JP2000173593A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

Info

Publication number
JP2000173593A
JP2000173593A JP10342905A JP34290598A JP2000173593A JP 2000173593 A JP2000173593 A JP 2000173593A JP 10342905 A JP10342905 A JP 10342905A JP 34290598 A JP34290598 A JP 34290598A JP 2000173593 A JP2000173593 A JP 2000173593A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
solid phase
group
aqueous electrolyte
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10342905A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4399880B2 (ja
Inventor
Takafumi Fujiwara
隆文 藤原
Harunari Shimamura
治成 島村
Yoshiaki Nitta
芳明 新田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP34290598A priority Critical patent/JP4399880B2/ja
Priority to PCT/JP1999/006687 priority patent/WO2000033401A1/ja
Priority to EP99973175A priority patent/EP1052712B1/en
Priority to DE69942057T priority patent/DE69942057D1/de
Priority to US09/601,224 priority patent/US6605386B1/en
Publication of JP2000173593A publication Critical patent/JP2000173593A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4399880B2 publication Critical patent/JP4399880B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量でかつ充放電サイクル特性に優れた非
水電解質二次電池を提供するものである。 【解決手段】 非水電解質二次電池用負極材料として、
固相Aからなる核粒子の周囲の全面または一部を、固相
Bによって被覆した複合粒子で、前記固相Aはスズを構
成元素として含み、前記固相Bは固相Aの構成元素であ
るスズと、前記構成元素を除いて、周期表の2族元素、
遷移元素、12族、13族元素、ならびに炭素を除く1
4族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素
との固溶体、または金属間化合物である材料を用い、か
つ、負極の合剤層の多孔度を10%以上50%以下とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質二次電
池の負極材料の改良、およびその負極材料を主体とした
負極合剤層の多孔度の最適化により充放電容量および充
放電サイクル寿命などの電気化学特性が改善された、携
帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、
モーターを動力源とする自動二輪車,電気自動車,ハイ
ブリッド電気自動車等に用いられる非水電解質二次電池
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信機器、携帯電子機器の
主電源として利用されているリチウム二次電池は、起電
力が高く、高エネルギー密度である特長を有している。
負極材料としてリチウム金属を用いたリチウム二次電池
は、エネルギー密度は高いが、充電時に負極にデンドラ
イトが析出し、充放電を繰り返すことによりセパレータ
を突き破って正極側に達し、内部短絡を起こす恐れがあ
った。また、析出したデンドライトは比表面積が大きい
ため反応活性度が高く、その表面で電解液中の溶媒と反
応して電子伝導性に欠いた固体電解質的な界面皮膜を形
成する。そのため電池の内部抵抗が高くなったり、電子
伝導のネットワークから孤立した粒子が存在するように
なり、これらが充放電効率を低下させる要因となってい
る。これらの理由で負極材料としてリチウム金属を用い
たリチウム二次電池は、低い信頼性、および短いサイク
ル寿命に問題があった。
【0003】現在、リチウム金属に替わる負極材料とし
て、リチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素材料を使用
し実用化に至っている。通常、炭素材料負極には金属リ
チウムは析出しないため、デンドライトによる内部短絡
の問題はない。しかし、炭素材料の一つである黒鉛の理
論容量は372mAh/gであり、Li金属単体の理論
容量の10分の1程度と少ない。
【0004】他の負極材料として、リチウムと化合物を
形成する単体金属材料および単体非金属材料が知られて
いる。例えば、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、亜鉛
(Zn)のリチウムを最も含む化合物の組成式は、それ
ぞれLi22Si5、Li22Sn5、LiZnであり、この
範囲では金属リチウムは通常析出しないため、デンドラ
イトによる内部短絡の問題はない。そして、これら化合
物と各単体材料との間の電気化学容量は、それぞれ41
99mAh/g、993mAh/g、410mAh/g
であり、いずれも黒鉛の理論容量よりも大きい。
【0005】またリチウムと化合物を形成する単体金属
材料および単体非金属材料の他に化合物負極材料とし
て、特開平7−240201号公報には遷移元素からな
る非鉄金属の珪化物が、特開平9−63651号公報に
は4B族元素及びP,Sbの少なくとも一つを含む金属
間化合物からなり、その結晶構造がCaF2型、ZnS
型、AlLiSi型のいずれかからなる負極材料などが
提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような炭素材料よりも高容量の負極材料には、それぞれ
以下に示すような課題がある。
【0007】リチウムと化合物を形成する単体金属材料
および単体非金属材料の負極材料は共通して、炭素負極
材料にくらべて充放電サイクル特性が悪い。その理由は
定かでないが以下のように考えている。
【0008】例えば、スズは結晶学的な単位格子(正方
晶、空間群I41/amd)に4個のスズ原子を含んで
いる。格子定数a=0.5820nm、c=0.317
5nmから換算して、単位格子体積は0.1075nm
3であり、スズ原子1個の占める体積は26.9×10
-3nm3である。スズ−リチウム二元系の相図から判断
して、室温におけるリチウムとの電気化学的な化合物形
成では、その反応の初期にスズと化合物Li2Sn5との
2相が共存しているものと考えられる。Li2Sn5の結
晶学的な単位格子(正方晶、空間群P4/mbm)には
10個のスズ原子が含まれている。その格子定数a=
1.0274nm、c=0.3125nmから換算し
て、単位格子体積は0.32986nm3であり、スズ
原子1個あたりの体積(単位格子体積を単位格子中のス
ズ原子数で除した値)は33.0×10-3nm3であ
る。この値からすると、スズから化合物Li2Sn5にな
るにあたって、材料の体積が1.23倍に膨張すること
になる。更に電気化学的なリチウムとの化合物形成反応
が進行すると、最終的に最もリチウムを多く含む化合物
Li22Sn5を生じる。Li22Sn5の結晶学的な単位格
子(立方晶、空間群F23)には80個のスズ原子が含
まれている。その格子定数a=1.978nmから換算
して、単位格子体積は7.739nm3であり、スズ原
子1個あたりの体積(単位格子体積を単位格子中のスズ
原子数で除した値)は96.7×10-3nm3である。
この値は単体スズの3.59倍であり、材料は大きく膨
張する。
【0009】このようにスズは充放電反応による負極材
料の体積変化が大きく、また体積差の大きな2つの相が
共存する状態の変化を繰り返すことにより、材料に亀裂
を生じ、粒子が微細化するものと考えられる。微細化し
た材料は、粒子間に空間が生じ、電子伝導ネットワーク
が分断され、電気化学的な反応に関与できない部分が増
加し、充放電容量が低下するものと考えられる。
【0010】すなわちリチウムと化合物を形成する単体
金属材料および単体非金属材料の負極材料に共通した大
きな体積変化と、これによる組織変化が、炭素負極材料
にくらべて充放電サイクル特性が悪い理由であると推察
している。
【0011】一方、上述の単体材料と異なり、遷移元素
からなる非鉄金属の珪化物や4B族元素及びP,Sbの
少なくとも一つを含む金属間化合物からなり、その結晶
構造がCaF2型、ZnS型、AlLiSi型のいずれ
かからなる負極材料などは、サイクル寿命特性の改善さ
れた負極材料としてそれぞれ特開平7−240201号
公報、特開平9−63651号公報に提案されている。
【0012】特開平7−240201号公報に示された
遷移元素からなる非鉄金属の珪化物負極材料を用いた電
池は実施例と比較例に示された1サイクル目、50サイ
クル目、100サイクル目の電池容量から、リチウム金
属負極材料と比較して充放電サイクル特性は改善されて
いるが、天然黒鉛負極材料と比較して電池容量は最大で
も12%程度しか増加していない。よって、その明細書
には明言されていないが、遷移元素からなる非鉄金属の
珪化物負極材料は黒鉛負極材料に比べて大幅な容量増加
は実施されていないと思われる。
【0013】また、特開平9−63651号公報に示さ
れた材料は、その実施例と比較例にLi−Pb合金負極
材料よりも充放電サイクル特性が改善されており、かつ
黒鉛負極材料よりも高容量であることが示されている。
しかし、10〜20サイクルまでの充放電サイクルで放
電容量の減少が著しく、最も良好と思われるMg2Sn
においても約20サイクル後には初期容量の70%程度
に減少している。
【0014】そこで、本発明者らは特願平10−150
966号等に、高容量材料である核粒子の周囲を、その
核粒子となる元素を含む固溶体または金属間化合物の相
で被覆した材料を提案している。これにより、スズ等の
単体を用いたときに比較して材料の膨張を大幅に減少さ
せることができるが、炭素材料等に比較すれば材料の膨
張はかなり大きい。従って、リチウムを吸蔵したときに
体積膨張をおこす材料においては、その材料を主体とす
る電極合剤層の多孔度を最適な値に選択することが重要
となる。
【0015】本発明は、以上に鑑み、負極材料として上
記新規材料を用い、さらに負極の合剤層の多孔度を適切
に設定することにより、高容量で充放電サイクル特性に
優れた非水電解質二次電池を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、非水電解質、
セパレータ、およびリチウムの吸蔵・放出が可能な正極
と負極を備えた非水電解質二次電池において、前記負極
は、固相Aからなる核粒子の周囲の全面または一部を、
固相Bによって被覆した複合粒子で、前記固相Aはスズ
を構成元素として含み、前記固相Bは固相Aの構成元素
であるスズと、前記構成元素を除いて、周期表の2族元
素、遷移元素、12族、13族元素、ならびに炭素を除
く14族元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の
元素との固溶体、または金属間化合物である材料を用
い、かつ、負極の合剤層の多孔度が10%以上50%以
下であることを特徴とする。
【0017】尚、この合剤層の多孔度は、(合剤層の空
間部分の総体積)/(合剤層の総体積)×100(%)
で表される。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、固相Aからなる核粒子
の周囲の全面または一部を、固相Bによって被覆した複
合粒子で、前記固相Aはスズを構成元素として含み、前
記固相Bは固相Aの構成元素であるスズと、前記構成元
素を除いて、周期表の2族元素、遷移元素、12族元
素、13族元素、ならびに炭素を除く14族元素からな
る群から選ばれた少なくとも一種の元素との固溶体また
は金属間化合物である材料を用いることで固相Aにより
高容量、かつ固相Bが固相Aの充放電で起きる膨張・収
縮を抑える役割を担うことで充放電サイクル特性の優れ
た負極材料を提供し、更に、この負極材料を主体とする
合剤層の多孔度を10%以上50%以下の範囲に設定す
ることにより、一層充放電サイクル特性に優れた非水電
解質二次電池を提供する。
【0019】本発明の負極材料で固相Aは高容量のスズ
を構成元素として含むことから主として充放電容量の高
容量化に寄与しているものと考えられる。また固相Aか
らなる核粒子の周囲の全面または一部を被覆している固
相Bは充放電サイクル特性の改善に寄与しており、固相
Bに含有されるリチウム量は、通常、金属、固溶体、金
属間化合物、それぞれ単独の場合より少ない。
【0020】そして、負極の合剤層の多孔度を10%以
上50%以下の範囲とするのは以下の理由からである。
すなわち、多孔度が10%以下であると、電極材料の充
填密度を上げることができるものの、電極内への十分な
電解液量が浸透せず、従って負極材料が十分利用されな
くなり、充放電サイクル特性が悪くなる。特に、本発明
における負極材料の場合、固相Aを固相Bによって被覆
することで、粒子の膨張がかなり低減されているが、な
お、数十%の膨張がみられるため、充放電サイクル特性
への影響が顕著であり、体積膨張の少ない炭素材料等に
比較して、電極内の空間部分が要求される。つまり、多
孔度が小さいと、負極材料がリチウムを吸蔵したときに
電極内の空間体積が極端に減少し、電解液の保持量が減
少するばかりでなく、極板自体が膨張収縮を繰り返すこ
とによる合剤層の破損にもつながる。一方、多孔度が5
0%以上であると、電解液の浸透性がよく負極材料の利
用率は上がるものの、負極材料の絶対量は低下し、現在
市販されている炭素材料を負極に用いた電池よりも高容
量な電池を得ることができない。
【0021】電極の合剤層の多孔度を調整する方法とし
ては、加圧ローラーによる圧延度合いによって調整する
方法が一般的であるが、造孔剤を添加してその割合によ
っても調整することができる。
【0022】本発明に用いられる正極及び負極は、リチ
ウムイオンを電気化学的かつ可逆的に挿入・放出できる
正極活物質や負極材料に導電剤、結着剤等を含む合剤層
を集電体の表面に塗着して作製されたものである。
【0023】本発明で用いられる負極材料は、固相Aか
らなる核粒子の周囲の全面または一部を、固相Bによっ
て被覆した複合粒子で、前記固相Aはスズを構成元素と
して含み、前記固相Bは固相Aの構成元素であるスズ
と、周期表の2族元素、遷移元素、12族、13族元
素、ならびに炭素を除く14族元素からなる群から選ば
れた少なくとも一種の元素との固溶体、または金属間化
合物である材料(以下、“複合粒子”と呼ぶ)である。
【0024】本発明に用いられる複合粒子の製造方法の
一つとしては、複合粒子を構成する各元素の仕込み組成
分の溶融物を、乾式噴霧法、湿式噴霧法、ロール急冷法
及び回転電極法などで急冷、凝固させ、その凝固物を、
仕込み組成から決まる固溶体または金属間化合物の固相
線温度より低い温度で熱処理するという方法がある。溶
融物の急冷凝固により、核粒子として固相A粒子、そし
てその固相A粒子の周囲の全面または一部を被覆する固
相Bを析出させ、その後の熱処理により、各固相A,B
の均一性を高めることにより、請求項1記載の複合粒子
を得ることができる。また上記冷却方法以外の方法にお
いても十分に冷却可能な方法であれば用いることができ
る。
【0025】その他の製造方法としては、固相Aの粉末
の表面に、固相Bを形成するのに必要な固相Aに含まれ
る元素以外の元素からなる付着層を形成させ、それを、
仕込み組成から決まる固溶体または金属間化合物の固相
線温度より低い温度で熱処理するという方法がある。こ
の熱処理により、固相A中の成分元素が付着層に拡散し
て、被覆層として固相Bが形成される。この付着層の形
成方法としては、メッキ法またはメカニカルアロイング
法などによって行うことができる。その他、付着層を形
成可能な方法であれば用いることができる。
【0026】本発明に用いられる負極用導電剤は、電子
伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗
片状黒鉛など)、人造黒鉛、膨張黒鉛などのグラファイ
ト類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャ
ンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラッ
ク、サーマルブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊
維、金属繊維などの導電性繊維類、銅、ニッケル等の金
属粉末類およびポリフェニレン誘導体などの有機導電性
材料などを単独又はこれらの混合物として含ませること
ができる。これらの導電剤のなかで、人造黒鉛、アセチ
レンブラック、炭素繊維が特に好ましい。導電剤の添加
量は、特に限定されないが、負極材料に対して1〜50
重量%が好ましく、特に1〜30重量%が好ましい。ま
た本発明の負極材料はそれ自身電子伝導性を有するた
め、導電材を添加しなくても電池として機能させること
は可能である。
【0027】本発明に用いられる負極用結着剤として
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよ
い。本発明において好ましい結着剤は、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ス
チレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロ
トリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフル
オロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロト
リフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン
−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テ
トラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリ
フルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチ
ルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体または前記材料の(Na
+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体ま
たは前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−ア
クリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イ
オン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体ま
たは前記材料の(Na+)イオン架橋体を挙げる事がで
き、これらの材料を単独又は混合物として用いることが
できる。またこれらの材料の中でより好ましい材料は、
スチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、エチ
レン−アクリル酸共重合体または前記材料の(Na+
イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体または
前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イオン
架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体または
前記材料の(Na+)イオン架橋体である。
【0028】本発明に用いられる負極用集電体として
は、構成された電池において化学変化を起こさない電子
伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてステン
レス鋼、ニッケル、銅、チタン、炭素、導電性樹脂など
の他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル
あるいはチタンを処理させたものなどが用いられる。特
に、銅あるいは銅合金が好ましい。これらの材料の表面
を酸化して用いることもできる。また、表面処理により
集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状は、フ
ォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチングさ
れたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体
などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜
500μmのものが用いられる。
【0029】本発明に用いられる正極材料には、リチウ
ム含有遷移金属酸化物を用いることができる。例えば、
LixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、Li
x(CoyNi1-y2、LixCoy1-yz、LixNi
1-yyz、LixMn24、Li xMn2-yy4(M=
Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bのうち少なくと
も一種)、(ここでx=0〜1.2、y=0〜0.9、
z=2.0〜2.3)があげられる。ここで、上記のx
値は、充放電開始前の値であり、充放電により増減す
る。ただし、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化
物およびそのリチウム化合物、ニオブ酸化物およびその
リチウム化合物、有機導電性物質を用いた共役系ポリマ
ー、シェブレル相化合物等の他の正極材料を用いること
も可能である。また、複数の異なった正極材料を混合し
て用いることも可能である。正極活物質粒子の平均粒径
は、特に限定はされないが、1〜30μmであることが
好ましい。
【0030】本発明で使用される正極用導電剤は、用い
る正極材料の充放電電位において、化学変化を起こさな
い電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒
鉛(鱗片状黒鉛など)、人造黒鉛などのグラファイト
類、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャン
ネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、
サーマルブラック等のカ−ボンブラック類、炭素繊維、
金属繊維などの導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミ
ニウム等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムな
どの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属
酸化物あるいはポリフェニレン誘導体などの有機導電性
材料などを単独又はこれらの混合物として含ませること
ができる。これらの導電剤のなかで、人造黒鉛、アセチ
レンブラックが特に好ましい。導電剤の添加量は、特に
限定されないが、正極材料に対して1〜50重量%が好
ましく、特に1〜30重量%が好ましい。カーボンやグ
ラファイトでは、2〜15重量%が特に好ましい。
【0031】本発明に用いられる正極用結着剤として
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよ
い。本発明に於いて好ましい結着剤は、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ス
チレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン
−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロ
トリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフル
オロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロト
リフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン
−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テ
トラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリ
フルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニ
リデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチ
ルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体または前記材料の(Na
+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体ま
たは前記材料の(Na+)イオン架橋体、エチレン−ア
クリル酸メチル共重合体または前記材料の(Na+)イ
オン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体ま
たは前記材料の(Na+)イオン架橋体を挙げる事がで
き、これらの材料を単独又は混合物として用いることが
できる。またこれらの材料の中でより好ましい材料はポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)である。
【0032】本発明に用いられる正極用集電体として
は、用いる正極材料の充放電電位において化学変化を起
こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料
としてステンレス鋼、アルミニウム、チタン、炭素、導
電性樹脂などの他に、アルミニウムやステンレス鋼の表
面にカーボンあるいはチタンを処理させたものが用いら
れる。特に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が
好ましい。これらの材料の表面を酸化して用いることも
できる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付け
ることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、
シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質
体、発泡体、繊維群、不織布体の成形体などが用いられ
る。厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのも
のが用いられる。
【0033】電極合剤には、導電剤や結着剤の他、フィ
ラー、分散剤、イオン伝導体、圧力増強剤及びその他の
各種添加剤を用いることができる。フィラーは、構成さ
れた電池において、化学変化を起こさない繊維状材料で
あれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラ
ス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は
特に限定されないが、電極合剤に対して30重量%まで
が好ましい。
【0034】本発明における負極板と正極板の構成は、
少なくとも正極合剤面の対向面に負極合剤面が存在して
いることが好ましい。
【0035】本発明に用いられる非水電解質は、溶媒
と、その溶媒に溶解するリチウム塩とから構成されてい
る。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネ−ト
(EC)、プロピレンカ−ボネ−ト(PC)、ブチレン
カーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)
などの環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(D
MC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチ
ルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート
(DPC)などの鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢
酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルな
どの脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン
等のγ−ラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DM
E)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシ
メトキシエタン(EME)等の鎖状エーテル類、テトラ
ヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状
エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソ
ラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムア
ミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリ
ル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエ
ステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、ス
ルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノ
ン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラ
ン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルト
ン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピ
ロリドン、などの非プロトン性有機溶媒を挙げることが
でき、これらの一種または二種以上を混合して使用す
る。なかでも環状カーボネートと鎖状カーボネートとの
混合系または環状カーボネートと鎖状カーボネート及び
脂肪族カルボン酸エステルとの混合系が好ましい。
【0036】これらの溶媒に溶解するリチウム塩として
は、例えばLiClO4、LiBF4、LiPF6、Li
AlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、Li
CF3SO3、LiCF3CO2、Li(CF3SO22
LiAsF6、LiN(CF3SO22、LiB10
10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、Li
Br、LiI、クロロボランリチウム、四フェニルホウ
酸リチウム、イミド類等を挙げることができ、これらを
使用する電解液等に単独又は二種以上を組み合わせて使
用することができるが、特にLiPF6を含ませること
がより好ましい。
【0037】本発明における特に好ましい非水電解質
は、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネート
を少なくとも含み、支持塩としてLiPF6を含む電解
液である。これら電解質を電池内に添加する量は、特に
限定されないが、正極材料や負極材料の量や電池のサイ
ズによって必要量を用いることができる。支持電解質の
非水溶媒に対する溶解量は、特に限定されないが、0.
2〜2mol/lが好ましい。特に、0.5〜1.5m
ol/lとすることがより好ましい。
【0038】また、電解液の他に次の様な固体電解質も
用いることができる。固体電解質としては、無機固体電
解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質に
は、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく
知られている。なかでも、Li4SiO4、Li4SiO4
−LiI−LiOH、xLi3PO4(1-x)Li4Si
4、Li2SiS3、Li3PO4−Li2S−SiS2
硫化リン化合物などが有効である。有機固体電解質で
は、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレン
オキサイド、ポリホスファゼン、ポリアジリジン、ポリ
エチレンスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ
化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンなどやこ
れらの誘導体、混合物、複合体などのポリマー材料が有
効である。
【0039】さらに、放電や充放電特性を改良する目的
で、他の化合物を電解質に添加することも有効である。
例えば、トリエチルフォスファイト、トリエタノールア
ミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライ
ム、ピリジン、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼ
ン誘導体、クラウンエーテル類、第四級アンモニウム
塩、エチレングリコールジアルキルエーテル等を挙げる
ことができる。
【0040】本発明に用いられるセパレータとしては、
大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち、
絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。また、一定温度以
上で孔を閉塞し、抵抗をあげる機能を持つことが好まし
い。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレン、ポリエ
チレンなどの単独又は組み合わせたオレフィン系ポリマ
ーあるいはガラス繊維などからつくられたシートや不織
布または織布が用いられる。セパレータの孔径は、電極
シートより脱離した正負極材料、結着剤、導電剤が透過
しない範囲であることが望ましく、例えば、0.01〜
1μmであるものが望ましい。セパレータの厚みは、一
般的には、10〜300μmが用いられる。また、空孔
率は、電子やイオンの透過性と素材や膜圧に応じて決定
されるが、一般的には30〜80%であることが望まし
い。
【0041】また、ポリマー材料に、溶媒とその溶媒に
溶解するリチウム塩とから構成される有機電解液を吸収
保持させたものを正極合剤、負極合剤に含ませ、さらに
有機電解液を吸収保持するポリマーからなる多孔性のセ
パレータを正極、負極と一体化した電池を構成すること
も可能である。このポリマー材料としては、有機電解液
を吸収保持できるものであればよいが、特にフッ化ビニ
リデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体が好まし
い。
【0042】電池の形状はコイン型、ボタン型、シート
型、積層型、円筒型、偏平型、角型、電気自動車等に用
いる大型のものなどいずれにも適用できる。
【0043】また、本発明の非水電解質二次電池は、携
帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、
自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に
用いることができるが、特にこれらに限定されるわけで
はない。
【0044】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0045】負極材料の製造方法 (表1)に本実施例で用いた負極材料(材料A〜材料
G)の固相Aと固相Bの成分(単体元素,金属間化合
物,固溶体)、仕込み時の元素比率、溶融温度、および
固相線温度を示す。本実施例で以下に具体的な製造方法
を示す。
【0046】負極材料を構成する各元素の粉体またはブ
ロックを、(表1)に示す仕込み比率で溶解槽に投入
し、(表1)に示す溶融温度で溶解し、その溶融物をロ
ール急冷法で急冷、凝固させ、凝固物を得た。続いて、
その凝固物を(表1)に示す仕込み組成から決まる固溶
体または金属間化合物の固相線温度より10℃〜50℃
程度低い温度で不活性雰囲気下で20時間熱処理を行っ
た。この熱処理品をボールミルで粉砕し、篩で分級する
ことにより45μm以下の粒子にした材料A〜材料Sを
得た。これらの材料は電子顕微鏡観察結果から固相A粒
子の周囲の全面または一部が固相Bによって被覆さてい
ることが確認できた。
【0047】
【表1】
【0048】円筒型電池の製造方法 図1に本発明における円筒型電池の縦断面図を示す。正
極板5及び負極板6がセパレーター7を介して複数回渦
巻状に巻回されて電池ケース1内に収納されている。そ
して、上記正極板5からは正極リード5aが引き出され
て封口板2に接続され、負極板6からは負極リード6a
が引き出されて電池ケース1の底部に接続されている。
電池ケースやリード板は、耐有機電解液性の電子伝導性
をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、
ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニ
ウムなどの金属あるいはそれらの合金が用いられる。特
に、電池ケースはステンレス鋼板、Al−Mn合金板を
加工したもの、正極リードはアルミニウム、負極リード
はニッケルが最も好ましい。また、電池ケースには、軽
量化を図るため各種エンジニアリングプラスチックス及
びこれと金属の併用したものを用いることも可能であ
る。8は絶縁リングで極板群4の上下部にそれぞれ設け
られている。そして、電解液を注入し、封口板を用いて
電池缶を形成する。このとき、安全弁を封口板として用
いることができる。安全弁の他、従来から知られている
種々の安全素子を備えつけても良い。例えば、過電流防
止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子など
が用いられる。また、安全弁のほかに電池ケースの内圧
上昇の対策として、電池ケースに切込を入れる方法、ガ
スケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリー
ド板との切断方法を利用することができる。また、充電
器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備さ
せるか、あるいは、独立に接続させてもよい。また、過
充電対策として、電池内圧の上昇により電流を遮断する
方式を具備することができる。このとき、内圧を上げる
化合物を合剤の中あるいは電解質の中に含ませることが
できる。内圧を上げる化合物としてはLi2CO3、Li
HCO3、Na2CO3、NaHCO3、CaCO3、Mg
CO3などの炭酸塩などがあげられる。キャップ、電池
ケース、シート、リード板の溶接法は、公知の方法
(例、直流又は交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波
溶接)を用いることができる。封口用シール剤は、アス
ファルトなどの従来から知られている化合物や混合物を
用いることができる。
【0049】負極板6は、得られた前記負極材料75重
量%に対し、導電剤である炭素粉末20重量%と結着剤
のポリフッ化ビニリデン樹脂5重量%を混合し、これら
を脱水N−メチルピロリジノンに分散させてスラリーを
作製し、銅箔からなる負極集電体上に塗布し、乾燥後、
加圧ローラで圧延して作製した。
【0050】一方、正極板5は、コバルト酸リチウム粉
末85重量%に対し、導電剤の炭素粉末10重量%と結
着剤のポリフッ化ビニリデン樹脂5重量%を混合し、こ
れらを脱水N−メチルピロリジノンに分散させてスラリ
ーを作製し、アルミ箔からなる正極集電体上に塗布し、
乾燥後、加圧ローラで圧延して作製した。
【0051】また、有機電解液には、エチレンカーボネ
ートとエチルメチルカーボネートの体積比1:1の混合
溶媒に、LiPF6を1.5モル/リットル溶解したも
のを使用した。
【0052】(実施例1)以上のようにして、(表1)
における材料Aを負極に用いて、負極の合剤層の多孔度
がそれぞれ5%、10%、20%、30%、40%、5
0%、60%となるように電池A1〜電池A7を作製し
た。多孔度は加圧ローラによる圧延の度合いにより調整
し、また、電極の厚さは一定となるようにした。また、
多孔度の測定は、電池組立前に行った。尚、作製した円
筒型電池は直径18mm、高さ650mmである。
【0053】(実施例2)(表1)における材料Bを負
極に用いた以外は実施例1と同様に電池B1〜電池B7
を作製した。
【0054】(実施例3)(表1)における材料Cを負
極に用いた以外は実施例1と同様に電池C1〜電池C7
を作製した。
【0055】(実施例4)(表1)における材料Dを負
極に用いた以外は実施例1と同様に電池D1〜電池D7
を作製した。
【0056】(実施例5)(表1)における材料Eを負
極に用いた以外は実施例1と同様に電池E1〜電池E7
を作製した。
【0057】(実施例6)(表1)における材料Fを負
極に用いた以外は実施例1と同様に電池F1〜電池F7
を作製した。
【0058】(実施例7)(表1)における材料Gを負
極に用いた以外は実施例1と同様に電池G1〜電池G7
を作製した。
【0059】充放電サイクル試験 これらの電池A〜電池Gを100mAの定電流で、まず
4.1Vになるまで充電した後、100mAの定電流で
2.0Vになるまで放電する充放電サイクルを繰り返し
た。また充放電は20℃の恒温槽の中で行った。尚、充
放電は100サイクルまで繰り返し行い、初期の放電容
量に対する100サイクル目の放電容量の比を容量維持
率として(表2)〜(表8)に示す。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】(表2)〜(表8)を見て明らかなよう
に、いずれの材料においても、合剤層の多孔度が10%
以上である電池では容量維持率が80%以上の良好な充
放電サイクルを示した。また、多孔度が50%以下であ
る電池では100サイクル後の放電容量が1500mA
h以上であることが示された。この1500mAhとい
う値は炭素材料を負極に用いて、多孔度35%で本実施
例と同サイズの電池を作製した場合の放電容量に匹敵す
るものである。従って、多孔度が10%以上50%以下
であれば、炭素材料を負極材料として用いた電池よりも
高容量で、充放電サイクル特性にも優れた電池を提供す
ることができる。
【0068】なお、本実施例で用いた負極材料を構成す
る元素は、固相AがSnの場合、2族元素としてMg、
遷移元素としてFeおよびMo、12族元素としてZn
およびCd、13族元素としてIn、14族元素として
Pbを用いたが、これら以外の各族の元素を用いても同
様な効果が得られた。
【0069】また負極材料構成元素の仕込み比率につい
ては、特に限定されたものではなく、相が2相になり、
1相(固相A)が主にSnを主体とした相で、もう一つ
別の相(固相B)がその周りを一部または全部を被覆す
るような状態になればよく、仕込み組成を特に限定する
ものではない。さらに、相Aは、Snのみからだけでは
なく、各元素以外の元素、例えば、O,C,N,S,C
a,Mg,Al,Fe,W,V,Ti,Cu,Cr,C
o,P等の元素が微量存在している場合も含まれる。相
Bは表1に示した固溶体,金属間化合物のみからなるだ
けではなく、それぞれの各固溶体,金属間化合物を構成
している元素やそれ以外の元素、例えば、O,C,N,
S,Ca,Mg,Al,Fe,W,V,Ti,Cu,C
r,Co,P等の元素が微量存在している場合も含まれ
る。
【0070】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来の炭
素材料を負極材料としたものよりも高容量で、かつサイ
クル特性に優れた非水電解質二次電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における円筒型電池の縦断面図
【符号の説明】
1 電池ケース 2 封口板 3 絶縁パッキング 4 極板群 5 正極板 5a 正極リード 6 負極板 6a 負極リード 7 セパレータ 8 絶縁リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新田 芳明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 BB02 BC01 BC04 BC05 BD00 5H014 AA01 CC01 EE10 HH02 5H017 AA03 AS10 HH02 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AK05 AL01 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 DJ13 HJ09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水電解質、セパレータ、およびリチウ
    ムの吸蔵・放出が可能な材料を用いた合剤層を備えた負
    極と正極を備えた非水電解質二次電池において、前記負
    極は、固相Aからなる核粒子の周囲の全面または一部
    を、固相Bによって被覆した複合粒子で、前記固相Aは
    スズを構成元素として含み、前記固相Bは固相Aの構成
    元素であるスズと、前記構成元素を除いて、周期表の2
    族元素、遷移元素、12族、13族元素、ならびに炭素
    を除く14族元素からなる群から選ばれた少なくとも一
    種の元素との固溶体、または金属間化合物である材料を
    用い、かつ、負極の合剤層の多孔度が10%以上50%
    以下であることを特徴とする非水電解質二次電池。
JP34290598A 1998-01-09 1998-12-02 非水電解質二次電池 Expired - Lifetime JP4399880B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34290598A JP4399880B2 (ja) 1998-12-02 1998-12-02 非水電解質二次電池
PCT/JP1999/006687 WO2000033401A1 (fr) 1998-12-02 1999-11-30 Cellule secondaire d'electrolyte du type non aqueux
EP99973175A EP1052712B1 (en) 1998-12-02 1999-11-30 Non-aqueous electrolyte secondary cell
DE69942057T DE69942057D1 (de) 1998-01-09 1999-11-30 Sekundärzelle mit nichtwässrigem elektrolyten
US09/601,224 US6605386B1 (en) 1998-12-02 1999-11-30 Non-aqueous electrolyte secondary battery comprising composite particles

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34290598A JP4399880B2 (ja) 1998-12-02 1998-12-02 非水電解質二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000173593A true JP2000173593A (ja) 2000-06-23
JP4399880B2 JP4399880B2 (ja) 2010-01-20

Family

ID=18357433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34290598A Expired - Lifetime JP4399880B2 (ja) 1998-01-09 1998-12-02 非水電解質二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4399880B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003303585A (ja) * 2002-04-11 2003-10-24 Sony Corp 電 池
JP2004127567A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Japan Vilene Co Ltd 電池用集電材及びこれを用いた電池
JP2005347147A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Pionics Co Ltd リチウム二次電池用負極活物質粒子および負極の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003303585A (ja) * 2002-04-11 2003-10-24 Sony Corp 電 池
US7132197B2 (en) 2002-04-11 2006-11-07 Sony Corporation Battery
JP2004127567A (ja) * 2002-09-30 2004-04-22 Japan Vilene Co Ltd 電池用集電材及びこれを用いた電池
JP4580139B2 (ja) * 2002-09-30 2010-11-10 日本バイリーン株式会社 電池用集電材及びこれを用いた電池
JP2005347147A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Pionics Co Ltd リチウム二次電池用負極活物質粒子および負極の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4399880B2 (ja) 2010-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4457429B2 (ja) 非水電解質二次電池とその負極
JP4399881B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2001291512A (ja) 非水電解質二次電池
JP4635283B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2000173585A (ja) 非水電解質二次電池
JP4534266B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4487326B2 (ja) 非水電解質二次電池の充電方法
JP2000173586A (ja) 非水電解質二次電池
JP4534265B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4449094B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4432130B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4399879B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4432129B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2001210323A (ja) 非水電解質二次電池
JP4399880B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4449090B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4449089B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4487325B2 (ja) 非水電解質二次電池の充電方法
JP4432132B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2000173609A (ja) 非水電解質二次電池
JP4399876B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2001135352A (ja) 非水電解質二次電池
JP4432131B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP4399877B2 (ja) 非水電解質二次電池
JP2000173583A (ja) 非水電解質二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051005

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20051114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091006

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091019

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131106

Year of fee payment: 4

EXPY Cancellation because of completion of term