JP2000184773A - モータ制御装置 - Google Patents
モータ制御装置Info
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Abstract
制御装置を提供する。 【解決手段】 d軸電流補正処理では、まず最初に、ス
テップ510により、d軸の補正電流idの値を「id
=f(T)」に従って決定する。ただし、fは温度Tよ
りd軸補正電流idを求める関数である。ステップ52
0では、「Id=id* +id」に従ってd軸の温度T
に応じた補正後の指令電流Idを決定する。これによ
り、モータMを駆動するための指令電流は、0でないd
軸成分を持つため、高温時には温度の上昇に伴って弱ま
る永久磁石の磁力(磁束)を補うことが可能となる。こ
の時、電流振幅Im は「Im =(2/3)1/2 (iq*2
+id 2 )1/2 」により与えられる。従って、「0<i
d≦Δiq」なる場合には、電流振幅Im は従来よりも
小さくなり、モータ制御装置の小型化、低価格化、低消
費電力化が実現できる。
Description
系(dq座標系)で記述され得るベクトル制御により、
モータを制御するモータ制御装置に関する。
永久磁石や鉄芯の磁力(磁束)が弱まるため、所望のト
ルクを得られなくなる場合がある。このような問題に対
して対策を講じたモータ制御装置には、例えば、公開特
許公報「特開平10−67335号:電動パワーステア
リング装置」に記載されたものなどがある。
モータ制御装置の制御ブロック・ダイアグラムを図11
に示す。本従来技術の最も大きな特徴は、制御ブロック
121と制御122の作用により、q軸電流の指令値i
q* (q軸の指令電流)をモータの温度に応じて補正す
る点にある。以下、この補正処理をq軸電流補正処理と
いう。
q軸電流補正処理のフローチャートを図12に示す。本
フローチャートは、図11の所定のトルク電流変換(制
御ブロック207)の処理を実行した後に、サブルーチ
ンとして呼び出され、実行されるものである。
11の制御ブロック121に相当するステップ134に
より、次式(1)を用いて、q軸補正電流(q軸の補正
値)Δiqを算出する。
q軸補正電流Δiqを求める関数である。ステップ13
6では、q軸の指令電流iq* をΔiqだけ増加するこ
とにより、q軸の指令電流iq* に対してモータMの温
度Tに応じた補正を行う。本ステップ136は、図11
の制御122に相当するものである。
電流Δiqのグラフを示す。このように上記の関数Fを
適当に定めれば、モータMの温度上昇により弱まった永
久磁石や鉄芯の磁力を補うことができるので、モータ温
度Tが上昇した場合にも、モータMより所望のトルクを
得ることができる。
のベクトル図(モータ高温時)を示す。本ベクトル図か
ら判るように、上記の補正が行われた際の、モータ駆動
電流の振幅Im は、次式(2)によって与えられる。
のモータ制御装置の部品の規格は、モータの消費電力や
駆動電流の振幅の最大値に大きく依存するため、モータ
制御装置を小型化し、モータ制御装置の生産コストを低
減する上では、モータ駆動電流の振幅Im は、より小さ
い方が望ましい。しかしながら、所望のトルクを得るた
めには、式(1)、(2)及び図13、図14から判る
ように、モータ駆動電流の振幅Im は、モータ温度Tに
応じて大きくしなければならず、生産コストの面で問題
となっている。
ように(1)、(2)に従って大きくした場合、電機子
の抵抗損が増大し、エネルギー効率の上でも問題とな
る。また、電機子の抵抗損が上記のように(1)、
(2)に従って大きくなった場合には、モータ温度T
が、抵抗損の増加に伴って更に高く成り易くなるため、
更にモータ駆動電流を増大させるという悪循環に陥り易
いという問題が有った。
されたものであり、その目的は、モータ温度の上昇に追
随しながら所望のトルクを出力できる、小型で低価格、
低消費電力のモータ制御装置を提供することである。
めには、以下の手段が有効である。即ち、第1の手段
は、界磁電流の方向をd軸方向に、q軸電流の方向をq
軸方向にもつ二相回転磁束座標系で記述され得るベクト
ル制御により、モータを制御するモータ制御装置におい
て、モータの温度を測定又は予測演算する温度検出手段
と、この温度検出手段により検出された温度に応じて、
d軸電流を補正するd軸電流補正手段とを備えることで
ある。
おいて、上記の温度が一定値を上回った際にはd軸電流
をd軸方向の正の向きに補正し、上記の温度が一定値を
下回った際にはd軸電流をd軸方向の負の向きに補正す
ることである。
おいて、上記の温度が一定値を上回った際にはd軸電流
をd軸方向の正の向きに補正し、上記の温度が一定値を
下回った際にはq軸電流をq軸方向の負の向きに補正す
ることである。以上の手段により、前記の課題を解決す
ることができる。
れたモータ又はその永久磁石の温度に応じて、d軸電流
を補正するため、式(2)に示すΔiqのように、q軸
補正電流が、直接そのままの形でモータ駆動電流の振幅
Im を増加させることがない。従って、本発明の手段を
用いれば、この作用によりモータ駆動電流の振幅Imの
増加を後述の式(10)に示す様に比較的小さく抑制す
ることができるので、モータ温度の上昇に追随しながら
所望のトルクを出力するモータ制御装置の小型化、低価
格化、低消費電力化が実現できる。
基づいて説明する。 (第1実施例)図1に、本発明の第1及び第2実施例に
おけるパワー・ステアリング・システム80のハードウ
ェア構成図を示す。ステアリングシャフト10の一端に
は、ステアリングホイール11が取り付けられ、他端に
はギヤボックス12に軸承されたピニオン軸13が結合
されている。ピニオン軸13は、ギヤボックス12に嵌
装されたラック軸14に噛合され、このラック軸14の
両端は図示していないが、ボールジョイント等を介して
操向車輪に連結されている。また、ステアリングシャフ
ト10には、アシストトルクを発生するブラシレス直流
モータMが、歯車17を介して連結されている。この直
流モータMには、駆動回路113より電流検出器115
を介して3相より成るモータ駆動電流iu,iv,iw
が供給されている。
転者からステアリングホイール11に加えられたマニュ
アル操舵力の大きさ及びその方向(操舵トルクτ)を検
出するためのトルク検出器15及び、ステアリングシャ
フト10の操舵角φを検出するフォトインタラプタ30
が設けられている。フォトインタラプタ30の出力はカ
ウンタ32に入力され、操舵角φに変換されて出力され
る。この操舵角φは、入力インターフェイス(IF)1
14を介してCPU110に入力され、CPU110の
演算により操舵角速度(dφ/dt)が検出される。
る回転角センサ(エンコーダ)Eが設けられており、C
PU110は、回転角センサEが出力するモータMの所
定微小回転角の回転回数nを入力することにより、モー
タMの回転角θを検出する。即ち、この回転回数nは、
モータMが所定方向に回転した際には増加し、その逆方
向に回転した際には減少する。温度センサ16は、モー
タMの温度Tを検出し、CPU110に入力インターフ
ェイス(IF)114を介して出力する。
10、ROM111、RAM112、駆動回路113、
入力インターフェイス(IF)114、電流検出器11
5等から構成されている。駆動回路113は、図略のバ
ッテリー、PWM変換器、PMOS駆動回路等から構成
され、チョッパ制御により駆動電流を正弦波にしてモー
タMに電力を供給する。モータ制御装置100は、上記
の操舵トルクτ、操舵角φ及び、車速計50により検出
される車両速度uを入力インターフェイス(IF)11
4を介してCPU110に入力し、これらの入力値から
所定のトルク計算により、モータ温度Tに応じた補正を
行う前のd軸とq軸の各電流指令値(id* ,iq* )
を決定する。
0の制御ブロック・ダイアグラムを図2に、本第1実施
例及び第2実施例におけるベクトル制御処理のゼネラル
・フローチャートを図3にそれぞれ示す。図3は、図2
及び後述の図9の制御ブロック・ダイアグラムの内のソ
フトウェアによって構成されている範囲の各制御ブロッ
クの動作等をその制御処理の実行順序に従って記載した
ものである。
最初に、ステップ405により初期設定及び初期診断等
の初期処理を実行する。次にステップ410では、モー
タMの駆動制御に必要な物理量の入力を行う。この物理
量とは、操舵トルクτ、操舵角φ、車両速度u、モータ
駆動電流iu,iv、モータMの温度T、モータMの所
定微小回転角の回転回数n等である。ステップ415で
は、次式(3)に従って、アシスト・トルクの指令値τ
* を算出する。
である。
207に相当するトルク電流変換を次式(4)に従って
実行する。
関数である。
2の制御ブロック205に相当する2相変換及びdq変
換を実行する。これにより、d軸及びq軸の測定電流
(フィード・バック電流)idf,iqfが得られる。
ステップ435では、図2の制御ブロック201、20
2、即ち、後述のd軸電流補正処理(図4)に相当する
指令電流補正を実行する。本発明の最も大きな特徴は、
後述する様に、このステップ435のより具体的な実現
方式にある。
203、204に相当する電流偏差演算を次式(5)に
従って実行する。
偏差、及び、ステップ435による温度補正後の指令電
流である。これらは、q軸に関しても同様である。
ックに相当する所定のPI制御を実行する。ステップ4
50、ステップ455では、図2の制御ブロック206
に相当する3相変換及びdq逆変換を実行する。これに
より、d軸及びq軸の各指令電圧Vd* ,Vq* が、
U,V,Wの各相に対する指令電圧Vu,Vv,Vwに
それぞれ変換される。ステップ460では、チョッパ制
御を実行するためのPWM信号を駆動回路113に対し
て出力する。
クトル制御処理)を終了する条件が成立するか否かの判
定を行う。モータ制御装置100の故障等が検知された
場合、車両のイグニッションキーがOFF状態になった
場合等にこの終了条件が成立する。本終了条件が成り立
たない場合には、ステップ410に処理を戻し、ステッ
プ410以下の処理を繰り返し実行する。
正処理のフローチャートを示す。本d軸電流補正処理
は、図3のステップ435に示されるサブルーチンとし
て呼び出されるものである。本d軸電流補正処理では、
まず最初に、図2の制御ブロック201に相当するステ
ップ510により、d軸の補正電流idの値を次式
(6)に従って決定する。
流idを求める関数である。
ップ520では、次式(7)に従ってd軸の温度Tに応
じた補正後の指令電流Idを決定する。
でないd軸電流(界磁電流成分)を持ち得るため、高温
時には温度の上昇に伴って弱まる永久磁石や鉄芯の磁力
(磁束)を補うことが可能となる。
正された指令電流(Id,Iq)のベクトル図を示す。
図6は、モータ常温時(T=T0 )の指令電流(Id,
Iq)のベクトル図である。モータ常温時には、
(6),(7)及び図5より、次式(8)が成り立つた
め、電流振幅Im は、次式(9)により与えられる。
に、T≧T0 、或いは、T<T0 なる一般の場合には、
図7、図8に示す様に、電流振幅Im は次式(10)に
より与えられる。
0)により与えられる電流振幅Im は、従来技術の
(2)により与えられる電流振幅Im よりも小さくな
る。
が成立する範囲において、従来よりもモータ駆動電流の
振幅Im のモータ温度上昇による増加を小さく抑制する
ことができる。即ち、本第1実施例によれば、モータ温
度の上昇に追随しながら所望のトルクを出力するモータ
制御装置の小型化、低価格化、低消費電力化が実現でき
る。また、本第1実施例によれば、(6)により、補正
電流を1つの関数fで統一的に決定することができると
いう効果も得られる。
説明でも述べたように、図3のベクトル制御処理のゼネ
ラル・フローチャートは、図9の制御ブロック・ダイア
グラムの内のソフトウェアによって構成されている範囲
の各制御ブロックの動作等をも同時に示しており、本発
明の最も大きな特徴は、この図3のステップ435の具
体的な実現方式にある。本第2実施例では、このステッ
プ435において、図9の制御ブロック901、及び、
制御ブロック902、903に相当する指令電流補正処
理(図10)を実行する。
補正処理のフローチャートを示す。本指令電流補正処理
は、図3のステップ435に示されるサブルーチンとし
て呼び出されるものである。
9の制御ブロック901に相当する処理を実行する。即
ち、まず最初にステップ101により、モータ温度Tを
判定し、T≧T0 の場合にはステップ103へ、そうで
ない場合にはステップ107へ処理を移す。次にステッ
プ103では、第1実施例と同様に、d軸の補正電流i
dの値を(6)に従って決定する。また、ステップ10
7では、q軸の補正電流iqの値を次式(12)に従っ
て決定する。
める所定の関数である。
の実行後には、図9の制御ブロック902に相当するス
テップ105では、(7)に従ってd軸の温度Tに応じ
た補正後の指令電流Idを決定する。これにより、高温
時には第1実施例と同様に、温度の上昇に伴って弱まる
永久磁石や鉄芯の磁力(磁束)を補うことが可能とな
る。
るステップ109では、次式(13)に従ってq軸の温
度Tに応じた補正後の指令電流Iqを決定する。
は、補正のために更に電力を消費する必要が無くなり、
第1実施例の図8の方法よりも電流振幅Im を小さく抑
えることができることが判る。即ち、本第2実施例によ
れば低温時には、消費電力を軽減できるという効果が得
られる。
はブラシレス直流モータを用いているが、本発明は、交
流同期モータのモータ制御装置に適用することも可能で
ある。
は3相の電流により駆動されているが、本発明は、N相
モータ(N≧2)のモータ制御装置にも適用することが
できる。
システムに限らず、切削機、研削盤、EHPS、マニュ
ピュレータなどに用いられるモータ制御装置にも適用す
ることができる。
ステアリング・システム80のハードウェア構成図。
00の制御ブロック・ダイアグラム。
制御処理のゼネラル・フローチャート。
のフローチャート。
るd軸補正電流のグラフ。
ル図(モータ常温時)。
ル図(モータ高温時)。
ル図(モータ低温時)。
00の制御ブロック・ダイアグラム。
理のフローチャート。
アグラム。
フローチャート。
q軸補正電流のグラフ。
図(モータ高温時)。
Claims (3)
- 【請求項1】 界磁電流の方向をd軸方向に、このd軸
と直交する方向をq軸方向にもつ二相回転磁束座標系で
記述され得るベクトル制御により、モータを制御するモ
ータ制御装置において、 前記モータの温度を測定又は予測演算する温度検出手段
と、 前記温度検出手段により検出された前記温度に応じて、
電機子電流のd軸成分であるd軸電流を補正するd軸電
流補正手段とを有することを特徴とするモータ制御装
置。 - 【請求項2】 前記温度が一定値を上回った際には、前
記d軸電流を前記d軸方向の正の向きに補正し、 前記温度が一定値を下回った際には、前記d軸電流を前
記d軸方向の負の向きに補正することを特徴とする請求
項1に記載のモータ制御装置。 - 【請求項3】 前記温度が一定値を上回った際には、前
記d軸電流を前記d軸方向の正の向きに補正し、 前記温度が一定値を下回った際には、q軸電流を前記q
軸方向の負の向きに補正することを特徴とする請求項1
に記載のモータ制御装置。
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