JP2000173100A - 光学用ディスク基板 - Google Patents

光学用ディスク基板

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JP2000173100A
JP2000173100A JP10343940A JP34394098A JP2000173100A JP 2000173100 A JP2000173100 A JP 2000173100A JP 10343940 A JP10343940 A JP 10343940A JP 34394098 A JP34394098 A JP 34394098A JP 2000173100 A JP2000173100 A JP 2000173100A
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司 齋藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間にわたって高い信頼性を維持できる光
学用ディスク基板を提供する。 【解決手段】 蛍光スペクトルを測定したとき、基準物
質に対する465nmにおける相対蛍光強度が4×10
-3以下であるポリカ−ボネ−ト樹脂からなる光学用ディ
スク基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期間にわたって
高い信頼性を維持できる光学用ディスク基板に関する。
【0002】
【従来の技術】オ−ディオディスク、レ−ザ−ディス
ク、光ディスクメモリあるいは光磁気ディスク等のレ−
ザ光を利用して情報の記録および/または再生をおこな
う記録媒体たる光学用情報記録媒体の透明基板、すなわ
ち光ディスク基板には、一般に、成形性、機械的強度、
透明度等の点で他樹脂より優れているポリカーボネート
樹脂が素材として利用されている。しかしながら、この
ように優れた性質を有するポリカーボネート樹脂も、高
温、高湿下において加水分解しやすく、分子量の低下、
衝撃強度の低下等をきたしやすいという欠点がある。ま
た、長期間にわたり高温、高湿下に放置すると基板中に
白点が発生し、長期信頼性が損なわれるという欠点があ
った。また現在、デジタルバーサタイルディスク(DV
D)として例えばDVD−ROM、DVD−Vide
o、DVD−Audio、DVD−R、DVD−RAM
等で代表される高密度光ディスク用の基板材料において
は、さらに高度の長期信頼性が要求されつつある。
【0003】ポリカーボネート樹脂の製造法としては、
ジヒドロキシ化合物とホスゲンを直接反応させる界面重
縮合法、あるいはジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル
とを加熱減圧下エステル交換反応させる溶融重縮合法な
どが知られている。このうち後者の溶融重縮合法は前者
の界面重縮合法と比較して、安価にポリカーボネート樹
脂を製造できる等の利点を有する。しかし、溶融重縮合
法によるポリカーボネート樹脂を使用した光ディスク基
板の場合、長期間の高温、高湿条件下において上記の白
点がより多く発生しやすい傾向にあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたものであり、該問題点について鋭意検討
を重ねた結果、相対蛍光強度を4×10-3以下とするこ
とで、ポリカーボネート樹脂の劣化を極めて有効に制御
し、長期にわたって高い信頼性を維持できる光学用ディ
スクが得られることを発見した。ここで相対蛍光強度と
は、下記測定条件により測定したポリカーボネート樹脂
の465nmにおける蛍光強度と基準物質の蛍光強度
(励起波長320nm)を測定し、その比(相対蛍光強
度=ポリカーボネート樹脂の蛍光強度/基準物質の蛍光
強度)を計算したものである。測定条件 装置 日立FA4500 ランプ Xe、150W スリット巾 Ex/Em 各2.5mm ホトマル 400W 励起波長 320nm サンプル(濃度) 1mgポリカーボネート樹脂/5ml塩化メチレン 比較基準物質 サリチル酸フェニル1.0×10-3mg/ml塩化メチレン
【0005】
【課題を解決するための手段】ポリカーボネート樹脂中
には、蛍光スペクトル測定においてピークが検出される
場合がある。この蛍光ピークは、ポリマー中に存在する
特定の分岐構造に起因するものである。特に、高温高圧
状態下で触媒を用いて重縮合するような方法にて製造さ
れたポリカーボネート樹脂を使用して、成形された光デ
ィスク基板中には、この蛍光ピークが高くなる傾向にあ
り、相対蛍光強度も高くなる。しかし、この相対蛍光強
度と長期間にわたる信頼性との関係は、従来全く知られ
ていなかった。
【0006】本発明は、ポリカーボネート樹脂を用いた
光学用ディスク基板に発生する白点の個数が、相対蛍光
強度に関連することを見出した。そして、光学用ディス
ク基板を構成するポリカーボネート樹脂中における相対
蛍光強度を、ある基準値以下にすると、基板に発生する
白点を最小限に制御できることを知見し、本発明に至っ
た。すなわち、本発明によれば、蛍光スペクトルを測定
したとき、基準物質に対する465mmにおける相対蛍
光強度が4×10-3以下であるポリカーボネート樹脂か
らなる、光学用ディスク基板が提供される。
【0007】ディスクの長期信頼性は、ディスクを温度
80℃、相対湿度85%に制御した恒温恒湿槽に100
0時間保持した後の白点発生数を調べることにより確認
される。本発明によるポリカーボネート樹脂からなるデ
ィスク基板白点発生数は直径120mmの基板1枚あた
り2個以下であり、より好ましくは1個以下である。
【0008】本発明の光学用ディスク基板において相対
蛍光強度が4×10-3を超えると、そのディスク基板を
含む情報記録媒体では、確実にエラーを引き起こし易く
なり、光ディスク基板としての長期信頼性を低下させ
る。
【0009】この相対蛍光強度を3×10-3以下にする
とより好ましく、さらには、相対蛍光強度を2.5×1
-3以下にすると一層確実なる信頼性を得ることもで
き、特に好ましい。ここでポリカーボネート樹脂として
は、特に制限はない。例えば粘度平均分子量が10,0
00〜22,000、好ましくは12,000〜20,0
00のものである。
【0010】本発明で使用されるポリカーボネート樹脂
は、二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶融重縮
合法で反応させて得られるものである。ここで使用され
る二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノ
ン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブ
ロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−
ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニ
ル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−
フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,
4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メ
チルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−
3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベン
ゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m
−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,
3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチ
ルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシ
ド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルエステル等があげられ、これらは単独ま
たは2種以上を混合して使用できる。
【0011】なかでもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル
ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,
3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−m−ジイソプロピルベンゼンからなる群より選ばれた
少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合
体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールA
の単独重合体および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンとビスフ
ェノールA、またはα,α’−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンとの共重合体が
好ましく使用される。
【0012】溶融重縮合法によって反応させてポリカー
ボネート樹脂を製造するに当っては、必要に応じて触
媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用
してもよい。またポリカーボネート樹脂は三官能以上の
多官能性芳香族化合物を溶融成形に支障のない割合で共
重合した分岐ポリカーボネート樹脂であっても、芳香族
または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエ
ステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られ
たポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物で
あってもよい。
【0013】溶融重縮合法による反応は、通常二価フェ
ノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応で
あり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネ
ートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアル
コ−ルまたはフェノールを留出させる方法により行われ
る。反応温度は生成するアルコ−ルまたはフェノールの
沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲で
ある。反応後期には系を10〜0.1Torr程度に減
圧して生成するアルコ−ルまたはフェノールの留出を容
易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0014】カーボネートエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリ−ル基、アラルキル
基あるいは炭素数1〜4のアルキル基などのエステルが
挙げられる。具体的にはジフェニルカーボネート、ジト
リルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネー
ト、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネー
ト、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート
などが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好
ましい。
【0015】また、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、二価フェノールのナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物、水酸
化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等
のアルカリ土類金属化合物、テトラメチルアンモニウム
ヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩
基性化合物、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコ
キシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩
類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合
物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ
化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモ
ン化合物類マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコ
ニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交
換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は
単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせ使用して
もよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェ
ノール1モルに対し、好ましくは1×10-9〜1×10
-3当量、より好ましくは1×10-8〜5×10-4当量、
最も好ましくは1×10-7〜1×10-6当量の範囲で選
ばれる。
【0016】本発明においてはポリカーボネート樹脂で
は、その相対蛍光強度を4×10-3以下に抑えることが
肝要である。この相対蛍光強度が4×10-3を越える
と、ポリカーボネート樹脂によるディスク基板では、白
点発生による信頼性の低下等の新たな問題が発生する。
この相対蛍光強度は3×10-3以下が好ましく、最も好
ましくは2.5×10-3以下である。
【0017】このような信頼性低下が少ない相対蛍光強
度が特定値以下の芳香族ポリカーボネート樹脂を得る為
には、下記のようにエステル交換触媒とその量を規定す
ること、該エステル交換触媒をスルホン酸系化合物によ
り失活すること、ポリカーボネート樹脂の分子末端につ
いてヒドロキシ基の全分子末端にしめる割合を規定する
こと、および芳香族ポリカーボネートの分子末端を封止
することが好ましい。
【0018】また溶融重縮合反応におけるポリカーボネ
ート樹脂温度を常に255℃以下に保つことが、熱分
解、および機械的分解が少なく相対蛍光強度が特定値以
下の芳香族ポリカーボネート樹脂を得るために好まし
い。
【0019】また重合槽撹拌翼の撹拌について、下記式 撹拌剪断速度=撹拌翼の周速/反応槽と撹拌翼の隙間の
長さ [ここで撹拌剪断速度の単位は1/sec、撹拌翼の周
速の単位はcm/sec、反応槽と撹拌翼の隙間の長さ
の単位はcmである] で表される重合槽撹拌翼の撹拌剪断速度(単位:1/s
ec)を撹拌翼半径(単位:cm)の2乗で割った数値
を0.1〜0.001(1/sec×cm2)とすること
が、熱分解、および機械的分解が少ない蛍光強度が特定
値以下のポリカーボネート樹脂を得るために好ましい。
【0020】これらのポリカーボネートの製造における
触媒については、塩基性窒素化合物と、アルカリ金属化
合物を併用し、アルカリ金属化合物の使用量をビスフェ
ノールA1モル当たり5.0×10-6モル以下に抑える
ことによりエステル交換反応も、工業的に有利に進み、
流動性、色調良好なポリカーボネート樹脂を得ることが
できる。
【0021】ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平
均分子量(M)で10,000〜22,000が好まし
く、12,000〜20,000がより好ましく、13,
000〜18,000が特に好ましい。かかる粘度平均
分子量を有するポリカーボネート樹脂は、光学用材料と
して十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も
良好であり成形歪みが発生せず好ましい。本発明でいう
粘度平均分子量は塩化メチレン100mlにポリカーボ
ネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた
比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。 ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0022】ポリカーボネート樹脂は、前記の溶融重縮
合法により製造した後、射出成形に供するためのペレッ
ト状ポリカーボネート樹脂を得る押出工程(ペレット化
工程)では溶融状態の時に濾過精度10μmの焼結金属
フィルターを通すなどして異物を除去することが好まし
い。必要により、例えばリン系等の酸化防止剤などの添
加剤を加えることも好ましい。いずれにしても射出成形
前の原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力
低くしておくことが必要である。上記ポリカーボネート
樹脂より光ディスク基板を製造する場合には射出成形機
(射出圧縮成形機を含む)を用いる。この射出成形機と
しては一般的に使用されているものでよいが、炭化物の
発生を抑制しディスク基板の信頼性を高める観点からシ
リンダーやスクリューとして樹脂との付着性が低く、か
つ耐食性、耐摩耗性を示す材料を使用してなるものを用
いるのが好ましい。射出成形の条件としてはシリンダー
温度300〜400℃、金型温度50〜140℃が好ま
しく、これらにより光学的に優れた光ディスク基板を得
ることができる。成形工程での環境は、本発明の目的か
ら考えて、可能な限りクリーンであることが好ましい。
また、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去する
ことや、溶融樹脂の分解を招くような滞留を起こさない
ように配慮することも重要となる。
【0023】
【実施例】以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本
発明は何らこれに限定されるものではない。湿熱処理後
の白点数の評価は下記の方法に従った。過酷な雰囲気下
に長時間放置した時の白点の増加を再現する為に、ディ
スクを温度80℃、相対湿度85%に制御した恒温恒湿
槽に1000時間保持し、その後偏光顕微鏡を用いて2
0μm以上の白点の数を数えた。これを25枚の光学用
ディスク基板(直径120mm)について行い、その平
均値を求め、これを白点個数とした。
【0024】実施例1 基板成形に用いたポリカーボネート樹脂は以下の方法で
製造した。ビスフェノールA、228重量部、ジフェニ
ルカーボネート220重量部およびエステル交換触媒;
ビスフェノールAのNa2塩(1.36×10-5重量
部;Naとして0.1μmol/1molビスフェノー
ルA)およびテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(9.1×10-3重量部;100μmol/1molビ
スフェノールA)を攪拌装置、蒸留塔および減圧装置を
備えた反応槽に仕込み窒素置換した後、140℃で溶解
した。30分間攪拌後、内温を180℃に昇温し、内圧
100mmHg30分間反応させ、生成するフェノール
を溜去した。ついで内温を200℃に昇温しつつ徐々に
減圧し50mmHgで30分間フェノールを溜去しつつ
反応させた。更に220℃、30mmHgまで徐々に昇
温、減圧し、同温度、同圧下で30分間、更に、240
℃、10mmHg、250℃、1mmHgまで上記と同
じ手順で昇温、減圧を繰り返し反応を続行した。
【0025】最終的に250〜255℃で(常に255
℃以下に保つよう留意した)、また重合釜攪拌翼の攪拌
剪断速度(単位:1/sec)を攪拌翼半径(単位;c
m)の2乗で割った数値を0.001(1/sec×c
2)に保ちつつポリカーボネートの重縮合を継続し
た。
【0026】重縮合終了後末端停止剤として2−メトキ
シカルボニルフェニルフェニルカーボネート3.1部を
添加した。その後255℃、1Torr以下で10分間
末端封鎖反応を行った。次に溶融状態のままで、触媒失
活剤としてドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホ
スホニウム塩を0.00029部(5×10-7モル/ビ
スフェノール1モル)添加して255℃、10Torr
以下で反応を継続し、粘度平均分子量15000、末端
水酸基濃度6モル%、相対蛍光強度2.3×10-3の芳
香族ポリカーボネート樹脂を得た。この芳香族ポリカー
ボネート樹脂をギアポンプでエクストルーダーに送っ
た。エクストルーダー途中で、トリス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.010重
量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.080重量%
加え、ポリカーボネートペレットを得た。
【0027】実施例2 エステル交換触媒量をビスフェノールAのNa2塩2.
72×10-4重量部(Naとして2.0μmol/1m
olビスフェノールA)とした以外は、実施例1と同様
な条件で芳香族ポリカーボネートペレットを製造した。
【0028】実施例3 エステル交換触媒量をビスフェノールAのNa2塩6.
8×10-4重量部(Naとして5.0μmol/1mo
lビスフェノールA)とした以外は、実施例1と同様な
条件で芳香族ポリカーボネートペレットを製造した。
【0029】実施例4 エステル交換触媒量をビスフェノールAのNa2塩6.
8×10-5重量部(Naとして0.5μmol/1mo
lビスフェノールA)とした以外は、実施例1と同様な
条件で芳香族ポリカーボネートペレットを製造した。実
施例1〜4における、ディスク基板成形は以下の方法で
おこなった。すなわち、住友重機械工業(株)製射出成
形機DISK3M3と情報信号に対応した凸凹形状を持
つスタンパーが設置された厚さ1.2mm、直径120
mmのキャビティを持つ金型を用いてバレル温度340
℃にておこなった。得られたディスク基板にアルミニウ
ム反射膜をスパッタリングにより形成し、光学式情報記
録媒体を得た。
【0030】実施例5 上記実施例1と同じポリカーボネートペレットを使用し
て、以下の方法でDVD用ディスク基板成形をおこなっ
た。すなわち、住友重機械工業(株)製射出成形機DI
SK3M3と情報信号に対応した凸凹形状を持つスタン
パーが設置された厚さ0.6mm、直径120mmのキ
ャビティを持つ金型を用いてバレル温度380℃にてお
こなった。得られたディスク基板にアルミニウム反射膜
をスパッタリングにより形成し、光学式情報記録媒体を
得た。実施例1〜5の基板における、相対蛍光強度と白
点発生数を表1に示す。
【0031】比較例1 ビスフェノールA、228重量部、ジフェニルカーボネ
ート220重量部およびエステル交換触媒;ビスフェノ
ールAのNa2塩(1.36×10-3重量部;Naとし
て10μmol/1molビスフェノールA)およびテ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド(9.1×10-3
重量部;100μmol/1molビスフェノールA)
を攪拌装置、蒸留塔および減圧装置を備えた反応槽に仕
込み窒素置換した後、140℃で溶解した.30分間攪
拌後、内温を180℃に昇温し、内圧100mmHg3
0分間反応させ、生成するフェノールを溜去した。つい
で内温を200℃に昇温しつつ徐々に減圧し50mmH
gで30分間フェノールを溜去しつつ反応させた。更に
220℃、30mmHgまで徐々に昇温、減圧し、同温
度、同圧下で30分間、更に、240℃、10mmH
g、250℃、1mmHgまで上記と同じ手順で昇温、
減圧を繰り返し反応を続行した。
【0032】最終的に280℃〜285℃でポリカーボ
ネートの重縮合を継続しつつポリマーを得た。このポリ
マーの重縮合終了後末端停止剤として2−メトキシカル
ボニルフェニルフェニルカーボネート2.3部を添加し
た。その後270℃、1Torr以下で5分間末端封鎖
反応を行った。次に溶融状態のままで、触媒失活剤とし
てドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩を0.029部(5×10-5モル/ビスフェノール
1モル)添加して270℃、10Torr以下で反応を
継続し、粘度平均分子量16,000、相対蛍光強度5.
1×10-3の芳香族ポリカーボネート樹脂を得た。この
芳香族ポリカーボネート樹脂をギアポンプでエクストル
ーダーに送った。エクストルーダー途中で、トリス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイ
トを0.010重量%、ステアリン酸モノグリセリドを
0.080重量%加え、ポリカーボネートペレットを得
た。このペレットを用い、実施例4と同様の方法で、光
学式情報記録媒体を得た。実施例と同様に、この時の基
板における、相対蛍光強度と白点発生数を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば相対蛍光強度が4×10-3以下と低く、ポリカーボネ
ート樹脂の劣化を有効に制御し極めて信頼性の高い光デ
ィスク基板を得ることができる。さらにデジタルヴァ−
サタイルディスク(DVD−ROM、DVD−Vide
o、DVD−Audio、DVD−R、DVD−RA
M)等の高密度光ディスクにおいても、その奏する効果
は格別のものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA10 AB05 AB07 AC01 AC02 AD01 AD10 AE05 BB04A BB05A BB08A BB10A BB12A BB12B BB12C BB13A BB13B BD09A BD09B BD09C BE05A BF14A BG08X BH02 DB07 DB11 DB13 HA01 HC04A HC05A JA091 JA301 JB131 JB171 JC031 JC091 JC373 JC731 JC751 JF031 JF041 JF131 JF141 JF161 JF181 JF221 JF321 JF331 JF361 JF371 JF381 JF471 JF541 JF581 KB05 KD01 KD07 KE02 KE05 LA08 LA10 5D029 KA07 KC17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光スペクトルを測定したとき、基準物
    質に対する465nmにおける相対蛍光強度が4×10
    -3以下であるポリカーボネート樹脂からなる光学用ディ
    スク基板。
  2. 【請求項2】 粘度平均分子量が、10,000〜22,
    000のポリカーボネート樹脂からなる請求項1記載の
    光学用ディスク基板。
  3. 【請求項3】 溶融重縮合法により製造されたポリカー
    ボネート樹脂からなる請求項1記載の光学用ディスク基
    板。
  4. 【請求項4】 前記光学用ディスク基板がDVDである
    請求項1記載の光学用ディスク基板。
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