JP2000169616A - フェノ―ル系樹脂発泡性組成物及び該組成物を用いた発泡体の製造方法 - Google Patents

フェノ―ル系樹脂発泡性組成物及び該組成物を用いた発泡体の製造方法

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JP2000169616A
JP2000169616A JP37772798A JP37772798A JP2000169616A JP 2000169616 A JP2000169616 A JP 2000169616A JP 37772798 A JP37772798 A JP 37772798A JP 37772798 A JP37772798 A JP 37772798A JP 2000169616 A JP2000169616 A JP 2000169616A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ホルムアルデヒドとフェノール及びメタ
クレゾールとの共縮合物から成り、ホルムアルデヒドに
対するフェノールとメタクレゾールとの合計モル比が
1:1.30〜1:2.50、メタクレゾールとフェノ
ールのモル比率が1:1.5〜1:8.0、135℃の
ゲル化時間が180〜420秒であるフェノール系樹脂
100重量部に対して、標準大気圧下における沸点が5
0〜120℃の非ハロゲン化炭化水素を2〜30重量部
含有することを特徴とするメタクレゾール変性フェノー
ル系樹脂発泡性組成物、及び該組成物を用いた発泡体の
製造方法。 【効果】 非ハロゲン化炭化水素を発泡剤として使用し
て、生産性を低下させることなく、耐吸水性、耐脆性、
機械的強度、各種面材との接着性などに優れたフェノー
ル系樹脂発泡体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱材として建築
その他各種産業分野に用いられるフェノール系樹脂発泡
体の製造に適したフェノール系樹脂発泡性組成物に関す
るもので、より詳しくは、金属パネル、金属サイディン
グなど、表面及び裏面に鉄、ステンレス、アルミ、亜鉛
などの金属板材を面材として使用した発泡体パネル、ま
たはこれら金属板を補強材として使用したフェノール系
樹脂発泡体を製造する場合に、生産性を低下させること
なく、耐吸水性、耐脆性、機械的強度、各種面材との接
着性などに優れたフェノール系樹脂発泡体を製造し得る
組成物及び発泡体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール系樹脂発泡体は、数多くの有
機樹脂発泡体の中でも、特に耐熱性、低発煙性、寸法安
定性、耐溶剤性、加工性に優れているため、耐火、防火
軽量断熱材として、建築分野では、間仕切りパネル、ク
リーンルーム用パネルなどの内壁材、金属サイディング
などの外壁材、天井材、屋根下地材、床下断熱材、防火
扉などに使用され、プラント分野では、メタン、プロパ
ン、ブタンなどの貯蔵タンク、重油タンク、パイプ配管
などの保冷保温用、冷凍冷蔵倉庫などの保冷材などに代
表的な用途として使用されている。
【0003】しかしながら、フェノール系樹脂発泡体製
造時に硬化剤として使用する、パラトルエンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、硫酸などの強酸が、遊離の酸
としてフェノール系樹脂発泡体に残存し、この残存する
遊離酸と接触する鉄板やアルミ板などの金属を腐食させ
たり、フェノール系樹脂発泡体を形成しているセル膜が
ウレタンフォーム、ポリスチレンフォームなどに比較し
て脆くなり、そのため高吸水性になりやすく機械的強度
などが低下する欠点がある。
【0004】これらの問題点を解決するためにフェノー
ル樹脂、酸性硬化剤、発泡剤及び整泡剤からなるフェノ
ール系樹脂発泡性組成物に、中和剤として、酸化亜鉛、
酸化アルミニウムなどの金属酸化物や亜鉛、アルミニウ
ム、マグネシウムなどの金属粉末を配合する方法が試み
られている。また、特公平3−29254号公報には酸
性硬化剤として、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒ
ド縮合物をレゾール型フェノール系樹脂に混合するなど
の方法が記載されている。しかし、酸化亜鉛や酸化アル
ミニウムなどの金属酸化物や亜鉛、アルミニウム、マグ
ネシウムなどの金属粉末を配合する方法では、前記、金
属酸化物や金属粉末などがフェノール樹脂と均一に混合
することが難しいため、沈殿、凝集などを起こしやす
く、フェノール系樹脂の粘度を増粘させたり、発泡注入
機の配管を詰まらせたりする可能性がある。また発泡工
程以前に酸性硬化剤と反応するため、フォームを形成す
るセルの不均一、吸水性、熱伝導率、強度などの物性低
下をきたすため、品質の不安定なフェノール系樹脂発泡
体しか得られない。また、金属粉末においてはレゾール
型フェノール樹脂中に溶解することなく分散しているた
め、中和剤周辺部のみしか中和されず、フェノール系樹
脂発泡体に残留する遊離酸を十分に中和し難い。そのた
め、耐腐食性を解決するのには不十分である。
【0005】特公平3−29254号公報の、レゾール
型フェノール系樹脂、発泡剤、整泡剤及び酸性硬化剤を
混合してフェノール系樹脂発泡体を製造するにあたり、
酸性硬化剤としてナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒ
ド縮合物を使用する方法は、耐吸水性を向上させる効果
はあるが、経日的に粘度が上昇しやすく高粘度になるこ
とから、レゾール型フェノール樹脂との混合が不均一に
なり、フォームが均一に硬化されない。そのため部分的
に硬化阻害を起こし、フォームを形成するセル膜が破壊
されて経日的に吸水性の悪化をもたらしたり、機械的強
度が低下する。また鉄、ステンレス、アルミ、亜鉛など
の金属板材、無機質板などの各種面材との接着を阻害し
やすく、常に品質の安定したフェノール系樹脂発泡体を
製造しにくい問題がある。従って、金属粉末のような中
和剤や経日的に粘度変化の大きい硬化剤などを用いるこ
となく、生産性を低下させずに、経日的に安定した耐吸
水性、耐脆性、強度、接着性を有し、かつ、金属に対し
て腐食のないフェノール系樹脂発泡体の開発が強く求め
られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フェノール
系樹脂発泡体製造における斯かる問題点に鑑み、金属粉
末などの中和剤や高粘度で経日的な安定性に欠ける酸性
硬化剤、更には、オゾン層破壊や地球温暖化を助長する
フッ素系ハロゲン化炭化水素や変異原生物質に指定され
発癌性が懸念される塩化メチレン等のハロゲン化炭化水
素類を用いることなく、吸水性、脆性、強度及び低接着
性などを大幅に改良したフェノール系樹脂発泡体を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、フェノール系樹脂
発泡体の主成分としてメタクレゾールを特定量共縮合さ
せた特定反応モル比のフェノール系樹脂を用い、当該樹
脂の数平均分子量、水分率、粘度などの使用範囲をさら
に限定し、発泡剤として、特定沸点の非ハロゲン化炭化
水素を配合することにより酸性硬化剤量を低減しても、
生産性を低下させることなく短時間で発泡硬化させるこ
とができ、なおかつ鉄、ステンレス、アルミ、亜鉛等の
金属板材、無機質板、紙などの各種面材との接着性にも
優れ、低脆性で耐久性に優れたフェノール系樹脂発泡体
が製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、ホルムアルデヒドとフェ
ノール及びメタクレゾールとの共縮合物から成り、ホル
ムアルデヒドに対するフェノールとメタクレゾールとの
合計モル比が1:1.30〜1:2.50、メタクレゾ
ールとフェノールのモル比率が1:1.5〜1:8.
0、135℃のゲル化時間が180〜420秒であるフ
ェノール系樹脂100重量部に対して、標準大気圧下に
おける沸点が50〜120℃の非ハロゲン化炭化水素を
2〜30重量部含有することを特徴とするメタクレゾー
ル変性フェノール系樹脂発泡性組成物である。更に本発
明は、上記メタクレゾール変性フェノール系樹脂発泡性
組成物を30〜50℃の範囲に加温し混合吐出させ、吐
出後に加熱、発泡硬化させることを特徴とするフェノー
ル系樹脂発泡体の製造方法に関するものである。
【0009】本発明におけるフェノール系樹脂として
は、ホルムアルデヒドとフェノール及びメタクレゾール
との共縮合物から成り、メタクレゾールとフェノールの
モル比率が1:1.5〜1:8.0、好ましくは1:
2.0〜1:7.0の割合で混合して得られる、メタク
レゾール変性フェノール樹脂が用いられ、特に、数平均
分子量が200〜400、好ましくは250〜350、
水分率が5.0〜10.0%好ましくは6.0〜9.0
%、40℃における粘度が3,000〜100,000
mPa・s、好ましくは5,000〜80,000mPa・
s、135℃のゲル化時間が180〜420秒、好まし
くは210〜360秒のレゾール型フェノール樹脂を使
用することが望ましい。
【0010】発明の作用機構(効果を発揮するメカニズ
ム)本発明における発泡性樹脂組成物が優れた効果を発
揮する理由は下記のごとく推測される。即ち、メタクレ
ゾールはフェノールに比べ、メタ位置がメチル基で置換
されているため、オルト及びパラ位の電子密度が高くな
り活性化されて、オルト及びパラ位におけるホルムアル
デヒドとの架橋重合反応が促進され速硬化になっている
こと、また、発泡性樹脂組成物に高沸点発泡剤を用い
て、吐出時の組成物温度を高くすることにより、少ない
酸性硬化剤量でメタクレゾール変性フェノール樹脂との
架橋密度を高めていることなどが、生産性や各種面材と
の接着性を低下することなく、発泡体中に残存する遊離
酸を少なくし、かつセルの劣化や破壊を防止して耐吸水
性、耐脆性、強度、耐腐食性などの性能を向上せしめる
ものと推測される。
【0011】酸性硬化剤として、フェノールスルホン酸
とo−クレゾール−4−スルホン酸の混合物を使用する
と、フェノールスルホン酸はフェノール系樹脂の架橋密
度を高め、得られる発泡体の機械的強度、寸法安定性な
どを向上させ、o−クレゾール−4−スルホン酸は、発
泡体内部の急激な温度上昇を緩和させ、セルの劣化や破
壊を防止する作用があると同時に、発泡体に可撓性を与
え、耐脆性を向上させ且つ耐吸水性を改善する効果があ
る。
【0012】フェノールスルホン酸とo−クレゾール−
4−スルホン酸の混合比率は、重量比で9:1〜1:
9、好ましくは8:2〜2:8である。フェノールスル
ホン酸の混合比率が9より多いと、発泡硬化速度が速く
なり過ぎて、不均一な硬化、ボイドの発生、セルの荒れ
や破壊を起こしやすく、良好な外観を有する発泡体が得
られず、耐脆性が悪化して耐吸水性、機械的強度などが
大幅に低下する。o−クレゾール−4−スルホン酸の混
合比率が9より多いと、速い生産速度に追随し得るため
の発泡速度と硬化速度のバランスが調整できず、硬化不
足、収縮などを起こし、脆弱なセルしかえられない。そ
のため、各種面材との接着性、寸法安定性、耐吸水性、
耐脆性、機械的強度が低下する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のフェノール系樹脂発泡体
は、メタクレゾール変性フェノール系樹脂に発泡剤、整
泡剤、難燃剤及び減粘剤、充填材、ホルムアルデヒド捕
捉剤などからなる発泡樹脂組成物に酸性硬化剤を配合し
て製造する。メタクレゾール変性フェノール系樹脂は、
ホルムアルデヒドとフェノール及びメタクレゾールとの
共縮合物から成り、かつメタクレゾールとフェノールを
モル比率で1:1.5〜1:8.0、好ましくは1:
2.0〜1:7.0の割合で混合した混合フェノール1
モルに対し、ホルムアルデヒド1.3〜2.5モルをア
ルカリ金属の酸化物、又は水酸化物、アミン類、アンモ
ニア等のアルカリ性触媒の単独又は混合物の存在下に、
20〜150℃、好ましくは40〜135℃で30分〜
6時間反応させた後、必要に応じて該触媒を硫酸、乳
酸、蟻酸、パラトルエンスルホン酸等の無機酸、有機酸
類などで中和し、減圧下で脱水濃縮して得られる40℃
の粘度が3,000〜100,000mPa・s、好まし
くは5,000〜80,000mPa・s、数平均分子量
が200〜400、好ましくは250〜350、水分率
が5.0〜10.0%、好ましくは6.0〜9.0%の
ものが好適である。
【0014】本発明におけるメタクレゾールは純品でも
良いが、経済的にはメタクレゾール60〜65%、パラ
クレゾール30〜35%、オルソクレゾール0.1〜
0.5%、2,6−キシレノール2.0〜3.0%、オ
ルソエチルフェノール0.1〜0.5%、2,4/2,
5−キシレノール2.5〜4.5%を含有するメタクレ
ゾール酸を使用することが好ましい。また、ホルムアル
デヒドとしては、ホルマリンあるいはパラホルムアルデ
ヒドのいずれも使用でき、これらの一部をアセトアルデ
ヒド、グリオキザール等のアルデヒド類で置換しても良
い。メタクレゾール変性フェノール系樹脂と発泡剤、整
泡剤、難燃剤及び減粘剤、充填材、着色剤、ホルムアル
デヒド捕捉剤などを混合して得られる発泡性樹脂組成物
の40℃における粘度は1,000〜10,000mPa
・s、好ましくは2,000〜8,000mPa・sであ
る。また、亜鉛、鉛、マグネシウム、カルシウムなどの
二価金属の酸化物、水酸化物又は酢酸塩を触媒として製
造されるベンジリックエーテル型フェノール樹脂との混
合樹脂も使用できる。
【0015】本発明で使用される発泡剤としては、標準
大気圧下における沸点が50〜120℃の非ハロゲン化
炭化水素であり、シクロヘキサン(沸点80.7℃)、
イソヘキサン(沸点86.1℃)、シクロヘキセン(沸
点83.3℃)、n−ヘキサン(沸点69℃)、2,2
−ジメチルブタン(沸点62℃)、2,3−ジメチルブ
タン(沸点62℃)、2−メチルペンタン(沸点62
℃)、3−メチルペンタン(沸点62℃)、n−ヘプタ
ン(沸点98.4℃),酢酸エチル(沸点77.1℃)
等の脂肪族炭化水素類、デカフルオロペンタン(沸点5
4℃)、オクタフルオロシクロペンタン(沸点79
℃)、メトキシ−ノナフルオロブタン(沸点60℃)等
のフッ素化炭化水素類が例示でき、更に必要に応じて用
いられる炭化水素誘導体としては特に限定されるもので
はないが、メチルエチルケトン(沸点79.6℃)等の
ケトン類、ジオキソラン(沸点101.3℃)等の環状
エーテル化合物類、ハイドロフルオロエーテル類(沸点
60〜78℃)等も使用することができる。更に酸を作
用させることで炭酸ガスや窒素等の気体を発生させるよ
うな重曹、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸ナトリウム、アゾジカルボンアミド、ア
ゾビスイソブチロニトリル、パラトルエンスルホニルヒ
ドラジッド等の化学的反応発泡剤の単独又は混合物等が
好ましく、これら以外に液化炭酸ガス、空気、窒素、ブ
タン、アルゴン等の気体もこれらと混合して使用でき
る。その配合量は、メタクレゾール変性フェノール系樹
脂100重量部に対して2〜30重量部で、好ましくは
5〜25重量部である。
【0016】本発明で使用される整泡剤としては、特に
限定するものではなく、従来から使用されている非イオ
ン系界面活性剤、例えばポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル、ポオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキ
シエチレンオクチルフェニルエーテル、ソルビタンモノ
ラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタン
モノステアレートなどに代表されるソルビタン脂肪酸エ
ステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエレートなどに
代表されるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル類、ポリオキシエチレンジメチルシリコン、ひまし油
エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物、
エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドブロック共
重合体、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレ
ン共重合体、エトキシ化ひまし油、エポキシ化大豆油エ
トキシ化物、シリコーン系界面活性剤等の単独又は混合
物が好ましく、その配合量は、メタクレゾール変性フェ
ノール系樹脂100重量部に対して0.2〜8.0重量
部で、好ましくは0.5〜6.0重量部である。
【0017】本発明で使用される酸性硬化剤は、特に限
定するものではなく、従来から使用されているフェノー
ルスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、レゾルシンスルホン酸、メタ
キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ナフ
タレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、アントラセ
ンスルホン酸、メタクレゾールスルホン酸等の有機スル
ホン酸類及びこれらとホルマリンとの縮合物の他、γ−
ブチロラクトン、トリエチレングリコールジアセテー
ト、トリアセチン、ギ酸メチル等のカルボン酸エステル
類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等
の環状アルキレンカーボネート類、正リン酸、ポリリン
酸、トリポリリン酸、メタリン酸、シュウ酸、塩酸等の
無機酸類などを挙げることができ、これらは単独又は混
合物として使用できる。その中で、フェノールスルホン
酸とo−クレゾール−4−スルホン酸の混合物が特に好
ましい。酸性硬化剤の配合量は、メタクレゾール変性フ
ェノール系樹脂100重量部に対して3〜25重量部
で、好ましくは5〜20重量部である。
【0018】本発明に使用する難燃剤としては、特に限
定するものではなく、従来から使用されているデカブロ
モジフェニルエーテル、ペンタブロモトルエン、ペンタ
ブロモジフェニルエーテルなどの添加型臭素系難燃剤、
テトラブロモ無水フタル酸、ジブロモフェノール、トリ
ブロモフェノールのグリシジルエーテル等の反応型臭素
系難燃剤、トリエチルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリフェ
ニルホスフェート、トリブチルホスフェート、キシレル
ジフェニルホスフェート等のリン酸エステル類、トリス
−(クロロエチル)ホスフェート、トリス−(β−クロ
ロプロピル)ホスフェート、トリス−(ジブロモプロピ
ル)ホスフェート、トリス−(2,3−ジブロモクロロ
プロピル)ホスフェートなどの含ハロゲンリン酸エステ
ル類及び含ハロゲン縮合リン酸エステル類、トリフェニ
ルホスファイトなどの亜リン酸エステル類、リン酸、ポ
リリン酸、トリポリリン酸、メタリン酸等の無機酸類、
ホウ素化合物、水酸化アルミニウム、尿素、メラミン、
ベンゾグアナミン等の単独又は混合物が好ましく、その
使用量はメタクレゾール変性フェノール系樹脂100重
量部に対して3〜30重量部、好ましくは5〜25重量
部である。
【0019】また、これら以外にフェノール系樹脂発泡
体を製造するに際しては、各種の添加物を加えて発泡体
の性能を改質することができる。例えば、フェノール繊
維、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、ロックウー
ル繊維などに代表される繊維類による機械的強度や寸法
精度の改善、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
トリプロピレングリコール等の低分子ポリエチレン及び
ポリプロピレングリコール類、プロピレングリコールジ
グリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシ
ジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル類などの脂肪族グリシジルエーテル化合物類、芳
香族多価アルコールのジ又はトリグリシジルエーテル化
合物類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセル
ロース、メチルセルロース、スターチ類等の合成及び天
然高分子、アクリル系エマルジョン類等による脆性の改
質、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン等による粘度の減粘、硝酸アンモニウム、硫酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニム、炭酸
アンモニウム、酢酸アンモニウム等のアンモニウム塩
類、分子内にアミノ基、アミド基、イミノ基を有する尿
素、尿素樹脂、メラミン、メラミン樹脂、チオ尿素、ジ
シアンジアミド、ベンゾグアナミン、亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫
酸水素アンモニウム等の亜硫酸塩類、重亜硫酸塩類等の
ホルムアルデヒド捕捉剤、その他タルク、マイカ、ワラ
ストナイト、カオリン、シリカ等の無機質充填剤、染
料、顔料等の着色剤、紫外線吸収剤などと併用して用い
ることができる。その使用量はメタクレゾール変性フェ
ノール系樹脂100重量部に対して0.1〜50重量
部、好ましくは0.2〜40重量部である。
【0020】次に、本発明において、フェノール系樹脂
発泡体を製造する方法としては、前記の組成成分のメタ
クレゾール変性フェノール系樹脂に発泡剤、整泡剤、難
燃剤、充填材及びその他の添加剤などを混合した発泡性
樹脂組成物と酸性硬化剤を30〜50℃に加温、温調し
た後に、バッチ式による高速攪拌による方法、連続的な
混合方式による方法など、従来公知の方法が利用でき
る。これらの各操作によって得られる混合物は、エンド
レスコンベア上に流出させる成形方法、スポット的に流
出させて部分的に発泡させる方法、ある大きさの空洞中
に投入して発泡ブロックを作る方法、空洞中に圧入しな
がら充填発泡させる方法などに用いられる。これらの方
法による発泡、硬化温度は60〜100℃、硬化時間は
1〜15分の条件であり、得られたフェノール系樹脂発
泡体は、生産性が低下することなく、機械的強度の高
い、耐吸水性、耐脆性に優れた高品質の発泡体を形成す
るものであるから、主な用途としては、例えば鉄、ステ
ンレス、アルミ、亜鉛等の金属板材、石膏ボード、ロッ
クウールボードなどの無機質板、クラフト紙、アスベス
ト紙、合板等とを複合化して床下材、天井材、屋根下地
材、外壁材、内壁材、防火扉などの建材用及びメタン、
プロパン、ブタンなどの貯蔵タンクなどのプラント分
野、重油タンク、パイプ配管などの保冷保温用、冷凍冷
蔵倉庫などの保冷材などに幅広く応用される。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。
【0022】実施例1 フェノール940kg、37%ホルマリン1,216k
g(モル比2.40)を還流管、攪拌機付反応器中に仕
込み、攪拌しながら、次いで25%苛性ソーダ46.5
kgを投入して、常温から90℃になるまで約60分で
上昇させ、同温度で60分間反応を継続させた後、M−
クレゾール酸(住金ケミカル(株)製、フェノール:メ
タクレゾールのモル比率=3:1,モル比1.50)3
60kgを添加し、80℃まで冷却した。次いで、同温
度で30分間反応を継続させ、75℃に冷却した。更に
同温度で40分間反応を継続した時点で冷却を行い、蓚
酸を加えてpH5.0に調整し、60mmHg減圧下で
濃縮を行い、不揮発分81.8%、40℃における粘度
15,000mPa・s、水分率8.5%、数平均分子量
280、135℃ゲル化時間305秒のメタクレゾール
変性フェノール樹脂を得た。得られたメタクレゾール変
性フェノール樹脂100重量部、整泡剤としてレジノー
ルF−140(第一工業製薬(株)製)1.5重量部、
発泡剤としてシクロヘキサン(試薬特級)8重量部、難
燃剤としてトリクレジルホスフェート(大八化学工業
(株)製)10重量部、減粘剤として1,3−ジオキソ
ラン(東邦化学工業(株)製)3重量部を投入し、回転
数3,000rpmのホモディスパーにて30秒間攪拌
し、液温度40℃の発泡性樹脂組成物を調整した。次い
で、63%フェノールスルホン酸水溶液(第一工業製薬
(株)製)の液温度を40℃に調整した後、発泡性樹脂
組成物100重量部に対して8重量部加え、該ホモディ
スパーにて20秒間攪拌し、直ちに上下面材をクラフト
紙とし、80℃に加熱した300×300×25mmの
金型に該原液を注入し、3分間80℃熱風循環乾燥器内
に保持し、その後金型から脱型して、発泡硬化速度がク
リームタイム22秒、ゲルタイム38秒のフェノール系
樹脂発泡体を得た。
【0023】この発泡体を常温で7日間放置後、密度、
吸水量、圧縮強度、脆性及び面材との接着性をそれぞれ
JISK−7722、JISA−9411、JISK−
7220、ASTMC−421により測定し、また、面
材との接着性は、25×150mmの面材付き発泡体を
切り出し、発泡体の長さ方向の表面材端部に5mmの穴
を開けそこにバネばかりを掛けて引き上げ、表面材が発
泡体から剥がれた時のバネばかりの指示値を該結合力
(面材接着性:g/25mm)として表した。得られた
フェノール系発泡体は密度39.5kg/m3 、吸水量
1.8g/100cm2 、脆性率11.8%、面材との
接着性290g、圧縮強度1.7kg/cm2 で、30
日経過後の吸水量は10.5g/100cm2 で、吸水
量の変化が少なく、金属への腐食が認められない、非常
に優れたフェノール系樹脂発泡体であった。その結果は
第1表に示す通りであった。
【0024】実施例2 ホルムアルデヒドに対するフェノールとメタクレゾール
の合計モル比が1.50、フェノール対メタクレゾール
のモル比率が5対1になるように配合調整し、実施例1
と同様に反応操作を行い、不揮発分81.3%、40℃
における粘度20,500mPa・s、水分率7.8%、
数平均分子量320、135℃ゲル化時間276秒のメ
タクレゾール変性フェノール樹脂を得た。この変性フェ
ノール樹脂を用いて実施例1と同様の発泡操作を行い、
発泡硬化速度がクリームタイム20秒、ゲルタイム45
秒のフェノール系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体は
実施例1と同様にテストを行い、その結果は第1表に示
す通りであった。
【0025】実施例3 実施例2で得たメタクレゾール変性フェノール樹脂10
0重量部に発泡剤としてシクロヘキサンを15重量部添
加した以外は実施例1と同様の配合と発泡操作を行い、
発泡硬化速度がクリームタイム27秒、ゲルタイム54
秒のフェノール系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体は
実施例1と同様にテストを行い、その結果は第1表に示
す通りであった。
【0026】実施例4 実施例2で得たメタクレゾール変性フェノール樹脂を使
用し、酸性硬化剤である63%フェノールスルホン酸水
溶液を4重量部添加した以外は実施例1と同様の配合と
発泡操作を行い、発泡硬化速度がクリームタイム25
秒、ゲルタイム54秒のフェノール系樹脂発泡体を得
た。得られた発泡体は実施例1と同様にテストを行い、
その結果は第1表に示す通りであった。
【0027】実施例5 ホルムアルデヒドに対するフェノールとメタクレゾール
の合計モル比が1.50、フェノール対メタクレゾール
のモル比率が7対1になるよう配合調整し、実施例1と
同様に反応操作を行い、不揮発分82.7%、40℃に
おける粘度55,000mPa・s、水分率6.3%、数
平均分子量250、135℃ゲル化時間260秒のメタ
クレゾール変性フェノール樹脂を得た。この変性フェノ
ール樹脂を用いて実施例1と同様の発泡操作を行い、発
泡硬化速度がクリームタイム17秒、ゲルタイム30秒
のフェノール系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体は実
施例1と同様にテストを行い、その結果は第1表に示す
通りであった。
【0028】実施例6 ホルムアルデヒドに対するフェノールとメタクレゾール
の合計モル比が1.90、フェノール対メタクレゾール
のモル比率が5対1になるよう配合調整し、実施例1と
同様に反応操作を行い、不揮発分80.5%、40℃に
おける粘度12,000mPa・s、水分率8.9%、数
平均分子量310、135℃ゲル化時間315秒のメタ
クレゾール変性フェノール樹脂を得た。実施例1と同様
の発泡操作を行い、発泡硬化速度がクリームタイム24
秒、ゲルタイム52秒のフェノール系樹脂発泡体を得
た。得られた発泡体は実施例1と同様にテストを行い、
その結果は第2表に示す通りであった。
【0029】実施例7 ホルムアルデヒドに対するフェノールとメタクレゾール
の合計モル比が2.20、フェノール対メタクレゾール
のモル比率が5対1になるよう配合調整し、80℃にお
ける反応時間を90分間行った以外は実施例1と同様な
反応操作を行い、不揮発分80.7%、40℃における
粘度20,000mPa・s、水分率8.2%、数平均分
子量290、135℃ゲル化時間291秒のメタクレゾ
ール変性フェノール樹脂を得た。実施例1と同様の発泡
操作を行い、発泡硬化速度がクリームタイム25秒、ゲ
ルタイム48秒のフェノール系樹脂発泡体を得た。得ら
れた発泡体は実施例1と同様にテストを行い、その結果
は第2表に示す通りであった。
【0030】比較例1 ホルムアルデヒドに対するフェノールとメタクレゾール
の合計モル比が1.20、フェノール対メタクレゾール
のモル比率が5対1になるよう配合調整し、実施例1と
同様に反応操作を行い、不揮発分80.3%、40℃に
おける粘度11,500mPa・s、水分率8.2%、数
平均分子量290、135℃ゲル化時間254秒のメタ
クレゾール変性フェノール樹脂を得た。実施例1と同様
の発泡操作を行い、発泡硬化速度がクリームタイム16
秒、ゲルタイム68秒のフェノール系樹脂発泡体を得
た。得られた発泡体は実施例1と同様にテストを行った
結果、発泡体のセルが脆く、吸水量の高い、圧縮強度の
低いものであった。その結果は第3表に示す通りであっ
た。
【0031】比較例2 メタクレゾール1,080kg、37%ホルマリン1,
216kg(モル比1.50)を還流管、攪拌機付反応
器中に仕込み、攪拌しながら、次いで25%苛性ソーダ
46.5kgを投入して、常温から90℃になるまで約
60分で上昇させ、同温度で60分間反応を継続させた
後、80℃まで冷却した。次いで、実施例1と同様の反
応操作を行い、不揮発分82.5%、40℃における粘
度62,000mPa・s、水分率6.2%、数平均分子
量280、135℃ゲル化時間165秒のメタクレゾー
ル変性フェノール樹脂を得た。実施例1と同様の発泡操
作を行い、発泡硬化速度がクリームタイム6秒、ゲルタ
イム25秒のフェノール系樹脂発泡体を得た。得られた
発泡体は実施例1と同様にテストを行った結果、セルが
粗くなり脆性率が高く、圧縮強度の低い、30日経過後
の吸水量が高いものであった。その他の結果は第3表に
示す通りであった。
【0032】比較例3 フェノール940kg、37%ホルマリン1,216k
g(モル比1.50)を還流管、攪拌機付反応器中に仕
込み、攪拌しながら、次いで25%苛性ソーダ46.5
kgを投入して、常温から90℃になるまで約60分で
上昇させ、同温度で60分間反応を継続させた後、80
℃まで冷却し、次いで、実施例1と同様の反応操作を行
い、不揮発分80.3%、40℃における粘度9,20
0mPa・s、水分率8.7%、数平均分子量250、1
35℃ゲル化時間320秒のレゾール型フェノール樹脂
を得た。実施例1と同様の発泡操作を行い、発泡硬化速
度がクリームタイム25秒、ゲルタイム52秒のフェノ
ール系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体は実施例1と
同様にテストを行った結果、収縮が認められ、圧縮強度
が低く、30日経過後の吸水量が高いものであった。そ
の他の結果は第3表に示す通りであった。
【0033】比較例4 実施例2で配合した発泡剤シクロヘキサンを35重量
部、減粘剤1,3−ジオキソランを6重量部に変えた以
外は、実施例1と同様の発泡操作を行い、発泡硬化速度
がクリームタイム45秒、ゲルタイム91秒のフェノー
ル系樹脂発泡体を得た。得られた発泡体は実施例1と同
様にテストを行った結果、その他の結果は第3表に示す
通りであった。
【0034】比較例5 実施例2で配合した発泡剤シクロヘキサン8重量部を2
重量部に変えた以外は、実施例1と同様の発泡操作を行
ったが、十分に発泡せず、発泡体表面にガス抜け孔の多
く点在するフェノール系樹脂発泡体しか得られなかっ
た。第3表参照。
【0035】比較例6 実施例2で配合した発泡剤シクロヘキサンをジクロロフ
ルオロエタン(旭硝子(株)製 HCFC141b)に
変えて、実施例1と同様の発泡操作を試みたが、発泡樹
脂組成物の液温度を調整中に発泡剤の殆どが気化し、フ
ェノール系樹脂発泡体を得ることが困難であった。
【0036】比較例7 実施例2で得た発泡樹脂組成物及び酸性硬化剤の液温度
を30℃とし、酸性硬化剤の添加量を30重量部に変え
た以外は、実施例1と同様の発泡操作を行なったが、十
分に発泡せず、発泡体表面にガス抜け孔の多く点在する
フェノール系樹脂発泡体であった。
【0037】比較例8 実施例2で得た発泡樹脂組成物及び酸性硬化剤の液温度
を60℃とし、酸性硬化剤の添加量を4重量部に変えた
以外は、実施例1と同様の発泡操作を行なったが、上面
材と発泡体表面との界面にガス抜け孔が多く認められ、
かつ中心部にボイドのある、セルの破壊されたフェノー
ル系樹脂発泡体であった。比較例6〜8の結果を第4表
に記載した。
【0038】比較例9 実施例2で得た発泡樹脂組成物及び酸性硬化剤の液温度
を40℃から20℃に変えた以外は、実施例1と同様の
発泡操作を行い、発泡硬化速度がクリームタイム65
秒、ゲルタイム105秒で反応性の遅い、収縮のあるフ
ェノール系樹脂発泡体であった。得られた発泡体は実施
例1と同様にテストを行なった結果、圧縮強度の低い、
面材との接着性が悪いものであった。その他の結果は第
4表に示す通りであった。
【0039】比較例10 ホルムアルデヒドに対するフェノールとメタクレゾール
の合計モル比が3.00、フェノール対メタクレゾール
のモル比率が5対1になるよう配合調整し、実施例1と
同様に反応操作を行い、不揮発分80.5%、40℃に
おける粘度19,500mPa・s、水分率8.7%、数
平均分子量320、135℃ゲル化時間324秒のメタ
クレゾール変性フェノール樹脂を得た。実施例1と同様
の発泡操作を行い、発泡硬化速度がクリームタイム27
秒、ゲルタイム60秒のフェノール系樹脂発泡体を得
た。得られた発泡体は実施例1と同様にテストを行った
結果、発泡体のセルが脆く、吸水量の高い、圧縮強度の
低いものであった。また、ホルマリン臭気の強いもので
あった。その結果は第4表に示す通りであった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】第1表ないし第4表中の注記及び測定方法
を以下にまとめて示す。 注):1) ひまし油のエチレンオキサイド付加物:(第一工業
製薬(株)製 F-140)2) シクロヘキサン(試薬特級)2)* ジクロロフルオロエタン(旭硝子(株)製 HCF
C−141b)3) 1,3−ジオキソラン(東邦化学工業(株)製)4) トリクレジルホスフェート(大八化学工業(株)製
TCP)5) 63%フェノールスルホン酸水溶液(第一工業製薬
(株)製PS−63) 発泡体の測定方法 密度 (kg/m3): JISK−7722により測定し
た。 脆性率(%): ASTM−C421により測定し
た。 圧縮強度(kg/cm2):JISK−7220により測定し
た。 吸水量(g/100cm2):JISA−9411により測定し
た。 面材との接着性 :25×150mmの面材付き発泡体
を作成し、表面材端部に5mmの穴を開け、そこにバネ
ばかりを掛け引き上げ、表面材が発泡体から剥がれた時
のバネばかり指示値を該結合力として表した。 フォームpH (メーター):約3mm角に切ったフェノール系発泡体
0.5gを蒸留水100mlに加え、スターラーで30
分間攪拌した後にろ過し、ロ液を測定した。 耐腐食性: JIS−SKH鋼板Aを脱脂して、フ
ェノール系発泡体とフェノール系発泡体との間に鋏み、
21℃、68%相対湿度の室温で金属表面の経日的変化
を目視で観察した。
【0045】実施例8〜11 実施例2で製造したメタクレゾール変性フェノール樹脂
を使用して、酸性硬化剤を変えて、発泡体を製造した。
結果を第5表に示す。
【0046】
【表5】
【0047】注1:1)〜4)は前記に同じ。 2:5)硬化剤の種類 (1)65%フェノールスルホン酸水溶液と75%o−
クレゾール−4−スルホン酸水溶液を1:1の比率で混
合した。 (2)75%o−クレゾール−4−スルホン酸水溶液 (3)65%キシレンスルホン酸水溶液 (4)65%p−トルエンスルホン酸水溶液 3:発泡性樹脂組成物の配合調整及び発泡体の測定方法
は第4表に準じて行なった。
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月5日(1999.2.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明で使用される酸性硬化剤は、特に限
定するものではなく、従来から使用されているフェノー
ルスルホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、レゾルシンスルホン酸、メタ
キシレンスルホン酸、エチルベンゼンスルホン酸、ナフ
タレンスルホン酸、ナフトールスルホン酸、アントラセ
ンスルホン酸、メタクレゾールスルホン酸、o−クレゾ
ール−4−スルホン酸等の有機スルホン酸類及びこれら
とホルマリンとの縮合物の他、γ−ブチロラクトン、ト
リエチレングリコールジアセテート、トリアセチン、ギ
酸メチル等のカルボン酸エステル類、エチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート等の環状アルキレンカー
ボネート類、正リン酸、ポリリン酸、トリポリリン酸、
メタリン酸、シュウ酸、塩酸等の無機酸類などを挙げる
ことができ、これらは単独又は混合物として使用でき
る。その中で、フェノールスルホン酸とo−クレゾール
−4−スルホン酸の混合物が特に好ましい。酸性硬化剤
の配合量は、メタクレゾール変性フェノール系樹脂10
0重量部に対して3〜25重量部で、好ましくは5〜2
0重量部である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA59 AA61 AD15 BA35 BA40 BA53 BA74 BA75 CA23 CA25 CC04X CC04Y CC10W CC22X CC32X DA02 DA08 DA32 4J002 CC041 CC051 EA006 EA016 EA026 EB066 EE036 EH036 EL106 EV237 FD147 FD326 GL00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルムアルデヒドとフェノール及びメタ
    クレゾールとの共縮合物から成り、ホルムアルデヒドに
    対するフェノールとメタクレゾールとの合計モル比が
    1:1.30〜1:2.50、メタクレゾールとフェノ
    ールのモル比率が1:1.5〜1:8.0、135℃の
    ゲル化時間が180〜420秒であるフェノール系樹脂
    100重量部に対して、標準大気圧下における沸点が5
    0〜120℃の非ハロゲン化炭化水素を2〜30重量部
    含有することを特徴とするメタクレゾール変性フェノー
    ル系樹脂発泡性組成物。
  2. 【請求項2】 フェノール系樹脂の数平均分子量が20
    0〜400であることを特徴とする請求項1に記載のメ
    タクレゾール変性フェノール系樹脂発泡性組成物。
  3. 【請求項3】 フェノール系樹脂の水分率が5.0〜1
    0.0%であることを特徴とする請求項1又は2に記載
    のメタクレゾール変性フェノール系樹脂発泡性組成物。
  4. 【請求項4】 酸性硬化剤として、フェノールスルホン
    酸とo−クレゾール−4−スルホン酸の混合物を用いる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    フェノール系樹脂発泡性組成物。
  5. 【請求項5】 ホルムアルデヒドとフェノール及びメタ
    クレゾールとの共縮合物から成り、ホルムアルデヒドに
    対するフェノールとメタクレゾールとの合計モル比が
    1:1.30〜1:2.50、メタクレゾールとフェノ
    ールのモル比率が1:1.5〜1:8.0、135℃の
    ゲル化時間が180〜420秒であるフェノール系樹脂
    100重量部に対して、標準大気圧下における沸点が5
    0〜120℃の非ハロゲン化炭化水素を2〜30重量部
    含有せしめてなるメタクレゾール変性フェノール系樹脂
    発泡性組成物を30〜50℃の範囲に加温し混合吐出さ
    せ、吐出後に加熱、発泡硬化させることを特徴とするフ
    ェノール系樹脂発泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 フェノール系樹脂の数平均分子量が20
    0〜400であることを特徴とする請求項5に記載のフ
    ェノール系樹脂発泡体の製造方法。
  7. 【請求項7】 フェノール系樹脂の水分率が5.0〜1
    0.0%であることを特徴とする請求項5又は6に記載
    のフェノール系樹脂発泡体の製造方法。
  8. 【請求項8】 酸性硬化剤として、フェノールスルホン
    酸とo−クレゾール−4−スルホン酸の混合物を用いる
    ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の
    フェノール系樹脂発泡体の製造方法。
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