JP2000169548A - カチオン電着塗料用エポキシ樹脂およびそれを用いたカチオン電着塗料 - Google Patents

カチオン電着塗料用エポキシ樹脂およびそれを用いたカチオン電着塗料

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JP2000169548A
JP2000169548A JP35136998A JP35136998A JP2000169548A JP 2000169548 A JP2000169548 A JP 2000169548A JP 35136998 A JP35136998 A JP 35136998A JP 35136998 A JP35136998 A JP 35136998A JP 2000169548 A JP2000169548 A JP 2000169548A
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epoxy resin
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cationic electrodeposition
ketimine
ketone
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Naoya Adachi
直也 足立
Hiroyuki Okudaira
浩之 奥平
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分子量分布の制御の容易なケチミン化合物で変
性されたエポキシ樹脂およびそれを用いたカチオン電着
塗料の提供。 【解決手段】第二級アミノ基および/またはヒドロキシ
ル基ならびに第一級アミノ基を有するアミン化合物の該
第一級アミノ基の一部または全部をα位に置換基を有す
るケトンと反応させて得られるケチミン化合物で変性さ
れたエポキシ樹脂、ならびに、該エポキシ樹脂のイミン
部を加水分解して酸で中和した変性エポキシ樹脂を含有
するカチオン電着塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車下塗り塗装
等に汎用されているカチオン電着塗料に用いることので
きるエポキシ樹脂およびそれを用いたカチオン電着塗料
に関する。
【0002】
【従来の技術】カチオン電着塗装は、塗膜厚を定量的に
管理でき、複雑な形状でも均一に塗装できる等の理由か
ら、自動車下塗り塗装等の用途に広く用いられている。
カチオン電着塗装に用いられるカチオン電着塗料は、骨
格中に多数のアミノ基を有するポリアミノ樹脂を主成分
とする水溶性樹脂塗料である。そのようなポリアミノ樹
脂として、種々のアミンやポリアミドにより変性された
エポキシ樹脂が知られている。エポキシ樹脂をアミン変
性する手段の一つとしては、以下の方法が知られてい
る。まず、第二級アミノ基と第一級アミノ基を有するア
ミン化合物の第一級アミノ基を予めケトンと反応させて
ケチミン化合物としてエポキシ基と反応しないようにし
た後、該ケチミン化合物の第二級アミノ基をエポキシ樹
脂に付加させ、ケチミン化合物で変性されたエポキシ樹
脂を得る。その後、加水分解してエポキシ樹脂に結合し
たアミノ基を生じさせる。従来、このような方法に用い
られるケトンとして、メチルエチルケトン(MEK)、
メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン等が提
案されている。しかし、これらのケトンを用いると、ケ
チミン化合物をエポキシ樹脂に付加させる際に、エポキ
シ樹脂の高分子量化が起こり、分子量分布を制御するの
が困難であり、粘度が上昇するという問題を生じてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、分子量分布
の制御の容易なケチミン化合物で変性されたエポキシ樹
脂およびそれを用いたカチオン電着塗料を提供すること
を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の方法
によりエポキシ樹脂をケチミン化合物で変性する際に生
じるエポキシ樹脂の高分子量化は、イミン部の窒素原子
の非共有電子対がエポキシ基を攻撃し、エポキシ樹脂の
重合反応を引き起こすために生じると推定した。本発明
者は、そのようなイミン部の窒素原子の非共有電子対の
エポキシ基への攻撃を回避するためには、立体障害の大
きいケチミン化合物を用いればよいことを見出し、本発
明を完成した。
【0005】即ち、本発明は、第二級アミノ基および/
またはヒドロキシル基ならびに第一級アミノ基を有する
アミン化合物の該第一級アミノ基の一部または全部をα
位に置換基を有するケトンと反応させて得られるケチミ
ン化合物で変性されたエポキシ樹脂(以下「ケチミン変
性エポキシ樹脂」ともいう。)を提供する。
【0006】前記ケトンが下記式(1)で表される化合
物であるのが好ましい。
【0007】
【化2】
【0008】R1 :炭素数1〜6のアルキル基からなる
群から選ばれるいずれか1つ R2 :メチル基またはエチル基 R3 :水素原子、メチル基またはエチル基
【0009】また、本発明は、前記ケチミン化合物で変
性されたエポキシ樹脂のイミン部を加水分解して酸で中
和した変性エポキシ樹脂を含有するカチオン電着塗料を
提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明のケチミン変性エポキシ樹脂は、特定のケチ
ミン化合物で変性されたものである。本発明に用いられ
るケチミン化合物は、第二級アミノ基および/またはヒ
ドロキシル基ならびに第一級アミノ基を有するアミン化
合物とα位に置換基を有するケトンとから得られるもの
であって、該第一級アミノ基の一部または全部と該ケト
ンのカルボニル基とが反応して生成するものである。
【0011】アミン化合物は、第二級アミノ基および/
またはヒドロキシル基ならびに第一級アミノ基を有する
ものであれば特に限定されず、例えば、下記式(2)〜
(4)で表されるものが挙げられる。 R4 −NH−R5 −NH2 (2) H2 N−R6 −NH−R7 −NH2 (3) HO−R8 −NH2 (4) R4 :置換基や二重結合を任意の位置に有してもよい炭
素数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基、芳香族基
またはこれらの組み合わせから選ばれる1価の基 R5 〜R8 :置換基や二重結合を任意の位置に有しても
よい炭素数1〜6のアルキレン基、シクロアルキレン
基、芳香族基またはこれらの組み合わせから選ばれる2
価の基、R6 およびR7 は同じであってもよく、異なっ
ていてもよい
【0012】中でも、R6 およびR7 がエチレン基であ
る式(3)の化合物、ならびに、R 8 がプロピレン基で
ある式(4)の化合物が好ましい。
【0013】α位に置換基をもつケトンは、カルボニル
基から数えてα位に置換基を有するケトンである。例え
ば、メチルt−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、
メチルイソプロピルケトン、プロピオフェノン、ベンゾ
フェノンが挙げられる。中でも、上記式(1)で表され
る化合物であるのが好ましく、メチルt−ブチルケト
ン、メチルイソプロピルケトンであるのが特に好まし
い。
【0014】本発明に用いられるケチミン化合物は、上
記アミン化合物のそれぞれと上記ケトンのそれぞれとを
組み合わせて得られるものである。本発明においては、
アミン化合物の有する全ての第一級アミノ基の全部がケ
トンのカルボニル基と反応して生成したケチミン化合物
を用いることができる。また、アミン化合物が第一級ア
ミノ基を分子内に2個以上有する場合には、第一級アミ
ノ基の一部のみがケトンのカルボニル基と反応して生成
したケチミン化合物を用いることができる。中でも、上
記式(3)で表されるジアミン1分子(R6 およびR7
がエチレン基であるもの)とメチルt−ブチルケトン2
分子が反応して得られる下記式(5)で表される化合
物、上記式(3)で表されるジアミン1分子(R6 およ
びR7 がエチレン基であるもの)とメチルイソプロピル
ケトン2分子が反応して得られる下記式(6)で表され
る化合物、上記式(4)で表されるアミン1分子(R8
がプロピレン基であるもの)とメチルt−ブチルケトン
1分子が反応して得られる下記式(7)で表される化合
物、上記式(4)で表されるアミン1分子(R8 がプロ
ピレン基であるもの)とメチルイソプロピルケトン1分
子が反応して得られる下記式(8)で表される化合物が
好ましい。
【0015】
【化3】
【0016】従来のケチミン化合物は、原料のケトンと
してメチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチル
ケトン(MIBK)、アセトン等を用いるものであるた
め、イミン部の窒素原子の非共有電子対が剥き出しにな
っており、後述するエポキシ樹脂との反応の過程におい
て、該非共有電子対がエポキシ基を攻撃するという副反
応を起こし、エポキシ樹脂の高分子量化の原因となる。
本発明においては、上述したような立体障害の大きいケ
チミン化合物を用いるので、上記副反応が起こらず、得
られる変性エポキシ樹脂の分子量分布の制御が容易とな
る。
【0017】本発明のケチミン変性エポキシ樹脂は、上
記ケチミン化合物で変性されたものである。変性に用い
るエポキシ樹脂は、エポキシ基を1分子中に2個以上持
つポリエポキシ化合物であれば特に限定されない。例え
ば、ビスフェノールAのグリシジルエーテル型エポキシ
樹脂及びその誘導体、グリセリンのグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂、ポリアルキレンオキサイドのグリシジ
ルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラックのグ
リシジルエーテル型エポキシ樹脂、ダイマー酸のグリシ
ジルエステル型エポキシ樹脂、ビスフェノールFのグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂が挙げ
られる。中でも、ビスフェノールAのグリシジルエーテ
ル型エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ樹脂
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】エポキシ樹脂の変性は、エポキシ樹脂の有
するエポキシ基とケチミン化合物の有する第二級アミノ
基および/またはヒドロキシル基の反応による。ケチミ
ン化合物をエポキシ基の全てに付加させてもよく、一部
のみに付加させてエポキシ基を残存させてもよい。エポ
キシ基のうちケチミン化合物が付加されたものの割合
は、60〜100%であるのが好ましい。上記範囲で、
本発明のケチミン変性エポキシ樹脂をカチオン電着塗料
に用いる際に、水溶性化および硬化が好適なものとなる
からである。また、ケチミン化合物が分子内に2個以上
の第二級アミノ基および/またはヒドロキシル基を有す
る場合には、未反応の第二級アミノ基および/またはヒ
ドロキシル基が残存してもよい。
【0019】本発明のケチミン変性エポキシ樹脂は、上
記ケチミン化合物の有する第二級アミノ基および/また
はヒドロキシル基と上記エポキシ樹脂のエポキシ基と
を、例えば、90〜150℃において1〜5時間反応さ
せて得られる。本発明のエポキシ樹脂の分子量分布は、
反応時間、反応温度等により、容易に制御できる。
【0020】本発明のカチオン電着塗料は、前記ケチミ
ン変性エポキシ樹脂のイミン部を加水分解して酸で中和
した変性エポキシ樹脂を含有する。加水分解は、例え
ば、酸、溶剤等の水溶液にケチミン変性エポキシ樹脂を
加えることによって行うことができる。酸は、各種の有
機酸および無機酸を用いることができる。例えば、ギ
酸、酢酸、酪酸、乳酸、スルファミン酸が挙げられる。
【0021】また、本発明のカチオン電着塗料は、本発
明のケチミン変性エポキシ樹脂および、従来公知のメチ
ルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)、アセトン等を原料とするケチミンによっ
て変性されたエポキシ樹脂の両者から得られるものであ
ってもよい。この場合、本発明の立体障害の大きいケチ
ミンによって変性されたエポキシ樹脂の割合が50%以
上であると、分子量分布の制御が容易であるので好まし
い。
【0022】本発明のカチオン電着塗料は、硬化剤を含
有する。硬化剤は、ブロックポリイソシアネート、メラ
ミン樹脂等の一般的なものを用いることができる。
【0023】ブロックポリイソシアネートは、ポリイソ
シアネートにブロック剤を付加させることによって得ら
れ、加熱によりブロック剤が解離して、イソシアネート
基が前記変性エポキシ樹脂のエポキシ基と反応して硬化
するものである。
【0024】ポリイソシアネートは、例えば、トリレン
ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、
ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、
1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレン
ジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネー
ト、エチリデンジイソシアネート、ブチリデンジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,3−シクロ
ペンタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジ
イソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネ
ート等の脂肪族環式ジイソシアネート;m−フェニレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
4,4´−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフ
タレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシ
アネート等の芳香族ジイソシアネート;4,4´−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、2,4−トルエンジイ
ソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート;
4,4´−トルイジンジイソシアネート、1,4−キシ
レンジイソシアネート等の脂肪族−芳香族ジイソシアネ
ート;ジアニシジンジイソシアネート、4,4´−ジフ
ェニルエーテルジイソシアネート、クロロジフェニルジ
イソシアネート等の核置換芳香族ジイソシアネート;ト
リフェニルメタン−4,4´,4”−トリイソシアネー
ト、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,
4,6−トリイソシアネートトルエン等のトリイソシア
ネート;4,4´−ジフェニル−ジメチルメタン−2,
2´,5,5´−テトライソシアネート等のテトライソ
シアネート;トルエンジイソシアネートトリマー等の重
合したポリイソシアネートが挙げられる。これらのポリ
イソシアネートは、単独で用いてもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0025】ブロック剤は、例えば、芳香族系ポリイソ
シアネートの場合には、1−クロロ−2−プロパノー
ル、エチレンクロルヒドリン等のハロゲン化炭化水素;
n−プロパノール、フルフリルアルコール、アルキル基
置換フルフリルアルコール等の脂肪族または複素環式ア
ルコール類;フェノール、m−クレゾール、p−ニトロ
フェノール、p−クロロフェノール、ノニルフェノール
等のフェノール類;メチルエチルケトンオキシム、メチ
ルイソブチルケトンオキシム、アセトンオキシム、シク
ロヘキサンオキシム等のオキシム類;アセチルアセト
ン、アセト酢酸エチル、マロン酸エチル等の活性メチレ
ン化合物;カプロラクタム;メタノール、エタノール、
イソプロパノール等の脂肪族アルコール;ベンジルアル
コール等の芳香族アルコール類;エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類が挙
げられる。中でも、オキシム類;フルフリルアルコー
ル、アルキル基置換フルフリルアルコールが好ましい。
脂肪族ポリイソシアネートの場合は、上記のうち、フェ
ノール類、オキシム類が好ましい。これらのブロック剤
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0026】また、本発明のカチオン電着塗料は、媒体
である水の他、必要に応じて、下記のような溶剤、顔料
を含有することができる。溶剤は、樹脂の溶解、塗膜の
粘度調整、塗料調整等の目的に用いられる成分である。
例えば、キシレン、トルエン等の炭化水素類;エチルア
ルコール、n−ブチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、2−エチルヘキシルアルコール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール等のアルコール類;エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、
3−メチル−3−メトキシブタノール、ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
ブチルエーテル等のエーテル類;メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセチルアセトン
等のケトン類;エチレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルア
セテート等のエステル類が挙げられる。これらの溶剤
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
電着塗料における溶剤の濃度は、0.01〜25重量%
であるのが好ましく、0.05〜15重量%であるのが
より好ましい。
【0027】顔料は、例えば、カーボンブラック、黒
鉛、酸化チタン、亜鉛華等の着色顔料;ケイ酸アルミニ
ウム、カオリン等の体質顔料;ストロンチウムクロメー
ト、塩基性ケイ酸鉛、塩基性硫酸鉛、リンモリブデン酸
アルミニウム等の防錆顔料が挙げられる。これらの顔料
は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0028】本発明のカチオン電着塗料の製造方法は、
特に限定されないが、例えば、前記ケチミン変性エポキ
シ樹脂のイミン部を加水分解して酸で中和した変性エポ
キシ樹脂、硬化剤その他の成分をミキサー、ディスパ
ー、ニーダー、押出機等を用い、均質に混練することに
より得られる。
【0029】本発明のカチオン電着塗料は、例えば、以
下のような態様で使用することができる。本発明のカチ
オン電着塗料を入れた浴温度20〜40℃の槽中に素材
を浸漬し、素材を負、電極を正として電圧50〜500
Vで、0.5〜10分程度電流を流し、電気泳動、電気
析出により素材に5〜50μmの未硬化膜を形成した
後、水洗いし、170〜180℃で30分程度焼付けし
て硬化膜を得る。
【0030】本発明のカチオン電着塗料は、原料となる
ケチミン変性エポキシ樹脂の分子量分布の制御を容易に
することができるので、塗料の特性を目的に合わせて設
計することができる。
【0031】
【実施例】以下に、実施例を示して本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限られるものではない。 <ケチミン化合物の合成> (合成例1)ジエチレントリアミン100g、メチルt
−ブチルケトン300g(第一級アミノ基の当量/カル
ボニル基の当量=0.65)およびトルエン200gを
フラスコに入れ、生成する水を共沸により除きながら2
0時間反応を続け、上記式(5)で表されるケチミン化
合物Aを得た。 (合成例2)ジエチレントリアミン100g、メチルイ
ソプロピルケトン300g(第一級アミノ基の当量/カ
ルボニル基の当量=0.56)およびトルエン200g
を用いた以外は、合成例1と同様の方法により、上記式
(6)で表されるケチミン化合物Bを得た。 (合成例3)ジエチレントリアミン100g、メチルイ
ソブチルケトン300g(第一級アミノ基の当量/カル
ボニル基の当量=0.65)およびトルエン200gを
用いた以外は、合成例1と同様の方法により、下記式
(9)で表されるケチミン化合物Cを得た。
【0032】
【化4】
【0033】<ケチミン変性エポキシ樹脂の調製>エポ
キシ樹脂(エピコート828、油化シェルエポキシ社
製、エポキシ当量184〜194、平均分子量380)
および得られた各ケチミン化合物を第1表に記載の重量
比で混合した後、120℃で3時間反応させ、各ケチミ
ン変性エポキシ樹脂を得た。
【0034】<ケチミン変性エポキシ樹脂の粘度の測定
>各ケチミン変性エポキシ樹脂の反応直後に、25℃で
B型粘度計により粘度を測定し、実施例1の値に対する
比で表した。
【0035】結果を第1表に示す。ケチミンの原料とし
て立体障害の小さいケトンを用いた場合(比較例1)
は、立体障害の大きいケトンを用いた本発明のケチミン
変性エポキシ樹脂(実施例1および2)と比べて、反応
時の粘度が高かった。これは、イミン部の窒素原子の非
共有電子対がエポキシ基を攻撃して副反応を起こし、エ
ポキシ樹脂が高分子量化したためであると考えられる。
これに対し、本発明のケチミン変性エポキシ樹脂は、立
体障害の大きいケチミン化合物を用いるので、上記副反
応が起こらず、分子量分布の制御が容易である。特に、
実施例1および2を比較した場合、立体障害のより大き
い実施例1の方が粘度が低くなっており、より分子量分
布の制御が容易であることが分かる。
【0036】
【0037】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂は、分子量分布の
制御が容易である。従って、塗料の特性を目的に合わせ
て設計することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J036 AD08 AF06 CB19 DC27 FA09 FA10 JA04 4J038 DB381 KA03 NA23 PA03 PB09 PC02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第二級アミノ基および/またはヒドロキシ
    ル基ならびに第一級アミノ基を有するアミン化合物の該
    第一級アミノ基の一部または全部をα位に置換基を有す
    るケトンと反応させて得られるケチミン化合物で変性さ
    れたエポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】前記ケトンが下記式(1)で表される化合
    物である請求項1に記載のエポキシ樹脂。 【化1】 1 :炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ
    るいずれか1つ R2 :メチル基またはエチル基 R3 :水素原子、メチル基またはエチル基
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のケチミン化合物
    で変性されたエポキシ樹脂のイミン部を加水分解して酸
    で中和した変性エポキシ樹脂を含有するカチオン電着塗
    料。
JP35136998A 1998-12-10 1998-12-10 カチオン電着塗料用エポキシ樹脂およびそれを用いたカチオン電着塗料 Withdrawn JP2000169548A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022092288A1 (ja) * 2020-11-02 2022-05-05 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 カチオン電着塗料組成物

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WO2022092288A1 (ja) * 2020-11-02 2022-05-05 日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社 カチオン電着塗料組成物

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