JP2000181191A - 帯電装置、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

帯電装置、プロセスカートリッジ及び電子写真装置

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JP2000181191A
JP2000181191A JP10351668A JP35166898A JP2000181191A JP 2000181191 A JP2000181191 A JP 2000181191A JP 10351668 A JP10351668 A JP 10351668A JP 35166898 A JP35166898 A JP 35166898A JP 2000181191 A JP2000181191 A JP 2000181191A
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brush
charging device
photosensitive member
brush roll
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JP10351668A
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English (en)
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Masataka Kawahara
正隆 川原
Yoshihiro Sato
祐弘 佐藤
Keiko Hiraoka
敬子 平岡
和夫 ▲吉▼永
Kazuo Yoshinaga
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温低湿下から高温高湿下に至る各環境下に
おいて、電子写真感光体に対し、均一な注入帯電を行う
ことが可能で、かつ機械的強度にも優れた帯電装置、こ
の帯電装置を有するプロセスカートリッジ及び電子写真
装置を提供することにある。 【解決手段】 表面に電荷注入層を有する感光体にDC
電圧を印加したブラシロールを当接させて帯電を行う帯
電装置において、ブラシロールは糸の表面をゾルゲル法
により形成された金属酸化物膜により導電化処理したも
ので構成する帯電装置、この帯電装置を有するプロセス
カートリッジ及び電子写真装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電装置、プロセ
スカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは、感
光体に帯電部材を接触させて帯電を行う帯電装置、この
帯電装置を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真の帯電装置としては、コ
ロナ帯電器が使用されてきた。近年、これに代わって、
接触帯電装置が実用化されてきている。これは、低オゾ
ンや低電力等を目的としており、この中でも特に帯電部
材として導電ローラを用いたローラ帯電方式が、帯電の
安定性という点から好ましく用いられている。
【0003】ローラ帯電では、導電性の弾性ローラを被
帯電体に加圧当接させ、これに電圧を印加することによ
って被帯電体の帯電を行う。ここで、ローラ帯電に限ら
ず接触帯電部材に必要とされる特性において、抵抗値の
低い帯電部材を使用した場合、ドラム上にキズやピンホ
ール等があると、帯電部材から過大なリーク電流が流れ
込み、周辺の帯電不良やピンホールの拡大、帯電部材の
通電破壊が生じる。これを防止するためには、帯電部材
の抵抗値を1×104Ω程度以上にする必要がある。一
方、1×107Ωを超えると、抵抗値が高過ぎて、帯電
に必要な電流を流すことができない。従って、接触帯電
部材の抵抗値は1×104〜1×107Ωの範囲でなけれ
ばならない。
【0004】ローラ帯電においては、帯電は帯電部材か
ら被帯電体への放電によって主に行われるため、ある閾
値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始さ
れる。例を示すと、厚さ25μmのOPC感光体に対し
て帯電ローラを加圧当接させた場合には、約640V以
上の電圧を印加すれば、感光体の表面電位が上昇し始
め、それ以降は印加電圧に対して傾き1で、線形に感光
体表面電位が増加する。以後、この閾値電圧を帯電開始
電圧Vthと定義する。
【0005】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位Vdを得るためには、帯電ローラにはVd+Vt
hという必要とされる以上のDC電圧が必要となる。こ
の様にして、DC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯
電を行う方法を、DC帯電と称する。
【0006】しかし、DC帯電においては環境変動等に
よって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また感光
体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変動
するため、感光体の電位を所望の値にすることが難しか
った。
【0007】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に特開昭63−149669号公報に開示される様に、
所望のVdに相当するDC電圧に、2×Vth以上のピ
ーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を、接触帯電
部材に印加するAC帯電方式が用いられる。これは、A
Cによる電位のならし効果を目的としたものであり、被
帯電体の電位は、AC電圧のピークの中央であるVdに
収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0008】ところが、このような接触帯電装置におい
ても、その本質的な帯電機構は、帯電部材から感光体へ
の放電現象を用いているため、先に述べた様に帯電に必
要とされる電圧は、感光体表面電位以上の値が必要とさ
れ、微量のオゾンは発生する。また、帯電均一化のため
にAC帯電を行った場合には、更なるオゾン量の発生、
AC電圧の電界による帯電部材と感光体の振動、騒音
(AC帯電音)の発生、また放電による感光体表面の劣
化等が顕著になり、新たな問題となっていた。
【0009】他の接触帯電部材として、ブラシ帯電も実
用化され、REC{商品名、(株)ユニチカ製}、SA
−7{商品名、(株)東レ製}等の中抵抗のブラシを用
いることが可能であるが、これらを用いた場合でも、放
電現象を用いることに起因する上記問題点を解決するこ
とはできなかった。
【0010】そこで新たな帯電方式として、感光体への
電荷の直接注入による帯電方式が、特開平4−1581
28号公報、特開平5−66150号公報等に開示され
ている。この帯電方式は、帯電ローラ、帯電ブラシ、帯
電磁気ブラシ等の接触導電部材に電圧を印加し、表面に
注入層を設けた感光体上のフロート電極に電荷を注入し
て接触注入帯電を行う方法である。具体的には、特開平
4−158128号公報では、電荷注入層として、感光
体表面にアクリル樹脂に導電フィラーであるアンチモン
ドープで導電化したSnO2粒子を分散したものを、塗
工して用いることが可能であるとの記述がある。この帯
電方式では、放電現象を用いないため、帯電に必要とさ
れる電圧は所望する感光体表面電位分のみのDC電圧で
あり、オゾンの発生もない。更に、AC電圧を印加しな
いので、帯電音の発生もなく、ローラ帯電方式と比べる
と、低オゾン、低電圧の優れた帯電方式である。
【0011】従来でも放電を用いた帯電方法で、ブラシ
を用いたものはあったが、これらに使用されていたブラ
シは、繊維を構成する樹脂(以下バインダーと称す)の
中に抵抗値を調整するために導電性の微粒子、例えば、
カーボン、SnO2等(以下フィラーと称す)を分散さ
せているため、導電性の部分と絶縁性の部分が混在して
おり、ブラシ全体の抵抗値調整はできるが、微視的には
不均一な抵抗分布となっていた。
【0012】放電を用いた帯電の場合、数十μmのギャ
ップがあれば、放電によって帯電は可能なため、ブラシ
のミクロな導電、絶縁部分の存在は問題にならなかった
(図1)。しかしながら、注入帯電を行う場合、ブラシ
の導電部分が接した部分で電荷を注入するため(図
2)、絶縁性の部分と接触した感光体の表面は帯電され
ず、結果として微小な帯電不良、掃きムラを生じてしま
っていた。従って、注入により帯電を行うには、ブラシ
と電荷注入層との接触機会を増やすと同時に、微視的に
均一な抵抗分布が要求される。
【0013】例えば、ブラシロールの場合、従来は抵抗
値1×104〜1×107Ωの範囲を実現するために、絶
縁性の繊維に導電性材料を混入したものを植毛してブラ
シを形成していた。例えば、(株)ユニチカ製RECは
図3に示す様にレーヨンにカーボンを練り込んでおり、
(株)カネボウ製ベルトロンは図4に示す様にナイロン
でカーボンを挟んだ構成をしている。
【0014】よって、この方法で構成された繊維は、ブ
ラシ表面の抵抗値が微視的には均一ではない。また、上
述のブラシロールの場合、本来繊維が持つべき性質(硬
度、弾性、強度等)が、導電性微粒子の添加によって損
なわれてしまう。従って、長期にわたり使用すること
で、ブラシの繊維が切れたり、倒れたりして均一に感光
体表面に接触できなくなるため、注入帯電に用いた場
合、感光体表面を均一に帯電することができず、帯電不
良を引き起こし問題となる。
【0015】その他、接触子のへたりを減じ、被帯電体
を接触子で損傷しない様にすることを目的として、導電
性ブラシを構成する柔軟な接触子を、導電性粒子を含有
した高分子層に別の高分子層をコーティングして2層構
造とする等の技術が特開昭60−216364号公報等
で提案されている。しかし、この構成の場合、放電に用
いることはできるが、ブラシ表面の表面抵抗が高くな
り、ブラシの導電部分が感光体と接したところで電荷を
注入する注入帯電には適さない。
【0016】
【発明が解決しようとしている課題】本発明の目的は、
低温低湿下から高温高湿下に至る各環境下において、電
子写真感光体に対し、均一な注入帯電を行うことが可能
で、かつ機械的強度にも優れた帯電装置、この帯電装置
を用いたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供
することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、表面に
電荷注入層を有する感光体にDC電圧を印加したブラシ
ロールを当接させて帯電を行う帯電装置において、ブラ
シロールは、繊維の表面をゾルゲル法により形成された
金属酸化物膜により導電化処理したもので構成される帯
電装置、この帯電装置を用いたプロセスカートリッジ及
び電子写真装置が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明では、注入帯電を可能とす
るため、ブラシロールにおいては、ブラシの繊維の本来
持つべき性質(硬度、弾性、強度等)を残しつつ、ブラ
シ表面に均一に導電性を持たせるため、ブラシロールの
繊維の表面に導電性材料をコートしたものとする。
【0019】しかし、コート材として塗料中に導電化の
ために、カーボン/金属酸化物を樹脂中に分散させたも
のを用いると、感光ドラムとブラシとの摺擦によりコー
ト層が削れたり割れたりしまう。
【0020】そこで、ブラシ表面をゾルゲル法により形
成された金属酸化物膜でコートした。前記したベルトロ
ン等の微視的には抵抗が均一でないブラシも、このよう
な処理をすることにより、注入帯電に使用することがで
きる。
【0021】以上の構成をとることにより、ミクロな抵
抗値の均一性を持たせると共に、長期使用でブラシの毛
切れ、毛倒れ等の問題が起きず、更に感光体表面への注
入帯電に用いた場合、表面の電気的均一性のため、帯電
均一性の向上、帯電能力の向上、耐久性の向上が達成で
き、高品位な画像を長期にわたり得ることができる。
【0022】本発明に用いることのできる金属酸化物と
しては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチ
モン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化ジルコニウ
ム等が挙げられる。これらの金属酸化物は、単独で用い
ても2種以上を混合して用いてもよい。
【0023】金属として亜鉛を例にとると、出発物質と
しては、亜鉛のアルコキシド、ハロゲン化物、酸化物、
水酸化物、ジアルキルアミド体、有機酸、あるいは酸無
水物とのエステル、β−ジケトン、β−ケトアミンある
いはβ−ケトエステルとのキレート、アルカノールとの
反応生成物が用いられる。
【0024】この出発物質を溶剤に添加し、酸または塩
基を添加し、適度のpH、温度及び時間で加水分解した
液を塗布し、焼成することにより膜を得ることができ
る。このようにして得られた酸化亜鉛膜は、膜中に酸素
欠陥を有するために、電子搬送性が高いn型半導体の特
性を有しているため、ブラシから感光体へのキャリア注
入を行うことができる。
【0025】図7に本発明の帯電部材を用いた電子写真
装置の概略図を示す。
【0026】図において、1は像担持体としての回転ド
ラム型の電子写真感光体であり、矢印方向に所定のプロ
セススピード(周速度)をもって回転駆動される。2
は、感光体1に当接された接触帯電部材としての帯電ブ
ラシであり、この帯電ブラシ2には、帯電バイアス印加
電源S1からDC帯電バイアスが印加されていて、回転
感光体1の外周面がほぼ一様に帯電処理される。
【0027】この回転感光体1の帯電処理面に対してレ
ーザーダイオード、ポリゴンミラー等を含む不図示のレ
ーザービームスキャナから出力される目的の画像情報の
時系列電気デジタル画像信号に対応して、強度変調され
たレーザービームによる走査露光Lがなされ、回転感光
体1の周面に対して目的の画像情報に対応した静電潜像
が形成される。
【0028】その静電潜像は、磁性1成分絶縁ネガトナ
ーを用いた反転現像装置3によりトナー画像として反転
現像される。3aは、マグネットを内包する非磁性現像
スリーブであり、この現像スリーブに上記のネガトナー
をコートし、感光体表面との距離を300μmに固定し
た状態で、感光体1と等速で回転させ、スリーブ3aに
現像バイアス電源S2より現像バイアス電圧を印加す
る。電圧はDC電圧と、矩形のAC電圧を重畳したもの
を用い、スリーブ3aと感光体1の間でジャンピング現
像を行わせる。
【0029】一方、不図示の給紙部から記録材としての
転写材Pが給送されて、回転感光体1と、これに所定の
押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の転
写ローラ4との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイ
ミングにて導入される。転写ローラ4には、転写バイア
ス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加され
る。
【0030】転写部下に導入された転写材Pは、この転
写部下を挟体搬送されて、その表面側に回転感光体1の
表面に形成担持されているトナー画像が、順次に静電力
と押圧力にて転写されて行く。
【0031】トナー画像の転写を受けた転写材Pは、感
光体1の面から分離されて熱定着方式等の定着装置5へ
導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリ
ント、コピー)として装置外へ排出される。
【0032】また、転写材Pに対するトナー画像転写後
の感光体面は、クリーニング装置6により残留トナー等
の付着汚染物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像
に供される。
【0033】本発明の電子写真装置は、電子写真感光体
1、接触帯電部材2、現像装置3及びクリーニング装置
6等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリ
ッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカート
リッジを複写機やレーザービームプリンタ等の電子写真
装置本体に対して脱着可能に構成してもよい。例えば、
接触帯電部材2、現像装置3及びクリーニング装置6の
少なくとも一つを感光体1と共に一体に支持してカート
リッジ化して、装置本体のレール等の案内手段を用いて
装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ7とするこ
とができる。
【0034】また、画像露光光Lは、電子写真装置が複
写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や
透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化
し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、
LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等
により照射される光である。
【0035】本発明は、電子写真複写機に利用するのみ
ならず、レーザービームプリンタ、CRTプリンター、
LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等
の電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例に従って本発明を更に詳しく説
明する。
【0037】まず、本発明の電荷注入層の形成に用いる
塗工液の具体的な調合例を示す。
【0038】「調合例1」Zn(OAc)2・2H2
13.5gを水62g/エタノール75gの混合液に溶
解させた後、6N塩酸2gを加えて30分間リフラック
スを行った。その後、酢酸5g、1−ブタノール10
g、2−エトキシエタノール20g、及びジエチレング
リコール5gで希釈し、ZnO2.5重量%の液を調製
した。
【0039】「調合例2」Zn(AcAc)2・H2
8.45gをエタノール26.15gに溶解し、6N塩
酸5.4gを滴下してからリフラックスした。冷却後、
2−エトキシエタノール10g、酢酸エチル5g及び水
5gを加えて調製した。
【0040】「調合例3」ジエチル亜鉛(0.99mo
l/l ヘキサン溶液)33gをアセト酢酸メチル1
1.61g/sec−ブタノール40.57gの混合液
中に滴下し、発熱がおさまってからエチレングリコール
モノフェニルエーテル34.54gを窒素フロー下で滴
下し、1晩静置した。この液に0.001N塩酸0.2
3g/sec−ブタノール59.77gの混合液を滴下
し、調製した。
【0041】「調合例4」ナフテン酸亜鉛(ニッカナフ
テックスZn/ミネラルスピリット溶液)75gをn−
ブタノール25gで希釈し、調製した。
【0042】次に、本実施例で用いたブラシについて説
明する。
【0043】(実施例1)帯電ブラシは、図5に図示す
ような構成をとり、レーヨン繊維を導電性の基布に植毛
しパイル地{図6(a)}にしたテープを直径6mmの
芯金にスパイラル状に巻き付けた外径15mmのロール
ブラシである。ここでは、パイル地として図6(a)の
様に1本のブラシ繊維を基布の3本の横糸に対して通す
W織りを使用したが、図6(b)の様に1本のブラシ繊
維を基布の1本の横糸に通すU織りであってもよい。
【0044】ブラシが感光体と接触しないと帯電されな
いため、ブラシと感光体との接触機会を増やす必要があ
る。よって、ブラシと感光体に周速差を持たせることで
これを解決するため、ブラシを回転させる必要があり、
ブラシをロール状にした。これを、前記調合例1に示し
た塗工液で処理する。この塗工液に、ブラシをディッピ
ング、あるいはブラシに塗工液をスプレーしたのち、乾
燥させブラシとして所望の抵抗が得られる様にする。従
来の様に繊維中のバインダーに低抵抗のカーボンを分散
した繊維では、カーボンが少量で繊維の抵抗を下げるこ
とはできるが、微視的には導電部分の占有率が少なくな
っているため、抵抗の均一性を実現することは難しく、
また多量に分散した場合は繊維の強度が弱くなる。
【0045】そこで均一な電気抵抗を有す金属酸化物膜
を、ゾルゲル法でコートすることで、フィラーの添加で
抵抗を調整していた従来例と異なり、微視的な導電部分
の占有率を増やし、抵抗の均一性と同時に繊維の強度も
保つことができた。
【0046】ブラシは、電荷注入層との接触機会を増や
すため、繊維が細く、また密度の高いものが望ましい
が、ここではブラシ繊維の太さが6デニール、抵抗値1
×10 5〜1×106Ω、密度が1平方インチ当り10万
本であるブラシを用いた。感光体上に均一に帯電するた
め、ブラシの繊維の導電部分が密に感光体表面に接する
必要がある。
【0047】以上の接触帯電ブラシを用いて帯電を行な
い画像を出力した。図7に示す構成で、プロセススピー
ド95mm/sec、−700Vの直流電圧を帯電ブラ
シに印加した。帯電ブラシは、感光体との接触機会を増
やすため、感光体の回転方向と逆方向に速く回転させる
必要があるが、今回は十分な電位収束が得られる同スピ
ード(ブラシ繊維の先端スピード95mm/sec)で
逆回転させた。この時、感光体表面は約−700Vに帯
電されていることが確認できた。
【0048】その結果、温度32.5℃・湿度85%か
ら温度15℃・湿度10%のいかなる環境下において
も、通紙の繰り返し使用で画像劣化を起こすことなく、
良好な画像を出力することができた。また、従来の様に
繊維に導電材料を混入した帯電ブラシを用いた場合に
は、100枚程度でブラシの毛割れ、毛切れ等のため画
像が悪化したが、今回作製したブラシでは、5000枚
画像出しを行っても画像への影響は見られなかった。
【0049】以上より、長期にわたる使用に対しても、
今回の構成が有効であることが確認できた。ブラシの強
度を保つためには、従来は添加するフィラー量に限界が
あったが、本実施例の様にブラシ表面をコートする場合
には、ブラシが本来持つ強度を保つことができ、また微
視的な抵抗の均一性も実現できた。これにより、放電を
用いず注入による帯電が可能となった。
【0050】(実施例2)実施例1で用いた調合液1の
代わりに調合液2を用いた以外は、実施例1と同様にし
て帯電ブラシを作製し、評価した。その結果、温度3
2.5℃・湿度85%から温度15℃・湿度10%のい
かなる環境下においても、通紙の繰り返し使用で画像劣
化を起こすことなく、良好な画像を出力することができ
た。また、今回作製したブラシでは、5000枚画像出
しを行っても画像への影響は見られなかった。
【0051】(実施例3)本実施例では、ブラシに用い
る繊維にあらかじめ導電性材料をコートし、それを用い
てブラシを作製した。
【0052】レーヨン繊維を、調合例3の液にディッピ
ング、あるいは繊維に調合例3の液をスプレーした後に
乾燥させる。コートをした繊維を、パイル地にしたテー
プを直径6mmの芯金にスパイラル状に巻き付けて外径
15mmのロールブラシを作製した。ブラシ繊維の太さ
は3デニール、抵抗値1×105〜1×106Ω、密度は
1平方インチ当り20万本である。パイル地はU織りの
ものを使用した。
【0053】実施例1又は実施例2の様に、ロールブラ
シを作製した後にコートを行うと、ブラシ繊維の根本ま
で均一にコートできなかったり、ブラシの繊維が数本固
まってしまうという問題が生じるため、密度をあまり増
やすことができなかった。密度を増やすとコートを行う
際に、ブラシ繊維が周りの繊維と固まり易くなるからで
ある。
【0054】また、ロールブラシ作製後にコートを行う
場合、繊維が細過ぎて強度がなくなると、繊維が倒れて
周りの繊維と固まってしまうので、あまり繊維を細くで
きないという問題があった。しかし、この方法で作製さ
れたブラシは、あらかじめ繊維表面に導電性材料をコー
トしているため、上記のような問題は発生しない。従っ
て、ブラシ繊維の太さを細く、また密度を増やすことが
可能となった。
【0055】上記の接触帯電ブラシを用いて、帯電を行
ない画像を出力した。図7に示す構成で、プロセススピ
ードは95mm/sec、直流電圧−700Vを帯電ブ
ラシに印加した。帯電ブラシは、感光体の回転方向と逆
方向に40mm/scc(ブラシ繊維先端スピード)で
回転させた。感光体表面の帯電電位は、−700Vであ
った。
【0056】実施例1又は実施例2よりもブラシ繊維の
太さを細く、かつ密度を増やすことが可能となったた
め、ブラシが感光体表面に均一にしかも十分に接触でき
るため、ブラシの回転スピードを半分以下にしても注入
帯電が可能であることが確認できた。繰り返し使用後に
出力された画像も、環境によらず良好であった。
【0057】以上より、本実施例で作製されたブラシ
は、あらかじめブラシ繊維に導電性材料をコートするこ
とによって、ブラシの繊維が製作過程で固まるという問
題が生じないため、繊維を細く、また密度も増やすこと
が可能となり、注入による帯電性が向上することを確認
できた。
【0058】(実施例4)実施例3で用いた調合液3の
代わりに調合液4を用いた以外は、実施例3と同様にし
て帯電ブラシを作製し、評価した。その結果、温度3
2.5℃・湿度85%から温度15℃・湿度10%のい
かなる環境下においても、通紙の繰り返し使用で画像劣
化を起こすことなく、良好な画像を出力することができ
た。また、今回作製したブラシでは、5000枚画像出
しを行っても画像への影響は見られなかった。
【0059】(比較例1)帯電ブラシとしてカーボンを
練り込んだレーヨン繊維(商品名:REC (株)ユニ
チカ製)を用い、実施例1と同様にして評価を行った。
その結果、通紙繰り返し使用100枚程度でブラシの毛
割れ、毛切れ等のため画像が悪化した。
【0060】(比較例2)帯電ブラシとしてカーボンを
挟んだナイロン繊維(商品名:ベルトロン (株)カネ
ボウ製)を用い、実施例1と同様にして評価を行った。
その結果、常温常湿下(気温23℃、湿度55%)にお
いて得られた画像に、白地カブリが発生していた。ま
た、低湿環境下にて同様の操作を行ったところ、著しい
白地カブリを生じ、十分な帯電がなされていないことが
判った。
【0061】(実施例5)ロールブラシとしてカーボン
を挟んだナイロン繊維(商品名:ベルトロン (株)カ
ネボウ製)を用いた以外は、実施例1と同様にして評価
を行った。その結果、温度32.5℃・湿度85%から
温度15℃・湿度10%のいかなる環境下においても、
白地カブリが発生することがなく、十分な帯電がなされ
ていることが判った。以上により、微視的には抵抗が不
均一なブラシも、ブラシ表面への処理によって注入帯電
性が向上することが判った。
【0062】
【発明の効果】本発明により、ブラシロールにおいて
は、ブラシの繊維の本来持つ性質(硬度、弾性、強度
等)を残しつつ、所望の抵抗値を容易に実現することが
できる。その結果、長期使用でブラシの毛切れ、毛倒れ
等の問題が起きず、更に感光体表面への注入帯電に用い
た場合、表面の電気的均一性のため、帯電均一性の向
上、帯電能力の向上、耐久性の向上が達成でき、高品位
な画像を長期にわたり得ることが可能となった。また、
絶縁性の繊維だけでなく微視的な抵抗が均一でない繊維
も、以上のような処理をすることにより、注入帯電に使
用可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】放電による帯電の様子を表す図である。
【図2】注入による帯電の様子を表す図である。
【図3】カーボンを練り込んだレーヨン繊維(商品名:
REC(株)ユニチカ製)の構成を表す図である。
【図4】カーボンを挟んだナイロン繊維(商品名:ベル
トロン(株)カネボウ製)の構成を表す図である。
【図5】実施例1におけるブラシロールの構成図であ
る。
【図6】パイル地の織り方の構成を表する図である。 (a)W織り (b)U織り
【図7】本発明の帯電ブラシを有するプロセスカートリ
ッジを用いた電子写真装置の概略図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 注入帯電部材(帯電ブラシ) L レーザー光 3 現像装置 3a 現像スリーブ 4 転写部材(転写ローラ) 5 定着装置 6 クリーニング装置 7 カートリッジ箇体 P 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平岡 敬子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 ▲吉▼永 和夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC06 EE11 2H071 BA04 DA06 DA08 DA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に電荷注入層を有する感光体にDC
    電圧を印加したブラシロールを当接させて帯電を行う帯
    電装置において、前記ブラシロールは繊維の表面がゾル
    ゲル法により形成された金属酸化物膜により導電化処理
    されていることを特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】 ブラシロール表面処理膜がn型半導体で
    ある請求項1に記載の帯電装置。
  3. 【請求項3】 ブラシロール表面処理膜が酸化亜鉛であ
    る請求項1又は2に記載の帯電装置。
  4. 【請求項4】 ブラシロールが感光体の被帯電体に対し
    て周速差をもって移動する請求項1〜3のいずれかに記
    載の帯電装置。
  5. 【請求項5】 電荷注入層が、光透過性で絶縁性のバイ
    ンダーに導電性微粒子を分散させたものである請求項1
    〜4のいずれかに記載の帯電装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の帯電装
    置、及び前記帯電装置により帯電される電子写真感光体
    を、静電潜像の形成された電子写真感光体をトナーで現
    像する現像手段、及び転写工程後の感光体上に残余する
    トナーを回収するクリーニング手段からなる群より選ば
    れた少なくとも一つと共に一体に支持し、電子写真装置
    本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカート
    リッジ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれかに記載の帯電装
    置、前記帯電装置により帯電される電子写真感光体、帯
    電した電子写真感光体に対し像露光を行い静電潜像を形
    成する像露光手段、及び静電潜像の形成された電子写真
    感光体をトナーで現像する現像手段を有することを特徴
    とする電子写真装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8326193B2 (en) 2009-08-05 2012-12-04 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
JP2013101322A (ja) * 2011-10-14 2013-05-23 Canon Inc 電子写真用部材、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
US8532531B2 (en) 2009-12-17 2013-09-10 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus comprising a charging unit including plural conductive fibers

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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