JP2000178248A - 免疫賦活活性を有する化合物 - Google Patents

免疫賦活活性を有する化合物

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JP2000178248A
JP2000178248A JP10354863A JP35486398A JP2000178248A JP 2000178248 A JP2000178248 A JP 2000178248A JP 10354863 A JP10354863 A JP 10354863A JP 35486398 A JP35486398 A JP 35486398A JP 2000178248 A JP2000178248 A JP 2000178248A
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Atsushi Hagiwara
篤 萩原
Hisashi Shinkai
久 新海
Koji Inagaki
浩二 稲垣
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Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 一般式〔I〕 〔式中、R1は芳香族炭化水素基、シクロアルキル基、
飽和又は芳香族ヘテロ環基、芳香族縮合ヘテロ環基を表
し、R2はC1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロ
ゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基
又は水酸基から選ばれる1乃至3個の置換基で置換され
たフェニル基;又は1乃至3個のトリフルオロメチル基
で置換されてもよい2−ベンゾチアゾリル基を表し、R
3、R4、R5はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1乃
至4のアルキル基を表し、X1、X2はそれぞれ独立に酸
素原子又は硫黄原子を表し、m、nはそれぞれ同一又は
異なって0又は1を表す。〕で示される化合物、その塩
又はその溶媒和物若しくはそのプロドラッグ。 【効果】 免疫賦活剤、特に抗ウイルス剤をはじめとす
る感染症治療剤、抗腫瘍剤、免疫不全症治療剤、自己免
疫疾患治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免疫賦活作用を有
する新規化合物、及びそれら化合物を含有してなる、免
疫賦活剤、より具体的には抗ウイルス剤等の感染症治療
剤、抗腫瘍剤として有用な医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】免疫系は、自然免疫系と獲得免疫系に分
けられる。自然免疫系では、病原体等の異物が体内に侵
入した場合、好中球、単球、マクロファージ等がこれを
攻撃して対応する。一方、獲得免疫系は、これら自然免
疫系が破られた場合に始動する免疫系である。後者の免
疫系においては、病原体等の異物を特異的に認識する能
力を持つリンパ球が主役である。これらリンパ球は基本
的にT細胞とB細胞に分類される。B細胞は、様々な抗
原に結合する抗体を産生し、病原体を攻撃する。T細胞
はいくつかのタイプに別れて様々な働きを分担してい
る。ヘルパーT細胞(Th)は、マクロファージ等の食
細胞から抗原提示を受けて抗体産生細胞であるB細胞の
分化や抗体産生能を増強する。また、細胞障害性T細胞
(cytotoxicT cells;CTL)は、自己の細胞がウイル
ス等に感染した場合にそれを直接破壊し、サプレッサー
T細胞(suppressor T cells)は、免疫反応を抑制、終
焉させる。
【0003】免疫応答は、マクロファージや樹状細胞等
の抗原提示細胞(APC)により提示された抗原をヘル
パーT細胞が認識することによって開始される。抗原提
示を受けたヘルパーT細胞はTh1又はTh2に分化す
る。このうち、Th1は主にIL−2、IFN−γ、T
NF−β(リンホトキシン;LT)などのサイトカイン
を産生することによって、細胞性免疫を調節し、一方、
Th2はIL−4、IL−5、IL−6、IL−10な
どを産生することによって体液性免疫や即時型アレルギ
ーを抑制する。これらサイトカインの中でも、IL−2
は、T細胞増殖、B細胞増殖、抗体産生増強、NK細胞
の活性増強等の作用を有し、免疫機構において極めて重
要な役割を演じている。
【0004】代表的な免疫系サイトカインであるIL−
2は、抗原刺激あるいはコンカナバリンA(Con
A)、ファイトヘマグルチニン(PHA)などのマイト
ジェン刺激を受けた活性化T細胞から分泌される。マイ
トジェン刺激を与えた場合、CD4+T細胞(ヘルパー
T細胞)とCD8+T細胞とが同じようにIL−2を産
生するが、同種抗原で刺激した場合(混合リンパ球培
養;MCL)には、CD4+T細胞のみがIL−2を産
生する。このようにヒトでは、CD4+T細胞だけでな
く、CD8+T細胞にもIL-2産生能があり、いずれの
サブセットも適当な刺激によって活性化されるとIL-
2を産生する。ヒトのNK細胞と考えられているlarge
granular lymphocytes(LGL)もPHAなどのマイト
ジェン刺激を受けることによってIL−2を産生するこ
とが知られている(J. Immunol., 131, 305-310, 198
3)。また、正常なT細胞以外にもヒトTリンパ腫由来の
ジャーカット(Jurkat)細胞や、ヒト急性白血病細胞株
などの腫瘍性のT細胞もIL−2を産生する。
【0005】T細胞によるIL−2産生のメカニズム
は、次の通りである。T細胞の活性化には、抗原特異的
なT細胞レセプター(TCR)からの第1シグナルとコ
スティミュラトリー(costimulatory)分子間の相互作
用によって伝達される抗原特異的な第2の補助シグナル
(コスティミュラトリーシグナル)が必要であるといわ
れている。抗原刺激は、T細胞上のTCR/CD3複合
体が、マクロファージ等のAPC上の主要組織適合遺伝
子複合体(major histocompatibility complex;MH
C)と結合した抗原ペプチドを認識することによりT細
胞内に伝達される(第1シグナル)。しかし、この第1
シグナルのみでは最適なT細胞の活性化には不十分であ
り、少なくとももう1つの抗原非特異的な補助シグナル
(第2シグナル)がAPCより与えられることが必要で
ある。抗原提示時に第2シグナルを抗体や融合蛋白を用
いて阻害すると、T細胞は十分に活性化されないばかり
か、それ以降もはや正常な抗原刺激(第1シグナルと第
2シグナルをともに有する)にも反応することができな
い、いわゆるクローナルアナジー(clonal anergy)に
陥る。第2シグナルに関与するT細胞上の分子はCD2
8及びCTLA−4であり、それに対するリガンドはC
D80及びCD86と呼ばれる分子である。CD28の
発現は、胸腺細胞、末梢T細胞に極限しており、ヒトの
末梢T細胞では、CD4+T細胞の大部分とCD8+T細
胞の3分の2でCD28の発現が認められている。そし
て、そのCD28が対応するリガンドと結合すると、T
細胞の活性化に必要な前記第2シグナルが伝達され、そ
の結果、T細胞は増殖するとともに、IL−2を放出
し、CTLやNKやB細胞を活性化、増殖する。一方、
CTLA−4は、CD28とは対照的にT細胞機能を抑
制する作用を有することが知られている。
【0006】IL−2の主な生物学的作用としては、次
のようなものが知られている。 1)CTL(cytotoxic T lymphocyte)前駆細胞から細
胞障害性T細胞への分化・増殖、 2)NK細胞の増殖及びその活性の増強、 3)リンホカイン活性化キラー(lymphokine activated
killer;LAK)細胞の誘導、 4)IFN−γ産生の増強 5)LTやTNF産生の増強 6)抗体産生に係るB細胞の増殖・分化。 CTL、NK細胞、IFN−γはウイルス等に対する感
染防御の主体であって、IL−2は、これら細胞を増殖
するとともに、これら生理活性物質の産生を促す作用を
有するので感染防御機構において極めて重要な役割を果
たしている。従って、IL−2産生を促進しうる物質
は、ヘルペスウイルス感染症、サイトメガロウイルス感
染症、エプスタインパーウイルス感染症、風疹感染症、
パポバウイルス感染症、肝炎ウイルス感染症、ヒト免疫
不全ウイルス感染症等のウイルス性疾患の治療剤として
有効であろう。また、IFN−γはマクロファージを活
性化し、好中球による貪食殺菌に抵抗性を示す細菌や真
菌等の菌類の処理をもたらす故、IL−2産生促進物質
は、これら疾患の治療にも有効であろう。
【0007】さらに、CTL、NK細胞、LAK細胞
は、いずれも腫瘍に対する免疫抵抗性において重要な役
割を担当している細胞であるので、IL−2産生促進物
質は、生体の抗腫瘍作用においても重要役割を果たすで
あろう。
【0008】一方、最近になって、各種疾患、特に免疫
異常とIL−2産生異常の関係が明らかにされつつあ
り、免疫不全症、自己免疫疾患、癌、悪性リンパ腫、エ
イズなどの疾患においてはIL−2の産生能の低下ある
いはIL−2に対する応答能が低下しているとの報告が
なされている。より具体的にいうなら、癌治療について
はIL−2の単独投与や、LAK細胞との併合投与が既
に試みられており、又、免疫不全症については、Lopez-
Botelらが、24例の様々なタイプの免疫不全症の患者
(重傷複合免疫不全、Wiskot-Aldrich症候群、伴性無ガ
ンマグロブリン血症、後天性免疫不全症など)の末梢血
リンパ球のIL−2産生能とIL−2によるPHA反応
性の増強を調べ、さらにこれらの患者のうち、PHAに
対する反応性が低下していた例では、IL−2産生能が
明らかに低下していたと報告している(J. Immunol., 1
28, 879-885, 1982)。自己免疫疾患の一種である全身
性エリテマトーデス(systemic lupus erythematodes;
SLE)患者では、IL−2の産生が正常人と比べて、
明らかに低下しているとの報告もあり(J. Immunol., 1
30, 2651-2655, 1983)、IL−2のSLE治療への応
用が期待される。エイズ(aquired immunodeficiency s
yndrome;AIDS)に関しては、元来エイズはHIV
(human immunodeficiency virus)がIL−2産生細胞
であるCD4+T細胞に感染し、破壊することによって
引き起こされる免疫不全症であるが、IL−2/IL−
2Rシステムを介した免疫系の破綻が日和見感染、カポ
ジ肉腫等の悪性腫瘍発症の原因となっている。従って、
IL−2はエイズ治療への応用も期待される。又、慢性
活動性EBウイルス感染症や原発性免疫不全症において
もIL−2産生不全が認められており、IL−2のこれ
ら疾患への適応も期待される。
【0009】このように、IL−2は体内の免疫システ
ムを強力に活性化する作用を有するので、IL−2の産
生を促進するような物質は有力な免疫賦活剤となり得る
だろう。そしてそのような免疫賦活剤は、様々な感染
症、例えばヘルペスウイルス感染症、サイトメガロウイ
ルス感染症、エプスタインパーウイルス感染症、風疹感
染症、パポバウイルス感染症、肝炎ウイルス感染症、ヒ
ト免疫不全ウイルス感染症等のウイルス性感染症、細菌
や真菌等の菌類に起因する感染症;重傷複合免疫不全、
Wiskot-Aldrich症候群、伴性無ガンマグロブリン血症、
後天性免疫不全症等の免疫不全症;全身性エリテマトー
デス等の自己免疫疾患;癌、悪性リンパ腫等の腫瘍;エ
イズ、あるいは老化等に起因する免疫力低下の抑制等の
治療に有効であろう。
【0010】T細胞を活性化する薬剤としては、特表平
7−504204号公報(国際公開WO94/0747
9号明細書)に、R−CO−R1 〔Rは水素、置換フ
ェニルにより、あるいは2つのC1-4アルキル基および
水酸基により、任意に置換したメチル;R1はCH2CO
2基またはその互変異性体、ただしR2はCO(C
2XCO2H (Xは1〜7)基により任意に置換し
たメチル;またはR1はA−Ph基、ただしAはO、C
2、CH(CH3)、COまたは一重結合、およびPhは任
意置換したフェニル基;またはRはR1と架橋し、9員
あるいは10員の任意置換した二員環系を形成する。一
方の環はベンゼンまたは生理的に受け入れ可能なその
塩。〕の記載があり、代表的な化合物として4−(2−
ホルミル−3−ヒドロキシフェノキシメチル)安息香酸
(Tucaresolと呼ばれる)が記載されている。これは、
T細胞表面上のカルボニル基又はアミノ基とシッフ塩基
又はヒドラゾンを形成して活性を発現すると述べられて
いる。この化合物は、IL−2産生の増強作用を有す
る。しかし、構造が本発明化合物と全く異なる上、後述
の試験例2、3から明らかなように、IL−2の産生量
は本発明化合物に比べて低い。
【0011】又、特開平9−52834号公報には、3
−O−α−D−グルコピラノシル−D−グルコースが記
載されている。これは、免疫賦活剤に関するものであ
り、リンパ球共刺激作用を有すると述べられている。こ
の化合物は炭水化物誘導体であり、本発明化合物とは構
造が全く異なる。
【0012】又、特表平10−501533号公報(国
際公開WO95/35297号明細書)には、一般式I
【化3】 で表される化合物の記載があり、代表化合物としてN2
−(6−ジメチルアミノプリン−9−イル)−7−ペン
チルオキシカルボニル−D−アルギニンが記載されてい
る。この化合物は細胞障害性Tリンパ球の数を増加させ
ると記載されている。この化合物も本発明化合物とは構
造が全く異なる。
【0013】又、IL−2の産生を増強させる化合物と
して、特開昭61−215386号公報(ヨーロッパ特
許194393号明細書、米国特許4752164号明
細書、米国特許4761490号明細書、米国特許47
64461号明細書)に一般式
【化4】 (Qはセレン又はテルルを表す。)で表されるセレン又
はテルルを含有する化合物が記載されているが、これも
本発明化合物とは構造が全く異なる。
【0014】又、国際公開WO96/18652号明細
書に、OHC−Leu−Val−Val−Tyr−Pr
o−Trp−OH をはじめとするヘキサペプチドがI
L−2の産生を増強すると記載されているが、これもペ
プチドであるので本願発明とは全く異なる。
【0015】又、抗ウイルス剤としてガンシクロビルが
知られているが、このものは核酸の誘導体であって、D
NAポリメラーゼ阻害剤であり、本願発明とは作用機序
が全く異なる。
【0016】一方、本願発明と構造が類似する化合物と
しては
【化5】 がケミカル アンド ファーマシューティカル ブルー
チン,46巻3号,514〜517頁 (1998年)
[Chem. Pharm. Bull., 46(3) 514-517 (1998)]に記載さ
れている。しかしながら、これは植物成長調節剤に関す
るものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた免疫
賦活作用を有する新規化合物又はその塩を提供すること
を目的とする。又、本発明は、このような化合物又はそ
の塩を有効成分として含有してなる医薬組成物、特に抗
ウイルスや菌に起因する感染症治療剤、抗腫瘍剤、免疫
不全治療剤、自己免疫疾患治療剤等として有用な、免疫
賦活を作用機序とする医薬組成物を提供することを目的
とする。
【0018】本発明者らは、上記課題に鑑み、抗ウイル
ス剤、抗腫瘍剤等の治療剤として有用な免疫賦活活性物
質を探索すべく鋭意研究を行った結果、下記一般式
〔I〕で示される化合物を見い出し、本発明を完成し
た。又、これら化合物又はその塩が、優れたIL−2産
生増強能及びT細胞活性化作用を有することを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0019】本発明化合物又はその塩は、このように優
れたIL−2産生増強能及びT細胞活性化作用を有する
ので、免疫賦活剤、特に抗ウイルス剤や抗腫瘍剤等とし
て有用である。以下、本発明をより具体的に示す。
【0020】(1) 一般式〔I〕
【化6】 〔式中、R1はフェニル、ナフチルから選ばれる芳香族
炭化水素基;炭素数3乃至7のシクロアルキル基;酸素
原子、硫黄原子、窒素原子から選ばれるヘテロ原子を少
なくとも一つ含む5員又は6員の飽和又は芳香族ヘテロ
環基;又はこれら芳香族ヘテロ環基とフェニル環が縮合
してなる芳香族縮合ヘテロ環基(これら芳香族炭化水素
基、シクロアルキル基、飽和又は芳香族ヘテロ環基、及
び芳香族縮合ヘテロ環基は、炭素数1乃至4のアルキル
基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、水酸基から選ばれ
る1乃至3個の置換基で置換されてもよい。)を表し、
2は炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4の
アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、
シアノ基、ニトロ基又は水酸基から選ばれる1乃至3個
の置換基で置換されたフェニル基;又は1乃至3個のト
リフルオロメチル基で置換されてもよい2−ベンゾチア
ゾリル基を表し;R3、R4、R5はそれぞれ独立に水素
原子又は炭素数1乃至4のアルキル基を表し、X1、X2
はそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子を表す。但し、
1とX2が同時に酸素原子であることはない。m、nは
それぞれ独立に0又は1を表す。〕で示される化合物、
その塩又はその溶媒和物若しくはそのプロドラッグ。
【0021】(2) X1が硫黄原子である上記(1)
に記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若しくはその
プロドラッグ。
【0022】(3) R1が置換されてもよいフェニル
基、置換されてもよいナフチル基、置換されてもよい炭
素数3乃至7のシクロヘキシル基、置換されてもよいフ
リル基、置換されてもよいチエニル基、置換されてもよ
いテトラヒドロフリル基、置換されてもよいテトラヒド
ロピラニル基、置換されてもよいピリジル基、置換され
てもよいピペリジル基又は置換されてもよいベンゾチエ
ニル基(各基の置換基は炭素数1乃至4のアルキル基、
炭素数1乃至4のアルコキシ基、水酸基から選ばれる1
乃至3個の置換基である。)であり、R2は炭素数1乃
至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハ
ロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ
基又は水酸基から選ばれる1乃至3個の置換基で置換さ
れたフェニル基であり、mが1である上記(1)乃至上
記(2)に記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若し
くはそのプロドラッグ。
【0023】(4) R1がフリル基、チエニル基(該
フリル基又はチエニル基は低級アルキル基で置換されて
もよい。)であり、R2は炭素数1乃至4のアルキル
基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子、ト
リフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基から選ばれ
る2個の置換基で置換されたフェニル基である上記
(1)乃至上記(3)に記載の化合物、その塩又はその
溶媒和物若しくはそのプロドラッグ。
【0024】(5) 上記(1)乃至上記(4)のいず
れか一つに記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若し
くはそのプロドラッグの薬理学的に有効な量と、キャリ
アーを含有してなる医薬組成物。
【0025】(6) 上記(1)乃至上記(4)のいず
れか一つに記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若し
くはそのプロドラッグを薬理学的に有効な量含有してな
る免疫賦活剤。
【0026】(7) 上記(1)乃至上記(4)のいず
れか一つに記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若し
くはそのプロドラッグを薬理学的に有効な量含有してな
る感染症治療剤。
【0027】(8) 上記(1)乃至上記(4)のいず
れか一つに記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若し
くはそのプロドラッグを薬理学的に有効な量含有してな
る抗ウイルス剤。
【0028】(9) 上記(1)乃至上記(4)のいず
れか一つに記載の化合物又はその塩若しくはそのプロド
ラッグを薬理学的に有効な量含有してなる抗腫瘍剤。
【0029】(10) 上記(1)乃至上記(4)のい
ずれか1つに記載の化合物又はその塩若しくはそのプロ
ドラッグを薬理学的に有効な量含有してなる免疫不全症
治療剤。
【0030】(11) 上記(1)乃至上記(4)のい
ずれか一つに記載の化合物又はその塩若しくはそのプロ
ドラッグを含薬理学的に有効な量有してなる自己免疫疾
患治療剤。
【0031】(12) 一般式〔II〕
【化7】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、nはそれぞれ前記
と同様の意味を表す。)で示される中間体化合物又はそ
の塩。
【0032】本明細書において使用する用語の定義は次
の通りである。「芳香族炭化水素基」とは、フェニル基
又はナフチル基を意味し、好ましくはフェニル基であ
る。
【0033】「シクロアルキル基」とは、炭素数3乃至
7の環状のアルキル基であり、例えばシクロプロピル
基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基又はシクロへプチル基等であり、好ましくは炭素数
5又は6のシクロペンチル基又はシクロヘキシル基であ
る。
【0034】「酸素原子、硫黄原子、窒素原子から選ば
れるヘテロ原子を少なくとも一つ含む5員又は6員の飽
和又は芳香族ヘテロ環基」とは、フリル基、チエニル
基、ピロリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソ
オキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、テ
トラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、ピリジ
ル基又はピペリジル基等であり、好ましくはフリル基、
チエニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラ
ニル基、ピリジル基又はピペリジル基のヘテロ原子を一
つ含む5員又は6員の飽和又は芳香族ヘテロ環基であ
り、特に好ましくはフリル基又はチエニル基のヘテロ原
子を一つ含む5員の芳香族ヘテロ環基である。
【0035】「芳香族ヘテロ環基とフェニル環が縮合し
てなる芳香族縮合ヘテロ環基」とは、上記芳香族ヘテロ
環がフェニル基と縮合した基を意味し、具体的にはベン
ゾフリル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、ベンズ
オキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズイミダソ
リル基、キノリル基又はイソキノリル基等であり、好ま
しくはベンゾフリル基又はベンゾチエニル基等であり、
特に好ましくはベンゾチエニル基である。
【0036】「アルキル基」とは、炭素数1乃至4個の
直鎖又は分枝鎖アルキル基を意味し、例えばメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基又はtert−ブチル基であり、好ましくは
炭素数1乃至3個のメチル基、エチル基、プロピル基又
はイソプロピル基である。
【0037】「アルコキシ基」とは、炭素数1乃至4個
の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基を意味し、例えばメトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基又
はブトキシ基等であり、好ましくは炭素数1乃至3個の
メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基等である。
【0038】「ハロゲン原子」とは、塩素、臭素、フッ
素又はヨウ素であり、好ましくは塩素又は臭素である。
【0039】一般式〔I〕で示される本発明化合物にお
いて、R1は前記の通り、それぞれ1乃至3個の置換基
で置換されてもよい芳香族炭化水素基、炭素数3乃至7
のシクロアルキル基、飽和又は芳香族ヘテロ環基又は芳
香族縮合ヘテロ環基を表すが、好ましくはフェニル基、
炭素数5乃至7のシクロアルキル基、窒素原子,酸素原
子,硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を一つ含む5員又
は6員の飽和又は芳香族ヘテロ環基(これらは炭素数1
乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基で
置換されてもよい。)が好ましく、より具体的には、R
1として好ましくはフリル基、チエニル基、メチル置換
フリル基、メチル置換チエニル基又はエチル置換フリル
基、エチル置換チエニル基であり、特に好ましくはフリ
ル基又はチエニル基である。
【0040】R2は前記の通り、置換フェニル基又は2
−ベンゾチアゾリル基を表すが、好ましくは置換フェニ
ル基である。又、R2が2−ベンゾチアゾリル基の場合
は、X1は硫黄原子が好ましい。又、置換フェニル基の
置換基としては炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1
乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメ
チル基、シアノ基、ニトロ基又は水酸基を挙げることが
できるが、好ましくは炭素数1乃至4のアルキル基、炭
素数1乃至4のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、
シアノ基又はニトロ基である。置換基の最も好ましい数
は2個であり、しかもこれら置換基がメタ位の関係にあ
るのもが好ましい。より具体的には、好ましいR2
3,5−ビストリフルオロフェニル基、3,5−ジメト
キシフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、3,
5−ジクロロフェニル基、3,5−ジブロモフェニル
基、3−シアノ−5−メトキシフェニル基、3−メトキ
シ−5−ニトロフェニル基、3−シアノ−5−メチルフ
ェニル基、3−メチル−5−ニトロフェニル基、3−シ
アノ−5−トリフルオロメチルフェニル基又は3−ニト
ロ−5−トリフルオロメチルフェニル基等であり、特に
好ましくは3,5−ビストリフルオロフェニル基、3−
シアノ−5−メトキシフェニル基、3−メトキシ−5−
ニトロフェニル基、3−シアノ−5−メチルフェニル
基、3−メチル−5−ニトロフェニル基、3−シアノ−
5−トリフルオロメチルフェニル基又は3−ニトロ−5
−トリフルオロメチルフェニル基等である。
【0041】R3として好ましくは水素原子であり、R4
として好ましくは水素原子であり、R5として好ましく
は水素原子である。X1として好ましくは硫黄原子であ
り、X 2として好ましくは酸素原子である。なお、X1
2ともに酸素原子である化合物は、上記一般式〔I〕
で示される化合物の中間体として有益である。
【0042】mとして好ましくは、R2が炭素数1乃至
4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハロ
ゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基
又は水酸基から選ばれる1乃至3個の置換基で置換され
たフェニル基の時は1であり、R2が1乃至3個のトリ
フルオロメチル基で置換されてもよい2−ベンゾチアゾ
リル基の時は0である。nとして好ましくは1である。
【0043】化合物の「塩」とは、塩酸塩、臭化水素酸
塩、硫酸塩、リン酸塩又は硝酸塩等の無機酸付加塩;酢
酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、グリコール酸塩、
乳酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸
塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、メタンスルホン酸
塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩
又はアスコルビン酸塩等の有機酸付加塩;アスパラギン
酸塩又はグルタミン酸塩等のアミノ酸付加塩;ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム又はマグネシウム等の無機塩
基塩;メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、
ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールア
ミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ジシクロ
ヘキシルアミン、エチレンジアミン、キニーネ、グアニ
ジン等の有機塩基塩;アスパラギン、グルタミン、アル
ギニン、ヒスチジン又はリジン等のアミノ酸の塩基塩が
含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0044】化合物の「溶媒和物」とは、結晶やアモル
ファス等の固体状態又は溶液中において、本発明化合物
が水、アルコール等の溶媒分子と、静電的相互作用や、
水素結合、電荷移動結合、配位結合等の比較的弱い結合
で結合したものを意味する。又、場合によっては、含水
物や含アルコール物等の固体状態中に溶媒が取り込まれ
ているものであってもよい。
【0045】化合物の「プロドラッグ」とは、化学的又
は代謝的に分解し得る基を有し、加水分解や加溶媒分解
によって、又は生理的条件下で分解することによって医
薬的に活性を示す本発明化合物の誘導体である。
【0046】「感染症」とは、ヘルペスウイルス、サイ
トメガロウイルス、エプスタインパーウイルス、風疹ウ
イルス、パポバウイルス、肝炎ウイルス、ヒト免疫不全
ウイルス等のウイルスに起因するウイルス性感染症、結
核菌等の細菌に起因する細菌性感染症、カンジダ等の真
菌類に起因する真菌性感染症等を意味するが、これらに
限定されるものではない。好ましくはヘルペスウイル
ス、サイトメガロウイルス、肝炎ウイルス、ヒト免疫不
全ウイルス等のウイルス性感染症である。
【0047】
【発明の実施の形態】次に本発明化合物の製造方法の一
例を説明するが、本発明化合物の製造方法はこれらに限
定されるものでないことは勿論である。又、下記に示す
製造方法1〜4の各工程中、必要に応じて適宜保護、脱
保護を行えばよい。 製造方法1 ここで示す製造方法は、一般式〔I〕で示される化合物
のうち、mが1である化合物を製造するのに適する。
【0048】
【化8】
【0049】一般式(3)で表される化合物(Rcはメチ
ル基又はエチル基等のカルボン酸の保護基を表し、Hal
は前記と同様の意味を表す。)と一般式(4)で表され
る化合物(R2は前記と同様の意味を表す。)を、ジク
ロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム又
はピリジン等の溶媒中、トリエチルアミン、N,N−ジ
イソプロピルエチルアミン、ピリジン又は4−ジメチル
アミノピリジン等の塩基存在下でアシル化反応を行うこ
とにより、一般式(5)で表される化合物(R 2、Rcは
それぞれ前記と同様の意味を表す。)が得られる。
【0050】次いで、R5として炭素数1乃至4のアル
キル基である化合物を所望の場合、一般式(5)で表さ
れる化合物をN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、テトラヒドロフラン等の溶媒中、水素化
ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、N,N
−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基存在下で、一般
式(6)で表される化合物(R5’は炭素数1乃至4の
アルキル基を表し、Halは前記と同様の意味を表す。)
と反応させることにより、一般式(7)で表される化合
物(R2、R5’、Rcはそれぞれ前記と同様の意味を表
す。)が得られる。
【0051】X2が硫黄原子である化合物を所望の場合
は、一般式(5)で表される化合物又は一般式(7)で
表される化合物をベンゼン、トルエン、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、テトラヒドロフラン又は1,4−ジ
オキサン等の溶媒中で、ローソン試薬[2,4−ビス
(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−
ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド]又は五硫化二
リンを用いて反応させると、一般式(8)で表される化
合物(R2、R5、Rcはそれぞれ前記と同様の意味を表
す。)が得られる。
【0052】一般式(8)で表される化合物の保護基Rc
を通常行われる方法で除去すると、一般式(9)で表さ
れる化合物(R2、R5はそれぞれ前記と同様の意味を表
す。)が得られる。又、一般式(5)で表される化合物
又は一般式(7)で表される化合物の保護基Rcを同様の
方法で除去すると、一般式(10)で表される化合物
(R2、R5はそれぞれ前記と同様の意味を表す。)が得
られる。
【0053】次いで、一般式(9)で表される化合物又
は一般式(10)で表される化合物を、一般式(11)
で表される化合物(R1、R3、nはそれぞれ前記と同様
の意味を表す。)を、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエ
タン又はクロロホルム等の溶媒中で、ジシクロヘキシル
カルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド塩酸塩又はジフェニルホスホリルアジド等の縮合
剤の存在下でアミド化反応を行うと、一般式〔I−2〕
で表される化合物(R1、R2、R3、R5、nはそれぞれ
前記と同様の意味を表す。)又は一般式〔II−2〕で表
される化合物(R1、R2、R3、R5、nはそれぞれ前記
と同様の意味を表す。)が得られる。
【0054】あるいは、一般式(8)で表される化合物
を、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサン
等の溶媒中で、一般式(11)で表される化合物と反応
させても、一般式〔I−2〕で表される化合物が得られ
る。
【0055】ここで、一般式(11)で表される化合物
のうち、R3が水素原子であり、nが1である化合物を
所望の場合は、R1−CHO で表されるアルデヒド化
合物(R1は前記と同様の意味を表す。)をヒドロキシ
ルアミンと反応させてR1−CH=NOH で表される
オキシム化合物(R1は前記と同様の意味を表す。)と
し、次いで水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素
ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム又は水素化
ホウ素リチウム等の還元剤で還元反応すればよい。R4
が炭素数1乃至4のアルキル基である化合物を所望の場
合は、この後通常行われるアミノ基のアルキル化反応を
行えばよい。
【0056】あるいは、R1−CN で表されるシアノ
化合物(R1は前記と同様の意味を表す。)を前記還元
剤で還元反応してもよい。
【0057】又、一般式(3)で表される化合物のう
ち、R3が炭素数1乃至4のアルキル基であり、nが1
である化合物を所望の場合は、R1−CO−R3’ で表
されるケトン化合物(R3’は炭素数1乃至4のアルキ
ル基を表し、R1は前記と同様の意味を表す。)をギ酸
アンモニウムと反応させた後、前記還元剤で還元反応す
ればよい。
【0058】次いでR4として炭素数1乃至4のアルキ
ル基である化合物を所望の場合、一般式〔I−2〕で表
される化合物又は一般式〔II−2〕で表される化合物
と、一般式(12)で表される化合物(R4’は炭素数
1乃至4のアルキル基を表し、Halは前記と同様の意味
を表す。)を、一般式(7)で表される化合物の製造方
法と同様の方法を行うと、一般式〔I−3〕で表される
化合物(R1、R2、R3、R4’、R5、nはそれぞれ前
記と同様の意味を表す。)又は一般式〔II−3〕で表さ
れる化合物(R1、R2、R3、R4’、R5、nはそれぞ
れ前記と同様の意味を表す。)がそれぞれ得られる。
【0059】X1、X2がともに硫黄原子である化合物を
所望の場合、一般式〔I−2〕で表される化合物、一般
式〔I−3〕で表される化合物、一般式〔II−2〕で表
される化合物又は一般式〔II−3〕で表される化合物
を、一般式(8)で表される化合物の製造方法と同様の
方法を行うと、X2が硫黄原子である一般式〔I−4〕
で表される化合物(R1、R2、R3、R4、R5、nはそ
れぞれ前記と同様の意味を表す。)が得られる。
【0060】又、一般式〔II−2〕で表される化合物又
は一般式〔II−3〕で表される化合物を、ローソン試薬
又は五硫化二リンを用いて、反応温度、試薬量等に注意
して反応させると、X2が酸素原子である一般式〔I−
4〕で表される化合物が得られる。あるいは、シンセシ
ス,149〜151頁(1973年)[Synthesis, 149-
151 (1973)]、シンセシス,162〜164頁(198
7年)[Synthesis, 162-164 (1987)]又はシンセティッ
ク コミュニケーションズ,20巻19号,3085〜
3095頁(1990年)[Synthetic Communications,
20(19), 3085-3095 (1973)]等に記載の、五硫化二リン
と炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、ブチルリチウ
ム等の塩基を反応させてできる試薬を用いても、一般式
〔I−4〕で表される化合物が得られる。
【0061】製造方法2 ここで示す製造方法は、製造方法1に示した方法の代わ
りに、R1側から構築する方法である。各反応工程は製
造方法1と同様であるので、説明は省略する。
【化9】
【0062】製造方法3 ここで示す製造方法は、一般式〔I〕で示される化合物
のうち、mが0であって、R2が1乃至3個のトリフル
オロメチル基で置換されてもよい2−ベンゾトリアゾリ
ル基である化合物を製造するのに適する。
【0063】
【化10】
【0064】一般式(18)で表される化合物(Rnはt
ert−ブトキシカルボニル基、ベンジルコキシカルボ
ニル基等のアミノ基の保護基を表す。)をジエチルエー
テル又はテトラヒドロフラン等の溶媒中、n−ブチルリ
チウム、イソブチルリチウム又はtert−ブチルリチ
ウム等の塩基存在下で、ジメチルジスルフィドを反応さ
せると、一般式(19)で表される化合物(Rnは前記と
同様の意味を表す。)が得られる。
【0065】一般式(19)の保護基Rnを除去するため
に通常行われる方法を行えば、一般式(20)で表され
る化合物が得られる。次いで、一般式(20)で表され
る化合物を、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン
又は1,4−ジオキサン等の溶媒中、トリエチルアミン
又はN,N−ジイソプロピルエチルアミン等の塩基存在
下でトリフェニルホスフィン及び臭素の反応物と反応さ
せると、一般式(21)で表される化合物が得られる。
【0066】一般式(21)で表される化合物を、ベン
ゼン、トルエン、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオ
キサン等の溶媒中、一般式(3)で表される化合物と、
加熱下、好ましくは加熱還流下で反応させると、一般式
(22)で表される化合物(Rcは前記と同様の意味を表
す。)が得られる。
【0067】次いで、一般式(22)で表される化合物
と、一般式(11)で表される化合物(nは前記と同様
の意味を表す。)を、一般式〔I−2〕で表される化合
物の製造方法と同様の方法を行うと、一般式〔I−7〕
で表される化合物(R1、R3 、nはそれぞれ前記と同様
の意味を表す。)が得られる。
【0068】次いでR4として炭素数1乃至4のアルキ
ル基である化合物を所望の場合、一般式〔I−7〕で表
される化合物と一般式(12)で表される化合物を、一
般式(7)で表される化合物の製造方法と同様の方法を
行うと、一般式〔I−8〕で表される化合物(R1
3、R4’、nはそれぞれ前記と同様の意味を表す。)
が得られる。
【0069】次に、一般式〔I−7〕で表される化合物
又は一般式〔I−8〕で表される化合物を、一般式
(8)で表される化合物の製造方法と同様の方法を行う
と、一般式〔I−9〕で表される化合物(R1、R3、R
4、nはそれぞれ前記と同様の意味を表す。)が得られ
る。
【0070】かくして得られる一般式〔I〕で示される
本発明化合物は、ヒトをはじめとする哺乳動物に対して
優れた免疫賦活作用を有する。本発明化合物を免疫賦活
剤、抗ウイルス剤等の感染症治療剤、抗腫瘍剤、免疫不
全治療剤、自己免疫疾患治療剤として用いる場合、通常
全身的、あるいは局所的に、経口又は非経口で投与され
る。
【0071】投与量は年齢、体重、症状、治療効果、投
与方法、処理時間等により異なるが、通常成人一人当た
り0.01mg乃至1gの範囲で、一日一回から数回経
口あるいは非経口投与される。
【0072】本発明化合物を経口投与のための固体組成
物にする場合、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤等の剤形が可
能である。このような固体組成物においては、一つ又は
それ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈
剤、分散剤又は吸着剤等、例えば乳糖、マンニトール、
ブドウ等、ヒドロキシプロピルセルロース、微晶性セル
ロース、澱粉、ポリビニルヒドリン、メタケイ酸アルミ
ン酸マグネシウム又は無水ケイ酸末等と混合される。
又、組成物は常法に従って、希釈剤以外の添加剤を混合
させてもよい。
【0073】錠剤又は丸剤に調製する場合は、必要によ
り白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース又は
ヒドロキシメチルセルロースフタレート等の胃溶性ある
いは腸溶性物質のフィルムで皮膜してもよいし、二以上
の層で皮膜してもよい。さらに、ゼラチン又はエチルセ
ルロースのような物質のカプセルにしてもよい。
【0074】経口投与のための液体組成物にする場合
は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶解剤、懸濁剤、シロ
ップ剤又はエリキシル剤等の剤形が可能である。用いる
希釈剤としては、例えば精製水、エタノール、植物油又
は乳化剤等がある。又、この組成物は希釈剤以外に浸潤
剤、懸濁剤、甘味剤、風味剤、芳香剤又は防腐剤等のよ
うな補助剤を混合させてもよい。
【0075】非経口のための注射剤に調製する場合は、
無菌の水性若しくは非水性の溶液剤、可溶化剤、懸濁剤
または乳化剤を用いる。水性の溶液剤、可溶化剤、懸濁
剤としては、例えば注射用蒸留水、生理食塩水シクロデ
キストリン及びその誘導体、トリエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエチル
アミン等の有機アミン類あるいは無機アルカリ溶液等が
ある。
【0076】水溶性の溶液剤にする場合、例えばプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコールあるいはオリ
ーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール
類等を用いてもよい。又、可溶化剤として、例えばポリ
オキシエチレン硬化ヒマシ油、蔗糖脂肪酸エステル等の
界面活性剤(混合ミセル形成)、又はレシチンあるいは
水添レシチン(リポソーム形成)等も用いられる。又、
植物油等非水溶性の溶解剤と、レシチン、ポリオキシエ
チレン硬化ヒマシ油又はポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレングリコール等からなるエマルジョン製剤にす
ることもできる。
【0077】非経口投与のためのその他の組成物として
は、一つ又はそれ以上の活性物質を含み、それ自体公知
の方法により処方される外用液剤、軟膏のような塗布
剤、座剤又はペッサリー等にしてもよい。
【0078】
【実施例】本発明に係る一般式〔I〕で示される化合物
及びその製造方法を、以下の実施例によって具体的に説
明する。しかしながら本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものでないことは勿論である。
【0079】参考例1 5−メチルチオフェン−2−カルバルデヒド オキシム
【化11】 5−メチルチオフェン−2−カルバルデヒド(2.00g)を
エタノール(12ml)に溶解させ、ヒドロキシルアミン塩酸
塩(1.64g)の水(3ml)溶液及び酢酸ナトリウム(2.60g)の
水(3ml)溶液を加えて、1時間加熱還流させた。反応液
を減圧濃縮して、クロロホルムで抽出し、飽和塩化ナト
リウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥させ、減圧濃縮して表記化合物(2.09g)を得た。
【0080】参考例2〜6 参考例1と同様にして、参考例2〜参考例6の化合物を
得た。これらを表1に示す。
【表1】
【0081】参考例5 5−メチルチオフェン−2−イルメチルアミン
【化12】 水素化リチウムアルミニウム(1.12g)をテトラヒドロフ
ラン(20ml)に懸濁させ、参考例1で得られた5−メチル
チオフェン−2−カルバルデヒド オキシムのテトラヒ
ドロフラン(20ml)溶液を滴下し、45分間加熱還流させ
た。反応液に水(1ml)、15%水酸化ナトリウム水溶液
(1ml)、水(3ml)を順次加えた後、硫酸ナトリウム(10g)
を加えて終夜撹拌した。不溶物を濾別し、濾液を減圧濃
縮して、表記化合物(1.82g)を得た。1 H-NMR(δppm,CDCl3) 2.54(3H,s), 3.96(2H,s), 6.56-
6.59(1H,m), 6.67-6.69(1H,m)
【0082】参考例6〜8 上記参考例2〜参考例4の化合物を用い、参考例5と同
様にして参考例6〜参考例8の化合物を得た。これらを
表2に示す。
【表2】
【0083】参考例9 1−(フラン−2−イル)エチルアミン
【化13】 2−アセチルフラン(4.10ml)、ギ酸アンモニウム(25.2
g)及びモレキュラーシーブス3A(20g)を無水メタノー
ル(150ml)に懸濁させ、水素化シアノホウ素ナトリウム
(2.52g)を加えて室温で4日間撹拌した。不溶物をセラ
イトを用いて濾別し、減圧濃縮した。得られた残渣に濃
塩酸(20ml)を加えて、ジエチルエーテルで洗浄し、6N
−水酸化ナトリウム水溶液(60ml)を加えて、ジエチルエ
ーテル(50ml)で3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウム
で乾燥させ、減圧濃縮して表記化合物(1.25g)を淡黄色
油状物として得た。
【0084】参考例10 N−(フラン−3−イルメチル)カルバミド酸 ter
t−ブチルエステル
【化14】 水素化リチウムアルミニウム(1.25g)をジエチルエーテ
ル(50ml)に懸濁させ、氷冷下硫酸(0.88ml)を滴下して、
室温に戻しながら1時間撹拌した。次いで3−フロニト
リル(1.0g)のジエチルエーテル(5ml)溶液を滴下した
後、1.5時間加熱還流させた。反応液に水(20ml)を滴
下し、次いで1N−水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を滴
下した。不溶物をセライトを用いて濾別し、濾液に1,
4−ジオキサン(2ml)及びジ−tert−ブチルジカー
ボネート(2.33g)を加えて12時間撹拌した。反応液を
ジエチルエーテルで抽出し、硫酸水素カリウム水溶液、
水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機層
を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、n−
ヘキサン:酢酸エチル=9:1溶出液より、表記化合物
(1.969g)を無色油状物として得た。
【0085】参考例11 フラン−3−イルメチルアミン
【化15】 参考例10で得られたN−(フラン−3−イルメチル)
カルバミド酸 tert−ブチルエステル(1.969g)を氷
冷下で4N-塩化水素−1,4-ジオキサン(10ml)に溶解さ
せ、1時間放置した後、4N-塩化水素−1,4-ジオキサ
ン(5ml)を加えて1.5時間放置した。反応液にジエチ
ルエーテル及びジイソプロピルエーテルの混合溶液を加
えて上澄みを除去し、析出した結晶を濾取して、表記化
合物(947mg)を淡赤色結晶として得た。
【0086】参考例12 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)オキ
サミド酸 エチルエステル
【化16】 3,5−ビストリフルオロメチルアニリン(5.0ml)、塩
化エチルオキサリル(3.55ml)及びトリエチルアミン(5.3
5ml)をクロロホルム(50ml)に溶解させ、氷冷下6.5時
間撹拌した。反応液を硫酸水素カリウム水溶液、炭酸水
素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥させた。有機層を減圧濃縮して得られた固体
をジエチルエーテル−n-ヘキサンで洗浄して、表記化合
物を白色固体として得た。
【0087】参考例13〜22 参考例12と同様にして、参考例13〜参考例22の化
合物を得た。これらを表3及び表4に示す。
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】参考例23 3,5−ビストリフルオロメチルフェニルアミノチオキ
ソ酢酸 エチルエステル
【化17】 参考例12で得られたN−(3,5−ビストリフルオロ
メチルフェニル)オキサミド酸 エチルエステル(4.88
g)をトルエン(150ml)に溶解させ、ローソン試薬[2,
4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−
2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド](3.3
0g)を加えて、室温で4.5時間撹拌した。ローソン試
薬(1.0g)を加えてさらに2.5時間撹拌した。反応液を
減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに供し、n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1
溶出液より、表記化合物(4.317g)を赤色油状物として得
た。
【0090】参考例24 3,5−ビストリフルオロメチルフェニルアミノチオキ
ソ酢酸
【化18】 参考例23で得られた3,5−ビストリフルオロメチル
フェニルアミノチオキソ酢酸 エチルエステル(4.317g)
をエタノール(9ml)に溶解させ、氷冷下1N−水酸化ナ
トリウム水溶液(18.7ml)を加えて、室温で25時間撹拌
した。1N−水酸化ナトリウム水溶液(12.5ml)を加えて
さらに6.5時間撹拌した。反応液をn−ヘキサン:ジ
エチルエーテル=1:1混合溶媒で洗浄し、硫酸水素カ
リウム水溶液を加えて酸性とした。これを酢酸エチルで
2回抽出し、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄
した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃
縮して、表記化合物(3.867g)を黄色固体として得た。
【0091】参考例25 N−(3,5−ジメトキシフェニル)オキサミド酸
【化19】 参考例13で得られたN−(3,5−ジメトキシフェニ
ル)オキサミド酸 エチルエステル(2.0g)より、参考例
24と同様にして、表記化合物(1.685g)を得た。
【0092】実施例1 2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニルアミ
ノ)−N−(フラン−2−イルメチル)−2−チオキソ
アセトアミド
【化20】 参考例24で得られた3,5−ビストリフルオロメチル
フェニルアミノチオキソ酢酸(634mg)及びフラン−2−
イルメチルアミン(0.203ml)をN,N−ジメチルホルム
アミド(5ml)に溶解させ、1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・
HCl)(421mg)及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾー
ル(297mg)を加えて室温で終夜撹拌した。反応液を減圧
濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルで2回抽出した。有
機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で2回、
飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸ナトリウ
ムで乾燥させた。溶媒を減圧留去して、表記化合物(854
mg)を褐色油状物として得た。
【0093】実施例2 2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニルアミ
ノ)−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−チオ
キソアセトアミド 参考例24で得られた3,5−ビストリフルオロメチル
フェニルアミノチオキソ酢酸(500mg)及びチオフェン−
2−イルメチルアミン(0.161ml)より、実施例1と同様
にして、表記化合物(666mg)を褐色油状物として得た。
【0094】実施例3 2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニルアミ
ノ)−N−(4−メチルチオフェン−2−イルメチル)
−2−チオキソアセトアミド 参考例24で得られた3,5−ビストリフルオロメチル
フェニルアミノチオキソ酢酸(500mg)及び参考例6で得
られた3−メチルチオフェン−2−イルメチルアミン(2
00mg)より、実施例1と同様にして、表記化合物(605mg)
を褐色油状物として得た。
【0095】実施例4 2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニルアミ
ノ)−N−(4−エチルチオフェン−2−イルメチル)
−2−チオキソアセトアミド 参考例24で得られた3,5−ビストリフルオロメチル
フェニルアミノチオキソ酢酸(634mg)及び参考例7で得
られた3−エチルチオフェン−2−イルメチルアミン(2
82mg)より、実施例1と同様にして、表記化合物(915mg)
を褐色油状物として得た。
【0096】実施例5 2−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニルアミ
ノ)−N−(3−メトキシフェニル)−2−チオキソア
セトアミド 参考例24で得られた3,5−ビストリフルオロメチル
フェニルアミノチオキソ酢酸(500mg)及び3−メトキシ
アニリン(176ml)より、実施例1と同様にして、表記化
合物(397mg)を黄色固体として得た。
【0097】実施例2〜実施例5の化合物を表5に示
す。
【表5】
【0098】ここで、本発明の実施例化合物を製造する
ための中間体化合物の製造方法を、製造例をもって記載
する。 製造例1 N−(3,5−ジメトキシフェニル)−N’−(フラン
−2−イルメチル)オキサミド
【化21】 参考例25で得られたN−(3,5−ジメトキシフェニ
ル)オキサミド酸(1.0g)より、実施例1と同様にして、
表記化合物(1.243g)を得た。
【0099】製造例2 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−
N’−(チオフェン−2−イルメチル)オキサミド
【化22】 参考例12で得られたN−(3,5−ビストリフルオロ
メチルフェニル)オキサミド酸 エチルエステル(5.0g)
をエタノール(50ml)に溶解させ、チオフェン−2−イル
メチルアミン(2.03ml)を加えて室温で終夜撹拌した。析
出した結晶を濾取して、表記化合物(5.333g)を得た。1 H-NMR(δppm,CDCl3) 4.74(2H,d,J=6.1Hz), 6.97-7.01
(1H,m), 7.03-7.05(1H,m), 7.26-7.30(1H,m), 7.69(1H,
s), 7,82(1H,br s), 8.16(2H,s), 9.60(1H,brs)
【0100】製造例3〜14 参考例12、参考例14〜参考例22、及び参考例8の
化合物、チオフェン−2−イルメチルアミン又はフラン
−2−イルメチルアミンを用い、製造例2と同様にして
製造例3〜製造例14の化合物を得た。これらを表6及
び表7に示す。 製造例3 N−(3,5−ジクロロフェニル)−N’−(チオフェ
ン−2−イルメチル)オキサミド 製造例4 N−(3,5−ジブロモフェニル)−N’−(チオフェ
ン−2−イルメチル)オキサミド 製造例5 N−(3−メトキシ−5−トリフルオロメチルフェニ
ル)−N’−(チオフェン−2−イルメチル)オキサミ
ド 製造例6 N−(3−シアノ−5−メトキシフェニル)−N’−
(チオフェン−2−イルメチル)オキサミド 製造例7 N−(3−メトキシ−5−ニトロフェニル)−N’−
(チオフェン−2−イルメチル)オキサミド 製造例8 N−(3−シアノ−5−メチルフェニル)−N’−(チ
オフェン−2−イルメチル)オキサミド 製造例9 N−(3−メチル−5−ニトロフェニル)−N’−(チ
オフェン−2−イルメチル)オキサミド 製造例10 N−(3−シアノ−5−トリフルオロメチルフェニル)
−N’−(チオフェン−2−イルメチル)オキサミド 製造例11 N−(3−ニトロ−5−トリフルオロメチルフェニル)
−N’−(チオフェン−2−イルメチル)オキサミド 製造例12 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−
N’−(フラン−2−イルメチル)オキサミド 製造例13 N−(3,5−ジクロロフェニル)−N’−(フラン−
2−イルメチル)オキサミド 製造例14 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−
N’−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)オ
キサミド
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】実施例6 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−
N’−(フラン−2−イルメチル)ジチオオキサミド
【化23】 実施例1で得られた2−(3,5−ビストリフルオロメ
チルフェニルアミノ)−N−(フラン−2−イルメチ
ル)−2−チオキソアセトアミド(854mg)をトルエン(6m
l)に溶解させ、五硫化二リン(666mg)を加えて60℃で
2時間撹拌した後、100℃で3.5時間撹拌した。不
溶物を濾別し、濾液を水で2回、飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。
有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して得ら
れた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供
し、n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1溶出液より、表
記化合物(616mg)を得た。 融点 57.6℃1 H-NMR(δppm,CDCl3) 4.90(2H,d,J=5.1Hz), 6.39-6.43
(2H,m), 7.45(1H,dd,J=0.6, 1.2Hz), 7.81(1H,s), 8.51
(2H,s), 10.73(1H,br s), 12.36(1H,br s) FAB(+)MS(低分解能) 412
【0104】実施例7 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−
N’−(4−エチルチオフェン−2−イルメチル)ジチ
オオキサミド
【化24】 実施例4で得られた2−(3,5−ビストリフルオロメ
チルフェニルアミノ)−N−(4−エチルチオフェン−
2−イルメチル)−2−チオキソアセトアミド(881mg)
より、実施例6と同様にして、表記化合物(597mg)を得
た。 融点 82.6℃1 H-NMR(δppm,CDCl3) 1.24(3H,t,J=7.8Hz), 2.63(2H,d
q,J=0.9, 7.8Hz), 5.02(2H,d,J=5.7Hz), 6.91(1H,t,J=
0.9Hz), 6.97(1H,s), 7.81(1H,s), 8.51(2H,s),10.34(1
H,br s), 12.37(1H,br s) FAB(+)MS(低分解能) 456
【0105】実施例8 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−
N’−(チオフェン−2−イルメチル)ジチオオキサミ
【化25】 実施例2で得られた2−(3,5−ビストリフルオロメ
チルフェニルアミノ)−N−(チオフェン−2−イルメ
チル)−2−チオキソアセトアミド(590mg)をトルエン
(20ml)に溶解させ、ローソン試薬(318mg)を加えて室温
で1時間撹拌した。ローソン試薬(318mg)を加えてさら
に3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、n−ヘ
キサン:酢酸エチル=30:1溶出液より、表記化合物
(410mg)を得た。 融点 84.8℃1 H-NMR(δppm,CDCl3) 5.08(2H,d,J=5.4Hz), 7.02-7.05
(1H,m), 7.14-7.16(1H,m), 7.31-7.34(1H,m), 7.81(1H,
s), 8.51(2H,s), 10.36(1H,br s), 12.36(1H,br s) FAB(+)MS(低分解能) 427
【0106】実施例9 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−
N’−(4−メチルチオフェン−2−イルメチル)ジチ
オオキサミド
【化26】 実施例3で得られた2−(3,5−ビストリフルオロメ
チルフェニルアミノ)−N−(4−メチルチオフェン−
2−イルメチル)−2−チオキソアセトアミド(605mg)
より、実施例8と同様にして、表記化合物(569mg)を得
た。 融点 87℃1 H-NMR(δppm,CDCl3) 2.26(3H,s), 5.01(2H,d,J=5.5H
z), 6.88-6.89(1H,m),6.93-6.94(1H,m), 7.81(1H,br
s), 8.52(2H,s), 10.34(1H,br s), 12.37(1H,brs) FAB(+)MS(低分解能) 441
【0107】実施例10 N−(3,5−ジクロロフェニル)−N’−(チオフェ
ン−2−イルメチル)ジチオオキサミド
【化27】 製造例3で得られたN−(3,5−ジクロロフェニル)
−N’−(チオフェン−2−イルメチル)オキサミド(5
00mg)をキシレン(10ml)に溶解させ、アルゴン雰囲気
下、ローソン試薬(0.921g)を加えて150℃で2時間撹
拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに供し、n−ヘキサン:酢
酸エチル=15:1溶出液より得られた粗精製物をn−
ヘキサンで洗浄して、表記化合物(496mg)を得た。 融点 119℃1 H-NMR(δppm,CDCl3) 5.06(2H,d,J=5.2Hz), 7.01-7.05
(1H,m), 7.13-7.14(1H,m), 7.30-7.33(2H,m), 7.99(2H,
d,J=1.8Hz), 10.41(1H,br s), 12.17(1H,br s) FAB(+)MS(低分解能) 361
【0108】実施例11〜15 製造例1、製造例3、製造例13、製造例14、実施例
5の化合物を用い、実施例10と同様にして実施例11
〜実施例15の化合物を得た。これらを表8に示す。 実施例11 N−(3,5−ジブロモフェニル)−N’−(チオフェ
ン−2−イルメチル)ジチオオキサミド 実施例12 N−(3,5−ジメトキシフェニル)−N’−(フラン
−2−イルメチル)ジチオオキサミド 実施例13 N−(3,5−ジクロロフェニル)−N’−(フラン−
2−イルメチル)ジチオオキサミド 実施例14 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−
N’−(ベンゾ[b]チオフェン−2−イルメチル)ジ
チオオキサミド 実施例15 N−(3−メトキシフェニル)−N’−(3,5−ビス
トリフルオロメチルフェニル)ジチオオキサミド
【0109】
【表8】
【0110】実施例16 N−(3−メトキシ−5−トリフルオロメチルフェニ
ル)−2−(チオフェン−2−イルメチルアミノ)−2
−チオキソアセトアミド
【化28】 製造例5で得られたN−(3−メトキシ−5−トリフル
オロメチルフェニル)−N’−(チオフェン−2−イル
メチル)オキサミド(1.0g)をトルエンに溶解させ、ロー
ソン試薬(560mg)を加えて90℃で2時間攪拌した。反
応液を減圧濃縮して得られた残査をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに供し、n−ヘキサン:酢酸エチル=
95:5溶出液より、表記化合物(586mg)を得た。 融点 74℃1 H-NMR(δppm,CDCl3) 3.86(3H,s), 5.03(2H,d,J=5.7H
z), 6.96(1H,s), 6.99-7.02(1H,m), 7.10-7.13(1H,m),
7.28-7.33(1H,m), 7.46(1H,s) 7.50(1H,s), 9.63(1H,br
s), 10.21(1H,br s) FAB(+)MS(低分解能) 374
【0111】実施例17〜21 製造例6〜製造例10の化合物を用い、実施例16と同
様にして実施例17〜実施例21の化合物を得た。これ
らを表11に示す。 実施例17 N−(3−シアノ−5−メトキシフェニル)−2−(チ
オフェン−2−イルメチルアミノ)−2−チオキソアセ
トアミド 実施例18 N−(3−メトキシ−5−ニトロフェニル)−2−(チ
オフェン−2−イルメチルアミノ)−2−チオキソアセ
トアミド 実施例19 N−(3−シアノ−5−メチルフェニル)−2−(チオ
フェン−2−イルメチルアミノ)−2−チオキソアセト
アミド 実施例20 N−(3−メチル−5−ニトロフェニル)−2−(チオ
フェン−2−イルメチルアミノ)−2−チオキソアセト
アミド 実施例21 N−(3−シアノ−5−トリフルオロメチルフェニル)
−2−(チオフェン−2−イルメチルアミノ)−2−チ
オキソアセトアミド
【0112】
【表9】
【0113】実施例22 N−(3−ニトロ−5−トリフルオロメチルフェニル)
−2−(チオフェン−2−イルメチルアミノ)−2−チ
オキソアセトアミド
【化29】 製造例11で得られたN−(3−ニトロ−5−トリフル
オロメチルフェニル) −N’−(チオフェン−2−イルメチル)オキサミド
(2.63g)をトルエン(30ml)に溶解させ、ローソン試薬(1.
28g)を加えて90℃で2時間攪拌した。反応液を減圧濃
縮して得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに供し、n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1溶出液
より、表記化合物(914mg)を黄色固体として得た。 融点 65℃1 H-NMR(δppm,CDCl3) 5.06(2H,d,J=5.6Hz), 7.01-7.05
(1H,m), 7.13-7.15(1H,m), 7.31-7.34(1H,m), 8.30(2H,
s), 8.79(1H,s), 9.59(1H,br s), 10.53(1H,brs) FAB(+)MS(低分解能) 389
【0114】参考例26 N−(チオフェン−2−イルメチル)オキサミド酸 メ
チルエステル
【化30】 チオフェン−2−イルメチルアミン(0.84ml)、塩化メチ
ルオキサリル(0.75ml)及びトリエチルアミン(1.36ml)を
クロロホルム(10ml)に溶解させ、氷冷下1時間撹拌し
た。反応液をクロロホルムで抽出し、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、水で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリ
ウムで乾燥させ、減圧濃縮して、表記化合物(1.4g)を淡
褐色固体として得た。
【0115】参考例27〜35 参考例26と同様にして、参考例27〜参考例35の化
合物を得た。これらを表10に示す。
【表10】
【0116】参考例30の1H-NMR(δppm,CDCl3) 3.90
(3H,s), 4.53(2H,d,J=5.7Hz), 6.28-6.31(1H,m), 6.33-
6.36(1H,m), 7.35(1H,br s), 7.37-7.39(1H,m)
【0117】参考例36 N−(フラン−2−イルメチル)−N−メチルオキサミ
ド酸 メチルエステル
【化31】 参考例30で得られたフラン−2−イルメチルオキサミ
ド酸 メチルエステル(900mg)をN,N−ジメチルホル
ムアミド(5ml)に溶解した。水素化ナトリウム(295mg)を
n−ヘキサンで洗浄したものを反応液に加え、室温で3
0分間撹拌した。次いでヨウ化メチル(1.406g)を加えて
室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチ
ルで抽出して、1N−塩酸、水で順次洗浄した。有機層
を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して得られた残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、n−
ヘキサン:酢酸エチル=2:1溶出液より、表記化合物
(422mg)を無色油状物として得た。
【0118】参考例37 チオフェン−2−イルメチルアミノチオキソ酸 メチル
エステル
【化32】 参考例26で得られたN−(チオフェン−2−イルメチ
ル)オキサミド酸 メチルエステル(1.0g)をベンゼン(3
0ml)に溶解させ、ローソン試薬(1.11g)を加えて30分
間加熱還流させた。反応液を減圧濃縮して得られた残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、クロロ
ホルム:酢酸エチル=50:1溶出液より、表記化合物
(1.068g)を褐色油状物として得た。1 H-NMR(δppm,CDCl3) 3.93(3H,s), 5.00(2H,d,J=5.4H
z), 6.99-7.02(1H,m),7.09-7.11(1H,m), 7.28-7.31(1H,
m), 9.05(1H,br s)
【0119】参考例38〜45 参考例27、参考例28、参考例30、参考例32〜参
考例36の化合物を用い、参考例37と同様にして参考
例38〜参考例45の化合物を得た。これらを表11に
示す。
【表11】
【0120】参考例46 4−エチルチオフェン−2−イルメチルアミノチオキソ
酸 エチルエステル
【化33】 参考例29で得られたN−(チオフェン−2−イルメチ
ル)オキサミド酸 エチルエステル(771mg)をトルエン
(10ml)に溶解させ、五硫化二リン(999mg)を加えて50
℃で2時間撹拌した後、五硫化二リン(220mg)を加えて
さらに30分間撹拌した。不溶物を濾別し、濾液を減圧
濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに供し、n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1溶出
液より、表記化合物(627mg)を褐色油状物として得た。
【0121】参考例47 N−[1−(フラン−2−イル)エチル]アミノチオキ
ソ酸 エチルエステル
【化34】 参考例31で得られたN−[1−(フラン−2−イル)
エチル]オキサミド酸エチルエステル(1.143g)より、参
考例46と同様にして、表記化合物(705mg)を黄色油状
物として得た。
【0122】参考例48 チオフェン−2−イルメチルアミノチオキソ酸
【化35】 参考例37で得られたチオフェン−2−イルメチルアミ
ノチオキソ酸 メチルエステル(1.068g)をメタノール(5
ml)に溶解させ、1N−水酸化ナトリウム水溶液(7.44m
l)を加えて氷冷下2.5時間撹拌した。反応液に水を加
え、ジエチルエーテルで洗浄した。これに硫酸水素カリ
ウム水溶液を加えて酸性とし、酢酸エチルで2回抽出し
た。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸
ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して、表記化合物(929
mg)を褐色油状物として得た。
【0123】参考例49〜58 参考例38〜参考例47の化合物を用い、参考例48と
同様にして参考例49〜参考例58の化合物を得た。こ
れらを表12に示す。
【表12】
【0124】参考例52の1H-NMR(δppm,CDCl3) 4.80
(3H,d,J=5.5Hz), 6.37-6.42(2H,m), 7.42-7.44(1H,m),
9.29(1H,m)
【0125】実施例23 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2
−(チオフェン−2−イルメチルアミノ)−2−チオキ
ソアセトアミド
【化36】 参考例48で得られたチオフェン−2−イルメチルアミ
ノチオキソ酸(300mg)、3,5−ビストリフルオロメチ
ルアニリン(209μl)をN,N−ジメチルホルムアミド(3
ml)に溶解させ、氷冷下WSC・HCl(285mg)及び1−
ヒドロキシベンゾトリアゾール(228mg)を加えて室温で
3日間撹拌した。反応液を減圧濃縮して得られた残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーに供し、n−ヘキ
サン:酢酸エチル=15:1溶出液より得られた粗精製
物をジエチルエーテル−石油エーテルで洗浄して、表記
化合物(23mg)を得た。 融点 81℃1 H-NMR(δppm,CDCl3) 5.04(2H,d,J=5.6Hz), 7.00-7.04
(1H,m), 7.11-7.13(1H,m), 7.30-7.33(1H,m), 7.69(1H,
s), 8.16(2H,s), 9.59(1H,br s), 10.41(1H,brs) FAB(+)MS(低分解能) 413
【0126】実施例24〜38 参考例49〜参考例58の化合物を用い、実施例23と
同様にして実施例24〜実施例38の化合物を得た。こ
れらを表13及び表14に示す。 実施例24 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2
−(5−メチルチオフェン−2−イルメチルアミノ)−
2−チオキソアセトアミド 実施例25 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2
−(4−メチルチオフェン−2−イルメチルアミノ)−
2−チオキソアセトアミド 実施例26 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2
−(4−エチルチオフェン−2−イルメチルアミノ)−
2−チオキソアセトアミド 実施例27 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2
−(N’−フラン−2−イルメチル−N’−メチルアミ
ノ)−2−チオキソアセトアミド 実施例28 N−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2−(フラ
ン−2−イルメチルアミノ)−2−チオキソアセトアミ
ド 実施例29 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2
−[1−(フラン−2−イル)エチルアミノ]−2−チ
オキソアセトアミド 実施例30 N−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−(フラン−
2−イルメチルアミノ)−2−チオキソアセトアミド 実施例31 N−(3,5−ジフルオロフェニル)−2−(フラン−
2−イルメチルアミノ)−2−チオキソアセトアミド 実施例32 N−(3,5−ジクロロフェニル)−2−(フラン−2
−イルメチルアミノ)−2−チオキソアセトアミド 実施例33 N−(3,4,5−トリクロロフェニル)−2−(フラ
ン−2−イルメチルアミノ)−2−チオキソアセトアミ
ド 実施例34 N−(3,5−ジブロモフェニル)−2−(フラン−2
−イルメチルアミノ)−2−チオキソアセトアミド 実施例35 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2
−(フラン−3−イルメチルアミノ)−2−チオキソア
セトアミド 実施例36 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2
−(2,3,4,5−テトラヒドロフラン−2−イルメ
チルアミノ)−2−チオキソアセトアミド 実施例37 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2
−アニリノ−2−チオキソアセトアミド 実施例38 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−2
−(3−メトキシフェニルアミノ)−2−チオキソアセ
トアミド
【0127】
【表13】
【0128】
【表14】
【0129】参考例59 N−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)カル
バミン酸 tert−ブチルエステル
【化37】 3,5−ビストリフルオロメチルアニリン(2.5g)をN,
N−ジメチルホルムアミド(25ml)に溶解させ、ジ−te
rt−ブチルジカーボネート(2.38g)及びN,N−ジイ
ソプロピルエチルアミン(2.31g)を加えて70℃で終夜
撹拌した。ジ−tert−ブチルジカーボネート(3.14
g)を加えて120℃でさらに2時間撹拌した。反応液を
減圧濃縮した後、酢酸エチルで抽出し、0.5N−塩
酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウ
ム水溶液で順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾
燥させ、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに供し、n−ヘキサン:酢酸エチル
=15:1溶出液より、表記化合物(609mg)を得た。
【0130】参考例60 N−(2−メチルチオ−3,5−ビストリフルオロメチ
ルフェニル)カルバミン酸 tert−ブチルエステル
【化38】 アルゴン雰囲気下−20℃で、参考例59で得られたN
−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)カルバ
ミン酸 tert−ブチルエステル(300mg)をジエチル
エーテル(6ml)に溶解させ、1.16M tert−ブ
チルリチウムテトラヒドロフラン溶液(2.26ml)を加えて
−10℃で2時間撹拌した。−20℃に冷却してジメチ
ルジスルフィド(236μl)を加えて−20℃から室温に徐
々に昇温しながら終夜撹拌した。反応液に塩化アンモニ
ウムを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化
ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ
て、減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーに供し、n−ヘキサン:酢酸エチル=1
9:1溶出液より表記化合物(254mg)を得た。
【0131】参考例61 2−メチルチオ−3,5−ビストリフルオロメチルアニ
リン
【化39】 参考例60で得られたN−(2−メチルチオ−3,5−
ビストリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸 te
rt−ブチルエステル(250mg)をメタノール(3ml)及びテ
トラヒドロフラン(1ml)の混合溶媒に溶解させ、濃塩酸
(0.5ml)を加えて室温で2時間、50℃で4時間、さら
に室温で終夜撹拌した。反応液をトルエンを用いて共沸
濃縮させ、表記化合物(170mg)を得た。
【0132】参考例62 (2−メチルチオ−3,5−ビストリフルオロメチルフ
ェニルイミド)トリフェニルホスホラス
【化40】 トリフェニルホスフィン(147mg)及び臭素(29μl)をベン
ゼン(3ml)に溶解させ、氷冷下2時間撹拌した。次い
で、参考例61で得られた2−メチルチオ−3,5−ビ
ストリフルオロメチルアニリン(175mg)及びトリエチル
アミン(170mg)のベンゼン(3ml)溶液を加えて12時間加
熱還流させた。不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮して、
表記化合物(309mg)を褐色油状物として得た。
【0133】参考例63 5,7−ビストリフルオロメチル−1,3−ベンゾチア
ゾール−2−カルボン酸 エチルエステル
【化41】 参考例62で得られた(2−メチルチオ−3,5−ビス
トリフルオロメチルフェニルイミド)トリフェニルホス
ホラス(309mg)をトルエン(3ml)に溶解させ、塩化エチル
オキサリル(77mg)のトルエン(3ml)溶液を加えて、12
5〜130℃で70時間加熱還流させた。反応液を減圧
濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーに供し、n−ヘキサン:酢酸エチル=15:1〜
9:1溶出液より、表記化合物(166mg)を得た。
【0134】実施例39 N−(チオフェン−2−イルメチル)−5,7−ビスト
リフルオロメチル−1,3−ベンゾチアゾール−2−カ
ルボキサミド
【化42】 参考例63で得られた5,7−ビストリフルオロメチル
−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸 エチル
エステル(96mg)をエタノール(2ml)に溶解させ、チオフ
ェン−2−イルメチルアミン(62mg)を加えて50℃で2
4時間撹拌し、さらに60℃で3時間撹拌した。反応液
を減圧濃縮して得られた固体をジエチルエーテル−n-ヘ
キサンで洗浄して、表記化合物(92mg)を得た。1 H-NMR(δppm,CDCl3) 4.89(2H,d,J=6.3Hz), 6.99-7.03
(1H,m), 7.10-7.12(1H,m), 7.28-7.31(1H,m), 7.71(1H,
br s), 8.02(1H,s), 8.50(1H,s)
【0135】実施例40 N−(フラン−2−イルメチル)−5,7−ビストリフ
ルオロメチル−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボ
キサミド
【化43】 参考例63で得られた5,7−ビストリフルオロメチル
−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸 エチル
エステル(100mg)より、実施例39と同様にして、表記
化合物(115mg)を得た。1 H-NMR(δppm,CDCl3) 4.72(2H,d,J=5.7Hz), 6.36-6.38
(2H,m), 7.41-7.43(1H,m), 7.69(1H,br s), 8.02(1H,
s), 8.51(1H,s)
【0136】実施例41 N−(チオフェン−2−イルメチル)−5,7−ビスト
リフルオロメチル−1,3−ベンゾチアゾール−2−カ
ルボチオアミド
【化44】 アルゴン雰囲気下、実施例39で得られたN−(チオフ
ェン−2−イルメチル)−5,7−ビストリフルオロメ
チル−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド
(90mg)をトルエン(5ml)に溶解させ、ローソン試薬(89m
g)を加えて130℃で1.5時間撹拌した。反応液を減
圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーに供し、n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1溶
出液より、表記化合物(91mg)を黄色固体として得た。 融点 116℃1 H-NMR(δppm,CDCl3) 5.20(2H,d,J=5.3Hz), 7.03-7.06
(1H,m), 7.33-7.35(1H,m), 7.97(1H,s), 8.46(1H,s),
9.35(1H,br s) FAB(+)MS(低分解能) 427
【0137】実施例42 N−(フラン−2−イルメチル)−5,7−ビストリフ
ルオロメチル−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボ
チオアミド
【化45】 実施例40で得られたN−(チオフェン−2−イルメチ
ル)−5,7−ビストリフルオロメチル−1,3−ベン
ゾチアゾール−2−カルボキサミド(110mg)より、実施
例41と同様にして、表記化合物(108mg)を得た。 融点 102℃1 H-NMR(δppm,CDCl3) 5.03(2H,d,J=5.4Hz), 6.40-6.47
(2H,m), 7.46-7.47(1H,m), 7.97(1H,s), 8.48(1H,s),
9.38(1H,br s) FAB(+)MS(低分解能) 411
【0138】[試験例]次に、本発明化合物の生物活性
について、試験した。 試験例1 コンカナバリンA(ConA)刺激マウス脾細胞の増殖
能の増加作用 96穴平底培養プレート(Falcon製)に、10%ウシ胎
児血清(FCS)、50U/mlペニシリン(Gibco BR
L製)、50μg/mlストレプトマイシン(Gibco BRL
製)を含有させたRPMI 1640培地(日研生物医
学研究所製)を分注した。次いで、5×106細胞/m
l濃度に調整したマウス脾細胞浮遊液100μl及び、
1%ジメチルスルホキシド溶液に溶解させた被験化合物
溶液、抗CD28モノクローナル抗体(clone 37.51)
溶液、比較化合物としてのTucaresol溶液それ
ぞれ50μl、あるいは対照としての1%ジメチルスル
ホキシド溶液50μlを加えて、5%CO2インキュベ
ーター内で37℃にて培養した。50分後、500μg
/ml濃度の抗CD28モノクローナル抗体ファブフラ
グメント(Fab fragment)溶液10μlを各ウエルに加
えてインキュベーションした。10分後、4μg/ml
濃度に調製したConA(Vector Laboratory製,US
A)溶液50μlを各ウエルに添加して、さらに5%C
2インキュベーター内で37℃にて2日間培養を継続
した。培養終了の16時間前に、0.25μCiの3
−チミジン10μlを各ウエルに添加した。培養終了
後、セルハーベスター(Packard製)を用いて細胞を回
収し、細胞内3H−チミジン取り込み量をトップカウン
ト(Packard製)を用いて測定した。結果を表15に示
す。この試験結果によれば、本発明化合物の存在によ
り、DNA合成に必要なチミジンの取り込みは明らかに
促進されており、本発明化合物が脾細胞の増殖能を有し
ていることがわかる。
【0139】
【表15】
【0140】試験例2 ConA刺激健常人末梢血単核細胞のIL−2産生増加
作用 健常人の末梢血にヘパリンを加え、Ficoll-Paque(Phar
macia製)を用いて比重遠心法で単核細胞(PBMC)
を得た。これを2×106細胞/ml濃度に調製して、
10%FCSを含有させたRPMI 1640培地に浮
遊させ、浮遊液100μlを96穴平底培養プレートに
分注した。次いで、1%ジメチルスルホキシド溶液に溶
解させた被験化合物溶液、抗CD28モノクローナル抗
体溶液、比較化合物としてのTucaresol溶液そ
れぞれ50μl、あるいは対照としての1%ジメチルス
ルホキシド溶液50μlをそれぞれ加え、5%CO2
ンキュベータ内で37℃にて60分間培養した。更に、
40μg/ml濃度のConA溶液を50μl添加して
培養を継続した。ConA溶液添加18〜20時間後の
培養上清を回収し、ELISAキット(Interleukin-2
enzyme immunoassaykit、Cayman Chemical Co.,US
A)を用いてIL−2量の測定を行った。結果をコント
ロールに対する割合として、表16に示す。また、抗C
D28モノクローナル抗体刺激によるIL−2産生量
は、コントロールが1390±23pg/mlである時
に、1μg/ml用量で4826±86pg/mlであ
った。又、Tucaresol刺激によるIL−2産生
量は、抗CD28モノクローナル抗体の測定と同時の測
定で、25μM用量で1837±24pg/mlであ
り、125μM用量で2858±39pg/mlであっ
た。この試験結果によれば、本発明化合物がヒト末梢血
単核細胞のIL−2産生を有意に増加していることが明
らかである。
【0141】
【表16】
【0142】試験例3 抗CD3モノクローナル抗体刺激ジャーカット(Jurka
t)細胞のIL−2産生増加作用 96穴平底培養プレートに、RPMI 1640培地中
で2×106細胞/ml濃度のジャーカット細胞(clone
E6.1,ATCC)を浮遊させた液100μlを分注し
た。次いで、1%ジメチルスルホキシド溶液に溶解させ
た被験化合物溶液、抗CD28モノクローナル抗体(cl
one CD28.2、Immunotech製)溶液、比較化合物としての
Tucaresol溶液50μl、あるいは対照として
の1%ジメチルスルホキシド溶液50μlをそれぞれ加
え、5%CO2インキュベータ内で37℃にて60分間
培養した。更に、4μg/ml濃度の抗CD3モノクロ
ーナル抗体(clone UCHT-1、Immunotech製)溶液50μ
lを添加し、5%CO2インキュベータ内で37℃にて
培養を継続した。抗CD3モノクローナル抗体溶液添加
18〜20時間後の培養上清を回収し、ELISAキッ
ト(Interleukin-2enzyme immunoassay kit、Cayman Ch
emical Co.,USA)を用いてIL−2量の測定を行っ
た。結果を表17に示す。
【0143】
【表17】
【0144】試験例4 マウスサイトメガロウイルス(MCMV)感染後のウイ
ルス増殖抑制作用 動物はBALB/c雌性マウス6週齢(チャールズリバ
ー)を用いて各群5匹で実験した。マウスの腹腔内に、
MCMVを106PFUの量を含有させた溶液0.2m
lを接種し、感染させた。被験化合物を10ml/kg
の用量で、20%ポリエチレングリコール400を含む
1%Tweenの滅菌蒸留水(大塚)に溶解させ、感染
前日から8日間連続腹腔内に投与した。又、比較化合物
としてのTucaresolを8%炭酸水素ナトリウム
を含む1%Tweenの滅菌蒸留水に溶解させ投与し
た。対照にはそれぞれのvehicleを投与した。感
染7日後に脾臓を摘出し、摘出した脾臓を、35%ソル
ビトールを含有させたハンクス液中で、金属メッシュを
用いて脾細胞浮遊液を調製した。細胞浮遊液を−80℃
で凍結させ、融解させた後にバス式超音波破砕器を用い
て細胞を破壊した。細胞破砕液を1,000回転にて5
分間遠心分離して、上清を得た。得られた上清を測定試
料として、ウイルス量をプラークアッセイ(Plaque Ass
ay)により測定した。測定試料をMEM溶液で適宜希釈
した後、予めマウス胎児繊維芽細胞を培養しておいた2
4穴プレートに、各ウエル当たり400μlを重層さ
せ、室温で1,750回転にて40分間遠心させた。遠
心後、5%CO2インキュベータ内で37℃にて1時間
インキュベーションさせ、試料溶液を捨ててMEM溶液
で1回ウエルを洗浄し、新たにMEM溶液を1mlずつ
分注した。これを5%CO2インキュベータ内で37℃
にて5日間インキュベーションした。各ウエルに生理食
塩水−リン酸緩衝液(PBS)を加え、5%ホルマリン
溶液を加えて37℃で6時間細胞を固定し、クリスタル
バイオレット溶液で染色した。ウエル中に生じたプラー
クは顕微鏡下で計数し、脾臓1gあたりのプラーク数
(PFU/g)としてウイルスの感染量を算出した。結
果を表18に示す。
【0145】
【表18】
【0146】試験例5 1−フルオロ−2,4−ジニトロベンゼン(DNFB)
誘発ラット耳介浮腫抑制作用 動物はSD雄性ラット(チャールズリバー)を用い、各
群6匹、体重で群分けした後、実施した。動物の腹部を
刈毛し、エーテルで軽麻酔した後、DNFBを2mg/
mlの濃度になるようにアセトン:オリーブオイル=
4:1溶液に溶解し、100μlを腹部に塗布した。被
験化合物を0.5%メチルセルロースで懸濁させ、DN
FB塗布前に5ml/kgの用量で経口投与し、以降1
日1回2日間投与した。DNFB感作6日後、エーテル
で軽麻酔して、左右耳介の厚さをダイアルメーター(Mi
tutoyo製)を用いて測定した。その後、ラットの左右の
耳介内側皮膚に5mg/mlの濃度のDNFB溶液を2
5μl塗布した。耳介内側皮膚へのDNFB塗布24時
間、48時間後に左右耳介の厚さを測定し、浮腫率は以
下の式で算出した。
【数1】 結果を表19に示す。
【0147】
【表19】
【0148】試験例6 ルイス肺癌転移抑制作用 動物はBDF1雄性マウス(7週齢、チャールズリバ
ー)を用い、1群10匹で実施した。3LL細胞を、F
12培地に懸濁、浮遊させ、106細胞/0.1mlの
用量をマウスの側腹部の皮下に移植した。被験化合物
は、マウスの体重1kg当たり10mlの0.5%メチ
ルセルロースに懸濁し、移植当日より21日間1日1回
連日経口投与した。対象群には0.5%メチルセルロー
スを投与した。移植21日後に動物の肺を摘出し、転移
巣の数を測定した。結果を表20に示す。
【0149】
【表20】
【0150】試験例7 混合リンパ球反応 DBA/2雌性マウス(チャールズリバー)から脾臓を
摘出し、常法により脾細胞浮遊液を調製後、10%FC
S含有RPMI 1640培地に4×106細胞/ml
で懸濁させた。次いで、2,000radsの量のX線
を15分間照射して、スティミュレーター用細胞とし
た。一方、C57BL/6雌性マウス(チャールズリバ
ー)由来の脾細胞浮遊液を4×106細胞/mlの濃度
に調製し、96穴培養プレートの各ウエルに100μl
ずつ分注し、レスポンダー用細胞とした。次に、1%ジ
メチルスルホキシドに溶解させた被験化合物溶液、対照
としての1%ジメチルスルホキシド溶液それぞれ50μ
lを添加した後に、スティミュレーター用細胞浮遊液5
0μlを、5%CO2インキュベータ内で37℃にて3
日間培養した。培養終了8時間前に3H−チミジンを各
ウエルに0.25μCi/10μlの量添加し、培養終
了後、セルハーベスターで細胞を回収した。3H−チミ
ジン取り込み量をトップカウントを用いて測定した。結
果を表21に示す。
【0151】
【表21】
【0152】試験例8 細胞障害性T細胞(CTL)活性 試験例7において、レスポンダー用細胞に薬物を加え、
スティミュレーター用細胞を加えて培養した期間を5日
間としたこと以外は同様の操作を行った後、培養液の一
部(100μl)を96穴丸底培養プレートに移し替え
た。これに51Cr(100μCi/回)でラベルした5
×104細胞/ml濃度のP815細胞100μlを加
えて、37℃にて6時間混合培養した。培養終了後、
1,200回転で2分間遠心分離した上清100μlを
チューブに分注して、γ−カウンターで測定した。結果
を表22に示す。
【0153】
【表22】
【0154】
【発明の効果】本発明に係る化合物、特に一般式〔I〕
で示される化合物は、上記試験例からも明らかな通り、
優れた免疫賦活作用を有する。従って、免疫賦活作用に
よって治癒又は症状の改善が期待される疾患、特にウイ
ルスをはじめとする感染症や、癌の治療に有用であると
考えられる。それ故、これらの疾患に対して極めて有効
な治療薬となることが期待される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 37/02 A61K 31/00 637A A61K 31/167 31/165 602 31/18 31/18 31/341 31/34 601 31/381 31/38 601 C07C 233/56 C07C 233/56 C07D 307/52 C07D 307/52 333/20 333/20 333/58 333/58 (72)発明者 稲垣 浩二 大阪府高槻市紫町1番1号 日本たばこ産 業株式会社医薬総合研究所内 Fターム(参考) 4C023 CA02 4C037 HA27 4C086 AA01 AA02 AA03 BA03 BB02 BB03 BC84 GA02 GA04 GA10 MA01 NA14 NA15 ZB05 ZB08 ZB09 ZB26 ZB33 4C206 AA01 AA02 AA03 GA12 JA66 JA76 MA01 NA14 NA15 ZB05 ZB08 ZB09 ZB26 ZB33 4H006 AA01 AA03 AB20 AB28 BJ50 BS10 TN10 TN30 TN60

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 〔式中、R1はフェニル、ナフチルから選ばれる芳香族
    炭化水素基;炭素数3乃至7のシクロアルキル基;酸素
    原子、硫黄原子、窒素原子から選ばれるヘテロ原子を少
    なくとも一つ含む5員又は6員の飽和又は芳香族ヘテロ
    環基;又はこれら芳香族ヘテロ環基とフェニル環が縮合
    してなる芳香族縮合ヘテロ環基(これら芳香族炭化水素
    基、シクロアルキル基、飽和又は芳香族ヘテロ環基、及
    び芳香族縮合ヘテロ環基は、炭素数1乃至4のアルキル
    基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、水酸基から選ばれ
    る1乃至3個の置換基で置換されてもよい。)を表し、
    2は炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4の
    アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、
    シアノ基、ニトロ基又は水酸基から選ばれる1乃至3個
    の置換基で置換されたフェニル基;又は1乃至3個のト
    リフルオロメチル基で置換されてもよい2−ベンゾチア
    ゾリル基を表し、R3、R4、R5はそれぞれ独立に水素
    原子又は炭素数1乃至4のアルキル基を表し、X1、X2
    はそれぞれ独立に酸素原子又は硫黄原子を表す。但し、
    1とX2が同時に酸素原子であることはない。m、nは
    それぞれ独立に0又は1を表す。〕で示される化合物、
    その塩又はその溶媒和物若しくはそのプロドラッグ。
  2. 【請求項2】 X1が硫黄原子である請求項1に記載の
    化合物、その塩又はその溶媒和物若しくはそのプロドラ
    ッグ。
  3. 【請求項3】 R1が置換されてもよいフェニル基、置
    換されてもよいナフチル基、置換されてもよい炭素数3
    乃至7のシクロヘキシル基、置換されてもよいフリル
    基、置換されてもよいチエニル基、置換されてもよいテ
    トラヒドロフリル基、置換されてもよいテトラヒドロピ
    ラニル基、置換されてもよいピリジル基、置換されても
    よいピペリジル基又は置換されてもよいベンゾチエニル
    基(各基の置換基は炭素数1乃至4のアルキル基、炭素
    数1乃至4のアルコキシ基、水酸基から選ばれる1乃至
    3個の置換基である。)であり、R2は炭素数1乃至4
    のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲ
    ン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基又
    は水酸基から選ばれる1乃至3個の置換基で置換された
    フェニル基であり、mが1である請求項1乃至請求項2
    に記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若しくはその
    プロドラッグ。
  4. 【請求項4】 R1がフリル基、チエニル基(該フリル
    基又はチエニル基は低級アルキル基で置換されてもよ
    い。)であり、R2は炭素数1乃至4のアルキル基、炭
    素数1乃至4のアルコキシ基、ハロゲン原子、トリフル
    オロメチル基、シアノ基又はニトロ基から選ばれる2個
    の置換基で置換されたフェニル基である請求項1乃至請
    求項3に記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若しく
    はそのプロドラッグ。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若しくはそのプ
    ロドラッグの薬理学的に有効な量と、キャリアーを含有
    してなる医薬組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若しくはそのプ
    ロドラッグを薬理学的に有効な量含有してなる免疫賦活
    剤。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若しくはそのプ
    ロドラッグを薬理学的に有効な量含有してなる感染症治
    療剤。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の化合物、その塩又はその溶媒和物若しくはそのプ
    ロドラッグを薬理学的に有効な量含有してなる抗ウイル
    ス剤。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載の化合物又はその塩若しくはそのプロドラッグを薬
    理学的に有効な量含有してなる抗腫瘍剤。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項
    に記載の化合物又はその塩若しくはそのプロドラッグを
    薬理学的に有効な量含有してなる免疫不全症治療剤。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項
    に記載の化合物又はその塩若しくはそのプロドラッグを
    含薬理学的に有効な量有してなる自己免疫疾患治療剤。
  12. 【請求項12】 一般式〔II〕 【化2】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5、nはそれぞれ前記
    と同様の意味を表す。)で示される中間体化合物又はそ
    の塩。
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WO2012069743A1 (fr) 2010-11-22 2012-05-31 Sanofi Derives de nitrobenzothiazoles et leur utilisation pour le traitment de la tubercolose
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