JP2000170123A - 吸音パネル及びこれに用いるパネル強化体 - Google Patents

吸音パネル及びこれに用いるパネル強化体

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JP2000170123A
JP2000170123A JP10347646A JP34764698A JP2000170123A JP 2000170123 A JP2000170123 A JP 2000170123A JP 10347646 A JP10347646 A JP 10347646A JP 34764698 A JP34764698 A JP 34764698A JP 2000170123 A JP2000170123 A JP 2000170123A
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sound absorbing
panel
sound
absorbing panel
box
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Mataichiro Kiso
又一郎 木曽
Sadao Ogawa
貞男 小河
Masaru Dobashi
勝 土橋
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の吸音パネルに比較して吸音特性を損な
わせることなく、吸音パネルの剛性を高めることがで
き、積雪などによって吸音パネルに過大の偏荷重が加わ
ったとき、吸音パネルの塑性変形をなくすることがで
き、支柱等のパネル保持体から吸音パネルが離脱するこ
とを防止することができるようにする。 【解決手段】 多孔質構造の吸音板1と、該吸音板1の
孔を通過した音が導入される複数個の空室21を有する
吸音箱2とを備えた吸音パネル本体3の前記吸音板1と
反対側の面にパネル強化体4を設け、吸音特性を損なわ
せることなく、吸音パネル本体3の剛性を高めることが
できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば線路脇、道
路脇等の騒音発生源の近傍に設置され、騒音発生源が発
生する騒音を吸収して軽減する吸音パネル及びこれに用
いて吸音パネルの剛性を高めるパネル強化体に関する。
【0002】
【従来の技術】線路脇、道路脇等の騒音発生源の近傍に
設置される吸音パネルは、例えば特開平7−14561
0号公報に記載されたものを図13、図14に示す如く
既に提案されている。図13は吸音パネルの一部を破断
した斜視図、図14は吸音パネルにおける吸音箱の一部
を破断した斜視図である。
【0003】この従来の吸音パネルは、多孔質構造の例
えば四角形の吸音板100及び該吸音板100の孔を通
過した音が導入される複数個の空室101を有し、前記
吸音板100を保持する例えば四角形の吸音箱102と
を備え、該吸音箱102の複数個がケーシング103の
内部に収容されている。
【0004】このケーシング103は、例えば四角形の
背面壁104及び該背面壁104の周辺に連続する側壁
105の頂部に孔を多く設けた蓋板106が結合されて
おり、その内部に前記吸音箱102が例えば二段に並べ
て収容されている。
【0005】吸音箱102は、内部が複数の仕切壁で仕
切られることによって複数個の前記空室101が格子状
に設けられており、該吸音箱102の厚さ方向一面に前
記吸音板100が保持され、他面が前記ケーシング10
3の背面壁104の内面に当接されている。従って、吸
音箱102の空室101は、吸音板100及びケーシン
グ103の背面壁104によって独立した空室となる。
また、吸音板100は顆粒状の合成樹脂を押し固めるこ
とによって多孔質構造に形成されており、この吸音板1
00及び吸音箱102の組合せによってヘルムホルツ形
の共鳴器が構成され、該共鳴器によって吸音機能が働く
ことになる。
【0006】次に吸音パネルの吸音原理について説明す
る。共鳴器の共鳴周波数に近い周波数の音波がケーシン
グの蓋板106の孔から入射したとき、騒音発生源側か
らの音響入力インピーダンスが最小になるので容易に進
入して吸音箱102内の空気を強制加振する。この空気
は吸音板100の複数の孔を出入りし、孔の音響抵抗に
よって熱エネルギーに変換され、エネルギーの散逸が生
じて音波は吸収される。
【0007】吸音パネルにおける吸音特性は図15に示
される。図15は、「吸音プラスチックの防音パネルへ
の応用;三菱電機技報、Vol.69、NO.6 1995, P.P.49-5
3」に示された吸音特性図である。図15の背面空気層
の量hは、図13における吸音箱の奥行き(厚さ寸法)
に相当するものである。厚さ寸法が大きくなるに伴って
吸音率の最大値を示す周波数が低下し、逆に厚さ寸法が
小さくなるに伴って吸音率の最大値を示す周波数が高く
なる。
【0008】図16は吸音パネルを屋外に設置する場合
の設置状態を示す説明図である。以上の如く構成された
吸音パネルを屋外で使用する場合、例えば長手方向に延
びる溝107を有する断面H形状の複数の支柱108・
・・を所定の間隔を隔てて地盤に打ち込み、隣り合う支
柱108・・・の溝107に所定の個数の前記吸音パネ
ルを一段又は複数段となるように差し込むことによって
設置される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く構成された
吸音パネルは、鉄道騒音、自動車騒音、工場内騒音、屋
内設置設備の騒音に対して吸音ないし、防音の効果があ
った。しかしながら、これらの対象となる騒音は夫々特
有の周波数成分をもつことが多く、吸音パネルでは、必
要に応じて吸音率が最大となる周波数を設定した方が減
音効果が上がり、吸音パネルとしての効率が良くなる。
このため、設置状況によっては吸音パネルの寸法を変更
する事態となり、特に吸音箱の厚さ寸法を変更した場
合、吸音周波数の中心値が変わり吸音パネルの吸音効率
が低下することになり、厚さ寸法の変更はできる限り避
ける必要がある。
【0010】吸音パネルの技術的問題点は、この他に強
度的な課題がある。特に屋外に設置する場合は、台風を
始めとする自然の外力に加え、鉄道、自動車道の沿線に
設置する場合は、車両の走行に伴って発生する風圧に耐
える必要がある。
【0011】図17は屋外に設置された吸音パネルに積
雪した雪が偏荷重として加わった場合の説明図である。
図13、図14に示された吸音パネルは比較的温暖な地
方に設置する場合を対象とし、前記の風圧に対しては、
充分に耐えうる強度を有している。しかしながら、多雪
地帯においては、図17に示すように積雪した雪が片寄
って、吸音パネルに偏荷重として加わり、吸音パネルを
変形させる場合がある。
【0012】この変形が生ずる例として、まず、沿線外
側が傾斜地のため積雪した雪が吸音パネル側へ多量に滑
り落ちる場合が挙げられる。他の例として、沿線の両側
とも傾斜地ではないにも係わらず、鉄道面又は道路面の
雪が除雪され、路面の隅に溜められる場合がある。以上
の例のように雪の偏荷重が吸音パネルに加わった場合に
は吸音パネルが変形する。極端な場合は、吸音パネルの
塑性変形を招き、吸音パネルが支柱の溝から脱落するこ
とになるという問題点があった。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、多孔質構造の吸音板と、該吸音板の孔を通過し
た音が導入される複数個の空室を有する吸音箱とを備え
た吸音パネル本体の前記吸音板と反対側の面にパネル強
化体を設けたり、該パネル強化体を吸音パネル本体に対
応する大きさの枠状、又は、箱体に形成したりすること
により、既存の吸音パネルに比較して吸音特性を損なわ
せることなく、吸音パネルの剛性を高めることができ、
積雪などによって吸音パネルに過大の偏荷重が加わった
とき、吸音パネルの塑性変形をなくすることができ、吸
音パネルが変形した場合においても支柱等のパネル保持
体から吸音パネルが離脱することを防止することができ
る吸音パネルを得ることを目的とする。また、吸音パネ
ルに対応する大きさであり、上下の方向に所定の間隔を
隔てて対向する杆状体と、これら杆状体の両側の端部を
連結する連結体とを備えた構成とすることにより、軽量
で、安価なパネル強化体を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る吸音パネ
ルは、多孔質構造の吸音板と、該吸音板の孔を通過した
音が導入される複数個の空室を有する吸音箱とを備えた
吸音パネル本体の前記吸音板と反対側の面にパネル強化
体を設けてあることを特徴とする。
【0015】第2発明に係る吸音パネルは、前記パネル
強化体が、曲げ加工によって形成された曲げ構造物又は
成形された成形構造物によって前記吸音パネル本体に対
応する大きさの枠状に形成してあることを特徴とする。
【0016】第3発明に係る吸音パネルは、前記パネル
強化体が、前記吸音パネル本体に対応する大きさの箱体
によって形成してあることを特徴とする。
【0017】第4発明に係る吸音パネルは、前記吸音パ
ネル本体及びパネル強化体は分離することが可能として
あることを特徴とする。
【0018】第5発明に係る吸音パネルは、前記吸音パ
ネル本体及びパネル強化体は結合してあることを特徴と
する。
【0019】第6発明に係る吸音パネルは、前記箱体
は、前記吸音パネル本体と向き合う面の壁部が前記吸音
パネル本体の壁部を兼ねていることを特徴とする。
【0020】第7発明に係る吸音パネルは、前記箱体に
貫通孔が設けてあることを特徴とする。
【0021】第8発明に係る吸音パネルは、前記箱体の
内部に、箱体に加わる音によって箱体が振動することを
制振する制振材を設けてあることを特徴とする。
【0022】第9発明に係るパネル強化体は、多孔質構
造の吸音板と、該吸音板の孔を通過した音が導入される
複数個の空室を有する吸音箱とを備えた吸音パネルに対
応する大きさであり、上下の方向に所定の間隔を隔てて
対向する杆状体と、これら杆状体の両側の端部を連結す
る連結体とを備えていることを特徴とする。
【0023】第10発明に係るパネル強化体は、前記杆
状体の間に密閉状の空間を形成してあることを特徴とす
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて具体的に説明する。 実施の形態1 図1は本発明の実施の形態1に係る吸音パネルの正面側
の斜視図、図2は図1の拡大縦断面図である。
【0025】吸音パネルは、多孔質構造の吸音板1及び
該吸音板1の孔を通過した音が導入される複数個の空室
21を有し、前記吸音板1を保持する例えば四角形の吸
音箱2を備えた吸音パネル本体3と、該吸音パネル本体
3の前記吸音板1と反対側の面に設けるパネル強化体4
とを備えている。
【0026】図3は吸音パネル本体の一部を切欠いた斜
視図である。吸音パネル本体3は、前記した従来例の吸
音パネルと同様に構成されているため簡単に説明し、ま
た、吸音原理及び吸音特性は前記した従来技術と同じで
あるためその説明を省略する。吸音パネル本体3は前記
吸音箱2の複数個を例えば複数段に並べて収容するケー
シング5を備えている。
【0027】このケーシング5は、矩形状の背面壁51
及び該背面壁51の周縁に連続する四つの側壁52と、
該側壁52の頂部に設けられたフランジにリベットによ
って結合された孔を多く設けた蓋板53とを備えてい
る。
【0028】図4は吸音板の一部を切欠いた吸音箱の斜
視図である。吸音箱2は、内部が複数の仕切壁で仕切ら
れることによって複数個の前記空室21が格子状に設け
られており、該吸音箱2の厚さ方向一面に前記吸音板1
が保持され、他面が前記ケーシング5の背面壁51の内
面に当接されている。また、吸音板1は顆粒状の合成樹
脂を押し固めることによって多孔質構造に形成されてい
る。
【0029】パネル強化体4は、吸音パネル本体3に対
応する大きさの矩形状に形成されており、前記背面壁5
1に取外しを可能として取付け、又は、リベット等によ
って結合される。
【0030】実施の形態1の吸音パネルは、吸音パネル
本体3が従来例の吸音パネルと同様に構成されているた
め、既存の吸音パネルに比較して吸音特性を損なわせる
ことがないのであり、しかも、この吸音パネル本体3に
はパネル強化体4が設けられているため、吸音パネルの
剛性を高めることができる。
【0031】また、実施の形態1の吸音パネルは、図1
6に示した従来例と同様、線路脇、道路脇等の騒音発生
源の近傍に所定の間隔を隔てて立設される支柱の間に設
置される。この場合、吸音パネル本体3はパネル強化体
4によって剛性を高くしてあるため、積雪などによって
吸音パネルに過大の偏荷重が加わったとき、吸音パネル
の塑性変形をなくすることができ、また、吸音パネルが
変形した場合においても支柱等のパネル保持体から吸音
パネルが離脱することを防止することができる。
【0032】実施の形態2 図5は実施の形態2に係る吸音パネルの背面側の斜視図
である。この実施の形態2は、前記パネル強化体4を吸
音パネル本体3に対応する大きさの枠状に形成したもの
であり、その他の構成及び作用は実施の形態1と同じで
あるため、共通部品については同じ符号を付し、その詳
細な説明、構造及び作用を省略する。
【0033】パネル強化体4は、上下に所定の間隔を隔
てて対向し、その対向する側の面に長手方向に沿って延
びる溝を有する形鋼などの成形された一対の杆状の成形
構造物(杆状体)41,41と、該成形構造物41,4
1の長手方向の端部を溶接、リベット等の結合手段によ
って結合する一対の板状の連結体42,42とによって
吸音パネル本体3に対応する大きさの枠状に形成されて
いる。
【0034】この実施の形態2にあっては、吸音パネル
に必要な耐荷重に応じた肉厚を有する成形構造物41を
選択することによって吸音パネルの曲げ変形量を抑制す
ることができる。
【0035】尚、パネル強化体4は、成形構造物41を
用いる変わりに、曲げ加工によって形成された曲げ構造
物を用いて吸音パネルに対応する大きさの枠状に形成し
てもよい。また、パネル強化体4は枠状に形成する他、
例えば前記連結体42,42をなくし、前記成形構造物
41,41を前記吸音パネル本体3の背面壁51に取付
手段によって取付ける構造としてもよいのであり、その
形状は特に制限されない。
【0036】実施の形態3 図6は実施の形態3に係る吸音パネルの背面側の斜視
図、図7は図6の拡大縦断面図である。この実施の形態
3は、前記パネル強化体4を、前記吸音パネル本体3に
対応する大きさの箱体6aによって形成したものであ
り、その他の構成及び作用は実施の形態1,2と同じで
あるため、共通部品については同じ符号を付し、その詳
細な説明、構造及び作用を省略する。
【0037】パネル強化体6は、実施の形態2の如く一
対の成形構造物41,41及び一対の連結体42,42
によって枠状に形成されたパネル強化体4の厚さ方向一
面及び他面に板体61,62を設けて内部が密閉状の空
間となる箱体6aとしてある。尚、パネル強化体6は、
前記連結体42,42をなくし、一枚又は複数枚の板体
61,62を曲げ加工することによって前記成形構造物
41,41を連結するようにしてもよい。
【0038】実施の形態4 この実施の形態4は、実施の形態1〜3の吸音パネル本
体3及びパネル強化体4,6を分離することが可能とし
たものであり、その他の構成及び作用は実施の形態1〜
3と同じであるため、共通部品については同じ符号を付
し、その詳細な説明、構造及び作用を省略する。
【0039】パネル強化体4,6は、吸音パネル本体3
と別個に形成され、分離してある。このように分離され
た吸音パネル本体3及びパネル強化体4は、分離して生
産、運搬、保管、設置することができるため、これらの
個々に軽量性が要求される場合、作業者の負担を少なく
でき、それぞれの作業が行い易いのである。
【0040】実施の形態5 この実施の形態5は、実施の形態1〜3のパネル強化体
4,6を吸音パネル本体3にねじ止め、溶接、リベッ
ト、接着等の結合手段によって結合したものであり、そ
の他の構成及び作用は実施の形態1〜3と同じであるた
め、共通部品については同じ符号を付し、その詳細な説
明、構造及び作用を省略する。
【0041】パネル強化体4,6は、例えば吸音パネル
本体3との対面部分を前記結合手段によって結合する。
【0042】実施の形態6 図8は実施の形態6に係る吸音パネルの拡大縦断面図で
ある。この実施の形態6は、吸音パネル本体3のケーシ
ング8の内部にパネル強化体7を収容して吸音パネルを
一体化構造としたものであり、その他の構成及び作用は
実施の形態1,2と同じであるため、共通部品について
は同じ符号を付し、その詳細な説明、構造及び作用を省
略する。
【0043】ケーシング8は、矩形状の背面壁81及び
該背面壁81の周縁に連続する四つの側壁82と、該側
壁82の頂部に設けられたフランジにリベットによって
結合された孔を多く設けた蓋板83とを備えている。
【0044】パネル強化体7は、開放部に鍔を有する断
面が皿状に形成されており、このパネル強化体7をケー
シング8の上部及び下部にケーシング8との間に空室が
生ずるように一個を配置し、上下方向の中央部に、対向
間に空室が生ずるように一対を対向状に配置し、さらに
上部及び中央部の間と、下部及び中央部の間との二つの
中間部にケーシング8との間に空室が生ずるように配置
し、夫々リベットによってケーシング8に結合してあ
り、これらパネル強化体7が、内部が密閉状の空間とな
る箱体7aとされている。
【0045】吸音パネル本体3の吸音箱2は、実施の形
態1と同様、内部が複数の仕切壁で仕切られることによ
って複数個の空室21が設けられており、その厚さ方向
一面に前記吸音板1が保持され、他面が前記中間部のパ
ネル強化体7,7に当接され、このパネル強化体7,7
が、実施の形態1〜3における吸音箱2の背面壁を兼ね
ている。
【0046】実施の形態6にあっては、パネル強化体7
が吸音箱2の背面壁を兼ねているため、吸音パネルの全
体を軽量にできる。
【0047】実施の形態7 図9は実施の形態7に係る吸音パネルの拡大縦断面図、
図10は吸音パネルの斜視図である。この実施の形態7
は、実施の形態6の如く吸音パネル本体3のケーシング
8の内部に収容されたパネル強化体7が吸音箱2の背面
壁を兼ねている構造において、パネル強化体7の箱体7
a、詳しくは、該箱体7aを構成するケーシング8の背
面壁81及び側壁82を貫通する複数個の貫通孔9・・
・を設けたものであり、その他の構成及び作用は実施の
形態1,2と同じであるため、共通部品については同じ
符号を付し、その詳細な説明、構造及び作用を省略す
る。
【0048】貫通孔9・・・は、ケーシング8の上部の
パネル強化体7と、下部のパネル強化体7と、中間部の
二つのパネル強化体7,7のそれぞれの箱体7aを構成
する部分に複数個を所定の間隔を隔てて設けるのであ
る。尚、箱体7aの内部に粉塵、ねずみ等の生き物、雨
水等が浸入することを防ぐにはケーシング8の底面に貫
通孔9を設けるのが好ましい。
【0049】実施の形態7にあっては、吸音パネルの外
部からパネル強化体7の箱体7aに振動、騒音が加わっ
たとき、この箱体7a内の空気を出入りさせて振動を減
衰させ、箱体7aの振動によって箱体7aの内部に音が
こもることを良好に防止できる。
【0050】実施の形態8 図11は実施の形態8に係る吸音パネルの拡大縦断面
図、図12は吸音パネルの斜視図である。この実施の形
態8は、実施の形態7の如くパネル強化体7の箱体7a
を構成する部分に貫通孔9を設ける代わりに、パネル強
化体7の箱体7aの内部に箱体7aに加わる音によって
箱体7a、詳しくは、箱体7aを構成する部分が振動す
ることを制振する制振材10を設けたものであり、その
他の構成及び作用は実施の形態1,2と同じであるた
め、共通部品については同じ符号を付し、その詳細な説
明、構造及び作用を省略する。
【0051】制振材10は、発砲ポリウレタン樹脂、合
成ゴム等の弾性を有する板状の材料を用いてなり、この
制振材10を箱体7aの内法よりも厚さが厚くなるよう
に形成し、パネル強化体7及びケーシング8の背面壁8
1が振動することを防止するのである。尚、制振材10
は電線の屑、切粉状金属屑等の材料を充填した構成とし
てもよいのであり、その材料は特に制限されない。
【0052】実施の形態8にあっては、パネル強化体7
の箱体7aの内部が制振材10によって埋められるた
め、箱体7aの内部に音がこもることを防止でき、さら
に、背面壁81の動きを拘束することができるため、振
動による音の発生をなくすることができる。また、実施
の形態7の如くパネル強化体7の箱体7aに貫通孔9が
ないため、箱体7aの内部に粉塵、ねずみ等の生き物、
雨水等が浸入して箱体の内部が錆びついたりすることを
防止できる。
【0053】尚、実施の形態1〜5における吸音パネル
本体3は、ケーシング5をなくし、吸音箱2の厚さ方向
他面に前記背面壁51に相当する背面壁を設けた構成と
してもよい。また、実施の形態5の如くパネル強化体6
を箱体6aとする場合、前記ケーシング5の背面壁51
をなくし、パネル強化体6の前記板体61を吸音箱2の
背面壁と兼用にしてもよい。また、実施の形態5の如く
パネル強化体6を箱体6aとする場合、実施の形態7の
如く箱体6aに貫通孔9を設け、実施の形態8の如く箱
体6aに制振体10を設けた構成としてもよい。
【0054】
【発明の効果】第1発明によれば、吸音パネル本体の吸
音板と反対側の面にパネル強化体を設けるため、既存の
吸音パネルに比較して吸音特性を損なわせることなく、
吸音パネルの剛性を高めることができる。従って、線路
脇、道路脇等の騒音発生源の近傍に所定の間隔を隔てて
立設される支柱などのパネル保持体の間に配設するよう
な場合において、積雪などによって吸音パネルに過大の
偏荷重が加わったとき、吸音パネルの塑性変形をなくす
ることができ、また、吸音パネルが変形した場合におい
ても前記パネル保持体から吸音パネルが離脱することを
防止することができる。しかも、既存の吸音パネルを使
用することができるから、吸音パネルの剛性を高めるこ
とができる割に安価に構成することができる。
【0055】第2発明によれば、吸音パネルに必要な耐
荷重に応じた肉厚を有する曲げ構造物、又は、成形構造
物を選択することによって吸音パネルの曲げ変形量を抑
制することができる。また、金属板を吸音パネル本体に
対応する大きさに曲げ加工したり、形鋼を吸音パネル本
体に対応する長さに切断したりすることによってパネル
強化体を簡易に形成することができ、該パネル強化体を
安価に構成することができる。
【0056】第3発明によれば、パネル強化体が箱体で
あるため、軽量で、しかも、美観に優れたパネル強化体
を構成することができる。
【0057】第4発明によれば、吸音パネル本体及びパ
ネル強化体を分離して生産、運搬、保管、設置すること
ができるため、これらの個々に軽量性が要求される場
合、作業者の負担を少なくでき、それぞれの作業が行い
易いのである。
【0058】第5発明によれば、吸音パネル本体及びパ
ネル強化体を分離させることなく一つの固体として運搬
することができるため、起重機などの動力を使用するこ
とができる設置現場にあっては起重機などの動力によっ
て素早く設置することができる。
【0059】第6発明によれば、箱体の吸音パネル本体
と向き合う面の壁部が吸音パネル本体の壁部を兼ねてい
るため、吸音パネルの全体を軽量にできる。
【0060】第7発明によれば、吸音パネルの外部から
箱体に振動、騒音が加わったとき、この箱体の振動、騒
音によって箱体の内部に音がこもることを良好に防止で
き、箱体で形成されたパネル強化体4を設けたことによ
る吸音特性の低下をなくすることができる。
【0061】第8発明によれば、箱体の内部に制振材を
設けてあるため、箱体で形成されたパネル強化体の前記
音による振動を防止でき、この振動による音の発生を防
止することができる。
【0062】第9発明によれば、上下に配置された一対
の杆状体及び一対の連結体によって形成することができ
るから、軽量で、しかも、安価に構成することができ
る。
【0063】第10発明によれば、内部を空室とした軽
量構造で、しかも、美観に優れたパネル強化体4を構成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る吸音パネルの正
面側の斜視図である。
【図2】 図1の拡大縦断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態1に係る吸音パネル本体
の一部を切欠いた斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態1に係る吸音板の一部を
切欠いた吸音箱の斜視図である。
【図5】 本発明の実施の形態2に係る吸音パネルの背
面側の斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態3に係る吸音パネルの背
面側の斜視図である。
【図7】 図6の拡大縦断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態6に係る吸音パネルの拡
大縦断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態7に係る吸音パネルの拡
大縦断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態7に係る吸音パネルの
斜視図である。
【図11】 本発明の実施の形態8に係る吸音パネルの
拡大縦断面図である。
【図12】 本発明の実施の形態8に係る吸音パネルの
斜視図である。
【図13】 従来例の吸音パネルの一部を破断した斜視
図である。
【図14】 従来の吸音パネルにおける吸音箱の一部を
破断した斜視図である。
【図15】 吸音パネルの吸音特性図である。
【図16】 吸音パネルを屋外に設置する場合の設置状
態を示す説明図である。
【図17】 屋外に設置された吸音パネルに積雪した雪
が偏荷重として加わった場合の説明図である。
【符号の説明】
1 吸音板、2 吸音箱、21 空室、3 吸音パネル
本体、4,6,7 パネル強化体、4a,7a 箱体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土橋 勝 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2D001 AA01 BA01 CA01 CB02 CC01 CD04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質構造の吸音板と、該吸音板の孔を
    通過した音が導入される複数個の空室を有する吸音箱と
    を備えた吸音パネル本体の前記吸音板と反対側の面にパ
    ネル強化体を設けてあることを特徴とする吸音パネル。
  2. 【請求項2】 パネル強化体は、曲げ加工によって形成
    された曲げ構造物又は成形された成形構造物によって前
    記吸音パネル本体に対応する大きさの枠状に形成してあ
    る請求項1記載の吸音パネル。
  3. 【請求項3】 パネル強化体は、前記吸音パネル本体に
    対応する大きさの箱体によって形成してある請求項1記
    載の吸音パネル。
  4. 【請求項4】 吸音パネル本体及びパネル強化体は分離
    することが可能としてある請求項1から請求項3の何れ
    かに記載の吸音パネル。
  5. 【請求項5】 吸音パネル本体及びパネル強化体は結合
    してある請求項1から請求項3の何れかに記載の吸音パ
    ネル。
  6. 【請求項6】 箱体は、前記吸音パネル本体と向き合う
    面の壁部が前記吸音パネル本体の壁部を兼ねている請求
    項3から請求項5の何れかに記載の吸音パネル。
  7. 【請求項7】 箱体に貫通孔が設けてある請求項3から
    請求項6の何れかに記載の吸音パネル。
  8. 【請求項8】 箱体の内部に、箱体に加わる音によって
    箱体が振動することを制振する制振材を設けてある請求
    項3から請求項6の何れかに記載の吸音パネル。
  9. 【請求項9】 多孔質構造の吸音板と、該吸音板の孔を
    通過した音が導入される複数個の空室を有する吸音箱と
    を有する吸音パネルに対応する大きさであり、上下の方
    向に所定の間隔を隔てて対向する杆状体と、これら杆状
    体の両側の端部を連結する連結体とを備えていることを
    特徴とするパネル強化体。
  10. 【請求項10】 杆状体の間に密閉状の空間を形成して
    ある請求項9記載のパネル強化体。
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