JP2000175890A - 液体分離容器の製造方法 - Google Patents

液体分離容器の製造方法

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JP2000175890A
JP2000175890A JP10357988A JP35798898A JP2000175890A JP 2000175890 A JP2000175890 A JP 2000175890A JP 10357988 A JP10357988 A JP 10357988A JP 35798898 A JP35798898 A JP 35798898A JP 2000175890 A JP2000175890 A JP 2000175890A
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concave
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Ryusuke Okamoto
隆介 岡本
Masahiro Nakaizumi
政博 中泉
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Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
Tokuyama Sekisui Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B04CENTRIFUGAL APPARATUS OR MACHINES FOR CARRYING-OUT PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES
    • B04BCENTRIFUGES
    • B04B5/00Other centrifuges
    • B04B5/04Radial chamber apparatus for separating predominantly liquid mixtures, e.g. butyrometers
    • B04B5/0407Radial chamber apparatus for separating predominantly liquid mixtures, e.g. butyrometers for liquids contained in receptacles

Abstract

(57)【要約】 【課題】 採血管に充填された分離剤上面が凹面加工さ
れた液体分離容器の製造に際し、凹面加工後、採血管の
開口端を減圧下でゴム栓等で密閉して真空採血管とした
場合に、分離剤の発泡およびこれに伴う気泡の破裂によ
る分離剤微細滴の飛び散りを防止し、ひいては、生体内
の種々の物質量を測定する測定器の故障および異常測定
値を回避することのできる分離剤上面が凹面加工された
液体分離容器の製造方法を提供する。 【解決手段】 有底の管状容器(採血管)2と、該管状
容器2の底部に充填された分離剤3とからなり、かつ該
分離剤3の上面が凹面形状となっている液体分離容器の
製造方法であって、予め該分離剤3を底部に充填した該
管状容器2を中心軸の回りに回転させ、該凹面形状を形
成させることを特徴とする液体分離容器の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構成成分の比重差
を利用して、遠心分離により構成成分中の液体を分離す
るための分離剤を充填した液体分離容器の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、チクソトロピー性のゲル状の分離
剤を有底の管状容器の底部に充填した血液分離管(以
下、採血管)が知られていた。この採血管に採血し、適
当時間静置させた後、遠心分離操作を行うと、遠心力に
よりチクソトロピー性が低下することによって、ゲル状
の分離剤が流動状態となり、また、このゲル状の分離剤
は、予め、血清または血漿成分と血餅または血球成分の
中間の比重を有するように調整されているため、管底か
ら次第に浮上し、血清または血漿層と血餅または血球層
との中間に位置して隔壁を形成する。遠心分離が終了す
ると、分離剤のチクソトロピー性は速やかに回復するの
でゲル状の強固な隔壁となり、従って血清または血漿層
と血餅または血球層とを確実に分離することができる。
このようにして得られた血清や血漿を用いて生体内の種
々の物質量が測定され、病気の診断や治療に利用されて
いる。
【0003】上記遠心分離操作により採血管に作用せし
める遠心力は、遠心力による血球の損傷を最小限に留め
るためになるべく小さい方がよい。血球が損傷を受ける
と、血球内部の物質が血清または血漿中に過剰に漏出す
るため、物質量の測定時に本来の生体内での物質量より
も高い測定値となり、従って病気の正確な診断ができな
い恐れがある。従って、上記遠心力は、例えば、1,0
00G程度以下であるのが好ましい。
【0004】一方、上記分離剤を上記有底の管状容器に
充填する場合、分離剤の上面が平面であると、1,00
0G程度の遠心力では分離剤が流動しない場合があっ
た。すなわち、ゲル状の分離剤が流動化するには、分離
剤表面に加わる遠心力によりゲル状の分離剤表面に歪み
が生じ、この時にゲル状の分離剤表面に剪断力が働くこ
とによって分離剤のチクソトロピー性が破壊される必要
がある。しかし遠心分離時に、ゲル状の分離剤表面が遠
心方向に対しほぼ垂直な平面となると、1,000G程
度の遠心力でも上記歪みが発生せず、従って分離剤はゲ
ル状のままとなり流動化しないので、上記隔壁を形成で
きない場合があった。
【0005】この問題を解決するために、特開昭56−
158165号公報では、分離剤の表面に一定形状の窪
みを形成させる方法(以下、凹面加工方法という)が例
示されている。このように窪みを形成させると分離剤表
面が遠心方向と垂直平面になることはなく、1,000
G程度の遠心力でも、上記窪みに剪断力が集中して作用
して分離剤が流動化するので、確実に隔壁を形成させる
ことができる。上記公報では、凹面加工方法として、細
いノズルから空気あるいは水等の流体をゲル状分離剤表
面に向けて噴出させる方法が例示されている。
【0006】一方、例えば、上記採血管の開口端を、減
圧下でゴム栓等で密閉して減圧式採血管(以下、真空採
血管)とする場合がある。上記真空採血管は予め被採血
者に穿刺した採血針の他端に上記ゴム栓等を刺通し、内
部の陰圧を利用して、直接採血することができる。
【0007】しかし、上記真空採血管を製造する場合、
上記公報による凹面加工方法では、凹面加工に伴う発泡
が問題となる。これを図9から図13で説明する。すな
わち、空気の噴出による凹面加工の場合、ノズル1から
の空気噴出に伴い採血管2に充填された分離剤3の上面
4は図9から図10、更に図11のように変形する。図
11において、盛り上がった分離剤3の上面4は採血管
2の内壁面5に対し垂直方向に接し、この時、内壁面5
との間に空気を噛み込み、微細な気泡6が生じる。
【0008】図12に示すように、凹面加工の後、減圧
下でゴム栓7等で密閉し真空採血管8とすると、凹面加
工時に噛み込んだ気泡は真空採血管8の空隙9との気圧
差から、経時的に膨らんで大きな気泡10となり、これ
が破裂すると、図13に示すように破裂痕11となり、
分離剤の微細滴12が飛び散って内壁面5に付着する。
これらの現象は上記公報記載の他の凹面加工方法、すな
わち、水等の流体を噴出させる方法でも同じように生じ
る。
【0009】上記のような気泡が発生し、さらに破裂し
て分離剤の微細滴が飛び散ると、以下のような問題が生
じる。すなわち、これらの分離剤の微細滴は採血して遠
心分離後、血清または血漿中に浮遊する場合があり、生
体内の種々の物質量を測定する測定器の吸引ノズルを詰
まらせて測定器を故障させる場合がある。また分離剤の
微細滴が測定試薬と異常反応して測定値が正確な値とな
らないことがあり、従って病気の正確な診断ができない
恐れがある。
【0010】本発明者らは、上記問題を解決するため
に、空気噴射による凹面加工条件を種々検討した。具体
的には、空気を噴射するノズル内径、空気噴射量等を適
宜調節したが、上記発泡の問題を解決することができな
かった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するものであり、その目的は、採血管に充填さ
れた分離剤上面が凹面加工された液体分離容器の製造に
際し、凹面加工後、採血管の開口端を減圧下でゴム栓等
で密閉して真空採血管とした場合に、分離剤の発泡およ
びこれに伴う気泡の破裂による分離剤微細滴の飛び散り
を防止し、ひいては、生体内の種々の物質量を測定する
測定器の故障および異常測定値を回避することのできる
分離剤上面が凹面加工された液体分離容器の製造方法を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、液体分離
容器に充填された分離剤上面の凹面加工に関し、鋭意検
討の結果、上記の課題を効果的に解決し得る手段を見い
だし本発明を完成させた。すなわち、本発明は、有底の
管状容器と、該管状容器の底部に充填された分離剤とか
らなり、かつ該分離剤の上面が凹面形状となっている液
体分離容器の製造方法であって、予め該分離剤を底部に
充填した該管状容器を中心軸の回りに回転させ、該凹面
形状を形成させることを特徴とする液体分離容器の製造
方法である。
【0013】本発明による凹面加工方法での分離剤表面
の凹面形成過程を図1〜4で説明する。すなわち、図1
および2に示すように、分離剤3が充填された採血管2
を該採血管の中心軸AA’を回転軸として回転させる
と、図3に示すように、遠心力の作用により、分離剤3
は採血管2の内壁面5に押しつけられ、さらに内壁面5
に沿って上側に押し上げられる。従って回転軸付近に
は、回転に伴って次第に凹面が形成される。さらに回転
を継続させると、図4に示すように分離剤3の上面4は
さらに窪む。そこで、必要な凹面が形成されたところで
回転を停止させる。
【0014】このように凹面加工に伴い、採血管2の内
壁面5と接する分離剤3の上面4は内壁面5に沿って上
側に上昇するので内壁面5との間に空気を噛み込むこと
がない。従って採血管2の開口端を減圧下でゴム栓等で
密閉して真空採血管とした場合にも気泡は発生せず、従
って気泡の破裂により分離剤微細滴が飛び散ることもな
い。
【0015】凹面の程度はその深さで表される。すなわ
ち、図5に示すように、分離剤3の上面4が採血管2の
内壁面5に接触する点13と凹面の最下点14との距離
が凹面深さ15である。一方、本発明による製造方法に
よる凹面は回転により発生する遠心力を用いるため、凹
面の最大内径16は、用いた採血管の内径と等しくな
る。
【0016】凹面深さ15の範囲は、凹面加工後の採血
管2の底部から分離剤3の上面4が採血管2の内壁面5
に接触する点13との距離である、分離剤高さ17の5
〜60%が好ましく、10〜50%がより好ましく、1
0〜40%が更に好ましい。凹面深さ15が分離剤高さ
17に対し5%を下回ると、凹面加工の効果が発揮でき
ない場合があり、1,000G程度の遠心分離では分離
剤3が流動化しないことがある。また凹面深さ15が分
離剤高さ17に対し60%を上回ると、1,000G程
度の遠心力では、分離剤3全体が流動化しにくく、遠心
分離操作後もかなり量の分離剤3が採血管底部に残って
しまい、従って十分な厚さのある、すなわち、強固な隔
壁を形成できない場合がある。
【0017】本発明による凹面加工方法について説明す
る。まず、図6に示すように、採血管2に分離剤3を充
填する。この時、分離剤3の上面4は採血管3の内壁面
5とほぼ垂直な平面になるよう、すなわち、ほぼ平らに
なるのが好ましい。分離剤3の充填方法は上記のように
上面4がほぼ平らとなり、かつ分離剤3の中および分離
剤3と内壁面5の間に気泡が混入しない方法であれば特
に限定されないが、例えば特開平8−122325号公
報に記載された方法等が例示される。
【0018】次に、上記の方法により分離剤の充填され
た採血管を、図1および図2に示すAA’を回転軸とし
て一定時間回転させる。回転の付与には、電気式モータ
ー、空気圧を利用したモーターあるいは油や水等の流体
圧を利用したモーター等が好適に用いられる。
【0019】回転数は分離剤の粘度および回転時間によ
って異なるが、好ましくは500〜7,000rpmの
範囲、より好ましくは1,000〜5,000rpmの
範囲、さらに好ましくは2,000〜4,000rpm
の範囲内で適宜調節される。回転数が500rpmを下
回ると、凹面加工に必要な遠心力が働きにくくなる。回
転数が7,000rpmを上回ると、遠心力が過剰とな
って瞬間的に分離剤が流動するため、凹面深さが好適な
範囲に保ちにくかったり、分離剤が小滴となって飛び散
ったりする場合がある。回転時間は分離剤の粘度および
回転数によって異なるが、好ましくは0.2〜60秒の
範囲、より好ましくは1〜40秒の範囲、さらに好まし
くは3〜20秒の範囲内で適宜調節される。回転時間が
0.2秒を下回ると、凹面加工に必要な遠心力が働く時
間が短すぎ、凹面深さが好適な範囲に保ちにくい。回転
時間が60秒を上回ると、凹面加工に必要な遠心力が働
く時間が長すぎ、凹面深さが好適な範囲に保ちにくい。
【0020】回転数ゼロから規定回転数までの加速に要
する時間は、回転時間によって異なるが、好ましくは1
0〜1,500m秒の範囲、より好ましくは10〜50
0m秒の範囲である。加速に要する時間が10m秒を下
回ることはモーターの性能上困難である。加速に要する
時間が1,500m秒を上回ると、回転の加速に時間が
かかり過ぎ、回転を開始してから分離剤が流動し始める
時点がばらつくために、規定回転数で規定時間回転させ
ても凹面深さがばらつくことになり好ましくない。この
ように分離剤が流動し始まる時点がばらつくのは、分離
剤の上面の平面状態が個体により微妙に異なることや、
充填直後から始まる分離剤のチクソトロピー性の復帰程
度が微妙にばらついていること等が原因である。
【0021】本発明で用いられる有底の管状容器、すな
わち、例えば採血管の素材としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリ
ル等の熱可塑性樹脂、酢酸セルロース、プロピオン酸セ
ルロース、エチルセルロース、エチルキチン等の変性天
然樹脂、ソーダ石灰ガラス、リンケイ酸ガラス、ホウケ
イ酸ガラス等のケイ酸塩ガラス、石英ガラス等のガラ
ス、およびこれらを主成分とするもののいずれもが用い
られる。
【0022】採血管の内径が異なると、一定の遠心力を
付与した時の凹面深さが異なる。これは分離剤に作用す
る遠心力が異なるからであり、採血管の内径が大きくな
るほど、分離剤に作用する遠心力が過大となるため、短
時間で凹面加工が完了する。上記の本発明による凹面加
工方法はこの現象を鑑み、一般的な内径の採血管を用い
れば、好適な凹面深さを形成できる加工条件の範囲を示
している。なお、一般的な採血管の内径とは5〜18m
mの範囲である。
【0023】本発明で用いられる分離剤は、常温、1G
の環境下でチクソトロピー性を有するゲル状物質であれ
ば特に限定されないが、その構成成分の例としては、好
ましくは以下のものが例示される。すなわち、シクロペ
ンタジエンのオリゴマー、可塑剤、微粉末シリカ、有機
ゲル化剤、有機ゲル化剤の分散剤など。分離剤は、例え
ば、上記のような構成成分を混練することにより製造さ
れる。
【0024】シクロペンタジエンのオリゴマーには、シ
クロペンタジエンが多量体化されたオリゴマー、及びシ
クロペンタジエンが二量体化されたジシクロペンタジエ
ンが多量体化されたオリゴマーが含まれる。上記オリゴ
マーは、シクロペンタジエンまたはジシクロペンタジエ
ンを、例えばディールスアルダー反応等を利用して多量
体化することにより製造され得る。なお、これはジシク
ロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)と呼ばれることも
ある。なお、上記オリゴマーはさらに水素添加をして残
存する二重結合を飽和させておくのが好ましい。
【0025】上記オリゴマーは、JIS K 6863
−1994「ホットメルト接着剤の軟化点試験方法」に
よって測定される軟化点が70〜140℃であるのが好
ましい。軟化点が低すぎると相分離が発生し易くなり、
高すぎると溶融しにくくなり、製造が困難になる。
【0026】上記オリゴマーは、JIS K 6862
−1984「ホットメルト接着剤の溶融粘度試験方法」
中のA法によって測定される180℃での溶融粘度が3
0〜500センチポイズであるのが好ましい。溶融粘度
が低すぎると分離剤の粘度が不足し、高すぎると分離剤
の粘度が過剰になる。
【0027】上記オリゴマーは、25℃における比重
(硫酸銅溶液を用いた浮沈法試験による)が1.02〜
1.10g/cm3 であるのが好ましく、1.03〜
1.09g/cm3 であるのがより好ましい。上記範囲
を逸脱すると、分離剤の比重を好適に調整しにくくな
る。
【0028】上記オリゴマーは、GCP法によるポリス
チレン換算分子量が数平均分子量で好ましくは200〜
800、より好ましくは500〜700であり、重量平
均分子量で好ましくは500〜1500、より好ましく
は700〜1200である。小さすぎると相分離が発生
し易くなり、大きすぎると分離剤の粘度が過剰になる。
【0029】上記オリゴマーはDSC法によるガラス転
移点が好ましくは40〜90℃、より好ましくは50〜
80℃である。ガラス転移点が低すぎると相分離が発生
し易くなり、高すぎると分離剤の粘度が過剰になる。
【0030】上記可塑剤としては、シクロペンタジエン
のオリゴマーとの相溶性に優れる点からフタル酸エステ
ルが好ましい。上記フタル酸エステルとしては、二つの
エステル基を形成するアルコール残基のうち少なくとも
一方が炭素数6以上のものが好ましい。両方の炭素数が
5以下であるジエステルはシクロペンタジエンのオリゴ
マーとの相溶性が低下する傾向がある。また、二つのエ
ステル基を形成するアルコール残基のそれぞれの炭素数
は、大きすぎると分離剤の比重を好適な範囲に調整しに
くくなるので、11以下が好ましい。
【0031】上記可塑剤としては、フタル酸ブチルペン
チル、フタル酸ジペンチル、フタル酸ブチルヘキシル、
フタル酸ブチルヘプチル、フタル酸ジヘキシル、フタル
酸ペンチルヘプチル、フタル酸ブチルノニル、フタル酸
ペンチルオクチル、フタル酸ヘキシルヘプチル、フタル
酸ジヘプチル、フタル酸ヘプチルオクチル、フタル酸ジ
オクチル、フタル酸オクチルノニル、フタル酸ジイソノ
ニル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ジイソデシ
ル、フタル酸デシルウンデシル、フタル酸ジウンデシ
ル、フタル酸ブチルベンジルが例示される。特に好まし
い可塑剤は、二つのエステル基を形成するアルコール残
基の各炭素数が9〜11のフタル酸ジエステルである。
【0032】上記可塑剤は、シクロペンタジエンのオリ
ゴマー100重量部に対して、好ましくは30〜130
重量部、より好ましくは50〜100重量部で用いられ
る。上記範囲を逸脱すると分離剤の粘度を好適に調整し
にくくなる。
【0033】上記有機ゲル化剤としては、ソルビトール
と芳香族アルデヒドの縮合物が好ましく、ジベンジリデ
ンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール、メチ
ル置換ジベンジリデンソルビトール等が例示される。こ
れらは、吸水性や水溶性を有しないため、長時間、血液
と接触しても分離剤が吸水白濁することがなく、また血
液を濃縮するなどの副作用がない。これらの中でも分離
剤のチクソトロピー性を良好に発揮する点からジベンジ
リデンソルビトールが特に好ましい。
【0034】上記有機ゲル化剤は、シクロペンタジエン
のオリゴマー100重量部に対して好ましくは0.02
〜3重量部、より好ましくは0.02〜1重量部で用い
られる。上記範囲を逸脱すると分離剤のチクソトロピー
性を好適に調整しにくくなる。
【0035】上記有機ゲル化剤の分散剤としては、好ま
しくは1.0〜9.0、より好ましくは4.0〜6.0
のHLB値を有するポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロック共重合体、1−メチル−2−ピロリドン
及びこれらの混合物よりなる群から選ばれたものが好ま
しい。上記ブロック共重合体のHLB値は、小さすぎる
と有機ゲル化剤の分散効果が不足し、分離剤のチクソト
ロピー性が低下する。大きすぎると疎水性が不足し、分
離剤の使用時に血液中に溶けて血液を溶血させ赤血球中
の成分が血清又は血漿に混入するため正確な検査結果を
与えなくなる恐れがある。
【0036】上記ブロック共重合体は、シクロペンタジ
エンのオリゴマー100重量部に対して好ましくは0.
1〜15重量部、より好ましくは0.1〜5重量部で用
いられる。少なすぎると有機ゲル化剤の分散効果が不足
し、分離剤のチクソトロピー性が低下する。多すぎると
シクロペンタジエンのオリゴマーとの相溶性が低下し
て、分離剤のチクソトロピー性が低下する。
【0037】上記1−メチル−2−ピロリドンは、有機
ゲル化剤を良好に溶解する点、血液と反応して溶血反応
を起こさない点、及び分離剤の滅菌を目的とした放射線
の照射によって分解しない点等から好適に用いられる。
【0038】上記1−メチル−2−ピロリドンは、シク
ロペンタジエンのオリゴマー100重量部に対して好ま
しくは0.05〜5重量部、より好ましくは0.05〜
3重量部で用いられる。少なすぎると有機ゲル化剤の分
散効果が不足し、分離剤のチクソトロピー性が低下す
る。多すぎると溶血反応を引き起こし易くなる。
【0039】上記微粉末シリカとしては、二酸化珪素の
一次粒子表面の水酸基の大部分をメチル基で置換した、
非晶質二酸化珪素(化学式SiO2 ・n((CH3 2
・SiO))からなる、気相法による乾式シリカが好ま
しい。疎水性を有するため、シクロペンタジエンのオリ
ゴマー、あるいは可塑剤に良好に分散する一方、血液に
溶けて溶血させることがないので、赤血球中の成分が血
清または血漿に混入する恐れがなく、好適に用いられ
る。
【0040】上記微粉末シリカの比表面積は好ましくは
10〜1000m2 /g、より好ましくは50〜500
2 /gである。上記範囲を逸脱すると、分離剤のチク
ソトロピー性を好適に調整しにくくなる。
【0041】上記微粉末シリカの一次粒子径は好ましく
は1〜100μm、より好ましくは5〜50μmであ
る。上記範囲を逸脱すると、分離剤のチクソトロピー性
を好適に調整しにくくなる。
【0042】上記微粉末シリカは、シクロペンタジエン
のオリゴマー100重量部に対して好ましくは1〜50
重量部、より好ましくは1〜10重量部で用いられる。
上記範囲を逸脱すると、分離剤の比重あるいはチクソト
ロピー性を好適に調整しにくくなる。
【0043】上記の構成成分の他に、さらに必要に応じ
て適量の比重調整剤、相溶化剤、粘度低下剤などが適宜
添加されてもよい。
【0044】上記構成成分から構成される分離剤の比重
は血清または血漿と、血餅または血球の中間の比重であ
ることが好ましく、具体的には、25℃において1.0
3〜1.08g/cm3 、好ましくは1.04〜1.0
6g/cm3 である。
【0045】分離剤の粘度は、通常の遠心分離操作によ
って、分離剤を血清または血漿層と、血餅または血球層
の中間部に位置させる点や、真空採血管等の血液検査容
器への充填作業のし易さの点から、25℃において好ま
しくは5〜100万センチポイズ、より好ましくは6〜
50万センチポイズである。
【0046】本発明による液体分離容器を、採血管ある
いは真空採血管として用いる場合にその開口端を密封す
る栓体としては、血液が外部に漏出することがないよう
に液密性に構成されており、さらに真空度の維持の点か
ら空気非透過性であることが好ましい。このような栓体
の素材としては、天然ゴム、合成ゴムおよび熱可塑性エ
ラストマーから選ばれる少なくとも一種の弾性体が好ま
しい。
【0047】上記合成ゴムとしては、例えば、イソプレ
ンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲ
ン化ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコ
ーンゴム等が例示される。上記熱可塑性エラストマーと
しては、例えば、ポリスチレン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリウレ
タン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性
エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、天
然ゴム系熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム系熱可塑性
エラストマー等が例示される。
【0048】本発明による液体分離容器を、採血管ある
いは真空採血管として用いる場合には、その内部に血液
抗凝固剤が収容されていてもよい。収容方法は特に限定
されないが、一般的には内壁面に塗布するかあるいは分
離剤の上面に積層されて収容される。上記血液抗凝固剤
としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
二カリウム塩、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム三カ
リウム塩、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム二ナトリ
ウム塩、ヘパリンナトリウム、ヘパリンリチウム、フッ
化ナトリウム、クエン酸等が例示される。
【0049】また、本発明による液体分離容器を、採血
管あるいは真空採血管として用いる場合には、その内部
に血液凝固促進剤が収容されていてもよい。収容方法は
特に限定されないが、一般的には内壁面に塗布するかあ
るいは分離剤の上面に積層されて収容される。上記血液
凝固促進剤としては、加水分解酵素、血液凝固因子およ
び無機物から選ばれる少なくとも一種が用いられる。
【0050】上記加水分解酵素としては、例えば、トリ
プシン、蛇毒トロンビン様酵素等のセリンプロテアー
ゼ、カテプシンB、フィシン等のチオールプロテアー
ゼ、キニナーゼI等の金属プロテアーゼ等が例示され
る。上記血液凝固因子としては、例えば、トロンビン、
Xa因子、IXa因子、XIa因子、XIIa因子、プ
レカリクレイン、高分子キニノゲン等の生体内酵素、リ
ン脂質およびカルシウム等が例示される。上記無機物と
しては、例えば、ガラス、シリカ、カオリン、セライ
ト、ベントナイト等の水不溶性の無機質微粉末が例示さ
れる。
【0051】
【作用】従来の空気を噴出させる凹面加工では、凹面加
工に伴い分離剤と有底の管状容器の内面との間に微細な
気泡を噛み込むことが避けられず、このようにして凹面
加工した液体分離容器を、例えば、その開口端を、減圧
下でゴム栓等で密閉して真空採血管として用いる場合に
は、この微細な気泡が経時的に膨らんで破裂し、凹面形
状が壊れるのみならず、分離剤小滴が飛び散って真空採
血管内面に付着する場合があり、ひいては、生体内の種
々の物質量を測定する測定器の故障あるいは異常測定値
となる恐れがあった。
【0052】しかし、本発明による凹面加工方法では、
予め該分離剤を底部に充填した該管状容器を中心軸の回
りに回転させ、遠心力を利用して凹面形状を成形させる
ことを特徴としているので、凹面加工に伴う上記泡噛み
が発生しない。具体的には、分離剤が予め充填された採
血管をその中心軸を回転軸として回転させると、遠心力
の作用により、分離剤は採血管の内壁面に押しつけら
れ、さらに内壁面に沿って上側に押し上げられる。従っ
て回転軸付近には、回転に伴って次第に凹面が形成され
る。さらに回転を継続させると、分離剤の上面はさらに
窪むので、必要な凹面が形成されたところで回転を停止
させればよい。
【0053】すなわち、本発明による凹面加工方法で
は、採血管の内壁面と接する分離剤の上面は内壁面に沿
って上側に上昇するので内壁面との間に空気を噛み込む
ことがない。従って採血管の開口端を減圧下でゴム栓等
で密閉して真空採血管とした場合にも気泡は発生せず、
従って気泡の破裂により凹面形状が壊れたり、分離剤微
細滴が飛び散ることもない。
【0054】
【発明の実施の形態】(実施例1) 凹面加工装置の作製 図7に示す回転式凹面加工装置18を作製した。図7は
上記回転式凹面加工装置18に、予め分離剤3を充填し
た採血管2が装着された様子を示している。エアモータ
ー19(ナカニシ社製、IM310型)が設けられ、エ
アモーター19は、空気の流量を調節することにより回
転速度を制御するようにされている。耐圧ホース25の
一端はエアモーター19に、他端は空気コンプレッサー
(図示せず)に接続されている。従って空気コンプレッ
サーにより圧縮された空気は、耐圧ホース25を経てエ
アモーター19に流れるようになっている。耐圧ホース
25の途中には、さらに電磁式空気弁(コガネイ社製、
299E1−39型、図示せず)およびレギュレーター
(長野計器製作所社製、GP41−101型、図示せ
ず)が設置され空気の断続および流量調節ができるよう
されている。
【0055】さらにエアモーター19の回転軸先端に、
採血管固定軸受け21と協同して、採血管2を定位置に
位置決めでき、かつエアモーター19と固定できる採血
管固定治具20が取り付けられている。採血管固定軸受
け21が架台22にその外周部で固定され、内周部は自
由に回転することができるようにされている。採血管2
の底部は、上記採血管固定軸受け21の内周部に保持さ
れるようにされている。
【0056】エアモーター19は支持腕24に固定され
ており、支持腕24は支持脚23の任意の位置に固定で
きるようにされている。支持腕24を支持脚23に沿っ
て上下させることにより、採血管2の脱着を行えるよう
にされている。
【0057】凹面加工 外径13mm、内径11mm、長さ100mmのポリエ
チレンテレフタレート製の丸底管状容器の底部に、25
℃における比重が1.05g/cm3 、粘度が110,
000センチポイズの分離剤0.9gを泡が混入しない
ように充填し、採血管を作製した。
【0058】なお、上記分離剤の製造方法は以下の通り
である。軟化点103℃のシクロペンタジエンのオリゴ
マー(トーネックス社製、ECR251)100重量
部、アルコール残基が炭素数9〜11のアルキル基であ
るフタル酸ジエステル(三菱ガス化学社製、PL−20
0)110重量部、1−メチル−2−ピロリドン(BA
SF社製)0.36重量部、ジベンジリデンソルビトー
ル(新日本理化社製、ゲルオールD)0.09重量部、
および比表面積250m2 /gの微粉末シリカ(トクヤ
マ社製、レオロシールDM30S)15重量部を8mm
Hgの減圧下で、110±10℃で混練して分離剤を得
た。
【0059】次いで、この採血管を回転式凹面加工装置
18に装着し、レギュレーターにより空気流量を調節
し、エアモーター19の回転数を700rpmとし、さ
らに電磁式空気弁を開閉し50秒間回転させた。回転数
ゼロから規定回転数までの加速に要する時間は50m秒
であった。この時の凹面深さは分離剤高さの7%であっ
た。最後に、凹面加工を施した採血管の開口端に、30
mmHgの減圧下でブチルゴム製の栓体を取り付け密閉
し真空採血管とした。
【0060】(実施例2)エアモーター19の回転数を
1,500rpm、回転時間を30秒としたこと以外
は、実施例1と同様に操作し、真空採血管を製造した。
このときのエアモーター19の回転数ゼロから1,50
0rpmまでの加速に要する時間は100m秒、凹面深
さは分離剤高さの12%であった。
【0061】(実施例3)エアモーター19の回転数を
2,200rpm、回転時間を10秒としたこと以外
は、実施例1と同様に操作し、真空採血管を製造した。
このときのエアモーター19の回転数ゼロから2,20
0rpmまでの加速に要する時間は200m秒、凹面深
さは分離剤高さの21%であった。
【0062】(実施例4)エアモーター19の回転数を
3,700rpm、回転時間を4秒としたこと以外は、
実施例1と同様に操作し、真空採血管を製造した。この
ときのエアモーター19の回転数ゼロから3,700r
pmまでの加速に要する時間は400m秒、凹面深さは
分離剤高さの36%であった。
【0063】(実施例5)エアモーター19の回転数を
4,500rpm、回転時間を2秒としたこと以外は、
実施例1と同様に操作し、真空採血管を製造した。この
ときのエアモーター19の回転数ゼロから4,500r
pmまでの加速に要する時間は600m秒、凹面深さは
分離剤高さの42%であった。
【0064】(実施例6)エアモーター19の回転数を
5,500rpm、回転時間を0.5秒としたこと以外
は、実施例1と同様に操作し、真空採血管を製造した。
このときのエアモーター19の回転数ゼロから5,50
0rpmまでの加速に要する時間は700m秒、凹面深
さは分離剤高さの53%であった。
【0065】(実施例7)エアモーター19の回転数を
7,500rpm、回転時間を0.3秒としたこと以外
は、実施例1と同様に操作し、真空採血管を製造した。
このときのエアモーター19の回転数ゼロから7,50
0rpmまでの加速に要する時間は850m秒、凹面深
さは分離剤高さの72%であった。
【0066】(実施例8)エアモーター19の回転数を
2,200rpm、回転時間を70秒としたこと以外
は、実施例1と同様に操作し、真空採血管を製造した。
このときのエアモーター19の回転数ゼロから2,20
0rpmまでの加速に要する時間は200m秒、凹面深
さは分離剤高さの84%であった。
【0067】(比較例1)凹面加工を行わないこと以外
は、実施例1と同様に操作し、真空採血管を製造した。
従って、凹面深さは分離剤高さの0%であった。
【0068】(比較例2) 凹面加工装置の作製 図8に示す空気噴出式凹面加工装置26を作製した。図
8は上記空気噴出式凹面加工装置26に、予め分離剤3
を充填した採血管2が装着された様子を示している。内
径3mm、外径4.5mm、長さ100mmのステンレ
ス製直管状ノズル1から分離剤3の上面4に向けて空気
を噴出するようにされている。耐圧ホース25の一端は
ノズル1に、他端は空気コンプレッサー(図示せず)に
接続されている。従って空気コンプレッサーにより圧縮
された空気は、耐圧ホース25を経てノズル1に流れる
ようになっている。耐圧ホース25の途中には、さらに
電磁式空気弁(図示せず)およびレギュレーター(図示
せず)が設置され、空気の断続および流量調節ができる
ようにされている。
【0069】また、採血管2を定位置に位置決めするた
めに架台22が設けられている。ノズル1は支持腕24
に固定されており、支持腕24は支持脚23の任意の位
置に固定できるようにされている。支持腕24を支持脚
23に沿って上下させることにより、採血管2の脱着を
行えるようにされている。
【0070】凹面加工 外径13mm、内径11mm、長さ100mmのポリエ
チレンテレフタレート製の丸底管状容器の底部に、実施
例1と同様の分離剤0.9gを泡が混入しないように充
填し、採血管を作製した。次いで、この採血管を空気噴
出式凹面加工装置26に装着し、ノズル1先端と分離剤
3の上面4との間隔が7mmとなるように、支持腕24
の位置を調節した。次いで、レギュレーターにより空気
流量を15リットル/分となるように調節し、電磁式空
気弁を開閉し10秒間空気を噴出させた。この時の凹面
深さは分離剤高さの12%であった。最後に、凹面加工
を施した採血管の開口端に、30mmHgの減圧下でブ
チルゴム製の栓体を取り付け密閉し真空採血管とした。
【0071】(比較例3)ノズル1からの空気流量を2
0リットル/分、空気噴出時間を7秒としたこと以外
は、比較例2と同様に操作し、真空採血管を製造した。
このときの凹面深さは分離剤高さの27%であった。
【0072】(比較例4)ノズル1からの空気流量を2
5リットル/分、空気噴出時間を3秒としたこと以外
は、比較例2と同様に操作し、真空採血管を製造した。
このときの凹面深さは分離剤高さの34%であった。
【0073】性能試験 以上各実施例および比較例で得られた真空採血管につい
て以下の性能試験を行い、結果を表1に示した。 分離剤の発泡有無の観察 真空採血管を製造後、室温で2日間静置した後、目視に
て分離剤の発泡有無を観察した。 血液分離試験 真空採血管に健常人の血液6mlを採血し、室温で2時
間放置して血液を凝固させた後、1,000Gの遠心力
で5分間遠心分離を行い、血餅層と血清層の中間に形成
された分離剤隔壁の状態を目視で観察した。さらに隔壁
の厚みをノギスを用いて測定した。この時、隔壁厚みが
2mm以上あれば、実用上差し支えないが、より好まし
くは、5mm以上あれば、十分な隔壁強度を確保でき
る。
【0074】
【表1】
【0075】
【発明の効果】本発明の液体分離容器の製造方法の構成
は上記の通りであり、本発明によれば、予め分離剤を底
部に充填した管状容器をその中心軸の回りに回転させ、
遠心力を利用して凹面形状を成形させることを特徴とし
ているので、凹面加工に伴う泡の噛みこみが発生しな
い。従って採血管の開口端を減圧下でゴム栓等で密閉し
て真空採血管とした場合にも気泡は発生せず、従って気
泡の破裂により凹面形状が壊れたり、分離剤微細滴が飛
び散ることもない。上記効果により分離剤表面に安定的
に凹面形状を形成させることが可能であるので、1,0
00G程度の遠心力でも容易に血液を血餅または血球層
と血清または血漿層とに分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による凹面加工を開始する時点の一例の
説明図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】本発明による凹面加工を行っている途中の一例
の説明図。
【図4】本発明による凹面加工を終了した時点の一例の
説明図。
【図5】本発明による凹面形状の一例の説明図。
【図6】本発明による凹面加工前の分離剤充填形状の一
例の説明図。
【図7】本発明で用いられる凹面加工装置の一例の説明
図。
【図8】従来の方法で用いられる凹面加工装置の一例の
説明図。
【図9】従来の方法により凹面加工を開始した時点の一
例の説明図。
【図10】従来の方法により凹面加工を行っている途中
の一例の説明図。
【図11】従来の方法により凹面加工を終了した時点の
一例の説明図。
【図12】従来の方法により凹面加工した真空採血管の
一例の説明図。
【図13】従来の方法により凹面加工した真空採血管の
一例の説明図。
【符号の説明】
1 ノズル 2 採血管 3 分離剤 4 上面 5 内壁面 6 微細な気泡 7 ゴム栓 8 真空採血管 9 空隙 10 大きな気泡 11 破裂痕 12 分離剤の微細滴 13 分離剤の上面が採血管の内壁面と接触する点 14 凹面の最下点 15 凹面深さ 16 凹面の最大内径 17 分離剤高さ 18 回転式凹面加工装置 19 エアモーター 20 採血管固定治具 21 採血管固定軸受け 22 架台 23 支持脚 24 支持腕 25 耐圧ホース 26 空気噴出式凹面加工装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中泉 政博 山口県新南陽市開成町4560 積水化学工業 株式会社内 Fターム(参考) 2G045 BA08 BA10 BB10 CA25 FA05 HA02 HA14 HB14 HB15 4C038 TA01 TA10 UA06 UC02 4D057 AA03 AB03 AC01 AC05 AD01 AE11 BA15

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底の管状容器と、該管状容器の底部に
    充填された分離剤とからなり、かつ該分離剤の上面が凹
    面形状となっている液体分離容器の製造方法であって、
    予め該分離剤を底部に充填した該管状容器を中心軸の回
    りに回転させ、該凹面形状を形成させることを特徴とす
    る液体分離容器の製造方法。
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