JP2000175948A - 下腹締めベルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 肥満体の腹部を支えて矯正するための下腹締
めベルトに関し、肥満体の腹部を十分な力で適度に上方
に持ち上げ、且つ、このような操作を被着者が簡便にな
し得るようなベルトを提供する。 【解決手段】 下腹締めベルトは、下腹部を覆うべき広
幅の腹部押え布と、押え布の各側部上下位置に一端が固
定され且つ他端が接合部に接合されて他方の側部に達す
る長さを有する２本の狭幅の締め帯を左右１対と、各締
め帯の接合部を上記の押え布の各側部に係合するための
係合手段とから構成する。係合手段に面ファスナーを使
用し、２対の締め帯の交差部には、背当て部材を備え、
該背当て部材が、硬質基板に上側と下側に離間した締め
帯通路を設けて、左右の締め帯の上側と下側とをそれぞ
れ上下の通路に重ねて挿通する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、人の、特に、肥満
体の腹部を押さえて矯正するための下腹締めベルトに関
する。

【０００２】

【従来の技術】腹部を支えて矯正するための下腹締めベ
ルトは公知であるが、このベルトは、従来は、広幅の伸
縮性の帯体を使用して、帯体の中央部を下腹部にあてが
い、帯体の両側を腰部から背中側に回して互いに止着さ
せて、身体に締めつけることにより、腹部の垂れ下がり
を防止したり、腹部に適度の緊張を与えて体型を矯正し
ようとするものであった。さらに、帯体の中央部を背部
側に定置して、左右両側片を腹部で止着することもなさ
れていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の広帯状のベルト
では、両手を使用して締めつける際に背中や腹部で止着
されるので、両手での腹部回りの締め付け力が、十分で
なく、肥満体の腹部を固定するのは、物足りないものと
されていた。

【０００４】また、肥満体の膨出する腹部を矯正するに
は、帯体で単に締めつけるだけでは足らず、腹部を上方
に持ち上げるように強制する必要があるが、従来の広帯
を使用するものは、この点では不充分であった。使用者
の体型に合わせて、下腹部を上方に適度に持ち上げられ
るような機能を有するものが望まれていた。

【０００５】本発明は、以上の問題に鑑み、特に、肥満
体の腹部を十分な力で適度に上方に持ち上げながら維持
でき、且つ、このような操作を被着者が簡便になし得る
ような下腹締めベルトを提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の下腹締めベルト
は、下腹部を覆うべき広幅の腹部押え布と、押え布の各
側部上下位置に一端が固定され且つ腹部押え布の背後側
を廻して他方の側部に達する長さを有する２本の狭幅の
締め帯を左右１対と、各締め帯の他端部を上記の押え布
の各側部側に係合するための係合手段とから成るもので
ある。

【０００７】腹部押え布は、腹部を覆い、締め帯は、一
端が押え布の両側の各側部に固定されて、他端側を腰部
ないし背部に廻して、当該他端部を押え布の反対側の側
部に結合できるので、装着の際には、両手を使用して、
締め帯の他端側を引っ張りながら、側部に結合すること
により、押え布が、下腹部を適当に締めつけることがで
きる。各締め帯の他端部を上記の押え布の各側部側に係
合するための係合手段は、各締め帯の他端部とこれを係
合する押え布とに取着した面ファスナーが利用される。

【０００８】さらに、左右の締め帯は、おのおの２本の
細帯からなっており、これら２本の細帯の当該一端は、
押え布の各側部上側と下側の位置に固定される。締め帯
の当該他端部には、接合部を設けて、この接合部が、押
え布の反対側の側部の上下位置の何れかに、係合するこ
とにより、腹部に対する押え布の締めつけ態様を調製す
ることができる。

【０００９】即ち、締め帯の当該他端の上記結合部を押
え布の反対側の側部の上側位置に係合させれば、下腹を
上方に付勢することができ、垂れ下がりを防止できる。
他方で、押え布の反対側の側部の下側の位置に係合させ
れば、下腹を背部側にないし下方に付勢することができ
る。そして、締め帯の上記結合部を係合すべき押え布の
反対側の側部の上下位置を調整すれば、人によって異な
る体型に応じて、腹部の付勢の態様を替えることができ
る。

【００１０】左右の１対の締め帯は、押さえ布のそれぞ
れ一方側から互いに反対側に伸びて、腹部押え布の背後
で重なっており、締め帯の重なり合う位置には背当て部
材を備えている。該背当て部材は、比較的硬質な基板に
上側と下側に離間した締め帯通路を設けて、左右の締め
帯の上側と下側とをそれぞれ上下の通路に重ねて挿通さ
せている。これにより、挿通した上下の各締め帯を上下
に交叉させて接合部に結合するようにしたものが好まし
い。

【００１１】具体的に、背当て部は、基板上に布片を平
行な３条の接着部で貼着して、３条の貼着部の間にある
布地と基板との間を挿通部として利用することができ
る。背当て部材は、基板の内側を背当て部として利用す
ることもでき、腹部の背後の腰部に固定できるので、腹
部押え布を安定させて容易に位置付けることができる。

【００１２】本発明においては、上記の腹部押え布は、
結合具を取着して左右に分離可能にした２つの布片より
成るものが選ばれる。特に、上記の腹部押え布が、結合
具を中心に配置して左右対象な２つの布片により構成す
るものが好ましい。このように腹部押え布を、結合具を
外せば２つに分離できるので、身体に装着する場合や、
身体から取り外す場合に便利である。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１と図２には、下腹締めベルト
の実施態様を示すが、下腹ベルトは腹部押え布１と、押
え布１の左右両側に固定された上下１対の締め帯２ａ、
２ｂと、各締め帯を上記押え布の両側に固定する係合手
段３、４とから成っている。押え布１は、この例では、
前腹部１０と両側の横腹部１１ａ、１１ｂとから成り、
前腹部１０は伸縮性の少ない布地から腹部を覆う程度の
広幅に形成され、他方の横腹部１１ａ、１１ｂは、伸縮
性に富む布地から側方に向けて若干狭幅に形成されてい
る。

【００１４】締め帯２ａ、２ｂは、その一端が、押え布
の各横腹部１１ａ、１１ｂの後端部１２ａ、１２ｂに上
下に区分して固定され、腰部を回して、それぞれ反対側
の押え布１の束部に締め帯２ａ、２ｂの他端部が到達す
るような長さに、調整されている。

【００１５】締め帯２ａ、２ｂの他端部には、係合手段
として、それぞれ面ファスナーを固定した接合部３ａ、
３ｂを設け、この接合部３ａ、３ｂにそれぞれ対向して
面ファスナーを有する固定部４ａ、４ｂを横腹部１１
ａ、１１ｂの近傍に配置して、係合手段を成している。
固定部４ａ、４ｂは、この例では、単に、面ファスナー
布片４ａ、４ｂを前腹部１０と横腹部１１ａ、１１ｂと
の縫い合わせ部で共に縫い合わせてあり、面ファスナー
布片４ａ、４ｂの後方は固定せずに自由端部を成してい
る。

【００１６】身体にこのベルトを装着するには、下腹押
え布１を下腹部に当てて、両側の各締め帯２ａ、２ｂを
身体の後部に回して、互いに反対側に引き締め、当該反
対側の側部の固定部４ａ、４ｂの面ファスナーに、それ
ぞれ締め帯接合部の接合部３ａ、３ｂの面ファスナーに
係合する。

【００１７】更にこの実施形態には、背部側に、背当て
部材５が設けられ、背当て部材５は、別体の比較的硬質
の基板５０、例えば、可撓性のプラスチック板が利用さ
れる。背当て部材５は、図２及び図３に示すように、２
つの挿通用の通路５１、５２が形成されている。一例と
して、このプラスチック板には布片を、横方向に３条の
接着部５３・・・を設けて貼り付けて、プラスチック板
と布片との間に、２つの通路５１、５２が、横方向の上
下２段に形成されている。これら上下の通路５２、５３
には、各横腹部１１ａ、１１ｂの後端部１２ａ、１２ｂ
からの上記の上下２対の締め帯２ａ、２ｂがそれぞれ挿
通されている。即ち、背当て部材５の上側通路５１に
は、左右１対の締め帯２ａ、２ｂのうち上側の締め帯２
１、２１が挿通され、他方の下側の通路５２には、下側
の締め帯２２、２２が挿通される。

【００１８】図２に示すように、背当て部材５の上下の
通路５２、５３を挿通した上下の締め帯２ａ、２ｂは、
互いに交叉して上記面ファスナーを備えた接合部３ａ、
３ｂの端部に上下に分かれて接続されている。接合部で
の接合の際の締め帯２１、２２を交叉させるのは、背当
て部材５から接合部３ａ、３ｂの端部に至る締め帯２
１、２２が、各横腹部１１ａ、１１ｂから背当て部材５
に至る上記の上下２対の締め帯２１、２２との交錯を回
避するためである（図３参照）。

【００１９】このような背当て部材５を利用することに
より、図３及び図４に示すように、装着時には、背当て
部材５から接合部３ａ、３ｂの端部に至る締め帯２１、
２２を容易に引き締めて、その接合部３ａ、３ｂをそれ
ぞれ固定部４ａ、４ｂの面ファスナーに係合して、締め
帯２１、２２を付勢した状態で、固定することができ
る。そして、締め帯２ａ、２ｂを挿通する背当て部材５
を利用するので、背当て部５を身体の背部に固定するこ
とにより、腹押え布を背部側に拘束して、肥満により膨
出した腹部を後方に引き上げるようにして固定して調整
可能に適度にへこますことができる。

【００２０】図５は、下腹ベルトの別の形態を示すが、
この例は、上記の腹部押え布１が、結合具７を取着して
左右に分離可能にした２つの布片１０ａと１０ｂより成
るものが利用される。この腹部押え布１は、結合具７を
身体のほぼ中心位置になるように設けて左右対象な２つ
の布片により成るものがよい。

【００２１】この例では、結合具７には、好ましくは、
２つの布片１０ａと１０ｂの相対合する縁に固定された
ファスナー７１、７２が使用される。ファスナー７１、
７２を解除すれば、装着の際にはベルトの腹部押え布の
切り離しができ、このベルトを身体に容易に巻きつける
ことができ、巻きつけた後ファスナー７１、７２の結合
により、身体に装着するのが容易になり、この後、上記
実施形態の如くに、締め帯２ａ、２ｂを締めて、両側の
面ファスナー３ａ、３ｂに、接続部４ａ、４ｂを係合固
定させる。下腹ベルトは、腹部押え布１が、結合具７を
取着して左右に分離可能にした点を除いて、その他の部
分は、図１ないし図４に示す下腹ベルトと同様である。

【００２２】

【発明の効果】本発明の下腹締めベルトは、腹部押え布
と、その各側部上下位置に一端が固定されたそれぞれ２
本の狭幅の締め帯を左右１対と、各締め帯の接合部を上
記の押え布の各側部に係合するための係合手段とから成
るので、装着の際の締め帯の締めつけが容易にでき、そ
の固定も、ベルト側部に係合するだけでよいので、腹部
押え布による肥満体の下腹部の湾出が容易に且つ適度に
へこますことができ、身体の姿勢の適正化に有効であ
る。

【００２３】本発明の下腹締めベルトは、係合手段が、
各締め帯の接合部とこれを係合する押え布とに取着した
面ファスナーを利用するので、締め帯の締めつけと固定
が容易にできる利点がある。

【００２４】本発明の下腹締めベルトは、２対の締め帯
の交差部に、背当て部材を備え、該背当て部材が、硬質
基板に上側と下側に離間した締め帯通路を設けて、左右
の締め帯の上側と下側とをそれぞれ上下の通路に重ねて
挿通するようにしたので締め帯同士の交錯を防止し、且
つ、背当て部材を身体の腰部ないし背部に固定して、腹
部押え布による下腹部の調整が容易にできる。

【００２５】本発明は、上記の腹部押え布は、結合具を
取着して左右に分離可能にした２つの布片より成るの
で、ベルトの装着が極めて容易になる。

【００２６】結合具が、２つの布片の対合する縁部に取
着したファスナーであるので、腹部押え布に働く横方向
への引っ張り力に十分耐え、且つ、腹部押え布の２つの
布片の接合分離も容易となり、ベルトの身体への取り付
け取り外しが容易且つ迅速にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態に係る下腹締めベルトの
正面図。

【図２】 本発明の実施の形態に係る下腹締めベルトの
背面図。

【図３】 本発明の実施の形態に係る下腹締めベルトの
後ろ上方から見た斜視図。

【図４】 本発明の実施の形態に係る下腹締めベルトの
装着時を見る側面図。

【図５】 本発明の他の実施形態にかかる下腹締めベル
トの正面図。

【符号の説明】

1 腹部押え布 ２ａ、２ｂ 締め帯 ３ 係合手段 ４ 係合手段 ５ 背当て部材 ７ 結合手段 ７１、７２ ファスナー

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下腹部を覆うべき広幅の腹部押え布と、
   該押え布の各側部上下位置に一端が固定され且つ腹部押
   え布の背後側を廻って他方の側部に達する長さを有する
   上下２本の狭幅の締め帯を左右１対と、各締め帯の他端
   部を上記の押え布の各側部に係合するための係合手段
   と、から成る下腹締めベルト。
2. 【請求項２】 係合手段が、各締め帯の該多端部に取着
   した接合部とこれを係合する押え布両側部とにそれぞれ
   取着した面ファスナーから成る請求項１に記載の下腹締
   めベルト。
3. 【請求項３】 腹部押え布の後方には、該２対の各締め
   帯を遊挿して移動可能な背当て部材を備え、 該背当て部材が、硬質基板に上下に離間した締め帯挿通
   用通路を設けて、左右の締め帯の上側と下側とがそれぞ
   れ上側と下側の通路に挿通され、挿通した上下の各締め
   帯を上下反転して交叉させて上記共通の接合部に接続す
   るようにした請求項２に記載の下腹締めベルト。
4. 【請求項４】 上記の腹部押え布は、結合具を取着して
   左右に分離可能にした２つの布片より成る請求項１ない
   し３の何れかに記載の下腹締めベルト。
5. 【請求項５】 上記の腹部押え布が、左右対象な２つの
   布片により成る請求項４に記載の下腹締めベルト。
6. 【請求項６】 結合具が、２つの布片の対合する縁部に
   取着したファスナーである請求項４に記載の下腹締めベ
   ルト。