JP2000178361A - 着色樹脂マスターバッチ - Google Patents

着色樹脂マスターバッチ

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JP2000178361A
JP2000178361A JP10355202A JP35520298A JP2000178361A JP 2000178361 A JP2000178361 A JP 2000178361A JP 10355202 A JP10355202 A JP 10355202A JP 35520298 A JP35520298 A JP 35520298A JP 2000178361 A JP2000178361 A JP 2000178361A
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耕太郎 大島
Mitsuo Noda
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Abstract

(57)【要約】 【課題】希釈樹脂と混合して着色ポリオレフィンフィル
ムの製造に用いたとき、メヤニの発生がなく、安定して
高品質のフィルムを製造することができる着色樹脂マス
ターバッチを提供する。 【解決手段】厚さ5〜200μmのポリオレフィンフィ
ルム着色用のマスターバッチであって、着色フィルム製
造用の希釈樹脂と同一品質のポリオレフィン樹脂を用い
てなることを特徴とする着色樹脂マスターバッチ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、着色樹脂マスター
バッチに関する。さらに詳しくは、本発明は、着色ポリ
オレフィンフィルムの製造に用いて、メヤニの発生がな
く、高品質のフィルムを得ることができる着色樹脂マス
ターバッチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、着色樹脂マスターバッチと希
釈樹脂を混合して、ポリオレフィンフィルムを成形する
と、インフレーション法においても、T−ダイ法におい
ても、ダイスにメヤニが発生し、得られるフィルムの品
質が低下するという問題があった。特に、着色用顔料と
してフタロシアニンブルーやフタロシアニングリーンを
用いると多量のメヤニが発生し、長時間にわたって、安
定して高品質のフィルムを製造することが困難になると
いう問題が生じていた。このために、希釈樹脂と混合し
てフィルムを成形しても、ダイスにメヤニが発生するこ
とがなく、安定して高品質の着色ポリオレフィンフィル
ムを製造することができる着色樹脂マスターバッチが求
められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、希釈樹脂と
混合して着色ポリオレフィンフィルムの製造に用いたと
き、メヤニの発生がなく、安定して高品質のフィルムを
製造することができる着色樹脂マスターバッチを提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、着色フィルム製
造用の希釈樹脂と同一品質のポリオレフィン樹脂を用い
て製造した着色樹脂マスターバッチを使用することによ
り、メヤニの発生を効果的に防止し得ることを見いだ
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、(1)厚さ5〜200μmのポリオ
レフィンフィルム着色用のマスターバッチであって、着
色フィルム製造用の希釈樹脂と同一品質のポリオレフィ
ン樹脂を用いてなることを特徴とする着色樹脂マスター
バッチ、(2)ポリオレフィン樹脂30〜99.95重
量%、顔料0.01〜60重量%、ポリエチレンワック
ス0.01〜60重量%、金属石鹸0.01〜5重量%及
びフェノール系酸化防止剤0.01〜3重量%を含有す
る第(1)項記載の着色樹脂マスターバッチ、(3)ポリ
オレフィン樹脂が、重量平均分子量20,000以上の
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブデン又はエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体である第(2)項記載の着色樹脂
マスターバッチ、(4)顔料が、フタロシアニンブルー
及び/又はフタロシアニングリーンである第(2)項記載
の着色樹脂マスターバッチ、(5)ポリエチレンワック
スが、数平均分子量300〜8,000の低分子量ポリ
エチレンである第(2)項記載の着色樹脂マスターバッ
チ、(6)金属石鹸が、炭素数8〜20の脂肪酸のマグ
ネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、鉄、コバ
ルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、アルミニウム又はタリ
ウム塩である第(2)項記載の着色樹脂マスターバッチ、
及び、(7)フェノール系酸化防止剤が、2,4−ビス
(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペン
タエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタ
デシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、N,N'−ヘキサメチレンビ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシン
ナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン又はトリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)イソシアヌレイトである第(2)項記載の
着色樹脂マスターバッチ、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の着色樹脂マスターバッチ
は、厚さ5〜200μmのポリオレフィンフィルム着色
用のマスターバッチであって、着色フィルム製造用の希
釈樹脂と同一品質のポリオレフィン樹脂を用いてなるも
のである。本発明の着色樹脂マスターバッチは、ポリオ
レフィン樹脂30〜99.95重量%、顔料0.01〜6
0重量%、ポリエチレンワックス0.01〜60重量
%、金属石鹸0.01〜5重量%及びフェノール系酸化
防止剤0.01〜3重量%を含有するものであることが
好ましい。本発明の着色樹脂マスターバッチに用いるポ
リオレフィン樹脂に特に制限はなく、例えば、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−ブテン共重合体などを挙げることができる。これら
の中で、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン及
びエチレン−酢酸ビニル共重合体を特に好適に使用する
ことができる。本発明に使用するポリオレフィン樹脂
は、重量平均分子量が20,000以上であり、密度が
0.880〜0.980g/cm3であり、JIS K 72
10にしたがって測定したメルトフローレートが0.0
1〜15.0g/10分であることが好ましい。
【0006】本発明の着色樹脂マスターバッチの製造に
おいては、着色フィルムの製造に用いる希釈樹脂と同一
品質のポリオレフィン樹脂を用いる。同一品質のポリオ
レフィン樹脂とは、希釈樹脂と同じ種類の樹脂であり、
分子内構造、密度、分子量及び分子量分布が同一である
樹脂である。着色樹脂マスターバッチの製造において、
使用するポリオレフィン樹脂の分子内構造、密度、分子
量及び分子量分布を調査することにより、使用すべき樹
脂を選定することもできるが、希釈樹脂と同一メーカー
の同一グレードの樹脂を用いることにより、容易かつ確
実に同一品質のポリオレフィン樹脂を選定することがで
きる。従来より、着色樹脂マスターバッチを製造するた
めのベース樹脂と、着色フィルムを成形する際の希釈樹
脂は、資材管理の問題があるために、多くの場合、異な
ったグレードの樹脂が使用されていた。しかし、着色樹
脂マスターバッチのベース樹脂と、フィルム成形用の稀
釈樹脂に異なった品質の樹脂を使用すると、フィルム成
形時のメヤニの発生が非常に多かった。本発明の着色樹
脂マスターバッチは、ベース樹脂としてフィルム製造用
の希釈樹脂と同一品質のポリオレフィン樹脂を用いるの
で、希釈樹脂と混合して着色ポリオレフィンフィルムを
製造しても、ダイスにメヤニが発生するおそれがない。
【0007】本発明の着色樹脂マスターバッチにおい
て、ポリオレフィン樹脂の含有量は30〜99.95重
量%であることが好ましく、50〜95重量%であるこ
とがより好ましい。ポリオレフィン樹脂の含有量が30
重量%未満であると、着色樹脂マスターバッチの安定し
た製造が困難となるおそれがある。ポリオレフィン樹脂
の含有量が99.95重量%を超えると、着色フィルム
の製造に必要な着色樹脂マスターバッチの量が多くな
り、経済的に不利となるおそれがある。本発明の着色樹
脂マスターバッチは、厚さ5〜200μmの着色ポリオ
レフィンフィルムの製造に適用される。ポリオレフィン
フィルム製造時のメヤニの発生による障害は、フィルム
が薄いほど強く現れるので、本発明の着色樹脂マスター
バッチは、厚さ150μm以下のフィルムに好適に適用
することができ、厚さ100μm以下のフィルムに特に
好適に適用することができる。
【0008】本発明の着色樹脂マスターバッチに用いる
顔料に特に制限はなく、例えば、アゾ系顔料、フタロシ
アニン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔
料、ペリレン系顔料、イソインドリノン系顔料などの有
機顔料や、酸化チタン、ベンガラ、丹、カーボンブラッ
ク、群青、コバルトブルーなどの無機顔料を挙げること
ができる。これらの顔料は、1種を単独で用いることが
でき、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることも
できる。フィルム成形時のメヤニは、フタロシアニンブ
ルー又はフタロシアニングリーンを用いて着色する場合
に顕著に発生しやすいので、本発明の着色樹脂マスター
バッチは、顔料としてフタロシアニンブルー及び/又は
フタロシアニングリーンを用いるときに、特に好適に適
用することができる。本発明の着色樹脂マスターバッチ
において、顔料の含有量は0.01〜60重量%である
ことが好ましく、5〜25重量%であることがより好ま
しい。顔料の含有量が0.01重量%未満であると、着
色フィルムの製造に必要な着色樹脂マスターバッチの量
が多くなり、経済的に不利となるおそれがある。顔料の
含有量が60重量%を超えると、着色樹脂マスターバッ
チの安定した製造が困難となるおそれがある。
【0009】本発明の着色樹脂マスターバッチに用いる
ポリエチレンワックスに特に制限はないが、数平均分子
量が300〜8,000であることが好ましく、数平均
分子量が1,000〜5,000であることがより好まし
い。ポリエチレンワックスとしては、低分子量ポリエチ
レン及びその誘導体を使用することができる。ポリエチ
レンワックスの分子量が300未満であると、顔料の分
散性には優れているものの、加工性に劣るおそれがあ
る。ポリエチレンワックスの分子量が8,000を超え
ると、加工性が低下するおそれがある。本発明の着色樹
脂マスターバッチにおいて、ポリエチレンワックスの含
有量は0.01〜60重量%であることが好ましく、2
〜20重量%であることがより好ましい。ポリエチレン
ワックスの含有量が0.01重量%未満であると、顔料
の分散性が不良となるおそれがある。ポリエチレンワッ
クスの含有量が60重量%を超えると、着色樹脂マスタ
ーバッチの安定した製造が困難となるおそれがある。
【0010】本発明の着色樹脂マスターバッチに用いる
金属石鹸には特に制限はないが、炭素数8〜20の脂肪
酸のマグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、
鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、アルミニウム
及びタリウム塩を好適に用いることができる。本発明の
着色樹脂マスターバッチにおいて、金属石鹸の含有量は
0.01〜5重量%であることが好ましく、0.1〜3重
量%であることがより好ましい。金属石鹸の含有量が
0.01重量%未満であると、メヤニ防止効果がなくな
るおそれがある。金属石鹸の含有量が5重量%を超え添
加しても、さらなる物性の向上はない。
【0011】本発明の着色樹脂マスターバッチに用いる
フェノール系酸化防止剤に特に制限はないが、2,4−
ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5
−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、
ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オ
クタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、N,N'−ヘキサメチレ
ンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ
シンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−ト
リス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン及びトリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトを好適に用いる
ことができる。本発明の着色樹脂マスターバッチにおい
て、フェノール系酸化防止剤の含有量は0.01〜3重
量%であることが好ましく、0.05〜2重量%である
ことがより好ましい。フェノール系酸化防止剤の含有量
が0.01重量%未満であると、マスターバッチの混練
造粒工程において、マスターバッチが劣化するおそれが
ある。フェノール系酸化防止剤の含有量は、通常は3重
量%以下で充分に劣化を防止することができ、3重量%
を超える添加は経済的に不利となるおそれがある。
【0012】本発明の着色樹脂マスターバッチには、必
要に応じて他の添加剤を含有させることができる。他の
添加剤としては、例えば、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、リン系酸化防止剤などを挙げることが
できる。本発明の着色樹脂マスターバッチの製造方法に
特に制限はなく、各成分を公知の混練造粒方法を用いて
ペレット化することにより着色樹脂マスターバッチを得
ることができる。例えば、顔料とポリエチレンワックス
とを60〜170℃の加熱下に、ヘンシェルミキサー、
三本ロール、二本ロール、押出機、その他の混練機を用
いて混練し、次いで、得られた混練物をポリオレフィン
樹脂、金属石鹸、フェノール系酸化防止剤とともに押出
機などを用いて溶融、混練し、ストランド状に押し出
し、ペレット化することにより、着色樹脂マスターバッ
チを得ることができる。
【0013】本発明の着色樹脂マスターバッチは、着色
樹脂マスターバッチの製造に用いたものと同一品質のポ
リオレフィン樹脂と混合し、インフレーション装置、T
−ダイ装置などを用い、シリンダー及びダイス温度12
0〜360℃で成形することにより、着色ポリオレフィ
ンフィルムとされる。このようにして、ポリオレフィン
樹脂は、成形加工と同時に着色される。着色ポリオレフ
ィンフィルム中の顔料の含有量に特に制限はなく、着色
フィルムの使用目的に応じて適宜選定することができる
が、通常は着色ポリオレフィンフィルム中の顔料の含有
量は0.05〜5重量%であることが好ましく、0.1〜
2重量%であることがより好ましい。また、着色ポリオ
レフィンフィルム中のポリエチレンワックスの含有量
は、0.05〜5重量%であることが好ましく、0.1〜
2重量%であることがより好ましい。本発明の着色樹脂
マスターバッチを用いることにより、着色ポリオレフィ
ンフィルムの成形時に、ダイスにおけるメヤニの発生を
効果的に防止して、高品質の着色フィルムを安定して製
造することができる。
【0014】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 フタロシアニンブルー[大日精化工業(株)製、クロモフ
ァインブルー4920]100重量部及びポリエチレン
ワックス[三洋化成(株)製、サンワックス151P、平
均分子量2,000、比重0.93]120重量部を、直
径5インチの三本ロールを用いて、60〜120℃に加
熱しながら混練した。得られた混練物20重量部、低密
度ポリエチレン[日本ポリオレフィン(株)製、J−RE
X JF536A]100重量部、フェノール系酸化防
止剤[チバガイギー(株)製、イルガノックス1076]
0.3重量部及び亜鉛石鹸[日本油脂(株)製、ジンクス
テアレートS]0.5重量部を、容量10リットルのヘ
ンシェルミキサーを用いて充分に混合したのち、スクリ
ュー径30mmの押出機を用い、140〜170℃で混練
造粒し、3×3mmの大きさの円柱状ペレットの着色樹脂
マスターバッチを得た。この着色樹脂マスターバッチ5
重量部を、該着色樹脂マスターバッチの製造に用いたも
のと同一の低密度ポリエチレン[日本ポリオレフィン
(株)製、J−REX JF536A]100重量部と混
合し、スクリュー径30mmのインフレーション装置を用
いて、シリンダー及びダイス温度140〜180℃でフ
ィルム成形加工と同時に着色し、厚さ50μmのフィル
ムを製造した。フィルム成形時に、インフレーションダ
イス部分にメヤニの発生は認められなかった。 実施例2 フタロシアニンブルー[大日精化工業(株)製、クロモフ
ァインブルーZCN−910]100重量部及びポリエ
チレンワックス[三井化学(株)製、ハイワックス420
P、平均分子量4,000、比重0.93]100重量部
を、直径5インチの三本ロールを用い、60〜120℃
に加熱しながら混練した。得られた混練物10重量部、
低密度ポリエチレン[日本ポリオレフィン(株)製、J−
REX JF630S]100重量部、フェノール系酸
化防止剤[チバガイギー(株)製、イルガノックス101
0]0.5重量部及びアルミニウム石鹸[日本油脂(株)
製、アルミニウムステアレート#300]0.5重量部
を、容量10リットルのヘンシェルミキサーを用いて充
分に混合したのち、スクリュー径30mmの押出機を用
い、140〜170℃で混練造粒し、3×3mmの大きさ
の円柱状ペレットの着色樹脂マスターバッチを得た。こ
の着色樹脂マスターバッチ3重量部を、該着色樹脂マス
ターバッチの製造に用いたものと同一の低密度ポリエチ
レン[日本ポリオレフィン(株)製、J−REX JF6
30S]100重量部と混合し、スクリュー径30mmの
インフレーション装置を用いて、シリンダー及びダイス
温度140〜180℃でフィルム成形加工と同時に着色
し、厚さ100μmのフィルムを製造した。フィルム成
形時に、インフレーションダイス部分にメヤニの発生は
認められなかった。
【0015】実施例3 フタロシアニンブルー[大日精化工業(株)製、クロモフ
ァインブルー4920]100重量部、酸化チタン[石
原産業(株)製、R820]10重量部、キナクリドンA
[チバガイギー(株)製、シンカシャレッドY RT75
9D]0.2重量部、カーボンブラック[三菱化学(株)
製、三菱#44B]0.1重量部ポリエチレンワックス
[三井化学(株)製、ハイワックスNL200、平均分子
量2,800、比重0.92]125.3重量部を、直径
5インチの三本ロールを用い、60〜120℃に加熱し
ながら混練した。得られた混練物10重量部、低密度ポ
リエチレン[日本ポリオレフィン(株)製、J−REX
JF630S]100重量部、フェノール系酸化防止剤
[チバガイギー(株)製、イルガノックス1010]0.
3重量部及びカルシウム石鹸[日本油脂(株)製、カルシ
ウムステアレートC]0.5重量部を、容量10リット
ルのヘンシェルミキサーを用いて充分に混合したのち、
スクリュー径30mmの押出機を用い、140〜170℃
で混練造粒し、3×3mmの大きさの円柱状ペレットの着
色樹脂マスターバッチを得た。この着色樹脂マスターバ
ッチ10重量部を、該着色樹脂マスターバッチの製造に
用いたものと同一の低密度ポリエチレン[日本ポリオレ
フィン(株)製、J−REX JF630S]100重量
部と混合し、スクリュー径30mmのT−ダイ装置を用
い、シリンダー及びダイス温度300〜360℃で成形
加工と同時に着色し、厚さ70μmのフィルムを製造し
た。フィルム成形時に、T−ダイのダイス部分にメヤニ
の発生は認められなかった。 実施例4 フタロシアニンブルー[大日精化工業(株)製、クロモフ
ァインブルー4920]100重量部及びポリエチレン
ワックス[三井化学(株)製、ハイワックス420P、平
均分子量4,000、比重0.93]100重量部を、直
径5インチの三本ロールを用い、60〜120℃に加熱
しながら混練した。得られた混練物30重量部、低密度
ポリエチレン[日本ポリオレフィン(株)製、J−REX
JF536A]100重量部、フェノール系酸化防止
剤[チバガイギー(株)製、イルガノックス1010]
0.3重量部及びマグネシウム石鹸[日本油脂(株)製、
マグネシウムステアレート]0.5重量部を、容量10
リットルのヘンシェルミキサーを用いて充分に混合した
のち、スクリュー径30mmの押出機を用い、140〜1
70℃で混練造粒し、3×3mmの大きさの円柱状ペレッ
トの着色樹脂マスターバッチを得た。この着色樹脂マス
ターバッチ5重量部を、該着色樹脂マスターバッチの製
造に用いたものと同一の低密度ポリエチレン[日本ポリ
オレフィン(株)製、J−REX JF536A]100
重量部と混合し、スクリュー径30mmのインフレーショ
ン装置を用い、シリンダー及びダイス温度160〜19
0℃で成形加工と同時に着色し、厚さ70μmのフィル
ムを製造した。フィルム成形時に、インフレーションダ
イス部分にメヤニの発生は認められなかった。
【0016】実施例5 フタロシアニングリーン[大日精化工業(株)製、クロモ
ファイングリーン2GO]100重量部及びポリエチレ
ンワックス[三洋化成(株)製、サンワックス151P、
平均分子量2,000、比重0.93]80重量部を、直
径5インチの三本ロールを用い、60〜120℃に加熱
しながら混練した。得られた混練物20重量部、低密度
ポリエチレン[日本ポリオレフィン(株)製、J−REX
JF630S]100重量部、フェノール系酸化防止
剤[チバガイギー(株)製、イルガノックス1076]
0.3重量部及びマグネシウム石鹸[日本油脂(株)製、
マグネシウムステアレートG]0.5重量部を、容量1
0リットルのヘンシェルミキサーを用いて充分に混合し
たのち、スクリュー径30mmの押出機を用い、140〜
170℃で混練造粒し、3×3mmの大きさの円柱状ペレ
ットの着色樹脂マスターバッチを得た。この着色樹脂マ
スターバッチ5重量部を、該着色樹脂マスターバッチの
製造に用いたものと同一の低密度ポリエチレン[日本ポ
リオレフィン(株)製、J−REX JF630S]10
0重量部と混合し、スクリュー径30mmのインフレーシ
ョン装置を用い、シリンダー及びダイス温度160〜1
90℃で成形加工と同時に着色し、厚さ50μmのフィ
ルムを製造した。フィルム成形時に、インフレーション
ダイス部分にメヤニの発生は認められなかった。 実施例6 フタロシアニンブルー[大日精化工業(株)製、クロモフ
ァインブルー4920]100重量部、フタロシアニン
グリーン[大日精化工業(株)製、クロモファイングリー
ン2GO]5重量部及びポリエチレンワックス[三洋化
成(株)製、サンワックス151P、平均分子量2,00
0、比重0.93]105重量部を、直径5インチの三
本ロールを用い、60〜120℃に加熱しながら混練し
た。得られた混練物40重量部、低密度ポリエチレン
[住友化学(株)製、スミカセンF213P]100重量
部、フェノール系酸化防止剤[チバガイギー(株)製、イ
ルガノックス1076]0.3重量部及び亜鉛石鹸[日
本油脂(株)製、ジンクステアレートG]0.5重量部
を、容量10リットルのヘンシェルミキサーを用いて充
分に混合したのち、スクリュー径30mmの押出機を用
い、140〜170℃で混練造粒し、3×3mmの大きさ
の円柱状ペレットの着色樹脂マスターバッチを得た。こ
の着色樹脂マスターバッチ3重量部を、該着色樹脂マス
ターバッチの製造に用いたものと同一の低密度ポリエチ
レン[住友化学(株)製、スミカセンF213P]100
重量部と混合し、スクリュー径30mmのインフレーショ
ン装置を用い、シリンダー及びダイス温度160〜19
0℃で成形加工と同時に着色し、厚さ20μmのフィル
ムを製造した。フィルム成形時に、インフレーションダ
イス部分にメヤニの発生は認められなかった。
【0017】比較例1 フタロシアニンブルー[大日精化工業(株)製、クロモフ
ァインブルー4920]100重量部及びポリエチレン
ワックス[三洋化成(株)製、サンワックス151P、平
均分子量2,000、比重0.93]120重量部を、直
径5インチの三本ロールを用いて、60〜120℃に加
熱しながら混練した。得られた混練物20重量部、低密
度ポリエチレン[日本ポリケム(株)製、ノバテックLC
520]100重量部、フェノール系酸化防止剤[チバ
ガイギー(株)製、イルガノックス1076]0.3重量
部及びカルシウム石鹸[日本油脂(株)製、カルシウムス
テアレートG]0.5重量部を、容量10リットルのヘ
ンシェルミキサーを用いて充分に混合したのち、スクリ
ュー径30mmの押出機を用い、140〜170℃で混練
造粒し、3×3mmの大きさの円柱状ペレットの着色樹脂
マスターバッチを得た。この着色樹脂マスターバッチ5
重量部を、該着色樹脂マスターバッチの製造に用いたも
のとは異なる品質の低密度ポリエチレン[日本ポリオレ
フィン(株)製、J−REX JF536A]100重量
部と混合し、スクリュー径30mmのインフレーション装
置を用いて、シリンダー及びダイス温度140〜180
℃でフィルム成形加工と同時に着色し、厚さ50μmの
フィルムを製造した。フィルム成形時に、インフレーシ
ョンダイス部分にメヤニが多量に発生した。 比較例2 フタロシアニンブルー[大日精化工業(株)製、クロモフ
ァインブルーZCN−910]100重量部及びポリエ
チレンワックス[三井化学(株)製、ハイワックス420
P、平均分子量4,000、比重0.93]100重量部
を、直径5インチの三本ロールを用い、60〜120℃
に加熱しながら混練した。得られた混練物20重量部、
低密度ポリエチレン[住友化学(株)製、スミカセンL7
05]100重量部、フェノール系酸化防止剤[チバガ
イギー(株)製、イルガノックス1010]0.5重量部
及びマグネシウム石鹸[日本油脂(株)製、マグネシウム
ステアレートGR]0.5重量部を、容量10リットル
のヘンシェルミキサーを用いて充分に混合したのち、ス
クリュー径30mmの押出機を用い、140〜170℃で
混練造粒し、3×3mmの大きさの円柱状ペレットの着色
樹脂マスターバッチを得た。この着色樹脂マスターバッ
チ5重量部を、該着色樹脂マスターバッチの製造に用い
たものとは異なる品質の低密度ポリエチレン[住友化学
(株)製、スミカセンF213P]100重量部と混合
し、スクリュー径30mmのインフレーション装置を用い
て、シリンダー及びダイス温度140〜180℃でフィ
ルム成形加工と同時に着色し、厚さ20μmのフィルム
を製造した。フィルム成形時に、インフレーションダイ
ス部分にメヤニが多量に発生した。
【0018】比較例3 フタロシアニンブルー[大日精化工業(株)製、クロモフ
ァインブルー4920]100重量部、酸化チタン[石
原産業(株)製、R820]10重量部、キナクリドン
[チバガイギー(株)製、シンカシャレッドY RT75
9D]0.2重量部、カーボンブラック[三菱化学
(株)、三菱#44B]0.1重量部及びポリエチレンワ
ックス[三井化学(株)製、ハイワックスNL200、平
均分子量2,800、比重0.92]125.3重量部
を、直径5インチの三本ロールを用い、60〜120℃
に加熱しながら混練した。得られた混練物10重量部、
低密度ポリエチレン[住友化学(株)製、スミカセンL7
05]100重量部、フェノール系酸化防止剤[チバガ
イギー(株)製、イルガノックス1010]0.3重量部
及びアルミニウム石鹸[日本油脂(株)製、アルミニウム
ステアレート#600]0.5重量部を、容量10リッ
トルのヘンシェルミキサーを用いて充分に混合したの
ち、スクリュー径30mmの押出機を用い、シリンダー及
びダイス温度140〜170℃で混練造粒し、3×3mm
の大きさの円柱状ペレットの着色樹脂マスターバッチを
得た。この着色樹脂マスターバッチ10重量部を、該着
色樹脂マスターバッチの製造に用いたものとは異なる品
質の低密度ポリエチレン[日本ポリオレフィン(株)製、
J−REX JF630S]100重量部と混合し、ス
クリュー径30mmのT−ダイ装置を用い、シリンダー及
びダイス温度300〜360℃で成形加工と同時に着色
し、厚さ70μmのフィルムを製造した。フィルム成形
時に、T−ダイのダイス部分にメヤニが多量に発生し
た。 比較例4 フタロシアニンブルー[大日精化工業(株)製、クロモフ
ァインブルー4920]100重量部及びポリエチレン
ワックス[三井化学(株)製、ハイワックス420P、平
均分子量4,000、比重0.93]100重量部を、直
径5インチの三本ロールを用い、60〜120℃に加熱
しながら混練した。得られた混練物20重量部、低密度
ポリエチレン[日本ポリオレフィン(株)製、J−REX
JF536A]100重量部、フェノール系酸化防止
剤[チバガイギー(株)製、イルガノックス1010]
0.3重量部及びマグネシウム石鹸[日本油脂(株)製、
マグネシウムステアレート]0.5重量部を、容量10
リットルのヘンシェルミキサーを用いて充分に混合した
のち、スクリュー径30mmの押出機を用い、140〜1
70℃で混練造粒し、3×3mmの大きさの円柱状ペレッ
トの着色樹脂マスターバッチを得た。この着色樹脂マス
ターバッチ5重量部を、該着色樹脂マスターバッチの製
造に用いたものとは異なる品質の低密度ポリエチレン
[住友化学(株)製、スミカセンL705]100重量部
と混合し、スクリュー径30mmのインフレーション装置
を用い、シリンダー及びダイス温度200〜230℃で
成形加工と同時に着色し、厚さ70μmのフィルムを製
造した。フィルム成形時に、インフレーションダイス部
分にメヤニが多量に発生した。
【0019】比較例5 フタロシアニングリーン[大日精化工業(株)製、クロモ
ファイングリーン2GO]100重量部及びポリエチレ
ンワックス[三洋化成(株)製、サンワックス151P、
平均分子量2,000、比重0.93]80重量部を、直
径5インチの三本ロールを用い、60〜120℃に加熱
しながら混練した。得られた混練物20重量部、低密度
ポリエチレン[日本ポリオレフィン(株)製、J−REX
JF630S]100重量部、フェノール系酸化防止
剤[チバガイギー(株)製、イルガノックス1076]
0.3重量部及びマグネシウム石鹸[日本油脂(株)製、
マグネシウムステアレートG]0.5重量部を、容量1
0リットルのヘンシェルミキサーを用いて充分に混合し
たのち、スクリュー径30mmの押出機を用い、140〜
170℃で混練造粒し、3×3mmの大きさの円柱状ペレ
ットの着色樹脂マスターバッチを得た。この着色樹脂マ
スターバッチ5重量部を、該着色樹脂マスターバッチの
製造に用いたものとは異なる品質の低密度ポリエチレン
[日本ポリケム(株)製、ノバテックLC520]100
重量部と混合し、スクリュー径30mmのT−ダイ装置を
用い、シリンダー及びダイス温度160〜190℃で成
形加工と同時に着色し、厚さ50μmのフィルムを製造
した。フィルム成形時に、T−ダイのダイス部分に多量
のメヤニが発生した。実施例1〜6及び比較例1〜5の
着色樹脂マスターバッチの各成分の含有量比を第1表
に、実施例1〜6の評価結果を第2表に、比較例1〜5
の評価結果を第3表に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】第2表に見られるように、着色樹脂マスタ
ーバッチが、フィルム製造用の希釈樹脂と同一グレー
ド、すなわち、同一品質の樹脂を用いて製造されたもの
である実施例1〜6においては、インフレーション装置
を用いたフィルム成形においても、T−ダイ装置を用い
たフィルム成形においても、ダイスにメヤニは発生して
いない。これに対して、第3表に見られるように、着色
樹脂マスターバッチが、フィルム製造用の希釈樹脂と異
なる品質の樹脂を用いて製造されたものである比較例1
〜5においては、インフレーション装置を用いたフィル
ム成形においても、T−ダイ装置を用いたフィルム成形
においても、ダイスに多量のメヤニが発生している。こ
れらの結果から、着色フィルム製造用の希釈樹脂と同一
品質のポリオレフィン樹脂を用いて製造された本発明の
着色樹脂マスターバッチを用いることにより、ダイスに
おけるメヤニの発生を防止し、高品質のフィルムを製造
し得ることが分かる。
【0024】
【発明の効果】本発明の着色樹脂マスターバッチは、着
色ポリオレフィンフィルムを成形する際に用いる稀釈樹
脂と同一品質の樹脂を用いて製造され、ダイスにおける
メヤニの発生を効果的に防止して、高品質の着色フィル
ムを製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/3477 C08K 5/3477 5/378 5/378 13/02 13/02 C08L 23/02 C08L 23/02 23/06 23/06 23/08 23/08 23/12 23/12 23/20 23/20 Fターム(参考) 4F070 AA12 AA13 AA15 AA16 AA28 AC37 AC40 AC45 AC47 AC57 AC75 AE03 AE04 AE14 FA01 FB03 4J002 BB03W BB03X BB05W BB06W BB12W BB15W BB17W BF03W EG037 EG047 EJ048 EJ068 EP018 EU026 EU198 EV088 FD040 FD050 FD070 FD078 FD096 FD100 FD170 FD20X FD207

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ5〜200μmのポリオレフィンフィ
    ルム着色用のマスターバッチであって、着色フィルム製
    造用の希釈樹脂と同一品質のポリオレフィン樹脂を用い
    てなることを特徴とする着色樹脂マスターバッチ。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン樹脂30〜99.95重量
    %、顔料0.01〜60重量%、ポリエチレンワックス
    0.01〜60重量%、金属石鹸0.01〜5重量%及び
    フェノール系酸化防止剤0.01〜3重量%を含有する
    請求項1記載の着色樹脂マスターバッチ。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン樹脂が、重量平均分子量2
    0,000以上のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
    ブデン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項
    2記載の着色樹脂マスターバッチ。
  4. 【請求項4】顔料が、フタロシアニンブルー及び/又は
    フタロシアニングリーンである請求項2記載の着色樹脂
    マスターバッチ。
  5. 【請求項5】ポリエチレンワックスが、数平均分子量3
    00〜8,000の低分子量ポリエチレンである請求項
    2記載の着色樹脂マスターバッチ。
  6. 【請求項6】金属石鹸が、炭素数8〜20の脂肪酸のマ
    グネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、鉄、コ
    バルト、ニッケル、銅、銀、亜鉛、アルミニウム又はタ
    リウム塩である請求項2記載の着色樹脂マスターバッ
    チ。
  7. 【請求項7】フェノール系酸化防止剤が、2,4−ビス
    (n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
    −t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、ペン
    タエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
    ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタ
    デシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
    フェニル)プロピオネート、N,N'−ヘキサメチレンビ
    ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシン
    ナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
    (3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
    ンゼン又はトリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
    キシベンジル)イソシアヌレイトである請求項2記載の
    着色樹脂マスターバッチ。
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