JP2000169801A - ラベル付き物品の製造方法 - Google Patents

ラベル付き物品の製造方法

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JP2000169801A
JP2000169801A JP10345180A JP34518098A JP2000169801A JP 2000169801 A JP2000169801 A JP 2000169801A JP 10345180 A JP10345180 A JP 10345180A JP 34518098 A JP34518098 A JP 34518098A JP 2000169801 A JP2000169801 A JP 2000169801A
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JP10345180A
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Daisuke Kamiya
大介 神谷
Kotaro Yoneda
耕太郎 米田
Hiroshi Iesako
博 家迫
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、貼られたラベルがアルカリ水溶液に
よる洗浄によって容易に被着体から剥がれ、しかも水道
水のような普通の水に対する耐水性に優れる接着剤層で
ラベルが接着されたラベル付き物品の製造方法を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】(A)酸価1meq/g以上の樹脂が塩基
により中和された水溶性樹脂および(B)ラジカル重合
性単量体の乳化重合により得られ、酸価が0.6meq
/g以下であり、かつガラス転移温度が−20℃以下で
ある重合体からなる水性エマルジョン型組成物から得ら
れる、特定の粘着性皮膜を接着剤層として使用すること
により上記課題を達成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着部をアルカリ
水溶液と接触させることにより、被着体から粘着ラベル
を容易に剥離することができるラベル付き物品の製造方
法に関するものであり、本発明によるラベル付き物品
は、被着体への粘着ラベルの接着剤層の耐水性および接
着強度に優れるものである。
【0002】
【従来の技術】ビール瓶等の飲料物用の瓶に貼り付けら
れるラベルには、瓶等の物品に対する接着力が高いこ
と、水浸漬時における耐水性が良好であることおよびア
ルカリ水によって瓶等を洗浄する際に該ラベルが瓶から
短時間で剥離すること(以下、アルカリ剥離性とい
う。)が要求される。従来、このようなラベルに使用さ
れる接着剤としては、でん粉系接着剤、カゼイン系接着
剤およびポリビニルアルコール系接着剤等の、いわゆる
コールドグルー等が使用されていた。コールドグルーを
使用してラベルを物品に貼り付けるためには、通常ラベ
ルの裏面に接着剤を塗布した後、直ちにラベルを物品に
貼るという方法が採用される。従って、連続的に高速で
上記の貼り付け操作を行うためには、接着剤の塗布とラ
ベルの貼り付けという2種類の操作が機械的に行われる
必要がある。このような機能を備えた機械装置は、高価
なために利用分野が限られるという問題があった。ま
た、コールドグルーには、粘度調整の目的で、通常幾ら
かの水が含まれているが、紙ラベルを用いる場合には、
ラベルの貼り付け操作の際に、その水がラベルに浸透し
て、ラベルのカール(反り)を招くという問題もあっ
た。他方、従来感圧接着剤すなわち粘着剤として広く使
用されていたアクリル酸エステル共重合体の構成を若干
修正して、アルカリ可溶性または膨潤性を高めたもの
を、アルカリ剥離性が求められる用途に使用することも
検討されていた。しかしながら、アクリル酸エステル共
重合体型の粘着剤では、アルカリ剥離性が不十分である
ことが多く、アルカリ剥離性を高めると耐水性が低下し
て、その粘着剤を用いたラベルが貼られたビール瓶など
を水中に入れると、ラベルが剥がれ易かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、貼
られたラベルがアルカリ水溶液による洗浄によって容易
に被着体から剥がれ、しかも水道水のような普通の水に
対する耐水性に優れる接着剤層でラベルが接着されたラ
ベル付き物品の製造方法を提供することを目的とした。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成する
に至った。すなわち、下記粘着剤組成物からなる粘着剤
層を有する感熱粘着ラベルを、物品に接着させることを
特徴とするラベル付き物品の製造方法である。 粘着剤組成物:(A)酸価1meq/g以上の樹脂が塩
基により中和された水溶性樹脂および(B)ラジカル重
合性単量体の乳化重合により得られ、酸価が0.6meq
/g以下であり、かつガラス転移温度が−20℃以下で
ある重合体からなる水性エマルジョン型組成物であっ
て、該組成物から得られる含水皮膜を60℃未満で乾燥
することにより、上記成分(B)からなる粒子が上記成
分(A)からなる連続相中に分散した二相構造からなる
皮膜(1)が得られ、次いで該皮膜を60℃以上に加熱
することにより、上記二相構造における成分(A)と成
分(B)の形態が逆転して、成分Aの粒子が成分Bの連
続相中に分散してなる粘着性皮膜(2)に転換する粘着
剤組成物。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、アクリルおよび/またはメタクリル
を(メタ)アクリルと、アクリレートおよび/またはメ
タクリレートを(メタ)アクリレートという。また、本
発明における重合体のガラス転移温度(以下、Tgとい
う。)とは、以下の計算式から求められる値をいう。
この計算式におけるTgは絶対温度(単位:°K)で
あるが、明細書中の他の部分において用いられるTgは
摂氏温度(単位:℃)である。
【0006】
【数1】 1/Tg=W(a)/Tg(a)+W(b)/Tg(b)+W(c)/Tg(c)+… ・・・ 上記の式中の記号の意味は以下の通りである。 Tg =重合体のTg(°K) W(a)=重合体における単量体(a)からなる構造単位の
重量分率 W(b)=重合体における単量体(b)からなる構造単位の
重量分率 W(c)=重合体における単量体(c)からなる構造単位の
重量分率 Tg(a)=単量体(a)の単独重合体のガラス転移温度
(°K) Tg(b)=単量体(b)の単独重合体のガラス転移温度
(°K) Tg(c)=単量体(c)の単独重合体のガラス転移温度
(°K)
【0007】○成分(A)について 本発明における成分(A)は、水溶性樹脂であって、酸
価1meq/g以上の樹脂が塩基により中和されたもの
である。成分(A)における中和前の樹脂の酸価(以
下、単に中和前樹脂の酸価という。)は、1〜5meq
/gであるものが好ましい。酸価が1meq/g未満で
ある場合には、上記成分(A)のアルカリ溶解性または
膨潤性が不足するため、粘着ラベルに十分なアルカリ剥
離性を付与することができない。一方、成分(A)の酸
価が5meq/gを超えると粘着剤層の耐水性が不足す
る場合がある。
【0008】本発明における粘着剤組成物を得る方法と
しては、それぞれ別々に製造された成分(A)および成
分(B)を混合する方法、または成分(A)の存在下に
成分(B)を製造するための乳化重合を行う方法等が挙
げられる。後者の方法は特に耐水性に優れる接着剤層が
形成できるため、好ましい方法である。
【0009】上記成分(A)を構成する単量体単位とし
ては、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位
および疎水性のラジカル重合性単量体単位が好ましい。
さらに、成分(A)は、直鎖状ランダム共重合体であっ
ても良いが、より好ましい成分(A)は、疎水性重合体
および親水性重合体の双方を枝または幹として有するグ
ラフト共重合体である。成分(A)がグラフト共重合体
である場合、グラフト共重合体中の疎水性重合体部分が
後記する成分(B)との親和性が高いので、粘着剤組成
物の液安定性が優れる。好ましいグラフト共重合体は、
その親水性重合体部分のTgが30〜130℃であり、
かつ疎水性重合体部分のTgが−20℃以下であるもの
である。かかるグラフト共重合体は、親水性の重合体骨
格を有するマクロモノマーと他のラジカル重合性単量体
を共重合させるか、または疎水性重合体骨格を有するマ
クロモノマーと他のラジカル重合性単量体を共重合させ
ることにより得られる。
【0010】まず、成分(A)として用いられる水溶性
直鎖状ランダム共重合体について説明する。好ましい共
重合体は、上記のとおり、α,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸単量体単位および疎水性のラジカル重合性単量
体単位からなり、かつTgが20℃以上の共重合体であ
る。
【0011】α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の具
体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、無水マレイン酸等を挙げることができ、これら単量
体の1種または2種以上を用いることができる。上記酸
価を与えるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の使用
量は、用いる不飽和カルボン酸の種類によって異なる
が、成分(A)の合成に用いられる全単量体の合計重量
を基準にして、通常3〜40重量%程度である。
【0012】上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
と共に用いる疎水性のラジカル重合性単量体としては、
水100gに対する溶解度が2g以下であるものが好ま
しく、具体的には以下の単量体が挙げられる。すなわ
ち、メタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸
n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メ
タ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オ
クチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)ア
クリル酸n−ノニルおよび(メタ)アクリル酸イソノニ
ル等の(メタ)アクリル酸アルキル、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族系単量
体、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンテン等
のオレフィン単量体等が挙げられる。これらの単量体の
使用量は、成分(A)の合成に用いられる全単量体の合
計量を基準にして、30〜97重量%が好ましい。
【0013】水溶性直鎖状ランダム共重合体を製造する
ための単量体として、上記α,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸以外の親水性ラジカル重合性単量体を0〜40
重量%併用しても良い。かかる親水性ラジカル重合性単
量体としては、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート 、ポリ
プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリル酸アミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、メタクリル酸グリシジル、スチレンスルホン酸およ
びそのナトリウム塩並びに2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩等が挙
げられる。
【0014】成分(A)として用いられる水性グラフト
共重合体を製造するためには、前記マクロモノマーを上
記単量体等と共重合すれば良い。周知のとおり、マクロ
モノマーは、得られるグラフト共重合体の枝重合体を形
成する。マクロモノマーの好ましい数平均分子量は、
1,000〜30,000であり、さらに好ましくは、
2,000〜20,000である。マクロモノマーと他
の単量体との共重合割合は、マクロモノマー10〜70
重量%および他の単量体30〜90重量%が好ましい。
【0015】マクロモノマーの具体例としては、ポリメ
タクリル酸メチル型マクロモノマー(ポリメタクリル酸
メチルの片末端にメタクリロイル基が結合したもの)、
ポリアクリル酸ブチル型マクロモノマー(ポリアクリル
酸ブチルの片末端にメタクリロイル基が結合したも
の)、およびポリアクリル酸2−エチルヘキシル型マク
ロモノマー(ポリアクリル酸2−エチルヘキシルの片末
端にメタクリロイル基が結合したもの)等が挙げられ
る。上記マクロモノマーを使用した場合には、得られる
グラフト共重合体の枝成分は疎水性重合体になるから、
幹重合体を形成すべき単量体すなわちマクロモノマーと
共重合させる単量体としては、親水性の重合体が得られ
るように選択する必要がある。
【0016】上記水溶性直鎖状ランダム共重合体または
水性グラフト共重合体からなる成分(A)は、上記単量
体を重合して得られる共重合体を塩基で中和するか、ま
たは上記α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の塩基に
よる中和物すなわち塩モノマーを前記他の単量体と共重
合させることにより製造できる。
【0017】水溶性直鎖状ランダム共重合体または水性
グラフト共重合体を製造するための重合方法としては、
溶液重合法、バルク重合法、懸濁重合法、乳化重合法お
よび沈殿重合法等が挙げられるが、溶液重合法および乳
化重合法が好ましく、また重合の開始方法としては、ラ
ジカル重合開始剤を用いる方法が重合操作の容易性、得
られる中和前共重合体における分子量調節の容易性など
の点から好ましい。
【0018】溶液重合法において好ましく使用できる有
機溶剤は、ケトン系、酢酸エステル系、芳香族炭化水素
系、脂肪族炭化水素系、アルコール系等から選択される
1種または2種以上の有機溶剤であり、さらに好ましく
は、メチルエチルケトンおよび/またはイソプロピルア
ルコールである。
【0019】また、重合開始剤としては、過硫酸塩系重
合開始剤、アゾ系重合開始剤、レドックス系重合開始剤
等を挙げることができる。重合開始剤の好ましい使用量
は、単量体の合計量を基準にして、0.1〜5重量%で
ある。
【0020】また、上記成分(A)を乳化重合法により
製造する場合には、例えば特開平6−271779号公
報に開示されているように、上記ラジカル重合性単量体
を乳化剤とともに水に混合分散して単量体エマルジョン
を作成し、適当なラジカル重合性開始剤を用いて反応器
に連続添加して重合を行うことによって上記成分Aを円
滑に得ることができる。
【0021】重合温度としては、60〜100℃が好ま
しい。また、好ましい重合時間は3〜10時間である。
上記重合によって得られる成分(A)の好ましい数平均
分子量は、1,000〜50,000である。得られる重
合体の数平均分子量が1,000未満であると 、粘着
ラベルとそれを接着させる成形体の間の接着剤層の耐水
性が不足しやすくなる。一方、数平均分子量が50,0
00を超えると、得られる重合体が高粘度となり過ぎ
て、該重合体からなる粘着剤から得られる乾燥皮膜を6
0℃以上に加熱したとき、皮膜における該重合体からな
る連続相の粒子への転換が円滑に行われ難い。
【0022】成分(A)の製造のために使用する塩基と
しては、アンモニア、アルキルアミン、アリルアミンお
よびアルカノールアミン等のアミン類、水酸化ナトリウ
ムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水
酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウム等のアルカリ
土類金属水酸化物等が挙げられる。好ましい塩基は、ア
ンモニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、イソプロピルアミン等の沸点110℃以下の塩基で
あり、特に好ましくはアンモニアである。アンモニアを
中和用の塩基として用いる場合、塗工後の乾燥工程にお
いて接着剤層から塩基が除去されやすいので、特に耐水
性に優れた接着剤層を得ることができる。本発明におけ
る成分(A)は、必ずしも完全に中和されていなくても
よいが、それ自身が水溶性となる程度には中和されてい
る必要がある。具体的には、未中和の重合体における酸
性基の30モル%以上が中和されていることが好まし
く、50モル%以上が中和されていることがより好まし
い。
【0023】また、上記成分(A)としては、ロジン誘
導体を使用することもでき、例えばロジンまたは水素添
加ロジンを無水マレイン酸または無水フタル酸等の二塩
基酸無水物で変性した樹脂を塩基で中和して得られる樹
脂を使用できる。有機酸変性ロジンとしては、ハリマ化
成株式会社製の商品名ハリマックT−80または理化ハ
ーキュレス株式会社製の商品名ペンタリン255等の市
販品を使用することもできる。
【0024】○成分(B)について 本発明における成分(B)は、ラジカル重合性単量体を
乳化重合させて得られ、酸価が0.6meq/g以下
で、かつTgが−20℃以下の重合体であり、本発明に
おける粘着剤組成物に、粘着力を付与する役割を果たし
ている。
【0025】成分(B)の好ましい酸価は、0.1me
q/g以下であり、さらに好ましくは、0.03meq
/g以下である。酸価が0.6meq/gを超える重合
体からなる成分(B)は、接着剤層が耐水性の不足した
ものとなるため、使用するべきではない。また、成分
(B)のTgは、−50℃以下であることが好ましい。
Tgが−20℃を超える重合体では、接着剤層の粘着力
が不十分となるとともに、例えば接着剤層をアルカリ水
に浸漬した際にこのアルカリ水が接着剤層中に浸透しに
くいため、接着剤層のアルカリ剥離性が低下することが
ある。
【0026】成分(B)は、ラジカル重合性単量体の乳
化重合により得られ、用いる単量体は、得られる重合体
の酸価およびTgが上記条件を満たすよう選択する必要
がある。成分(B)の製造のために使用し得る単量体と
しては、エチレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプ
レン、イソブチレン等の共役ビニル単量体、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、ラウリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニ
ルエステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−
ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アク
リル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチ
ル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル
酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)ア
クリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン
等の芳香族ビニル単量体、(メタ)アクリル酸、クロト
ン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等
の不飽和カルボン酸、イタコン酸モノエチルエステル、
フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチルエ
ステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステ
ル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、ポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビ
ニル単量体、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、メタクリ
ル酸グリシジル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げ
られ、これらは2種以上併用することが好ましい。
【0027】成分(B)の具備すべき物性は、粘着性で
あるので、成分(B)を構成する単量体単位は、一般的
に粘着剤として使用される重合体のものと大差はない。
従って、従来の粘着剤用の重合体の構成を参考にして、
上記単量体の中から所望の単量体を選択すれば良い。好
ましい単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸アル
キルエステルを主体とする単量体混合物、エチレンおよ
びビニルエステルを主体とする単量体混合物、ならびに
共役ビニル単量体を主体とする単量体混合物等が挙げら
れる。
【0028】上記成分(B)を得る方法の一例として、
従来公知の界面活性剤を乳化剤とする通常の乳化重合法
が挙げられる。ここで使用する界面活性剤としては、高
級アルコール硫酸エステルナトリウム塩、アルキルベン
ゼンスルホンナトリウム酸塩、コハク酸ジアルキルエス
テルスルホン酸ナトリウム塩およびアルキルジフェニル
エーテルジスルホンナトリウム酸等の陰イオン界面活性
剤、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルおよび
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重
合体等の非イオン性界面活性剤を挙げることができる。
【0029】また、成分(B)を得るための前記単量体
の乳化重合に際して、前記成分(A)を乳化剤として使
用しても良い。そうすることによれば、本発明において
使用する粘着剤組成物が、成分(B)を得るのと同時に
得られる。さらに、上記の重合において、乳化重合にお
ける乳化剤として一般的に使用される前述の界面活性剤
を、成分(A)と併用することもできる。成分(A)を
乳化剤として用いる乳化重合により、成分(B)を得る
方法によって得られる粘着剤組成物は、耐水性に優れる
接着剤層を形成するため好ましいものである。
【0030】成分(B)を得るための乳化重合に使用し
得る重合開始剤としては、前記成分(A)を得るための
ラジカル重合開始剤として例示した化合物が使用でき
る。重合開始剤の好ましい使用量は、単量体の合計量を
基準にして、0.1〜5重量%である。
【0031】○粘着剤組成物について 本発明において使用する粘着剤組成物は、上記成分
(A)および成分(B)からなる水性エマルジョンであ
り、成分(A)および成分(B)を単に混合しても得ら
れるし、また成分(A)の存在下に、成分(B)を得る
ための単量体の乳化重合をすることによっても得ること
ができる。粘着剤組成物における好ましい固形分濃度
は、30〜70重量%である。
【0032】上記成分(A)および成分(B)の好まし
い割合は、重量比で成分(A)/成分(B)=5/95
〜50/50であり、さらに好ましくは、成分(A)/
成分(B)=10/90〜40/60である。成分
(A)と成分(B)との合計重量に対して、成分(A)
の割合が5重量%未満であると、接着剤層のアルカリ剥
離性が不十分となる場合があり、一方成分(A)の割合
が50重量%を超えると、接着剤層の耐水性が低下し易
い。
【0033】本発明における粘着剤組成物は、成分
(B)に由来する重合体微粒子の外側を成分(A)が取
り囲んだ状態の微粒子が水性媒体中に分散してなる水性
エマルジョンであり、該エマルジョンを基材フイルム等
の上に塗布することにより得られる水分を含んだ薄膜を
60℃未満で乾燥すると、上記成分(B)からなる粒子
が上記成分(A)からなる連続相中に分散した二相構造
からなる皮膜(1)が得られ、次いで該皮膜を60℃以
上に加熱することにより、上記二相構造における成分
(A)と成分(B)の形態が逆転して、成分(A)から
なる粒子が成分(B)からなる連続相中に分散してなる
粘着性皮膜(2)に転換するという性質を有するもので
ある。
【0034】本発明においては、上記皮膜(1)の表面
粘着力(JIS Z 0237に規定する180度ひき
はがし法により温度25℃で測定したもの)が10g/
25mm以下であり、かつ皮膜(2)の上記測定方法に
よる表面粘着力が100g/25mm以上である粘着剤
組成物を用いることが好ましい。低温の乾燥によって得
られる皮膜(1)の表面粘着力が10g/25mm以下
であると、粘着力が極めて弱いために、常温では殆ど粘
着性を示さない。従って、かかる性質を有する粘着剤か
ら得られる粘着ラベルにおいては、粘着剤面に剥離紙を
貼る等の処理を省略することができる。
【0035】本発明における粘着剤組成物のかかる熱的
性質は、前記構成の成分(A)および成分(B)を採用
することにより発現されるものであるが、成分(A)お
よび成分(B)からなる水性樹脂組成物に、上記のよう
な熱的性質があることは従来知られていなかった。本発
明者らは、該組成物からなる樹脂皮膜について、常温下
で乾燥させて得た皮膜では粘着性が無く、一方60℃よ
り高い温度で乾燥させて得た皮膜には粘着性が発現する
という性質があることを発見し、さらにそれらの皮膜に
おける各成分のミクロ相分離の形態を電子顕微鏡によっ
て確認したのである。
【0036】かかる粘着剤が塗布されたラベルをビール
瓶、プラスチックボトル等の物品に貼り付けた場合、接
着剤層における各成分は、成分(A)の粒子が成分
(B)の連続相中に分散した形態で存在している。接着
剤層がかかる形態であるために、接着剤層の耐水性およ
び粘着力が優れているものと理解される。他方、上記接
着剤層が従来の粘着剤から得られる接着剤層と比較し
て、アルカリ剥離性が優れていることに関しては、理由
は定かではない。
【0037】本発明における粘着剤組成物には、必要に
応じて、一般的な粘着剤に通常使用される消泡剤、界面
活性剤、防カビ剤、香料、粘着付与剤、増粘剤、レベリ
ング調整剤、凍結防止剤、発泡剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、充てん剤、顔料、蛍光増白剤、抗ブロッキング
剤、難燃剤、架橋剤、可塑剤、滑剤および有機溶剤等を
添加してもよい。
【0038】上記粘着剤組成物を塗布するラベル用の基
材は、特に制限されず、例えば、布、紙、皮革、木材、
金属、ガラス、各種プラスチックなどからなるフィルム
やシート、板、発泡プラスチックシート等などを挙げる
ことができる。上記プラスチックからなる基材として
は、ポリエステル、ポリアミド、塩化ビニル系重合体、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタンなどから
なる基材を挙げることができる。また、基材の形状は、
長尺体、所定の寸法に切断したもの(例えば方形、円
形、楕円形、その他の形状にあらかじめ切断したもの)
などのいずれであってもよい。
【0039】塗布方法としては、ロールコーター塗布、
スプレー塗布、流延塗布、ドクターブレード塗布、ハケ
塗り等の任意の方法を用いて行えばよい。塗布の後、通
常は60℃未満で粘着剤層を乾燥させるが、目的に応じ
て60℃以上で乾燥させることもできる。60℃未満の
乾燥により得られる粘着剤皮膜は、手で触れても殆ど粘
着性を感じない程度に低粘着性または非粘着性である。
60℃以上の乾燥により得られる粘着剤皮膜は、乾燥後
粘着性を有するので、製品化する場合には通常剥離紙が
必要となる。
【0040】本発明においては、乾燥を60℃未満で行
った場合には上記低粘着性あるいは非粘着性の粘着剤層
を有するラベルを一旦60〜140℃程度に加熱した
後、被着体となる物品に接着させることにより、本発明
のラベル付き物品を得ることができる。乾燥を60℃以
上で行い、乾燥後の粘着剤層が充分に接着力の大きいも
のとなっている場合には、上記の乾燥後の60〜140
℃程度の加熱処理を省略することもできる。
【0041】ラベルを貼る対象となる物品としては、例
えばビール瓶、プラスチック、紙または金属製のボト
ル、家電製品およびその部品、窓ガラス、アルミサッシ
および板等の建築資材、ダンボール箱、ポリ袋および包
装紙等の包装材料、自動車ボディーおよび内装材等が挙
げられる。
【0042】上記方法によって得られるラベル付き物品
においては、ラベルと物品は強い接着力で接合されてお
り、しかもラベルを剥離したいときは、接着剤層をアル
カリ水溶液と接触させることにより容易にラベルを剥離
することができる。このように物品からラベルが容易に
剥離できれば、例えばビール瓶等における回収、洗浄、
再使用のサイクルのコストが低減できるために、資源浪
費型の金属缶よりも、地球環境を護るために好適なガラ
ス瓶の使用割合を高めることができる。
【0043】洗浄水としてのアルカリ水溶液としては、
例えば2〜3重量%程度の水酸化ナトリウム水溶液等が
挙げられ、効率的な洗浄の目的でそれを温度40〜80
℃に加温して用いることが好ましい。
【0044】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
更に具体的に説明する。なお、以下の各例において、
「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重
量%」を示す。また、以下において使用する略号の内容
は下記表1のとおりである。また、各単量体の単独重合
体のTg値についても表1に併記した。
【0045】
【表1】 略号 : 化 合 物 Tg(℃) MMA :メタクリル酸メチル 105 HEMA :メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 55 MAA :メタクリル酸 130 AA :アクリル酸 105 HA :アクリル酸2−エチルヘキシル − 85 BA :アクリル酸ブチル − 54 ST :スチレン 100 EL :エチレン −125 VAC :酢酸ビニル 30 HEA :アクリル酸2−ヒドロキシエチル − 15 AIBN :2,2’−アゾビスイソブチロニトリル APS :過硫酸アンモニウム DM :ドデシルメルカプタン TGO :チオグリコール酸オクチル
【0046】粘着剤組成物の合成例 ○成分(A)の合成 (合成例1)単量体としてのMMA80部、ST10部
およびAA10部、連鎖移動剤としてのDM3.5部、
有機溶媒としてのメチルエチルケトン100部からなる
混合液に、重合開始剤としてのAIBNを1.5部溶解
したものを、撹拌機、コンデンサ、温度計および窒素導
入管を備えたフラスコに仕込み、窒素雰囲気下において
80℃に4時間加熱して重合させた。その後、更に0.
5部のAIBNを投入して同温度に5時間加熱し、固形
分含量50%の共重合体(酸価1.4meq/g)のメ
チルエチルケトン溶液を得た。得られた共重合体のメチ
ルエチルケトン溶液200部に、攪拌下においてアンモ
ニア水を徐々に加えることにより、この共重合体におけ
るカルボキシル基の中和を行って反応液のpHを7〜8
程度とした。その後、温度50℃の減圧下でメチルエチ
ルケトンを除去し、カルボキシル基の中和された成分
(A1)の水溶液(固形分含量約50%)を得た。
【0047】(合成例2)下記表2に記載の単量体組成
を使用した以外は、上記合成例1と同様の方法により、
成分(A2)を合成した。尚、合成例2で用いたAB−
6は、片末端メタクリロイル化ポリアクリル酸ブチルマ
クロモノマー(東亞合成株式会社製、商品名マクロモノ
マーAB−6、数平均分子量6,000)である。ま
た、得られた成分(A2)は、MMA−AA共重合体か
らなる親水性の主鎖と、ポリアクリル酸ブチルからなる
疎水性の側鎖とを有するグラフト共重合体である。
【0048】
【表2】
【0049】(合成例3)本発明における成分(A)に
相当する成分(A3)を、以下に記載の乳化重合法によ
り合成した。単量体としてのMMA90部およびAA1
0部に、連鎖移動剤として3部のTGOを混合して単量
体混合物とした。この単量体混合物100部に、重合用
乳化剤としてのラウリル硫酸ナトリウム0.1部および
脱イオン水50部を加え、撹拌により乳化させて単量体
乳化物を調整した。撹拌機、コンデンサ、温度計および
窒素導入管を備えたフラスコに脱イオン水30部を仕込
み、窒素雰囲気下において反応器内を70℃に保ちなが
らAPS水溶液(APS2部および脱イオン水6部から
なる)8部および上記単量体乳化物150部を3時間か
けて滴下した。滴下終了から更に2時間同温度を維持し
た後、反応系を冷却して重合を終了させ、固形分含量5
0%の水性重合体エマルジョンを得た。得られた重合体
の酸価は1.4meq/gであった。上記エマルジョン
を撹拌しながらアンモニア水を徐々に加えることによ
り、上記重合体(A3)におけるカルボキシル基の中和
を行って反応液のpHを7〜8程度とし、成分(A3)
の水溶液(固形分含量約50%)を得た。
【0050】(合成例4)無水マレイン酸とイソブチレ
ンとのブロック共重合体((株)クラレ製、商品名イソ
バン600、分子量6,000、酸価6.5meq/
g)をアンモニア水で中和して、成分(A4)の水溶液
(固形分含量約50%)を得た。
【0051】○成分(B)の合成 (合成例5)この合成例5においては、通常の乳化重合
法によりアクリル系単量体を重合させることにより、成
分(B1)を合成した。BA99部およびHEMA1部
を混合して単量体混合物とした。撹拌機、コンデンサ、
温度計および窒素導入管を備えたフラスコに、脱イオン
水70部およびラウリル硫酸ナトリウム0.2部を仕込
み、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、t−ブチルハ
イドロパーオキサイドの10%水溶液5部、ホルムアル
デヒドナトリウムスルホキシラート二水塩(製鉄化学株
式会社製、商品名ロンガリットC、以下、単にロンガリ
ットという。)の10%水溶液5部、および上記単量体
混合物80部を3時間かけて滴下した。滴下終了から更
に2時間同温度を維持した後、反応系を冷却して重合を
終了させ、アンモニア水により中和してpHを7〜8と
し、固形分含量約50%の水性重合体エマルジョンを得
た。
【0052】(合成例6)合成例6においては、以下の
方法により、エチレン−ビニルエステル系単量体の乳化
重合物である成分(B2)を合成した。撹拌機を備えた
温度調節可能な加圧反応器(オートクレーブ)の内部を
予め窒素置換し、脱イオン水60部、ラウリル硫酸ナト
リウム0.2部、ヒドロキシエチルセルロース0.5
部、酢酸ナトリウム0.06部およびロンガリット0.
6部を仕込んだ。反応器内を55℃に昇温してELを加
え、圧力を60kg/cm2 に調整した後、VAC20
部およびHA60部からなる単量体混合物と、APSの
10%水溶液40部とを5時間かけて滴下した。滴下終
了から更に2時間同温度を維持した後、反応系を冷却し
て重合を終了させ、アンモニア水により中和してpHを
7〜8とし、共重合体(B2)からなるエマルジョンを
得た。このエマルジョンの固形分量は50%であり、ま
た共重合体(B2)の単量体組成は、下記表3のとおり
である。
【0053】
【表3】
【0054】○粘着剤組成物の製造 (実施例1)BA99部およびHEMA1部を混合して
単量体混合物とした。撹拌機、コンデンサ、温度計およ
び窒素導入管を備えたフラスコに、脱イオン水70部お
よび合成例1で得た成分(A1)の水溶液40部(固形
分量20部)を仕込み、窒素雰囲気下で60℃に昇温し
た後、t−ブチルハイドロパーオキサイドの10%水溶
液5部、ロンガリットの10%水溶液5部、および上記
単量体混合物80部を3時間かけて滴下した。滴下終了
から更に2時間同温度を維持した後、反応系を冷却して
重合を終了させ、アンモニア水により中和してpHを7
〜8とし、固形分含量約50%の水性重合体エマルジョ
ンからなる粘着剤組成物を得た。
【0055】(実施例2〜4)上記実施例1で用いた成
分(A1)に代えて、下記表4に示す成分(A)を用い
た以外、実施例1と同様の方法により固形分含量約50
%の水性重合体エマルジョンを得た。また、実施例4に
おいては、成分(B)のHEMAに替えてMMAを使用
した。
【0056】
【表4】
【0057】(実施例5〜6)前記合成例により得られ
た成分(A)および成分(B)を下記表5に示す固形分
比で混合して、固形分含量約50%の水性エマルジョン
型の粘着剤組成物を合成した。
【0058】
【表5】
【0059】(比較例1)合成例5において採用した乳
化重合と同様な方法により、BAおよびMAAを共重合
させてBA/MAA=99/1の単量体組成の共重合体
を得た。該共重合体を粘着剤として用いた。上記共重合
体のTgは−53℃で、酸価は0.12meq/gであっ
た。
【0060】(比較例2)合成例5において採用した乳
化重合と同様な方法により、BAおよびMAAを共重合
させてBA/MAA=90/10の単量体組成の共重合
体を得た。該共重合体を粘着剤として用いた。上記共重
合体のTgは−44℃で、酸価は1.16meq/gであ
った。
【0061】(比較例3)市販のエチレン系水性エマル
ジョン(住友化学工業(株)製、商品名スミカフレック
スEVA−921、固形分量60重量%、Tgは−40
℃)を粘着剤として使用した。
【0062】○粘着剤組成物の評価 上記実施例1〜6および比較例1〜3により得られた粘
着剤組成物を用いた粘着シートを、以下の方法によって
下記物品に張り付けた。得られた物品について、下記の
物性を測定し、その結果を表6に示した。 (1)粘着シートの粘着力 ラベル用コート紙を基材として、これに乾燥後の塗膜の
厚みが20μm〜30μmとなるように粘着剤組成物を
塗布し、40℃で5分間乾燥して粘着シートを作成し
た。この粘着シートを幅25mm長さ約250mmに裁
断した試験片(以下、加熱処理前試験片という。)、お
よび、この加熱処理前試験片に対して140℃で2分間
の加熱処理を行った後に温度23℃湿度65%の雰囲気
下に24時間放置した試験片(以下、加熱処理済試験片
という。)について、JIS Z0237に規定する1
80度ひきはがし法に準じて粘着力を測定した。即ち、
温度23℃、湿度65%の条件下において、試験板とし
た物品である研磨したステンレス板に上記試験片を貼
り、2Kgのゴムローラーを一往復して圧着した。圧着
から30分後に、300mm/minの引張速度で、試
験板に対する180度ひきはがし粘着力を測定した。測
定結果は以下の4段階で示した。 A:500g/25mm以上 B:100g/25mm以上、500g/25mm未満 C:10g/25mmを超えて100g/25mm未満 D:10g/25mm以下
【0063】(2)耐水性 上記粘着力試験と同様に作成した粘着シートを幅80m
m長さ約100mmに裁断し、これに140℃で2分間
の加熱処理を行ったものを試験片(加熱処理済試験片)
とした。この試験片に物品であるビール瓶の側面に貼
り、2Kgのゴムローラーを一往復して圧着した。圧着
から2日後に10℃の水中に浸漬し、試験片の剥離状態
を観察した。測定結果は下記の3段階で示した。この試
験において「剥がれ」とは、試験片の少なくとも一部が
物品であるビール瓶から剥離した状態をいう。 〇:60時間後においても剥がれなし △:20時間以上60時間未満で剥がれ発生 ×:20時間未満で剥がれ発生
【0064】(3)アルカリ剥離性 上記耐水性試験と同様の方法により同形状に作成した試
験片(加熱処理済試験片)に物品であるビール瓶の側面
に貼り、2Kgのゴムローラーを一往復して圧着した。
圧着から2日後に、70℃の3wt%水酸化ナトリウム
水溶液に浸漬し、試験片の剥離状態を観察した。測定結
果は下記の3段階で示した。 〇:2分未満で試験片が剥落 △:2分以上6分未満で試験片が剥落 ×:6分後においても試験片が剥落せず
【0065】
【表6】
【0066】
【発明の効果】本発明によって得られるラベル付き物品
は、アルカリ水溶液による洗浄によって容易にラベルを
剥がすことができるとともに、ラベルと物品の間の接着
力が強く、かつ接着剤層の耐水性に優れるものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA02 AA06 AA07 AA09 AA10 AB01 AB03 CA02 CA04 CA05 CA06 CA07 CA08 CB01 CB02 CB04 CC02 CC08 FA01 FA06 GA01 4J040 CA041 CA091 CA141 DA031 DA111 DA112 DA131 DA132 DB041 DB042 DB071 DB072 DC02 DC07 DD021 DE001 DF011 DF012 DF041 DF042 DF051 DF052 DF061 DF071 DF09 DG001 DG002 DG011 DG021 DG022 DL001 DL002 FA231 FA232 GA05 GA07 GA11 JA03 JA06 JA07 JA09 JB09 LA06 LA08 PA42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記粘着剤組成物からなる粘着剤層を有
    する感熱粘着ラベルを、物品に接着させることを特徴と
    するラベル付き物品の製造方法。 粘着剤組成物:(A)酸価1meq/g以上の樹脂が塩
    基により中和された水溶性樹脂および(B)ラジカル重
    合性単量体の乳化重合により得られ、酸価が0.6meq
    /g以下であり、かつガラス転移温度が−20℃以下で
    ある重合体からなる水性エマルジョン型組成物であっ
    て、該組成物から得られる含水皮膜を60℃未満で乾燥
    することにより、上記成分(B)からなる粒子が上記成
    分(A)からなる連続相中に分散した二相構造からなる
    皮膜(1)が得られ、次いで該皮膜を60℃以上に加熱
    することにより、上記二相構造における成分(A)と成
    分(B)の形態が逆転して、成分Aの粒子が成分Bの連
    続相中に分散してなる粘着性皮膜(2)に転換する粘着
    剤組成物。
  2. 【請求項2】 皮膜(1)の表面粘着力(JIS Z
    0237に規定する180度ひきはがし法により温度2
    5℃で測定したもの)が10g/25mm以下であり、
    かつ皮膜(2)の上記測定方法による表面粘着力が10
    0g/25mm以上である粘着剤組成物を用いる請求項
    1記載のラベル付き物品の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記成分(A)における中和前の樹脂
    が、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸単量体単位お
    よび疎水性のラジカル重合性単量体単位からなる共重合
    体である請求項1または2記載のラベル付き物品の製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016000830A (ja) * 2015-09-18 2016-01-07 デンカ株式会社 仮固定用接着剤組成物、それを用いた構造体及び部材の仮固定方法
JP7074973B1 (ja) 2021-11-30 2022-05-25 東洋インキScホールディングス株式会社 積層体からの基材の分離回収方法

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