JP3654050B2 - N−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、N−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法に関する。詳しくは、N−アセチルフェニルグリシン類を核水素化してN−アセチルシクロヘキシルグリシン類を製造する方法に関する。
本発明の方法により得られるN−アセチルシクロヘキシルグリシン類は各種医農薬中間体として有用な化合物である。特に特開平9−52882号公報等に記載されている解熱作用、鎮痛作用、抗炎症作用、特にシクロオキシゲナーゼー2の選択的阻害作用を有するオキサゾール系複素環式芳香族化合物の重要な合成中間体であり、天然には得られないアミノ酸であることからその工業的製造方法に関心が集まっている。
【0002】
【従来の技術】
N−アセチルシクロヘキシルグリシン類については、これ迄に幾つかの製造方法が提案されている。例えば、Eislerらは、シクロヘキシルグリシンをアセチル化する方法(Collect.Czeck.Chem.Commun.,1966,31,4563)、Santosoらは、N−アセチルシクロヘキセニルグリシンを合成し、次いで、メタノール中、パラジウム触媒を用いて、還元する方法(Ann.,1981,642)、またLinらは、シクロヘキセンとアセトアミド、一酸化炭素、水素をヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルフォスフィン)を触媒として反応させる方法(J.Orgnomet.Chem.,1991,99)等を報告している。
【0003】
これらの方法の中、Santosoらの方法は原料N−アセチルシクロヘキセニルグリシンを製造するに際し、シクロヘキセンから数工程を要し、しかも高価で入手しにくい試剤を使用するという不都合さを有しており、またLinらの方法は、高価で製造するのに困難なヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルフォスフィン)を触媒として使用すること、一酸化炭素及び水素を高温、高圧下で使用すること等いずれも工業的製造方法としては満足のいくものではない。
【0004】
残るEislerらのシクロヘキシルグリシンをアセチル化する方法は、前二者の方法と比較して簡便な方法といえる。この場合、原料のシクロヘキシルグリシンの入手が問題となるが、その製造方法としては、例えばグリシンに、二硫化炭素、クロロ炭酸メチル、シクロヘキサノン等を付加させてオキサゾリジノン環を形成した後に、還元及び加水分解による方法(J.Chem.Soc.,1949,2323)、シクロヘキシル酢酸を臭素化した後、アンモニアで処理する方法(J.Amer.Chem.Soc.,1949,74,551)、グリシンとシクロヘキサノンを塩基条件下縮合させた後に、還元及びアンモニア処理するところの製造方法(Chem.Pharm.Bull.,1959,7,912)等が提案されている。しかしながら、これらの方法はシクロヘキシルグリシンを製造するに際し、多工程を必要とし、しかも高価で入手しにくい試剤を使用する等工業的製造方法としては満足の行くものではない。
【0005】
一方、シクロヘキシルグリシンについては、フェニルグリシンを核水素化して製造する方法が考えられる。
芳香族炭化水素の核水素化については、ロジウム、ルテニウム、白金、ラネーニッケル等の触媒を用い、アルコール等の溶媒の存在下で、加温、加圧下で反応させる方法は従来から知られている。しかしながら、一般に、置換基を有する芳香族化合物において、芳香核のみの水素化、即ち、核水素化は難しい。置換基を持たない芳香族炭化水素はロジウム触媒を用い比較的容易に反応が進行するものの、芳香族環上に置換基を持つ化合物では環の共鳴の影響を受けて反応が困難であったり、置換基の水素化や水素化分解等の副反応を伴うこともあり、選択性が低いという欠点を有しており、多くの場合反応条件の詳細な検討が必要とされている(J.Org.Chem.,1958,23,276、Org.Syn.,1947,27,21等)。
【0006】
そしてフェニルグリシンの核水素反応によるシクロヘキシルグリシンの製造の具体例としては、例えば水酸化パラジウム触媒を用いて核水素化する方法(Synth.Commun.,1978,8,345;収率24〜66%)、ロジウム触媒を使用する例としては、ジクロロビス(シクロオクタジエニル)ロジウムを還元することにより調製したロジウムブラックを用い核水素化する方法(J.Org.Chem.,1993,48,13;収率79%)、ルテニウム触媒を用いて核水素化する方法(特開平10−45692号公報;収率65%)等が提案されている。
【0007】
しかしながら、これらの方法は、フェニルグリシンが置換基を有する芳香族であるという欠点を免れず、選択性が低いため、収率が低く、更に水酸化パラジウム触媒を用いた場合、反応媒質に対しわずか1重量%のフェニルグリシンを使用し生産性が低く、またロジウム触媒を用いる場合、高価で製造するのに多工程を有するジクロロビス(シクロオクタジエニル)ロジウムを使用する等、工業的な製造方法としては満足のいくものではない。また、フェニルグリシンをラネーニッケルを用いて核水素化しシクロヘキシルグリシンを製造する報告例はこれまで無く、我々の検討では、フェニルグリシンをラネーニッケルで核水素化した場合、同様に選択率が低く、転化率においては30%程度に止まった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、N−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法については、フェニルグリシンの核水素化の工程に問題がある。
本発明の目的は、上記ルート以外の方法により、N−アセチルシクロヘキシルグリシン類を安価に且つ高収率で製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる事情に鑑み鋭意検討した結果、驚くべきことに、フェニルグリシンの代わりにN−アセチルフェニルグリシンを核水素化することにより、高選択率且つ高収率で目的物であるN−アセチルシクロヘキシルグリシンが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、下記一般式(I)
【0010】
【化3】
【0011】
(式中、R1 は水素原子又はアミノ基保護基を表し、R2 は水素原子又はカルボキシル基保護基を表す)
で示されるN−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法において、下記一般式(II)
【0012】
【化4】
【0013】
(式中、R1 及びR2 は式(I)と同義である)
【0014】
で示されるN−アセチルフェニルグリシン類をニッケル触媒の存在下、核水素化することを特徴とするN−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法にあり、好ましくはこの反応の際、ニッケル触媒としてラネーニッケルを用いること、或いは溶媒として1当量以上の塩基を用いることを特徴とするN−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法にある。
なお、N−アセチルフェニルグリシン類のラネーニッケル触媒を用いた核水素化によるN−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法については、これまで知られていない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法を詳細に説明する。
本発明で用いられる一般式(II)で示されるN−アセチルフェニルグリシン類とは、アミノ基を一個のアセチル基の他に保護したN−保護フェニルグリシン、又はカルボキシル基をエステル保護したエステル化N−アセチルフェニルグリシン、又はアミノ基を一個のアセチル基の他に保護し且つカルボキシル基を保護したエステル化N−保護フェニルグリシンを表す。また、これら保護基を導入しないN−アセチルフェニルグリシン自身も用いることができる。N−保護基としては通常のアミノ基保護に用いられるものであれば制限を受けず、第三ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルカルボニル基、アセチル基、ホルミル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、o−ニトロフェニルアセチル基、フタロイル基等が例示できる。
【0016】
カルボキシル基保護基としてはやはり通常のカルボン酸エステルとして用いられるものであればよく、例えばエチルエステル、メチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、シクロヘキシルエステル、フェニルエステル、トリルエステル、キシリルエステル、ナフチルエステル等が例示できる。更に、N−保護基としてベンジルオキシカルボニル基等、カルボキシル基保護基としてベンジルエステル等の還元により脱保護される保護基にも適用可能であるが、この場合は脱保護された生成物を与える。なお、保護されたN−フェニルグリシンは公知の製造方法を用いることにより容易に合成することができる。
【0017】
本発明で用いられるニッケル触媒とは、ニッケルを活性成分とする触媒であって、且つN−アセチルフェニルグリシンのベンゼン核を核水素化し得る性能を有する触媒を指す。かかるニッケル触媒の具体例としては、例えば還元ニッケル触媒、酸化ニッケル触媒、担体つきニッケル触媒、ラネーニッケル、漆原ニッケル、分解ニッケル触媒等が挙げられる。これらの中、ラネーニッケルが好ましい。
【0018】
本発明で用いられるラネーニッケル触媒とは、アルミニウムリッチなAl/Niプリカーサーアロイをアルカリ浸出することによって得られるものであり、その浸出は合金中からアルミニウムの殆んど全てを取り除く作用を有するのが普通である。完成された触媒は、比表面積が大きいこと及び残留アルミニウム含量が可変であることを特徴とする微細なニッケルクリスタライトの凝集物をいう。従来、触媒の挙動を評価するのを可能にするパラメーターは、経時的な活性、選択性及び安定性である。
これらの性質をラネーニッケル水素化触媒において最適にするため、それらに周期分類における遷移金属から選ぶ更なる金属元素(特に鉄、コバルト、クロム、モリブテン、ジルコニウム、タンタル又はチタン)をプロモーター又はドーピング剤として加えることも可能である。
【0019】
また、ラネーニッケルの調製方法については制限されるものではないが、例えば、ニッケル触媒金属とアルミニウム、亜鉛、珪素等の金属との合金からアルカリにより一部のアルミニウム、亜鉛、珪素等の金属を浸出させて活性化した触媒を用いる。ニッケル−アルミニウム合金を展開する方法としては、Adkinsらが提案した、W−1からW−7の方法のいずれを用いてもよい。W−1の展開は、115〜120℃で10時間以上、W−2の展開は、三段階に分けて行い、最終段階では、90〜95℃に保ち、所要時間は11時間である。W−3及びW−4は、それ以前の方法に比べて、著しく低い温度で、短時間に展開を行うことを特徴とする。いずれも50℃で50分の展開を行う。展開方法としては、W−2の方法で展開したものが好ましく、高い活性及び選択性が得られる。
またこれらのラネーニッケルの調製を行った市販展開ラネーを使用することも可能である。
また、ラネー触媒の使用量は、水素化の対象となるN−アセチルフェニルグリシン類の種類及び反応条件等により大きく異なるが、重量基準でN−アセチルフェニルグリシン類1部に対して、通常0.00005〜1部の範囲から適宜選択されるが、工業的見地からは、0.0001〜0.3部の範囲が好ましい。
【0020】
本発明の水素化反応は、水素化の対象となるN−アセチルフェニルグリシン類の種類及び反応条件によっては無溶媒で行うこともできるが、目的とする反応に対し最適な溶媒を選定することにより選択性の向上が図れる点及び反応時間を短縮できる点から溶媒中で行うことが好ましい。
ここで用いる溶媒は、特に限定されるものではないが、水、二重結合を持たない炭化水素、エーテル類、アルコール類及びハロゲン化炭化水素の中から適宜選択することができる。具体例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、ジクロロメタン、トリクロロエタンが挙げられ、中でも、メタノール及び水が好ましい。特に反応速度、選択性に優れる点で、水が好ましい。
【0021】
使用するN−アセチルフェニルグリシン類がカルボキシル基保護基を有さない場合、原料に対して等モル以上の塩基を共存させることにより更に好ましい結果が得られる。使用する塩基としては、特に制限を受けないが、これら塩基を例示すると、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩及びカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等の無機塩基、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジイソプロピルメチルアミン、イミダゾール、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基が挙げられる。これら塩基と使用する溶媒との組み合わせも特に制限がなく任意であるが、特に水溶媒を使用した場合、反応速度、選択性に優れた効果が得られる。
溶媒を用いる場合、溶媒の使用量には特に制限はないが、重量基準で、N−アセチルフェニルグリシン類1部に対して0.05〜100部、好ましくは0.1〜50部の範囲が好ましい。
【0022】
当該反応に用いる水素は、通常工業的に用いられているものであればいずれのものでもよいが、不純物の一酸化炭素が少ない方が触媒活性が優れたものとなる。従って、水素中の一酸化炭素の含有量は2%以下であることが好ましい。反応時の水素圧は特に制限はないが、低圧では反応に必要以上の長い時間を要し、また高圧では水素原単位が高くなるため、1〜300kg/cm2 の範囲が好ましく、更には10〜200kg/cm2 の範囲とすることが好ましい。
当該反応における反応温度は、水素化の対象となるN−アセチルフェニルグリシン類の種類、反応条件及び反応時間により大きく異なり、0〜300℃の範囲で適宜選定すればよいが、選択性及び反応速度の向上の点から、50〜250℃の範囲が好ましく、特に100〜210℃の範囲が選択性が一層向上し好ましい。
本製造方法によれば、反応時間は、水素化の対象となるN−アセチルフェニルグリシン類の種類、触媒量及び他の反応条件に依存し、一概には言えないが、通常0.5〜50時間である。
【0023】
本発明方法により得られる核水素化物については、触媒を濾過等で除去した後、単に溶媒のみを除去したものでも純度の高い目的物とすることができるが、必要に応じて更に晶析等の常法により精製することができる。
以上のごとく、本製造方法によるとN−アセチルフェニルグリシン類の核水素化反応を行うことにより、容易に目的とするN−アセチルシクロヘキシルグリシン類を高い収率で得ることができ、安価な製造コスト及び設備コストを安価にすることができる。
加えて、当該ラネー触媒は、安価に得ることができるため触媒コストを抑えることができる点でも有利な方法である。
なお、反応設備としては、必要とされる水素圧に耐えるものであれば制限はなく、回分式、連続式のいずれの方法でもよい。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
N−アセチルフェニルグリシン1.2g(6.2mmol)及び、96%水酸化ナトリウム260mg(6.2mmol)を水20mlに溶解し、ラネーニッケル触媒0.36gを加え、水素圧力180kg/cm2 、150℃で5時間撹拌した。反応液をHPLCにより分析したところ還元は転化率95%、選択率96%で進行していた。反応終了後、セライトを通して反応混合物を濾過することによって、ラネーニッケル触媒を除去し、N−アセチルシクロヘキシルグリシンの水酸化ナトリウム水溶液を得た。得られた濾液を約半分量になるまで減圧下濃縮後、残留物に6規定塩酸水溶液2ml(12mmol)を加えると、N−アセチルシクロヘキシルグリシンの白色結晶が析出した。濾過後、粗生成物を水で晶析することによりN−アセチルシクロヘキシルグリシン1.0g(5.3mmol)が得られた。HPLC分析の結果、純度99%であった。(収率85%)
1H−NMR(CD3 OD)δ:1.09−1.40(m、5H)、1.26−1.90(m、6H)、2.01(s、3H)、4.30(d、1H)
【0025】
(実施例2)
N−アセチルフェニルグリシン1.2g(6.2mmol)及び、96%水酸化ナトリウム260mg(6.2mmol)を水20mlに溶解し、ラネーニッケル触媒0.12gを加え、水素圧力180kg/cm2 、170℃で5時間撹拌した。反応液をHPLCにより分析したところ還元は転化率76%、選択率98%で進行していた。反応終了後、セライトを通して反応混合物を濾過することによって、ラネーニッケル触媒を除去し、N−アセチルシクロヘキシルグリシンの水酸化ナトリウム水溶液を得た。得られた濾液を約半分量になるまで減圧下濃縮後、残留物に6規定塩酸水溶液1ml(6mmol)を加えると、N−アセチルシクロヘキシルグリシンの白色結晶が析出した。濾過後、粗生成物を水で晶析することによりN−アセチルシクロヘキシルグリシン0.84g(4.2mmol)が得られた。HPLC分析の結果、純度99%であった。(収率68%)
【0026】
(比較例1)
N−アセチルフェニルグリシン1.2g(6.2mmol)及び、ジクロロビス(シクロオクタジエニル)ロジウムを還元することにより調製した(J.Org.Chem.,1993,48,13参照)ロジウムブラック30mg(0.3mmol)を15mlメタノール溶液に溶解後、水素圧力50kg/cm2 、100℃で3時間撹拌した。反応液をHPLCにより分析したところ還元は転化率79%、選択率80%で進行していた。反応終了後、セライトを通して反応混合物を濾過することにより、ロジウムブラック触媒を除去し、N−アセチルシクロヘキシルグリシンのメタノール溶液を得た。得られた濾液を減圧下濃縮後、粗生成物を水で晶析することによりN−アセチルシクロヘキシルグリシン0.70g(3.3mmol)が得られた。HPLC分析の結果、純度95%であった。(収率54%)
【0027】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、各種医農薬中間体に有用なN−アセチルフェニルグリシン類をラネーニッケル触媒の存在下核水素化反応させることにより、収率よく安価にN−アセチルシクロヘキシルグリシン類を製造することができ、工業的製造方法として優れている。
Claims (3)
- ニッケル触媒がラネーニッケルであることを特徴とする請求項1に記載のN−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法。
- 反応溶媒として、1当量以上の塩基を含む水を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のN−アセチルシクロヘキシルグリシン類の製造方法。
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