JP2000173748A - 発熱体 - Google Patents

発熱体

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JP2000173748A
JP2000173748A JP34807498A JP34807498A JP2000173748A JP 2000173748 A JP2000173748 A JP 2000173748A JP 34807498 A JP34807498 A JP 34807498A JP 34807498 A JP34807498 A JP 34807498A JP 2000173748 A JP2000173748 A JP 2000173748A
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heat
heating element
generating portion
radiation
heating
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JP34807498A
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English (en)
Inventor
Toshimitsu Kurumisawa
利光 胡桃沢
修三 ▲徳▼滿
Shuzo Tokumitsu
Shigetoshi Kanazawa
成寿 金澤
Junichi Nawama
潤一 縄間
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来使用されている発熱体は、遠赤外線領域
での熱放射強度が低いという課題を有している。 【解決手段】 発熱部1の表面に条溝1aを形成するこ
とによって、遠赤外線領域の熱放射特性の優れた発熱体
を実現しているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発熱体に関するも
のであり、特に表面の形状を工夫することによって効率
の高い熱放射が行えるようにしているものである。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている発熱体には、以下の
構成のものがある。第1に、熱放射体として金属発熱線
を使用し、この金属発熱線に通電することによって発生
したジュール熱を外部に直接熱放射する金属放射式発熱
体、第2に熱放射体として非金属発熱体を使用する非金
属放射式発熱体、第3に金属発熱線と非金属で構成した
熱放射体とを組み合わせた発熱体がある。
【0003】調理機器あるいは暖房機器に使用する発熱
体としては、所定の電力を加えたときに発生する熱エネ
ルギーの放射強度が大きいものが望ましい。特に波長が
3μm以上の遠赤外線は、物質の内部に深く浸透する性
質を有しているため、前記調理機器あるいは暖房機器に
使用する発熱体は、遠赤外線の放射強度が大きいものが
望ましい。
【0004】前記金属放射式発熱体として代表的に使用
されているものに、ニクロム線と称されているニッケル
クロム合金線を使用しているものと、カンタル線と称さ
れている鉄クロム合金線とがある。これらは、窒素ガス
のような不活性ガス雰囲気で使用しても最高使用温度は
せいぜい1100℃である。また、真空中もしくは水素
がす雰囲気中で使用する場合には、タングステンが25
00℃まで使用可能である。また、非金属放射式発熱体
として代表的に使用されているものに炭化ケイ素があ
る。この炭化ケイ素は、最高使用温度は1350℃であ
る。
【0005】前記ニクロム線やカンタル線は発熱温度が
高々1100℃であり、周知のステファン・ボルツマン
の法則(熱放射強度は、絶対温度の4乗に比例する)か
ら熱放射強度は比較的小さいものである。タングステン
線では発熱温度を2500℃まで上げることができるの
で、熱放射強度を大きくすることができるが、大半は可
視光領域の放射に変換されるものである。つまり、調理
機器あるいは暖房機器として有効な赤外線領域の熱放射
強度は、30〜39%と低いものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来使用されている発
熱体は、前記したように赤外線領域での熱放射強度が低
いという課題を有している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、発熱体の表面
に条溝を形成することによって、遠赤外線領域の熱放射
特性の優れた発熱体を実現しているものである。
【0008】
【発明の実施の形態】請求項1に記載した発明は、発熱
体の表面に条溝を形成することによって、赤外線領域の
熱放射特性の優れた発熱体を実現しているものである。
【0009】請求項2に記載した発明は、表面に条溝を
有する炭素系物質で構成した発熱部を、前記発熱部の発
熱温度に耐えるだけの耐熱性を有する透明なガラスパイ
プ内に挿入し、前記ガラスパイプ内に不活性ガスを充填
して、発熱温度を高く設定でき、長期使用に耐えること
のできる発熱体としている。
【0010】請求項3に記載した発明は、発熱部の最表
面を条溝を有する炭素系物質で構成して、昇温応答性に
優れた、赤外線領域の熱放射特性の優れた発熱体として
いる。
【0011】請求項4に記載した発明は、発熱部を直接
通電することによってジュール熱を得て発熱部から熱放
射するようにして、熱効率が高く、昇温応答性に優れ
た、赤外線領域の熱放射特性の優れた発熱体としてい
る。
【0012】請求項5に記載した発明は、第2の発熱部
の通電によって発熱体の最外郭を構成する発熱部から熱
放射を行うようにして、熱放射エネルギーが大きく、特
に遠赤外線の熱放射特性の優れた発熱体としている。
【0013】請求項6に記載した発明は、中空状とした
炭素系物質外側の表面に条溝を設けた発熱部内に、絶縁
管に収容した第2の発熱部を配置し、第2の発熱部の通
電によって発熱体の最外郭を構成する発熱部から熱放射
を行うようにして、熱放射エネルギーが大きく、特に遠
赤外線の熱放射特性の優れた発熱体としている。
【0014】
【実施例】(実施例1)以下本発明の第1の実施例につ
いて説明する。図1は、本実施例の発熱体の構成を示す
断面図である。すなわち、本実施例の発熱体は発熱部1
と発熱部1の表面に形成した条溝1aによって形成して
いる。条溝1aの深さaは10μm〜100μm、条溝
1aのピッチbは0.1〜0.5mmの範囲に設定してい
るものである。発熱部1の材質については、本実施例で
は特に制限を設けていないものである。つまり、従来例
で説明した金属線であっても、炭素系物質等で構成した
非金属発熱体であっても支障はないものである。また条
溝1aは、発熱部1の長手方向に平行となっていること
が望ましいものである。
【0015】以下本実施例の動作について説明する。発
明者らは、種々検討した結果、発熱部1の表面に条溝1
aを設けることによって、熱エネルギーの放射強度が高
まることを発見したものである。特に、条溝1aが発熱
部1の長手方向に平行となっているときには、ステファ
ン・ボルツマンの放射強度の法則(E=σT4;Eは熱
エネルギーの放射強度、Tは絶対温度、σはステファン
・ボルツマン定数)のσが最大になることを発見してい
るものである。
【0016】従って、発熱部1として、あらゆる材料の
中で耐熱性、耐熱衝撃性、耐食性に優れており、全波長
領域で与えられた温度における放射エネルギーの最大値
を与えることができる炭素系物質を使用した場合には、
所定の発熱温度においてその物質の最高の熱エネルギー
の放射強度を提供できるものである。特に波長が3μm
以上の高波長の赤外線領域では、熱エネルギーの放射強
度は黒体放射に極めて近くなるものである。黒体とは外
から入射する放射エネルギーをすべて完全に吸収する仮
想的な物体であるが、絶対温度Tにおける黒体の放射強
度はプランクの法則に従い、λ5[exp(定数/λT)−
1]に逆比例する。λは熱放射の波長である。本実施例
の発熱部1として炭素系物質を用いた場合には、プラン
クの法則から得られる理想的な黒体の放射強度に近いも
のが得られるものである。
【0017】以上のように本実施例によれば、表面に条
溝を有する炭素系物質で構成した発熱部5を、前記発熱
部5の発熱温度に耐えるだけの耐熱性を有する透明なガ
ラスパイプ3内に挿入しているため、発熱温度を高く設
定でき、赤外線領域の熱放射特性の優れた発熱体を実現
しているものである。
【0018】(実施例2)続いて本発明の第2の実施例
について説明する。図2は本実施例の構成を示す断面図
である。本実施例では、発熱体を、実施例1で説明した
発熱部5と、発熱部5の両端に接続している通電用コイ
ル6と、通電用コイル6をそのまま引き延ばした形で延
長したリード線7と、リード線7を接続しているモリブ
デン箔8と、モリブデン箔8に接続している外部リード
線9と、前記発熱部5を収容している炭素系物質で構成
した熱放射体4と、前記各部を収容している透明なガラ
スパイプ3とによって構成している。また、ガラスパイ
プ3内には不活性ガスを封入しており、モリブデン箔8
を使用して端部を封口している。前記外部リード線9
は、この封口部から外部に導出しているものである。前
記不活性ガスとして、本実施例では、アルゴンまたは窒
素の単体ガスまたはアルゴンと窒素との混合ガスを使用
している。また、透明なガラスパイプ3として本実施例
では発熱部5の発熱温度に耐えるだけの耐熱性を有して
いるものとして、石英ガラスを使用している。石英ガラ
スは、軟化点が1650℃近くあり、十分発熱部5の発
熱温度に耐えることができるものである。また、ガラス
パイプ3を透明としている理由は、可視光および赤外線
領域の光に対する透過率を高めて、外部に放射できる熱
エネルギーの放射効率をできるだけ高くするためであ
る。なおガラスパイプ3として本実施例では石英ガラス
を使用しているが、耐熱性が高く透明性が高い物質であ
れば、石英ガラスに限定する必要は特にないものであ
る。
【0019】以下本実施例の動作について説明する。図
示していないスイッチをオンすると、商用電源が外部リ
ード線9から供給されて、モリブデン箔8・リード線7
・通電用コイル6を介して発熱部5に供給される。発熱
部5には、表面に実施例1で説明した条溝が設けられて
いるため、発生するジュール熱を外部に熱エネルギーと
して放出するときの熱エネルギーの放射強度は非常に高
いものである。この熱エネルギーは、熱放射体4を加熱
し、熱放射体4から透明なガラスパイプ3を介して外部
に放出されるものである。特に、熱放射体4として炭素
系物質を使用した場合には、実施例1でも説明したよう
に、波長が3μm以上の赤外線領域の熱エネルギーの放
射強度が黒体放射に極めて近似するものである。
【0020】このとき本実施例では、ガラスパイプ3内
に不活性ガスを封入しているものである。つまり、耐熱
性を有するガラスパイプ3に発熱部5等を挿入した後、
一旦内部を真空状態としてから、前記不活性ガスを封入
しているものである。発熱部5としてニクロム線や鉄ク
ロム線等を使用する場合には、前記不活性ガスを封入す
ることは必要ないが、タングステン線やモリブデン線を
使用した場合にはこの不活性ガスの封入が必要となるも
のである。つまり、タングステン線やモリブデン線は高
温で容易に酸化されるものである。以上のように本実施
例では、ガラスパイプ3内に不活性ガスを封入している
ため、例えば発熱部5や通電用コイル6、あるいはリー
ド線7等が消耗して断線したりすることが防止でき、長
期使用に耐えることのできる発熱体を実現しているもの
である。
【0021】また本実施例では、モリブデン箔8を使用
してガラスパイプ3の端面を封口しているものである、
本実施例ではモリブデン箔8として、アメリカのH.C
ROSS社製のものを使用している。このモリブデン箔
8は、断面形状が、凸レンズ状になっている。この凸レ
ンズの中心部の膜厚は約30μmで、先端側はフェザー
エッジになっており、隙間は最大で数オングストローム
(1オングストローム=0.1nm)程度である。また
発熱時には、相対的にモリブデンの方が石英ガラスより
膨張するものである。従ってモリブデン箔8を使用して
封口したときには、ガラスパイプ3内に空気が侵入した
り、内部の不活性ガスが抜けてしまうことはないもので
ある。実際には、ガラスパイプ3の両端をバーナーで加
熱して軟化させ、周囲から加圧してガラスパイプ3を封
口すると同時にモリブデン箔8を封口部に閉じこめるも
のである。従って本実施例によれば、発熱部5や通電用
コイル6、あるいはリード線7等が消耗して断線したり
することが防止でき、長期使用に耐えることのできる発
熱体を実現しているものである。
【0022】(実施例3)続いて本発明の第3の実施例
について説明する。図3は本実施例の構成を示す断面図
である。本実施例では、発熱部10の表面に、炭素系物
質11を配置している。この炭素系物質11は表面に条
溝11aを有している。この加工方法は、例えば発熱部
10を炭素系物質11を溶融した槽内に浸漬したり、あ
るいは炭素系物質11を吹き付けたり、または炭素系物
質11をメッキによって設け、硬化させてから、条溝1
1aを設ける加工を施すものである。この加工は、サン
ドブラストにより粗面化してもよいが、より均一な放射
強度を得るためには発熱部10を成型する際に成形ノズ
ルに凹凸の溝形状を形成しておく方法の方が望ましい。
【0023】以下本実施例の動作について説明する。本
実施例では、発熱部10の表面に炭素系物質で構成した
熱放射体11を配置している。従って、発熱部10の昇
温に即応して、熱放射体11も昇温して熱エネルギーを
放射するものである。つまり非常に昇温応答性に優れ
た、赤外線領域の熱放射特性の優れた発熱体を実現して
いるものである。
【0024】このとき、本実施例では発熱部10を直接
通電して、ジュール熱を発生させているものである。つ
まり、別に発熱部があって、この発熱部からのジュール
熱によって熱放射体11から熱放射を行うものではな
く、発熱部10を直接通電して、ジュール熱を発生させ
ているものである。このため本実施例によれば、熱効率
が高く、昇温応答性に優れた、赤外線領域の熱放射特性
の優れた発熱体を実現しているものである。
【0025】(実施例4)続いて本発明の第4の実施例
について説明する。図4は本実施例の構成を示す断面図
である。本実施例では、表面には条溝15aを有してい
る炭素系物質で構成している発熱部15と、発熱部15
を加熱する第2の発熱部16とを有している。第2の発
熱部16には、タングステン線を使用している。タング
ステンは、10mmHgの蒸気圧を示すのに4507℃
が必要であり、つまり蒸気圧が非常に小さいものであ
る。また融点が約3400℃と非常に高いものである。
更に、タングステンワイヤーは既にハロゲンランプなど
で実用化されているものである。つまり、高温での長期
の使用に対して特性が安定しているものである。本実施
例ではこのタングステンワイヤーをコイル状に巻き回し
て、長さを調節して、所定の消費電力となるようにして
いる。
【0026】以下本実施例の動作について説明する。図
示してないスイッチをオンして、商用交流電源を第2の
発熱部16に供給すると、第2の発熱部16はジュール
熱を発生する。このため、発熱部15は加熱される。こ
の発熱部15は、ガラスパイプ3に最も近い位置に配置
しているものである。つまり、発熱体の最外殻に配置し
ているものである。また、発熱部15の表面には条溝1
5aを設けている。従って前記各実施例で説明している
ように、発熱部15からの熱放射は非常に効率的なもの
となる。また発熱部15として本実施例では炭素系物質
を使用している。炭素系物質は近似的に黒体放射を与え
るものであるため、熱放射体として最高の材料である。
即ち、放射を利用する加熱調理機器や暖房器具用の発熱
体としては最適のものである。
【0027】以上のように本実施例によれば、第2の発
熱部16の通電によって発熱体の最外郭を構成する発熱
部15から熱放射を行うようにして、熱放射エネルギー
が大きく、特に遠赤外線の熱放射特性の優れた発熱体を
実現しているものである。
【0028】(実施例5)続いて本発明の第5の実施例
について説明する。図5は本実施例の構成を示す断面図
である。本実施例では発熱部20は、中空状としており
炭素系物質で構成している。また表面には条溝20aを
有している。発熱部20の空間部には、第2の発熱部2
1を絶縁管22内に収容して配置している。第2の発熱
部21は、タングステン線を使用している。タングステ
ンは、10mmHgの蒸気圧を示すのに4507℃が必
要であり、つまり蒸気圧が非常に小さいものである。ま
た融点が約3400℃と非常に高いものである。更に、
タングステンワイヤーは既にハロゲンランプなどで実用
化されているものである。つまり、高温での長期の使用
に対して特性が安定しているものである。本実施例では
このタングステンワイヤーをコイル状に巻き回して、長
さを調節して、所定の消費電力となるようにしている。
またこの状態で絶縁管22内に収容した状態で、中空状
の発熱部20の空間を貫通するように配置している。
【0029】絶縁管22として本実施例では、ムライト
(3Al23・2SiO2)を使用している。ムライト
化合物は、軟化を開始する温度が1550℃であるの
で、高温での使用が十分に出来るものである。また、マ
グネシアやアルミナも軟化を開始する温度が1800℃
であるため、絶縁管22として使用できるものである。
【0030】なお、3、8、9は実施例1で説明したガ
ラスパイプ、モリブデン箔、外部リード線である。
【0031】以下本実施例の動作について説明する。図
示してないスイッチをオンして、外部リード線9から商
用交流電源を第2の発熱部21に供給すると、第2の発
熱部21はジュール熱を発生する。このため、ガラスパ
イプ3内に収容している最内部の絶縁管22が加熱され
る。この絶縁管22からの熱放射と、前記第2の発熱部
21からの熱放射の両方によって、発熱部20が加熱さ
れる。つまり、発熱部20は第2の発熱部21によって
間接的に加熱されているものである。この発熱部20
は、ガラスパイプ3に最も近い位置に配置しているもの
である。つまり、発熱体の最外殻に配置しているもので
ある。また、発熱部20の表面には条溝20aを設けて
いる。従って前記各実施例で説明しているように、発熱
部20からの熱放射は非常に効率的なものとなる。また
発熱部20として本実施例では炭素系物質を使用してい
る。炭素系物質は近似的に黒体放射を与えるものである
ため、熱放射体として最高の材料である。即ち、放射を
利用する加熱調理機器や暖房器具用の発熱体としては最
適のものである。
【0032】発明者らは、種々検討した結果、発熱部2
0の表面形状によってその熱エネルギーの放射強度が大
きく変化することを見出している。すなわち、外径が
5.2±0.3mmの中空パイプ状の炭素系物質の場合、条
溝15aの深さが50±20μm、条溝15aのピッチ
が0.4mmの場合に最も黒体放射に近い放射強度を与え
ることができるものである。
【0033】図6は、発明者らが行った実験の結果を示
す特性図であり、ガラスパイプ3から外部に放射される
熱放射線の波長と放射強度との関係を示している。な
お、社団法人遠赤外線協会の定義により3μmを境に短
波長側を近赤外線、長波長側を遠赤外線とする。図6の
aに示している特性は、本実施例のものである。つま
り、発熱部20として炭素系物質を使用しており、外径
を5.2±0.3mm,内径3.6mmの中空パイプ状とし
て、外周に条溝20aを設けている。この条溝20aの
深さは50±20μm、条溝15aのピッチは0.4mm
に設定しているものである。また、絶縁管22としてム
ライトを、第2の発熱部21としてタングステンを使用
しているものである。またbに示しているものは、発熱
部20として外径が5.2±0.3mm,内径3.6mmの中
空パイプ状とした炭素系物質を使用して、外周部には条
溝20aを設けていないものを使用し、また絶縁管22
としてムライトを、第2の発熱部21としてタングステ
ンを使用しているものの特性を示している。またcに示
しているものは、黒体放射の理論値を示しているもの
で、プランクの法則に従い、c1/{λ5[exp(c2/
λT)−1]}によって計算したものである。ここで、
c1=3.74×108W・μm4/m2,c2=1.43
87×104μm・Kである。またこのときの実験条件
は、本実施例の構成のものも、条溝20aを設けていな
い構成としたものも、また黒体放射も表面温度が105
2℃と設定している。このように表面温度を揃えたこと
によって、ステファン・ボルツマンの法則からも理解さ
れるように、全体の熱放射強度の積分値は一定となるも
のである。
【0034】図6から容易に理解できるように、特性b
のもの、つまり表面に条溝20aを設けていないもの
は。全波長域で放射強度が低いものである。特に本実施
例で問題となる遠赤外線領域での放射強度は低いもので
ある。これに対して、特性aに示しているもの、つまり
本実施例のものは、全体の放射強度が特性bに比べて格
段に大きく、かつ遠赤外線領域での放射強度は非常に大
きいものである。さらに、特性cに示している理想的な
黒体放射と比べても遜色がなく、理想的な発熱体である
ことがわかる。
【0035】以上のように本実施例によれば、表面に条
溝20aを有し、中空状とした炭素系物質で構成した発
熱部20と、前記発熱部20の空間に配置した絶縁管2
2に収容した第2の発熱部21と、前記発熱部20と第
2の発熱部21の発熱温度に耐えるだけの耐熱性を有す
る透明なガラスパイプ3と、前記ガラスパイプ3内に充
填した不活性ガスとを有し、前記第2の発熱部21を通
電することによって熱を放射する発熱体として、発熱体
の最外郭を構成する発熱部から熱放射を行うようにし
て、熱放射エネルギーが大きく、特に遠赤外線の熱放射
特性の優れた発熱体を実現するものである。
【0036】
【発明の効果】請求項1に記載した発明は、表面に条溝
を有する発熱部を有する構成として、赤外線領域の熱放
射特性の優れた発熱体を実現するものである。
【0037】請求項2に記載した発明は、表面に条溝を
有する炭素系物質で構成した発熱部を、前記発熱部の発
熱温度に耐えるだけの耐熱性を有する透明なガラスパイ
プ内に挿入し、前記ガラスパイプ内に不活性ガスを充填
した構成として、発熱温度を高く設定でき、長期使用に
耐えることのできる発熱体を実現するものである。
【0038】請求項3に記載した発明は、表面に条溝を
有する発熱部の最表面に炭素系物質で構成した熱放射体
を配置した構成として、昇温応答性に優れた、赤外線領
域の熱放射特性の優れた発熱体を実現するものである。
【0039】請求項4に記載した発明は、発熱部を直接
通電することによってジュール熱を得て発熱部から熱放
射する構成として、熱効率が高く、昇温応答性に優れ
た、赤外線領域の熱放射特性の優れた発熱体を実現する
ものである。
【0040】請求項5に記載した発明は、表面に条溝を
有し、中空状とした炭素系物質で構成した発熱部と、前
記発熱部の空間に配置した絶縁管に収容した第2の発熱
部と、前記発熱部と第2の発熱部の発熱温度に耐えるだ
けの耐熱性を有する透明なガラスパイプと、前記ガラス
パイプ内に充填した不活性ガスとを有し、前記第2の発
熱部を通電することによって熱を放射する構成として、
発熱体の最外郭を構成する発熱部から熱放射を行うこと
ができ、熱放射エネルギーが大きく、特に遠赤外線の熱
放射特性の優れた発熱体を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である発熱体の構成を示
す断面図
【図2】本発明の第2の実施例である発熱体の構成を示
す断面図
【図3】本発明の第3の実施例である発熱体の構成を示
す断面図
【図4】本発明の第4の実施例である発熱体の構成を示
す断面図
【図5】本発明の第5の実施例である発熱体の構成を示
す断面図
【図6】発明者らが行った実験の結果を示す特性図
【符号の説明】
1 発熱部 1a 条溝 3 ガラスパイプ 4 熱放射体 5 発熱部 10 発熱部 11 熱放射体 11a 条溝 20 発熱部 20a 条溝 21 絶縁管 21a 熱放射体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金澤 成寿 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 縄間 潤一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K092 PP03 QB08 QB24 QB36 QB40 RA03 RB14 RD10 UB03 VV40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に条溝を有する発熱部を有する発熱
    体。
  2. 【請求項2】 表面に条溝を有する炭素系物質で構成し
    た発熱部を、前記発熱部の発熱温度に耐えるだけの耐熱
    性を有する透明なガラスパイプ内に挿入し、前記ガラス
    パイプ内に不活性ガスを充填した発熱体。
  3. 【請求項3】 発熱部の最表面を条溝を有する炭素系物
    質で構成した発熱体。
  4. 【請求項4】 発熱部を直接通電することによってジュ
    ール熱を得て発熱部から熱放射する請求項3に記載した
    発熱体。
  5. 【請求項5】 表面に条溝を有する炭素系物質で構成し
    た発熱部と、第2の発熱部と、前記発熱部と第2の発熱
    部の発熱温度に耐えるだけの耐熱性を有する透明なガラ
    スパイプと、前記ガラスパイプ内に充填した不活性ガス
    とを有し、前記第2の発熱部を通電することによって熱
    を放射する発熱体。
  6. 【請求項6】 外側の表面に条溝を有し、中空状とした
    炭素系物質で構成した発熱部と、前記発熱部の空間に配
    置した絶縁管に収容した第2の発熱部と、前記発熱部と
    第2の発熱部の発熱温度に耐えるだけの耐熱性を有する
    透明なガラスパイプと、前記ガラスパイプ内に充填した
    不活性ガスとを有し、前記第2の発熱部を通電すること
    によって熱を放射する発熱体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011133233A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Stanley Electric Co Ltd 黒体放射光源及びその製造方法

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