JP2000185525A - 偏摩耗を防止した重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents
偏摩耗を防止した重荷重用空気入りタイヤInfo
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Abstract
せてなお、周溝内への石のかみ込み保持を防止する。 【解決手段】 複数本の周溝1と、これらの周溝によっ
て区分されたリブ2とを具える空気入りタイヤにおい
て、トレッド幅方向の最外側に位置する周溝1内に、ト
レッド周方向に延びて、かみ込んだ石に対する保持力の
小さい摩耗犠牲部4を設ける。
Description
犠牲を設け、そこに、トレッド陸部に不可避的に生じる
偏摩耗を局部的に、しかも、タイヤ性能に影響なしに封
じ込めることによって、トレッド陸部への偏摩耗の発生
を防止した重荷重用空気入りタイヤに関するものであ
る。
イヤの負荷転動時に路面に滑り接触して摩耗犠牲部とな
るリブを設け、それによって、トレッド陸部に生じるは
ずの偏摩耗を肩代わりする従来技術としては、特開平2
−169305号公報、特開平3−197206号公報、特開平3−
217304号公報等に開示されたものがあり、これらによれ
ば、すぐれた偏摩耗抑制効果を実現することができる。
技術にあっては、摩耗犠牲部としてのリブが、図4に例
示するように、周溝内でトレッド周方向に連続して延在
することにより、悪路でのタイヤの負荷手動、砂利、砕
石等を敷きつめた道路、駐車場その他でのタイヤの負荷
転動に際して、その周溝内にかみ込まれた石が、リブR
の、図5に略線平面図で示すような弾性変形に起因し
て、周溝Gの側壁wとリブRとの間に、そのリブRによ
って包み込まれるように強く保持されることになって、
その石Sの、周溝Gからの抜け出しが実質的に不可能に
なることが多いという問題があった。
を高めて、それの、図示のような弾性変形を有効に阻止
できるほどにリブ幅を増加させた場合には、リブそれ自
体の摩耗寿命が短くなりすぎ、または、リブの接地圧が
高くなって、それが、摩耗犠牲部としての本来的な機能
を発揮し得なくなるという他の問題があった。
問題点を解決することを課題とするものであり、それの
目的とするところは、摩耗犠牲部に、それの幅寸法の増
加なしに、前述したような本来的な機能を十分に発揮さ
せてなお、周溝内への石のかみ込み保持を有効に防止す
ることができる、偏摩耗を防止した重荷重用空気入りタ
イヤを提供するにある。
止した重荷重用空気入りタイヤは、トレッド周方向に直
線状もしくはジグザグ状に延びる複数本の周溝と、それ
らの周溝によって区分された陸部とを具えるものにおい
て、少なくとも、トレッド幅方向の最外側に位置する周
溝内に、トレッド周方向に延びて、かみ込んだ石に対す
る保持力の小さい摩耗犠牲部を設けたものである。
し、トレッド陸部に比して接地圧のはるかに低い摩耗犠
牲部に、路面に対するすべりを発生させてそこを積極的
に摩耗させることで、従来技術で述べたと同様に、その
摩耗犠牲部に偏摩耗を封じ込めることができ、これがた
め、トレッド陸部への偏摩耗の発生を有効に防止するこ
とができる。
溝側壁との間に石をかみ込むことがあっても、その摩耗
犠牲部の、石に対する保持力が小さいことから、その石
の、周溝からの抜け出しを十分容易ならしめることがで
き、従って、かみ込んだ石による、周溝の溝底等の損傷
のおそれを除去することができる。
犠牲部は、トレッド周方向に間隔をおいて位置する複数
の狭幅突条により構成するとともに、各狭幅突条のトレ
ッド周方向長さを5〜100mm の範囲とし、隣接する狭幅
突条の間隔を0.5 〜20mmの範囲としてなる。
込みに当り、それぞれの狭幅突条が相互に独立して周溝
の幅方向へ自由に弾性変形することができ、しかも、そ
の場合の弾性復元力は、従来技術に比してはるかに小さ
くなるので、かみ込まれた石に対する、摩耗犠牲部の保
持力ないしは拘束力を十分小ならしめて、かみ込まれた
石の、周溝からの抜け出し、解離等をより円滑に行わせ
ることができる。
満では、突条の、トレッド周方向の剛性が低くなりすぎ
て、路面に対する引摺り摩耗を有効に負担することがで
きず、一方100mm を越えると、小さな石のかみ込みに対
し、突条が、従来技術と同様に、石を包み込むように弾
性変形することになって、石に対する保持力が大きく増
加することになる問題がある。
は、突条の接地時に、隣接突条との間に所要の間隔を確
保することができず、突条の相互が実質的な連続状態と
なり、その間隔が20mmを越えると、突条間に石をかみ込
むおそれが高くなるという問題がある。
寸法との関連において、トレッド踏面の横断面輪郭線内
に位置させることも可能であるが、それを陸部表面に対
して段下がりをなし、タイヤの負荷転動に当って路面に
滑り接触する引摺り表面とすることもでき、これによれ
ば、突条の接地面圧を考慮するまでもなく、陸部と摩耗
犠牲部との周長差の下で、摩耗犠牲部に確実に摩耗を集
中させることができる。
面に示すところに基いて説明する。図1は、この発明の
実施形態を示すトレッドパターンの展開図であり、図2
は、トレッドの要部横断面図である。ここでは、トレッ
ドに、その周方向に直線状に連続して延びる四本の周溝
1を形成して、それらの周溝間および、トレッド幅方向
最外側の周溝1とトレッド側縁との間に五条の陸部、図
ではリブ2を区分したところにおいて、最外側の周溝1
内に、トレッド周方向に間隔をおいて位置する複数の狭
幅突条3からなり、かみ込んだ石に対する保持力の小さ
い摩耗犠牲部4を形成する。
小さな保持力は、図では周溝1内で直線条に整列させて
設けたそれぞれの狭幅突条3のトレッド周方向長さを10
0mm以下とし、また、それぞれの狭幅突条3の間隔を0.5
mm 以上とすることにより実現する。すなわち、トレッ
ド周方向長さが100mm を越えると、小寸法の石のかみ込
みに対して、保持力を所期したほどには低減させること
ができず、また、間隔が0.5mm 未満では、タイヤの負荷
転動時の接地面内で、突条3が、それらの圧縮変形下で
相互に接触することになるため、石のかみ込みに対し、
突条3を相互に独立させて、自由に弾性変形させること
が困難になる。
満では、タイヤの負荷転動時の、それのトレッド周方向
の変形が大きくなりすぎ、突条3に、引摺り摩耗を積極
的に生起させることが難かしく、また、突条間隔が20mm
を越えると、突条3間への石のかみ込みのおそれが高く
なる。それ故に、ここにおいては、狭幅突条3の周方向
長さを5〜100mm の範囲とし、突条間隔を0.5 〜20mmの
範囲とする。
幅との関連において、接地圧の所要に応じた低減、ひい
ては、タイヤの負荷転動時の所期した通りの引摺り摩耗
をもたらすべく、3〜10mmとすることが好ましい。
を、図2に示すように、リブ2の表面に対して段下がり
をなすも、タイヤの負荷転動に当っては路面に滑り接触
する引摺り表面としており、これによれば、リブ表面と
その引摺り表面との接地圧の差だけに依存することな
く、それらの両表面の周長差に基いて、狭幅突条3をよ
り有効に引摺り摩耗させることができる。
耗犠牲部4は、従来技術で述べたものと同様に、摩耗を
効果的に封じ込めることができ、その結果として、リブ
2への偏摩耗の発生を十分有効に抑制することができ
る。
れらの全てを通じて、トレッド踏面内でほぼV字状をな
すように延在するサイプ5を、トレッド周方向に所定の
間隔をおいて設けて、リブ2の接地性を高めるととも
に、サイプエッジによる水膜切断機能等を実現し、併せ
て、それぞれのリブ2の、周溝近傍部分に、一端が周溝
1に開口し、他端がリブ2内で終了する短かい長さの幅
方向サイプ6を、サイプ5に比して小さいピッチで形成
して、リブ2の縁部分の剪断力、ひいては、リブ2の偏
摩耗の一層の低減を実現する。
のリブ、すなわちショルダリブ2の、外側縁近傍部分で
トレッド周方向に直線状に延在させて設けた細溝を示
し、この細溝7は、ショルダリブ2の外側部分に発生す
る、いわゆる肩落ち摩耗と称される偏摩耗の、リブ2の
内側方向への進行を阻止すべく機能する。
形成されて、図2に示すように、溝底からわずかに突出
するストンイジェクタを示し、トレッド周方向に相互に
間隔をおくとともに、周方向にほぼ直線状に整列するそ
れぞれのストンイジェクタ8は、周溝1への石のかみ込
みを阻止すべく機能するとともに、そこへかみ込んだ石
を、ストイジェクタそれ自身の弾性変形および変形復元
力のそれぞれに基いて溝外へ押し出すべくも機能する。
すところでは各周溝1を隔てて対向するそれぞれのリブ
側壁を、サイプ5による区画を単位として、トレッド周
方向で左右に交互に、タイヤの半径方向外側に向く傾斜
壁10としており、これによれば、主溝1内および、リブ
傾斜壁10と摩耗犠牲部4との間の石のかみ込み、いいか
えれば挟み込みをより有効に防止すことができる。
た主溝1内で、比較的高く突出するそれぞれの狭幅突条
3に、リブ2の、傾斜壁10の存在しない側に向く傾斜面
11を設けた場合に一層効果的であり、これによれば、摩
耗犠牲部4と周溝壁との間への石のかみ込みを、それら
の傾斜面11または前記傾斜壁10のいずれかの作用の下で
有利に阻止することができる。
お、摩耗犠牲部4の狭幅突条3と周溝壁との間に、たと
えば図3に路線平面図で示すように石Sをかみ込んだ場
合についてみるに、ここでは、狭幅突条3がトレッド周
方向の限られた寸法を有し、それらの各々が溝幅方向
へ、小さな変形抵抗の下で、互いに独立して自由に変形
することができるので、従来技術に比して、突条3の石
Sへの接触面積が大きく減少するとともに、弾性復元力
もまた大きく減少することになり、結果として、石S
の、狭幅突条3によるかみ込み力、すなわち挟み込み力
が有利に低下することになる。従って、かみ込まれた石
は、タイヤの負荷転動に際する、突条3のさらなる弾性
変形に基いて、そこから円滑にかつ迅速に抜け出すこと
ができ、その石Sの、溝底への到達を十分に防止するこ
とができる。
トレッド構造を有する。サイズが295 /80R 22.5の実施
例タイヤにおいて、周溝の幅および深さをともに15mmと
し、狭幅突条の幅を6.4mm 、突条表面の、陸部表面から
の段差量を2.5mm とした場合の、石かみ個数および偏摩
耗量を測定したところ表1に示す通りとなった。ここ
で、石かみ個数は、車軸形式が2−D4の車両をもっ
て、悪路率5%の一般道を300km 走行した場合の、周上
50cmの範囲内にかみ込まれている石の数を数えて、全タ
イヤの平均値を求めることで、また、偏摩耗量は、同一
車両で、一般道を20000km 走行することによってフロン
トタイヤのリブに発生した偏摩耗の量を面積と深さとの
積算により求めて指数化することでそれぞれ評価した。
また表中の従来タイヤは、突条をトレッド周方向に連続
させて形成したものであり、比較タイヤは、突条の長さ
および間隔を種々に変化させたものである。
従来タイヤに比し、耐偏摩耗性能の実質的な低下なし
に、石のかみ込みを有効に防止することができるのに対
し、比較タイヤはいずれも、耐偏摩耗性能および耐石か
み込みの少なくとも一方において、満足し得るほどの改
善をもたらし得ないことが明らかである。
からも明らかなように、摩耗犠牲部にそれ本来の機能を
十分に発揮させてなお、その摩耗犠牲部による石の保持
力を小ならしめることで、周溝内への石のかみ込み保持
を効果的に防止することができる。
ンの展開図である。
る。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 トレッド周方向に連続して延びる複数本
の周溝と、これらの周溝によって区分された陸部とを具
える重荷重用空気入りタイヤであって、 少なくとも、トレッド幅方向の最外側に位置する周溝内
に、トレッド周方向に延びて、かみ込んだ石に対する保
持力の小さい摩耗犠牲部を設けてなる偏摩耗を防止した
重荷重用空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 摩耗犠牲部を、トレッド周方向に間隔を
おいて位置する複数の狭幅突条により構成するととも
に、狭幅突条のトレッド周方向長さを5〜100mm の範囲
とし、狭幅突条の間隔を0.5 〜20mmの範囲としてなる請
求項1に記載の偏摩耗を防止した重荷重用空気入りタイ
ヤ。 - 【請求項3】 狭幅突条の表面を、陸部表面に対して段
下がりをなし、タイヤの負荷転動に当って路面に滑り接
触する引摺り表面としてなる請求項1もしくは2に記載
の偏摩耗を防止した重荷重用空気入りタイヤ。
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- 1998-12-24 JP JP36655498A patent/JP4275231B2/ja not_active Expired - Fee Related
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