JP4109776B2 - 電子写真装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置に関するものであり、特に電子写真感光体表面に電圧を印加した帯電部材を接触させて感光体の帯電を行う接触帯電装置を用いた電子写真装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の画像形成装置において、電子写真感光体の帯電手段としてはコロナ帯電器が使用されてきた。しかしこの方法では、コロナ発生時にオゾンや窒素酸化物等のコロナ生成物が発生し、これが感光体表面に付着又は表面を劣変質させることによって画像ににじみやボケを引き起こしたり、コロナワイヤーの汚れが帯電の不均一を起こし、画像の白抜けや黒スジ等の画像欠陥を引き起こしていた。また、コロナ帯電では、電力的にも感光体に向かう電流が全体の5〜30%に過ぎず、殆どがシールド板に流れ、帯電手段としては効率の悪いものであった。
【0003】
しかし近年は、低オゾン・低電力等の利点を有することから、接触帯電装置、すなわち前記したように、感光体に電圧を印加した帯電部材を当接させて像感光体の帯電を行う方式の装置が特開昭57−17826号公報、特開昭58−40566号公報等に提案され、かつ実用化されている。具体的には、帯電は帯電部材と感光体との間に1〜2kV程度の電圧を印加することにより、帯電部材と感光体との微小空隙で発生するギャップ放電によって行われる。
【0004】
従って、あるしきい値電圧以上の電圧を印加することによって帯電が開始され、所定の直流電圧を印加することによって感光体を帯電することができる。しかし、直流電圧のみを印加する方式では、装置周辺の温度・湿度の変動等により接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また感光体が繰り返し使用によって削れることにより膜厚が変化すると帯電電圧が変動するため、感光体の電位を所望する値にすることが困難であった。
【0005】
このため更なる帯電の均一性を図るために、特開昭63−149669号公報等に開示されるように、所望の帯電電圧に相当する直流電圧に放電しきい値電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流成分を重畳した振動電圧を、接触帯電部材に印加して感光体の帯電を行う方式が用いられる。これは、交流電圧印加による電位のならし効果を目的にしたものであり、感光体の電位は印加された直流電圧に収束し、環境、感光体削れ等の外的要因に影響されることはない。
【0006】
また、接触帯電においては、特に帯電部材として導電ローラを用いたローラ帯電方式の装置が、帯電の安全性という点から好ましく用いられている。ローラ帯電方式の接触帯電装置では、帯電部材として導電性の弾性ローラを感光体に加圧当接させ、これに電圧を印加することにより感光体を帯電処理する。このように電子写真感光体表面に導電部材を接触させ、導電部材に電圧を印加することにより電子写真感光体表面を帯電させる所謂接触帯電方式の帯電工程を用いることによって、オゾンの発生の少なく低電力の帯電が可能となった。更に、帯電部材に直流+交流の振動電圧を印加する方式により、安定で均一な帯電を行うことが可能となった。
【0007】
しかしながら、このような接触帯電装置においても、その本質的な帯電機構は帯電部材から像担持体への放電現象を用いているため微量のオゾンは発生する。また、放電が感光体表面近傍で起こるために帯電による感光体表面へのダメージは、コロナ帯電の場合以上となる。更に、帯電均一化のために交流電圧を重畳させる方式を用いた場合には、更なるオゾン発生量の増加と放電の増加によって感光体表面の劣化が、更に顕著になることが問題点となっていた。
【0008】
特に、感光体として有機半導体を用いた有機感光体において、前記接触帯電による感光体表面のダメージは顕著であり、コロナ帯電に比べて接触帯電の場合の感光体の繰り返し使用時の削れが非常に大きく、従って感光体の耐久寿命が短くなるという問題点が発生した。
【0009】
一方、感光体の耐久寿命を延ばす試みとして、感光体表面層を光又は熱によって硬化する樹脂により形成し、表面硬度を上げることにより削れを減らす試みが、例えば、特開昭51−66834号公報、特開昭57−207258号公報、特開平4−226469号公報等で示されるように行われた。
【0010】
しかしながら、このように表面層を硬化性の樹脂によって硬化、形成した感光体を、前記接触帯電を行う電子写真装置内で用いた場合には、削れ性が大きく寿命が十分ではないか、又は削れは非常に少ないが、高温・高湿の環境下で繰り返し画像形成を行った場合に、感光体表面の劣化による低抵抗化が起こり画像がボケてしまうというように十分な耐久性能が得られなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低温低湿から高温高湿のいかなる環境下においても良好な画像を安定して出力でき、かつ感光体の耐摩耗性が向上し、長寿命で高画質な電子写真装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って、電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面に接触させた帯電部材としての導電部材に直流成分に放電しきい値電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流成分を重畳した振動電圧を印加することにより該電子写真感光体の表面を帯電させる接触帯電装置とを有する電子写真装置において、
該電子写真感光体の表面層が、反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の一方又は両方を分子中に含有する化合物を含む溶液を塗布し、硬化することによって形成された層であり、
該化合物に含有される反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の総数(A)の該化合物の分子量(M)に対する比の値(A/M)が0.0018以上0.0037以下であり、且つ、
該表面層は導電性粒子を含有しない層であることを特徴とする電子写真装置が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
本発明における電子写真装置では、電子写真感光体表面に導電部材を接触させ、導電部材に電圧を印加することにより、電子写真感光体表面を帯電させる接触帯電方式の帯電を行う。図1に本発明の帯電装置例の概略図を示す。
【0015】
図1に示した例は、帯電部材として導電性ゴムローラを用い、感光体として感光層及び保護層をこの順に積層した構成の感光体を用いている。表面層である保護層は、反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の一方又は両方を分子中に含有する化合物を含む溶液を塗布し、硬化することによって形成された層であり、該化合物に含有される反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の総数(A)の該化合物の分子量(M)に対する比の値(A/M)を0.0018以上0.0037以下にする。
【0016】
この感光体表面にローラ状の帯電部材が接触する形で設置され、帯電部材と感光体を矢印の方向に回転させながら帯電部材に電圧を印加することにより感光体の帯電を行っている。
【0017】
帯電部材への電圧印加は、帯電の安定性、均一性の点から直流に交流を重畳させた振動電圧が印加される。本発明では、直流成分に放電しきい値電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流成分を重畳した振動電圧を印加する。
【0018】
帯電部材の形状としては、図1に示したローラの他にブレード、ブラシ、更には導電性液体を感光体表面に接触させるもの等が考えられる。帯電部材を構成する材料としては、特に限定されるものではなく、所望の抵抗と形状が得られればよい。例えば、金、銀、水銀等の金属、樹脂にカーボンブラック等の導電性粉体を分散したもの、導電性高分子又はイオン電導処理したゴム材料等が使用可能である。この中でも、特に導電ローラを用いたローラ帯電方式の装置が帯電の安全性という点から好ましい。
【0019】
次に、感光体について説明する。
【0020】
本発明における感光体は、その表面層が、反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の一方又は両方を分子中に含有する化合物を含む溶液を塗布し、硬化することによって形成された層であり、該化合物に含有される反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の総数(A)の該化合物の分子量(M)に対する比の値(A/M)が0.0018以上0.0037以下であればよく、この他は特に限定されるものではない。
【0021】
本発明において、電子写真用感光体の層構成は、基本的には導電性支持体上に光半導体より成る感光層を形成し、その上に前記表面層を保護層として積層した構成である。又は、感光層が積層である場合には、感光層の表面を前記反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の一方又は両方を分子中に含有する化合物と他の化合物との混合物で形成して本発明の感光体としてもよい。
【0022】
感光層としては、従来公知のものを使用でき、例えば、Se、As2Se3、a−Si、CdS、ZnO2等の無機物光半導体より成るもの、あるいはPVK−TNFやフタロシアニン顔料、アゾ顔料等の有機材料を用いたもの等が使用可能である。更に、本発明の感光体としては、その特性に注目した場合に、有機材料を用いたものの中でも電荷発生層と電荷輸送層とを積層した構成より成る機能分離型の感光体において、繰り返し電位安定性に優れ、その中でも電荷輸送層を電荷輸送層上に積層し、その上に保護層を積層したものが繰り返し使用時の電位安定性、残留電位の低さ等の電子写真感光体特性に特に優れている。
【0023】
本発明の感光体の表面層を形成するための反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の一方又は両方を分子中に含有する化合物は、該化合物に含有される反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の総数(A)の該化合物の分子量(M)に対する比の値(A/M)が0.0018以上0.0037以下であればよい。アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基とは、下記構造式(1)及び(2)に示されるものである。
【0024】
【化1】
【0025】
前記化合物は、上記構造式(1)及び(2)の一方又は両方の官能基を分子の末端に有し、官能基の分子中の総数(A)が分子量(M)に対して(A/M)が0.0018以上0.0037以下となるものである。化合物分子のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基以外の部分の構造については、特に限定されない。アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基が結合している有機化合物であればよく、例えば、エポキシアクリレート(メタクリレート)、エポキシ化油アクリレート(メタクリレート)、ウレタンアクリレート(メタクリレート)、ポリエステルアクリレート(メタクリレート)、ポリエーテルアクリレート(メタクリレート)等の市販のアクリル(メタクリル)オリゴマー、又はポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、フッ素ポリマー、セルロース、ポリウレタン、シリコーンポリマー、ポリアルキド、塩化ビニルポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の比較的分子量の小さいもの又はオリゴマー及びそれらの一部を変成したもの等の末端に、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の一方又は両方を付加したものや、更に市販のアクリルモノマーのうち1分子中の官能基の総数(A)が、分子量(M)に対する比の値(A/M)が0.0018以上0.0037以下となるものであれば使用可能である。
【0026】
中でも表面層の塗布後の硬化性、表面層の硬度の点から、1分子中のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基含有の総数は3個以上が望ましく、また同様な観点から化合物の分子量(M)は、好ましくは700以上1671以下である。
【0027】
本発明の表面層は、上記反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の一方又は両方を分子中に含有する化合物を適当な溶剤に溶解し、これを塗布液として感光層上に塗布し、乾燥した後、光や熱によって硬化することによって形成する。溶剤は、上記化合物を溶解するものであれば何れのものでもよい。
【0028】
本発明の感光体の表面層の塗工方法は、スプレーコーティング、ビームコーティング、浸漬コーティング等の方法を用いる。また、本発明の表面層には、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加物を添加してもよい。
【0029】
感光体の表面層を、前記塗布液を感光層上に塗布後に硬化する際に光によって硬化させる場合、表面層塗布液には光反応開始剤を添加する。光反応開始剤の反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の一方又は両方を分子中に含有する化合物に対する添加量は、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.5〜30%である。また、硬化させる光としては、例えば、紫外線、X線又は電子線等の活性化学線が挙げられ、光反応開始剤は、このような光によりラジカルを発生するものであれば何れのものでもよい。
【0030】
このように、接触帯電装置を有する電子写真装置において、電子写真感光体の表面層を反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の一方又は両方を分子中に含有する化合物を含む溶液を塗布し、硬化することによって形成された層であり、該化合物に含有される反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の総数(A)の該化合物の分子量(M)に対する比の値(A/M)が0.0018以上0.0037以下のものを用いることによって、広範囲の使用環境においても良好な画像を安定して出力でき、かつ感光体の削れが少なく感光体の耐久寿命を十分に長く確保することができる電子写真装置を構成することが可能になった。
【0031】
本発明の電子写真装置は、電子写真複写機のみならず、レーザープリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、レーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができ、更に本発明の装置は、前記複写機、プリンターに用いるカートリッジ内に用いることもできる。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例に従って本発明を更に詳細に説明する。なお、実施例中の「部」は重量部を示す。
【0033】
(実施例1)
図2は、電子写真装置の実施例の概略構成図である。本例の電子写真装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンターである。
【0034】
1は回転ドラム型の電子写真感光体である。本実施例は、直径30mmの有機物半導体を用いた感光体であり、矢印方向に100mm/secのプロセススピード(周速度)をもって回転駆動される。2は感光体に当接させた接触帯電部材としての回転ローラ(帯電ローラ)であり、市販のキャノン社製のレーザープリンターであるLBP−EXに使用されているものと同様のものを用いた。この回転帯電ローラ2には、帯電バイアス印加電源S1から−700VのDC帯電バイアスに2000Vのピーク間電圧で周波数1500Hzの交流電圧を重畳した振動電圧が印加されていて、回転感光体1の外周面がほぼ−690Vに一様に帯電処理される。
【0035】
この回転感光体1の帯電処理面に対し、レーザーダイオード、ポリゴンミラー等を含む不図示のレーザービームスキャナから出力される目的の画像情報の時系列電気デジタル信号に対応して強度変調されたレーザービームによる走査露光Lがなされ、回転感光体1の周面に対して目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。その静電潜像は、磁性一成分絶縁ネガトナーを用いた反転現像装置3によりトナー画像として反転現像される。
【0036】
3aはマグネットを内包する直径16mmの非磁性現像スリーブであり、この現像スリーブに上記のネガトナーをコートし、感光体1表面との距離を300μmに固定した状態で感光体1と等速で回転させ、スリーブ3aに現像バイアス電源S2より現像バイアスを印加する。電圧は−500VのDC電圧と、周波数1800Hz、ピーク間電圧1600Vの矩形のAC電圧を重畳したものを用い、スリーブ3aと感光体1のジャンピング現像を行わせる。
【0037】
一方、不図示の給紙部から記録材としての転写材Pが給送されて、回転感光体1と、これに所定の押圧力で当接させた接触転写手段としての、中抵抗の転写ローラ4との圧接ニップ部(転写部)Tに所定のタイミングにて導入される。転写ローラ4には、転写バイアス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加される。本実施例では、ローラ抵抗値が5×108Ωの転写ローラ4を用い、+2000VのDC電圧を印加して転写を行った。
【0038】
転写部Tに導入された転写材Pは、この転写部Tを挟持搬送されて、その表面側に回転感光体1の表面に形成保持されているトナー画像が、順次に静電力と押圧力にて転写されていく。トナー画像の転写を受けた転写材Pは、感光体1の面から分離されて熱定着方式等の定着装置5へ導入されてトナー画像の定着を受け、画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。また、転写材Pに対するトナー画像転写後の感光体面は、クリーニング装置6により残留トナー等の付着物の除去を受けて清掃され繰り返して作像に供される。
【0039】
本実施例の電子写真装置は、感光体1、接触帯電部材2、現像装置3、クリーニング装置6の4つのプロセス機器をカートリッジ20に包含させて本体に対して一括して着脱交換自在のカートリッジ方式の装置である。
【0040】
本実施例における電子写真感光体1は、負帯電用の有機光半導体を用いた感光体であり、表面を陽極酸化によって面を粗し、レーザー露光によるモアレの発生を防止したφ30mmのアルミニウム製の支持体上に下記の4層を積層する。
【0041】
第1層は、アルコール可溶製共重合ナイロン樹脂(平均分子量29000)10部、メトキシメチル化6ナイロン樹脂(平均分子量32000)30部をメタノール260部/ブタノール40部の混合溶媒中に溶解した。この調合液を、浸漬塗布し、膜厚が1μmの下引き層を形成した。
【0042】
次に、下記構造式のジスアゾ顔料4部、
【0043】
【化2】
ポリビニルブチラール樹脂(ブチラール化率68%、平均分子量24000)2部及びシクロヘキサノン34部をサンドミル装置にて12時間分散した電荷発生層用分散液を調製し、これを用いて前記下引き層上に浸漬塗布により、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0044】
次に、電荷輸送層として下記構造式で示されるヒドラゾン化合物7部、
【0045】
【化3】
ポリスチレン樹脂10部をモノクロルベンゼン50部に溶解し、この液より浸漬塗布により、膜厚が15μmの電荷輸送層を形成した。
【0046】
このようにして形成した感光層の上に、表面保護層を以下のように形成した。下記構造式のアクリロイルオキシ基含有化合物10部
【0047】
【化4】
光反応開始剤として2−メチルチオキサントン1部をメチルエチルケトン50部に溶解し表面保護層分散液を調製し、この液を用いて浸漬塗布によって感光層上に塗布し、風乾した後、高圧水銀灯にて8mW/cm2の光強度で20秒間光照射し硬化させて、膜厚が1μmの表面層を形成し、電子写真感光体を得た。なお、本化合物のA/Mは0.0027であった。
【0048】
このようにして作成した電子写真感光体を、前記電子写真装置のプリンターで画像出力を行ったところ、どのような環境下においても画像ボケ、流れの発生は見られず、良好な画像を出力することができた。また、連続1万枚の画像出力を行った後も表面層の削れはほとんど見られず、またキズもつかずに良好な画像を出力することができた。
【0049】
(比較例1)
実施例1において、感光体の表面保護層がない、感光層のみで構成される感光体を用いる以外は、全く同様にして画像出力を行った。その結果、5000枚の連続画像出力によって、感光体表面の削れによるカブリが画像上に発生し始めた。
【0050】
(比較例2)
実施例1において、感光体の表面保護層用の塗布液に用いるアクリロイルオキシ基含有化合物として下記の構造式に示されるものを用いた他は、全く同様にして感光体を作成した。この化合物のA/Mは0.0086であった。
【0051】
【化5】
【0052】
この感光体を用いて実施例1と同様に画像出力を行った。その結果、感光体表面にキズ、削れの発生はほとんど見られなかったが、温度32℃/湿度85%の環境下での連続1000枚の画像出力によって感光体表面の帯電による劣化に起因すると思われる表面電気抵抗の低下が起こり、画像のボケ及び流れが発生し始めた。
【0053】
(実施例2〜6及び比較例3、4)
実施例1において、感光体の表面保護層用の塗布液に用いるアクリロイルオキシ基含有化合物として表1に示す構造式のものを用いた他は、全く同様にして実施例2〜6及び比較例3及び4の感光体を作成した。また、化合物のA/Mの値も表1に示した。
【0054】
これらの感光体を、実施例1と同様の電子写真装置を用いて1万枚の画像出力実験を行った。その結果、得られた画像の評価と1万枚画像出力での表面層の削れ量の結果を表2に示す。
【0055】
表2に示すように、実施例2では表面層の削れ、キズが多少あるものの9000枚までは画像ボケや流れは発生せず、実施例3〜6ではいずれの場合も1万枚まで全く問題なく良好な画像が得られた。
【0056】
それに対して、比較例3では分子量に対するアクリロイルオキシ基の総数が3/296=0.01であるアクリルモノマーを用いて表面層を形成したが、削れは小さいものの画像ボケ、流れが発生した。また、比較例4では分子量に対するアクリロイルオキシ基の総数が2/336=0.006であるアクリルモノマーを用いて表面層を形成したが、画像出力における表面層の削れが多く、4000枚程度より黒スジ、カブリ等の画像不良が発生した。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】
本発明では、接触帯電装置を有する電子写真装置において、電子写真感光体の表面層が、反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の一方又は両方を分子中に含有する化合物を含む溶液を塗布し、硬化することによって形成された層であり、該化合物に含有される反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の総数(A)の該化合物の分子量(M)に対する比の値(A/M)が0.0018以上0.0037以下であるものとすることにより、従来では両立できなかった接触帯電による低電力、低オゾン発生で均一な帯電と、十分な感光体の耐久寿命の確保が同時に可能となった。
【0061】
本発明により、広範囲の使用環境においても良好な画像を安定して出力でき、かつ感光体の削れが少なく感光体の耐久寿命を十分に長く確保することができる電子写真装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電装置で導電性ローラを用いたものの概略図である。
【図2】本発明の電子写真装置で転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンターの概略図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 接触帯電部材(帯電ローラ)
3 現像装置
3a 現像スリーブ
4 接触転写手段(転写ローラ)
5 定着装置
6 クリーニング装置
10 導電性支持体
11 感光層
12 表面層
L レーザー光(走査露光光)
P 転写材
Claims (5)
- 電子写真感光体と、該電子写真感光体の表面に接触させた帯電部材としての導電部材に直流成分に放電しきい値電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流成分を重畳した振動電圧を印加することにより該電子写真感光体の表面を帯電させる接触帯電装置とを有する電子写真装置において、
該電子写真感光体の表面層が、反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の一方又は両方を分子中に含有する化合物を含む溶液を塗布し、硬化することによって形成された層であり、
該化合物に含有される反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の総数(A)の該化合物の分子量(M)に対する比の値(A/M)が0.0018以上0.0037以下であり、且つ、
該表面層は導電性粒子を含有しない層であることを特徴とする電子写真装置。 - 前記電子写真感光体が、支持体上に電荷発生層及び電荷輸送層を有する感光層と、該感光層上に表面層として樹脂よりなる保護層とを有する請求項1に記載の電子写真装置。
- 前記化合物の1分子中に含有される反応性のアクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基の総数が3個以上である請求項1又は2に記載の電子写真装置。
- 前記化合物の分子量(M)が700以上1671以下である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真装置。
- 前記溶液が更に光反応開始剤を含有し、かつ、前記表面層が紫外線照射による硬化によって形成された層である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真装置。
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