JP2000170753A - 玉軸受 - Google Patents

玉軸受

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JP2000170753A
JP2000170753A JP10346012A JP34601298A JP2000170753A JP 2000170753 A JP2000170753 A JP 2000170753A JP 10346012 A JP10346012 A JP 10346012A JP 34601298 A JP34601298 A JP 34601298A JP 2000170753 A JP2000170753 A JP 2000170753A
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Japan
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bearing
ball
equation
outer ring
balls
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JP10346012A
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English (en)
Inventor
Tsuguto Nakaseki
嗣人 中関
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/04Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly
    • F16C19/06Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for radial load mainly with a single row or balls
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/58Raceways; Race rings
    • F16C33/583Details of specific parts of races
    • F16C33/585Details of specific parts of races of raceways, e.g. ribs to guide the rollers
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2240/00Specified values or numerical ranges of parameters; Relations between them
    • F16C2240/40Linear dimensions, e.g. length, radius, thickness, gap
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    • F16C2240/76Osculation, i.e. relation between radii of balls and raceway groove

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷温時の異音の発生が防止でき、かつこの防
止に伴って別の支障が生じることのない玉軸受を提供す
る。 【解決手段】 内輪と外輪との間に介在したボールの個
数が7〜12個であって、軸受諸元が次式(15)また
は(17)の関係を満足するグリース封入の玉軸受。式
(17)において、cqの値は25×10-6(N
2 2 )である。式(15)において、c=5Ns/
m、q=5×10-6Nsmである。ωは軸受回転数が
3,600rpmであるときの値を用いる。 【数21】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車用テンシ
ョンプーリ用軸受やモータ軸受、およびこれを用いた自
動車用テンションプーリに関し、冷時異音対策を図った
ものである。
【0002】
【従来の技術】モータの主軸の支持等には深溝玉軸受が
使われ、軸方向に軽予圧が掛けられている。テンション
プーリ用の軸受としては、コスト面から単列で使われる
場合が多い。この場合、低温時にグリースの減衰率が低
下すると、軸方向の異常振動が発生する。この異常振動
の周波数はボールの通過周波数の整数倍であることが分
かっている。この異常音対策として、次の対策が行われ
ている。 ・減衰の大きなグリースを封入する。 ・ラジアル隙間を大きくする。 ・大きな負のラアジル隙間にする。 ・3点または4点接触型溝形状にする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの異常音対策
は、次の新たな問題を引き起こす場合がある。 ・グリース種の変更によるグリース漏れの増加。 ・ラジアル隙間の増加による負荷容量の減少。 ・大きな負のラジアル隙間による、軸受寿命の低下。 ・3点等の接触タイプは差動滑りを増し、発熱の増加や
寿命の低下になり、製造コストも増加する。
【0004】この発明の目的は、冷温時の異音の発生が
防止でき、かつこの防止に伴って別の支障の生じること
のない玉軸受、およびこれを用いた 自動車用テンショ
ンプーリを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の玉軸受は、内輪と外輪との間に介在したボールの個数
が7〜12個であって、軸受諸元が次式(17)の関係
を満足するグリース封入の玉軸受である。式(17)に
おいて、cqの値は25×10-6(N2 2 )であり、
ωは軸受回転数が3,600rpmであるときの値を用
いる。
【数3】
【0006】この発明の請求項2記載の玉軸受は、内輪
と外輪との間に介在したボールの個数が7〜12個であ
って、次式(15)の関係を満足するグリース封入の玉
軸受である。式(15)において、c=5Ns/m、q
=5×10-6Nsmであり、ωは軸受回転数が3,60
0rpmであるときの値を用いる。
【数4】
【0007】この発明は、従来では着目されていなかっ
たボールジャイロモーメントを運動方程式に導入し、こ
の軸方向の振動を軸受の自励振動として解析するモデル
を提案し、これにつき数値計算を行い、このモデルの妥
当性を確認して適正な軸受緒元の関係を定めたものであ
る。上記式(15),(17)の関係は、次のように求
められる。振動解析のために玉軸受をモデル化して考
え、内輪の取付けられる軸が固定され、外輪は一定速度
で回転状態にあるとする。Fはベルトから作用する力、
Qは接触力Oの軸方向成分、FB はボールの運動に起
因する外輪への反力であり、これはボールの慣性による
成分FB1とボールのジャイロモーメントによる成分F BG
とからなる。一定速度で自転しているボールの自転軸が
変化したときに生じる角変位とモーメントを考え、外輪
の軸方向(y方向)の連立方程式を求めると、(12)
式のようになる。
【0008】
【数5】
【0009】(12)式は連成系になっており、条件に
より自励振動をすることが予想される。自励振動するか
どうかは、(12)式の安定判別を行えば良い。次の式
(15)はラウス・フルビッツの安定条件である。
【0010】
【数6】
【0011】k1 は左辺のみにあり、ωとΔrは右辺の
みにあることから、「線形ばね定数を大きくする」・
「溝半径を大きくする」ことが振動を抑えるのに効果が
あることがわかる。一般の深溝玉軸受では線形ばね定数
はゼロと考えられるため、(12)式において、k1
0としたときの安定条件を求めると、
【0012】
【数7】
【0013】となる。これより窒化珪素(Si3 4
等のセラミックスボールの使用や、小径ボールの採用が
振動を抑えるのに効果があることがわかる。数値計算の
結果、cqの値は25×10-6(N2 2 )よりも小さ
いと振動が発生することが分かった。発明の対象は、例
えば小型モータや自動車等のテンションプーリに用いら
れる軸受等のような小型の玉軸受であって、ボール個数
は7〜12個、ボール直径は4〜12mmの範囲である。
また、軸受が通常使われる回転数はモータでは3,60
0rpm以下であり、自動車のテンションプーリ等で異
常振動が耳障りとなるのはアイドリング中であり、この
場合の軸受回転数は3,000rpm程度である。ボー
ルの自転速度は、この回転数と軸受緒元により決定でき
る。
【0014】この発明の自動車用テンションプーリは、
上記構成の玉軸受を用い、その玉軸受の外輪の外周にリ
ングを設けたプーリである。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態を図1ない
し図4と共に説明する。この玉軸受は、内輪1と外輪2
との間に、保持器4に保持されたボール3を介在させた
ものであり、グリース潤滑の深溝玉軸受からなる。内輪
1および外輪2は、円弧状断面形状の溝内面で形成され
る軌道面1a,2aを有しており、ボール3は両軌道面
1a,2aの間に介在している。ボール3の個数は7〜
12個である。内外輪1,2間の両側にはシール5が設
けられ、これらシール5は、外輪2の内径面に取付けら
れて内輪1の外径面に接触する接触シールとされてい
る。シール5は省略しても良い。この玉軸受は、上記構
成であって、次に説明する軸受緒元の関係式等を充足す
るものである。また、この玉軸受の外輪2の外径面に、
ベルト7を掛装するためのリング6を圧入等で取付ける
ことにより、自動車用テンションプーリ、例えばエンジ
ン補機駆動用のテンションプーリとされる。
【0016】軸受諸元の関係を、解析モデルと共に説明
する。テンションプーリは、玉軸受とその外輪2に圧入
されたリング6により構成されている。プーリ外径面を
ベルト7に押し当てベルト張力を与えるため、外輪回転
となるのが普通であり、比較的軽重量で使われる。また
プーリが回転軸に対し傾くとベルト外れの事故が発生す
る。これを避けるためプーリ用玉軸受のラジアル隙間は
小さく設計される。テンションプーリの軸方向振動は、
軸受のラジアル隙間がゼロ付近のときに生じ、ラジアル
隙間が大きい場合や、極端な負隙間の場合では発生しな
いことや、保持器形式の影響は受けないことがすでにわ
かっている。これらの実験結果を参考にし、解析を容易
にするため以下の仮定を導入した。 ボールと軌道面との接触楕円の大きさは非常に小さ
い。 軸受内の全てのボールは等価である。 ボールと軌道面の接触部ではスピン以外の滑りは発生
しない。 保持器とボール間の干渉力は無視できる。 外輪の振動は軸方向の並進運動のみである。 軸受外輪は一定の速度で回転している。
【0017】図2は、図1の軸受、すなわち内輪1が固
定され、外輪2がベルトにより駆動されるテンションプ
ーリ用軸受をモデル化したものである。座標の原点は内
外輪1,2に軸方向変位がないときのボール中心とし、
軸方向をy、径方向をz、周方向をxとする右手系座標
とした。外輪2およびボール3が一定速度で自転および
公転しているもとでの外輪2の軸方向運動のみを考え
る。この座標系は、軸受中心に回転中心を置く回転座標
であるが、一定の角速度で回転するとの仮定により、見
かけの力は遠心力のみである。外輪2がy軸方向に変位
しているときの外輪2には、ベルトからの外力Fとボー
ル3からの内部力が作用する。後者は軌道輪(内外輪
1,2)との接触力Qの軸方向成分FQ と、ボールにy
方向およびx軸回りの運動を引き起こさせるための反力
B に分けることができる。内輪1との接触部にも同様
の力が作用しているが、図には示していない。ボール3
と内外輪1,2との接触状態は全てのボールに対し等し
いとの仮定と、外輪2の振動方向とy軸とは平行である
こと、および接触角θX は十分小さいとして外輪2の軸
方向運動方程式は(1)式となる。
【0018】
【数8】
【0019】ここで、mはプーリを含んだ外輪質量であ
り、cは外輪2の軸方向運動に対する減衰係数、Nはボ
ール個数である。外力Fはベルトから与えられるとする
と、これは外輪の円周上の1点に作用する。このとき
は、外輪2の重心まわりの運動も考えなければならない
が、このモデルでは外輪2の軸方向振動のみを扱うた
め、外力Fは円周上で均一に分布するとしている。
(1)式の左辺第3項は外輪2の軸方向復元力であり、
軌道面2aの溝曲率等の軸受内部設計緒元により変化す
るが、ここでは線形ばねと変位の3乗に比例する非線形
ばねより構成されるとして、(2)式で示す。非線型ば
ね定数k2 は線型ばね定数k1 に比べ何桁も大きいた
め、yの3乗項を無視することはできない。なお、ボー
ル3に働く遠心力はQに比べ小さいして無視した。 NFQ =k1 y+k2 3 (2)
【0020】(1)式第4項のボール3の運動による反
力FB は、ボール3にy方向並進運動と重心回りの回転
運動を引き起こす力と、接触角変化が引き起こすボール
自転軸変化によるジャイロモーメントから構成される。
前者をFB1とし図3を用いて求める。
【0021】図3は外輪2のy方向変位に対するボール
中心の変位yB とボール3の回転角θB の関係を示して
いる。ボール3と内外輪軌道面1a,2aとの接触点を
それぞれa,bとすると、直線a−b上に内外輪1,2
の溝中心O1,O と、ボール3の中心OB が並ぶ。接触
角θx は十分小さいから、図3より外輪2の変位yは内
外輪の溝半径をそれぞれrI ,rO 、ボール径をDとし
て(3)式で表される。
【0022】
【数9】
【0023】ここで、Δrはボール径に対する溝半径の
増加分である。外輪2が軸方向に変位したときに、ボー
ル3が内外輪軌道面1a,2aを滑ることなく転がる
と、ボール中心のy方向位置yB と回転角θB は、図3
と(3)式を用いて次のようになる。
【0024】
【数10】
【0025】ここで、Δr1 はボール半径に対する内輪
溝半径の増加分である。ここでも接触角θX は十分小さ
いとして、平板上でボールを転がした場合の関係が適用
できるとすると、ボール3の運動方程式は次式となる。
【0026】
【数11】
【0027】ここで、FBIとFB2は、それぞれ外輪2と
内輪1からボール3に作用する接線力であり、mB はボ
ールの質量、Iはボール慣性モーメントである。式
(4),(5),(6)より外輪2からボール3に作用
する力FB1は(7)式となる。
【0028】
【数12】
【0029】次に、ボール3のジャイロモーメントによ
る外輪2への接線力を求める。図4に示すように、ボー
ル中心に原点を置く座標系において、y1 軸まわりに一
定の角速度ωで自転しているボールを考える。ボール3
と内外輪1,2とは仮定によりそれぞれ1点で接触し、
接触部での滑りはないため、ボール重心の並進運動とθ
X1,θy1方向の回転運動は内外輪1,2の接触点で拘束
されるが、θZ1方向に作用する力は保持器ポケットや内
外輪1,2との接触部の粘性抵抗のみであり、ばね要素
のない支持系である。このボール3の自転軸が接触角の
変化により角速度dθX1/dtでx1 軸まわりに回転す
ると、z1 軸まわりに発生するジャイロモーメントMz1
は(8)式となる。
【0030】
【数13】
【0031】このジャイロモーメントにより生じるz1
軸まわり運動は(9)式で表される。
【0032】
【数14】
【0033】ここで、qはθz1方向の回転運動に対する
減衰係数である。(9)式に従い生じるz1 軸まわりの
角速度 dθX1/dtによりx1 軸まわりに発生するジ
ャイロモーメントは(10)式となる。
【0034】
【数15】
【0035】つまり、ボール3にdθX1/dtの運動を
与えるには、(10)式で表されるモーメントと釣り合
うトルクをボールに作用させなければならない。慣性軸
の回転角と自転軸の回転角とが一致するきとはオイラー
の運動方程式が適用できるが、軸受内のボールに関して
はこれらが一致せず、(8)〜(10)式を導いた。O
1 ,x1 ,y1 ,z1 座標は、O,x,y,z座標をO
B だけy方向に平行移動したものであり、(10)式は
O,x,y,z座標にも適用できる。よって、このジャ
イロモーメントにくよるボールから外輪2への接線力F
BG は次式となる。
【0036】
【数16】
【0037】(2),(7),(11)式を(1)式に
入れ、さらに、(3),(8),(9)式の関係より、
外輪のy軸方向の運動はボールのジャイロモーメントを
含む(12)式の連立微分方程式で表される。
【0038】
【数17】
【0039】数値計算 前記の解析結果をもとに、テンションプーリ用軸受によ
く使われる深溝玉軸受での振動シミュレーションを行っ
た。この軸受の諸元を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】異常振動は潤滑条件が悪い場合に発生する
ことがわかっているが、シミュレーションに用いる減衰
係数の決定は難しい。そこで、減衰係数cの値にはグリ
ース潤滑や油潤滑下の実験データを参照に1桁小さな値
を採用した。減衰係数qについては、保持器ポケット内
でボールを回転させたときの摩擦トルクより求めた値を
採用した。いずれも実際の使用条件を正確に表す値とは
言い難いが、解析の妥当性評価は可能と思われる。ま
た、軸方向ばね定数は軸受のラジアルすきまによって変
化するが、ここではラジアルすきま−1μm(負隙間)
での実測値を用いた。この場合、線形ばね定数K1 はゼ
ロである。表2は計算に用いた軸受諸元以外のデータを
示す。
【0043】図5は表1,2のデータを用い軸受回転速
度を変えたときの計算結果であり、図6は外輪回転速度
3,000rpm での減衰係数cを変えたときの結果であ
る。図7は線形ばねの影響を見るため、図6での計算結
果に線形ばねk1 =1×106 N/mを加えたときの結
果である。これらのシミュレーション結果は、これまで
の経験的結果と一致し、異常振動は高速回転時や減衰の
小さな潤滑条件下で発生し易く、軸方向剛性の増加によ
りこの発生を抑えることができることを示している。ま
た、図6(a)に示されるように、減衰係数が僅かに増
加する振動が消滅する減衰係数に敏感な系であることが
わかる。振動が成長する場合に見られる振幅の飽和や振
動周波数の時間変化は、軸方向ばね定数が非線形である
ことが原因と推定される。減衰係数が低下すると振動周
波数と振幅が共に増大し、耳障りな音となることが予想
される。以上のシミュレーションは外力Fをゼロとして
おり、高速で減衰係数が小さい場合に現れる振動は、ボ
ール3のジャイロモーメントに起因する自励振動と見な
すことができる。
【0044】安定判別 外輪2の軸方向振動はy=0を中心とした振動であるた
め、原点まわりで線形化し安定性を考える。(12)式
で表される振動系の特性方程式は(14)式となり、ラ
ウス・フルビッツの安定条件として(15)式が得られ
る。
【0045】
【数18】
【0046】(15)式において、k1 は左辺のみにあ
り、ωとΔrは右辺のみにあることから、回転速度を下
げる以外の異常振動の低減策として、線形ばね定数を大
きくする、溝半径を大きくする、ことが有効であること
が直観的にわかる。プーリ用軸受に使われる単列深溝玉
軸受において、軸方向の線形ばね定数を大きくすること
は、3点あるいは4点接触形溝形状の採用を意味する。
また、軸の両端を2個の軸受で支持するモータ等の場合
は、軸方向予圧を大きくすることに相当する。通常の真
円溝形状においては線形ばね項はほとんどゼロと考えら
れるため、k1 =0として安定条件を求めると、(1
6)式となる。
【0047】
【数19】
【0048】(16)式内のボールの慣性モーメントを
ボール径と密度ρで表すと(17)式となる。
【0049】
【数20】
【0050】数値計算の結果、cqの値は25×10-6
(N2 2 )よりも小さいと振動が発生することが分か
った。また、式(15)で考えると、c=5Ns/m、
q=5×10-6Nsmとなる軸受緒元で、同式を満たさ
なくなった場合に、振動が発生することがわかった。い
ずれも、ωは軸受回転数が3,600rpmであるとき
の値を用いた。
【0051】cおよびqの絶対値を論議することは困難
であるが、(17)式より減衰率の高い潤滑剤の使用や
小径ボールの採用、窒化珪素セラミックス等の低密度ボ
ールの採用が異常振動低減に効果が期待される。同式
は、溝半径を大きくすることも振動低減への効果を示し
ているが、軌道面1a,2aでの減衰率を低下させる逆
効果も予想される。さらに、ボール数を減らすことも振
動を安定させることになる。これは、ラジアル隙間を大
きくし、非負荷ボールを増すことと等価であり、実際、
ラジアルすきまが大きい場合、振動の発生がないことと
一致する。
【0052】以上のように、ボールのジャイロモーメン
トを考慮した軸方向振動モデルを提案し、プーリ用軸受
に発生する軸方向異常振動を上述の簡単な運動方程式で
記述できることを示したが、前記のように式(17)ま
たは式(15)の関係が充足されるように軸受諸元を設
定することで、冷温時の異常振動を防止できることがわ
かる。
【0053】
【発明の効果】この発明の玉軸受および自動車用テンシ
ョンプーリは、このように冷温時の異音の発生が防止で
き、またこの防止に伴って別の支障が生じることを避け
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態にかかる玉軸受の部分断
面図である。
【図2】同玉軸受の振動解析モデルの説明図である。
【図3】同軸受に作用する力の関係を示す部分拡大説明
図である。
【図4】同軸受のボールに作用する力の関係を示す部分
拡大説明図である。
【図5】従来の玉軸受において減衰係数を変えた場合の
シミュレーション結果を示すグラフである。
【図6】従来の軸受において線形ばねを加えたときのシ
ミュレーション結果を示すグラフである。
【図7】従来の軸受において外輪回転速度を変えた場合
のシミュレーション結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…内輪 2…外輪 3…ボール 4…保持器 6…リング 7…ベルト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と外輪との間に介在したボールの個
    数が7〜12個であって、軸受諸元が次式(17)の関
    係を満足するグリース封入の玉軸受。 【数1】 式(17)において、cqの値は25×10-6(N2
    2 )であり、ωは軸受回転数が3,600rpmである
    ときの値を用いる。
  2. 【請求項2】 内輪と外輪との間に介在したボールの個
    数が7〜12個であって、軸受諸元が次式(15)の関
    係を満足するグリース封入の玉軸受。 【数2】 式(15)において、c=5Ns/m、q=5×10-6
    Nsmであり、ωは軸受回転数が3,600rpmであ
    るときの値を用いる。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の玉軸受を
    用い、この玉軸受の外輪の外周にリングを設けた自動車
    用テンションプーリ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1176323A1 (en) * 2000-07-28 2002-01-30 Seiko Instruments Inc. Bearing, electromagnetic clutch and gas compressor
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