JP2000178239A - N−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法 - Google Patents

N−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法

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JP2000178239A
JP2000178239A JP10357196A JP35719698A JP2000178239A JP 2000178239 A JP2000178239 A JP 2000178239A JP 10357196 A JP10357196 A JP 10357196A JP 35719698 A JP35719698 A JP 35719698A JP 2000178239 A JP2000178239 A JP 2000178239A
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rhodium
acetylcyclohexylglycine
acetylphenylglycine
catalyst
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JP10357196A
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Shuji Ichikawa
修治 市川
Michi Watanabe
美地 渡辺
Hiroshi Iwane
寛 岩根
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 N−アセチルシクロヘキシルグリシン類を高
収率で且つ安価に製造する方法の提供。 【解決手段】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は、水素原子又はアミノ基保護基を表し、
2 は、水素原子又はカルボキシル基保護基を表す)で
示されるN−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造
方法において、下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1 及びR2 は、式(I)と同義である)で示
されるN−アセチルフェニルグリシン類をロジウム触媒
の存在下、核水素化反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、N−アセチルシク
ロヘキシルグリシン類の製造方法に関する。詳しくは、
N−アセチルフェニルグリシン類を核水素化してN−ア
セチルシクロヘキシルグリシン類を製造する方法に関す
る。本発明の方法により得られるN−アセチルシクロヘ
キシルグリシン類は各種医農薬中間体として有用な化合
物である。特に特開平9−52882号公報等に記載さ
れている解熱作用、鎮痛作用、抗炎症作用、特にシクロ
オキシゲナーゼ−2の選択的阻害作用を有するオキサゾ
ール系複素環式芳香族化合物の重要な合成中間体であ
り、天然には得られないアミノ酸であることからその工
業的製造方法に関心が集まっている。
【0002】
【従来の技術】N−アセチルシクロヘキシルグリシン類
については、これ迄に幾つかの製造方法が知られてい
る。例えば、Eislerらは、シクロヘキシルグリシ
ンをアセチル化する方法(Collect.Czec
k.Chem.Commun.,1966,31,45
63)、Santosoらは、N−アセチルシクヘキセ
ニルグリシンを合成し、次いで、メタノール中、パラジ
ウム触媒を用いて、還元する方法(Ann.,198
1,642)、また、Linらは、シクロヘキセンとア
セトアミド、一酸化炭素、水素をヒドリドカルボニルト
リス(トリフェニルフォスフィン)を触媒として反応さ
せる方法(J.Orgnomet.Chem.,199
1,99)等を報告している。
【0003】これらの方法の中、Santosoらの方
法は原料N−アセチルシクヘキセニルグリシンを製造す
るに際し、シクロヘキセンから数工程を要し、しかも高
価で入手しにくい試剤を使用するという不都合さを有し
ており、またLinらの方法は、高価で製造するのに困
難なヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルフォスフ
ィン)を触媒として使用すること、一酸化炭素及び水素
を高温、高圧下で使用すること等いずれも工業的製造方
法としては満足のいくものではない。
【0004】残るEislerらのシクロヘキシルグリ
シンをアセチル化する方法は、前二者の方法と比較して
簡便な方法と言える。この場合、原料のシクロヘキシル
グリシンの入手が問題となるが、その製造方法として
は、例えばグリシンに、二硫化炭素、クロロ炭酸メチ
ル、シクロヘキサノン等を付加させてオキサゾリジノン
環を形成した後に、還元及び加水分解による方法(J.
Chem.Soc,1949,2323)、シクロヘキ
シル酢酸を臭素化した後、アンモニアで処理する方法
(J.Amer.Chem.Soc,1949,74,
551)、グリシンとシクロヘキサノンを塩基条件下縮
合させた後に、還元及びアンモニア処理による製造方法
(Chem.Pharm.Bull,1959,7,9
12)等が提案されている。しかしながら、これらの方
法はシクロヘキシルグリシンを製造するに際し、多工程
を必要とし、しかも高価で入手しにくい試剤を使用する
等工業的製造方法としては満足の行くものではない。
【0005】一方、シクロヘキシルグリシンについて
は、フェニルグリシンを核水素化して製造する方法が考
えられる。芳香族炭化水素の核水素化については、ロジ
ウム、ルテニウム、白金等の触媒を用い、アルコール等
の溶媒中で、加温、加圧下で反応させる方法が従来から
知られている。
【0006】しかしながら、一般に、置換基を有する芳
香族化合物において、芳香核のみの水素化、即ち、核水
素化は難しい。置換基を持たない芳香族炭化水素はロジ
ウム触媒を用い比較的容易に反応が進行するものの、芳
香族環上に置換基をもつ化合物では環の共鳴の影響を受
けて反応が困難であったり、置換基の水素化や水素化分
解等の副反応を伴うこともあり、選択性が低いという欠
点を有しており、多くの場合反応条件の詳細な検討が必
要とされている(J.Org.Chem.,1958,
23,276、Org.Syn.,1947,27,2
1等)。
【0007】そして、フェニルグリシンの核水素化反応
によるシクロヘキシルグリシンの製造の具体例として
は、例えば水酸化パラジウム触媒を用いて核水素化する
方法(Synth.Commun.,1978,8,3
45;収率24〜66%)、ロジウム触媒を使用する例
としては、ジクロロビス(シクロオクタジエニル)ロジ
ウムを還元することにより調製したロジウムブラックを
用い核水素化する方法(J.Org.Chem.,19
93,48,13;収率79%)、ルテニウム触媒を用
いて核水素化する方法(特開平10−45692号公
報;収率65%)等が提案されている。
【0008】しかしながら、これらの方法は、フェニル
グリシンが置換基を有する芳香族であるという欠点を免
れず、選択率が低いため、収率が低く、更に水酸化パラ
ジウム触媒を用いた場合、反応媒質に対しわずか1重量
%のフェニルグリシンを使用し生産性が低く、またロジ
ウム触媒を用いる場合、高価で製造するのに多工程を有
するジクロロビス(シクロオクタジエニル)ロジウムを
使用する等、工業的な製造方法としては満足のいくもの
ではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、N−
アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法として、
フェニルグリシンの核水素化により得られたシクロヘキ
シルグリシンをアセチル化する方法は、核水素化の工程
に問題点がある。本発明の目的は、上記ルート以外の方
法により、N−アセチルシクロヘキシルグリシン類を安
価に且つ高収率で製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み鋭意検討した結果、驚くべきことに、フェニル
グリシンの代りにN−アセチルフェニルグリシンを核水
素化することにより、高選択率且つ高収率で目的物であ
るN−アセチルシクロヘキシルグリシンが得られること
を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の
要旨は、下記一般式(I)
【0011】
【化3】
【0012】(式中、R1 は、水素原子又はアミノ基保
護基を表し、R2 は、水素原子又はカルボキシル基保護
基を表す)で示されるN−アセチルシクロヘキシルグリ
シン類の製造方法において、下記一般式(II)
【0013】
【化4】
【0014】(式中、R1 及びR2 は、式(I)と同義
である)で示されるN−アセチルフェニルグリシン類を
ロジウム触媒の存在下、核水素化反応を行うことを特徴
とする方法にあり、この反応の際、溶媒として、アルコ
ール又は1当量以上の塩基を含む水を用いることを特徴
とする方法にあり、また、ロジウム触媒が炭素担体にロ
ジウムが担持されてなるものである方法にあり、更に炭
素担体が活性炭又は黒鉛である方法にある。なお、N−
アセチルフェニルグリシン類の核水素化によるN−アセ
チルシクロヘキシルグリシン類を製造する方法の例は、
これまで知られていない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法を詳細に説明
する。本発明で用いられる一般式(II)で示されるN−
アセチルフェニルグリシン類とは、アミノ基を一個のア
セチル基の他に保護したN−保護フェニルグリシン、若
しくはカルボキシル基をエステル保護したエステル化N
−アセチルフェニルグリシン、又はアミノ基を一個のア
セチル基の他に保護し且つカルボキシル基を保護したエ
ステル化N−保護フェニルグリシンを指す。また、これ
ら保護基を導入しないN−アセチルフェニルグリシン自
身も用いることができる。N−保護基としては通常のア
ミノ基保護に用いられるものであれば制限を受けず、第
三ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル
基、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル基、アセ
チル基、ホルミル基、トリフルオロアセチル基、トリク
ロロアセチル基、o−ニトロフェニルアセチル基、フタ
ロイル基等が例示できる。カルボキシル保護基としては
やはり通常のカルボン酸エステルとして用いられるもの
であればよく、例えばエチルエステル、メチルエステ
ル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエス
テル、ヘキシルエステル、シクロヘキシルエステル、フ
ェニルエステル、トリルエステル、キシリルエステル、
ナフチルエステル等が例示できる。更に、N−保護基と
してベンジルオキシカルボニル基等、カルボキシル保護
基としてベンジルエステル等の還元により脱保護される
保護基にも適用可能であるが、この場合は脱保護された
生成物を与える。なお、保護されたN−フェニルグリシ
ンは公知の製造方法を用いることにより容易に合成でき
る。
【0016】本発明に用いるロジウム触媒とは、ロジウ
ム原子が担体上に担持されているものを意味する。特に
その調製方法については制限されるものではないが、例
えば、ロジウム原子含有化合物を含浸、乾固法、沈殿法
等により担体上に担持した後、還元処理、例えば、水素
による還元や、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、
蟻酸等による化学的還元を行うか或いは還元処理を行わ
ずに担体上に担持させて調製する方法が挙げられる。担
持方法としては、ロジウム原子含有化合物を含浸法等に
より担体上に担持した後、水素流通下、400〜500
℃にて還元したものが好ましく、高い活性及び目的物に
対し高い選択率が得られる。ここで、ロジウム原子含有
化合物としては、例えば塩化ロジウム水和物、臭化ロジ
ウム水和物、酸化ロジウム水和物、塩化ヘキサアンミン
ロジウム、臭化ヘキサアンミンロジウム、トリス(アセ
チルアセトナート)ロジウム、ドデカカルボニル四ロジ
ウム等が挙げられる。
【0017】担体は、反応条件下で水素化の原料となる
N−アシルフェニルグリシン類の置換基に対し不活性な
ものであれば、有機系又は無機系のいずれでもよく、例
えば炭素、イオン交換樹脂、シリカ、α−アルミナ、γ
−アルミナ、シリカ−アルミナ、ゼオライト、及び種々
の金属酸化物や複合酸化物等を挙げることができる。特
に得られる触媒が高活性、高選択性となる点から炭素が
好ましい。本発明で使用する炭素担体とは、炭素から成
り、極めて融解しにくく、蒸発も起こりにくい、強い安
定性及び反応に好都合な活性を有する固体物質であれ
ば、特に制限を受けず任意である。これら炭素担体とし
ては、形態からは黒鉛、微晶質炭素等が挙げられ、形状
からは、成形炭、破砕炭、粉末炭等の活性炭及び結晶状
のものとして黒鉛が例示できる。使用する炭素担体は、
BET法で測定した比表面積が50〜1000m2 /g
のものが好ましく、特に100〜200m2 /gのもの
が高活性、高選択性を与え、好ましい。かかる炭素担体
の例としては、黒鉛及びカーボンブラック、ピッチコー
クス、石油コークス等の無定型炭素を、空気を遮断して
約2500℃以上、約3000℃付近まで加熱処理した
ものが挙げられる。
【0018】ロジウム原子のこれら担体に対する担持量
は特に制限を受けないが0.1〜20重量%が実用的で
好ましい。また、ロジウム触媒の使用量は、担持量、水
素化の対象となるN−アセチルフェニルグリシン類の種
類及び反応条件等により大きく異なるが、重量基準でN
−アセチルフェニルグリシン類1部に対して、通常0.
00005〜0.5部の範囲から適宜選択されるが、工
業的見地からは、0.0001〜0.2部の範囲が好ま
しい。
【0019】本発明の水素化反応は、水素化の対象とな
るN−アセチルフェニルグリシン類の種類及び反応条件
によっては無溶媒で行うこともできるが、目的とする反
応に対し最適な溶媒を選定することにより選択性の向上
が図れる点及び反応時間を短縮できる点から溶媒中で行
うことが好ましい。
【0020】ここで用いる溶媒は、特に限定されるもの
ではないが、水、二重結合を持たない炭化水素、エーテ
ル類、アルコール類及びハロゲン化炭化水素の中から適
宜選択することができる。これらの具体例としては、n
−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ジエチル
エーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノ
ール、tert−ブタノール、n−ヘキサノール、シク
ロヘキサノール、ジクロロメタン、トリクロロエタンが
挙げられ、中でも、水、ジエチルエーテル、ジブチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、イソブタノール、2−ブタノール、tert−ブ
タノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノールが好
ましく、これらの中でも、特に反応速度、選択性に優れ
る点で、メタノール及び水が好ましい。使用するN−ア
セチルフェニルグリシン類がカルボキシル基保護基を有
さない場合、原料に対して等モル以上の塩基を共存させ
ることにより更に好ましい結果が得られる。使用する塩
基としては、特に制限を受けないが、これら塩基を例示
すると、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ
金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩及びカルシウム、
マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸
塩、炭酸水素塩等の無機塩基。トリエチルアミン、トリ
メチルアミン、ジイソプロピルメチルアミン、イミダゾ
ール、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メ
チルモルホリン等の有機塩基が挙げられる。これら塩基
と使用する溶媒との組み合わせについても特に制限がな
く任意であるが、特に水溶媒を使用した場合、反応速
度、選択性に優れた効果が得られる。
【0021】溶媒を用いる場合、溶媒の使用量には特に
制限はないが、重量基準で、N−アセチルフェニルグリ
シン類1部に対して0.05〜100部、好ましくは
0.1〜50部の範囲が好ましい。当該反応に用いる水
素は、通常、工業的に用いられているものであればいず
れのものでもよいが、不純物の一酸化炭素が少ない方が
触媒活性が優れたものとなる。従って、水素中の一酸化
炭素の含有量は2モル%以下であることが好ましい。反
応時の水素圧については特に制限はないが、低圧では反
応に必要以上の長い時間を要し、また高圧では水素原単
位が高くなるため、1〜200kg/cm2の範囲が好
ましく、更には10〜150kg/cm2 の範囲とする
ことが好ましい。
【0022】当該反応における反応温度は、水素化の対
象となるN−アセチルフェニルグリシン類の種類、反応
条件及び反応時間により大きく異なり、0〜200℃の
範囲で適宜選定すればよいが、選択性及び経済性の点か
ら、20〜150℃の範囲が好ましく、特に30〜10
0℃の範囲が選択性が一層向上し好ましい。本製造方法
によれば、反応時間は、水素化の対象となるN−アセチ
ルフェニルグリシン類の種類、触媒量及び他の反応条件
に依存し、一概には言えないが、通常0.5〜50時間
である。
【0023】以上のごとく、本製造方法によるとN−ア
セチルフェニルグリシン類の核水素化反応を行うことに
より、容易に目的とするN−アセチルシクロヘキシルグ
リシン類を高い収率で得ることができ、製造コスト及び
設備コストを安価にすることができる。加えて、当該ロ
ジウム触媒は、安価に得ることができる。更に、繰り返
し使用することも可能であるため、当該核水素化方法は
触媒コストを抑えることができる点でも有利な方法であ
る。
【0024】なお、反応設備としては、必要とされる水
素圧に耐えるものであれば制限はなく、回分式、連続式
のいずれの方法でもよい。本発明によって得られる核水
素化物は、触媒を濾過等で除去した後、単に溶媒のみ除
去したものでも、純度の高い目的物とすることができる
が、必要であれば、更に晶析等の従来公知の方法を用い
て精製することもできる。
【0025】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これら
の実施例に限定されるものではない。 実施例1 N−アセチルフェニルグリシン1.2g(6.2mmo
l)及び、5%ロジウム/活性炭触媒240mg(0.
12mmmol)を15mlメタノール溶液に溶解後、
水素圧力50kg/cm2 、100℃で3時間撹拌し
た。反応液をHPLCにより分析したところ、還元は転
化率100%、選択率98%で進行していた。反応終了
後、セライトを通して反応混合物を濾過して、ロジウム
/活性炭触媒を除去し、N−アセチルシクロヘキシルグ
リシンのメタノール溶液を得た。得られた濾液を減圧下
濃縮後、粗生成物を水で晶析することにより、N−アセ
チルシクロヘキシルグリシン1.08g(5.4mmo
l)が得られた。HPLC分析の結果、純度99%であ
った(収率87%)。1 H−NMR(CD3 OD)δ:1.09−1.40
(m,5H),1.26−1.90(m,6H),2.
01(s,3H),4.30(d,1H)
【0026】実施例2 N−アセチルフェニルグリシン1.2g(6.2mmo
l)及び、5%ロジウム/活性炭触媒60mg(0.0
3mmmol)を15mlメタノール溶液に溶解後、水
素圧力50kg/cm2 、100℃で5時間撹拌した。
反応液をHPLCにより分析したところ還元は転化率5
7%、選択率96%で進行していた。反応終了後、セラ
イトを通して反応混合物を濾過して、ロジウム/活性炭
触媒を除去し、N−アセチルシクロヘキシルグリシンの
メタノール溶液を得た。得られた濾液を減圧下濃縮後、
粗生成物を水で晶析することにより、N−アセチルシク
ロヘキシルグリシン0.49g(2.4mmol)が得
られた。HPLC分析の結果、純度98%であった(収
率39%)。
【0027】実施例3 N−アセチルフェニルグリシン1.2g(6.2mmo
l)及び、5%ロジウム/黒鉛触媒240mg(0.1
2mmmol)を15mlメタノール溶液に溶解後、水
素圧力50kg/cm2 、100℃で2時間撹拌した。
反応液をHPLCにより分析したところ、還元は転化率
100%、選択率99%で進行していた。反応終了後、
セライトを通して反応混合物を濾過して、ロジウム/グ
ラファイト触媒を除去し、N−アセチルシクロヘキシル
グリシンのメタノール溶液を得た。得られた濾液を減圧
下濃縮後、粗生成物を水で晶析することにより、N−ア
セチルシクロヘキシルグリシン1.1g(5.6mmo
l)が得られた。HPLC分析の結果、純度99%であ
った(収率90%)。
【0028】実施例4 N−アセチルフェニルグリシン1.2g(6.2mmo
l)及び、96%水酸化ナトリウム260mg(6.2
mmmol)を水20mlに溶解し、5%ロジウム/黒
鉛触媒60mg(0.03mmmol)を加え、水素圧
力50kg/cm2 、100℃で2時間撹拌した。反応
液をHPLCにより分析したところ、還元は転化率95
%、選択率99%で進行していた。反応終了後、セライ
トを通して反応混合物を濾過して、ロジウム/黒鉛触媒
を除去し、N−アセチルシクロヘキシルグリシンの水酸
化ナトリウム水溶液を得た。得られた濾液を約半分の量
になるまで減圧下濃縮後、残留物に6規定塩酸水溶液2
ml(12mmol)を加えると、N−アセチルシクロ
ヘキシルグリシンの白色結晶が析出した。濾過後、粗生
成物を水で晶析することにより、N−アセチルシクロヘ
キシルグリシン1.0g(5.3mmol)が得られ
た。HPLC分析の結果、純度99%であった(収率8
5%)。
【0029】実施例5 N−アセチルフェニルグリシン1.2g(6.2mmo
l)及び、ジクロロビス(シクロオクタジエニル)ロジ
ウムを還元することにより調製した(J.Org.Ch
em.,1993,48,13参照)ロジウムブラック
30mg(0.3mmol)を15mlメタノール溶液
に溶解後、水素圧力50kg/cm2 、100℃で3時
間撹拌した。反応液をHPLCにより分析したところ、
還元は転化率79%、選択率80%で進行していた。反
応終了後、セライトを通して反応混合物を濾過して、ロ
ジウムブラック触媒を除去し、N−アセチルシクロヘキ
シルグリシンのメタノール溶液を得た。得られた濾液を
減圧下濃縮後、粗生成物を水で晶析することにより、N
−アセチルシクロヘキシルグリシン0.70g(3.3
mmol)が得られた。HPLC分析の結果、純度95
%であった(収率54%)。
【0030】
【発明の効果】本発明の方法によれば、各種医農薬中間
体に有用なN−アセチルフェニルグリシン類をロジウム
触媒の存在下核水素化反応させることにより、収率よく
安価にN−アセチルシクロヘキシルグリシン類を製造す
ることができ、工業的製造方法として優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 岩根 寛 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA01 BA08A BA08B BC71A BC71B CB02 FA02 4H006 AA02 AC11 BA24 BB14 BJ20 BS10 BT12 BV22 4H039 CA40 CB10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は、水素原子又はアミノ基保護基を表し、
    2 は、水素原子又はカルボキシル基保護基を表す)で
    示されるN−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造
    方法において、下記一般式(II) 【化2】 (式中、R1 及びR2 は、式(I)と同義である)で示
    されるN−アセチルフェニルグリシン類をロジウム触媒
    の存在下、核水素化反応を行うことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 反応溶媒として、アルコール又は1当量
    以上の塩基を含む水を用いることを特徴とする請求項1
    に記載のN−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 ロジウム触媒が炭素担体にロジウムが担
    持されてなるものである請求項1又は2に記載のN−ア
    セチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法。
  4. 【請求項4】 炭素担体が活性炭又は黒鉛である請求項
    3に記載のN−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製
    造方法。
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