JP2000174545A - 透明電波吸収シート - Google Patents

透明電波吸収シート

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JP2000174545A
JP2000174545A JP10346069A JP34606998A JP2000174545A JP 2000174545 A JP2000174545 A JP 2000174545A JP 10346069 A JP10346069 A JP 10346069A JP 34606998 A JP34606998 A JP 34606998A JP 2000174545 A JP2000174545 A JP 2000174545A
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sheet
transparent
radio wave
film
wave absorbing
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JP10346069A
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Inventor
Tetsuya Takeuchi
哲也 竹内
Tatenori Sasai
建典 笹井
Akimasa Katayama
晶雅 片山
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電波の反射を抑えることができるとともに、透
明性を備え、しかも取り扱い性が比較的良好で、連続生
産が可能な透明電波吸収シートを提供する。 【解決手段】第1の透明シート26の一面に透明電波吸
収膜27が形成されてなる第1の積層シート23と、第
2の透明シート28の一面に透明電波反射膜29が形成
されてなる第2の積層シート25と、両積層シート2
3,25の間に介在するスペーサ21とを備えた透明電
波吸収シート20であって、上記スペーサ21として、
可撓性透明シートを用いるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、窓ガラスや壁等
に貼着し、電波の反射を少なくすることができる透明電
波吸収シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の情報伝達技術の飛躍的進歩に伴
い、多様な情報伝達が可能となっている。こうしたなか
で、無線による情報伝達が、利便性の観点から、非常に
優れ、盛んに研究が進められている。無線による情報伝
達としては、携帯電話等の電話機が広く知られている
が、最近、携帯型コンピューターや移動型コンピュータ
ーを支援するネットワーク装置である無線LAN(Loca
l Area Network) が注目を集めている。無線LANは、
その通信方式として、スペクトル拡散方式,狭帯域方
式,赤外線方式が知られており、現在、無線LANは、
室内において導入が進められている。しかし、室内で
は、窓ガラスや壁等によって電波が反射するため、その
反射波により誤動作が生じやすいという問題がある。ま
た、隣室その他の場所で別の無線LANが使用されてい
た場合、侵入してきた電波によって誤動作が生じる可能
性がある。そのため、室内における反射波を低減すると
ともに室外からの電波を遮蔽することのできる建材が必
要となっている。特に、窓ガラス用には、透明性も必要
とされるため、透明性を兼ね備えた建材が必要となって
いる。
【0003】このような建材として、例えば、図5に示
す透明電波吸収シート1が提案されている。この透明電
波吸収シート1は、ポリカーボネート(PC)製のスペ
ーサ2と、第1の積層シート3と、第2の積層シート4
と、アクリル系透明粘着剤からなる粘着剤層5,6とか
ら構成される。第1の積層シート3は、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)製の第1の透明シート7の表面
に、酸化インジウムすず(ITO)からなる、膜厚数百
nmの透明電波反射膜8を形成したものである。また、
第2の積層シート4は、PET製の第2の透明シート9
の表面に、ITOからなる、膜厚数十nmの透明電波吸
収膜10を形成したものである。そして、上記第1,第
2の積層シート3,4は、粘着剤層5,6を介して、ス
ペーサ2の左右両面に接着されており、その接着態様
は、第1の積層シート3の透明電波反射膜8と第2の積
層シート4の透明電波吸収膜10とが互いに対向するよ
うになっている。なお、図において、11は、電波の侵
入方向を示している。
【0004】上記透明電波吸収シート1は、つぎのよう
にして製造される。すなわち、まず、PET製の第1の
透明シート7を準備し、その表面に、ITOを蒸着する
ことにより膜厚数百nmの透明電波反射膜8を形成し
て、第1の積層シート3を作製する。一方、PET製の
第2の透明シート9を準備し、その表面に、ITOを蒸
着することにより膜厚数十nmの透明電波吸収膜10を
形成して第2の積層シート4を作製する。そして、所定
厚みのスペーサ2を準備し、その両面に適宜の方法によ
り粘着剤層5,6を形成した後、第1の積層シート3お
よび第2の積層シート4を圧着することにより、図5に
示す透明電波吸収シート1を製造している。
【0005】このようにして得られる透明電波吸収シー
ト1は、ITOの、膜厚の変化によって表面抵抗率が変
化する性質、すなわち膜厚を大きくすると表面抵抗率が
小さくなって電波反射能を発揮し、逆に膜厚を小さくす
ると表面抵抗率が大きくなって電波吸収能を発揮する性
質を利用したものであり、両膜8,10の距離を吸収波
長(λ)の1/4にすることにより、全体として電波を
吸収し、反射波を少なくすることができるようになって
いる。そのため、この透明電波吸収シート1の表面(第
1の透明シート7の表面)に粘着剤層を設け、この粘着
剤層を介して窓ガラス等に貼着するようにすれば、電波
の反射を少なくすることができるとともに、室外からの
電波を遮蔽でき、無線LAN等による情報伝達を支障な
く行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記透
明電波吸収シート1は、スペーサ2として、剛性を有す
るPC製のシートを用いているため、従来公知のラミネ
ート装置を用いて連続生産するのが難しいという問題が
ある。特に、吸収したい電波の波長が大きい場合、スペ
ーサ2の厚みを大きくしなければならないため、その問
題が顕著になる。また、それ以外にも、上記透明電波吸
収シート1は、全体としての剛性が非常に大きいため、
取り扱い性に難点を有している。
【0007】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、電波の反射を抑えることができるとともに、
透明性を備え、しかも取り扱い性が比較的良好で、連続
生産が可能な透明電波吸収シートの提供をその目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の透明電波吸収シートは、第1の透明シー
トの一面に透明電波吸収膜が形成されてなる第1の積層
シートと、第2の透明シートの一面に透明電波反射膜が
形成されてなる第2の積層シートと、両積層シートの間
に介在するスペーサとを備えた透明電波吸収シートであ
って、上記スペーサが、可撓性透明シートであるという
構成をとる。
【0009】すなわち、この発明者らは、電波の反射を
抑えることができるとともに、透明性を備え、しかも取
り扱い性が良好で、連続生産が可能な透明電波吸収シー
トを得るべく一連の研究を重ねた。その結果、第1の透
明シートの一面に透明電波吸収膜が形成されてなる第1
の積層シートと、第2の透明シートの一面に透明電波反
射膜が形成されてなる第2の積層シートとの間に介在さ
せるスペーサとして、可撓性透明シートを用いれば、所
期の目的を達成できることを見いだし、この発明に到達
した。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態を
説明する。
【0011】この発明の透明電波吸収シートの一例を図
1に基づいて説明する。この透明電波吸収シート20
は、スペーサ21の一面に粘着剤層22を介して第1の
積層シート23が形成され、他面に粘着剤層24を介し
て第2の積層シート25が形成されて構成されている。
そして、第1の積層シート23は、第1の透明シート2
6の一面に透明電波吸収膜27を形成したものである。
また、第2の積層シート25は、第2の透明シート28
の一面に透明電波反射膜29を形成したものである。
【0012】上記第1の積層シート23と第2の積層シ
ート25の間に介在するスペーサ21は、可撓性透明シ
ートからなる。可撓性透明シートは、可撓性と透明性を
有するシートであって、成形したものが可撓性と透明性
を有するようになる各種の可撓性透明材料を適宜の方法
によってシート状に成形したものである。可撓性とは、
室温(20℃)において柔軟性を有する性質をいい、通
常JIS K 7127に準じて測定される引張弾性率
が0.1〜200kgf/mm2 の範囲内であることを
いう。また、透明性とは、可視光を通過させることがで
きる性質をいい、通常JIS K 7105に準じて測
定される光線透過率(測定波長:550nm)が60%
以上であることをいう。このような可撓性透明シートを
用いることにより、透明性が確保できるとともに、取り
扱い性が比較的良好になる。また、ロール状の巻装体に
して保管や運搬等を行うことができ、そのロール状の巻
装体のまま従来公知のラミネート装置に供して連続生産
をすることができる。
【0013】上記可撓性透明材料の具体例としては、ア
クリルゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴ
ム、天然ゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−イソプレン共重合体、エチレン−プロ
ピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラー
ル、ポリアミド等があげられる。
【0014】そして、上記スペーサ21の厚みは、上記
透明電波吸収シート20がλ/4型電波吸収体として機
能するため、吸収波長(λ)の略1/4に設定すること
が望ましい。
【0015】また、上記スペーサ21の両面に形成され
る粘着剤層22,24の形成材料としては、アクリル系
透明粘着剤等の各種の透明粘着剤があげられる。そし
て、この粘着剤層22,24の厚みは、通常、スペーサ
21および粘着剤層22,24の合計厚みがλ/4とな
るように設定される。
【0016】上記第1の積層シート23を構成する第1
の透明シート26および第2の積層シート25を構成す
る第2の透明シート28は、可視光領域において透明な
シートであって、成形したものが透明性を有するように
なる各種の透明材料を適宜の方法によってシート状に成
形したものである。ここで、可視光領域とは、光線の波
長が380〜780nm程度であることをいう。
【0017】上記透明材料の具体例としては、PET、
ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルフォン(PE
S)、ポリアリレート(PAR)、ポリメタクリル酸メ
チル(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PE
N)等があげられる。そして、透明シート26,28
は、その形成材料が互いに同じであっても異なっていて
もよい。
【0018】そして、上記第1または第2の透明シート
26,28は、主として透明電波吸収膜27または透明
電波反射膜29を保持するものであるため、その厚みに
特に制限はないが、通常10〜350μm、好適には2
0〜150μmの範囲に設定される。
【0019】さらに、上記第1の透明シート26の一面
に形成される透明電波吸収膜27の形成材料としては、
従来から用いられている各種のものがあげられる。例え
ば、ITO等があげられる。ITOを用いる場合は、そ
の性質から、膜厚は、通常100nm以下、好適には1
0〜50nmに設定される。
【0020】そして、上記第2の透明シート28の一面
に形成される透明電波反射膜29の形成材料としては、
従来から用いられている各種のものがあげられる。例え
ば、透明電波反射膜29が1層からなる場合は、ITO
等があげられる。ITOを用いた場合は、その性質か
ら、その膜厚は、通常、150nm以上に設定されてい
ることが好ましい。
【0021】また、上記透明電波反射膜29は、1層に
限定するものではなく、2層以上にしてもよい。例え
ば、図2に示すように、電波反射能を有する膜(以下
「電波反射膜」という)31の両面に、透明性を向上さ
せることが可能な膜(以下「透明性向上膜」という)3
0,32を形成するようにしてもよい。
【0022】上記電波反射膜31の形成材料としては、
銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)と銅
(Cu),銀(Ag)と金(Au)等の銀系合金等があ
げられる。なかでも、透明性が比較的良好で、低表面抵
抗率が実現できるという理由から、Agが好ましい。
【0023】また、上記電波反射膜31の両面に形成さ
れる透明性向上膜30,32の形成材料としては、酸化
チタン(TiO2 )、酸化ジルコニウム(ZrO2 )、
酸化インジウム(In2 3 )、ITO、酸化アルミニ
ウム(Al2 3 )、フッ化マグネシム(MgF2 )、
酸化タンタル(Ta2 5 )等があげられる。なかで
も、電波反射膜31の表面の光の反射を効果的に抑える
ことができるという理由から、TiO2 が好ましい。な
お、2つの透明性向上膜30,32は、その形成材料が
互いに同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0024】そして、上記電波反射膜31を2つの透明
性向上膜30,32で挟み込んだ3層構造にした場合
は、電波反射能と透明性の両立という観点から、各膜厚
は、透明性向上膜30/電波反射膜31/透明性向上膜
32=5〜50nm/5〜30nm/5〜50nmに設
定されていることが好ましい。より好ましくは、20〜
40nm/10〜20nm/20〜40nmである。
【0025】上記透明電波吸収シート20は、上記各種
の材料を用い、例えばつぎのようにして作製することが
できる。すなわち、まず、図3に示すように、帯状の可
撓性透明シートからなるスペーサ21を準備する(ロー
ル状の巻装体)。また、帯状の透明シート(第1の透明
シート26となるもの)の表面に、透明電波吸収膜27
形成材料を適宜の蒸着方法で蒸着することにより所定厚
みの透明電波吸収膜27を形成した第1の積層シート2
3を準備する(ロール状の巻装体、透明電波吸収膜27
は図示せず)。さらに、帯状の透明シート(第2の透明
シート28となるもの)の表面に、透明電波反射膜29
形成材料を適宜の蒸着方法で蒸着することにより所定厚
みの透明電波反射膜29を形成した第2の積層シート2
5を準備する(ロール状の巻装体、透明電波反射膜29
は図示せず)。
【0026】上記蒸着方法としては、膜厚制御が容易で
あるという理由から、主としてスパッタリング法が採用
されるが、それ以外に真空蒸着法やイオンプレーティン
グ法等を採用してもよい。ここで、スパッタリング法と
は、不活性ガス(アルゴン等)を槽内に導入し、電極間
に数千ボルトの電圧をかけてグロー放電を起こさせ、不
活性ガスイオンを負に印加したターゲットに衝突させ、
飛散したターゲット物質を被蒸着体(透明シート)上で
凝固させて皮膜を形成する方法である。また、真空蒸着
法とは、高真空中(10-3〜10-6Torr程度)で蒸
着物質を加熱蒸発させ、被蒸着体(透明シート)上で凝
固させて皮膜を形成する方法である。さらに、イオンプ
レーティング法とは、加熱蒸発させた蒸発原子をグロー
放電または高周波プラズマで部分的にイオン化し、負に
印加した被蒸着体(透明シート)表面に蒸着させて皮膜
を形成する方法である。
【0027】つぎに、図3に示すように、スペーサ21
を繰り出すとともに、第2の積層シート25を繰り出
し、対向する可動ローラ34a,34bの間を通過させ
ることにより、スペーサ21上面に適宜の方法で設けら
れた粘着剤層24と第2の積層シート25の透明電波反
射膜29とを貼り合わせて一体化する。上記粘着剤層2
4は、繰り出したスペーサ21が可動ローラ34a,3
4bの間を通過する前に、スペーサ21上面に透明粘着
剤シートを貼りつける等して形成される。つづいて、第
1の積層シート23を繰り出し、対向する可動ローラ3
5a,35bの間を通過させることにより、第1の積層
シート23の透明電波吸収膜27と上記一体化体を構成
するスペーサ21の下面に適宜の方法で設けられた粘着
剤層22とを貼り合わせる。上記粘着剤層22は、一体
化体が可動ローラ35a,35bの間を通過する前に、
スペーサ21下面に透明粘着剤シートを貼りつける等し
て形成される。このようにして、第1の積層シート23
と、スペーサ21と、第2の積層シート25とが粘着剤
層22,24を介して積層一体化される。その後、積層
一体化体を切断機36によって所望の大きさに切断する
ことにより、図1に示す透明電波吸収シート20が得ら
れる。
【0028】なお、上記製造において、粘着剤層22,
24は、予め、第1の積層シート23および第2の積層
シート25の一面に、透明粘着剤を塗布するあるいは透
明粘着剤シートを貼りつけることにより形成しておいて
もよい。
【0029】また、上記透明電波吸収シート20の製造
は、上記ロール状の巻装体を使用する方法(図3参照)
に限定されるものではない。例えば、予め、所望形状の
透明電波吸収シート20に応じた第1の積層シート2
3、スペーサ21、第2の積層シート25を個別に準備
した後、それらを粘着剤層を介して積層一体化するよう
にしても差し支えはない。しかし、図3に示す方法であ
れば、大量生産が可能となるため、好適である。
【0030】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0031】
【実施例1】まず、厚み50μmの長尺のPET製シー
トを準備し、この一面にフィルム巻き取り式DCマグネ
トロンスパッタ蒸着装置(日本真空技術社製)を用いて
膜厚30nmのTiO2 膜、膜厚14nmのAg膜、膜
厚30nmのTiO2 膜を順次形成し、第1の積層シー
トを得た。なお、Ag膜の表面抵抗率は、10Ω/□で
あった。このようにして、第1の積層シートを準備し
た。
【0032】一方、厚み125μmの長尺のPET製シ
ートを準備し、この一面にフィルム巻き取り式DCマグ
ネトロンスパッタ蒸着装置(日本真空技術社製)を用い
て膜厚24nmのITO膜を形成した。なお、ITO膜
の表面抵抗率は、400Ω/□であった。このようにし
て、第2の積層シートを準備した。
【0033】つぎに、スペーサとして、厚み0.38m
mのポリビニルブチラール製シート〔誘電率:約3.2
(2GHz)、引張弾性率:2kgf/mm2 〕を準備
し、この両面に厚み50μmのアクリル系透明粘着剤シ
ートを貼りつけ、粘着剤層を形成した。そして、図3に
示す方法に準じて、透明電波吸収シートを製造した。
【0034】得られた透明電波吸収シートについて、下
記に示すようにして自由空間法(反射電力法)による反
射減衰量を測定したところ、周波数60GHzにおいて
32dBであった。また、JIS K 7105に準じ
て光線透過率(測定波長:550nm)を測定したとこ
ろ、65%であった。
【0035】〔自由空間法(反射電力法)による反射減
衰量の測定方法〕図4に示す測定系(60GHz用)を
準備し、この測定系により、透明電波吸収体およびそれ
と同寸法の金属板(材質:アルミニウム)の反射レベル
を測定し、両者の差を反射減衰量として算出した。図示
の測定系による測定方法を詳しく説明すると、まず、ネ
ットワークアナライザ40で発振したCW波を逓倍器4
1を介して3逓倍波とし、送信アンテナ42から距離d
1 (60cm)離れた試料43に向けて送信する。つぎ
に、試料43からの反射波を、送信アンテナ42から距
離d2 (10cm)離れた受信アンテナ44で受信す
る。そして、受信した反射波をダウンコンバータ45で
変換し、ネットワークアナライザー40によって測定す
る。なお、図示の測定系では、電波のカップリングを防
止するため、試料43に対する入射角が約5°となって
いるが、この程度の入射角であれば略垂直入射とみなす
ことができる。また、試料43以外の反射波の影響を少
なくするため、従来公知の電波吸収体47を貼りつけた
発泡スチロール製の試料固定台46を用いている。な
お、測定は、電波暗室48の中で行ない、送受信アンテ
ナ42,44は、電波暗室48の無電波地域(クワイア
ットゾーン)49に設置してある。
【0036】
【実施例2】スペーサとして、ポリビニルブチラール製
シートに代えて、厚み0.4mmのスチレン−ブタジエ
ン共重合体製シート〔誘電率:約2.7(2GHz)、
引張弾性率:10kgf/mm2 〕を用いた以外は、実
施例1と同様にして透明電波吸収シートを得た。
【0037】そして、上記と同様にして、自由空間法
(反射電力法)による反射減衰量、光線透過率を測定し
たところ、反射減衰量(周波数:60GHz)は21d
B、光線透過率(測定波長:550nm)は62%であ
った。
【0038】
【実施例3】TiO2 /Ag/TiO2 蒸着膜付きPE
T製シートに代えて、膜厚300nmで表面抵抗率が1
0Ω/□のITO蒸着膜が形成されたPET製シート
(全体の厚み125μm)を用いた以外は、実施例1と
同様にして透明電波吸収シートを得た。
【0039】そして、上記と同様にして、自由空間法
(反射電力法)による反射減衰量、光線透過率を測定し
たところ、反射減衰量(周波数:60GHz)は20d
B、光線透過率(測定波長:550nm)は67%であ
った。
【0040】
【比較例】スペーサとして従来から用いているPC製シ
ート(厚み0.5mm、引張弾性率240kgf/mm
2 )を用い、TiO2 /Ag/TiO2 蒸着膜付きPE
T製シートに代えて、膜厚300nmで表面抵抗率が1
0Ω/□のITO蒸着膜が形成されたPET製シート
(全体の厚み75μm)を用いた。そして、実施例1と
同様、図3に示すようにして製造しようと試みたが、P
C製シートが剛性を有するため、製造できなかった。そ
こで、予め所定の大きさに切断した、膜厚300nmの
ITO蒸着膜付きPET製シートと、膜厚24nmのI
TO蒸着膜付きPET製シートと、両面にアクリル系透
明粘着剤層が形成されたPC製シートとを準備した後、
PC製シート上の粘着剤層の一面に、ITO蒸着膜が直
接接するようにして膜厚300nmのITO蒸着膜付き
PET製シートを貼りつけるとともに、他面に、ITO
蒸着膜が直接接するようにして膜厚24nmのITO蒸
着膜付きPET製シートを貼りつけた。このようにし
て、透明電波吸収シートを得た。
【0041】そして、上記と同様にして、自由空間法
(反射電力法)による反射減衰量、光線透過率、引張弾
性率を測定したところ、反射減衰量(周波数:60GH
z)は35dB、光線透過率(測定波長:550nm)
は65%であった。
【0042】
【発明の効果】以上のように、この発明の透明電波吸収
シートは、第1の透明シートの一面に透明電波吸収膜が
形成されてなる第1の積層シートと、第2の透明シート
の一面に透明電波反射膜が形成されてなる第2の積層シ
ートと、可撓性透明シートからなるスペーサとを備えた
ものである。そのため、電波の反射を抑えることができ
るとともに、充分な透明性を備え、窓ガラス等の透明性
が要求される貼着体に貼着するものとして最適なものと
なる。また、スペーサとして可撓性透明シートを用いる
ため、従来の透明電波吸収シートに比べ取り扱い性が良
好になり、しかも従来公知のラミネート装置を用いての
連続生産が可能になるという利点がある。
【0043】なお、第1の積層シート、スペーサ、第2
の積層シートのすべてが充分な可撓性を有している場合
には、透明電波吸収シート全体としても可撓性を有する
こととなるため、非常に取り扱い性が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の透明電波吸収シートの一例を説明す
るための模式的断面図である。
【図2】透明電波反射膜の一例を説明するための模式的
断面図である。
【図3】この発明の透明電波吸収シートを製造する方法
を説明するための説明図である。
【図4】反射減衰量の測定系を示す説明図である。
【図5】従来の透明電波吸収シートを説明するための模
式的断面図である。
【符号の説明】 20 透明電波吸収シート 21 スペーサ 23 第1の積層シート 25 第2の積層シート 26 第1の透明シート 27 透明電波吸収膜 28 第2の透明シート 29 透明電波反射膜
フロントページの続き (72)発明者 片山 晶雅 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 5J020 BD02 EA03 EA10

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の透明シートの一面に透明電波吸収
    膜が形成されてなる第1の積層シートと、第2の透明シ
    ートの一面に透明電波反射膜が形成されてなる第2の積
    層シートと、両積層シートの間に介在するスペーサとを
    備えた透明電波吸収シートであって、上記スペーサが、
    可撓性透明シートであることを特徴とする透明電波吸収
    シート。
JP10346069A 1998-12-04 1998-12-04 透明電波吸収シート Pending JP2000174545A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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