JP2000177309A - チューブレスタイヤ - Google Patents

チューブレスタイヤ

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JP2000177309A
JP2000177309A JP10356506A JP35650698A JP2000177309A JP 2000177309 A JP2000177309 A JP 2000177309A JP 10356506 A JP10356506 A JP 10356506A JP 35650698 A JP35650698 A JP 35650698A JP 2000177309 A JP2000177309 A JP 2000177309A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操縦安定性と乗り心地性とをバランス良く高
めかつ耐久性を向上しながら軽量化を達成する。 【解決手段】 カーカスプライ6Aのトッピングゴム1
1は、タイヤ内腔面Sをなす内側トッピング部11iの
みを、ブチル系ゴムから形成する。プライ本体部6aの
カーカスコード10Aとタイヤ内腔面Sとの間のゴム厚
さTiは0.3〜0.8mmである。プライ折返し部6
bとビードエーペックスゴム8との間にビード補強コー
ド層9を具え、該ビード補強コード層9の外方端Psの
高さHsは、ビードエーペックスゴム8の外方端Paの
Haより大かつプライ折返し部6bの外方端Ptの高さ
Htより小としている。前記外方端Pa、Ps間の第1
領域Y1におけるプライ折返し部6bとビード補強コー
ド層9とのコード間ゴム厚さT1は0.2〜0.5m
m、かつ前記外方端Ps、Pt間の第2領域Y2におけ
るプライ本体部6aとプライ折返し部6bとのコード間
ゴム厚さT2は0.3〜0.8mmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性、操縦安定
性、乗り心地性などをバランス良く高めながら軽量化を
達成しうるチューブレスタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の強い省資源化、低燃費化の要望に
伴ない、チューブレスタイヤについてもさらなる軽量化
が望まれている。一般的なチューブレスタイヤは、内圧
空気の漏洩を防ぐために、カーカスのタイヤ内腔に向く
内面に、空気不透過性に優れるブチル系ゴムからなるイ
ンナーライナーが内貼りされているが、近年ではこのイ
ンナライナーを省略してタイヤ重量を軽量化する試みが
なされている。
【0003】例えば特開平8−113007号公報は、
カーカスプライにおいて、カーカスコードの両面を被覆
するトッピングゴムのうちタイヤ内腔側部分のトッピン
グゴムだけをブチルゴムで形成することを提案してい
る。このようなチューブレスタイヤは、カーカスプライ
がインナーライナーの機能を兼備するため、従来のイン
ナーライナーを排除でき軽量化が達成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ブチル
ゴムは、他のゴムとの接着強度に難点がある。このた
め、ブチルゴムをカーカスプライのトッピングゴムに用
いたタイヤは、走行中の歪が集中しやすいカーカスプラ
イの折返し端部にセパレーションなどが生じやすく耐久
性が低くなる。
【0005】またブチルゴムは、トッピングゴムとして
通常用いられるジエン系ゴムに比べて反発弾性が低くゴ
ム弾性体としての特性に劣る。その結果、このブチル系
ゴムをトッピングゴムとして使用した場合、タイヤとし
ての弾性及び剛性が損なわれ、操縦安定性と乗り心地性
とのバランスを悪化させるなど実車性能を低下させると
いう新たな問題が発生する。
【0006】そこで本発明は、以上のような問題点に鑑
み案出なされたもので、カーカスプライの内側トッピン
グ部のみをブチル系ゴムで形成するとともに、そのプラ
イ折返し端部とビードエーペックスゴムとの間にビード
補強コード層を所定の条件で配置することを基本とし
て、耐久性、操縦安定性、乗り心地性などをバランス良
く高めながら軽量化を達成しうるチューブレスタイヤを
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1のチューブレスタイヤの発明は、トレッド
部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに
至るプライ本体部と、このプライ本体部に連なり前記ビ
ードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返す
プライ折返し部とを一体に有するラジアル配列の1枚の
カーカスプライからなり、かつ前記プライ本体部により
タイヤ内腔面を形成するカーカス、このカーカスのプラ
イ本体部とプライ折返し部との間を通って前記ビードコ
アからタイヤ半径方向外方に先細状にのびるビードエー
ペックスゴム、及び前記ビードエーペックスゴムとプラ
イ折返し部との間に配されるビード補強コード層を具
え、前記カーカスプライは、カーカスコードを互いに平
行に配列したコード配列体とこのコード配列体の両面を
被覆するトッピングゴムとからなり、かつ前記トッピン
グゴムは、前記プライ本体部を形成する範囲に添設され
て前記タイヤ内腔面をなす内側トッピング部のみを、ゴ
ム基材100重量部中にブチルゴム又はその誘導体を1
0重量部以上含有するブチル系ゴムで形成するととも
に、 前記ビード補強コード層の半径方向外方端Psの
ビードベースラインからの高さHsは、前記ビードエー
ペックスゴムの半径方向外方端Paのビードベースライ
ンからの高さHaより大かつ前記プライ折返し部の半径
方向外方端Ptのビードベースラインからの高さHtよ
り小とし、 しかも前記プライ本体部のカーカスコード
とタイヤ内腔面との間のゴム厚さTiは0.3〜0.8
mmとする一方、前記外方端Pa、Ps間の第1領域Y
1において隣り合うプライ折返し部のカーカスコードと
ビード補強コード層の補強コードとの間のコード間ゴム
厚さT1は0.2〜0.5mm、かつ前記外方端Ps、
Pt間の第2領域Y2において隣り合うプライ本体部の
カーカスコードとプライ折返し部のカーカスコードとの
間のコード間ゴム厚さT2は0.3〜0.8mmである
ことを特徴としている。
【0008】又請求項2のチューブレスタイヤでは、前
記プライ折返し部の高さHtは、タイヤ断面高さH0の
0.4〜0.60倍、かつ前記ビード補強コード層の高
さHsは、タイヤ断面高さH0の0.3〜0.50倍、
かつ前記ビードエーペックスゴムの高さHaは、タイヤ
断面高さH0の0.20〜0.40倍であり、しかも前
記高さHaと高さHsとの差(Hs−Ha)は10mm
以上、かつ前記高さHsと高さHtとの差(Ht−H
s)は5mm以上であることを特徴としている。
【0009】又請求項3のチューブレスタイヤでは、前
記差(Hs−Ha)は、差(Ht−Hs)と略同じであ
って、かつタイヤ断面高さHの0.1〜0.15倍の範
囲であることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づき説明する。図1において、本発明のチューブ
レスタイヤ1(以下タイヤ1という)は、トレッド部2
と、その両端からタイヤ半径方向内方にのびる一対のサ
イドウオール部3と、各サイドウオール部3の内方端に
位置する一対のビード部4とを具え、本例では、タイヤ
1が乗用車用として形成された場合を例示している。
【0011】またタイヤ1は、前記ビード部4、4に跨
ってのびるカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径
方向外側かつトレッド部2の内部に配置される例えば2
枚のスチールベルト層7A、7Bからなるベルト層7
と、硬質ゴムからなりかつ前記ビードコア5からタイヤ
半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム8とを具
える。
【0012】前記カーカス6は、トレッド部2からサイ
ドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至る
プライ本体部6aと、このプライ本体部6aに連なり前
記ビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外側に折
り返されたプライ折返し部6bとを一体に有する1枚の
カーカスプライ6Aで構成される。
【0013】前記カーカスプライ6Aは、プライ本体部
6aによりタイヤ内腔面Sを形成する。すなわち本願の
タイヤ1は、従来一般的に使用されてきたインナーライ
ナーを保持せず、カーカスプライ6Aの前記プライ本体
部6a自体がタイヤ内腔面Sを形成している。
【0014】前記カーカスプライ6Aは、図2に拡大し
て示す如く、複数本のカーカスコード10Aを配列した
コード配列体10と、このコード配列体10の両面を被
覆するトッピングゴム11とから構成される。前記カー
カスコード10Aとしては、ナイロン、レーヨン、ポリ
エステル、芳香族ポリアミド、ビニロンなどの有機繊維
コードが好ましい。また本例のタイヤ1は、前記カーカ
スコード10Aが、タイヤ赤道Cに対して75〜90度
の角度で配列されたラジアル構造をなす。
【0015】前記トッピングゴム11は、前記プライ本
体部6aを形成する範囲に添設されて前記タイヤ内腔面
Sをなす内側トッピング部11iのみを、ゴム基材10
0重量部中にブチルゴム又はその誘導体を10重量部以
上含有するブチル系ゴムで形成している。ブチルゴム
(IIR)は、イソブチレンと少量のイソプレンとの共
重合体であり、その誘導体としては、前記ブチルゴムに
塩素、臭素等を反応させて成形性などを高めた例えば塩
素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴム等のハロゲン化ブチ
ルゴムが挙げられる。
【0016】このブチル系ゴムには、ゴム基材の残部と
して、天然ゴム(NR)又は/及びブタジエンゴム(B
R)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のジエン系
ゴムを配合することができる。またゴム基材には、一般
的なトッピングゴムと同様に、カーボンブラック等の補
強剤、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤などの充填剤を添加
させることができる。
【0017】他方、前記トッピングゴムの内側トッピン
グ部11i以外のゴム部分、本例では外側トッピング部
11oは、従来と同様に、ゴム基材100重量部中に、
前記ジエン系ゴムなどを90重量部以上好ましくは10
0重量部含有する非ブチル系ゴムが用いられる。
【0018】このように、空気を透過しにくいブチル系
ゴムからなる内側トッピング部11iがタイヤ内腔を囲
むことにより、カーカスプライ6Aに、従来のインナー
ライナーの機能を兼備させることができ、カーカスとは
別に設けられていた従来のインナーライナーを排除で
き、タイヤ重量の大幅な軽量化を達成しうる。
【0019】ここで、前記カーカスプライ6Aが、十分
な内圧保持性能を発揮するためには、前記ブチル系ゴム
におけるブチルゴム又はその誘導体の含有量が前述の如
く10重量部以上必要であり、さらには30重量部以上
とすることが、空気不透過性をより高める点で好まし
い。
【0020】また図2に示す如く、内側トッピング部1
1iにおける、カーカスコード10Aからタイヤ内腔面
Sまでのゴム厚さTiは、0.3〜0.8mmの範囲と
することが必要である。このゴム厚さTiが0.3mm
未満の場合、従来タイヤと同レベルの内圧保持性能を保
持することが困難となる。又ゴム厚さTiが0.8mm
を超えるときには、前述の如くブチル系ゴムが反発弾性
が低くゴム弾性体としての特性に劣るため、タイヤの弾
性及び剛性を過度に損ね、従って、後述するビード補強
コード層9を設けた場合にも、操縦安定性と乗り心地性
とのバランスを充分に改善することは難しくなる。
【0021】また内側トッピング部11iと外側トッピ
ング部11oとの臨界面Eは、図3(A)に示すよう
に、コード配列体10内を通り、例えばカーカスコード
10Aの中心線N上に形成しうる他、同図(B)のよう
に、前記中心線Nのタイヤ外側、若しくは同図(C)の
ようにタイヤ内側に逸れて形成することもできる。な
お、前記操縦安定性と乗り心地性とのバランス、或いは
カーカスコード10Aとの接着性などの観点から、タイ
ヤ内腔面Sから内側トッピング部11iの臨界面Eまで
のゴム厚さTの上限は、カーカスコード径をDとしたと
き、Ti+0.5D以下かつ1.5mm以下とすること
が好ましい。
【0022】そして、本発明では、このようなカーカス
プライ6Aを有するタイヤの横剛性を適正に高め、前記
ブチル系ゴムの影響による実車性能の低下を抑えるた
め、図4に拡大して示すように、前記プライ折返し部6
bとビードエーペックスゴム8との間に、ビード補強コ
ード層9を配設している。
【0023】しかも、このビード補強コード層9の半径
方向外方端PsのビードベースラインBLからの高さH
sを、前記ビードエーペックスゴム8の外方端Paのビ
ードベースラインBLからの高さHaよりも大かつ前記
プライ折返し部6bの外方端Ptのビードベースライン
BLからの高さHtより小としており、これによって、
サイドウォール部3に前記外方端Pa、Ps間の第1領
域Y1と、前記外方端Ps、Pt間の第2領域Y2とを
形成している。なお前記「ビードベースラインBL」と
は、タイヤが基づく規格で定められるリム径位置を通る
タイヤ軸方向線として定義される。
【0024】前記ビードエーペックスゴム8は、プライ
本体部6aと折返し部6bとの間を通る断面先細状の硬
質ゴムからなり、そのJISA硬度が65〜95゜、よ
り好ましくは70〜90゜のものを採用している。
【0025】又前記ビード補強コード層9は、補強コー
ド13を周方向に対して例えば10〜60゜の角度、本
例では20±10゜の角度で配列したコード配列体の両
面を非ブチル系ゴムからなるトッピングゴムにて被覆し
て構成される。前記補強コード13としては、スチール
コード或いはこれに相当する高弾性を有する例えば芳香
族ポリアミドなどの有機繊維コードが好適に使用でき
る。このビード補強コード層9の内方端Qsの位置は、
特に規制されないが、ビードコア5外面からの離間距離
Lを7mm以下とすることが、補強効果を高める点から
も、又この内方端Qsからの損傷を防止する点からも好
ましい。
【0026】このようなビード補強コード層9を設ける
ことにより、タイヤの横剛性が増し、軽量化をある程度
達成しながら、実車性能、とりわけ操縦安定性、乗り心
地性などをバランス良く高めることができる。
【0027】特に、前記高さが、Ha<Hs<Htと異
ならせているため、剛性が半径方向内方に向かって次第
に高められ、乗り心地性を過度に阻害することなく、操
縦安定性を効果的に向上できる。しかも各外方端Pa、
Ps、Ptに作用する応力も適度に分散される。
【0028】さらに、前記プライ折返し部6bでは、接
着強度に劣るブチル系ゴムの内側トッピング部11iが
柔軟性に富むサイドウォールゴム3Gと直接接触するた
め、外方端Ptを起点としてセパレーションを発生しや
すくなるが、前記ビード補強コード層9を介在させるこ
とによって、前記外方端Ptの局部的な動きを拘束する
ことができる。従って、前記外方端Pa、Ps、Ptで
の応力の分散とも相俟って、耐久性を向上することがで
きるのである。
【0029】また上記効果をより有効に発揮させるため
には、図5(A)、(B)に示すように、前記第1領域
Y1において隣り合うプライ折返し部6bのカーカスコ
ード10Aとビード補強コード層9の補強コード13と
の間のコード間ゴム厚さT1は0.2〜0.5mm、か
つ前記第2領域Y2において隣り合うプライ本体部6a
のカーカスコード10Aとプライ折返し部6bのカーカ
スコード10Aとの間のコード間ゴム厚さT2は0.3
〜0.8mmであることが必要である。
【0030】このように各コード間ゴム厚さT1、T2
を小さく規制することによって、プライ本体部6a、ビ
ード補強コード層9、およびプライ折返し部6aが略一
体化し、互いに拘束し合うことにより横剛性および耐久
性の向上効果が高められるのである。なお、コード間ゴ
ム厚さT1が0.2mm未満、およびコード間ゴム厚さ
T2が0.3mm未満のとき、コード10A、13が互
いに接触して損傷を招くなど耐久性を損ねる恐れがあ
る。逆にコード間ゴム厚さT1が0.5mmより大、お
よびコード間ゴム厚さT2が0.8mmより大のときに
は、拘束が弱くなりかつ不必要な重量増加を招く。
【0031】又前記高さHa、Hs、Htにおいて、高
さHaはタイヤ断面高さH0の0.20〜0.40倍、
高さHsはタイヤ断面高さH0の0.30〜0.50
倍、高さHtはタイヤ断面高さH0の0.40〜0.6
0倍とすることが、横剛性を高める点で好ましい。又各
外方端Pa、Ps、Ptが互いに干渉することなく応力
を広く分散させるためには、差(Hs−Ha)は10m
m以上、かつ差(Ht−Hs)は5mm以上であること
が好ましく、この値未満のときには耐久性を悪化する傾
向となる。特に前記差(Hs−Ha)と差(Ht−H
s)とが略同じであって、かつタイヤ断面高さHの0.
1〜0.15倍の範囲とするときには、横剛性のバラン
スが良くなり、耐久性や実車性能の点で一層好ましい。
【0032】以上本実施形態について詳述したが、この
ようなタイヤは乗用車用に限定されることなく、例えば
自動二輪車用、小型トラック用などとして好ましく形成
しうる。
【0033】
【実施例】タイヤサイズが195/65R14かつ図1
の構成の乗用車用のチューブレスタイヤを、表1の仕様
に基づき試作するとともに、各試供タイヤのタイヤ重
量、耐空気透過性、生産性、耐久性、実車性能(操縦安
定性、乗り心地性)についてテストした。なお比較のた
めに、インナライナを有するタイヤを従来例として合わ
せてテストし性能を比較した。テストの条件は次のとお
りである。
【0034】(1)タイヤ重量 タイヤ1本当りの重量を測定し、従来例を100とする
指数で示した。数値が小さいほど軽量である。
【0035】(2)耐空気透過性 タイヤを規定のリム(6JJ×14)にリム組し、かつ
規定内圧(200kPa)を充填し、80゜Cのオーブ
ンに15日間放置した後のタイヤの内圧低下率を測定
し、その逆数を従来例を100とする指数で示した。数
値が大きいほど耐空気透過性に優れている。
【0036】(3)生産性 生タイヤを形成するまでに要した工程時間を、従来例を
100とする指数で示した。数値が小さいほど生産性に
優れている。
【0037】(4)実車性能 タイヤを規定のリム(6JJ×14)にリム組し、かつ
規定内圧(200kPa)で乗用車(2000cc/F
F)の全輪に装着し、テストコースを走行した。そのと
きのハンドル応答性、剛性感、グリップ等に関する特性
を操縦安定性としてドライバーの官能評価により10点
評価で示した。数値が大きいほど操縦安定性に優れてい
る。またテストコースの段差路、ベルジャソ路(石畳の
路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等にお
いて、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングを乗り心地性
として、ドライバーの官能評価により10点評価で示し
た。数値が大きいほど乗り心地性に優れている。
【0038】(5)耐久性 タイヤを規定のリム(6JJ×14)にリム組し、かつ
規定内圧(200kPa)を充填し、ドラム耐久試験機
を用いて、荷重(670kgf)、速度(80km/
h)で走行させ、セパレーションが発生するまでの走行
距離を測定し、その逆数を従来例を100とする指数で
示した。数値が大きいほど耐久性に優れている。
【0039】テストの結果を表1に、またカーカスプラ
イのトッピングゴムのゴム配合例を表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】テストの結果、実施例のタイヤでは、従来
例と同等の耐空気透過性を発揮でき、しかも従来カーカ
スとは別に設けられていたインナーライナーの排除によ
りタイヤ重量を軽減しかつ耐久性を向上しうることが確
認できた。また実車性能でも全く問題がなかった。
【0043】これに対して、比較例1では操縦安定性が
低くなる。また比較例2ではタイヤ重量や生産性に大き
な問題がある。
【0044】
【発明の効果】本発明は叙上の如く、空気を透過しにく
いブチル系ゴムからなる内側トッピング部がタイヤ内腔
を囲むことにより、カーカスプライに、従来のインナー
ライナーの機能を兼備させることができ、カーカスとは
別に設けられていた従来のインナーライナーを排除で
き、タイヤ重量の大幅な軽量化を達成しうる。またビー
ド補強コード層を適正に設けているため、前記ブチル系
ゴムの採用による実車性能、とりわけ操縦安定性、乗り
心地性などのバランスの低下、並びに耐久性の低下を効
果的に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すタイヤの断面図であ
る。
【図2】カーカスプライの構造を示す斜視図である。
【図3】(A)〜(C)はトッピングゴムにおける内側
トッピング部の臨界面の状態を示す断面図である。
【図4】ビード部を拡大して示す部分断面図である。
【図5】(A)、(B)コード間ゴム厚さを説明する断
面図である。
【符号の説明】
2 トレッド部 3 サイドウォール部 4 ビード部 5 ビードコア 6 カーカス 6A カーカスプライ 6a プライ本体部 6b プライ折返し部 8 ビードエーペックスゴム 9 ビード補強コード層 10 コード配列体 10A カーカスコード 11 トッピングゴム 11i 内側トッピング部 BL ビードベースライン S タイヤ内腔面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部をへてビ
    ード部のビードコアに至るプライ本体部と、このプライ
    本体部に連なり前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内
    側から外側に折り返すプライ折返し部とを一体に有する
    ラジアル配列の1枚のカーカスプライからなり、かつ前
    記プライ本体部によりタイヤ内腔面を形成するカーカ
    ス、 このカーカスのプライ本体部とプライ折返し部との間を
    通って前記ビードコアからタイヤ半径方向外方に先細状
    にのびるビードエーペックスゴム、 及び前記ビードエーペックスゴムとプライ折返し部との
    間に配されるビード補強コード層を具え、 前記カーカスプライは、カーカスコードを互いに平行に
    配列したコード配列体とこのコード配列体の両面を被覆
    するトッピングゴムとからなり、かつ前記トッピングゴ
    ムは、前記プライ本体部を形成する範囲に添設されて前
    記タイヤ内腔面をなす内側トッピング部のみを、ゴム基
    材100重量部中にブチルゴム又はその誘導体を10重
    量部以上含有するブチル系ゴムで形成するとともに、 前記ビード補強コード層の半径方向外方端Psのビード
    ベースラインからの高さHsは、前記ビードエーペック
    スゴムの半径方向外方端Paのビードベースラインから
    の高さHaより大かつ前記プライ折返し部の半径方向外
    方端Ptのビードベースラインからの高さHtより小と
    し、 しかも前記プライ本体部のカーカスコードとタイヤ内腔
    面との間のゴム厚さTiは0.3〜0.8mmとする一
    方、 前記外方端Pa、Ps間の第1領域Y1において隣り合
    うプライ折返し部のカーカスコードとビード補強コード
    層の補強コードとの間のコード間ゴム厚さT1は0.2
    〜0.5mm、かつ前記外方端Ps、Pt間の第2領域
    Y2において隣り合うプライ本体部のカーカスコードと
    プライ折返し部のカーカスコードとの間のコード間ゴム
    厚さT2は0.3〜0.8mmであることを特徴とする
    チューブレスタイヤ。
  2. 【請求項2】前記プライ折返し部の高さHtは、タイヤ
    断面高さH0の0.4〜0.60倍、かつ前記ビード補
    強コード層の高さHsは、タイヤ断面高さH0の0.3
    〜0.50倍、かつ前記ビードエーペックスゴムの高さ
    Haは、タイヤ断面高さH0の0.20〜0.40倍で
    あり、しかも前記高さHaと高さHsとの差(Hs−H
    a)は10mm以上、かつ前記高さHsと高さHtとの
    差(Ht−Hs)は5mm以上であることを特徴とする
    請求項1記載のチューブレスタイヤ。
  3. 【請求項3】前記差(Hs−Ha)は、差(Ht−H
    s)と略同じであって、かつタイヤ断面高さHの0.1
    〜0.15倍の範囲であることを特徴とする請求項2記
    載のチューブレスタイヤ。
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