、中パネ
ル(中央パネル、中間基布)22と、上パネル(表パネ
ル、第2の基布)23とを備えている。そして、これらパ
ネル21,22,23は、それぞれナイロン66の315デニ
ールの織布を円形に切り出した円形状をなし、下から上
に重ねられて配置され、外周の縁部を840デニールの
ナイロン66糸を用いた外周縫製部25に沿って一体的に
縫い合わされ、3層2室の袋体が構成されている。すな
わち、下パネル21と上パネル23とにより、偏平な袋状の
外殻が形成されているとともに、中パネル22により、外
殻の内側が、分室としての第1の分室31と、この第1の
分室31の上側に位置する第2の分室32とに区画されてい
る。
【0019】そして、下側に位置する下パネル21は、中
央部に位置して、ガス導入部としてのインフレータ開口
部であるガス導入口37が開口形成されているとともに、
このガス導入口37の周囲に位置して、バッグ固定用孔で
あるボルト取付孔38が形成されている。また、このガス
導入口37を囲み、図2および図3に示すように、下パネ
ル21の下面に円環状の補強布41が重ねられるとともに、
上面に円環状の防炎布42が重ねられ、1260デニール
のナイロン66糸を用いた縫合部43で3重に縫合して取
り付けられ、エアバッグ1の取付部の機械的および熱的
強度を確保している。
央部に位置して、ガス導入部としてのインフレータ開口
部であるガス導入口37が開口形成されているとともに、
このガス導入口37の周囲に位置して、バッグ固定用孔で
あるボルト取付孔38が形成されている。また、このガス
導入口37を囲み、図2および図3に示すように、下パネ
ル21の下面に円環状の補強布41が重ねられるとともに、
上面に円環状の防炎布42が重ねられ、1260デニール
のナイロン66糸を用いた縫合部43で3重に縫合して取
り付けられ、エアバッグ1の取付部の機械的および熱的
強度を確保している。
【0020】また、中パネル22には、外周の縁部の近傍
に位置して、ガス連通部としての連通口(第1ベントホ
ール)45が複数、本実施の形態では4カ所に形成されて
いる。そして、これら連通口45は、略楕円状をなし、周
方向にほぼ等間隔でいわば放射状に配置されている。ま
た、中パネル22の中央部には、ファスナ17が挿入される
被固定部である固定孔47が形成されている。
に位置して、ガス連通部としての連通口(第1ベントホ
ール)45が複数、本実施の形態では4カ所に形成されて
いる。そして、これら連通口45は、略楕円状をなし、周
方向にほぼ等間隔でいわば放射状に配置されている。ま
た、中パネル22の中央部には、ファスナ17が挿入される
被固定部である固定孔47が形成されている。
【0021】そして、中パネル22と下パネル21とは、外
周部と中央部との間が、1260あるいは840デニー
ルのナイロン66糸を用いた第1の連結部としての第1
の縫合部(第1のステッチ)51で1カ所あるいは複数箇
所で強固に略気密に連結されている。そして、本実施の
形態では、この第1の縫合部51は、各連通口45から45
度ずれた位置に、周方向にほぼ等間隔で4カ所にいわば
放射状に配置されている。
周部と中央部との間が、1260あるいは840デニー
ルのナイロン66糸を用いた第1の連結部としての第1
の縫合部(第1のステッチ)51で1カ所あるいは複数箇
所で強固に略気密に連結されている。そして、本実施の
形態では、この第1の縫合部51は、各連通口45から45
度ずれた位置に、周方向にほぼ等間隔で4カ所にいわば
放射状に配置されている。
【0022】さらに、これら第1の縫合部51の1カ所の
内側には、中パネル22および下パネル21を連通する円孔
が形成され、ガス排出部としての排気口(第2ベントホ
ール)52が形成されている。すなわち、この排気口52
は、第1の縫合部51で略気密に囲まれ、第1の分室31に
は連通せず、第2の分室32にのみ連通しており、連通口
45から45度ずれて位置し、連通口45より中央側に位置
して形成されている。なお、この排気口52は複数箇所に
形成することもできる。
内側には、中パネル22および下パネル21を連通する円孔
が形成され、ガス排出部としての排気口(第2ベントホ
ール)52が形成されている。すなわち、この排気口52
は、第1の縫合部51で略気密に囲まれ、第1の分室31に
は連通せず、第2の分室32にのみ連通しており、連通口
45から45度ずれて位置し、連通口45より中央側に位置
して形成されている。なお、この排気口52は複数箇所に
形成することもできる。
【0023】さらに、各第1の縫合部51の近傍のインフ
レータ12側すなわちガス導入口37側には、それぞれ第2
の連結部としての第2の縫合部(第2のステッチ)54が
形成されている。そして、各第2の縫合部54は、第1の
縫合部51の接続手段である縫糸より細い縫糸すなわち弱
く離反しやすいすなわち破断しやすい接続手段である4
20デニールのナイロン66糸を用いて直線状に形成さ
れている。
レータ12側すなわちガス導入口37側には、それぞれ第2
の連結部としての第2の縫合部(第2のステッチ)54が
形成されている。そして、各第2の縫合部54は、第1の
縫合部51の接続手段である縫糸より細い縫糸すなわち弱
く離反しやすいすなわち破断しやすい接続手段である4
20デニールのナイロン66糸を用いて直線状に形成さ
れている。
【0024】そして、このエアバッグ装置2の組み立て
の際は、エアバッグ1の第1の分室31の内側にリテーナ
を挿入し、取付ボルトをエアバッグ1およびベースプレ
ート11のボルト取付孔38に挿入するとともに、中パネル
22の固定孔47に上側から挿入したファスナ17をインフレ
ータ12のファスナ取付部12d に直接あるいはインシュレ
ータを用いて固定し、中パネル22の中央部を支持部材で
あるインフレータ12に固定する。また、エアバッグ1を
所定の形状に折り畳み、上側からカバー体を被せて嵌合
するとともに、ベースプレート11のインフレータ取付孔
およびエアバッグ1のガス導入口37を介してインフレー
タ12の上側部をエアバッグ1の第1の分室31の内側に下
側から挿入するとともに、取付ボルトをフランジ部のボ
ルト取付孔に挿入し、下側からナットで締め付ける。こ
の状態で、リテーナとインフレータ12との間にエアバッ
グ1とベースプレート11とが共締めされ、エアバッグ装
置2が組み立てられる。
の際は、エアバッグ1の第1の分室31の内側にリテーナ
を挿入し、取付ボルトをエアバッグ1およびベースプレ
ート11のボルト取付孔38に挿入するとともに、中パネル
22の固定孔47に上側から挿入したファスナ17をインフレ
ータ12のファスナ取付部12d に直接あるいはインシュレ
ータを用いて固定し、中パネル22の中央部を支持部材で
あるインフレータ12に固定する。また、エアバッグ1を
所定の形状に折り畳み、上側からカバー体を被せて嵌合
するとともに、ベースプレート11のインフレータ取付孔
およびエアバッグ1のガス導入口37を介してインフレー
タ12の上側部をエアバッグ1の第1の分室31の内側に下
側から挿入するとともに、取付ボルトをフランジ部のボ
ルト取付孔に挿入し、下側からナットで締め付ける。こ
の状態で、リテーナとインフレータ12との間にエアバッ
グ1とベースプレート11とが共締めされ、エアバッグ装
置2が組み立てられる。
【0025】そして、このエアバッグ装置2を備えた自
動車に衝突の衝撃が加わると、図示しない制御ユニット
により、インフレータ12が起動され、インフレータ12の
ガス噴射口12c からエアバッグ1内に急速にガスが噴射
される。すると、エアバッグ1は、カバー体をテアライ
ンに沿って破断して膨出し、乗員の前方に所定の形状に
膨出して、前方に投げ出されてくる乗員を受け止めて拘
束し、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている。
動車に衝突の衝撃が加わると、図示しない制御ユニット
により、インフレータ12が起動され、インフレータ12の
ガス噴射口12c からエアバッグ1内に急速にガスが噴射
される。すると、エアバッグ1は、カバー体をテアライ
ンに沿って破断して膨出し、乗員の前方に所定の形状に
膨出して、前方に投げ出されてくる乗員を受け止めて拘
束し、乗員に加わる衝撃を緩和するようになっている。
【0026】次に、図1を参照して、エアバッグ1が膨
出する際の展開過程を説明する。
出する際の展開過程を説明する。
【0027】まず、図1(a)は、展開初期の模式図
で、インフレータ12から周方向に噴射されたガスは、エ
アバッグ1の第1の分室31に直接的に放射方向に向かっ
て導入される。そして、中央部が支持部材であるインフ
レータ12に固定された中パネル22と、インフレータ12と
リテーナとでベースプレート11に共締めされた下パネル
21とが、第1の縫合部51および第2の縫合部54で互いに
連結され、上下方向の膨張を制限されるため、第1の分
室31は偏平な形状で外周側に膨張展開していく。この
時、上下方向の張力は第1の縫合部51および第2の縫合
部54にともに作用し、熱的負荷は専ら第2の縫合部54に
加わる。
で、インフレータ12から周方向に噴射されたガスは、エ
アバッグ1の第1の分室31に直接的に放射方向に向かっ
て導入される。そして、中央部が支持部材であるインフ
レータ12に固定された中パネル22と、インフレータ12と
リテーナとでベースプレート11に共締めされた下パネル
21とが、第1の縫合部51および第2の縫合部54で互いに
連結され、上下方向の膨張を制限されるため、第1の分
室31は偏平な形状で外周側に膨張展開していく。この
時、上下方向の張力は第1の縫合部51および第2の縫合
部54にともに作用し、熱的負荷は専ら第2の縫合部54に
加わる。
【0028】そして、この後、図1(b)に示すよう
に、ガスは、外周部に形成した連通口45から乗員側に位
置する第2の分室32に流入し、この第2の分室32を外周
部から膨出させ、図1(c)に示すように、エアバッグ
1全体を所定の形状に膨出させる。この時、第2の縫合
部54は第1の縫合部51より細い糸で形成されているた
め、図1(b)に示す状態までパネル21,22同士を連結
するが、図1(c)に示すように張力により破断し、張
力を吸収する。
に、ガスは、外周部に形成した連通口45から乗員側に位
置する第2の分室32に流入し、この第2の分室32を外周
部から膨出させ、図1(c)に示すように、エアバッグ
1全体を所定の形状に膨出させる。この時、第2の縫合
部54は第1の縫合部51より細い糸で形成されているた
め、図1(b)に示す状態までパネル21,22同士を連結
するが、図1(c)に示すように張力により破断し、張
力を吸収する。
【0029】また、所定の形状に膨張展開したエアバッ
グ1は、第2の分室32に連通した排気口52を介してガス
を排出し、乗員の衝撃を吸収するようになっている。
グ1は、第2の分室32に連通した排気口52を介してガス
を排出し、乗員の衝撃を吸収するようになっている。
【0030】このように、本実施の形態によれば、エア
バッグ1の内側に中パネル22を配置して第1の分室31と
第2の分室32とを層状に形成し、この中パネル22の外周
部近傍に連通口45を形成してガスの流路を明確に設ける
とともに、中パネル22と下パネル21とを第1の縫合部51
および第2の縫合部54で接続し、さらに、この中パネル
22の中央部を固定的に設けられた支持部材であるインフ
レータ12に固定したため、展開動作の初期には、まず車
体側に位置する第1の分室31が速やかに外周方向に広く
扁平に展開し、続いて、乗員側に位置する第2の分室32
が外周側から中央側に向かって膨出するため、例えば乗
員の胸部に最も負荷のかかりやすい中央部の展開を遅ら
せ、乗員側への突出寸法および乗員側へ向かう圧力を抑
制できる。そこで、例えば、乗員が、ステアリングホイ
ールに胸部が接触するような極端な前傾姿勢をとった状
態でエアバッグ装置2が作動した場合にも、胸部への圧
力を緩和することが可能になる、良好な展開特性を容易
に実現できる。
バッグ1の内側に中パネル22を配置して第1の分室31と
第2の分室32とを層状に形成し、この中パネル22の外周
部近傍に連通口45を形成してガスの流路を明確に設ける
とともに、中パネル22と下パネル21とを第1の縫合部51
および第2の縫合部54で接続し、さらに、この中パネル
22の中央部を固定的に設けられた支持部材であるインフ
レータ12に固定したため、展開動作の初期には、まず車
体側に位置する第1の分室31が速やかに外周方向に広く
扁平に展開し、続いて、乗員側に位置する第2の分室32
が外周側から中央側に向かって膨出するため、例えば乗
員の胸部に最も負荷のかかりやすい中央部の展開を遅ら
せ、乗員側への突出寸法および乗員側へ向かう圧力を抑
制できる。そこで、例えば、乗員が、ステアリングホイ
ールに胸部が接触するような極端な前傾姿勢をとった状
態でエアバッグ装置2が作動した場合にも、胸部への圧
力を緩和することが可能になる、良好な展開特性を容易
に実現できる。
【0031】また、比較的高さが小さく周方向大きい第
1の分室31について、インフレータ12と第1の縫合部51
とのガスの経路中に位置し、第1の縫合部51の近傍に第
2の縫合部54を設け、中パネル22と下パネル21とを離反
可能すなわち破断可能に連結したため、展開初期にイン
フレータ12から噴射された高温高圧のガスの衝撃を第2
の縫合部54の破断により吸収緩和できる。そこで、第1
の縫合部51および中パネル22、下パネル21などに厳重な
補強を施す必要がなく、エアバッグ1の折り畳み嵩を小
さくし、折畳工程を簡略化でき、また、低温のガスを噴
射する特殊なインフレータなどを用いる必要もなく、エ
アバッグ1およびエアバッグ装置2の製造コストを低減
できる。
1の分室31について、インフレータ12と第1の縫合部51
とのガスの経路中に位置し、第1の縫合部51の近傍に第
2の縫合部54を設け、中パネル22と下パネル21とを離反
可能すなわち破断可能に連結したため、展開初期にイン
フレータ12から噴射された高温高圧のガスの衝撃を第2
の縫合部54の破断により吸収緩和できる。そこで、第1
の縫合部51および中パネル22、下パネル21などに厳重な
補強を施す必要がなく、エアバッグ1の折り畳み嵩を小
さくし、折畳工程を簡略化でき、また、低温のガスを噴
射する特殊なインフレータなどを用いる必要もなく、エ
アバッグ1およびエアバッグ装置2の製造コストを低減
できる。
【0032】そして、第2の縫合部54は、第1の縫合部
51の縫糸より細い縫糸を用いる構成により、第2の縫合
部54が破断して力を吸収する作用を簡略な構成で実現で
き、製造コストを低減できる。
51の縫糸より細い縫糸を用いる構成により、第2の縫合
部54が破断して力を吸収する作用を簡略な構成で実現で
き、製造コストを低減できる。
【0033】また、インフレータ12から噴射されたガス
は、第1の分室31を膨出させ、続いて、第2の分室32を
膨出させて、排気口52から排気されるため、長時間展開
形状を維持し、高い衝撃吸収特性を安定的に実現でき
る。加えて、このように長いガス流路と、排気口52が下
パネル21より内側に窪んだ状態となる構成との相乗効果
により、エアバッグ1の外部に排出される熱を抑制する
ことができる。
は、第1の分室31を膨出させ、続いて、第2の分室32を
膨出させて、排気口52から排気されるため、長時間展開
形状を維持し、高い衝撃吸収特性を安定的に実現でき
る。加えて、このように長いガス流路と、排気口52が下
パネル21より内側に窪んだ状態となる構成との相乗効果
により、エアバッグ1の外部に排出される熱を抑制する
ことができる。
【0034】なお、上記の実施の形態では、第2の連結
部である各第2の縫合部54は、直線状に一列のステッチ
としたが、複数列とし、あるいは種々の形状とすること
もできる。例えば、図5に示す第2の連結部61のよう
に、2条のステッチとし、あるいは、図6に示す第2の
連結部62のように、略W字状など、インフレータ12から
のガスフローを斜めに受ける形状として、破断特性を調
整することもできる。また、ステッチパターンも、本縫
い、千鳥縫い、二重環縫いなどから適宜選択することが
できる。また、第1の連結部および第2の連結部を構成
する糸は、同一材質の同一太さとしてもよく、あるい
は、材質、太さ、ステッチパターンなどを変えて、第1
の連結部と第2の連結部との破断強度の大小を設定する
こともできる。さらに、糸を用いるほか、ゴム紐、接着
剤などの連結手段を用いて、第1の連結部および第2の
連結部を構成することもできる。
部である各第2の縫合部54は、直線状に一列のステッチ
としたが、複数列とし、あるいは種々の形状とすること
もできる。例えば、図5に示す第2の連結部61のよう
に、2条のステッチとし、あるいは、図6に示す第2の
連結部62のように、略W字状など、インフレータ12から
のガスフローを斜めに受ける形状として、破断特性を調
整することもできる。また、ステッチパターンも、本縫
い、千鳥縫い、二重環縫いなどから適宜選択することが
できる。また、第1の連結部および第2の連結部を構成
する糸は、同一材質の同一太さとしてもよく、あるい
は、材質、太さ、ステッチパターンなどを変えて、第1
の連結部と第2の連結部との破断強度の大小を設定する
こともできる。さらに、糸を用いるほか、ゴム紐、接着
剤などの連結手段を用いて、第1の連結部および第2の
連結部を構成することもできる。
【0035】また、上記の実施の形態では、エアバッグ
1の中パネル22はインフレータ12に固定したが、エアバ
ッグ装置2やステアリングホイール本体側に固定的に設
けられた部材である、リテーナやベースプレートなどに
固定することもできる。また、リテーナに固定する場合
には、リテーナに、インフレータの上側に膨出する膨出
部を形成し、この膨出部に固定手段であるスナップを固
定することができる。
1の中パネル22はインフレータ12に固定したが、エアバ
ッグ装置2やステアリングホイール本体側に固定的に設
けられた部材である、リテーナやベースプレートなどに
固定することもできる。また、リテーナに固定する場合
には、リテーナに、インフレータの上側に膨出する膨出
部を形成し、この膨出部に固定手段であるスナップを固
定することができる。
【0036】さらに、各連結部としての縫合部51,54の
配置によっては、中パネル22の中央部の支持部材側への
固定を省略することもできる。
配置によっては、中パネル22の中央部の支持部材側への
固定を省略することもできる。
【0037】また、エアバッグ1は、各パネル21,22,
23の外周部を順序を変えて縫い合わせた後、中パネル22
をガス導入口37で反転させ、この後、円孔の周辺部を第
1の縫合部51に沿って縫合して排気口52を形成するなど
して、製品状態で外周の縁部の耳部が内側に折り込まれ
た仕様とすることもできる。
23の外周部を順序を変えて縫い合わせた後、中パネル22
をガス導入口37で反転させ、この後、円孔の周辺部を第
1の縫合部51に沿って縫合して排気口52を形成するなど
して、製品状態で外周の縁部の耳部が内側に折り込まれ
た仕様とすることもできる。
【0038】また、上記の実施の形態のように、中パネ
ル22は1枚とし、分室は2個とすることにより、構成を
簡略化し、製造コストを低減できるが、中パネルを2枚
以上とし、すなわち分室を3個以上の層状として、ガス
の流れをより細かく制御することもできる。このように
複数の中パネルを用いる構成では、全ての中パネルをリ
テーナなどの支持部材に固定するほか、支持部材に隣接
する基布のみを固定することもできる。また、中パネル
同士を適宜縫い合わせることもできる。
ル22は1枚とし、分室は2個とすることにより、構成を
簡略化し、製造コストを低減できるが、中パネルを2枚
以上とし、すなわち分室を3個以上の層状として、ガス
の流れをより細かく制御することもできる。このように
複数の中パネルを用いる構成では、全ての中パネルをリ
テーナなどの支持部材に固定するほか、支持部材に隣接
する基布のみを固定することもできる。また、中パネル
同士を適宜縫い合わせることもできる。
【0039】また、上記の各実施の形態では、中パネル
22のほぼ中央部をインフレータ12の中央部に固定する構
成を示したが、中パネル22の中央部から外れた位置と、
あるいは、インフレータ12の中央部から外れた位置と
を、互いに固定することもできる。そして、この構成で
は、エアバッグ1の展開形状および展開位置を適宜偏位
させ、乗員の保護を図ることができる。
22のほぼ中央部をインフレータ12の中央部に固定する構
成を示したが、中パネル22の中央部から外れた位置と、
あるいは、インフレータ12の中央部から外れた位置と
を、互いに固定することもできる。そして、この構成で
は、エアバッグ1の展開形状および展開位置を適宜偏位
させ、乗員の保護を図ることができる。
【0040】また、エアバッグ装置は、ステアリングホ
イール本体に取り付けられる運転者用のほか、インスト
ルメントパネルに設けられる助手席乗員用や、座席の側
部に設けられる側部保護用、あるいは座席の後部に備え
られる後部座席用のエアバッグ装置のエアバッグに適用
でき、さらには、被保護物の衝撃を吸収するエアバッグ
装置のエアバッグに広く適用できる。
イール本体に取り付けられる運転者用のほか、インスト
ルメントパネルに設けられる助手席乗員用や、座席の側
部に設けられる側部保護用、あるいは座席の後部に備え
られる後部座席用のエアバッグ装置のエアバッグに適用
でき、さらには、被保護物の衝撃を吸収するエアバッグ
装置のエアバッグに広く適用できる。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載のエアバッグによれば、ガ
ス導入部からガスが導入されると、このガスは、被保護
物から離間して位置する分室に供給されてこの分室を所
定の形状まで膨出させ、続いて、ガス連通部を介して、
被保護物側に位置する分室に供給されてこの分室を所定
の形状まで膨出させる。そして、ガス導入部を設けた分
室を形成する互いに重ねられた基布を第1の連結部で互
いに連結したため、エアバッグを展開初期に広く扁平に
展開できる。このようにして、エアバッグが、被保護物
に向かって突出する距離および圧力を容易に制御でき、
エアバッグに極めて近接した被保護物に対する圧力の緩
和が可能になり、展開特性を容易に良好にできる。ま
た、エアバッグを膨出させたガスを外部に排出するガス
排出部を、ガス導入部が設けられた分室よりも被保護物
側に位置する分室に設けたため、各分室を所定の形状ま
で膨出できるとともに、膨出した形状を所定の時間維持
できる。さらに、ガス導入部と前記第1の連結部とのガ
スの経路中に位置し、第2の連結部で互いに重ねられた
基布を互いに離反可能に連結したため、ガス導入部から
導入されたガスの熱あるいは衝撃を第2の連結部の離反
時に吸収できる。そこで、第1の連結部あるいは基布を
厳重に補強する必要がなく、また、特殊なインフレータ
を用いる必要がなく、製造コストを低減できる。
ス導入部からガスが導入されると、このガスは、被保護
物から離間して位置する分室に供給されてこの分室を所
定の形状まで膨出させ、続いて、ガス連通部を介して、
被保護物側に位置する分室に供給されてこの分室を所定
の形状まで膨出させる。そして、ガス導入部を設けた分
室を形成する互いに重ねられた基布を第1の連結部で互
いに連結したため、エアバッグを展開初期に広く扁平に
展開できる。このようにして、エアバッグが、被保護物
に向かって突出する距離および圧力を容易に制御でき、
エアバッグに極めて近接した被保護物に対する圧力の緩
和が可能になり、展開特性を容易に良好にできる。ま
た、エアバッグを膨出させたガスを外部に排出するガス
排出部を、ガス導入部が設けられた分室よりも被保護物
側に位置する分室に設けたため、各分室を所定の形状ま
で膨出できるとともに、膨出した形状を所定の時間維持
できる。さらに、ガス導入部と前記第1の連結部とのガ
スの経路中に位置し、第2の連結部で互いに重ねられた
基布を互いに離反可能に連結したため、ガス導入部から
導入されたガスの熱あるいは衝撃を第2の連結部の離反
時に吸収できる。そこで、第1の連結部あるいは基布を
厳重に補強する必要がなく、また、特殊なインフレータ
を用いる必要がなく、製造コストを低減できる。
【0042】請求項2記載のエアバッグによれば、請求
項1記載の効果に加え、第1の連結部は、基布を互いに
縫合する第1の縫糸を備え、第2の連結部は、基布を互
いに縫合し、第1の縫糸より弱い第2の縫糸を備えるこ
とにより、第2の連結部の連結部が破断して力を吸収す
る作用を簡略な構成で実現し、製造コストを低減でき
る。
項1記載の効果に加え、第1の連結部は、基布を互いに
縫合する第1の縫糸を備え、第2の連結部は、基布を互
いに縫合し、第1の縫糸より弱い第2の縫糸を備えるこ
とにより、第2の連結部の連結部が破断して力を吸収す
る作用を簡略な構成で実現し、製造コストを低減でき
る。
【図1】本発明のエアバッグを備えたエアバッグ装置の
一実施の形態を示す展開動作の説明図である。
一実施の形態を示す展開動作の説明図である。
【図2】同上エアバッグを平面上に広げた状態を示す底
面図である。
面図である。
【図3】同上エアバッグ装置の図2のAOA相当位置の
展開状態の断面図である。
展開状態の断面図である。
【図4】同上エアバッグ装置の図2のB−B相当位置の
展開状態の断面図である。
展開状態の断面図である。
【図5】本発明のエアバッグの他の実施の形態を示す平
面上に広げた状態の底面図である。
面上に広げた状態の底面図である。
【図6】本発明のエアバッグのさらに他の実施の形態を
示す平面上に広げた状態の底面図である。
示す平面上に広げた状態の底面図である。
1 エアバッグ 21 基布としての下パネル 22 基布としての中パネル 23 基布としての上パネル 31 分室としての第1の分室 32 分室としての第2の分室 37 ガス導入部としてのガス導入口 45 ガス連通部としての連通口 51 第1の連結部としての第1の縫合部 52 ガス排出部としての排気口 54 第2の連結部としての第2の縫合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 康洋 静岡県富士市青島町218番地 日本プラス ト株式会社内 (72)発明者 渡辺 毅 静岡県富士市青島町218番地 日本プラス ト株式会社内 Fターム(参考) 3D054 AA13 BB05 CC06 CC10 CC30 CC34 CC43 FF17
Claims (2)
- 【請求項1】 被保護物に対して層状に配置された複数
の基布と、 これら基布間に配置された複数の分室と、 これら分室を連通するガス連通部と、 前記分室の前記被保護物側に位置する分室に設けられ、
外部に連通するガス排出部とこのガス排出部が設けられ
た分室以外の前記分室のいずれかに設けられ、ガスが導
入されるガス導入部と、 このガス導入部を設けた分室を形成する互いに重ねられ
た基布を互いに連結する第1の連結部と、 前記ガス導入部と前記第1の連結部とのガスの経路中に
位置し、前記ガス導入部を設けた分室を形成する互いに
重ねられた基布を互いに離反可能に連結する第2の連結
部とを具備したことを特徴とするエアバッグ。 - 【請求項2】 第1の連結部は、基布を互いに縫合する
第1の縫糸を備え、 第2の連結部は、基布を互いに縫合し、前記第1の縫糸
より弱い第2の縫糸を備えたことを特徴とする請求項1
記載のエアバッグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10366353A JP2000185613A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | エアバッグ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10366353A JP2000185613A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | エアバッグ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000185613A true JP2000185613A (ja) | 2000-07-04 |
Family
ID=18486578
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10366353A Pending JP2000185613A (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | エアバッグ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000185613A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006199269A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-08-03 | Takata Corp | エアバッグ及びエアバッグ装置 |
JP2010527830A (ja) * | 2007-05-22 | 2010-08-19 | タカタ・ペトリ アーゲー | エアバッグ・モジュール用のガス流分配器 |
JP2017196936A (ja) * | 2016-04-25 | 2017-11-02 | 日本プラスト株式会社 | エアバッグ |
-
1998
- 1998-12-24 JP JP10366353A patent/JP2000185613A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006199269A (ja) * | 2004-12-22 | 2006-08-03 | Takata Corp | エアバッグ及びエアバッグ装置 |
JP2010527830A (ja) * | 2007-05-22 | 2010-08-19 | タカタ・ペトリ アーゲー | エアバッグ・モジュール用のガス流分配器 |
JP2017196936A (ja) * | 2016-04-25 | 2017-11-02 | 日本プラスト株式会社 | エアバッグ |
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