JP2001338437A - 光学用ディスク基板およびそのための成形材料 - Google Patents

光学用ディスク基板およびそのための成形材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間経過しても白点発生数が極めて少なく
情報の書き込みおよび読み取りの信頼性が高度に安定し
た光ディスク基板およびそのための成形材料を提供す
る。 【解決手段】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テルとの反応により得られた芳香族ポリカーボネート樹
脂より形成され、かつ波長380nmの光の照射により
発光する30μm以上の大きさの未溶解物の含有量が該
樹脂1kg当り、100個以下の樹脂より形成された光
学用ディスク基板およびそのための成形材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学用ディスク基
板およびそのための成形材料に関する。さらに詳しく
は、芳香族ポリカーボネート樹脂より形成されたディス
ク基板であって、長期間にわたって高い信頼性を維持で
きる光学用ディスク基板およびそのための成形材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】オ−ディオディスク、レ−ザ−ディスク
(登録商標)、光ディスクメモリあるいは光磁気ディス
ク等のレ−ザ光を利用して情報の記録および/または再
生をおこなう記録媒体たる光学用情報記録媒体の透明基
板、すなわち光ディスク基板には、一般に、成形性、機
械的強度、透明度等の点で他樹脂より優れているポリカ
ーボネート樹脂が素材として利用されている。しかしな
がら、このように優れた性質を有するポリカーボネート
樹脂も、高温、高湿下において加水分解しやすく、分子
量の低下、衝撃強度の低下等をきたしやすいという欠点
がある。また、長期間にわたり高温、高湿下に放置する
と基板中に白点が発生し、長期信頼性が損なわれるとい
う欠点があった。また現在、デジタルバーサタイルディ
スク(DVD)として例えばDVD−ROM、DVD−
Video、DVD−Audio、DVD−R、DVD
−RAM等で代表される高密度光ディスク用の基板材料
においては、さらに高度の長期信頼性が要求されつつあ
る。
【0003】ポリカーボネート樹脂の製造法としては、
ジヒドロキシ化合物とホスゲンを直接反応させる界面重
縮合法、あるいはジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル
とを加熱減圧下エステル交換反応させる溶融重合法など
が知られている。このうち後者の溶融重合法は前者の界
面重縮合法と比較して、安価にポリカーボネート樹脂を
製造できる等の利点を有する。従来の溶融重合法による
芳香族ポリカーボネートの製造方法では、通常、触媒成
分としてアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物
などの金属触媒が用いられている。例えば、特開平8−
59975号公報には、溶融重合法による芳香族ポリカ
ーボネートの製造方法に関する記載がある。
【0004】光ディスク、レーザーディスク等のディス
ク基板の製造は、一般に射出成形にておこない、その成
形温度は300℃以上の高温で、かつ連続生産を要求さ
れる。このためポリカーボネート樹脂には高い熱安定性
を要求される。しかし、上述の金属触媒を用いて得られ
る溶融法による芳香族ポリカーボネート樹脂は残存する
金属触媒のため、溶融成形時にはその一部が熱分解する
ことがあり、熱安定性に劣っていた。また、ディスクは
長期間にわたり高温、高湿下に放置すると基板に白点が
発生し、長期信頼性が損なわれるという欠点があった。
近年この問題を含めて、ディスク基板に対するさらなる
性能の向上の要求が高まってきている。一方、芳香族ポ
リカーボネート樹脂を光ディスク基板に利用するため
に、樹脂中のゲル化物の含有量を特定範囲に低減するこ
とが提案されている。
【0005】すなわち、芳香族ポリカーボネート樹脂中
にゲル化物が存在し、そのゲル化物の含有量を特定範囲
に低減することは特開平2−135222号公報に記載
されている。この公知の技術は、樹脂中のゲル化物の存
在は、光学用途(殊に光ディスク用途)において、屈折
異常を引き起こすため、そのゲル化物の数を樹脂1kg
当り50個以下とするものである。このゲル化物は樹脂
の塩化メチレン溶液を20μmの目開のフィルターで濾
過した時にフィルター上に残留する大きさのものを意味
する。この公知の技術は、具体的には芳香族ジヒドロキ
シ化合物とホスゲンとを塩化メチレンの如き有機溶媒中
で反応して製造する方法(“溶液重合法”と一般的に称
されている)によって得られた樹脂を対象としている。
すなわち前記公知の技術では、この溶液重合法による樹
脂は粉粒体として得られ、その粉粒体を押出成形機で押
出しペレット化する際に、樹脂が押出機中で熱履歴を受
け、その際に発生するゲル化物の量を特定範囲にするこ
とを目的としている。
【0006】本発明者らの研究によれば、前記溶液重合
法により得られた樹脂の粉粒体を溶融してペレット化し
てディスク基板に成形した場合、ペレット中のゲル化物
の数を減少させることにより、成形されたディスク基板
の屈折率異常の数は少なくなることが確かめられた。さ
らに研究を進めたところ、前記公知技術によって得られ
たゲル化物を低減したディスク基板は、成形直後の屈折
率異常の数は少なくなっているが、長期間保持すると、
殊に高湿高温下に保持すると、基板中に白点が発生し、
情報記録の読み取りや再生に支障を来すことがわかっ
た。その原因ははっきりしないが、恐らく溶液重合法に
おいて使用した触媒(例えばナトリウムなど)、有機溶
媒(例えば塩化メチレン)およびオリゴマーなどの固有
の不純物質によるものと推定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一方、本発明者らは、
芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの反応
(“溶融重合法”とも一般的に称されている)により得
られた芳香族ポリカーボネート樹脂のディスク基板への
利用について研究を進めた。
【0008】この溶融重合法は前述の溶液重合法に比べ
ると、重合の過程において、比較にならないほど樹脂は
高温かつ長期間にわたって熱履歴を受ける。そのため押
出機のフィルターでは除去できないが、塩化メチレン溶
媒中には溶解しない未溶解物が多く発生する。本発明者
らがこの未溶解物について調べたところ、前記溶液重合
法によるゲル化物とはその挙動が同じでないことが認め
られた。溶融重合法により得られた樹脂中の未溶解物
は、溶液重合法によるものに比べてタイプおよび数が多
い。その未溶解物のタイプと数が及ぼす、屈折率異常並
びに長期間保持後の白点形成の影響について調べた。
【0009】その結果、樹脂中の未溶解物中、特定波長
(380nmの波長)の照射により発生する未溶解物の
数が、長期間保持後の白点発生数に関与していること、
およびその特定の未溶解物を特定数以下に低減すること
により、白点発生数を許容量範囲以下とすることができ
ることが見出された。すなわち、本発明者らの研究によ
れば、溶融重合法により得られた樹脂中の、波長380
nmの照射により発光する未溶解物の数は、樹脂1kg
当り100個以下が許容範囲である。この許容範囲は、
前記公知技術におけるゲル化物の許容範囲(50個以
下)よりも広いが、それでもディスク基板の長期間保持
後の白点形成数が極めて低減される理由は、溶融重合法
の固有の触媒および重合条件に起因して発生した未溶解
物の挙動が、溶液重合法によるものと異なっているため
と推定される。本発明は、上記究明事実によって到達さ
れたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】ポリカーボネート樹脂中
における、波長380nmの光の照射により発光する未
溶解物は、そのサリチル酸エステル構造に起因して蛍光
を発する物質であると推定される。特に、高温高圧状態
下で触媒を用いて溶融重縮合する方法にて製造されたポ
リカーボネート樹脂を使用して成形された光ディスク基
板中には、この物質の含有量が多くなる傾向にある。し
かし、この発光性物質を特定範囲以下に低減して光学用
ディスク基板の長期間にわたる信頼性の向上を図ること
は従来知られていなかった。
【0011】本発明によれば、芳香族ジヒドロキシ化合
物と炭酸ジエステルとの反応によって得られた芳香族ポ
リカーボネート樹脂であり、かつ波長380nmの光の
照射により発光する30μm以上の大きさの未溶解物の
含有量が該樹脂1kg当り100個以下の樹脂である光
学用のための成形材料が提供される。さらに本発明によ
れば、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとの
反応によって得られた芳香族ポリカーボネート樹脂より
形成され、かつ波長380nmの光の照射により発光す
る30μm以上の大きさの未溶解物の含有量が該樹脂1
kg当り100個以下の樹脂より形成された光学用ディ
スク基板が提供される。
【0012】以下本発明について、さらに具体的に説明
する。本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は、二
価フェノールとカーボネート前駆体とをエステル交換反
応による溶融重合法により得られるものである。ここで
使用される二価フェノールの代表的な例としては、ハイ
ドロキノン、レゾルシノール、1,6−ジヒドロキシナ
フタリン、2,6−ジヒドロキシナフタリン、4,4’
−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルメタン、ビス{(4−ヒドロキシ−
3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1−ナフチルメタン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェ
ノールA)、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−
(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチ
ル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジ
ブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2
−ビス{(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ)フェニ
ル}プロパン、2,2−ビス{(3−ブロモ−4−ヒド
ロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−ク
ロロ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、4−ブロ
モレゾルシノール、2,2−ビス{(3−イソプロピル
−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス
{(3−フェニル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス{(3−エチル−4−ヒドロキシ)フ
ェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−n−プロピル
−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス
{(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシ)フェニル}
プロパン、2,2−ビス{(3−tert−ブチル−4
−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス
{(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ)フェニル}
プロパン、2,2−ビス{(3−メトキシ−4−ヒドロ
キシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジブ
ロモ−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチレ
ン、1,1−ジクロロ−2,2−ビス{(3−フェノキ
シ−4−ヒドロキシ)フェニル}エチレン、エチレング
リコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3
−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)イソブタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、3,3−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロ
ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−
ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フル
オレン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイ
ソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス{(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシ)フェニル}スルホン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒ
ドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルエーテルおよび4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルエステルなどが挙げられ、これらは単独または2種
以上を混合して使用できる。
【0013】中でもビスフェノールA、2,2−ビス
{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパ
ン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シ)フェニル}プロパン、エチレングリコールビス(4
−ヒドロキシフェニル)エーテル、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、ビス{(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシ)フェニル}スルホン、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルフィド、および4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルケトンからなる群より選ばれた少なくとも1種のビ
スフェノールより得られる単独重合体または共重合体が
好ましく、特に、ビスフェノールAの単独重合体が好ま
しく使用される。
【0014】カーボネート前駆体としては、カーボネー
トエステルまたはハロホルメートが使用される。具体的
には、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネー
ト、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m―クレジ
ルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフ
ェニル)カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキ
シルカーボネートなどが挙げられるが、これらに限定さ
れない。好ましくは、ジフェニルカーボネートまたは二
価フェノールのジハロホルメートなどを使用し、より好
ましくは、ジフェニルカーボネートを使用する。これら
カーボネートエステルもまた、単独で用いてもよく、ま
た2種以上を組合せて用いてもよい。
【0015】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を溶融重合法によって反応させてポリカーボネート樹脂
を製造するにあたっては、必要に応じて触媒、末端停止
剤、二価フェノールの酸化防止剤等を使用してもよい。
またポリカーボネート樹脂は、芳香族または脂肪族の二
官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネー
ト樹脂であってもよく、また、得られたポリカーボネー
ト樹脂の2種以上を混合した混合物であってもよい。溶
融重合法による反応は、二価フェノールとカーボネート
エステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存
在下に二価フェノールとカーボネートエステルとを加熱
しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノー
ルを留出させる方法により行われる。反応温度は生成す
るアルコールまたはフェノールの沸点等により異なる
が、通常120〜350℃の範囲である。反応後期には
反応系を10〜0.1Torr(1,333〜13.3
MPa)程度に減圧して生成するアルコールまたはフェ
ノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時
間程度である。
【0016】また、溶融重合法において重合速度を速め
るために重合触媒を用いることができ、かかる重合触媒
としては、例えば(i)アルカリ金属化合物および/ま
たは(ii)含窒素塩基性化合物よりなる触媒を用いて
縮合される。触媒として用いられるアルカリ金属化合物
としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭化水素化
物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シ
アン酸塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化ホ
ウ素塩、安息香酸塩、リン酸水素化物、ビスフェノー
ル、フェノールの塩等が挙げられる。
【0017】アルカリ金属化合物の具体例としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢
酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、硝酸ナト
リウム、硝酸カリウム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウ
ム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリ
ウム、シアン酸カリウム、シアン酸リチウム、チオシア
ン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸
リチウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリ
ウム、ステアリン酸リチウム、水酸化ホウ素ナトリウ
ム、水酸化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、フ
ェニル化ホウ素ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息
香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素ジナトリ
ウム、リン酸水素ジカリウム、リン酸水素ジリチウム、
ビスフェノールAのジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジ
リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、
リチウム塩などが挙げられる。
【0018】触媒としてのアルカリ金属化合物は、二価
フェノール1モルに対し10-9〜10-4モル、好ましく
は10-8〜10-5モルの範囲で使用しうる。上記使用範
囲を逸脱すると、得られるポリカーボネートの諸物性に
悪影響をおよぼしたり、また、エステル交換反応が十分
に進行せず高分子量のポリカーボネートが得られない等
の問題があり好ましくない。
【0019】また、触媒としての含窒素塩基性化合物と
しては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムヒドロキシド(φ−CH2(Me)3NOH)、ヘ
キサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの
アルキル、アリール、アルキルアリール基などを有する
アンモニウムヒドロオキシド類;トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシ
ルジメチルアミンなどの3級アミン類;あるいはテトラ
メチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NB
4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド
(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート(Bu4NBPh4)、テトラメチルアン
モニウムテトラフェニルボレート(Me4NBPh4)な
どの塩基性塩などを挙げることができる。これらの中
で、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(Me4
OH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(Et
4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
(Bu4NOH)が好ましく、特にテトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド(Me4NOH)が好ましい。
【0020】上記含窒素塩基性化合物は、含窒素塩基性
化合物中のアンモニウム窒素原子が二価フェノール1モ
ル当り1×10-5〜1×10-3当量となる割合で用いる
のが好ましい。より好ましい割合は同じ基準に対し2×
10-5〜7×10-4当量となる割合である。特に好まし
い割合は同じ基準に対し5×10-5〜5×10-4当量と
なる割合である。
【0021】本発明においては所望により、アルカリ金
属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、アルカリ金属
やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合物類、ホウ
素化合物類、アルミニウム化合物類、ケイ素化合物類、
ゲルマニウム化合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物
類、オスミウム化合物類、アンチモン化合物類、マンガ
ン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類な
どの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用され
る触媒を用いることができる。触媒は単独で使用しても
よいし、2種以上組合せ使用してもよい。これらの重合
触媒の使用量は、原料の二価フェノール1モルに対し、
好ましくは1×10-9〜1×10-5当量、より好ましく
は1×10-8〜5×10-6当量の範囲で選ばれる。
【0022】また、かかる重合反応において、フェノー
ル性の末端基を減少するために、重縮反応の後期あるい
は終了後に、例えばフェノール、p−tert−ブチル
フェノール、p−tert−ブチルフェニルフェニルカ
ーボネート、p−tert−ブチルフェニルカーボネー
ト、p−クミルフェノール、p−クミルフェニルフェニ
ルカーボネート、p−クミルフェニルカーボネート、ビ
ス(クロロフェニル)カーボネート、ビス(ブロモフェ
ニル)カーボネート、ビス(ニトロフェニル)カーボネ
ート、ビス(フェニルフェニル)カーボネート、クロロ
フェニルフェニルカーボネート、ブロモフェニルフェニ
ルカーボネート、ニトロフェニルフェニルカーボネー
ト、ジフェニルカーボネート、メトキシカルボニルフェ
ニルフェニルカーボネート、2,2,4−トリメチル−
4−(4−ヒドロキシフェニル)クロマン、2,4,4
−トリメチル−2−(4−ヒドロキシフェニル)クロマ
ンおよびエトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネ
ート等の化合物を加えることがある。中でも2−クロロ
フェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニ
ルフェニルフェニルカーボネートおよび2−エトキシカ
ルボニルフェニルフェニルカーボネートが好ましく、特
に2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネー
トが好ましく使用される。
【0023】本発明において末端封鎖剤を用いてポリカ
ーボネート樹脂の末端を封鎖することができる。また、
末端封鎖剤を添加する前のポリカーボネート樹脂の末端
水酸基濃度を全末端に対して20モル%以上、好ましく
は30モル%以上、さらに好ましくは40モル%以上に
制御することが好ましい。かくすることにより、特定の
末端基を高い割合で導入でき、ポリカーボネート樹脂の
改質効果を高めることができる。通常は、ポリカーボネ
ート樹脂の末端水酸基濃度が、全末端のうち水酸基が3
0〜95モル%の範囲のポリカーボネート樹脂に末端封
鎖剤を用いることが有利である。また、末端封鎖剤を添
加する前のポリカーボネート樹脂の水酸基末端の割合
は、原料である二価フェノールとジフェニルカーボネー
トの仕込み比によってコントロールすることができる。
ここでポリカーボネート樹脂の一定量における末端水酸
基濃度のモル数は、常法により1H−NMRにより決定
できる。
【0024】本発明のポリカーボネート樹脂の末端水酸
基は、ポリカーボネート樹脂の全末端を100モル%と
した時、10〜70モル%が好ましく、より好ましくは
15〜65モル%、さらに好ましくは20〜60モル
%、最も好ましくは20〜45モル%に制御することが
よい。ここで芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基
のモル%は、常法により1H−NMRにより決定でき
る。ポリカーボネート樹脂の分子量は、粘度平均分子量
(M)で10,000〜22,000が好ましく、1
2,000〜20,000がより好ましく、13,00
0〜19,000が特に好ましい。かかる粘度平均分子
量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は、十分な強度
が得られ、また、成形時の溶融流動性も良好であり成形
歪みが発生せず好ましい。本発明でいう粘度平均分子量
は塩化メチレン100mLにポリカーボネート樹脂0.
7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηs
p)を次式に挿入して求めたものである。
【0025】ηsp/c=[η]+0.45×[η]2
(ただし[η]は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7 ポリカーボネート樹脂は、それ自体公知の溶融重合法に
より製造した後、射出成形に供するためのペレット状ポ
リカーボネート樹脂を得る押出工程(ペレット化工程)
では溶融状態の時に濾過精度10μmの焼結金属フィル
ターを通すなどして異物を除去したりすることが好まし
い。必要により、例えばリン系等の酸化防止剤などの添
加剤を加えることも好ましい。いずれにしても射出成形
前の原料樹脂は異物、不純物、溶媒などの含有量を極力
低くしておくことが必要である。上記ポリカーボネート
樹脂より光ディスク基板を製造する場合には射出成形機
(射出圧縮成形機を含む)を用いる。この射出成形機と
しては一般的に使用されているものでよいが、炭化物の
発生を抑制しディスク基板の信頼性を高める観点からシ
リンダーやスクリューの材質として樹脂との付着性が低
く、かつ耐食性、耐摩耗性を示す材料を使用して用いる
のが好ましい。射出成形の条件としてはシリンダー温度
300〜400℃、金型温度50〜140℃が好まし
く、これらにより光学的に優れた光ディスク基板を得る
ことができる。成形工程での環境は、本発明の目的から
考えて、可能な限りクリーンであることが好ましい。ま
た、成形に供する材料を十分乾燥して水分を除去するこ
とや、溶融樹脂の分解を招くような滞留を起こさないよ
うに配慮することも重要となる。
【0026】本発明の光学用ディスク基板は、溶融重合
法により得られた芳香族ポリカーボネート樹脂であっ
て、その樹脂中の波長が380nmの光の照射によって
発光する未溶解物でかつ大きさが30μm以上のものの
含有量が、樹脂1kg当り100個以下の樹脂より形成
される。この380nmの波長の光の照射により発光す
る未溶解物のことを、以下単に“発光性未溶解物”と略
称することがある。
【0027】この発光性未溶解物の測定は、後で詳細を
説明するが、ポリカーボネート樹脂を塩化メチレン中に
溶解し、30μm(目開)フィルターにより濾過し、フ
ィルター上の残存物を乾燥して、波長380nmの光を
照射して発光する物質の個数を光学顕微鏡にて観察して
計測することにより行われる。この発光する物質の個数
を樹脂1kg当りに換算した値を、発光性未溶解物の含
有量とする。
【0028】ーボネート樹脂から形成されている。樹脂
中の発光性未溶解物の含有量は80個以下が好ましく、
50個以下が特に好ましい。本発明において、発光性未
溶解物の含有量が前述のとおり特定範囲以下に低減され
たポリカーボネート樹脂を使用した光ディスク基板は、
成形直後はもちろんのこと、長期間経過した後も白点発
生数が極めて少ないことが確認された。従って本発明の
光ディスク基板は、長期間の記録の保持および安定性に
優れている。
【0029】かくして本発明によれば、発光性未溶解物
の含有量が前記範囲内に低減された樹脂を使用すること
によって、80℃の温度および85%相対湿度条件下
1,000時間に保持した加速劣化試験によって、大き
さ20μm以上の白点発生数が、直径120mmのディ
スク基盤(円盤)当り平均2個以下の光ディスク基板が
提供できる。好適条件下では、白点発生数が平均1.5
個以下、特に好適な条件下では、白点発生数が平均1個
以下の光ディスク基板が提供される。
【0030】本発明において発光性未溶解物の含有量が
前記特定範囲を満足するポリカーボネート樹脂を得るた
めには下記の手段が例挙される。 (1)ポリカーボネート樹脂を、塩化メチレンの如き良
溶媒に溶解し、常温・常圧下にて例えば30μm(目
開)またはそれより小さい目開のフィルターで濾過し、
固形物を除去する方法。 (2)ポリカーボネート樹脂の重合において重合触媒、
殊にナトリウム金属化合物を触媒として使用する場合、
塩基性窒素化合物を併用してナトリウム金属化合物の使
用量を金属ナトリウムとして芳香族ジヒドロキシ化合物
1モル当り1×10-8〜1×10-5モル、好ましくは1
×10-8〜5×10-6モルに低減する。特に好ましくは
1×10-8〜6×10-7モルに低減する。 (3)ポリカーボネートの製造工程における重合条件、
殊に温度条件を制御する。すなわち、重合工程における
最も高い温度領域の温度が340℃を超えないような手
段を選ぶ。具体的には重合工程において攪拌翼の回転数
を制御する。また重合工程中(重合反応器中)において
ポリマーの温度の低温領域と高温領域の差が50℃を越
えないような手段を選択する。このような手段について
は後でさらに具体的に説明する。 (4)原料としての二価フェノール、殊にビスフェノー
ル中の多官能性化合物の含有量を低減する。すなわち、
原料二価フェノール中に不純物としてトリフェノールや
テトラフェノールの如き3官能以上の多官能性化合物が
含まれているとその一部が発光性未溶解物の発生の原因
となる。
【0031】このようなトリフェノールとしては下記式
(I)および(II)の化合物が例示される。
【0032】
【化1】
【0033】(5)原料としての炭酸ジエステルは、そ
の中に含まれるナトリウム化合物の含有量が極めて少な
いものを使用する。炭酸ジエステル、殊にジフェニルカ
ーボネートはその製造工程において使用された触媒に起
因して、通常ナトリウム化合物を微量含有している。こ
の微量のナトリウム化合物も重合において発光性未溶解
物の発生に少なからず影響を及ぼすので、原料のジフェ
ニルカーボネートは、ナトリウム化合物の合計量が極め
て少ないものを使用する。
【0034】前記した(1)〜(5)のうち、(2)〜
(5)は発光性未溶解物の発生を抑制する手段であり、
適当に組合せて実施することが望ましい。当然のことな
がら、これら(1)〜(5)の手段は、単なる例示であ
って、他の手段を採用してもよく、またこれら手段は任
意に組合せて、また他の手段と組合せて実施することが
できる。
【0035】本発明者らの研究によれば、ポリカーボネ
ート樹脂中の発光性未溶解物の含有量を前記特定範囲に
低減するとともに、さらに(i)樹脂の相対蛍光強度を
ある特定値以下とするおよび/または(ii)樹脂の残存
触媒活性指数を特定値以下とすることにより、さらに長
期間にわたって熱安定性が改良され、白点発生数が少な
いディスク基板が得られることが見出された。
【0036】かくして本発明によれば、さらに下記
(I)〜(III)のディスク基板が提供される。 (I)(A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとの反応によって得られた芳香族ポリカーボネート樹
脂であり、(B)該樹脂は、波長380nmの光の照射
により発光する30μm以上の大きさの未溶解物の含有
量が該樹脂1kg当り、100個以下であり、かつ
(C)該樹脂は、蛍光スペクトルを測定したとき、基準
物質に対する465nmにおける相対蛍光強度が4×1
-3以下である、ことにより特徴づけられる樹脂より形
成された光学用ディスク基板。 (II)(A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステ
ルとの反応によって得られた芳香族ポリカーボネート樹
脂であり、(B)該樹脂は、波長380nmの光の照射
により発光する30μm以上の大きさの未溶解物の含有
量が該樹脂1kg当り、100個以下であり、かつ
(D)該樹脂は、残存触媒活性指数が2%以下である、
ことにより特徴づけられる樹脂より形成された光学用デ
ィスク基板。 (III)(A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
テルとの反応によって得られた芳香族ポリカーボネート
樹脂であり、(B)該樹脂は、波長380nmの光の照
射により発光する30μm以上の大きさの未溶解物の含
有量が該樹脂1kg当り、100個以下であり、(C)
該樹脂は、蛍光スペクトルを測定したとき、基準物質に
対する465nmにおける相対蛍光強度が4×10-3
下であり、かつ(D)該樹脂は、残存触媒活性指数が2
%以下である、ことにより特徴づけられる樹脂より形成
された光学用ディスク基板。
【0037】前記した(I)〜(III)のディスク基板
は、いずれも加速劣化試験(80℃×85%RH×1,
000時間)後における、大きさ20μm以上の白点発
生数が直径120mmの円盤状基板当り平均2個以下、
好ましくは平均1.5個以下であることが望ましい。前
記(I)および(III)のディスク基板において、樹脂
は蛍光スペクトルを測定したとき、基準物質に対する4
65nmにおける相対蛍光強度が4×10-3以下、好ま
しくは3×10-3以下、特に好ましくは2×10-3以下
である。この相対強度の値が前記値を超えると基板の耐
湿熱性や機械的性質が低下する傾向がある。
【0038】相対蛍光強度が前記特定値以下のポリカー
ボネート樹脂を得るためには下記の手段を採用すること
が望ましい。前記のように重合触媒の量を規定するこ
と、該重合触媒をスルホン酸系化合物により失活するこ
と、ポリカーボネートの分子末端についてヒドロキシ基
の全分子末端にしめる割合を規定することが好ましい。
また溶融重合反応におけるポリカーボネート樹脂の温度
を常に300℃以下、特に255℃以下に保つことが、
相対蛍光強度が特定値以下のポリカーボネート樹脂を得
るために好ましい。
【0039】また重合釜撹拌翼の撹拌について、下記式 撹拌剪断速度=撹拌翼の周速/反応釜と撹拌翼の隙間の
長さ [ここで撹拌剪断速度の単位は1/sec、撹拌翼の周
速の単位はcm/sec撹拌翼の隙間の長さの単位はc
mである]で表される重合釜撹拌翼の撹拌剪断速度(単
位:1/sec)を撹拌翼半径(単位:cm)の2乗で
割った数値を0.1〜0.001(1/(sec×cm
2))とすることが、相対蛍光強度が特定値以下のポリ
カーボネート樹脂を得るために好ましい。
【0040】ポリカーボネート樹脂の製造における触媒
系については、塩基性窒素化合物およびアルカリ金属化
合物(特にナトリウム化合物)を使用し、その際アルカ
リ金属化合物の使用量を二価フェノール1モル当り5.
0×10-6モル以下に抑えることにより相対蛍光強度が
低い値を有するポリカーボネートを得ることができる。
前述した手段は適当に組合せて実施することが好まし
い。前記(II)および(III)のディスク基板におい
て、樹脂は残存触媒活性指数が2%以下、好ましくは1
%以下であることが肝要である。
【0041】溶融重合されたポリカーボネート樹脂は、
その反応を促進するために重合触媒が使用され、重合反
応後にも重合触媒が残存することが多い。この残存した
触媒を重合反応終了後、そのまま放置すると重合触媒の
触媒活性によりポリカーボネート樹脂の分解や再反応が
起こる弊害がある。さらにかかる残存触媒活性のあるポ
リカーボネート樹脂はその影響が拡大される上に、ディ
スク基板の性能保持の上に新たな問題が発生することが
あり、かかる残存触媒活性を抑制することが好ましい。
【0042】残存触媒活性を抑制する指標として残存触
媒活性指数を用いて、以下の要領で測定する。測定機器
として、測定対象となるサンプルの溶融粘度範囲の測定
が可能な回転型のレオメーターを使用し、サンプルが外
部の酸素により酸化しないよう、十分な窒素気流中、測
定する樹脂が溶融する一定温度の条件下で、サンプルを
一定方向かつ一定の角速度で回転させ、その際の溶融粘
度変化を観察する。サンプルを測定する際の粘弾性測定
器の治具は、サンプル全体の歪みが一定となるよう、す
なわち剪断速度が一定となるよう円錐円板形のものを使
用する。すなわち、下記式(i)により計算した1分間
当たりの溶融粘度変化を残存触媒活性指数とした。
【0043】
【数1】
【0044】この残存触媒活性指数は、2%以下が好ま
しく、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.
5%以下、最も好ましくは0.2%以下である。残存触
媒活性指数がこの範囲であるとディスク基板の性能の経
時変化が少なく、好ましい。
【0045】樹脂の残存触媒活性指数を前記値とするに
は、重合触媒の使用量を相対的に少なくするとともに、
重合終了後樹脂中に、触媒の活性を喪失させる失活剤を
添加することが効果的である。この失活剤の具体例とし
ては、例えばベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸
エチル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン
酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p−トルエ
ンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、
p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン
酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニルなどのス
ルホン酸エステル;さらに、トリフルオロメタンスルホ
ン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホン化ポリスチレ
ン、アクリル酸メチル−スルホン化スチレン共重合体、
ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−プロ
ピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2
−ブチル、オクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、
ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデ
シルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、
ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホ
ニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチル
ホスホニウム塩、デシルアンモニウムブチルサルフェー
ト、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシル
アンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウ
ムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメ
チルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテト
ラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニ
ウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモニウムヘ
キシルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘ
キサデシルサルフェート、テトラブチルアンモニウムド
デシルベンジルサルフェート、テトラエチルアンモニウ
ムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチルアンモ
ニウムドデシルベンジルサルフェート等の化合物を挙げ
ることができるが、これらに限定されない。これらの化
合物を2種以上併用することもできる。
【0046】失活剤の中でホスホニウムもしくはアンモ
ニウム塩型の失活剤はそれ自身200℃以上で安定であ
るので有利である。そしてその失活剤をポリカーボネー
ト樹脂に添加した場合すみやかに重合触媒を中和し、安
定なポリカーボネート樹脂を得ることができる。すなわ
ち、重合反応後に生成するポリカーボネート樹脂に対
し、失活剤は好ましくは0.01〜500ppmの割合
で、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ま
しくは0.01〜100ppmの割合で使用される。
【0047】また、かかる失活剤は、重合触媒に対する
割合では、重合触媒1モル当り0.5〜50モルの割合
で用いるのが好ましい。失活剤を重合反応後のポリカー
ボネート樹脂に添加する方法は特に限定されない。例え
ば、反応生成物であるポリカーボネート樹脂が溶融状態
にある間にこれらを添加してもよいし、一旦ポリカーボ
ネート樹脂をペレタイズした後再溶融して添加してもよ
い。前者においては、反応が終了して得られる溶融状態
にある反応器内または押出機内の反応生成物であるポリ
カーボネート樹脂が溶融状態にある間に、これらを添加
してポリカーボネート樹脂を形成した後、押出機を通し
てペレタイズしてもよいし、また、重合反応で得られた
ポリカーボネート樹脂が反応器から押出機を通ってペレ
タイズされる間に、失活剤を添加して混練することによ
ってポリカーボネート樹脂を得ることができる。
【0048】
【実施例】以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本
発明は何らこれに限定されるものではない。実施例中
「部」とあるのは「重量部」を意味する。
【0049】実施例中、発生する物質の数の測定および
ディスクの白点発生数の測定は下記方法により行った。 (1)発光する未溶解物の数の測定; ポリカーボネート樹脂の一定量を塩化メチレン中に溶解
し、常温、常圧下30μmフィルターにより濾過し、フ
ィルター上の残存物を乾燥して、波長380nmの光の
照射により発光する物質の数を光学顕微鏡にて観察し計
測した。その数を樹脂1kg当たりに換算して表示し
た。 (2)高温高湿処理前後の白点数の測定; 過酷な雰囲気下に長期間放置した時の白点の増加を再現
する為に、ディスクを温度80℃、相対湿度85%に制
御した恒温恒湿槽に1000時間保持し、その後偏光顕
微鏡を用いて20μm以上の白点の数を数えた。これを
25枚の光学用ディスク基板(直径120mm)につい
て測定し、その平均値を求め、これを白点数とした。同
様な測定を処理前のディスク基板でも行った。 (3)相対蛍光強度 下記条件により測定したポリカーボネート樹脂の465
nmにおける蛍光強度と基準物質の蛍光強度を測定し、
その比(相対蛍光強度=ポリカーボネート樹脂の蛍光強
度/基準物質の蛍光強度)を計算した。測定条件 装置 日立F4500 ランプ Xe、150W スリット幅 Ex/Em 各2.5mm ホトマル 400W サンプル(濃度) 1mgポリカーボネート樹脂/5mL 塩化メチレン 比較基準物質:サルチル酸フェニル1.0×10-3mg
/mL塩化メチレン (4)残存触媒活性指数 残存触媒活性量は以下のように測定した。樹脂サンプル
は測定前に120℃、4時間の減圧乾燥を行い測定に供
した。測定機としてレオメトリックス(株)製RDA−
II型粘弾性測定器を使用し、直径25mmの円錐円板
型の治具を装着し、測定中サンプルの本機器の適正条件
を満足した窒素気流中、測定温度である270℃に設定
した。測定温度はオーブン内の温度を測定することによ
り設定した。その後乾燥した測定用サンプルをセット
し、サンプル全体が十分に測定温度となるよう静置の
後、その後角速度1rad/秒の回転をすることで測定
を開始し、これを30分間続け、その間の溶融粘度の変
化を観察した。この測定より回転開始後5分後および3
0分後の溶融粘度を求め、それらの値を下記式(i)よ
り計算することにより、1分間当たりの溶融粘度変化を
残存触媒活性指数として表した。
【0050】
【数2】
【0051】(5)末端水酸基濃度 樹脂サンプル0.02gを0.4mLのクロロホルムに
溶解し、20℃で1H−NMR(日本電子社製EX−2
70)を用いて末端水酸基および末端フェニル基を測定
し、下記式(ii)により末端水酸基濃度を測定した。 末端水酸基濃度(モル%)=(末端水酸基数/全末端数)×100 …(ii)
【0052】実施例1 ポリカーボネート樹脂の製造は以下のように行った。攪
拌装置、精留塔および減圧装置を備えた反応槽に、原料
として精製ビスフェノールA(BPA)を137重量
部、および精製ジフェニルカーボネート(DPC)を1
35重量部、重合触媒として水酸化ナトリウム1.2×
10-5重量部、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド
7.3×10-3重量を仕込んで窒素雰囲気下180℃で
溶融した。
【0053】40r.p.m.の回転速度で攪拌下、反
応槽内を13kPaに減圧し、生成するフェノールを溜
去しながら20分間反応させた。次に200℃に昇温し
た後、徐々に減圧し、フェノールを溜去しながら4.0
kPaで20分間反応させた。さらに徐々に昇温し、さ
らに徐々に昇温し220℃で20分間、240℃で20
分間、250℃で20分間反応させ、その後、255℃
で30r.p.m.の回転速度で攪拌しつつ、徐々に減
圧し2.7kPaで10分間、1.3kPaで5分間反
応を続行し、次いで重合反応装置内部でもっとも温度の
上昇する攪拌翼と反応槽とのせん断部の温度を305℃
以下に保つため、回転動力と粘度平均分子量の関係よ
り、粘度平均分子量が10,000になった時点で回転
速度を20r.p.m.に変更し、最終的に250〜2
55℃/67Paで(常に255℃以下に保つよう留意
した)、また重合槽攪拌翼の攪拌剪断速度(単位:1/
sec)を攪拌翼半径(単位:cm)の2乗で割った数
値を0.001(1/sec×cm2)に保ちつつ芳香
族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が15,30
0になるまで重縮合を継続した。
【0054】その後、それぞれにドデシルベンゼンスル
ホン酸テトラブチルホスホニウム塩を1.2×10-4
量部加え、260℃/67Paで10分間攪拌した。次
に、ポリカーボネート樹脂をギアポンプでエクストルー
ダーに送った。エクストルーダー途中で離型剤(グリセ
リンモノステアレート0.08重量%)、熱安定剤(ト
リス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフ
ァイト0.01重量%)を加え、粘度平均分子量15,
300、末端水酸基濃度37モル%、未溶解物の含有量
7個、相対蛍光強度1.3×10-3、残存触媒活性0.
1(%)のポリカーボネート樹脂を得た。
【0055】得られたペレットからのディスク基板の成
形は次の方法で行った。すなわち、住友重機械工業
(株)製射出成形機DISK3M3と情報信号に対応し
た凸凹形状を持つスタンパーが設置された厚さ1.2m
m、直径120mmのキャビティを持つ金型を用いてバ
レル温度340℃にておこなった。得られたディスク基
板にアルミニウム反射膜をスパッタリングにより形成
し、光学式情報記録媒体を得た。ついで、この情報記録
媒体のエラー率をオーディオディベロップメント社製評
価装置CD−CATSにて測定した。この時の基板中
の、波長380nmの光の照射により発光する物質の含
有量を「発光物質含有量」として表1に示す。
【0056】実施例2 触媒として水酸化ナトリウムの代わりにビスフェノール
Aジナトリウム塩(約5×10-7モル/ビスフェノール
A1モル)を使用した以外は、実施例1と同様に粘度平
均分子量15,300、末端水酸基濃度35モル%、未
溶解物の含有量5個、相対蛍光強度1.0×10-3、残
存触媒活性0.1(%)のポリカーボネートペレットを
得た。このポリカーボネートペレットを実施例1と同じ
ように評価した。
【0057】比較例1 温度計、攪拌機、還流冷却器付き反応器にイオン交換水
219.4部、48%酸化ナトリウム水溶液40.2
部、ハイドロサルファイト0.12部を仕込み、攪拌下
に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン5
7.5部を溶解した後、塩化メチレン181部を加え
て、20〜25℃でホスゲン28.3部を約40分かけ
て吹き込み反応させポリカーボネートオリゴマーを得
た。この反応混合液の温度を30℃にした後p−ter
t−ブチルフェノール1.24部と48%水酸化ナトリ
ウム水溶液7.2部を加えて乳化後、2時間攪拌して反
応を完結させた。反応終了後、塩化メチレン246部を
加えて稀釈して、ポリカーボネート樹脂14重量%濃度
の塩化メチレン溶液とし、次いで有機相を塩酸酸性と
し、その後水洗を繰返し、水相の導電率がイオン交換水
とほとんど同じになったところで、ニーダー中の温水に
ポリカーボネート溶液を滴下し、塩化メチレンを留去し
ながらポリカーボネート樹脂をフレーク化した。次にこ
の含液したポリカーボネート樹脂を粉砕、乾燥してポリ
カーボネート樹脂パウダーを得た。このパウダーを乾燥
後、グリセリンモノステアレート0.08重量%、トリ
スノニルフェニルホスファイトを0.05重量%を加
え、シリンダー温度270℃、ベント圧6.7kPaで
ベント付二軸押出機にて押出しペレット化した。得られ
たペレットの粘度平均分子量は15,300、末端水酸
基濃度12モル%未溶解物の含有量5個であった。
【0058】比較例2 攪拌機および蒸留塔を備えた反応器に2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン228重量部、ジフェ
ニルカーボネート(バイエル社製)を219重量部およ
び触媒として水酸化ナトリウム0.0001重量部とテ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド0.0073重量
部を仕込み、窒素置換した。この混合物を200℃まで
加熱して攪拌しながら溶解させた。次いで、減圧度を4
kPaとして加熱しながら1時間で大半のフェノールを
留去し、さらに290℃まで温度を上げ、減圧度を13
3Paとして重合反応を行った。次に、触媒中和剤とし
てドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩を用いないでポリカーボネート樹脂をギアポンプで
エクストルーダーに送った。エクストルーダー途中でグ
リセリンモノステアレート0.08重量%、トリス
(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイ
ト0.01重量%を加え、粘度平均分子量15,30
0、末端水酸基濃度74モル%、未溶解物の含有量12
0個、相対蛍光強度5.8×10-3、残存触媒活性2.
1の芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットを得た。
【0059】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 17:00 B29L 17:00 Fターム(参考) 4F206 AA28 AA28A AG01 AG19 AH79 JA07 JL02 JN11 4J029 AA09 AB05 AD01 AE05 BB04A BB05A BB10A BB12A BB12B BB13A BB13B BB18 BC04A BC05A BC06A BD09A BD09C BE04 BE07 BF14A BF21 BG05X BG08X BG08Y BH02 DB07 DB11 DB13 HA01 HC02 HC04A HC05A JA091 JA121 JA161 JA201 JA261 JB171 JB201 JC021 JC091 JC093 JC141 JC363 JC633 JC731 JF021 JF031 JF041 KD02 KD07 KE02 KE07 KH08 5D029 KA07 KC17 KC20

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエス
    テルとの反応により得られた芳香族ポリカーボネート樹
    脂より形成され、かつ波長380nmの光の照射により
    発光する30μm以上の大きさの未溶解物の含有量が該
    樹脂1kg当り、100個以下の樹脂より形成された光
    学用ディスク基板。
  2. 【請求項2】 加速劣化試験(80℃×85%RH×
    1,000時間)後における、大きさ20μm以上の白
    点発生数が、直径120mmの円盤状基板当り平均2個
    以下である請求項1記載の光学用ディスク基板。
  3. 【請求項3】 波長380nmの光の照射により発光す
    る30μm以上の大きさの未溶解物の含有量が、該樹脂
    1kg当り80個以下の樹脂より形成された請求項1記
    載の光学用ディスク基板。
  4. 【請求項4】 前記加速劣化試験後における、大きさ2
    0μm以上の白点発生数が、直径120mmの円盤状基
    板当り平均1.5個以下である請求項1記載の光学用デ
    ィスク基板。
  5. 【請求項5】 該樹脂は、蛍光スペクトルを測定したと
    き、基準物質に対する465nmにおける相対蛍光強度
    が4×10-3以下である請求項1記載の光学用ディスク
    基板。
  6. 【請求項6】 該樹脂は、前記相対蛍光強度が3×10
    -3以下である請求項1記載の光学用ディスク基板。
  7. 【請求項7】 該樹脂は、残存触媒活性指数が2%以下
    である請求項1記載の光学用ディスク基板。
  8. 【請求項8】 該樹脂は、残存触媒活性指数が1%以下
    である請求項1記載の光学用ディスク基板。
  9. 【請求項9】 該樹脂は、金属触媒を芳香族ジヒドロキ
    シ化合物1モル当り1×10-8〜1×10-5モルおよび
    触媒失活剤を金属触媒1モル当り0.5〜50モル含有
    する、請求項1記載の光学用ディスク基板。
  10. 【請求項10】 該樹脂は、10,000〜22,00
    0の粘度平均分子量を有する、請求項1記載の光ディス
    ク基板。
  11. 【請求項11】 該樹脂は、ビスフェノールAを芳香族
    ジヒドロキシ化合物として得られた芳香族ポリカーボネ
    ート樹脂である請求項1記載の光ディスク基板。
  12. 【請求項12】 (A)芳香族ジヒドロキシ化合物と炭
    酸ジエステルとの反応によって得られた芳香族ポリカー
    ボネート樹脂であり、(B)該樹脂は、波長380nm
    の光の照射により発光する30μm以上の大きさの未溶
    解物の含有量が該樹脂1kg当り、100個以下であ
    り、(C)該樹脂は、蛍光スペクトルを測定したとき、
    基準物質に対する465nmにおける相対蛍光強度が4
    ×10-3以下であり、かつ(D)該樹脂は、残存触媒活
    性指数が2%以下である、ことにより特徴づけられる樹
    脂より形成された光学用ディスク基板。
  13. 【請求項13】 加速劣化試験(80℃×85%RH×
    1,000時間)後における、大きさ20μm以上の白
    点発生数が直径120mmの円盤状基板当り平均2個以
    下である請求項12記載の光学用ディスク基板。
  14. 【請求項14】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエ
    ステルとの反応によって得られた芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂であり、かつ波長380nmの光の照射により発
    光する30μm以上の大きさの未溶解物の含有量が該樹
    脂1kg当り、100個以下で樹脂である光学用のため
    の成形材料。
  15. 【請求項15】 該樹脂は、蛍光スペクトルを測定した
    とき、基準物質に対する465nmにおける相対蛍光強
    度が4×10-3以下である請求項14記載の光学用のた
    めの成形材料。
  16. 【請求項16】 該樹脂は、残存触媒活性指数が1%以
    下である請求項14記載の光学用のための成形材料。
  17. 【請求項17】 芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエ
    ステルとの反応によって得られた芳香族ポリカーボネー
    ト樹脂であり、かつ波長380nmの光の照射により発
    光する30μm以上の大きさの未溶解物の含有量が該樹
    脂1kg当り、100個以下で樹脂である成形材料の光
    学用ディスクのための使用。
  18. 【請求項18】 該樹脂は、蛍光スペクトルを測定した
    とき、基準物質に対する465nmにおける相対蛍光強
    度が4×10-3以下である請求項17記載の成形材料の
    光学用ディスクのための使用。
  19. 【請求項19】 該樹脂は、残存触媒活性指数が1%以
    下である請求項17記載の成形材料の光学用ディスクの
    ための使用。
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