JP2000178400A - ポリブタジエン系熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

ポリブタジエン系熱硬化性樹脂組成物

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JP2000178400A
JP2000178400A JP10359520A JP35952098A JP2000178400A JP 2000178400 A JP2000178400 A JP 2000178400A JP 10359520 A JP10359520 A JP 10359520A JP 35952098 A JP35952098 A JP 35952098A JP 2000178400 A JP2000178400 A JP 2000178400A
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Japan
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polybutadiene
resin
curing agent
component
resin composition
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JP10359520A
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English (en)
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Akihisa Hasebe
晃久 長谷部
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温領域での速硬化性や保存安定性に優れ、
また、硬化物の電気特性、金属に対する密着力等にも優
れたポリブタジエン系熱硬化性樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 (A)一分子内に平均して1個以上のビ
ニル基を有するポリブタジエン系樹脂100重量部に対
して、(B)一分子内に平均して1個以上のエポキシ基
を有するエポキシ系樹脂1〜50重量部と(C)硬化剤
として1-(2-メタクリロイルオキシエチル)-2-メチ
ルイミダゾール1〜30重量部、及び必要に応じてこれ
らに溶解度パラメーターが7〜12の有機溶剤を配合し
てなるポリブタジエン系熱硬化性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、速硬化性で、硬化
物の耐熱性が高く、耐水性、低誘電率及び低誘電正接等
の電気特性及び金属に対する接着力等に優れた特性を得
ることが出来る各種成形用の熱硬化性樹脂原料や塗料組
成物の原料及び接着剤原料等に好適なポリブタジエン系
熱硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、種々のポリブタジエン系熱硬化性
樹脂(以下単にポリブタジエン系樹脂とする)組成物を
加熱重合することにより、優れた耐熱性、耐水性を始
め、低誘電率及び低誘電正接等の電気特性を得ることが
できる為、電気、電子を始めとした多くの分野で使用さ
れている(例えば、特公昭47−16195,特開昭4
8−37495等)。かかるポリブタジエン系樹脂組成
物を硬化させる場合、通常は主剤ポリブタジエン樹脂と
して分子内に1個以上のビニル基を有するポリブタジエ
ン系樹脂プレポリマーに、硬化剤として有機過酸化物を
加え加熱重合させて硬化させているが、一般に加熱硬化
温度が高く、しかも長時間の加熱硬化を行わなければな
らなかった。
【0003】これらポリブタジエン系樹脂組成物を高温
(180℃程度)短時間で硬化させる場合、硬化発熱は
低温硬化(150℃程度)に比べ大きい。また、一般に
ポリブタジエン系樹脂と有機過酸化物を反応させて生成
した硬化物には、水酸基(OH)が生成しないため硬化
物の耐水性(煮沸吸水率)、誘電率及び誘電正接が低い
という特性がある点では好ましい。しかし、その反面で
分子構造内に極性基である水酸基を持たないため金属と
の接着力が低く外部から力が加わると簡単に剥がれてし
まい、このため、空気中の水分を吸湿してしまう恐れが
ある。又、硬化速度を速めるために有機過酸化物を多量
(10重量部超)配合した場合には、有機過酸化物が分
解反応を起こし、ガスが発生するためプリント基板等を
作製する際にワニスとして用いた場合、銅箔とポリブタ
ジエン系樹脂組成物とが剥離し基板自体が空気中の水分
を吸湿し易いという点で基板等としての品質上問題とな
っていた。
【0004】この結果、金属との接着を必要とする分野
や、耐水性を必要とする電子、電気分野への使用範囲
は、極めて狭いものであった。更に、これらポリブタジ
エン系樹脂組成物には有機過酸化物を多量に添加する必
要があるため、配合組成物の室温(25℃)での保存安
定性(ポットライフ)が極めて悪く、冷蔵庫を用いて低
温(5℃より低温)保管をしなければならなかった。従
って、保存安定性や、電気特性及び、金属に対する接着
力等に優れたポリブタジエン系樹脂組成物の開発が望ま
れていた。
【0005】一方エポキシ系樹脂組成物を単独で硬化さ
せたものは、硬化速度が遅く(ゲルタイムが長い)、作
業性や保存安定性(ポットライフ)が悪い。また、一般
に硬化物は金属との接着力はすぐれているが、誘電率や
誘電正接等が高いだけでなく、固くて脆い等の問題点が
あり、電気、電子部品等の分野には使用出来なかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、かかる現状か
ら本発明はポリブタジエン系樹脂組成物の硬化速度を上
げるために用いられてきた従来の有機過酸化物を多量使
用する事なく、低温・短時間での硬化性や保存安定性に
優れ、更に、硬化物の電気特性、金属に対する接着力等
にも優れた特性が得られるポリブタジエン系樹脂組成物
を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者は鋭意検討した結果、ポリブタジエン系樹
脂にエポキシ系樹脂を配合し特定の硬化剤で硬化させる
本発明に到達した。即ち本発明の請求項1は、(A)一
分子内に平均して1個以上のビニル基を有するポリブタ
ジエン系樹脂100重量部に対して、(B)一分子内に
平均して1個以上のエポキシ基を有するエポキシ系樹脂
1〜50重量部と、(C)硬化剤として1−(2−メタ
クリロイルオキシエチル)−2−メチルイミダゾール1
〜30重量部が配合されてなるポリブタジエン系樹脂組
成物である。
【0008】また、本発明の請求項2は、上記の
(A).(B),(C)からなる請求項1のポリブタジ
エン系樹脂組成物に溶解度パラメーターが7〜12の有
機溶剤(D)を配合してなるポリブタジエン系熱硬化性
樹脂組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明で使用する構成材料
等の要件について説明する。本発明に用いるポリブタジ
エン系樹脂(A)は、基本構造が次の一般式(1) CH2=C(R1)-C(R2)=CH2 (1) (式中、R1,R2は、それぞれ水素原子や,アルキル
基,シクロアルキル基、アリール基,アルアリール基等
の飽和または不飽和の一価の炭化水素基,ハロゲン原子
などの一価の置換基を表す。ここで、R1としては、水
素原子,C1〜C10のアルキル基、ハロゲン原子などが
好ましく、更には水素原子,メチル基,塩素原子が好ま
しい。またR2としては、水素原子,メチル基が好まし
く特に水素原子が好ましい。)で表されるブタジエン類
の中から選ばれた1種または2種以上を、ラジカル重
合、アニオン重合、チーグラー法等の各種重合法によっ
て得られた一分子内に平均して1個以上のビニル基を有
するポリブタジエン系樹脂である。
【0010】これには例えば、1,2-ポリブタジエ
ン、1,4-シス-ポリブタジエン、1,4-トランス-ポ
リブタジエン、ポリイソプレン、ポリ-2-エチル-1,
3-ブタジエン、ポリ-2,3-ジメチル-1,3-ブタジ
エン、ポリ-2-プロピル-1,3-ブタジエン、ポリ-2-
イソプロピル-1,3-ブタジエン、ポリ-2-ブチル-
1,3-ブタジエン、ポリ-2-イソチル-1,3-ブタジ
エン、ポリ-2-ターシャリブチル-1,3-ブタジエン、
ポリ-2-ペンチル-1,3-ブタジエン、ポリ-2-イソヘ
キシル-1,3-ブタジエン、ポリ-2-シクロヘキシル-
1,3-ブタジエン、ポリ-2-n−ヘプチル-1,3ブタ
ジエン、ポリ-2-nデシル-1,3-ブタジエン、ポリ-
2-イソデシル-1,3-ブタジエン、ポリクロロプレ
ン、ポリ-2,3-ジクロロ-1,3-ブタジエン等を骨格
もしくは母体としたポリブタジエンもしくは置換ブタジ
エン重合体;これらポリブタジエンもしくは置換ブタジ
エン重合体を構成する繰り返し構造単位の中から選ばれ
る2種以上の構造単位を持つポリブタジエンもしくはブ
タジエン類共重合体等があげられるが、これらに限定さ
れるものではない。さらに、末端は適宜アクリル等で変
性したものであってもよい。
【0011】これらの中でも、1,2-ポリブタジエン
類または1,4-シス-ポリブタジエン類や1,4-トラ
ンス-ポリブタジエン類重合体を骨格構造とするポリブ
タジエンが好適である。かかるポリブタジエン系樹脂
は、一分子内に平均して1個以上のビニル基を有するも
のであって、好ましくは数平均分子量200ないし20
000以下のプレポリマー(オリゴマージエン系)が望
ましい。数平均分子量200より小では、得られる熱硬
化性樹脂、塗料、接着剤はポリブタジエンとしての特
徴、即ち電気絶縁性、耐熱性、耐水性、耐薬品性等が低
下するからであり、20000超の場合は粘度が著しく
高くなるため作業性が低下し、硬化剤等の均一混合も困
難となりやすい。
【0012】また本発明に用いるエポキシ系樹脂(B)
としては、平均して一分子当たり1個以上のエポキシ基
を有するものである限り特に限定されないが、エポキシ
当量50〜10000のものが好ましい。これには例え
ば、ビスフエノールA型エポキシ系樹脂、ビスフエノー
ルF型エポキシ系樹脂、ビスフエノールAD型エポキシ
系樹脂、ヒダントイン型を有するエポキシ系樹脂、トリ
グリシジルイソシアヌレートエポキシ系樹脂、カテコー
ル、レゾルシノール等の多価フェノール、又は、グリセ
リンやポリエチレングリコール等の多価アルコールとエ
ピクロルヒドリンを反応させて得られるポリグリシジル
エーテル;或いは、p−ヒドロキシカルボン酸とエピク
ロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルエーテル
エステル;或いは、フタル酸、テレフタル酸のようなポ
リカルボン酸とエピクロルヒドリンを反応させて得られ
るポリグリシジルエステル;更には、エポキシ化フェノ
ールノボラック系樹脂、エポキシ化ポリオレフイン、水
溶性エポキシ系樹脂、その他ウレタン変性エポキシ系樹
脂等が挙げられる。
【0013】本発明に用いる硬化剤(C)は、下記構造
式(2)で表される1-(2-メタクロイルオキシエチ
ル)-2-メチルイミダゾールを必須成分とする。
【化1】 なお上記構造式(2)で示されるものは、通常はアクリ
レート系樹脂等のUV(紫外線)硬化剤として市販(例
えば、四国化成工業(株)製)されているものである
が、本発明ではこれをポリブタジエン系樹脂の硬化剤と
し、さらにその発熱反応に伴って結果として上記したエ
ポキシ系樹脂(B)の硬化剤としても好適に作用させる
ようにしたことに特徴を有するものである。
【0014】即ち、かかる構造式(2)からなる化合物
を本発明における硬化剤として適用した場合、加熱によ
って上記したポリブタジエンプレポリマー樹脂(A)の
ビニル基と上記構造式の(2-メタクリロイルオキシエ
チル)の二重結合部とが共重合して架橋体として硬化す
るだけでなく、同時に該共重合による発熱反応に刺激さ
れて上記したエポキシ系樹脂(B)のエポキシ基がイミ
ダゾールの第3位の位置の三級窒素(N)基と分子間架
橋を起こして三次元橋かけ構造体を形成させるものと考
えられる。
【0015】従って、本発明においては、上記構造式か
らなる一種類の硬化剤(C)を配合するだけで、従来の
ようにポリブタジエン系樹脂プレポリマーの硬化剤とし
て使用されてきた有機過酸化物(ベンゾイルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルペルオキシ
ド等)や、エポキシ系樹脂(B)の硬化剤として使用さ
れてきたアミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフイ
ド、三フッカホウ素等を個別に配合する必要が必ずしも
ない。また、有機過酸化物をポリブタジエン系樹脂の硬
化剤として多量に用いると分解ガスの発生が避けられな
いが、上記の硬化剤(C)を用いるとかかる分解ガスの
発生もない。
【0016】本発明の上記した(A),(B),(C)
成分を必須成分とするポリブタジエン系樹脂組成物は、
従来のポリブタジエン系樹脂組成物に比較して短時間に
比較的低温度で熱硬化が可能であり、得られる硬化物は
適度の可撓性を有し、耐衝撃性に優れ、かつ電気特性、
金属に対する接着力等にも優れることから、各種成形用
の熱硬化性樹脂原料や塗料組成物の原料及び接着剤原料
等のポリブタジエン系樹脂組成物として好適である。特
にガラス繊維積層板、注型樹脂、成形樹脂として電気絶
縁材料、建築材料、工業材料として好適である。さら
に、上記した(A),(B),(C)成分に更に(D)
成分として有機溶剤を配合したものは、塗料や接着剤等
として有利に使用することができる。
【0017】以下に、本発明における各成分の配合割合
について説明する。本発明においては、(A)ポリブタ
ジエン系樹脂100重量部に対して、(B)エポキシ系
樹脂は1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部であ
る。ここでエポキシ系樹脂が50重量部超の配合では得
られる硬化物の誘電率や誘電正接が大きくなりすぎ、ま
た、硬化物が固くて脆くなる等の点で好ましくない。
又、1重量部より小では、金属との接着力が低く、外部
から力が加わると簡単に剥がれてしまい、このため、空
気中の水分を吸湿してしまう点で好ましくない。
【0018】また前記した硬化剤(C)の配合量は、上
記(A)ポリブタジエン系樹脂100重量部に対して、
1〜30重量部、好ましくは5〜20重量部である。
該硬化剤(C)をこの範囲以外で使用した場合で、配合
量が少ない場合には上記(A)及び(B)の硬化速度が
極端に遅くなり、硬化不良を起こす。また多い場合で
は、硬化剤(C)の未反応物が残り、得られる硬化物の
耐水性(煮沸吸水率)が低下し、誘電率及び誘電正接等
が低下する。又、極端に多い場合(50重量部以上)に
は、反応を阻害し樹脂成分の未硬化の割合やポットライ
フを短くする。
【0019】ここで、エポキシ系樹脂(B)を併用しな
いでポリブタジエン系樹脂(A)だけを硬化剤(C)で
硬化させた場合には、得られる硬化物は金属との接着力
が低く外部から力が加わると簡単に剥がれてしまいやす
く、空気中の水分を吸湿してしまう恐れがあり、またエ
ポキシ樹脂(B)だけを、硬化剤(C)で硬化させた場
合には、保存安定性(ポットライフ)が悪いだけでな
く、硬化速度が遅く(ゲルタイムが長い)得られる硬化
物は金属との接着力は高いが、誘電率及び誘電正接が高
いため優れた電気特性を得ることはできないので、予め
(A)(B)成分を均一に混合したのち(C)成分を添
加するのが好ましい。
【0020】本発明で塗料や接着剤等として有利に使用
する場合は、有機溶剤(D)を配合する。ここで有機溶
剤(D)としては、溶解度パラメーター(δ)の範囲
が、7〜12である限り公知の有機溶剤が使用できる。
溶解度パラメーターが7〜12の範囲外の有機溶剤を用
いた場合、ポリブタジエン系樹脂(A)、エポキシ系樹
脂(B)及び、上記硬化剤(C)に対する溶解度が低
く、得られる硬化物の均一性が損なわれる。(D)成分
としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(D
MF)、N−メチル−2−ピロリドン(δ=9.6)、
又は、メチルエチルケトン(MEK)(δ=9.3)等
が挙げられる。この(D)成分の添加量は、得られる溶
剤の粘度や経済性の観点からポリブタジエン系樹脂
(A)とエポキシ系樹脂(B)の合計100重量部に対
して、5〜800重量部、好ましくは10〜500重量
部の範囲である。有機溶剤(D)の添加量が少なすぎる
場合には、例えばガラスクロスに対する含浸性が悪くな
り、作業性の低下を招きやすい。他方、配合量が極端に
多い場合にはコストアップになり好ましくない。
【0021】本発明のポリブタジエン系樹脂組成物に
は、必要に応じて希釈剤、可撓性付与剤、シラン系カッ
プリング剤、消泡剤、レベリング剤、充填剤、顔料、染
料等の各種添加剤を任意に加える事が出来る。なお、本
発明の組成物を調整する際、第一成分であるポリブタジ
エン系樹脂(A)と、第二成分であるエポキシ系樹脂
(B)及び第三成分の硬化剤(C)である1-(2-メタ
クロイルオキシエチル)-2-メチルイミダゾールやその
他の添加剤を添加し十分混合した状態で行うのがよく、
例えば各種成形品製造用の成形キャビテイまたはダイス
内に充填して所定温度、例えば150℃に加熱すること
によって硬化させることができる。この成形品として
は、例えばコンデンサ、トランジスタ、ソケット、プリ
ント基板、マイクロウエーブ部品などの各種電気部品、
配管用FRPパイプ、反応槽その他の工業材料部品等が
あげられる。接着剤としての使用例は、例えば半導体用
の封止剤、磁器ヘッド及びリレースイッチ用の接着剤又
は封止剤、テニスラケットのフレーム、ゴルフクラブの
シャフト等に使用できる。半導体用の封止剤として用い
る場合は、金型を100℃以上に予め暖めておき、封止
剤を封入後、トランスファー成形により製造を行うこと
ができる。
【0022】また本発明における塗料や接着剤等として
有利に使用する場合は(A)、(B)成分と硬化剤
(C)とを所定量づつ配合して十分混合した後で、最後
に有機溶剤(D)やその他の添加剤を添加し十分混練し
た組成物とすることが望ましい。かかる組成物を、塗布
又は接着に際しては工業的には100℃以上乃至160
℃の範囲内で加熱硬化することによっても容易に接着し
た硬化膜が得られるが、この温度については適宜実験的
に定めればよい。例えば電気絶縁用厚地ガラスクロス等
に均一に浸して塗り室温にて風乾させ、銅箔などを積層
した状態でプレス機(温度;200℃,圧力;0.1〜
200 Kgf/cm2)を用いて所定時間加熱硬化させること
で、銅箔などが強固に密着した塗膜性能の優れた硬化体
を得ることができる。その他の好ましい用途としては、
例えば接着剤、インク、プリント基板(PCB)、ワニ
ス等が挙げられる。
【0023】
【実施例】次に具体的に実施例を挙げるが、本発明はこ
の実施例の記載に限定されるものではない。
【0024】実施例1〜4 (A)成分として、ポリブタジエン樹脂{数平均分子量
=2600~3400 のポリブタジエンホモポリマー(日本曹達
製、商品名:B−3000)}の100重量部に対し
て、(B)成分のエポキシ樹脂としてビスフェノールA
型エポキシ樹脂{エポキシ当量=190(油化シェルエポ
キシ樹脂(株)製、商品名:エピコート828)}と、
(C)成分の硬化剤として、1−(2−メタクリロイル
オキシエチル)−2−メチルイミダゾールとを表1のよ
うに4種類の組み合わせ配合率に変えて、先ず(A)成
分と(B)成分とをそれぞれ乳鉢に計量し均一に撹拌し
た。次のこの撹拌物に(C)成分を添加して均一混合
し、この均一混合した配合物を500mlのガラス製ビ
ーカーに移し、パラフインフイルムを用いて容器をシー
ルした後、ライカイ式撹拌機を用いて20分間混練し均
一混合組成物を得た。
【0025】得られた各組成物は100℃以上の温度で
加熱硬化が可能であり、また、150℃以上では、急速
に硬化し得るものであった。各組成物の150℃に於け
る硬化性(ゲルタイム)、粘度、及び、25℃に於ける
保存安定性(ポットライフ)を調べた。結果を表1に示
した。但し、 ・ゲルタイム(sec):JISC-2104(測定温度;150℃,但
し、熱板法) ・粘度(mPa・sec) :JIS K-6838(測定温度;25℃) ・ポットライフ(day) :JIS K-6838(測定温度;25℃,
但し、初期粘度の2倍値到達時間を終点とした)
【0026】次に各組成物を電気絶縁用厚地ガラスクロ
ス(旭シェーベル(株)製、品番:7628,厚さ0.
18mm)を6枚重ねた両面に均一に注型したものを、
銅箔{(株)ジャパンエナジー社製、品番;JTC,1
2μm)で更にサンドイッチにした後、プレス機(温
度;150℃,圧力;0.13Kgf/cm2)を用い
て、4時間加熱硬化して厚さ3mmの成形物を得た。得
られた成形物を所定の寸法に切り出し、銅箔に対する密
着力、硬化樹脂の塗膜性能等を調べた。その結果を表1
に示す。なお、銅箔に対する密着力以外は、銅箔を塩化
第一銅と塩酸によるエッチング除去して試験片とした。
また各評価試験方法は、次に示す試験規格および条件に
より行った。
【0027】・ガラス転移温度:ASTM D696 但しTMA法
(120℃以上が合格) ・煮沸吸水率 :JIS K-7209 (0.3%以上を合格) ・曲げ強さ :JIS K-7203 測定温度25℃ ・誘電率:JIS K-6911 測定温度25℃ 周波数 1GHz(3以
下が合格) ・誘電正接:JIS K-6911 測定温度25℃ 周波数 1GHz(1
% 以下が合格) ・銅箔に対する密着力:JIS C-6481 測定温度25℃(20
N/mm2以上が合格) ・硬化収縮率 ;JIS K-7112(但し水中置換法)測定温度
25℃(3% 以下が合格) ・硬化時のガス発生:ガスマス法 但し測定温度は150℃
【0028】比較例1〜4 上記の実施例において、(B)成分が少なすぎるもの
(比較例1)、多すぎるもの(比較的2)、(C)成分
が多すぎるもの(比較例3)、(C)成分が少なすぎる
もの(比較例4)とした他は実施例と同様にして得た試
験片の物性を表1に併せて示す。
【0029】
【表1】
【0030】実施例5〜8、比較例5〜8 上記の実施例1〜4、比較例1〜4の各配合物に(D)
成分の有機溶剤としてMEK(δ=9.3)を500重
量部(25℃)、それぞれ加えた他は同様にして各種物
性値を測定した結果、粘度が大幅に低下した以外は
(D)成分を添加しなかった場合と全く同じ物性値が得
られた。このことから(D)成分の有機溶剤を添加する
ことで物性値に悪影響することなく粘度が大幅に低下し
て流動性のよい塗料や接着剤等として有利に使用可能な
ことが確認された。この場合の粘度値を含む結果を表1
に併せて示す。
【0031】実施例9〜15 (A)成分として、実施例1で使用したと同じポリブタ
ジエン樹脂(B−3000)}と、1,2−ポリブタジ
エン系樹脂{数平均分子量=2000 の末端アクリル変性
したポリブタジエン誘導体(日本曹達製、商品名:TE
−2000)}のいずれかを選定し、(B)成分のエポ
キシ系樹脂として実施例1で使用したと同じビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(エポコート828)}と、ビス
フェノールS型エポキシ樹脂{エポキシ当量=310(大
日本インキ化学工業(株)製、商品名:エピクロンEX
A−1514)}、及び、多官能型エポキシ樹脂{エポ
キシ当量=163(旭チバ(株)製、商品名:TACTI
X742)}のいずれかを選定し、(C)成分と(D)
成分は実施例1で使用したと同じ硬化剤、有機溶剤を選
定して表2のように7種類の組み合わせ配合比率に変え
た他は実施例1〜4と同様にして7種類の組成物を得
た。
【0032】得られた各組成物は風乾後は100℃以上
の温度で加熱硬化が可能であり、また、150℃以上で
は、急速に硬化し得るものであった。各組成物について
実施例1〜4と同一条件で硬化性(ゲルタイム)、粘度
及び保存安定性(ポットライフ)等を調べた結果を表2
にまとめて示した。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明に係るポリブタジエン系樹脂組成
物は、低温領域での速硬化性や保存安定性に優れてお
り、また、硬化後の硬化物塗膜は、電気特性、金属に対
する密着力にも優れているので、塗料・接着剤や、寸法
安定性を必要とする電気、電子部品、プリント配線板、
電気絶縁材料等の今まで使用出来なかった各種分野に使
用が可能となり、このため実施上での効果は極めて大き
い。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月7日(1999.1.7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】実施例9〜15 (A)成分として、実施例1で使用したと同じポリブタ
ジエン樹脂(B−3000)}と、1,2−ポリブタジ
エン系樹脂{数平均分子量=2000 の末端アクリル変性
したポリブタジエン誘導体(日本曹達製、商品名:TE
−2000)}のいずれかを選定し、(B)成分のエポ
キシ系樹脂として実施例1で使用したと同じビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(エピコート828)}と、ビス
フェノールS型エポキシ樹脂{エポキシ当量=310(大
日本インキ化学工業(株)製、商品名:エピクロンEX
A−1514)}、及び、多官能型エポキシ樹脂{エポ
キシ当量=163(旭チバ(株)製、商品名:TACTI
X742)}のいずれかを選定し、(C)成分と(D)
成分は実施例1で使用したと同じ硬化剤、有機溶剤を選
定して表2のように7種類の組み合わせ配合比率に変え
た他は実施例1〜4と同様にして7種類の組成物を得
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63:00) Fターム(参考) 4J002 AC021 AC031 AC041 AC051 AC071 BB202 BL001 CD052 CD062 CD072 CD102 CD142 CK052 EE037 EP017 EU027 EU116 FD146 FD207 GH01 GJ01 4J036 AB02 AB09 AC01 AC05 AD08 AF01 AF06 AG01 AG07 AJ18 AK06 DA02 DC41 FB05 JA06 JA08 4J100 AS02P AS03P AS06P AS07P BB01P BC04P CA01 CA04 CA31 HA53 HC63

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)一分子内に平均して1個以上のビ
    ニル基を有するポリブタジエン系樹脂100重量部に対
    して、(B)一分子内に平均して1個以上のエポキシ基
    を有するエポキシ系樹脂1〜50重量部と(C)硬化剤
    として1-(2-メタクリロイルオキシエチル)-2-メチ
    ルイミダゾール1〜30重量部が配合されてなるポリブ
    タジエン系熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリブタジエン系樹脂組
    成物に溶解度パラメーターが7〜12の有機溶剤を配合
    してなるポリブタジエン系熱硬化性樹脂組成物。
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