JP2000261241A - 電波吸収体およびその製法 - Google Patents

電波吸収体およびその製法

Info

Publication number
JP2000261241A
JP2000261241A JP11059335A JP5933599A JP2000261241A JP 2000261241 A JP2000261241 A JP 2000261241A JP 11059335 A JP11059335 A JP 11059335A JP 5933599 A JP5933599 A JP 5933599A JP 2000261241 A JP2000261241 A JP 2000261241A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radio wave
film
spacer
wave absorber
dispersed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11059335A
Other languages
English (en)
Inventor
Akimasa Katayama
晶雅 片山
Tetsuya Takeuchi
哲也 竹内
Tatenori Sasai
建典 笹井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP11059335A priority Critical patent/JP2000261241A/ja
Publication of JP2000261241A publication Critical patent/JP2000261241A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】低コストおよび高品質化を実現できる電波吸収
体を提供する。 【解決手段】電波反射膜22と抵抗膜23とをスペーサ
21を介在させて所定距離に保つ抵抗皮膜型の電波吸収
体20であって、上記スペーサ21の一面を上記電波反
射膜22に形成し、他面を上記抵抗膜23に形成するよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窓ガラスや壁等に
施工し、電波の反射を少なくすることができる電波吸収
体およびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の情報伝達技術の飛躍的進歩に伴
い、多様な情報伝達が可能となっている。こうしたなか
で、無線による情報伝達が、利便性の観点から、非常に
優れ、盛んに研究が進められている。無線による情報伝
達としては、携帯電話等の電話機が広く知られている
が、最近、携帯型コンピューターや移動型コンピュータ
ーを支援するネットワーク装置である無線LAN(Loca
l Area Network) が注目を集めている。無線LANは、
その通信方式として、スペクトル拡散方式,狭帯域方
式,赤外線方式が知られており、現在、無線LANは、
室内において導入が進められている。しかし、室内で
は、窓ガラスや壁等によって電波が反射するため、その
反射波により誤動作が生じやすいという問題がある。ま
た、隣室その他の場所で別の無線LANが使用されてい
た場合、侵入してきた電波によって誤動作が生じる可能
性がある。そのため、室内における反射波を低減すると
ともに室外からの電波を遮蔽することのできる建材が必
要となっている。特に、窓ガラス用には、透明性も必要
とされるため、透明性を兼ね備えた建材が必要となって
いる。
【0003】このような建材として、例えば、図9に示
す抵抗皮膜型の電波吸収体1が提案されている。この電
波吸収体1は、全体として透明性を有するものであっ
て、ポリカーボネート(PC)製のスペーサ2と、第1
の積層体3と、第2の積層体4と、アクリル系透明粘着
剤からなる粘着剤層5,6とから構成される。第1の積
層体3は、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の
第1の透明フィルム7の表面に、酸化インジウムすず
(ITO)からなる、膜厚数十nmの抵抗膜8を形成し
たものである。また、第2の積層体4は、PET製の第
2の透明フィルム9の表面に、ITOからなる、膜厚数
百nmの電波反射膜10を形成したものである。そし
て、上記第1,第2の積層体3,4は、粘着剤層5,6
を介して、スペーサ2の左右両面に接着されており、そ
の接着態様は、第1の積層体3の抵抗膜8と第2の積層
体4の電波反射膜10とが互いに対向するようになって
いる。なお、図において、矢印Aは、電波の侵入方向を
示している。
【0004】上記電波吸収体1は、ITOの、膜厚の変
化によって表面抵抗率が変化する性質、すなわち膜厚を
大きくすると表面抵抗率が小さくなって電波反射能を発
揮し、逆に膜厚を小さくすると表面抵抗率が大きくなっ
て電波吸収能を発揮する性質を利用したものであり、両
膜8,10の距離を吸収波長(λ)の1/4にすること
により、全体として電波を吸収し、反射波を少なくする
ことができるようになっている。そのため、この電波吸
収体1の表面(例えば、第2の透明フィルム9の表面)
に粘着剤層を設け、この粘着剤層を介して窓ガラス等に
施工するようにすれば、無線LAN電波の反射を少なく
することができるとともに、室外からの電波を遮蔽で
き、無線LAN等による情報伝達を支障なく行うことが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記電
波吸収体1は、抵抗膜8付き第1の透明フィルム7、電
波反射膜10付き第2の透明フィルム9、スペーサ2を
個別に準備した後、それらを工場あるいは現場にて貼り
合わす工程が必要なため、コストが増加するという問題
がある。また、製品面から見ても、貼り合わせ時に空気
が混入したりしわ等が発生したりして品質の低下を招来
する可能性がある。したがって、低コストで高品質な製
品を提供できる技術の開発が強く望まれている。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、低コストおよび高品質化を実現できる電波吸収
体およびその製法の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、電波反射膜と抵抗膜とをスペーサを介在
させて所定距離に保つ抵抗皮膜型の電波吸収体であっ
て、上記スペーサの一面が上記電波反射膜に形成され、
他面が上記抵抗膜に形成されている電波吸収体を第1の
要旨とする。
【0008】また、本発明は、抵抗膜形成面を除く面を
マスクしたスペーサを準備し、そのマスク済みスペーサ
を、ITO微粒子が溶剤中に分散された分散インク中
に、繰り返し浸漬および引き上げを行うことにより上記
マスク済みスペーサの表面に分散インクからなる液膜を
形成し、ついで乾燥工程、マスク除去工程、焼成工程を
経由させることによりITO微粒子から構成される抵抗
膜を形成し、その抵抗膜形成面のスペーサ裏面に導電体
からなる電波反射膜を形成する電波吸収体の製法を第2
の要旨とする。
【0009】さらに、本発明は、導電体からなる電波反
射膜形成済みスペーサを準備し、その電波反射膜形成面
のスペーサ裏面を除く面をマスクし、そのマスク済みス
ペーサを、ITO微粒子が溶剤中に分散された分散イン
ク中に、繰り返し浸漬および引き上げを行うことにより
上記マスク済みスペーサの表面に分散インクからなる液
膜を形成し、ついで乾燥工程、マスク除去工程、焼成工
程を経由させることによりITO微粒子から構成される
抵抗膜を形成する電波吸収体の製法を第3の要旨とす
る。
【0010】そして、本発明は、対面する一対のスペー
サの外縁部をシーリング材で把持して両スペーサ間を密
封し、その状態のまま、ITO微粒子が溶剤中に分散さ
れた分散インク中に、繰り返し浸漬および引き上げを行
うことにより上記シーリング材で把持されたスペーサの
外表面に分散インクからなる液膜を形成し、ついで乾燥
工程、シーリング材除去工程、焼成工程を経由させるこ
とにより、それぞれのスペーサの上記外表面に上記IT
O微粒子から構成される抵抗膜を形成し、その抵抗膜形
成面のスペーサ裏面に導電体からなる電波反射膜をそれ
ぞれ形成する電波吸収体の製法を第4の要旨とする。
【0011】また、本発明は、所定間隔で対面する一対
のスペーサの外縁部をシーリング材で把持し、貫通孔を
介して両スペーサ間を外部と流通可能にし、その貫通孔
から、ITO微粒子が溶剤中に分散された分散インクを
導入して、対面する一対のスペーサの相対向する面に分
散インクからなる液膜を形成し、ついで乾燥工程、シー
リング材除去工程、焼成工程を経由させることにより、
それぞれのスペーサの上記相対向する面に上記ITO微
粒子から構成される抵抗膜を形成し、スペーサの上記抵
抗膜形成面と反対側の面に導電体からなる電波反射膜を
それぞれ形成する電波吸収体の製法を第5の要旨とす
る。
【0012】本発明者らは、低コストで高品質な電波吸
収体を提供すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、電波
反射膜と抵抗膜とその間に介在するスペーサとを備えた
抵抗皮膜型の電波吸収体において、上記スペーサの一面
を電波反射膜に形成し、他面を抵抗膜に形成すれば所期
の目的を達成できることを見いだし、本発明に到達し
た。
【0013】そして、本発明者らは、このような電波吸
収体を得る方法としては、つぎの4つの方法が特に好ま
しいことを見いだした。すなわち、第1の方法として、
まず抵抗膜形成面を除く面をマスクしたスペーサを、I
TO微粒子が溶剤中に分散された分散インク中に繰り返
し浸漬および引き上げを行ってその分散インクからなる
液膜を形成し、ついで乾燥工程、マスク除去工程、焼成
工程を経由させることにより抵抗膜を形成し、その後、
その抵抗膜形成面のスペーサ裏面に導電体からなる電波
反射膜を形成することが好ましいことを見いだした。ま
た、第2の方法として、予め導電体からなる電波反射膜
を形成しておいたスペーサを用い、上記第1の方法と同
様にして、抵抗膜を形成することが好ましいことを見い
だした。
【0014】さらに、第3の方法として、対面する一対
のスペーサ間をシーリング材で密封した後、上記分散イ
ンク中に繰り返し浸漬および引き上げを行ってその分散
インクからなる液膜を形成し、ついで乾燥工程、シーリ
ング材除去工程、焼成工程を経由させることによりそれ
ぞれのスペーサの表面に抵抗膜を形成し、その後、その
抵抗膜形成面のスペーサ裏面に導電体からなる電波反射
膜をそれぞれ形成することが好ましいことを見いだし
た。また、第4の方法として、所定間隔で対面した一対
のスペーサを貫通孔を介して両スペーサ間を外部と流通
可能にし、その貫通孔から、上記分散インクを導入して
上記一対のスペーサの相対向する面に分散インクからな
る液膜を形成し、ついで乾燥工程、シーリング材除去工
程、焼成工程を経由させることによりそれぞれのスペー
サの上記相対向する面に抵抗膜を形成し、その後、スペ
ーサの抵抗膜形成面と反対側の面に導電体からなる電波
反射膜をそれぞれ形成することが好ましいことを見いだ
した。なお、これら4つの方法のうち第3の方法と第4
の方法が、生産性の点で特に有利である。
【0015】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて詳しく説明する。
【0016】本発明の電波吸収体の一例を図1に基づい
て説明する。この電波吸収体20は、全体として透明性
を有するものであって、スペーサ21の一面に電波反射
膜22が直接形成され、他面に抵抗膜23が直接形成さ
れて構成される。
【0017】上記スペーサ21としては、上記電波吸収
体20が主として透明性が要求される用途に用いられる
ため、通常、透明ガラス板、透明樹脂板、透明樹脂フィ
ルム等の透明性を有するものが用いられる。なかでも、
耐熱性に優れ、各種の膜形成手法を採用できる点で、透
明ガラス板が好ましい。なお、上記透明樹脂板や透明樹
脂フィルムの材質としては、例えばPET,ポリイミド
(PI),PC,ポリメタクリル酸メチル(PMM
A),ポリエチレンナフタレート(PEN)等があげら
れる。そして、上記スペーサ21の厚みは、得られる電
波吸収体20が良好な電波反射抑制能を発揮できるよう
に、その形成材料に応じて適宜に設定される。
【0018】上記スペーサ21の一面に直接形成される
電波反射膜22は、電波反射能を発揮する膜であって、
通常導電体からなる。この導電体としては、金属、導電
セラミック、導電メッシュ等があげられる。そして、こ
の電波反射膜22は、表面抵抗率(JIS K 719
4に準じて測定される値)が10Ω/□以下に設定され
ていることが望ましいため、例えば、ITOからなる場
合、その膜厚は、150nm以上に設定されていること
が好ましい。
【0019】一方、上記スペーサ21の他面に直接形成
される抵抗膜23は、透明性を有し表面抵抗率が大きい
膜であって、通常ITOからなる。そして、この抵抗膜
23は、表面抵抗率(JIS K 7194に準じて測
定される値)が400Ω/□程度に設定されていること
が望ましいため、例えば、ITOからなる場合、その膜
厚は、通常100nm以下、好適には10〜50nmの
範囲に設定される。
【0020】上記電波吸収体20は、上記電波反射膜2
2形成材料(および抵抗膜23形成材料)を用い、上記
スペーサ21の一面(他面)に対し、スパッタリング
法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の蒸着法、
ディップコート法、スプレー法等の塗布法、ゾルゲル
法、熱分解法等の各種の膜形成手法を用いることにより
製造することができる。
【0021】上記蒸着法のうちスパッタリング法とは、
不活性ガス(アルゴン等)を槽内に導入し、電極間に数
千ボルトの電圧をかけてグロー放電を起こさせ、不活性
ガスイオンを負に印加したターゲットに衝突させ、飛散
したターゲット物質を被蒸着体(スペーサ21)上で凝
固させて皮膜を形成する方法である。また、真空蒸着法
とは、高真空中(10-3〜10-6Torr程度)で蒸着
物質を加熱蒸発させ、被蒸着体(スペーサ21)上で凝
固させて皮膜を形成する方法である。さらに、イオンプ
レーティング法とは、加熱蒸発させた蒸発原子をグロー
放電または高周波プラズマで部分的にイオン化し、負に
印加した被蒸着体(スペーサ21)表面に蒸着させて皮
膜を形成する方法である。
【0022】また、上記塗布法のうちディップコート法
とは、被塗布体(スペーサ21)を塗布したい材料を含
む液体中に繰り返し浸漬および引き上げを行った後、乾
燥させて皮膜を形成する方法である。そして、スプレー
法とは、塗布したい材料を含む液体を被塗布体(スペー
サ21)にスプレーした後、乾燥させて皮膜を形成する
方法である。
【0023】さらに、上記ゾルゲル法、熱分解法は、皮
膜形成までの反応の違いにより分類されるものである
が、基本的には加熱時に何らかの反応をさせ機能性薄膜
を形成するものである。これらの方法を採用する場合
は、低表面抵抗率が得られやすいという理由から、加熱
温度を高く設定することが好ましい。
【0024】そして、上記電波吸収体20の製造は、抵
抗膜23の形成につき、上記一連の膜形成手法のなかで
もディップコート法を採用し、下記の4つの方法のいず
れかで行うことが好ましい。なかでも、第3の方法、第
4の方法は、一面に抵抗膜23が形成されたスペーサ2
1を1度に2枚作製できる方法であるため、生産性の観
点から特に好ましい。
【0025】〔第1の方法〕まず、図2に示すように、
スペーサ21の表面のうち、抵抗膜形成面23′を除く
面をマスク材24でマスクする。このマスク材24の材
質は、つぎに用いる分散インクに溶解しないものであれ
ばどのようなものであってもよい。ついで、ITO微粒
子が溶剤中に分散された分散インクが装填された槽25
内に、上記マスク材24でマスクされたスペーサ21を
浸漬し、その後引き上げる。そして、この浸漬および引
き上げを所定回数繰り返し行うことにより、マスク材2
4付きスペーサ21の表面に分散インクからなる液膜2
6を形成する。つぎに、上記液膜26を乾燥させた後、
マスク材24を取り外し、焼成を行うことにより、スペ
ーサ21の一面に抵抗膜23を形成する。その後、上記
抵抗膜23形成済みスペーサ21の裏面に、導電体から
なる電波反射膜22を形成する。このようにして、図1
に示す電波吸収体20が得られる。
【0026】上記第1の方法で用いられる分散インク
は、上述したように、ITO微粒子と溶剤とを含有する
ものであるが、それら以外に樹脂バインダーや無機バイ
ンダーが配合されていてもよい。そして、この分散イン
クの粘度は、抵抗膜23を良好な状態で形成するため、
塗布作業時の温度(20℃程度)で10〜50pois
e(JIS K 5400 4.5による測定値)の範
囲に設定されていることが好ましい。また、上記分散イ
ンク全体に占めるITO微粒子の含有割合は、形成され
る抵抗膜23の透明性、導電性を考慮して、30〜70
体積%の範囲に設定されていることが好ましい。また、
導電性向上のため、分散インク中にすずを含有させるこ
とが好ましい。さらに、分散インク中のITO微粒子と
しては、形成される抵抗膜23の透明性を考慮して、平
均粒径が50nm以下、特に10〜30nmの範囲のも
のが好ましい。なお、分散インク中の溶剤は、一般のイ
ンクに用いられる各種の有機溶剤または水が用いられ
る。
【0027】〔第2の方法〕まず、図3に示すように、
スペーサ21の一面に、導電体からなる電波反射膜22
を形成する。ついで、上記第1の方法と同様、得られた
電波反射膜22形成済みスペーサ21の裏面23″を除
く面をマスク材24でマスクする。つぎに、上記と同様
の分散インクが装填された槽25内に、上記マスク材2
4でマスクされた電波反射膜22形成済みスペーサ21
を浸漬し、その後引き上げる。そして、この浸漬および
引き上げを所定回数繰り返し行うことにより、マスク材
24付き電波反射膜22形成済みスペーサ21の表面に
分散インクからなる液膜26を形成する。そして、上記
液膜26を、乾燥させた後、マスク材24を取り外し、
焼成を行うことにより、スペーサ21の裏面に抵抗膜2
3を形成する。このようにして、図1に示す電波吸収体
20が得られる。
【0028】〔第3の方法〕まず、図4(A)および図
4(B)に示すように、対面する一対のスペーサ21
a,21bの外縁部を、シーリング材27で把持して密
封する。この密封は、分散インクからなる液膜がスペー
サ21a,21bの相対向する面28a,28bに形成
されないようにするために行う。なお、この際に用いら
れるシーリング材27の材質については、分散インクに
溶解しないものであればどのような材質であってもよ
い。また、シーリング材27の形状については、一対の
スペーサ21a,21bを密封できるのであればどのよ
うな形状であってもよく、通常、2以上に分割できるよ
うになっている。
【0029】つぎに、図5に示すように、上記と同様の
分散インクが装填された槽25内に、上記シーリング材
27で把持し密封された一対のスペーサ21a,21b
を浸漬し、その後引き上げる。そして、この浸漬および
引き上げを所定回数繰り返し行うことにより、シーリン
グ材27で把持し密封されたスペーサ21a,21bの
外表面に分散インクからなる液膜26を形成する。つぎ
に、上記液膜26を乾燥させた後、シーリング材27を
取り外し、焼成を行うことにより、スペーサ21a,2
1bの一面に抵抗膜23a,23bを形成する。その
後、上記抵抗膜23a形成済みスペーサ21a(または
抵抗膜23b形成済みスペーサ21b)の裏面に、導電
体からなる電波反射膜22を形成する。このようにし
て、図1に示す電波吸収体20が得られる。
【0030】なお、上記第3の方法において、上記シー
リング材27を用いての把持は、必ずしも一対のスペー
サ21a,21bを所定距離に保つ(図4および図5参
照)ようにして行う必要はなく、一対のスペーサ21
a,21bの相対向する面28a,28bが互いに接す
るようにして把持を行ってもよい。
【0031】〔第4の方法〕まず、図6に示すように、
所定間隔で対面する一対のスペーサ21a,21bの外
縁部を、貫通孔29a,29bを有するシーリング材2
7′で把持する。なお、一対のスペーサ21a,21b
の間隔、ならびにシーリング材27′が有する貫通孔2
9a,29bの数および大きさについては、分散インク
からなる液膜26が良好な状態で形成できるように適宜
に設定される。つぎに、上記と同様の分散インクを上記
シーリング材27′の貫通孔29aから流入させ、貫通
孔29bから排出する。そして、この流入および排出を
所定回数繰り返し行うことにより、シーリング材27′
で把持したスペーサ21a,21bの相対向する面28
a,28bに分散インクからなる液膜26を形成する。
つぎに、上記液膜26を乾燥させた後、シーリング材2
7′を取り外し、焼成を行うことにより、スペーサ21
a,21bの一面に抵抗膜23a,23bを形成する。
その後、上記抵抗膜23a形成済みスペーサ21a(ま
たは抵抗膜23b形成済みスペーサ21b)の他面に、
導電体からなる電波反射膜22を形成する。このように
して、図1に示す電波吸収体20が得られる。
【0032】このようにして得られた電波吸収体20
は、スペーサ21の一面に電波反射膜22が直接形成さ
れ、他面に抵抗膜23が直接形成されている。このた
め、従来の電波吸収体1(図9参照)のように、抵抗膜
8付き第1の透明フィルム7、電波反射膜10付き第2
の透明フィルム9、スペーサ2を個別に準備した後、そ
れらを工場あるいは現場にて貼り合わす工程が不要とな
り、低コストな製品が得られる。さらに、上記第1の透
明フィルム7および第2の透明フィルム9が不要になる
ため、材料の面からもコストを低減させることができ
る。そして、スペーサ21の両面に電波反射膜22およ
び抵抗膜23が直接形成されているため、従来のよう
に、空気の混入や貼り合わせによるしわ等の発生の心配
がないという利点がある。
【0033】なお、上記電波吸収体20において、電波
反射膜22および抵抗膜23は、必ずしも均一厚みの層
状に形成する必要はなく、例えばメッシュ状(網目状)
に形成してもよい。
【0034】また、上記電波反射膜22は、図1に示す
ような1層構造に限定されるものではなく、2層以上に
してもよい。例えば、図7に示すように、反射膜31の
両面に、透明性を向上させることが可能な膜(以下「透
明性向上膜」という)32a,32bを形成して、3層
構造にしてもよい。
【0035】上記反射膜31の形成材料としては、銀
(Ag),アルミニウム(Al),銀(Ag)と銅(C
u),銀(Ag)と金(Au)等の銀系合金等があげら
れる。なかでも、透明性が比較的良好で、低表面抵抗率
を実現できるという理由から、Agが好ましい。
【0036】上記反射膜31の両面に形成される透明性
向上膜32a,32bの形成材料としては、酸化チタン
(TiO2 ),酸化ジルコニウム(ZrO2 ),酸化イ
ンジウム(In2 3 ),ITO,酸化アルミニウム
(Al2 3 ),フッ化マグネシム(MgF2 ),酸化
タンタル(Ta2 5 )等があげられる。なかでも、反
射膜31の表面の光の反射を効果的に抑えることができ
るという理由から、TiO2 が好ましい。なお、2つの
透明性向上膜32a,32bは、その形成材料が互いに
同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0037】また、上記スペーサ21は、図1に示すよ
うな1層構造に限定されるものではなく、複層構造であ
ってもよい。
【0038】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0039】
【実施例1】まず、厚み5mmのガラス板(比誘電率
8.2)を準備し、その一面を除く面をマスク材(材
質:シリコーン樹脂)でマスクした(図2参照)。つい
で、そのマスク材付きガラス板を、透明導電性ITOイ
ンク(住友金属鉱山社製のDX−418、高温焼成タイ
プ、20℃で30poise、ITO微粒子の平均粒径
20nm)中に繰り返し浸漬および引き上げを行ない、
液膜を形成した。つぎに、120℃×15分間の条件で
乾燥を行った後、マスク材を取り外し、さらに450℃
×20分間の条件で焼成を行い、表面抵抗率が400Ω
/□であるITO膜(抵抗膜、膜厚0.3μm)を形成
した。その後、ガラス板の裏面に、DCマグネトロンス
パッタ蒸着装置(日本真空技術社製)を用いて、表面抵
抗率が10Ω/□であるITO膜(電波反射膜、膜厚3
00nm)を形成した。このようにして、スペーサの一
面が抵抗膜に形成され、他面が電波反射膜に形成された
電波吸収体を作製した。
【0040】このようにして得られた電波吸収体につい
て、下記に示すようにして自由空間法(反射電力法)に
よる反射減衰量を測定したところ、周波数5.2GHz
において35dBであった。また、JIS R 310
6に準じて分光透過率(測定波長:550nm)を測定
したところ、75%であった。
【0041】〔自由空間法(反射電力法)による反射減
衰量の測定方法〕図8に示す測定系を準備し、この測定
系により、電波吸収体およびそれと同寸法の金属板(材
質:アルミニウム)の反射レベルを測定し、両者の差を
反射減衰量として算出した。図示の測定系による測定方
法を詳しく説明すると、まず、ネットワークアナライザ
40で発振したCW波を逓倍器41を介して3逓倍波と
し、送信アンテナ42から距離d1 (2.5m)離れた
試料43に向けて送信する。つぎに、試料43からの反
射波を、送信アンテナ42から距離d2 (30cm)離
れた受信アンテナ44で受信する。そして、受信した反
射波をダウンコンバータ45で変換し、ネットワークア
ナライザ40によって測定する。なお、図示の測定系で
は、電波のカップリングを防止するため、試料43に対
する入射角が約5°となっているが、この程度の入射角
であれば略垂直入射とみなすことができる。また、試料
43以外の反射波の影響を少なくするため、従来公知の
電波吸収体47を貼り付けた発泡スチロール製の試料固
定台46を用いている。なお、測定は、電波暗室48の
中で行ない、送受信アンテナ42,44は、電波暗室4
8の無電波地域(クワイアットゾーン)49に設置して
ある。
【0042】
【実施例2】まず、厚み10mmのPC製の樹脂板を準
備し、その一面を除く面をマスク材(材質:シリコーン
樹脂)でマスクした(図2参照)。ついで、そのマスク
材付き樹脂板を、透明導電性ITOインク(住友金属鉱
山社製のDX−418、低温焼成タイプ、20℃で30
poise、ITO微粒子の平均粒径20nm)中に繰
り返し浸漬および引き上げを行ない、液膜を形成した。
つぎに、40℃×15分間の条件で乾燥を行った後、マ
スク材を取り外し、さらに80℃×15分間の条件で焼
成を行い、表面抵抗率が400Ω/□であるITO膜
(抵抗膜、膜厚3μm)を形成した。その後、樹脂板の
裏面に、DCマグネトロンスパッタ蒸着装置(日本真空
技術社製)を用いて、表面抵抗率が10Ω/□であるI
TO膜(電波反射膜、膜厚300nm)を形成した。こ
のようにして、スペーサの一面が抵抗膜に形成され、他
面が電波反射膜に形成された電波吸収体を作製した。
【0043】このようにして得られた電波吸収体につい
て、上記と同様にして自由空間法(反射電力法)による
反射減衰量を測定したところ、周波数4.7GHzにお
いて31dBであった。また、上記と同様にして分光透
過率(測定波長:550nm)を測定したところ、80
%であった。
【0044】
【実施例3】まず、厚み0.5mmのPC製の樹脂板を
準備し、その一面に、DCマグネトロンスパッタ蒸着装
置(日本真空技術社製)を用いて、表面抵抗率が400
Ω/□であるITO膜(抵抗膜、膜厚24nm)を形成
した。一方、PC製の樹脂板の裏面に、DCマグネトロ
ンスパッタ蒸着装置(日本真空技術社製)を用いて、表
面抵抗率が10Ω/□であるITO膜(電波反射膜、膜
厚300nm)を形成した。このようにして、スペーサ
の一面が抵抗膜に形成され、他面が電波反射膜に形成さ
れた電波吸収体を作製した。
【0045】このようにして得られた電波吸収体につい
て、上記と同様にして自由空間法(反射電力法)による
反射減衰量を測定したところ、周波数76GHzにおい
て41dBであった。また、上記と同様にして分光透過
率(測定波長:550nm)を測定したところ、73%
であった。
【0046】
【実施例4】まず、厚み5mmのガラス板(比誘電率
8.2)を準備し、その一面に対し、DCマグネトロン
スパッタ蒸着装置(日本真空技術社製)を用いて、表面
抵抗率が10Ω/□のITO膜(電波反射膜、膜厚30
0nm)を形成した(図3参照)。ついで、そのITO
膜形成面のスペーサ裏面を除く面をマスクし、そのマス
ク済みスペーサを、透明導電性ITOインク(住友金属
鉱山社製のDX−418、低温焼成タイプ、20℃で3
0poise、ITO微粒子の平均粒径20nm)中に
繰り返し浸漬および引き上げを行ない、液膜を形成し
た。つぎに、40℃×15分間の条件で乾燥を行った
後、マスク材を取り外し、さらに80℃×15分間の条
件で焼成を行い、表面抵抗率が400Ω/□であるIT
O膜(抵抗膜、膜厚3μm)を形成した。このようにし
て、スペーサの一面が抵抗膜に形成され、他面が電波反
射膜に形成された電波吸収体を作製した。
【0047】このようにして得られた電波吸収体につい
て、上記と同様にして自由空間法(反射電力法)による
反射減衰量を測定したところ、周波数5.2GHzにお
いて30dBであった。また、上記と同様にして分光透
過率(測定波長:550nm)を測定したところ、80
%であった。
【0048】
【実施例5】まず、厚み5mmのガラス板(比誘電率
8.2)を2枚準備し、シーリング材(材質:シリコー
ン樹脂)で密封した(図4および図5参照)。この際、
2枚のガラス板の距離を10mmとした。ついで、その
シーリング材付きガラス板を、透明導電性ITOインク
(住友金属鉱山社製のDX−418、高温焼成タイプ、
20℃で30poise、ITO微粒子の平均粒径20
nm)中に繰り返し浸漬および引き上げを行ない、液膜
を形成した。つぎに、120℃×15分間の条件で乾燥
を行った後、シーリング材を取り外し、さらに450℃
×20分間の条件で焼成を行い、表面抵抗率が400Ω
/□であるITO膜(抵抗膜、膜厚0.3μm)を形成
した。その後、得られた2枚の抵抗膜付きガラス板の裏
面に、DCマグネトロンスパッタ蒸着装置(日本真空技
術社製)を用いて、表面抵抗率が10Ω/□であるIT
O膜(電波反射膜、膜厚300nm)を形成した。この
ようにして、スペーサの一面が抵抗膜に形成され、他面
が電波反射膜に形成された電波吸収体を2枚作製した。
【0049】このようにして得られた電波吸収体(2枚
のうち1枚)について、上記と同様にして自由空間法
(反射電力法)による反射減衰量を測定したところ、周
波数5.2GHzにおいて35dBであった。また、上
記と同様にして分光透過率(測定波長:550nm)を
測定したところ、75%であった。
【0050】
【実施例6】まず、厚み10mmのPC製の樹脂板を2
枚準備し、シーリング材(材質:シリコーン樹脂、貫通
孔の形成条件:直径10mmの貫通孔を20mm間隔で
形成)で把持した(図6参照)。この際、2枚の樹脂板
の距離を20mmとした。ついで、上記シーリング材の
一面に形成された貫通孔から、透明導電性ITOインク
(住友金属鉱山社製のDX−418、低温焼成タイプ、
20℃で30poise、ITO微粒子の平均粒径20
nm)を流入し、他面に形成された貫通孔から、透明導
電性ITOインクを排出する作業を繰り返し行い、液膜
を形成した。つぎに、40℃×15分間の条件で乾燥を
行った後、シーリング材を取り外し、さらに80℃×1
5分間の条件で焼成を行い、表面抵抗率が400Ω/□
であるITO膜(抵抗膜、膜厚3μm)を形成した。そ
の後、得られた2枚の抵抗膜付き樹脂板のそれぞれの裏
面に、DCマグネトロンスパッタ蒸着装置(日本真空技
術社製)を用いて、表面抵抗率が10Ω/□であるIT
O膜(電波反射膜、膜厚300nm)を形成した。この
ようにして、スペーサの一面が抵抗膜に形成され、他面
が電波反射膜に形成された電波吸収体を2枚作製した。
【0051】このようにして得られた電波吸収体(2枚
のうち1枚)について、上記と同様にして自由空間法
(反射電力法)による反射減衰量を測定したところ、周
波数4.7GHzにおいて31dBであった。また、上
記と同様にして分光透過率(測定波長:550nm)を
測定したところ、80%であった。
【0052】
【従来例】厚み25μmのPETフィルムを準備し、こ
の一面にDCマグネトロンスパッタ蒸着装置(日本真空
技術社製)を用いて、表面抵抗率が10Ω/□であるI
TO膜(電波反射膜、膜厚300nm)を形成した。一
方、厚み25μmのPETフィルムを準備し、この一面
にDCマグネトロンスパッタ蒸着装置(日本真空技術社
製)を用いて、表面抵抗率が400Ω/□であるITO
膜(抵抗膜、膜厚24nm)を形成した。
【0053】つぎに、厚み10mmのPC製の樹脂板を
準備し、この両面に厚み20μmのアクリル系透明粘着
剤フィルムを貼りつけ、粘着剤層を形成した。そして、
この両面の粘着剤層を介して、PC製の樹脂板の一面に
電波反射膜付きPETフィルムを、他面に抵抗膜付きP
ETフィルムを貼りつけた。このようにして電波吸収体
を得た(図9参照)。
【0054】このようにして得られた電波吸収体につい
て、上記と同様にして自由空間法(反射電力法)による
反射減衰量を測定したところ、周波数4.7GHzにお
いて36dBであった。また、上記と同様にして分光透
過率(測定波長:550nm)を測定したところ、65
%であった。
【0055】上記実施例1品〜6品および従来例品につ
いての評価結果より、実施例1品〜6品のように、スペ
ーサに直接抵抗膜および電波反射膜を形成しても、従来
例品と同様、良好な反射減衰量と分光透過率を実現して
いることがわかる。また、実施例1品、2品、4品、5
品、6品の抵抗膜を目視したところ、塗布むら等に伴う
不具合は見られなかった。
【0056】
【実施例7】つぎに、電波反射膜をTiO2 蒸着膜/A
g蒸着膜/TiO2 蒸着膜の3層構造にしたこと以外
は、実施例1と同様にして、電波吸収体を作製した。そ
して、実施例1と同様にして反射減衰量および分光透過
率を測定したところ、実施例1と同様、良好な結果が得
られた。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明の電波吸収体は、
電波反射膜と抵抗膜とをスペーサを介在させて所定距離
に保つ抵抗皮膜型の電波吸収体であって、上記スペーサ
の一面が上記電波反射膜に形成され、他面が上記抵抗膜
に形成されているものである。そのため、抵抗膜付き第
1の透明フィルム、電波反射膜付き第2の透明フィル
ム、スペーサを個別に準備した後、それらを工場あるい
は現場にて貼り合わすという工程が不要となり、低コス
ト化が図れる。また、従来では必要であった、透明フィ
ルムが不要となるため、材料の面からも低コスト化が図
れる。そして、スペーサの両面に電波反射膜および抵抗
膜が直接形成されているため、従来のように、空気の混
入や貼り合わせによるしわ等の発生の心配がなく、高品
質な製品が得られるという利点がある。
【0058】そして、上記電波吸収体は、まず抵抗膜形
成面を除く面をマスクしたスペーサを、ITO微粒子が
溶剤中に分散された分散インク中に、繰り返し浸漬およ
び引き上げを行ってその分散インクからなる液膜を形成
し、ついで乾燥工程、マスク除去工程、焼成工程を経由
させることにより抵抗膜を形成し、その後、その抵抗膜
形成面のスペーサ裏面に導電体からなる電波反射膜を形
成するか、あるいは予め導電体からなる電波反射膜を形
成しておいたスペーサを用い、上記と同様にして抵抗膜
を形成するかすれば、簡単に得られる。
【0059】また、上記電波吸収体の製法として、対面
する一対のスペーサ間をシーリング材で密封した後、上
記分散インク中に繰り返し浸漬および引き上げを行って
その分散インクからなる液膜を形成し、ついで乾燥工
程、シーリング材除去工程、焼成工程を経由させること
によりそれぞれのスペーサの表面に抵抗膜を形成し、そ
の後、その抵抗膜形成面のスペーサ裏面に導電体からな
る電波反射膜をそれぞれ形成する方法、あるいは所定間
隔で対面した一対のスペーサを貫通孔を介して両スペー
サ間を外部と流通可能にし、その貫通孔から、上記分散
インクを導入して上記一対のスペーサの相対向する面に
分散インクからなる液膜を形成し、ついで乾燥工程、シ
ーリング材除去工程、焼成工程を経由させることにより
それぞれのスペーサの上記相対向する面に抵抗膜を形成
し、その後、スペーサの抵抗膜形成面と反対側の面に導
電体からなる電波反射膜をそれぞれ形成する方法を採用
すれば、生産性の点で特に有利である。
【0060】本発明の電波吸収体は、例えばOA室の間
仕切り,オフィスビルの窓材等として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電波吸収体の一例を模式的に示す断面
図である。
【図2】本発明の電波吸収体の製法の一例(第1の方
法)を説明するための模式的断面図である。
【図3】本発明の電波吸収体の製法の他の例(第2の方
法)を説明するための模式的断面図である。
【図4】(A)は対面する一対のスペーサをシーリング
材で密封した状態を模式的に示す正面図であり、(B)
はそのX−X断面図である。
【図5】本発明の電波吸収体の製法のさらに他の例(第
3の方法)を説明するための模式的断面図である。
【図6】本発明の電波吸収体の製法のさらに他の例(第
4の方法)を説明するための模式的断面図である。
【図7】電波反射膜の他の例を示す模式的断面図であ
る。
【図8】反射減衰量の測定系を示す説明図である。
【図9】従来の電波吸収体を模式的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
20 電波吸収体 21 スペーサ 22 電波反射膜 23 抵抗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹井 建典 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 5E321 AA44 AA46 BB23 BB31 BB32 GG11 5J020 BD02 EA03 EA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波反射膜と抵抗膜とをスペーサを介在
    させて所定距離に保つ抵抗皮膜型の電波吸収体であっ
    て、上記スペーサの一面が上記電波反射膜に形成され、
    他面が上記抵抗膜に形成されていることを特徴とする電
    波吸収体。
  2. 【請求項2】 抵抗膜形成面を除く面をマスクしたスペ
    ーサを準備し、そのマスク済みスペーサを、酸化インジ
    ウムすず微粒子が溶剤中に分散された分散インク中に、
    繰り返し浸漬および引き上げを行うことにより上記マス
    ク済みスペーサの表面に分散インクからなる液膜を形成
    し、ついで乾燥工程、マスク除去工程、焼成工程を経由
    させることにより酸化インジウムすず微粒子から構成さ
    れる抵抗膜を形成し、その抵抗膜形成面のスペーサ裏面
    に導電体からなる電波反射膜を形成することを特徴とす
    る電波吸収体の製法。
  3. 【請求項3】 導電体からなる電波反射膜形成済みスペ
    ーサを準備し、その電波反射膜形成面のスペーサ裏面を
    除く面をマスクし、そのマスク済みスペーサを、酸化イ
    ンジウムすず微粒子が溶剤中に分散された分散インク中
    に、繰り返し浸漬および引き上げを行うことにより上記
    マスク済みスペーサの表面に分散インクからなる液膜を
    形成し、ついで乾燥工程、マスク除去工程、焼成工程を
    経由させることにより酸化インジウムすず微粒子から構
    成される抵抗膜を形成することを特徴とする電波吸収体
    の製法。
  4. 【請求項4】 対面する一対のスペーサの外縁部をシー
    リング材で把持して両スペーサ間を密封し、その状態の
    まま、酸化インジウムすず微粒子が溶剤中に分散された
    分散インク中に、繰り返し浸漬および引き上げを行うこ
    とにより上記シーリング材で把持されたスペーサの外表
    面に分散インクからなる液膜を形成し、ついで乾燥工
    程、シーリング材除去工程、焼成工程を経由させること
    により、それぞれのスペーサの上記外表面に上記酸化イ
    ンジウムすず微粒子から構成される抵抗膜を形成し、そ
    の抵抗膜形成面のスペーサ裏面に導電体からなる電波反
    射膜をそれぞれ形成することを特徴とする電波吸収体の
    製法。
  5. 【請求項5】 所定間隔で対面する一対のスペーサの外
    縁部をシーリング材で把持し、貫通孔を介して両スペー
    サ間を外部と流通可能にし、その貫通孔から、酸化イン
    ジウムすず微粒子が溶剤中に分散された分散インクを導
    入して、対面する一対のスペーサの相対向する面に分散
    インクからなる液膜を形成し、ついで乾燥工程、シーリ
    ング材除去工程、焼成工程を経由させることにより、そ
    れぞれのスペーサの上記相対向する面に上記酸化インジ
    ウムすず微粒子から構成される抵抗膜を形成し、スペー
    サの上記抵抗膜形成面と反対側の面に導電体からなる電
    波反射膜をそれぞれ形成することを特徴とする電波吸収
    体の製法。
JP11059335A 1999-03-05 1999-03-05 電波吸収体およびその製法 Pending JP2000261241A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11059335A JP2000261241A (ja) 1999-03-05 1999-03-05 電波吸収体およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11059335A JP2000261241A (ja) 1999-03-05 1999-03-05 電波吸収体およびその製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000261241A true JP2000261241A (ja) 2000-09-22

Family

ID=13110364

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11059335A Pending JP2000261241A (ja) 1999-03-05 1999-03-05 電波吸収体およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000261241A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001339190A (ja) * 2000-03-23 2001-12-07 Mitsubishi Cable Ind Ltd 電波吸収体およびその製造方法
JP2005085966A (ja) * 2003-09-08 2005-03-31 Mitsubishi Cable Ind Ltd 透明電波吸収体
US9236661B2 (en) 2010-02-15 2016-01-12 Nec Corporation Radiowave absorber and parabolic antenna
CN107069235A (zh) * 2017-04-24 2017-08-18 西安电子科技大学 一种双层结构的宽带透明吸波材料
KR20210111130A (ko) * 2020-03-02 2021-09-10 국방과학연구소 유연구조 전파흡수막

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001339190A (ja) * 2000-03-23 2001-12-07 Mitsubishi Cable Ind Ltd 電波吸収体およびその製造方法
JP2005085966A (ja) * 2003-09-08 2005-03-31 Mitsubishi Cable Ind Ltd 透明電波吸収体
US9236661B2 (en) 2010-02-15 2016-01-12 Nec Corporation Radiowave absorber and parabolic antenna
CN107069235A (zh) * 2017-04-24 2017-08-18 西安电子科技大学 一种双层结构的宽带透明吸波材料
KR20210111130A (ko) * 2020-03-02 2021-09-10 국방과학연구소 유연구조 전파흡수막
KR102324134B1 (ko) * 2020-03-02 2021-11-09 국방과학연구소 유연구조 전파흡수막

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7740946B2 (en) Electroconductive laminate, and electromagnetic wave shielding film for plasma display and protective plate for plasma display
EP0776063A1 (en) Electromagnetic wave absorbing and shielding
CN101939669A (zh) 用于光学显示滤光片的带电磁干扰屏蔽的多层堆叠光学带通膜
JP2002323861A (ja) ディスプレイ用フィルタの製造方法
CN113666645A (zh) 一种具有隔音隔热功能的红外和雷达兼容隐身视窗玻璃
JP2001111291A (ja) 透明電波吸収体
Liang et al. Shorted Micro‐Waveguide Array for High Optical Transparency and Superior Electromagnetic Shielding in Ultra‐Wideband Frequency Spectrum
JP2000261241A (ja) 電波吸収体およびその製法
JP3034218B2 (ja) 透明積層体及びそれを用いた調光体及びディスプレイ用フィルター
JP4068993B2 (ja) 透明導電性積層フィルム
JP2021103785A (ja) 電波吸収体
Lei et al. Broadband transparent and flexible silver mesh for efficient electromagnetic interference shielding and high-quality free-space optical communication
CN109263186B (zh) 一种隐身玻璃的定型方法
KR101691376B1 (ko) 방오코팅막 및 그 제조방법
CN114122738B (zh) 一种基于ito电阻膜的透明宽带电磁吸波器
JP2008036952A (ja) 導電性積層体およびプラズマディスプレイ用保護板
JP2000059083A (ja) 電磁波遮蔽透明体
JPH11249576A (ja) プラズマディスプレイパネル用フィルター
JPH11167350A (ja) プラズマディスプレイパネル用前面フィルターおよびその製造方法
CN211106120U (zh) 一种透明电磁隐身薄膜
JP2000059074A (ja) 電磁波遮蔽透明体
JP2000147245A (ja) 光学フィルター
WO2020138190A1 (ja) 電波吸収体
JP2001044750A (ja) 透明電波吸収体
JP2001092363A (ja) ディスプレイ用フィルター