JP2000178024A - 製紙スラッジを利用した軽質炭酸カルシウムおよびその製法 - Google Patents

製紙スラッジを利用した軽質炭酸カルシウムおよびその製法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】古紙リサイクル工程で廃棄物として排出される
製紙スラッジを利用して、白色度、不透明度が高く、低
摩耗性のPCCを提供する。 【解決手段】古紙リサイクル工程において脱パルプ、脱
墨後に得られる製紙スラッジを熱処理する。この熱処理
を特定の条件で行い或いは熱処理後分級することにより
高硬度或いは粒子径の大きな粒子を除去した焼成物を得
る。これを水酸化カルシウム含有水性懸濁液中に混合
し、常温よりも高い温度で熟成する。次いで水性懸濁液
に二酸化炭素または二酸化炭素含有ガスを通して炭酸化
し、軽質炭酸カルシウムを製造する。炭酸化に先立って
所定の熟成工程を経ることにより嵩高く、不透明度の高
い軽質炭酸カルシウムが得られる。この炭酸カルシウム
を填料或いは顔料として用いた紙は、通常の炭酸カルシ
ウムを用いた紙に劣らない性能を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、製紙スラッジを
利用した軽質炭酸カルシウムとその製法に関し、特に製
紙用充填材として好適な軽質炭酸カルシウムに関する。
【0002】
【従来の技術】古紙リサイクル工程において、古紙懸濁
液スラリーからパルプを取り出した後の廃液にはインク
粒子に加え、カオリンクレー、炭酸カルシウムなどの無
機充填剤および無機顔料粒子をかなりの比率で含んでい
る。従来は、これら汚泥を脱水処理して製紙スラッジと
し、さらに焼却処理し、セメント原料や炉の保温材とし
て利用するか埋立処理していた。
【0003】近年、環境保全、リサイクルの観点から、
古紙リサイクル過程で排出される製紙スラッジを再利用
することが提案されている。その一つとして特開平10-2
9818号には、古紙の脱インキプラントの排出物から得ら
れた製紙スラッジを熱処理後炭酸カルシウムとして再利
用する方法が提案されている。この方法では、製紙スラ
ッジを比較的低い温度(600〜800℃)で熱処理し、得ら
れた生成物を水性溶媒中に再懸濁し、酸処理後、二酸化
炭素含有ガスを通すことにより、溶出したカルシウム分
の炭酸化を行う。この再生炭酸カルシウムは製紙用の充
填材として再利用できることが記載されている。
【0004】一方、米国特許5,759,258号には、脱墨残
渣を高温(850〜1000℃)で焼却することによりゲーレ
ナイト(Ca2Al2SiO7)を含む焼成灰を生成し、これを軽
質炭酸カルシウム(以下、PCCという)製造工程におけ
る消石灰懸濁液中に混合して炭酸化反応を行い、ゲーレ
ナイトを核とするPCCを製造する方法が提案されてい
る。
【0005】しかし上述した従来方法には次のような問
題がある。まず製紙スラッジを熱処理して得られた生成
物を製紙用の充填材として再利用する方法では、製紙ス
ラッジの熱処理時に、炭素質材料や製紙スラッジ中に含
まれる重金属に起因する暗色の生成物が発生し、さらに
燃焼しても最終的に得られる生成物は製紙用充填材、と
くに上質紙の充填材として必要な白色度が得られない。
【0006】また米国特許5,759,258号に記載された方
法では、原料の脱墨残渣に含まれるミネラルの種類や量
が様々である製紙スラッジを用いた場合には得られるPC
Cの物性にバラツキを生じる。また製紙スラッジを高温
焼成することによって生成されるゲーレナイトは、硬度
が高いため、これを核とするPCCは製紙工程において抄
紙用のプラスチックワイヤの損傷を早める。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、製紙
スラッジを利用したPCCであって白色度、不透明度が高
く、低摩耗性のPCCを提供することを目的とする。また
本発明は、種々のミネラル分を含む製紙スラッジであっ
ても常に良好な品質のPCCを製造することができるPCC製
造方法を提供することを目的とする。更に本発明は製紙
スラッジを再利用した紙であって、通常の紙に劣らない
性能を有する紙を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明者らは、PCC製造における製紙スラッジ焼成物の利用
方法について鋭意研究した結果、水酸化カルシウム含有
懸濁液に二酸化炭素ガス或いは二酸化炭素含有ガスを通
して炭酸化する前に、製紙スラッジ焼成物を添加して常
温より高い温度で所定の時間熟成することにより、通常
のPCCに劣らない白色度を有し、嵩高いPCCが得られるこ
とを見出し本発明に至ったものである。
【0009】即ち本発明のPCCの製造方法は、古紙リサ
イクル工程において脱パルプ、脱墨後に得られる製紙ス
ラッジを熱処理する熱処理工程と、前記熱処理工程で得
られた焼成物を、水酸化カルシウム含有水性懸濁液中に
混合し、常温よりも高い温度に保つ熟成工程と、前記水
性懸濁液に二酸化炭素または二酸化炭素含有ガスを通す
炭酸化工程とを含む。
【0010】本発明のPCC製造方法によれば、製紙スラ
ッジ焼成物を水酸化カルシウム含有水性懸濁液中に混合
した後、一定の条件で熟成することにより、嵩高く、白
色度、不透明度の高いPCCを製造することができる。
【0011】これは次のような機序によるものと推定さ
れる。即ち、常温より高い温度で滞留させている間に焼
成物中のミネラル(カルシウム、アルミニウム、ケイ素
等)が水酸化カルシウムと反応し、カルシウムアルミノ
シリケートやアルミン酸カルシウムなどの結晶質または
非晶質の鉱物系の化合物又は加水化合物を生成する。こ
の生成過程で、製紙スラッジに含まれる微量の鉄やマン
ガンなどの重金属類或いはその化合物を取込み、炭酸化
工程に置いて炭酸カルシウムの結晶が成長するときにそ
の内部に固定する。これにより重金属化合物に起因する
着色がなく白色度の高い炭酸カルシウムを得ることがで
きる。しかもこの滞留時間に生成される加水化合物は、
製紙用スラッジを1000℃以上の高温で焼成したとき
に生成する高硬度のゲーレナイトとは異なり、水系の化
合物であって炭酸化工程で液のpHが中性程度まで下がる
とゲル化又は加水分解し、消失する。このため、結晶の
内部に空隙が生じ、空気が多く取込まれ嵩高く不透明度
の高い炭酸カルシウムが生成される。
【0012】以下、本発明のPCCの製造方法についてさ
らに詳述する。
【0013】本発明のPCCの製造方法において用いられ
る製紙スラッジは、古紙のリサイクル工程で、脱インク
し、パルプを取り出した後の残渣であり、主としてカオ
リン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク等の無機
填料、残留インク粒子、繊維、コーティング剤などの有
機系化合物および水を含んでいる。
【0014】本発明のPCC製造方法では、まずこのよう
な製紙スラッジを乾燥した後、熱処理する。熱処理は、
例えばロータリーキルン、流動床、流動、ストーカ、回
転炉等通常用いられている汚泥焼却炉を用いることがで
き、1つの工程で行ってもよく2以上の工程に分けて行
ってもよい。1回の工程で行う場合、熱処理温度は、製
紙スラッジ中に残留するインク粒子(主としてカーボ
ン)、繊維およびポリマー等の有機系化合物を燃焼する
のに十分な温度であり、好適には炭酸カルシウムが分解
しない条件(温度、時間)で焼成することが好ましい。
炭酸カルシウムの分解温度は約800℃であるので、好適
には550〜850℃、より好適には600〜780℃とする。熱処
理時間は特に限定されないが、通常0.1〜12時間程度と
する。
【0015】通常の汚泥焼却炉では、低NOX化のため
に空気比を理論量に近い量で燃焼しているためカーボン
の脱離が十分でない。そのような場合には、さらに燃焼
を行ってもよい。その場合、2度目の燃焼温度は炭酸カ
ルシウムが分解しない温度とすることが好ましい。
【0016】また熱処理は過剰空気の存在化で行う。こ
の場合、空気の供給により焼成温度が上述した範囲より
高くならないように温度を制御することが好ましい。熱
処理工程におけるこのような温度の制御は、炉に供給す
る空気の量を調節することにより行うことができる。
【0017】この熱処理工程により残留インク粒子、繊
維およびその他の有機化合物等が燃焼し、カオリン、炭
酸カルシウム、二酸化チタン、タルク等の無機填料・顔
料成分が焼成物として残る。熱処理温度を低く押えるこ
とにより、炭酸カルシウムの分解が抑制され、ゲーレナ
イト等のカルシウムアルミノシリケートの生成が抑制さ
れた焼成物を得ることができる。これにより最終生成物
として低硬度、低摩耗性のPCCを得ることができる。ま
た2段階に分けて熱処理することにより製紙スラッジ中
に残留するカーボンや繊維等を完全に燃焼、除去するこ
とができ、白色度の高い焼成物を得ることができる。
【0018】この熱処理後、次工程に先立って、焼成物
を粉砕し、さらに必要に応じて分級してもよい。粉砕は
乾式、湿式のいずれでもよく、乾式の場合、ケージミ
ル、ローラーミル、ジェットミル、振動ミル等を用いて
粉砕後、28〜625メッシュの振動篩、空気分級により分
級する。また湿式の場合には水を加えて水性懸濁液とし
た後、サンドミル、アトライター、振動ミル等を用いて
粉砕後、液体サイクロンおよび/又は篩により分級す
る。分級は、カットポイント45μ以下であることが好ま
しい。
【0019】このような分級工程を経ることにより、熱
処理工程で生成した高硬度粒子や粒径の大きな粒子を取
り除くことができる。これによりその後の炭酸化工程に
おいて粒度の揃った不透明度の高い低摩耗度のPCC粒子
を得ることができる。また炭酸化前に分級しておくこと
により、炭酸化後の分級にかかる負荷を低減することが
できる。
【0020】次に上記熱処理によって得られた焼成物或
いは分級後の焼成物を水酸化カルシウム含有水性懸濁液
中に混合する。水酸化カルシウム含有水性懸濁液(消石
灰懸濁液)は、消石灰を水と混合して調製するか、生石
灰(酸化カルシウム)を水で湿式消化させることにより
調製することができる。湿式消化は、例えばCaO濃度50
〜250g/リットル、好ましくは60〜200g/リットルで、温
度20〜100℃好ましくは40〜100℃およびスレーカーでの
平均滞留時間60分以内、好ましくは3〜30分という消化
条件下で、連続湿式型のスレーカーを用いて行うことが
好ましい。
【0021】消化用の水は通常の水道水、工業用水、地
下水、井戸水或いは次の炭酸化工程で生成される炭酸カ
ルシウム水性スラリーの分離脱水処理により得られる分
離水又はろ過処理により得られるろ水を用いることがで
きる。
【0022】混合工程は、上述のように調製した水酸化
カルシウム含有水性懸濁液に熱処理によって得られた焼
成物を加え、常温よりも高い温度、好適には50〜90℃、
より好適には60〜80℃で混合し、一定時間熟成した後、
炭酸化反応を行う。尚、水酸化カルシウム含有水性懸濁
液の調製方法として湿式消化を採用する場合には、生石
灰と上記焼成物を混合後に、若しくは、消和反応の進行
過程で焼成物を添加し、消化時の発熱反応を利用して消
化と熟成を同時に行ってもよい。
【0023】熟成のための滞留時間は、製紙スラッジに
含まれるカオリンの割合や滞留温度によって異なるが、
焼成物を添加した後、少なくとも20分、好適には30分以
上とする。例えばカオリン含有量が比較的高い場合や滞
留温度が高い場合(例えば、90℃)には30分程度でよ
く、カオリン含有量が比較的低い場合や滞留温度が低い
場合(例えば50℃)には60分以上必要となる。
【0024】このように混合時の温度を常温より高い温
度にするとともに所定の滞留時間を置くことにより、既
に述べたように焼成物中のミネラル(カルシウム、アル
ミニウム、ケイ素等)が反応し、カルシウムアルミノシ
リケートやアルミン酸カルシウムなどの結晶質または非
晶質の鉱物系の化合物又は加水化合物を生成し、この
際、製紙スラッジに含まれる微量の鉄やマンガンなどの
重金属類或いはその化合物が加水化合物中に取込まれる
と考えられる。これにより、最終的に不透明度、白色度
が高く、嵩高いPCCが得られる。
【0025】焼成物の量は、水性懸濁液に含有される水
酸化カルシウム(炭酸カルシウム換算量)との合計の1
〜100重量%とすることができる。焼成物と炭酸カルシ
ウム換算値との重量比で75:25以下、好適には50:50以
下、より好適には25:75以下とする。
【0026】上述のように焼成物を添加、混合し、所定
時間熟成した後、必要に応じて水酸化カルシウム濃度を
調整し、炭酸化を行う。炭酸化に好適な水酸化カルシウ
ム濃度は、通常約50〜200g/リットル、好適には約50〜
150g/リットルである。
【0027】炭酸化は通常のPCC製造工程と同様の方法
で行うことができる。即ち、焼成物混合後のスラリー
に、二酸化炭素ガス或いは二酸化炭素含有ガスを吹込
む。炭酸化に用いるガスは、工業的には二酸化炭素含有
ガスが好ましく、この場合、二酸化炭素濃度5〜40容量
%、好適には10〜35容量%の二酸化炭素含有ガスを用い
る。また例えば石灰石焼成排ガス、石灰焼成排ガス、ゴ
ミ焼却排ガス、発電ボイラー排ガス、或いはパルプ製造
工程で用いられる苛性化タンカル焼成キルン等から排出
される排ガスなどを適当な手段で除塵後、用いてもよ
い。
【0028】二酸化炭素ガス或いは二酸化炭素含有ガス
を吹込む割合は、二酸化炭素ガスとして消石灰1kg当り
毎分1〜15リットル、好適には毎分2〜12リットルの割合
で吹込む。反応開始温度は好適には30〜80℃、より好適
には40〜70℃とする。また炭酸化工程において所望の形
状の結晶を得るために種晶を添加してもよいが、本発明
においては製紙スラッジの焼成物が種晶として機能する
ので、種晶を別途添加することは必須ではない。
【0029】炭酸化後のスラリーを振動篩等の篩でろ過
することにより本発明のPCCを得ることができる。この
場合、篩によるろ過に先立って、液体サイクロンを用い
た分級を行うことが好ましい。液体サイクロンによる分
級を行うことにより、篩の目詰りを防止することができ
る。また液体サイクロンによる分級と振動篩を組合せて
行うことにより、PCC中のα-クォーツ等のSiを含む硬質
粒子や粗大粒子を除去することができ、その結果PCCを
製紙用の填料として用いた場合に抄紙用ワイヤーの摩耗
を低減することができる。
【0030】尚、本発明の熱処理工程後に焼成物の分級
を行った場合、特に液体サイクロンで行った場合には、
炭酸化後工程として行う分級の負荷が少なく、例えばカ
ットポイント20μm以上の液体サイクロンによる1段階
の分級のみでもよい。炭酸化後得られるPCCの粒径が比
較的大きい場合や粒径分布が広い場合には、複数段階で
分級することが好ましい。これにより液体サイクロンの
摩耗を防止し、交換頻度を少なくすることができる。例
えば2段階で分級する場合、第1段階ではカットポイン
トが40〜50μmの2液分離型サイクロンで40〜50μm以
上の粒子を取り除き、更に第3段階でカットポイントが
20μmの2液分離型サイクロンで20μm以上の粒子を取
り除く。
【0031】このような方法によって製造した本発明の
PCCは、紡錘状、偏三角面体状或いは柱状の粒子であ
り、白色度および不透明度が高く、硬度が低い。また本
発明のPCCは嵩高いため、少量でも填料としての効果を
得ることができる。本発明のPCCは、製紙用の填料或い
は顔料として、またゴム、プラスチック、塗料、インキ
等のフィラーとして用いることができ、高い白色度と隠
蔽性を付与することができる。
【0032】次に本発明のPCCの製紙用填料或いは顔料
への適用について説明する。
【0033】本発明のPCCは、単独で或いは通常のPCC、
カオリンクレー、タルク、二酸化チタン、サチンホワイ
ト等の填料と混合して製紙用の内填料或いは塗被料とし
て用いることができる。本発明のPCC以外の填料は、填
料の合計量に対して5〜95重量%、好適には10〜90重量
%添加される。
【0034】本発明のPCCを用いて内填紙を製造する方
法は、通常の内填紙の製造方法と同様であり、例えば本
発明のPCCと必要に応じて他の填料を含む炭酸カルシウ
ム含有スラリー中にパルプ原料、紙力増強剤、サイズ
剤、歩留り向上剤等の添加剤を加え、抄紙することによ
り得られる。パルプ原料に対する填料添加率は、1〜50
重量%、好適には5〜40重量%とする。
【0035】紙料スラリーに添加する添加剤としては公
知のものを用いることができ、例えば紙力増強剤として
は澱粉類、植物性ガム、水性セルロース誘導体、ケイ酸
ソーダ等が、サイズ剤としてはロジン、澱粉、CMC
(カルボキシルメチルセルロース)、ポリビニルアルコ
ール、アルキルケテンダイマー、ASA(アルケニル無
水こはく酸)、中性ロジン等が、また歩留り向上剤とし
てポリアクリルアミドおよび共重合体、ケイ酸ソーダ等
が挙げられる。更に必要に応じて染料、顔料等の色料を
添加してもよい。
【0036】これら添加剤を添加、混合し紙料を公知の
抄造器具で抄造することにより内填紙を製造することが
できる。坪料は特に限定されないが、通常10〜300g/m2
程度とする。
【0037】本発明のPCCを用いて塗工紙を製造する方
法は、通常の塗工紙の製造方法と同様であり、例えば本
発明のPCCと、必要に応じて他の顔料及び添加剤を分散
剤とともに混合して塗被料を調整し、これを中質紙、上
質紙等の紙材上に塗布することにより得られる。添加剤
および分散剤としては公知のものが用いられ、例えば添
加剤としては染料、カゼインや澱粉などの接着剤、植物
性或いは動物性ロウなどのつや出し剤、潤滑剤等が挙げ
られる。分散剤としてはケイ酸ソーダ、ヘキサメタリン
酸ソーダ、ポリアクリル酸ソーダ等が挙げられる。
【0038】塗工は、塗被量に応じて、エアーナイフ、
ブレード、ゲートロール、ロッド、バー、キャスト、グ
ラビア、カーテン等の公知の塗工機(コーター)で行う
ことができる。塗布量は通常数〜数10g/m2程度であ
る。
【0039】上述した本発明の内填紙或いは塗工紙は、
内填剤或いは塗工用顔料として通常の軽質炭酸カルシウ
ムを用いた紙と比べても遜色のない白色度、不透明度、
印刷適性を有する。また本発明の内填紙は、填量として
嵩高いPCCを用いているので嵩高い(紙中の空隙が多
い)内填紙とすることができ、これにより光の散乱が増
し、紙の不透明度が向上する。またカレンダー処理によ
っても不透明度の低下が少ないので処理の効果がでやす
い。更に抄紙の際にワイヤー摩耗を低減することができ
る。
【0040】本発明の塗工紙は、嵩高く、不透明度の高
いPCCを含む塗工層を有しているので、優れた隠蔽効果
を有し、カレンダー処理したときに不透明度を落とすこ
となく光沢が得られる。特に脱インクパルプ、グランド
パルプ、メカニカルパルプ等のパルプを含有した中質紙
を基材とするものでは、基材の白色度が低いため、白色
度と不透明度(隠蔽性)の両方に優れた填料或いは顔料
を必要とするので、このような中質紙を基材とする塗工
紙として本発明の塗工紙は好適である。
【0041】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 実施例1 製紙スラッジを流動床炉で約1000℃で焼成後、バイブロ
ーミル(安川電気製)で乾式粉砕を行った。一方、1000
リットルの水(導電率0.05mS/cm)に、生石灰85kg
を入れ、105g/リットルの濃度の水酸化カルシウム水性
スラリー(消石灰ミルク)を得た。このスラリーに乾式
粉砕した焼成物(以下、PS灰という)を添加し、混合撹
拌後、カットポイント45μmの2液分離型の液体サイク
ロンで2液に分離した。このときの消石灰ミルクとPS灰
の混合割合は、PS灰と水酸化カルシウム(炭酸カルシウ
ム換算)の混合比(重量比)で25:75となるように
調整した。
【0042】液体サイクロンのトップから排出された消
石灰ミルク(濃度90g/リットル)のスラリーを80℃
で、60分撹拌を続けて熟成した。次いでこの混合スラ
リー300リットルを半回分式反応器に仕込み、50℃
に調整した後、二酸化炭素濃度30容量%のガスを、水
酸化カルシウム1kg当り100容量%二酸化炭素換算で
5Nリットル/分の割合で吹込み、炭酸化率が100%に
なるまで反応させて炭酸カルシウム水性懸濁液を得た。
この水性懸濁液を325メッシュ振動篩でろ過した後、
濃縮しPCCスラリーを得た。
【0043】得られたPCCはSEM写真よりデジマチックノ
ギスで粒径を測定したところ、平均長径1.3μm、平均
短径0.5μmの紡錘状粒子であることが認められた。ま
たPS灰及び最終生成物であるPCCの白色度を日本軽微性
炭酸カルシウム工業組合試験方法(JPCS-102-87)に基
づき測定した。またワイヤー摩耗度はプラスチックワイ
ヤ(OS-60、平織)を用いて摩耗試験機(日本フィルコ
ン社製)によりスラリー濃度2重量%、測定時間3時間
の測定条件で測定した。結果を表1に示す。尚、参考例
1として純粋なPCC(TP-121SA:奥多摩工業社製)の白
色度及びワイヤー摩耗度の測定値を併せて示した。
【0044】実施例2 実施例1と同様に乾式粉砕した後のPS灰を、実施例1と
同様に調製した消石灰ミルク)に添加し、混合した。こ
の実施例でも消石灰ミルクとPS灰の混合割合は、PS灰と
水酸化カルシウム(炭酸カルシウム換算)の混合比(重
量比)で25:75となるように調整した。このスラリ
ーをカットポイント45μmの2液分離型の液体サイクロ
ンで2液に分離し、さらにトップから排出された水性懸
濁液をカットポインロト20μmの2液分離型の液体サイ
クロンで2液に分離し、濃度80g/リットルの消石灰ミル
クを得た。
【0045】このように二段階で分級した消石灰ミルク
を、実施例1と同様に80℃で60分撹拌を続けて熟成した
後、実施例1と同様に炭酸化反応を行い、炭酸カルシウ
ム水性懸濁液を得た。この水性懸濁液をカットポイント
が20μmの2液分離型の液体サイクロンで分離し、その
トップから炭酸カルシウム水性懸濁液を得た。これを3
25メッシュ振動篩でろ過した後、濃縮した。
【0046】得られたPCCについても実施例1と同様に
白色度およびワイヤー摩耗度を測定した。結果を表1に
示す。
【0047】比較例1 実施例1と同様に乾式粉砕した後のPS灰を、実施例1と
同様に調製した消石灰ミルク)に添加し、混合した。こ
の場合も消石灰ミルクとPS灰の混合割合は、PS灰と水酸
化カルシウム(炭酸カルシウム換算)の混合比(重量
比)で25:75となるように調整した。このスラリー
を、カットポイント45μmの2液分離型の液体サイクロ
ンで2液に分離し、濃度90g/リットルの消石灰ミルクを
得た。
【0048】次いで熟成時間を置くことなく、炭酸化反
応を行った。炭酸化反応の条件は実施例1と同じとし
た。得られた炭酸カルシウム水性懸濁液を325メッシュ
振動篩でろ過した後、濃縮しPCCスラリーを得た。
【0049】得られたPCCの白色度(JPCS-102-87)及び
ワイヤー摩耗度を測定した。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果からも明らかなように、PS灰を
消石灰ミルクに混合後、所定の熟成工程を経ることによ
り白色度が高く、ワイヤー摩耗度の低いPCCを得ること
ができた。特に焼成後に2段階の分級を行ったもの(実
施例2)は、ワイヤー摩耗度が大幅に低減した。
【0052】実施例3 製紙スラッジを流動床炉で約1000℃で焼成して得られた
PS灰を更に十分な空気の存在下、600℃で2時間焼成
した。これを実施例1と同様に乾式粉砕を行った後、実
施例1と同様に調製した消石灰ミルクに添加し、混合撹
拌後、カットポイント45μmの2液分離型の液体サイク
ロンで2液に分離した。ここでも消石灰ミルクと焼成灰
の混合割合は、焼成灰と水酸化カルシウム(炭酸カルシ
ウム換算)の混合比(重量比)で25:75となるよう
に調整した。
【0053】液体サイクロンのトップから排出された消
石灰ミルク(濃度90g/リットル)のスラリーを80℃で
60分間撹拌を続けて熟成した後、実施例と同様に炭酸
化反応を行い、炭酸カルシウム水性懸濁液を得た。得ら
れた炭酸カルシウム水性懸濁液を325メッシュ振動篩で
ろ過した後、濃縮した。
【0054】得られたPCCの白色度(JPCS-102-87)を測
定したところ、表1に示すように白色度が向上した。こ
れは2段階の焼成を行うことにより、残留カーボンが更
に燃焼し除去されたためと考えられる。
【0055】実施例4 乾燥前の製紙スラッジを120℃で24時間乾燥した
後、過剰空気の下、600℃で2時間焼成し、焼成物
(PS600)を得た。これを実施例1と同様に乾式粉砕を
行った後、実施例1と同様に調製した消石灰ミルクに撹
拌しながら加え、80℃に調整し、60分撹拌を続けて
熟成した。混合比は、焼成物(PS600)と水酸化カルシ
ウム(炭酸カルシウム換算)の混合比が重量比25:7
5となるようにした。
【0056】次いでこのスラリー300リットルを半回
分式反応器に仕込み、50℃に調整した後、二酸化炭素
濃度30容量%のガスを、水酸化カルシウム1kg当り1
00容量%二酸化炭素換算で5Nリットル/分の割合で吹
込み、炭酸化率が100%になるまで反応させて炭酸カ
ルシウム水性懸濁液を得た。この水性懸濁液を325メ
ッシュ振動篩でろ過した後、濃縮してPCCスラリーを得
た。
【0057】得られたPCCはSEM写真よりデジマチックノ
ギスで粒径を測定したところ、平均長径1.2μm、平均
短径0.45μmの紡錘状粒子であることが認められた。こ
の粒子の白色度(JPCS-102-87)及びワイヤー摩耗度を
測定した。結果を表1に示す。
【0058】表1に示す結果からも明らかなように、焼
成時の温度を炭酸カルシウム分解温度以下に抑えること
により、より白色度が高くワイヤー摩耗度の低いPCCが
得られた。
【0059】実施例5および実施例6 製紙スラッジの焼成物を水酸化カルシウム懸濁液に混合
する際の混合比(PS灰:炭酸カルシウム)を重量比5
0:50(実施例5)、0:100(実施例6)と変化
させて、その他は実施例1と全く同様にしてPCCを製造
した。これらの白色度を測定した結果、実施例5のPCC
は73.2%、実施例6のPCCは57.7%であった。実施例
1、5及び6の結果から明らかなように、PCCの白色度
はPS灰と水酸化カルシウムとの混合比とほぼ直線的な関
係を有し、製紙用填料として実用的な白色度を得るため
には、PS灰と水酸化カルシウム懸濁液との混合比は、PS
灰:水酸化カルシウム懸濁液の炭酸カルシウム換算値が
50:50以下が好ましいことがわかった。
【0060】応用例1 [内填紙]実施例1、3、4および比較例1で得たPS灰
含有紡錘状軽質炭酸カルシウム水性スラリーをフィルタ
ープレスでろ過脱水を行い、固形分濃度40重量%の脱水
ケーキを得、コーレスミキサーにて水を添加後、脱水ケ
ーキを溶解し、固形分濃度20〜21重量%、粘度150〜450
cPの炭酸カルシウム水性スラリーを得た。
【0061】このスラリーを適当に希釈して、填料添加
率がパルプに対し20%となるように下記処方のパルプ原
料および添加剤を混合し、紙料スラリーを得た。尚、下
記処方において重量部は乾燥重量に基づくものである。
【0062】 広業樹クラフトパルプ(410csf) 100重量部 紙力増強剤(カチオン化コーンスターチ) (日本エヌエヌシー社製:CATO F) 0.5重量部 中性サイズ剤(アルキルケテンタ゛イマー) (日本PMC社製:AS-261) 0.2重量部 歩留まり向上剤(ホ゜リアクリルアミト゛) (協和産業社製:ハ゜ーコール47) 0.02重量部
【0063】これを坪量60g/m2で角形シートマシーンを
用いた手抄きにより抄造し、炭酸カルシウム内填紙を得
た。この内填紙の物性を表2に示す。
【0064】
【表2】 尚、表2の物性はそれぞれ下記に示すようにJISの試験
方法に準拠して測定した。
【0065】灰分 :JIS P8128 白色度 :JIS P8123 不透明度:JIS P8136 引張強度:JIS P8113 表2に示す結果から明らかなように、実施例1、3、4
で得られたPCCを用いて製造した内填紙は、PCCが嵩高い
ため、比較例1のPCCを用いた内填紙と比べ、紙厚が厚
く不透明度が高かった。
【0066】[応用例2]実施例1、3、4及び比較例
1で得たPS灰含有紡錘状軽質炭酸カルシウム水性スラリ
ーをフィルタープレスでろ過脱水を行い、固形分濃度55
重量%の脱水ケーキを得、その後、高圧削搾型ベルトプ
レスで圧縮脱水を2回行い、固形分濃度72重量%の脱水
ケーキを得た。得られた脱水ケーキにポリアクリル酸ソ
ーダ系の分散剤(SNディスパーサント5034:サンノプコ
社製)を炭酸カルシウムに対し、固形分換算で1.0重量
%添加し、コーレスミキサー(6400rpm、周速25m/s)で
5分間一次分散を行い、固形分濃度71.0重量%の炭酸カ
ルシウム水性スラリーを得た。
【0067】上記で得た一次分散スラリーを7.5kwのモ
ーターを備えた連続式サンドミル(サンドグラインダー
SLG 1/2G型:ヴィッセル容量2L、ピン付きディスク:ディ
スク周速10m/s、アイメックス社製)でNa2O-CaO-SiO2
ガラスビーズ(比重2.50)を用いて二次分散を行い、固
形分濃度70〜71重量%の炭酸カルシウム水性スラリーを
得た。その二次分散スラリーの物性の測定結果を表3に
示す。尚、参考例2として純粋なPCCを用いて同様に調
製した二次分散スラリー(TP-221GS:奥多摩工業社製)
の物性値を併せて示した。
【0068】
【表3】 尚、各物性はそれぞれ下記のように測定した。 (1) 粘度:ブルックスフィールド型(B型)粘度計60rpm
(25℃)で測定した。 (2) 高速せん断粘度:熊谷理機工業社製のHi-Shear Vis
cometer Hercules型モデルHR−801Cを用い、カップはF
ボブを用い、4400rpmで測定した。 (3) 同形分濃度:赤外線水分計(Mettler LP-16型:メ
トラー社製)を用い105℃で乾燥したものである。 (4) メディアン径:レーザー式粒度分布測定計(商品
名:マイクロトラックSPAII型、日機装社製)で測定し
た平均径である。
【0069】次にこのスラリーを顔料組成物として用
い、下記処方の塗工カラー(固形分濃度55重量%)を調
製した。
【0070】 二次分散スラリー 100重量部 スターチ(日本食品加工社製:#4600) 7重量部 SBR(日本合成ゴム社製:JSR0692) 13重量部 潤滑剤(ステアリン酸カルシウム:ノプコートC104) 1.5重量部 水 アンモニア水(pH調整用)
【0071】この塗工カラーを市販の上質紙(坪量54g/
m2)にコーティングロッドで手塗りにて塗工を行い、10
5℃で2分乾燥後、24時間調湿を行い、スーパーカレン
ダー処理(線圧:100kg/cm、処理温度:55℃、処理速度:8
m/分、ニップ回数:3回)を行い塗工紙を得た。この塗工
紙の紙質試験の結果を表4に示す。
【0072】
【表4】 尚、表4の物性はそれぞれ下記に示すようにJISの試験
方法に準拠して測定した。
【0073】白色度 :JIS P8123 不透明度:JIS P8136 白紙光沢度:JIS P8142 印刷光沢度:インクとしてTKUG-ロ 0.4mlを用いて、JIS
P8142に準拠して測定RI強度(ドライピック):RI-2印刷
適正試験機を用い、50回印刷後の上の剥け状態を目視に
て5〜1(数値の高いものほど良好)の5段階で評価 RI強度(ウエットピック):湿し水で濡らした後、印刷
を行い、紙の剥け状態を目視にて5〜1(数値の高いもの
ほど良好)の5段階で評価 K&Nインク受理性:JAPAN TAPPI No.46に準拠してそれぞ
れ測定 インクセット性:印刷後のインクの転写をハンター白色
度計により測定
【0074】表4に示す結果からも明らかなように各実
施例のPCCを用いて製造した塗工紙は、比較例のPCCを用
いた塗工紙に比べ優れた白色度、不透明度、光沢度等の
物性を示し、特に優れた不透明度を有し隠蔽性が優れて
いることが示された。またRI強度やインク受理性等の印
刷適性についても優れた性能を示し、塗工紙の顔料とし
て実用的な性能を備えていることが示された。
【0075】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように本発
明によれば、製紙用スラッジを利用して実用的且つ高品
質の軽質炭酸カルシウムを提供することができる。特に
本発明の製造方法によって製造された軽質炭酸カルシウ
ムは、嵩高く不透明度が高いので製紙用填料或いは顔料
として有用であり、これを用いた内填紙或いは塗工紙は
通常のPCCを用いたものと殆ど変らない特性を有してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D059 AA30 BB02 BB13 BB14 BK11 CC07 DA05 DA37 EB16 4G076 AA16 AB06 AB28 AC01 AC04 BA34 BA42 BA45 BD02 CA22 DA02 4L055 AG12 AG47 AG63 AG76 AH01 AH02 AJ04 BG04 EA20 EA24 FA12 GA19

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】古紙リサイクル工程において脱パルプ、脱
    墨後に得られる製紙スラッジを熱処理する熱処理工程
    と、 前記熱処理工程で得られた焼成物を、水酸化カルシウム
    含有水性懸濁液中に混合し、常温よりも高い温度で熟成
    する熟成工程と、 前記水性懸濁液に二酸化炭素または二酸化炭素含有ガス
    を通す炭酸化工程とを含むことを特徴とする軽質炭酸カ
    ルシウムの製造方法。
  2. 【請求項2】前記熟成工程における滞留時間は30分以
    上であることを特徴とする請求項1記載の軽質炭酸カル
    シウムの製造方法。
  3. 【請求項3】前記熱処理工程は、炭酸カルシウム分解温
    度以下の温度で、過剰空気で行うことを特徴とする請求
    項1又は2記載の軽質炭酸カルシウムの製造方法。
  4. 【請求項4】前記熱処理工程は、前記製紙スラッジを8
    00℃以上の高温で焼成する第1の工程と、第1の工程
    で得られた焼成物を炭酸カルシウム分解温度以下の温度
    で、過剰空気で熱処理する第2の工程とを含むことを特
    徴とする請求項1又は2記載の軽質炭酸カルシウムの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記熱処理工程後、前記焼成物を粉砕
    し、分級する分級工程を含むことを特徴とする請求項1
    ないし4のいずれか1項記載の軽質炭酸カルシウムの製
    造方法。
  6. 【請求項6】古紙リサイクル工程において脱パルプ、脱
    墨後に得られる製紙スラッジを熱処理する熱処理工程
    と、 前記焼成物を、常温よりも高い温度の水酸化カルシウム
    含有水性懸濁液中に混合する工程と、 前記熱処理後の焼成物或いはそれを水酸化カルシウム含
    有水性懸濁液中に混合したものを分級する分級工程と、 前記水性懸濁液に二酸化炭素または二酸化炭素含有ガス
    を通す炭酸化工程とを含むことを特徴とする軽質炭酸カ
    ルシウムの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
    方法によって製造された軽質炭酸カルシウム。
  8. 【請求項8】請求項7記載の軽質炭酸カルシウムを填料
    として用いたことを特徴とする内填紙。
  9. 【請求項9】紙の少なくとも一方の面に1ないし複数の
    塗工層を設けてなる途工紙であって、前記塗工層は請求
    項7記載の軽質炭酸カルシウムを含むことを特徴とする
    塗工紙。
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