JP4283971B2 - 光学用ディスク基板およびそのための成形材料 - Google Patents

光学用ディスク基板およびそのための成形材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学用ディスク基板の白点発生数を低減する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
オ−ディオディスク、レ−ザ−ディスク、光ディスクメモリあるいは光磁気ディスク等のレ−ザ光を利用して情報の記録および/または再生をおこなう記録媒体たる光学用情報記録媒体の透明基板、すなわち光ディスク基板には、一般に、成形性、機械的強度、透明度等の点で他樹脂より優れているポリカーボネート樹脂が素材として利用されている。しかしながら、このように優れた性質を有するポリカーボネート樹脂も、高温、高湿下において加水分解しやすく、分子量の低下、衝撃強度の低下等をきたしやすいという欠点がある。また、長期間にわたり高温、高湿下に放置すると基板中に白点が発生し、長期信頼性が損なわれるという欠点があった。また現在、デジタルバーサタイルディスク(DVD)として例えばDVD−ROM、DVD−Video、DVD−Audio、DVD−R、DVD−RAM等で代表される高密度光ディスク用の基板材料においては、さらに高度の長期信頼性が要求されつつある。
【0003】
ポリカーボネート樹脂の製造法としては、ジヒドロキシ化合物とホスゲンを直接反応させる界面重縮合法、あるいはジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを加熱減圧下エステル交換反応させる溶融重合法などが知られている。このうち後者の溶融重合法は前者の界面重縮合法と比較して、安価にポリカーボネート樹脂を製造できる等の利点を有する。
従来の溶融重合法による芳香族ポリカーボネートの製造方法では、通常、触媒成分としてアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などの金属触媒が用いられている。例えば、特開平8−59975号公報には、溶融重合法による芳香族ポリカーボネートの製造方法に関する記載がある。
【0004】
光ディスク、レーザーディスク等のディスク基板の製造は、一般に射出成形にておこない、その成形温度は300℃以上の高温で、かつ連続生産を要求される。このためポリカーボネート樹脂には高い熱安定性を要求される。しかし、上述の金属触媒を用いて得られる溶融法による芳香族ポリカーボネート樹脂は残存する金属触媒のため、溶融成形時にはその一部が熱分解することがあり、熱安定性に劣っていた。また、ディスクは長期間にわたり高温、高湿下に放置すると基板に白点が発生し、長期信頼性が損なわれるという欠点があった。近年この問題を含めて、ディスク基板に対するさらなる性能の向上の要求が高まってきている。
一方、芳香族ポリカーボネート樹脂を光ディスク基板に利用するために、樹脂中のゲル化物の含有量を特定範囲に低減することが提案されている。
【0005】
すなわち、芳香族ポリカーボネート樹脂中にゲル化物が存在し、そのゲル化物の含有量を特定範囲に低減することは特開平2−135222号公報に記載されている。この公知の技術は、樹脂中のゲル化物の存在は、光学用途(殊に光ディスク用途)において、屈折異常を引き起こすため、そのゲル化物の数を樹脂1kg当り50個以下とするものである。このゲル化物は樹脂の塩化メチレン溶液を20μmの目開のフィルターで濾過した時にフィルター上に残留する大きさのものを意味する。この公知の技術は、具体的には芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを塩化メチレンの如き有機溶媒中で反応して製造する方法(“溶液重合法”と一般的に称されている)によって得られた樹脂を対象としている。すなわち前記公知の技術では、この溶液重合法による樹脂は粉粒体として得られ、その粉粒体を押出成形機で押出しペレット化する際に、樹脂が押出機中で熱履歴を受け、その際に発生するゲル化物の量を特定範囲にすることを目的としている。
【0006】
本発明者らの研究によれば、前記溶液重合法により得られた樹脂の粉粒体を溶融してペレット化してディスク基板に成形した場合、ペレット中のゲル化物の数を減少させることにより、成形されたディスク基板の屈折率異常の数は少なくなることが確かめられた。さらに研究を進めたところ、前記公知技術によって得られたゲル化物を低減したディスク基板は、成形直後の屈折率異常の数は少なくなっているが、長期間保持すると、殊に高湿高温下に保持すると、基板中に白点が発生し、情報記録の読み取りや再生に支障を来すことがわかった。その原因ははっきりしないが、恐らく溶液重合法において使用した触媒(例えばナトリウムなど)、有機溶媒(例えば塩化メチレン)およびオリゴマーなどの固有の不純物質によるものと推定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一方、本発明者らは、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応(“溶融重合法”とも一般的に称されている)により得られた芳香族ポリカーボネート樹脂のディスク基板への利用について研究を進めた。
【0008】
この溶融重合法は前述の溶液重合法に比べると、重合の過程において、比較にならないほど樹脂は高温かつ長期間にわたって熱履歴を受ける。そのため押出機のフィルターでは除去できないが、塩化メチレン溶媒中には溶解しない未溶解物が多く発生する。本発明者らがこの未溶解物について調べたところ、前記溶液重合法によるゲル化物とはその挙動が同じでないことが認められた。溶融重合法により得られた樹脂中の未溶解物は、溶液重合法によるものに比べてタイプおよび数が多い。その未溶解物のタイプと数が及ぼす、屈折率異常並びに長期間保持後の白点形成の影響について調べた。
【0009】
その結果、樹脂中の未溶解物中、特定波長(380nmの波長)の照射により発生する未溶解物の数が、長期間保持後の白点発生数に関与していること、およびその特定の未溶解物を特定数以下に低減することにより、白点発生数を許容量範囲以下とすることができることが見出された。
すなわち、本発明者らの研究によれば、溶融重合法により得られた樹脂中の、波長380nmの照射により発光する未溶解物の数は、樹脂1kg当り100個以下が許容範囲である。この許容範囲は、前記公知技術におけるゲル化物の許容範囲(50個以下)よりも広いが、それでもディスク基板の長期間保持後の白点形成数が極めて低減される理由は、溶融重合法の固有の触媒および重合条件に起因して発生した未溶解物の挙動が、溶液重合法によるものと異なっているためと推定される。
本発明は、上記究明事実によって到達されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
ポリカーボネート樹脂中における、波長380nmの光の照射により発光する未溶解物は、そのサリチル酸エステル構造に起因して蛍光を発する物質であると推定される。特に、高温高圧状態下で触媒を用いて溶融重縮合する方法にて製造されたポリカーボネート樹脂を使用して成形された光ディスク基板中には、この物質の含有量が多くなる傾向にある。しかし、この発光性物質を特定範囲以下に低減して光学用ディスク基板の長期間にわたる信頼性の向上を図ることは従来知られていなかった。
【0011】
本発明によれば、芳香族ポリカーボネート樹脂を射出成形して得られる光学用ディスク基板の加速劣化試験(80℃×85%RH×1,000時間)による大きさ20μm以上の白点発生数を低減する方法であって、芳香族ポリカーボネート樹脂として、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの溶融重合反応により得られ、かつ波長380nmの光の照射により発光する30μm以上の大きさの未溶解物の含有量が、該樹脂1kg当り7個以下の樹脂を用いることを特徴とする方法が提供される。
【0012】
以下本発明について、さらに具体的に説明する。
本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は、二価フェノールとカーボネート前駆体とをエステル交換反応による溶融重合法により得られるものである。ここで使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、1,6−ジヒドロキシナフタリン、2,6−ジヒドロキシナフタリン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−ブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−クロロ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、4−ブロモレゾルシノール、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−フェニル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−エチル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−n−プロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−メトキシ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジブロモ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス{(3−フェノキシ−4−ヒドロキシ)フェニル}エチレン、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス{(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステルなどが挙げられ、これらは単独または2種以上を混合して使用できる。
【0013】
中でもビスフェノールA、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス{(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ)フェニル}スルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、および4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビスフェノールより得られる単独重合体または共重合体が好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体が好ましく使用される。
【0014】
カーボネート前駆体としては、カーボネートエステルまたはハロホルメートが使用される。具体的には、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m―クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートなどが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ジフェニルカーボネートまたは二価フェノールのジハロホルメートなどを使用し、より好ましくは、ジフェニルカーボネートを使用する。これらカーボネートエステルもまた、単独で用いてもよく、また2種以上を組合せて用いてもよい。
【0015】
上記二価フェノールとカーボネート前駆体を溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂を製造するにあたっては、必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。またポリカーボネート樹脂は、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネート樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。
溶融重合法による反応は、二価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には反応系を10〜0.1Torr(1,333〜13.3MPa)程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
【0016】
また、溶融重合法において重合速度を速めるために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒としては、例えば(i)アルカリ金属化合物および/または(ii)含窒素塩基性化合物よりなる触媒を用いて縮合される。
触媒として用いられるアルカリ金属化合物としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭化水素化物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化ホウ素塩、安息香酸塩、リン酸水素化物、ビスフェノール、フェノールの塩等が挙げられる。
【0017】
アルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、水酸化ホウ素ナトリウム、水酸化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素ジカリウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールAのジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが挙げられる。
【0018】
触媒としてのアルカリ金属化合物は、二価フェノール1モルに対し10-9〜10-4モル、好ましくは10-8〜10-5モルの範囲で使用しうる。上記使用範囲を逸脱すると、得られるポリカーボネートの諸物性に悪影響をおよぼしたり、また、エステル交換反応が十分に進行せず高分子量のポリカーボネートが得られない等の問題があり好ましくない。
【0019】
また、触媒としての含窒素塩基性化合物としては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(φ−CH2(Me)3NOH)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどのアルキル、アリール、アルキルアリール基などを有するアンモニウムヒドロオキシド類;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシルジメチルアミンなどの3級アミン類;あるいはテトラメチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NBH4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアンモニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)などの塩基性塩などを挙げることができる。これらの中で、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(Bu4NOH)が好ましく、特にテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4NOH)が好ましい。
【0020】
上記含窒素塩基性化合物は、含窒素塩基性化合物中のアンモニウム窒素原子が二価フェノール1モル当り1×10-5〜1×10-3当量となる割合で用いるのが好ましい。より好ましい割合は同じ基準に対し2×10-5〜7×10-4当量となる割合である。特に好ましい割合は同じ基準に対し5×10-5〜5×10-4当量となる割合である。
【0021】
本発明においては所望により、アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ素化合物類、アルミニウム化合物類、ケイ素化合物類、ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類、マンガン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類などの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。触媒は単独で使用してもよいし、2種以上組合せ使用してもよい。これらの重合触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10-9〜1×10-5当量、より好ましくは1×10-8〜5×10-6当量の範囲で選ばれる。
【0022】
また、かかる重合反応において、フェノール性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるいは終了後に、例えばフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、p−tert−ブチルフェニルカーボネート、p−クミルフェノール、p−クミルフェニルフェニルカーボネート、p−クミルフェニルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ビス(ブロモフェニル)カーボネート、ビス(ニトロフェニル)カーボネート、ビス(フェニルフェニル)カーボネート、クロロフェニルフェニルカーボネート、ブロモフェニルフェニルカーボネート、ニトロフェニルフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート、2,2,4−トリメチル−4−(4−ヒドロキシフェニル)クロマン、2,4,4−トリメチル−2−(4−ヒドロキシフェニル)クロマンおよびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート等の化合物を加えることがある。中でも2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく、特に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく使用される。
【0023】
本発明において末端封鎖剤を用いてポリカーボネート樹脂の末端を封鎖することができる。また、末端封鎖剤を添加する前のポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度を全末端に対して20モル%以上、好ましくは30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上に制御することが好ましい。かくすることにより、特定の末端基を高い割合で導入でき、ポリカーボネート樹脂の改質効果を高めることができる。通常は、ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度が、全末端のうち水酸基が30〜95モル%の範囲のポリカーボネート樹脂に末端封鎖剤を用いることが有利である。また、末端封鎖剤を添加する前のポリカーボネート樹脂の水酸基末端の割合は、原料である二価フェノールとジフェニルカーボネートの仕込み比によってコントロールすることができる。ここでポリカーボネート樹脂の一定量における末端水酸基濃度のモル数は、常法により1H−NMRにより決定できる。
【0024】
本発明のポリカーボネート樹脂の末端水酸基は、ポリカーボネート樹脂の全末端を100モル%とした時、10〜70モル%が好ましく、より好ましくは15〜65モル%、さらに好ましくは20〜60モル%、最も好ましくは20〜45モル%に制御することがよい。ここで芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基のモル%は、常法により1H−NMRにより決定できる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量(M)で10,000〜22,000が好ましく、12,000〜20,000がより好ましく、13,000〜19,000が特に好ましい。かかる粘度平均分子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、十分な強度が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり成形歪みが発生せず好ましい。本発明でいう粘度平均分子量は塩化メチレン100mLにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
【0025】
ηsp/c=[η]+0.45×[η]2c(ただし[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10-40.83
c=0.7
ポリカーボネート樹脂は、それ自体公知の溶融重合法により製造した後、射出成形に供するためのペレット状ポリカーボネート樹脂を得る押出工程(ペレット化工程)では溶融状態の時に濾過精度10μmの焼結金属フィルターを通すなどして異物を除去したりすることが好ましい。必要により、例えばリン系等の酸化防止剤などの添加剤を加えることも好ましい。いずれにしても射出成形前の原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力低くしておくことが必要である。上記ポリカーボネート樹脂より光ディスク基板を製造する場合には射出成形機(射出圧縮成形機を含む)を用いる。この射出成形機としては一般的に使用されているものでよいが、炭化物の発生を抑制しディスク基板の信頼性を高める観点からシリンダーやスクリューの材質として樹脂との付着性が低く、かつ耐食性、耐摩耗性を示す材料を使用して用いるのが好ましい。射出成形の条件としてはシリンダー温度300〜400℃、金型温度50〜140℃が好ましく、これらにより光学的に優れた光ディスク基板を得ることができる。成形工程での環境は、本発明の目的から考えて、可能な限りクリーンであることが好ましい。また、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去することや、溶融樹脂の分解を招くような滞留を起こさないように配慮することも重要となる。
【0026】
本発明の白点発生数を低減する方法では、溶融重合法により得られた芳香族ポリカーボネート樹脂であって、その樹脂中の波長が380nmの光の照射によって発光する未溶解物でかつ大きさが30μm以上のものの含有量が、樹脂1kg当り7個以下の樹脂を用いる。
この380nmの波長の光の照射により発光する未溶解物のことを、以下単に“発光性未溶解物”と略称することがある。
【0027】
この発光性未溶解物の測定は、後で詳細を説明するが、ポリカーボネート樹脂を塩化メチレン中に溶解し、30μm(目開)フィルターにより濾過し、フィルター上の残存物を乾燥して、波長380nmの光を照射して発光する物質の個数を光学顕微鏡にて観察して計測することにより行われる。この発光する物質の個数を樹脂1kg当りに換算した値を、発光性未溶解物の含有量とする。
【0028】
芳香族ポリカーボネート樹脂中の発光性未溶解物の含有量は7個以下が好ましく、5個以下が特に好ましい。
本発明において、発光性未溶解物の含有量が前述のとおり特定範囲以下に低減された芳香族ポリカーボネート樹脂を使用した光ディスク基板は、成形直後はもちろんのこと、長期間経過した後も白点発生数が極めて少ないことが確認された。従って光ディスク基板は、長期間の記録の保持および安定性に優れている。
【0029】
かくして本発明によれば、発光性未溶解物の含有量が前記範囲内に低減された樹脂を使用することによって、80℃の温度および85%相対湿度条件下1,000時間に保持した加速劣化試験によって、大きさ20μm以上の白点発生数が、直径120mmのディスク基盤(円盤)当り平均2個以下の光ディスク基板が提供できる。好適条件下では、白点発生数が平均1.5個以下、特に好適な条件下では、白点発生数が平均1個以下の光ディスク基板が提供される。
【0030】
本発明において発光性未溶解物の含有量が前記特定範囲を満足するポリカーボネート樹脂を得るためには下記の手段が例挙される。
(1)ポリカーボネート樹脂を、塩化メチレンの如き良溶媒に溶解し、常温・常圧下にて例えば30μm(目開)またはそれより小さい目開のフィルターで濾過し、固形物を除去する方法。
(2)ポリカーボネート樹脂の重合において重合触媒、殊にナトリウム金属化合物を触媒として使用する場合、塩基性窒素化合物を併用してナトリウム金属化合物の使用量を金属ナトリウムとして芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当り1×10-8〜1×10-5モル、好ましくは1×10-8〜5×10-6モルに低減する。特に好ましくは1×10-8〜6×10-7モルに低減する。
(3)ポリカーボネートの製造工程における重合条件、殊に温度条件を制御する。すなわち、重合工程における最も高い温度領域の温度が340℃を超えないような手段を選ぶ。具体的には重合工程において攪拌翼の回転数を制御する。また重合工程中(重合反応器中)においてポリマーの温度の低温領域と高温領域の差が50℃を越えないような手段を選択する。このような手段については後でさらに具体的に説明する。
(4)原料としての二価フェノール、殊にビスフェノール中の多官能性化合物の含有量を低減する。すなわち、原料二価フェノール中に不純物としてトリフェノールやテトラフェノールの如き3官能以上の多官能性化合物が含まれているとその一部が発光性未溶解物の発生の原因となる。
【0031】
このようなトリフェノールとしては下記式(I)および(II)の化合物が例示される。
【0032】
【化1】
Figure 0004283971
【0033】
(5)原料としての炭酸ジエステルは、その中に含まれるナトリウム化合物の含有量が極めて少ないものを使用する。炭酸ジエステル、殊にジフェニルカーボネートはその製造工程において使用された触媒に起因して、通常ナトリウム化合物を微量含有している。この微量のナトリウム化合物も重合において発光性未溶解物の発生に少なからず影響を及ぼすので、原料のジフェニルカーボネートは、ナトリウム化合物の合計量が極めて少ないものを使用する。
【0034】
前記した(1)〜(5)のうち、(2)〜(5)は発光性未溶解物の発生を抑制する手段であり、適当に組合せて実施することが望ましい。当然のことながら、これら(1)〜(5)の手段は、単なる例示であって、他の手段を採用してもよく、またこれら手段は任意に組合せて、また他の手段と組合せて実施することができる。
【0035】
本発明者らの研究によれば、ポリカーボネート樹脂中の発光性未溶解物の含有量を前記特定範囲に低減するとともに、さらに(i)樹脂の相対蛍光強度をある特定値以下とするおよび/または(ii)樹脂の残存触媒活性指数を特定値以下とすることにより、さらに長期間にわたって熱安定性が改良され、白点発生数が少ないディスク基板が得られることが見出された。
【0036】
かくして本発明によれば、さらに下記(I)〜(III)のディスク基板が提供される。
(I)(A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応によって得られた芳香族ポリカーボネート樹脂であり、
(B)該樹脂は、波長380nmの光の照射により発光する30μm以上の大きさの未溶解物の含有量が該樹脂1kg当り、100個以下であり、かつ
(C)該樹脂は、蛍光スペクトルを測定したとき、基準物質に対する465nmにおける相対蛍光強度が4×10-3以下である、
ことにより特徴づけられる樹脂より形成された光学用ディスク基板。
(II)(A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応によって得られた芳香族ポリカーボネート樹脂であり、
(B)該樹脂は、波長380nmの光の照射により発光する30μm以上の大きさの未溶解物の含有量が該樹脂1kg当り、100個以下であり、かつ
(D)該樹脂は、残存触媒活性指数が2%以下である、
ことにより特徴づけられる樹脂より形成された光学用ディスク基板。
(III)(A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応によって得られた芳香族ポリカーボネート樹脂であり、
(B)該樹脂は、波長380nmの光の照射により発光する30μm以上の大きさの未溶解物の含有量が該樹脂1kg当り、100個以下であり、
(C)該樹脂は、蛍光スペクトルを測定したとき、基準物質に対する465nmにおける相対蛍光強度が4×10-3以下であり、かつ
(D)該樹脂は、残存触媒活性指数が2%以下である、
ことにより特徴づけられる樹脂より形成された光学用ディスク基板。
【0037】
前記した(I)〜(III)のディスク基板は、いずれも加速劣化試験(80℃×85%RH×1,000時間)後における、大きさ20μm以上の白点発生数が直径120mmの円盤状基板当り平均2個以下、好ましくは平均1.5個以下であることが望ましい。
前記(I)および(III)のディスク基板において、樹脂は蛍光スペクトルを測定したとき、基準物質に対する465nmにおける相対蛍光強度が4×10-3以下、好ましくは3×10-3以下、特に好ましくは2×10-3以下である。この相対強度の値が前記値を超えると基板の耐湿熱性や機械的性質が低下する傾向がある。
【0038】
相対蛍光強度が前記特定値以下のポリカーボネート樹脂を得るためには下記の手段を採用することが望ましい。前記のように重合触媒の量を規定すること、該重合触媒をスルホン酸系化合物により失活すること、ポリカーボネートの分子末端についてヒドロキシ基の全分子末端にしめる割合を規定することが好ましい。また溶融重合反応におけるポリカーボネート樹脂の温度を常に300℃以下、特に255℃以下に保つことが、相対蛍光強度が特定値以下のポリカーボネート樹脂を得るために好ましい。
【0039】
また重合釜撹拌翼の撹拌について、下記式
撹拌剪断速度=撹拌翼の周速/反応釜と撹拌翼の隙間の長さ
[ここで撹拌剪断速度の単位は1/sec、撹拌翼の周速の単位はcm/sec撹拌翼の隙間の長さの単位はcmである]
で表される重合釜撹拌翼の撹拌剪断速度(単位:1/sec)を撹拌翼半径(単位:cm)の2乗で割った数値を0.1〜0.001(1/(sec×cm2))とすることが、相対蛍光強度が特定値以下のポリカーボネート樹脂を得るために好ましい。
【0040】
ポリカーボネート樹脂の製造における触媒系については、塩基性窒素化合物およびアルカリ金属化合物(特にナトリウム化合物)を使用し、その際アルカリ金属化合物の使用量を二価フェノール1モル当り5.0×10-6モル以下に抑えることにより相対蛍光強度が低い値を有するポリカーボネートを得ることができる。前述した手段は適当に組合せて実施することが好ましい。
前記(II)および(III)のディスク基板において、樹脂は残存触媒活性指数が2%以下、好ましくは1%以下であることが肝要である。
【0041】
溶融重合されたポリカーボネート樹脂は、その反応を促進するために重合触媒が使用され、重合反応後にも重合触媒が残存することが多い。この残存した触媒を重合反応終了後、そのまま放置すると重合触媒の触媒活性によりポリカーボネート樹脂の分解や再反応が起こる弊害がある。さらにかかる残存触媒活性のあるポリカーボネート樹脂はその影響が拡大される上に、ディスク基板の性能保持の上に新たな問題が発生することがあり、かかる残存触媒活性を抑制することが好ましい。
【0042】
残存触媒活性を抑制する指標として残存触媒活性指数を用いて、以下の要領で測定する。測定機器として、測定対象となるサンプルの溶融粘度範囲の測定が可能な回転型のレオメーターを使用し、サンプルが外部の酸素により酸化しないよう、十分な窒素気流中、測定する樹脂が溶融する一定温度の条件下で、サンプルを一定方向かつ一定の角速度で回転させ、その際の溶融粘度変化を観察する。サンプルを測定する際の粘弾性測定器の治具は、サンプル全体の歪みが一定となるよう、すなわち剪断速度が一定となるよう円錐円板形のものを使用する。すなわち、下記式(i)により計算した1分間当たりの溶融粘度変化を残存触媒活性指数とした。
【0043】
【数1】
Figure 0004283971
【0044】
この残存触媒活性指数は、2%以下が好ましく、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.2%以下である。残存触媒活性指数がこの範囲であるとディスク基板の性能の経時変化が少なく、好ましい。
【0045】
樹脂の残存触媒活性指数を前記値とするには、重合触媒の使用量を相対的に少なくするとともに、重合終了後樹脂中に、触媒の活性を喪失させる失活剤を添加することが効果的である。この失活剤の具体例としては、例えばベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニルなどのスルホン酸エステル;さらに、トリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル−スルホン化スチレン共重合体、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−ブチル、オクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。これらの化合物を2種以上併用することもできる。
【0046】
失活剤の中でホスホニウムもしくはアンモニウム塩型の失活剤はそれ自身200℃以上で安定であるので有利である。そしてその失活剤をポリカーボネート樹脂に添加した場合すみやかに重合触媒を中和し、安定なポリカーボネート樹脂を得ることができる。すなわち、重合反応後に生成するポリカーボネート樹脂に対し、失活剤は好ましくは0.01〜500ppmの割合で、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用される。
【0047】
また、かかる失活剤は、重合触媒に対する割合では、重合触媒1モル当り0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましい。失活剤を重合反応後のポリカーボネート樹脂に添加する方法は特に限定されない。例えば、反応生成物であるポリカーボネート樹脂が溶融状態にある間にこれらを添加してもよいし、一旦ポリカーボネート樹脂をペレタイズした後再溶融して添加してもよい。前者においては、反応が終了して得られる溶融状態にある反応器内または押出機内の反応生成物であるポリカーボネート樹脂が溶融状態にある間に、これらを添加してポリカーボネート樹脂を形成した後、押出機を通してペレタイズしてもよいし、また、重合反応で得られたポリカーボネート樹脂が反応器から押出機を通ってペレタイズされる間に、失活剤を添加して混練することによってポリカーボネート樹脂を得ることができる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。実施例中「部」とあるのは「重量部」を意味する。
【0049】
実施例中、発生する物質の数の測定およびディスクの白点発生数の測定は下記方法により行った。
(1)発光する未溶解物の数の測定;
ポリカーボネート樹脂の一定量を塩化メチレン中に溶解し、常温、常圧下30μmフィルターにより濾過し、フィルター上の残存物を乾燥して、波長380nmの光の照射により発光する物質の数を光学顕微鏡にて観察し計測した。その数を樹脂1kg当たりに換算して表示した。
(2)高温高湿処理前後の白点数の測定;
過酷な雰囲気下に長期間放置した時の白点の増加を再現する為に、ディスクを温度80℃、相対湿度85%に制御した恒温恒湿槽に1000時間保持し、その後偏光顕微鏡を用いて20μm以上の白点の数を数えた。これを25枚の光学用ディスク基板(直径120mm)について測定し、その平均値を求め、これを白点数とした。同様な測定を処理前のディスク基板でも行った。
(3)相対蛍光強度
下記条件により測定したポリカーボネート樹脂の465nmにおける蛍光強度と基準物質の蛍光強度を測定し、その比(相対蛍光強度=ポリカーボネート樹脂の蛍光強度/基準物質の蛍光強度)を計算した。
Figure 0004283971
(4)残存触媒活性指数
残存触媒活性量は以下のように測定した。樹脂サンプルは測定前に120℃、4時間の減圧乾燥を行い測定に供した。測定機としてレオメトリックス(株)製RDA−II型粘弾性測定器を使用し、直径25mmの円錐円板型の治具を装着し、測定中サンプルの本機器の適正条件を満足した窒素気流中、測定温度である270℃に設定した。測定温度はオーブン内の温度を測定することにより設定した。その後乾燥した測定用サンプルをセットし、サンプル全体が十分に測定温度となるよう静置の後、その後角速度1rad/秒の回転をすることで測定を開始し、これを30分間続け、その間の溶融粘度の変化を観察した。この測定より回転開始後5分後および30分後の溶融粘度を求め、それらの値を下記式(i)より計算することにより、1分間当たりの溶融粘度変化を残存触媒活性指数として表した。
【0050】
【数2】
Figure 0004283971
【0051】
(5)末端水酸基濃度
樹脂サンプル0.02gを0.4mLのクロロホルムに溶解し、20℃で1H−NMR(日本電子社製EX−270)を用いて末端水酸基および末端フェニル基を測定し、下記式(ii)により末端水酸基濃度を測定した。
末端水酸基濃度(モル%)=(末端水酸基数/全末端数)×100 …(ii)
【0052】
実施例1
ポリカーボネート樹脂の製造は以下のように行った。攪拌装置、精留塔および減圧装置を備えた反応槽に、原料として精製ビスフェノールA(BPA)を137重量部、および精製ジフェニルカーボネート(DPC)を135重量部、重合触媒として水酸化ナトリウム1.2×10-5重量部、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド7.3×10-3重量を仕込んで窒素雰囲気下180℃で溶融した。
【0053】
40r.p.m.の回転速度で攪拌下、反応槽内を13kPaに減圧し、生成するフェノールを溜去しながら20分間反応させた。次に200℃に昇温した後、徐々に減圧し、フェノールを溜去しながら4.0kPaで20分間反応させた。さらに徐々に昇温し、さらに徐々に昇温し220℃で20分間、240℃で20分間、250℃で20分間反応させ、その後、255℃で30r.p.m.の回転速度で攪拌しつつ、徐々に減圧し2.7kPaで10分間、1.3kPaで5分間反応を続行し、次いで重合反応装置内部でもっとも温度の上昇する攪拌翼と反応槽とのせん断部の温度を305℃以下に保つため、回転動力と粘度平均分子量の関係より、粘度平均分子量が10,000になった時点で回転速度を20r.p.m.に変更し、最終的に250〜255℃/67Paで(常に255℃以下に保つよう留意した)、また重合槽攪拌翼の攪拌剪断速度(単位:1/sec)を攪拌翼半径(単位:cm)の2乗で割った数値を0.001(1/sec×cm2)に保ちつつ芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が15,300になるまで重縮合を継続した。
【0054】
その後、それぞれにドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を1.2×10-4重量部加え、260℃/67Paで10分間攪拌した。
次に、ポリカーボネート樹脂をギアポンプでエクストルーダーに送った。エクストルーダー途中で離型剤(グリセリンモノステアレート0.08重量%)、熱安定剤(トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.01重量%)を加え、粘度平均分子量15,300、末端水酸基濃度37モル%、未溶解物の含有量7個、相対蛍光強度1.3×10-3、残存触媒活性0.1(%)のポリカーボネート樹脂を得た。
【0055】
得られたペレットからのディスク基板の成形は次の方法で行った。
すなわち、住友重機械工業(株)製射出成形機DISK3M3と情報信号に対応した凸凹形状を持つスタンパーが設置された厚さ1.2mm、直径120mmのキャビティを持つ金型を用いてバレル温度340℃にておこなった。
得られたディスク基板にアルミニウム反射膜をスパッタリングにより形成し、光学式情報記録媒体を得た。ついで、この情報記録媒体のエラー率をオーディオディベロップメント社製評価装置CD−CATSにて測定した。この時の基板中の、波長380nmの光の照射により発光する物質の含有量を「発光物質含有量」として表1に示す。
【0056】
実施例2
触媒として水酸化ナトリウムの代わりにビスフェノールAジナトリウム塩(約5×10-7モル/ビスフェノールA1モル)を使用した以外は、実施例1と同様に粘度平均分子量15,300、末端水酸基濃度35モル%、未溶解物の含有量5個、相対蛍光強度1.0×10-3、残存触媒活性0.1(%)のポリカーボネートペレットを得た。このポリカーボネートペレットを実施例1と同じように評価した。
【0057】
比較例1
温度計、攪拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水219.4部、48%酸化ナトリウム水溶液40.2部、ハイドロサルファイト0.12部を仕込み、攪拌下に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン57.5部を溶解した後、塩化メチレン181部を加えて、20〜25℃でホスゲン28.3部を約40分かけて吹き込み反応させポリカーボネートオリゴマーを得た。この反応混合液の温度を30℃にした後p−tert−ブチルフェノール1.24部と48%水酸化ナトリウム水溶液7.2部を加えて乳化後、2時間攪拌して反応を完結させた。反応終了後、塩化メチレン246部を加えて稀釈して、ポリカーボネート樹脂14重量%濃度の塩化メチレン溶液とし、次いで有機相を塩酸酸性とし、その後水洗を繰返し、水相の導電率がイオン交換水とほとんど同じになったところで、ニーダー中の温水にポリカーボネート溶液を滴下し、塩化メチレンを留去しながらポリカーボネート樹脂をフレーク化した。次にこの含液したポリカーボネート樹脂を粉砕、乾燥してポリカーボネート樹脂パウダーを得た。このパウダーを乾燥後、グリセリンモノステアレート0.08重量%、トリスノニルフェニルホスファイトを0.05重量%を加え、シリンダー温度270℃、ベント圧6.7kPaでベント付二軸押出機にて押出しペレット化した。得られたペレットの粘度平均分子量は15,300、末端水酸基濃度12モル%未溶解物の含有量5個であった。
【0058】
比較例2
攪拌機および蒸留塔を備えた反応器に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン228重量部、ジフェニルカーボネート(バイエル社製)を219重量部および触媒として水酸化ナトリウム0.0001重量部とテトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.0073重量部を仕込み、窒素置換した。この混合物を200℃まで加熱して攪拌しながら溶解させた。次いで、減圧度を4kPaとして加熱しながら1時間で大半のフェノールを留去し、さらに290℃まで温度を上げ、減圧度を133Paとして重合反応を行った。次に、触媒中和剤としてドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を用いないでポリカーボネート樹脂をギアポンプでエクストルーダーに送った。エクストルーダー途中でグリセリンモノステアレート0.08重量%、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト0.01重量%を加え、粘度平均分子量15,300、末端水酸基濃度74モル%、未溶解物の含有量120個、相対蛍光強度5.8×10-3、残存触媒活性2.1の芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットを得た。
【0059】
【表1】
Figure 0004283971

Claims (6)

  1. 芳香族ポリカーボネート樹脂を射出成形して得られる光学用ディスク基板の加速劣化試験(80℃×85%RH×1,000時間)による大きさ20μm以上の白点発生数を低減する方法であって、芳香族ポリカーボネート樹脂として、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの溶融重合反応により得られ、かつ波長380nmの光の照射により発光する30μm以上の大きさの未溶解物の含有量が、該樹脂1kg当り7個以下の樹脂を用いることを特徴とする方法。
  2. 芳香族ポリカーボネート樹脂は、残存触媒活性指数が2%以下である請求項1記載の方法。
  3. 芳香族ポリカーボネート樹脂は、残存触媒活性指数が1%以下である請求項1記載の方法。
  4. 芳香族ポリカーボネート樹脂は、金属触媒を芳香族ジヒドロキシ化合物1モル当り1×10−8〜1×10−5モルおよび触媒失活剤を金属触媒1モル当り0.5〜50モル含有する請求項1記載の方法。
  5. 芳香族ポリカーボネート樹脂は、10,000〜22,000の粘度平均分子量を有する請求項1記載の方法。
  6. 芳香族ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAを芳香族ジヒドロキシ化合物として得られた芳香族ポリカーボネート樹脂である請求項1記載の方法。
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