JP2001510221A - カチオン性電着可能コーティング組成物およびその浴およびこのような浴のための細菌の増殖を抑制するためのプロセス - Google Patents

カチオン性電着可能コーティング組成物およびその浴およびこのような浴のための細菌の増殖を抑制するためのプロセス

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Abstract

(57)【要約】 電着可能コーティング組成物浴は浴中および周囲において細菌の増殖を減らすために調製されそして維持される。この組成物は、樹脂相の水性媒体に分散され、上記組成物は少なくとも5のpHを有し、上記樹脂相は以下の式: 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
本出願は、1997年7月17日に出願された米国暫定出願第60/052,
817号の利益を請求する。
【0001】 (発明の分野) 本発明は水性媒体を用いたカチオン性電着可能組成物およびそれらの浴、カチ
オン性電着の方法におけるこれらの組成物の使用、およびこのような浴中および
周囲における細菌の発生または増殖を抑制するための方法に関する。
【0002】 コーティング適用法としての電着は、適用される電位の影響下でフィルム形成
組成物の堆積に関する。電着は、非電気泳動的コーティング手段との比較によっ
て、電着がより高いプラント利用、顕著な防食および低環境汚染のために、コー
ティング産業においてますます重要になってきている。カチオン性電着は、19
72年にその商業導入以来アニオン性電着を越える人気をしっかり得ており、そ
して今日では自動車の下塗りに適用するための選択の方法である。
【0003】 カチオン性電着プロセスにおいて使用される塗料組成物の調製において、塩基
性基(例えば、塩基性窒素基)を含む樹脂バインダーは酸で中和される。結果と
して生じるカチオン性樹脂は水に分散され、顔料およびカチオン性電着プロセス
において通常使用される他の添加物と組み合わされて、塗料を形成する。代表的
には、中和する酸は有機酸(例えば、酢酸、ジメチロールプロピオン酸、ギ酸、
および乳酸)であり、なぜならこれらの酸は均一かつ安定な分散物を提供するか
らである。無機酸(例えば、硝酸、硫酸およびリン酸)の使用は、カチオン性電
着プロセスにおける中和剤として公知であるが、これらの酸は産業的に実施され
ているようなカチオン性電着プロセスに対して良好な分散物を通常提供しない。
【0004】 米国特許第4,933,056号では、スルファミン酸がカチオン性コーティ
ング組成物についての中和剤として使用され得、そしてこれらの組成物は高度な
フィルム厚および改良された均一電着性で析出させられ得ることが開示されてい
た。さらに、スルファミン酸が、代表的な有機酸(例えば、酢酸および乳酸)で
中和されるカチオン性電着組成物に一般的に関連するアノード液の腐食性に対し
てアノードを不動体化し得ることが示された。米国特許第4,933,056号
に記載されるタイプのコーティング組成物が1990年代初期に商業的に導入さ
れたとき、それらは期待されたように実施され、高度のフィルム構築、高い均一
電着性、およびアノード不動体化を提供した。実施例IIIおよびVにおいて、
電着可能コーティング浴はエポキシド基含有樹脂とアミン混合物またはアクリル
酸ポリマーとアミンのいずれかのスルファミン酸中和反応生成物を含んで作成さ
れた。
【0005】 代表的な商業的電気コート操作(米国特許第4,933,056号に記載され
る組成物を利用するものを含む)において、析出しない塗料は、部分がコーティ
ング浴に残る場合、コートされた部分にくっつく。析出しない塗料をリサイクル
し、廃棄物を減らすために、浴を限外濾過し、そして限外濾過操作の透過物を使
用して、過剰の塗料をリンスするかまたは「取り出したもの(drag−out
)」を本来の塗料浴に戻す。これは、浴の後に置かれる一連のリンス領域によっ
て達成され、ここで透過物はコートされた部分上のリンスとして貯蔵および噴霧
される。取り出したもの(drag−out)を含むこのリンスは、重力によっ
て流動して電着浴の塗料に戻ることが可能となり、その結果損失するよりむしろ
電着され得る。
【0006】 これらのリンスセクションは、細菌の活性した増殖コロニーで時折汚染される
ことになる。透過リンス中で細菌のレベルが顕著に高い場合、それは他の場所の
電気コート操作において問題を生じ得る。具体的には、細菌のコロニーは取り去
られ、そして塗装された表面上に上陸して結果として表面欠陥を生じ得るか、ま
たはこれらはンス再循環系でフィルターを詰まらせ得る。極端な場合において、
リンスセクションのpHは細菌が中和する有機酸を消費するにつれて増加し得、
そして高pHリンスは、透過リンスが塗料浴に戻されるにつれて塗料中で凝固を
形成し得る。
【0007】 増加するpH問題に対抗するために、酢酸はしばしば浴またはリンスセクショ
ンに添加され、pHを低下させそして電着塗料浴中の凝固形成を防ぐが、これは
さらなる細菌増殖を導き、問題がすばやく戻る。別の選択は、集団レベルが有害
なレベルに上がる前に、細菌を殺すために殺菌剤(例えば、Rohm and
Haas Company、Philadelphia、Pennsylvan
iaから入手可能なKathon(登録商標)殺生物剤)を添加することである
。第3のアプローチにおいて、銀または銅のような金属イオンは対応する金属塩
の添加によってかまたはリンスタンク中に浸された銅または銀金属を電気分解的
に酸化することによってのいずれかによってリンスセクションに添加され得る。
【0008】 電気コート浴組成物および限外濾過リンスの細菌のはびこりに対する存在する
処置は全体的に満足いくものではない。結局殺菌剤はそれらが使用中の浴から消
耗されるにつれてそれらの有効性を失い、そして金属の電気分解的導入は汚れを
生じる結果となり得、それによる資源および維持コストを必要とする。電気コー
ト操作中の細菌の問題もまた、金属(例えば、鉛)、および溶媒(例えば、ブチ
ルセロソルブ)が環境規制に従うように減少されるにつれて近年増加している。
【0009】 (本発明の要旨) 本発明の目的は細菌の発生または増殖を抑制することまたは中和するカルボン
酸の量を制限しつつ、特定量のスルファミン酸の存在でカチオン性電着可能浴コ
ーティング組成物において/について細菌数を減らすことである。本発明に従っ
て、特定のスルファミン酸中和電気コート浴組成物およびエレクトロコーティン
グの方法が実施され得ることが驚くことに見出され、これらは細菌の増殖をチェ
ックするために計画された殺菌剤または金属をほとんどまたは全く使用せず、細
菌のはびこりに対して改良された抵抗を示す。カチオン性電着可能組成物および
電着の方法は以下を有する水性媒体中に分散される樹脂相の組成物を利用する:
(a)カソード上に電着可能な活性水素含有カチオン性樹脂;(b)(a)の樹
脂を架橋するための硬化剤;および(c)任意の追加酸中和カチオン性電着可能
物質(例えば、カチオン性ミクロゲル、砕いたカチオン性ビヒクル、カチオン性
ポリオキシアルキレンポリオールおよびポリアミン付加物、ならびにカチオン性
クレーター(crater)減少物質など);およびd)任意の硬化触媒。一般
的に、樹脂相は、エレクトロコーティング組成物の全重量を基に約2〜約60重
量%の量で存在し得る。
【0010】 スルファミン酸は、処方した電着コーティング浴組成物の樹脂相の酸中和可能
カチオン性電着可能物質に対する中和酸としてのより多い初期量のスルファミン
酸からかおよび/または処方した電着コーティング浴組成物への後の添加のいず
れかに存在する。
【0011】 より多い初期量のスルファミン酸で、または電着可能浴組成物(「電着可能組
成物」)中のより多い量より少ない初期量で、スルファミン酸は、後の添加によ
り添加され得る。後の添加は、電着可能組成物にある量のスルファミン酸を添加
し、初期量のスルファミン酸から少なくとも80当量重量%まで量を増加させる
ことを含む。この当量重量%は、電着可能浴組成物中の(a)を含むカチオン性
電着可能物質の塩基性アミンまたは第4級アンモニウム基の中和のための酸の全
当量である(本明細書中以後「当量重量%」と呼ぶ)。電着可能組成物中の初期
量のスルファミン酸が、90当量重量%より多く100当量重量%までである場
合、スルファミン酸の後の添加の量は減少し得るかまたは除去され得る。
【0012】 浴組成物の中和の量は、通常、カチオン性樹脂相の塩基性アミンおよび第4級
アミンまたはアンモニウム基の全中和と呼ばれる。全中和以外の一部のみまたは
部分中和は、樹脂相の酸中和可能カチオン性電着可能物質について行われ得る。
スルファミン酸が後の添加中少なくとも80当量重量%であるかまたは初期量か
ら90%より大きいことが、この全または部分中和である。
【0013】 電着可能組成物中の任意の1種以上の特定のカチオン性電着可能物質のスルフ
ァミン酸中和について、スルファミン酸の量は、その1つ以上のカチオン性電着
可能物質のアミンおよび第4級アンモニウム基の全理論的中和の約20%から1
00%を越えないまでであり得る。例えば、電着可能組成物の水性媒体中に分散
されるカチオン性樹脂相中の酸中和された酸中和可能カチオン性電着可能物質の
少なくとも1つは、分散性について、スルファミン酸で中和されるアミンおよび
第4級アンモニウム基の当量の20〜100%を有する。しかし、浴組成物の全
樹脂相について少なくとも80当量重量%が、スルファミン酸の後の添加が使用
される場合、スルファミン酸である限り、1つ以上の他の酸で中和されるいくつ
かのカチオン性電着可能物質が存在し得る。
【0014】 処方したまたは仕上げた電着可能組成物に対するスルファミン酸の後の添加を
使用して、浴組成物のpHを少なくとも5〜8の範囲に維持し得る。カルボン酸
の十分に低い濃度で調製した場合または電着可能組成物の操作浴が酢酸のような
カルボン酸のかわりにスルファミン酸でpHを調節される場合、得られる電着可
能組成物の浴および対応する限外濾過リンスタンクはまた長期間比較的細菌のな
い状態に維持することが観察される。
【0015】 (発明の詳細な説明) 実施例および請求項を除く以下の説明において、温度、圧力、pH、および物
質の量および分子量についての範囲での数値の使用、ならびに他の反応および操
作条件は、他に明確に示されなければ近似値として(示される範囲内の最小およ
び最大値が用語「約」により両方とも先行されるように)、示される。上記およ
び以下のわずかな変化のこの様式において、示された範囲を使用して、範囲内の
値と実質的に同じ結果を達成し得る。また、これらの範囲の開示は、最小と最大
値間の各値を含む連続した範囲として意図される。
【0016】 カソード上へ電着可能な活性水素含有カチオン性樹脂(これは硬化剤とともに
電着可能組成物の主要ビヒクルを構成する)は、当業者に公知の任意の適切なカ
チオン性樹脂であり得るが、好ましくはポリエポキシドから誘導される。カチオ
ン性樹脂は、ポリエポキシドと、鎖を延長するかまたはポリエポキシドの分子量
を構築するアルコールヒドロキシル基含有物質およびフェノールヒドロキシル基
含有物質から選択されるポリヒドロキシル基含有物質とを反応させることにより
調製され得る。次いで、反応生成物はカチオン性塩形成基と反応してカチオン性
樹脂を生成し得る。
【0017】 鎖延長ポリエポキシドは、代表的には、以下のように調製される:ポリエポキ
シドとポリヒドロキシル基含有物質はそのまま、またはケトン(メチルイソブチ
ルケトンおよびメチルアミルケトンを含む)、トルエンおよびキシレンのような
芳香族、ならびにジエチレングルコールのジメチルエーテルのようなグリコール
エーテルのような不活性有機溶媒の存在下で反応される。反応は、代表的には、
80℃〜160℃の温度で約30〜180分間、エポキシ基含有樹脂反応生成物
が得られるまで行われる。反応物の当量比(すなわち、エポキシ:ポリヒドロキ
シル基含有物質)は、代表的には、1.00:0.20〜1.00:3.00で
ある。
【0018】 ポリエポキシドの例は、1および好ましくは少なくとも約2より大きい1,2
−エポキシ当量を有するものであり;すなわち、分子当たり平均2つのエポキシ
ド基を有するポリエポキシドである。エポキシ化合物は、飽和または不飽和、環
式または非環式、脂肪族、脂環式、芳香族またはヘテロ環式であり得る。これら
は、置換基(例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、およびどちらの基も)を含み得
る。好ましいポリエポキシドは、多価アルコール(例えば、環状ポリオール)の
ポリグリシジルエーテルである。特に好ましいのは、多価フェノール(例えば、
ビスフェノールA)のポリグリシジルエーテルである。これらのポリエポキシド
は、アルカリ存在下の多価フェノールとエピハロヒドリンまたはジハロヒドリン
(例えば、エピクロロヒドリンまたはジクロロヒドリン)とのエーテル化によっ
て生成され得る。多価フェノールのかわりに他の環状ポリオールは、環状ポリオ
ールのポリグリシジルエーテルを調製するのに使用され得る。他の環状ポリオー
ルの例には、脂環式ポリオール、特に環脂肪族ポリオール(例えば、1,2−シ
クロヘキサンジオールおよび1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン
)が挙げられる。好ましいポリエポキシドは180〜2000、好ましくは18
6〜1200の範囲のエポキシド当量重量を有する。エポキシ基含有アクリル酸
ポリマーもまた、使用され得る。これらのポリマーは、代表的には、750〜2
000の範囲のエポキシ当量重量を有する。
【0019】 ポリエポキシドの鎖伸長またはポリエポキシドの分子量を増加する(すなわち
、ヒドロキシル−エポキシ反応を介する)ために使用されるポリヒドロキシル基
含有物質の例には、アルコール性ヒドロキシル基含有物質およびフェノール性ヒ
ドロキシル基含有物質が挙げられる。アルコール性ヒドロキシル基含有物質の例
は、ネオペンチルグリコールのような単純ポリオール;米国特許第4,148,
772号に記載されるようなポリエステルポリオール;米国特許第4,468,
307号に記載されるようなポリエーテルポリオール;および米国特許第4,9
31,157号に記載されるようなウレタンジオールである。フェノール性ヒド
ロキシル基含有物質の例は、ビスフェノールA、フロログルシノール、カテコー
ルおよびレゾルシノールのような多価フェノールである。アルコール性ヒドロキ
シル基含有物質とフェノール性ヒドロキシル基含有物質との混合物もまた、使用
され得る。ビスフェノールAが好ましい。
【0020】 カチオン性樹脂に関連する活性水素には、93℃〜204℃、好ましくは12
1℃〜177℃の温度範囲内でイソシアネートと反応性である、任意の活性水素
が挙げられる。典型的には、この活性水素は、脂肪族ヒドロキシル基、β−ヒド
ロキシアルキルアミノ基、ならびに一級および二級アミノ基(ヒドロキシルと一
級アミノのような混合基を含む)からなる群から選択される。好ましくは、カチ
オン性樹脂は、樹脂固体1g当たり、活性水素の約1〜4ミリ当量、より好まし
くは2〜3ミリ当量の活性水素含量を有する。
【0021】 この樹脂は、好ましくは以下のような樹脂分子に取り込まれるカチオン性塩の
基を含む:上記のように調製される樹脂の反応生成物は、さらにカチオン性塩の
基形成物と反応される。「カチオン性塩の基形成物」により、エポキシ基と反応
性であり、そしてエポキシ基との反応の前、間、または後に酸性化されてカチオ
ン性塩の基を形成し得る物質を意味する。適切な物質の例には、エポキシ基との
反応の後に酸性化されてアミン塩の基を形成し得る一級もしくは二級アミン、ま
たはエポキシ基との反応前に酸性化され得、そしてエポキシ基との反応後に四級
アンモニウム塩の基を形成する三級アミンのようなアミンが挙げられる。他のカ
チオン性塩を形成する基の例は、エポキシ基との反応前に酸と混合され得、そし
て引き続いてのエポキシ基との反応の際に三元(ternary)スルホニウム
塩の基を形成し得るスルフィドである。
【0022】 アミンがカチオン性塩形成物として使用される場合、モノアミンが好ましく、
そしてヒドロキシル含有アミンが特に好ましい。ポリアミンは使用され得るが、
樹脂をゲル化する傾向のために推奨されない。三級および二級アミンは、一級ア
ミンよりも好ましい。なぜならば一級アミンはエポキシ基に関して多官能性であ
り、そしてこの反応混合物をゲル化するより強い傾向を有するからである。ポリ
アミンまたは一級アミンが使用される場合、これらはゲル化を阻害するようにポ
リエポキシドのエポキシ官能性に対して実質的に化学量論的に過剰で使用される
べきであり、そして過剰のアミンはこの反応の最後で、真空ストリッピング(v
acuum stripping)または他の技術により、反応混合物から除去
されるべきである。エポキシは、過剰のアミンを保証するためにアミンに添加さ
れ得る。また、これらの種々のアミンおよび以下に記載のアミンの任意の混合物
またはブレンドが使用され得る。
【0023】 ヒドロキシル含有アミンの例は、アルカノール、アルキルおよびアリール基の
それぞれにおいて1〜18個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を含む
、アルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、アル
キルアルカノールアミンおよびアラルキルアルカノールアミンである。具体的な
例としては、エタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、N−フェニルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N
−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−アミノプロピルジエ
タノールアミンおよびN−(2−ヒドロキシエチル)−ピペラジンが挙げられる
【0024】 ヒドロキシル基、またはアミンとエポキシとの間の反応に負に影響しないヒド
ロキシル以外の基で置換されたアミンを含まないモノ、ジおよびトリアルキルア
ミンならびに混合アリール−アルキルアミンのようなアミンもまた、使用され得
る。具体的な例としては、エチルアミン、メチルエチルアミン、トリエチルアミ
ン、N−ベンジルジメチルアミン、ジココアミンおよびN,N−ジメチルシクロ
ヘキシルアミンが挙げられる。
【0025】 一級および/または二級アミンとポリエポキシドとの反応は、アミンとポリエ
ポキシドとの混合の際に起こる。このアミンはポリエポキシドへと添加され得る
か、または逆でもよい。この反応はそのままで行われ得るか、あるいはメチルイ
ソブチルケトン、キシレンまたは1−メトキシ−2−プロパノールのような適切
な溶媒の存在下で行われ得る。一般に、この反応は発熱性であり、そして冷却が
所望され得る。しかし、50℃〜150℃の中程度の温度までの加熱がこの反応
を促進するために行われ得る。
【0026】 三級アミンとポリエポキシドとの反応において、この三級アミンは中和用の酸
を用いて予備反応されてそのアミン塩を形成し得、次いでこのアミン塩はポリエ
ポキシドと反応されて四級塩の基を含有する樹脂を形成し得る。この反応は、水
中でアミン塩とポリエポキシドとを混合することによって行われる。典型的には
、この水は、その非水性成分の全てを有する電着可能コーティング組成物につい
ての全反応混合物固体に基づいて、1.75〜20重量%の範囲の量で存在する
【0027】 この四級アンモニウム塩の基を含有する樹脂を形成する場合、この反応温度は
反応が進む最も低い温度(一般に室温またはそれを少し超える)から最大温度の
100℃(大気圧で)まで変化され得る。より高い圧力では、より高い反応温度
が使用され得る。好ましくは、この反応温度は60℃〜100℃の範囲にある。
立体障害をうけるエステル、エーテルまたは立体障害をうけるケトンのような溶
媒が使用され得るが、その使用は必然ではない。
【0028】 上に開示した一級、二級および三級アミンに加えて、ポリエポキシドと反応さ
れるアミンの部分は、米国特許第4,104,147号(第6欄23行目〜第7
欄23行目)に記載されるようなポリアミンのケチミンであり得る。このケチミ
ン基は、水中にアミン−エポキシ樹脂反応生成物を分散させる際に分解する。
【0029】 アミン塩および四級アンモニウム塩の基を含有する樹脂に加えて、三元スルホ
ニウム基を含むカチオン性樹脂が、本発明の組成物において使用され得る。これ
らの樹脂およびその調製方法の例は、DeBonaへの米国特許第3,793,
278号およびBossoらへの同第3,959,106号に記載される。
【0030】 カチオン性塩の基の形成の程度は、この樹脂が水性媒体および他の成分と混合
される場合、この電着可能組成物の安定な分散が形成されるようにあるべきであ
る。「安定な分散」により、沈降しないもの、またはいくらか沈降が生じる場合
に容易に再分散可能であるものが意味される。さらに、この分散は、この分散さ
れた樹脂粒子が、水性分散物中に浸されたアノードとカソードとの間に電位がか
けられる場合にカソードに向かって移動し、そしてカソード上に電着するのに充
分なカチオン性特性のものであるべきである。
【0031】 一般的に、本発明の電着可能組成物中の、この活性水素を含むカチオン性塩の
基を含有する樹脂は、樹脂固体1g当たり、0.1〜3.0ミリ当量、好ましく
は0.1〜0.7ミリ当量のカチオン性塩の基を含む。このカチオン性樹脂は、
好ましくは、非ゲル化であり、2000〜15,000、好ましくは5000〜
10,000の範囲の数平均分子量を有する。「非ゲル化」によって、実質的に
架橋を有さない樹脂が意味され、そしてカチオン性塩の基の形成前に、適切な溶
媒中に溶解された場合、この樹脂は測定可能な固有粘度を有する。対照的に、基
本的に無限の分子量を有するゲル化樹脂は、あまりに高い固有粘度を有するので
測定が不可能である。この活性水素を含有する、カチオン性塩の基を含有する電
着可能樹脂の(a)は、通常、樹脂固体の総重量に基づいて、40〜90重量%
、好ましくは50〜80重量%の範囲の量で電着可能組成物中に存在する。
【0032】 カチオン性塩の基形成物とポリエポキシドとの反応生成物は、酸での少なくと
も部分的な中和による、このポリエポキシドとの反応の前、後または共にのいず
れかで、カチオン性および水分散性にされる。スルファミン酸は、カチオン性電
着可能エポキシアミン付加物の塩基性アミンおよび四級アンモニウム基を、少な
くとも部分的に中和するのに有効な量で使用される。この部分的な中和は、これ
らの塩基性アミンおよび四級アンモニウム基の20〜100%であり、そしてさ
らにそれより大きい。この電着可能組成物中の、他の酸で中和可能なカチオン性
電着可能物質を中和するために使用されるスルファミン酸(sulfamic)
の量と合わせたエポキシアミン付加物を中和するために使用される、このスルフ
ァミン酸の量は、中和用の酸の全当量の90〜100当量重量%より多いスルフ
ァミン酸の初期量を与える。このスルファミン酸の初期量は、スルファミン酸を
後に添加した場合、90当量重量%以下であり得、そして50または60当量重
量%程度の低さでさえあり得る。このより低い開始量は、少なくとも80当量重
量%の量のスルファミン酸に達するために十分なスルファミン酸の後の添加を可
能にするのに充分であることのみを必要とする。少量の他の酸は塩基性アミンお
よび四級アンモニウム基を中和し得、そしてこれらは、ギ酸、酢酸、乳酸、およ
びリン酸のような有機酸および無機酸を包含する。この少量は、スルファミン酸
の後の添加を伴う場合、20当量重量%までであり、そして後の添加を伴わない
場合、10当量重量%までである。「スルファミン酸」によって、スルファミン
酸それ自体またはその誘導体;すなわち、式1の酸:
【0033】
【化2】
【0034】 が意味され、ここでRは、水素または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で
ある。式2のスルファミン酸:
【0035】
【化3】
【0036】 が好ましい。
【0037】 中和の程度は、関連する特定の反応生成物に伴い変化する。しかし、充分な酸
が、水のような水性媒体中に電着可能組成物を分散させるために使用されるべき
である。典型的には、使用される酸の量は、全ての全中和の少なくとも20%を
提供する。過剰の酸もまた、100%全中和に必要とされる量を超えて、使用さ
れ得る。好ましくは、この組成物は、まず約20℃〜約100℃の温度で中和さ
れる。
【0038】 エポキシ−アミン反応生成物に加えて、フィルム形成樹脂は、米国特許第3,
455,806号および同第3,928,157号に記載されるようなアミノ基
含有アクリルコポリマーから選択され得る。また、米国特許第4,134,86
6号およびDE−OS第2,707,405号に記載される1成分組成物もまた
、フィルム形成樹脂として使用され得る。
【0039】 好ましくは、この活性水素含有カチオン性樹脂内の活性水素は、一般的に、コ
ーティング乾燥条件下でのイソシアネートおよび/またはポリイソシアネート硬
化剤のような硬化剤とのエステル交換反応、アミド交換反応および/またはウレ
タン交換反応(transurethanization)について、硬化剤と
反応性である。少なくとも部分的にキャップされたまたはブロックされたイソシ
アネート硬化剤に適切な乾燥条件には、当業者に公知であるように、好ましくは
93℃〜204℃、最も好ましくは121℃〜177℃の範囲の高い温度が挙げ
られる。好ましくは、この活性水素含有カチオン性樹脂は、樹脂固体1g当たり
、活性水素の、1.7〜10ミリ当量、より好ましくは2.0〜5ミリ当量の活
性水素含量を有する。
【0040】 典型的には、活性水素含有カチオン性樹脂の成分(a)は、主なビヒクル樹脂
固体の重量に基づいて、55〜75、好ましくは65〜70重量%の量で電着可
能組成物中に存在する。「主なビヒクル樹脂固体」によって、活性水素含有の、
カチオン性塩の基を含有する樹脂の成分(a)および成分(b)としてエステル
転移反応、アミド転移反応またはウレタン転移反応のための硬化剤(単数または
複数)に起因する樹脂固体が意味される。
【0041】 本発明の電着可能成分はまた、前記型の硬化の1つのための硬化剤(単数また
は複数)(b)を含む。例えば、ポリイソシアネート硬化剤の成分(b)は、実
質的に遊離のイソシアネート基を有さない、完全にキャップ化されたポリイソシ
アネートであり得るか、あるいは部分的にキャップ化され、米国特許第3,98
4,299号または同第5,074,979号に記載されるか、もしくは米国特
許第4,009,133号に教示される樹脂骨格と反応され得る。このポリイソ
シアネートは、脂肪族または芳香族ポリイソシアネートあるいはこの2つの混合
物であり得る。ジイソシアネートが好ましいが、より高度なポリイソシアネート
がジイソシアネートの代わりに、またはジイソシアネートと組み合わせて使用さ
れ得る。一般的に、適切な乾燥条件下のキャップ化イソシアネートは脱キャップ
し、そしてヒドロキシル基の場合のように反応性水素と反応してウレタン基を形
成し、ならびに反応性アミンと反応して置換尿素基を形成する。また、ジ−およ
びポリイソシアネートは、適切な乾燥条件下で脱キャップまたは脱ブロックし、
そしてエステル転移反応および/またはアミド転移反応の架橋剤として反応し得
る。
【0042】 このエステル転移反応硬化剤の非排他的な例としては、欧州特許出願番号第1
2,463号に記載されるものが挙げられる。後者の硬化機構の例は、マロン酸
エステルまたはアセト酢酸エステルと反応するイソシアネートに関する。これら
の架橋剤および当業者に公知の他の類似の架橋剤は、必要に応じて、エステル転
移反応またはアミノプラスト(aminoplast)樹脂のようなアミド転移
反応、フェノールホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、トリアジン−ホ
ルムアルデヒドおよびフェノールアリルエーテル−ホルムアルデヒドのようなア
ルデヒド縮合のために使用され得る。また、米国特許第4,134,932号に
記載されるようなマンニッヒ塩基から調製されたカチオン性電着組成物が使用さ
れ得る。
【0043】 架橋剤または硬化剤の例は、適切な芳香族、脂肪族(脂環式を含む)、ジイソ
シアネートおよびポリイソシアネートである。適切な脂肪族ジイソシアネートは
、1,4−テトラメチレンジイソシアネートおよび1,6−ヘキサメチレンジイ
ソシアネートのような直鎖脂肪族ジイソシアネートである。また、脂環式ジイソ
シアネートも使用され得る。例には、イソホロンジイソシアネートおよび4,4
’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)が挙げられる。適切な
芳香族ジイソシアネートの例は、p−フェニレンジイソシアネート、ジフェニル
メタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)および2,4−または2,6−
トルエンジイソシアネート、ならびにそれらの混合物(TDI)である。適切な
より高度なポリイソシアネートの例は、トリフェニルメタン−4,4’,4’’
−トリイソシアネート、1,2,4−ベンゼントリイソシアネートおよびポリメ
チレンポリフェニルイソシアネートである。イソシアネートプレポリマー、例え
ば、ポリイソシアネートと、ネオペンチルグリコールおよびトリメチロールプロ
パンのようなポリオールとの、またはポリカプロラクトンジオールおよびトリオ
ールのようなポリマー性ポリオールとの反応生成物(1より大きいNCO/OH
当量比)もまた、使用され得る。ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネー
トおよびポリメチレンポリフェニルイソシアネートの混合物が好ましい。通常、
粘度平均分子量(「Mv」)として測定される架橋剤の分子量は、高い流動性を
達成するために40,000未満である。
【0044】 任意の適切な脂肪族、脂環式または芳香族アルキルモノアルコールもしくはフ
ェノール化合物あるいはオキシムまたはラクタムあるいはアミンが、本発明の組
成物中の少なくとも部分的にキャップ化されたポリイソシアネート硬化剤のため
のキャッピング剤として、使用され得る。非排他的な例としては、以下が挙げら
れる:メタノール、エタノールおよびn−ブタノールのような低級脂肪族アルコ
ール;シクロヘキサノールのような脂環式アルコール;フェニルカルビノールお
よびメチルフェニルカルビノールのような芳香族アルキルアルコール;ならびに
フェノールそれ自体ならびにクレゾールおよびニトロフェノールのような置換フ
ェノール(ここで、この置換基はコーティング操作に影響を与えない)のような
フェノール化合物。グリコールエーテルもまた、キャッピング剤として使用され
得る。適切なグリコールエーテルとしては、エチレングリコールブチルエーテル
、ジエチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルお
よびプロピレングリコールメチルエーテルが挙げられる。ジエチレングリコール
ブチルエーテルがグリコールエーテルの中でも好ましい。他の適切なキャッピン
グ剤には、メチルエチルケトオキシム、アセトンオキシムおよびシクロヘキサノ
ンオキシムのようなオキシム、ε−カプロラクタムのようなラクタムならびにジ
ブチルアミンのようなアミンが挙げられる。
【0045】 このキャップ化されたポリイソシアネート硬化剤の成分(b)は、典型的には
、電着可能組成物中に、主なビヒクル樹脂固体の重量に基づいて、25〜45重
量%、好ましくは30〜35重量%の量で存在する。典型的には、カチオン性樹
脂の成分(a)中の各々の活性水素について、0.1〜1.2のキャップ化され
たイソシアネート基を提供するために、本発明の組成物中に充分なポリイソシア
ネートが存在する。
【0046】 電着可能組成物中に存在し得る任意のさらなる酸中和可能カチオン性電着可能
物質のうちの、好ましくは、少なくとも1つが存在する。好ましくは、存在する
1つはカチオン性マイクロゲルであり、そして適切なマイクロゲルは米国特許第
5,096,556号(これによって参考として援用される)に記載されるもの
である。カチオン性電着のプロセスにおいて使用される場合、このようなカチオ
ン性水性マイクロゲルは、平滑なフィルムを維持しつつ、良好な端部被覆(ed
ge coverage)およびクレーター制御の達成を生じる。このようなカ
チオン性マイクロゲルの分散物は、当業者に公知の任意の方法によって調製され
得る。例えば、このカチオン性ポリエポキシド−アミン反応生成物とポリエポキ
シド架橋剤との反応性混合物は、水性媒体中に分散される。この分散工程は、ポ
リエポキシド−アミン反応生成物を、好ましくは100℃〜150℃の高い温度
で、水と酸との混合物に添加して、水中に樹脂のカチオン性分散物を形成するこ
とにより、達成され得る。典型的には、この生じた分散物の固体含量は20〜5
0重量%であり、そして中和の程度は全理論中和の20〜100%である。
【0047】 ミクロゲルの中和において、ポリエポキシドアミン付加体について上記したよ
うに、この酸は、全てまたは一部の中和のためのスルファミン酸である。再び、
少量の他の酸が使用され得、このような他の酸は、有機酸(例えば、ギ酸、乳酸
および酢酸)ならびに無機酸(例えば、リン酸)ならびに酸のブレンド(有機お
よび無機酸のブレンドを含む)が使用され得る。中和度は、特定の反応生成物に
依存し、そして通常、得られるミクロゲル分散体を安定化するのに十分なだけ酸
が添加される。
【0048】 表現「第一級および/または第二級アミン基を含むカチオン性ポリエポキシド
−アミン反応生成物」は、第一級および第二級アミン基およびその酸の塩を含み
、そしてまた、「エポキシアミン付加体」として言及される。通常、水と混合す
ることができない共溶媒(例えば、メチルイソブチルケトン)中に溶解したポリ
エポキシド架橋剤は、次いで、カチオン性ポリエポキシドアミン分散体中でゆっ
くり撹拌される。この工程は、通常、周囲の温度で達成され、そして追加の水が
必要に応じて、添加され得る。代表的には、この混合物の固体含有量は、10〜
40重量%である。この混合物は、室温で反応性であり得るが、この分散体は、
通常、連続した撹拌と共に加熱され、その結果、架橋の最終的な程度が、合理的
な時間内に達成される。代表的には、この分散体は、40℃〜90℃まで、1〜
6時間加熱される。加熱工程の間、得られた分散体は、濃厚化し始め、そして代
表的には、この温度範囲と時間にわたって、この架橋反応は、実質的に完了する
【0049】 一般に、上述のポリエポキシド−アミン付加体または主ビヒクルの一部として
使用されるカチオン性ポリエポキシドアミン反応生成物のいずれかは、ミクロゲ
ルのために使用され得る。これは、ケチミンを有するポリアミンと共に反応され
得るポリエポキシド−ポリエーテルポリオール生成物を含む。このミクロゲルを
形成するための反応は、ニートで、または必要に応じて適切な溶媒の存在下で、
行われ得る。この反応は、発熱であり得、そして冷却が所望され得る。しかし、
適度の温度への加熱、すなわち、50℃〜150℃の範囲内が、反応を促進する
ために使用され得る。
【0050】 アミンとポリエポキシド樹脂との反応生成物は、スルファミン酸単独で、また
は主ビヒクルのポリエポキシドアミン付加体のための上記のような他の酸との混
合物中で、少なくとも部分的な中和によってそのカチオン性性質に達する。必要
とされる中和度のみが、水中でミクロゲルを分散するために十分な酸を利用する
。代表的には、使用される酸の量は、全理論的中和の少なくとも30%を提供す
るのに十分である。100%の全理論的中和のために必要とされる量を超える過
剰の酸もまた、使用され得る。一般に、ほとんどのカチオン性樹脂は、樹脂固形
物100グラムあたり10〜300、好ましくは30〜100ミリ当量のカチオ
ン性基を含む。カチオン性樹脂を含むバインダー(エポキシ/アミン付加体)は
、好ましくは、ポリスチレン基準を使用するゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーによって決定されるように、高い流動可能性を達成するために、100,
000未満、より好ましくは75,000未満、そして最も好ましくは50,0
00未満の重量平均分子量を有するべきである。
【0051】 第三級アミンと高度なエポキシ樹脂との反応において、第三級アミンは、酸(
例えば、上記の酸)と予備反応され得、アミン塩を形成し、そして、その塩はエ
ポキシ樹脂と反応して、第四級アンモニウム塩の基含有樹脂を形成する。この反
応は、水の存在下で、アミン塩とポリエポキシド樹脂とを一緒に混合することに
よって行われる。代表的には、その水は、全反応混合固形物を基準に、1.75
〜20重量%を基礎に使用される。あるいは、第三級アミンは、水の存在下でエ
ポキシ樹脂と共に反応され得、第四級水酸化アンモニウム基含有ポリマーを形成
し、これは所望される場合、後に、酸性化され得る。この第四級水酸化アンモニ
ウム含有ポリマーはまた、酸なしで使用され得るが、それらの使用は好ましくな
い。カチオン性ミクロゲルは、水性分散体から、乾燥された生成物(例えば、エ
バポレーション、噴霧乾燥などによって)として回収され得、この乾燥された生
成物は、それとして使用され得る。
【0052】 電着可能組成物中に、必要に応じて有用であるが、好ましくは存在する、別の
酸中和可能なカチオン性電着可能物質は、ポリエポキシド−ポリオキシアルキレ
ンポリアミン樹脂(米国特許第4,420,574号のそれら、ならびに米国特
許第4,891,111号の実施例Fおよび米国特許第4,810,535号の
実施例1Bのようなポリオキシアルキレンポリアミン−ポリエポキシド付加体の
ような)を含む。抗クレーター剤(anti−cratering)としてのポ
リエポキシド−ポリオキシアルキレン−ポリアミン反応生成物の例は、米国特許
第4,423,166号に記載されるものである。これらの特許の全ては、これ
らのカチオン性物質のタイプおよび量の教示のための参考として本明細書中に援
用される。
【0053】 また、本明細書中で参考として援用される米国特許第4,933,056号(
Corriganら)において記述されるように、顔料のための粉砕ビヒクルと
しての、酸で中和可能なカチオン性電着物質は、電着可能組成物中において、使
用され得る。このような樹脂は、第四級アンモニウム塩の基含有樹脂であり得る
。この四級化剤(米国特許第5,464,887号のそれのような)が形成され
得、ここで、この反応温度は、この反応が進行する最低温度(一般に、室温また
はそれよりわずかに上)から、100℃の最高温度まで変化され得る(大気圧下
で)。より高い圧力下では、より高い反応温度が使用され得る。好ましくは、こ
の反応温度は、60℃〜100℃の範囲内にある。溶媒(例えば、立体的に障害
されるエステル、エーテル、または立体的に障害されるケトン)が使用され得る
が、それらの使用は必然ではない。この分散体は、ゲル化していないカチオン性
樹脂(カソード上で電着可能である)と組み合わせられ得、電着における使用に
適切である水性の樹脂性分散体を形成する。一旦、再び、その他のカチオン性物
質において、上記のようなスルファミン酸を用いたこれらの物質の酸中和は、そ
れらを少なくとも、水に分散可能でかつ電着可能にする。
【0054】 また、第四級オニオム(例えば、アンモニウム、スルホニウム、およびホスホ
ニウム)塩の基含有エポキシ樹脂(米国特許第3,936,405号に教示され
る)は、中和されたスルファミン酸であり得、そして水分散可能で電着可能組成
物において有用で安定な顔料分散体を調製する際の粉砕媒体として有用であり得
る。この樹脂は、アミン塩、ホスフィン−酸混合物、およびスルフィド−酸混合
物からなる基から選択される物質と1,2−エポキシ基含有物質とを反応するこ
とによって調製され、ここで、初期に存在するエポキシ基1当量当たり、少なく
とも0.4当量の比の第四級オニオム基が生成される。好ましくは、この系は、
少なくとも少量のポリオキシアルキレングリコールを含む。一旦、再び、その他
のカチオン性物質において、上記のようなスルファミン酸を用いたこれらの物質
の酸中和は、それらを少なくとも、水に分散可能でかつ電着可能にする。
【0055】 これらの種々の酸で中和されるカチオン性で電着可能な物質の量は、各物質に
ついて変化するが、一般にこれらの物質の任意の一つは、組成物中に、電着可能
組成物の樹脂固形物の50重量%までの量で存在する。例えば、3つまたはそれ
以上のこれらの酸で中和可能なカチオン性電着可能な物質が存在し得、そしてそ
れらのうち3つの総量は、樹脂固形物の60またはそれ以上の重量%までであり
得る。これらは、式1のスルファミン酸を用いて、少なくとも部分的に中和され
る。中和は、スルファミン酸由来の塩基性アミン基を中和する酸の全ミリ当量の
当量パーセンテージが少なくとも80%であり得る程度である。これはまた、ス
ルファミン酸を用いる後の添加を考慮している。従って、電着可能組成物の浴は
、カルボン酸由来の中和する酸のこのような全ミリ当量の20当量重量%未満で
ある。このような電着可能コーティングの浴は、スルファミン酸の後の添加を用
いて、少なくとも5〜8までの、しかし好ましくは6.5までのpHを有するよ
うに維持される。
【0056】 金属触媒は、必要に応じて、本発明の電着可能組成物中に、通常、金属塩の分
散体の形態でまたは水溶液として存在する。触媒(しばしば、固体である)は、
代表的に、従来の顔料粉砕ビヒクル(例えば、米国特許第4,007,154号
に開示されるもの)中に、粉砕またはミルプロセスによって、分散される。この
触媒が水溶性である場合、それは水中に容易に溶解され得る。この触媒は、代表
的には、本発明の組成物中の全固形物の重量を基準に約0.005〜約2重量%
の金属の量で、使用される。適切な触媒には、スズ化合物(例えば、ジオクチル
スズオキシドおよびジブチルスズオキシド)、ならびに鉛含有化合物(例えば、
珪酸鉛、鉛シアンアミド、酸化鉛、および鉛塩類)が挙げられる。当業者にとっ
て公知の、ビスマス、マンガン、亜鉛、鉄、および他の金属を含有する化合物は
また、適切である。上記の金属化合物の混合物もまた、使用され得る。
【0057】 電着可能組成物はまた、必要に応じて、合体(coalescing)溶媒(
例えば、炭化水素類、アルコール類、エステル類、エーテル類およびケトン類)
を含み得る。好ましい合体溶媒の例は、アルコール類(ポリオール類を含み、例
えば、イソプロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、エチレングリ
コール、およびプロピレングリコール);エーテル類(例えば、エチレングリコ
ールのモノブチルおよびモノヘキシルエーテル);ならびにケトン類(例えば、
メチルイソブチルケトンおよびイソホロン)である。この合体溶媒は、通常、電
着可能組成物の総重量を基準に、約40重量%まで、好ましくは約0.05〜約
25重量%の範囲の量で存在する。
【0058】 本発明の電着可能組成物は、さらに、顔料および種々の他の任意の添加剤(例
えば、可塑剤、界面活性剤、湿潤剤、消泡剤、および抗クレーター剤)を含み得
る。好ましくは、この電着可能組成物は、約2,000 ppm 未満の鉛を含
む。
【0059】 適切な界面活性剤および湿潤剤の例は、アルキルイミダゾリン類(例えば、G
eigy Industrial Chemicals からGEIGY AM
INE C として入手可能であるもの)、およびアセチレン性アルコール類(
Air Products and Chemicals からSURFYNO
Lとして入手可能である)を含む。消泡剤の例としては、炭化水素含有不活性珪
藻土(Crucible Materials Corp. からFOAMKI
LL 63として入手可能である)が挙げられる。これらの任意の成分は、存在
する場合、通常、樹脂固形物の重量を基準に、30重量%まで、代表的には約1
〜約20重量%の量で使用される。
【0060】 適切な顔料には、例えば、酸化鉄、酸化鉛、クロム酸ストロンチウム、カーボ
ンブラック、炭塵、二酸化チタン、タルク、クレイ、シリカ、珪酸鉛、および硫
酸バリウム、ならびに着色顔料(例えば、カドミウムイエロー、カドミウムレッ
ド、クロムイエローなど)が挙げられる。水性分散体の顔料含有量(一般に、顔
料対樹脂(または顔料対バインダー)比(P/B)で表される)は、通常、0.
05:1〜1:1である。
【0061】 カチオン性樹脂、キャップ化ポリイソシアネート硬化剤、触媒、および上記の
任意の添加剤を含有する本発明の組成物は、水性分散体の形態で電着プロセスに
おいて使用される。「分散体」は、二相の透明な、半透明な、または不透明な水
性樹脂系を意味し、ここで、樹脂、顔料、および非水溶性物質は、分散された相
中にあり、一方で、水および水溶性物質は、連続相を構成する。分散された相は
、約10ミクロン未満、好ましくは5ミクロン未満の平均粒子サイズを有する。
この水性分散体は、分散体の特定の使用目的に依存して、好ましくは、少なくと
も約0.05重量%、そして通常、約0.05〜約50重量%の樹脂固形物を含
む。この分散体は、上記されるように、安定な分散体である。
【0062】 本発明の電着可能組成物は、電着コーティングプロセスにおいて使用される場
合、従来の金属触媒レベル(すなわち、全固形物の重量を基準に約0.2〜約2
.0重量%の金属)の従来の電着可能組成物について、325°F〜400°F
(162.7℃〜204.4℃)の硬化のための温度範囲を有する。
【0063】 電着のプロセスにおいて、水性分散体は、導電性アノードおよびカソードと接
触して配置される。アノードおよびカソードが水性分散体に接触している間、ア
ノードとカソードとの間に電流を通すと、電着可能組成物の付着フィルムが実質
的に連続的な様式でカソード上に析出する。このフィルムは、活性水素含有樹脂
、硬化剤、触媒、追加のカチオン性電着可能物質、および分散体の樹脂相または
非水相からの任意の添加物を含む。電着は、通常、約1ボルト〜数千ボルト、代
表的には50と500ボルトとの間の範囲の定電圧で行われる。電流密度は、通
常、平方フィートあたり約1.0アンペアと15アンペア(1平方メートルあた
り10.8〜161.5アンペア)の間であり、そして電着プロセスの間に急速
に低下する傾向にあり、このことは、連続的な自己絶縁フィルムの形成を示す。
任意の導電性基材、特に金属基材(例えば、鋼、亜鉛、アルミニウム、銅、マグ
ネシウムなど)は、本発明の電着可能組成物でコーティングされ得る。鋼基材が
好ましい。基材をリン酸転換(通常は、リン酸亜鉛転換コーティング)で前処理
し、続いて転換コーティングを封着するリンスが従来的である。
【0064】 電着後、コーティングを加熱して、析出した組成物を硬化させる。加熱または
硬化操作は、通常、200°F〜400°F(93.3℃〜204.4℃)、好
ましくは250°F〜340°F(121.1℃〜171.1℃)の温度範囲で
、10分〜60分の範囲の時間で行われる。得られるフィルムの厚みは、通常、
約10〜50ミクロンである。
【0065】 ある時間にわたる、基材の連続的なコーティングと共に、電着可能組成物の浴
のpHは、特に多量の細菌が存在する場合、酸の損失に起因して増加し得る。こ
れは、電着可能組成物中のスルファミン酸の初期量が90当量%より多い場合で
あり得る。スルファミン酸の浴への添加と共に、浴のリンス領域および浴自身に
おける細菌の増殖が削減される。これは、浴のpHを増大する傾向を減少すると
いう相伴う利点を生じる。このスルファミン酸は、溶解したまたは懸濁したスル
ファミン酸の固形物または水溶液として添加され得る。一般に、この溶液は、水
の重量に対し10〜20の重量(w/w)の範囲の濃度のスルファミン酸を有す
る。浴に添加されるスルファミン酸の量は、添加されるスルファミン酸のタイプ
および添加の方法に依存する。この量は、浴のpHを5〜8、最も好ましくは5
.5〜6.5の範囲内に維持するために有効である。好ましくは、スルファミン
酸は、15%w/wの濃度の水を有する溶液として添加される。
【0066】 本発明を以下の実施例を参照してさらに説明される。他に指示がない限り、全
ての部は重量部である。
【0067】 (実施例) 実施例1は、実験室規模の電着タンク内の電着可能浴コーティング組成物への
後の添加物として使用されたスルファミン酸溶液の調製を示す。
【0068】 (実施例1) (パートA−スルファミン酸の調製) 75°F(23.9℃)における穏やかな攪拌下で、2,850グラムのスル
ファミン酸を16,150グラムの脱イオン水に添加することによって、スルフ
ァミン酸の15%(w/w)溶液を調製した。この酸は30分以内で溶解し、そ
して温度を63°F(17.2℃)まで下げた。溶液の酸のミリ当量/グラム(
サンプル)が1.581であると決定された。
【0069】 (実施例1) (パートB−金属基材の電着) 実験室規模のタンク(連続的コーティングデバイスの一部として)に、4ガロ
ン(15.14リットル)のED5450、市販される(電気コーティング下塗
り(electrocoat primer))(部品をコーティングするため
に以前に商業的に使用され、そして細菌に感染された)を満たした。ED545
0組成物は、PPG Industries Inc.から、樹脂成分およびペ
ースト成分で構成される二成分組成物として市販される。この電着可能組成物は
、0グラムの量のスルファミン酸の後の添加について表1に示されるように、初
期のスルファミン酸濃度を有する。実験室規模のタンクは、そのタンクの一端上
に一巻きの4インチ(10.16 cm)幅のアルミニウム箔を保持する部材、
電着可能組成物にこの箔を浸漬するための部材、および、浴を介してこの箔を引
き上げるための巻き取りまたは引き上げ部材を載備した。浴に、連続的に、新し
い電着可能組成物を供給し、そして、連続的限外濾過のために、少量の電着可能
組成物を除去し、そして、浴のリンス画分をシミュレートするために、この限外
濾過物を浴中に戻した。
【0070】 85°F(29.4℃)にて、140〜250ボルトの範囲内の電圧にて、そ
して1.0〜1.7ampsの範囲内の電流にて、浸漬した4インチ(10.1
6 cm)幅のアルミニウム箔(いかなる前処理も施さず、約2ft/分(約1
cm./秒)の速度で浴を介して移動する)上に、下塗りを電着した。箔の片面
あたりのフィルムの厚さは、0.6〜1.2ミル(15.2〜30.5ミクロン
)であった。125フィート(38.1メートル)の箔をコーティングした後、
顔料粉砕ビヒクルおよび触媒ペースト(スルファミン酸ではなく、カルボン酸に
よる中和と共に、以下の実施例2Eの成分と類似の)の2つの別々の成分として
添加される電着可能組成物および樹脂供給物(カチオン性電着可能樹脂)で、コ
ーティングプロセスの間、箔上に析出した固体物質を補充した。浴のpHを連続
的にモニターし、そして、実施例1のパートAの15パーセントスルファミン酸
溶液の添加によって、周期的に、最も好ましくは5.5〜6.5の範囲に調整し
た。
【0071】 表1は、樹脂固形物上のミリ当量/グラム(meq/g)で示す酸組成物のコ
ーティングされたコイルの量に対する変化を表す。以下の試験(酢酸および乳酸
は、元々、ED5450市販の電気コーティング下塗り中に存在した)に従って
、浴のpHおよび種々の酸の当量を測定した。標準分析滴定法に従って、スルフ
ァミン酸を水酸化ナトリウムで滴定し、そして、電着可能組成物、アノード液、
およびリンス水を水酸化カリウムで滴定し、そして、サンプルを中和するために
必要である塩基の濃度の結果を用いて、各々の酸のミリ当量を計算した。Fis
her−Scientific Company から市販されるpH メータ
ーを用いて、pHを決定した。American Public Health Association (APHA)によって発行される標準化された方法
およびSMEWW 9215C(水および廃水の試験のための標準法)によって
、1ミリリットルあたりの細菌数を決定した。
【0072】
【表1】
【0073】1 (ft)/(m)のスラッシュは、それ自身、任意の数学的操作を意味すると いうよりむしろ、スラッシュの前の最初の数は、フィートであり、そして、スラ
ッシュの後ろの数は、その数のメートルへの換算値である。
【0074】 表1に示され得るように、スルファミン酸が増加し、そして一般に、酢酸およ
び乳酸の1グラムあたりのミリ当量がわずかに減少するに伴い、浴内の細菌数は
減少した。この減少は、6未満までpHを下げるのに十分な量のスルファミン酸
の場合に、より明白であった。
【0075】 (実施例2) これは、米国特許第4,933,056号の実施例IIIに類似の、予言的な
実施例であり、ここで、米国特許第4,933,056号の実施例B、C、D、
およびEの乳酸は、スルファミン酸によって置き換えられ、そして米国特許第4
,933,056号の実施例Aの酢酸は、スルファミン酸によって置き換えられ
た。
【0076】 (実施例2A) 以下の実施例は、架橋剤は存在しないことを除いては、米国特許第4,933
,056号の実施例Aに類似しており、そしてブチルカルビトールホルマールを
、2−ブトキシエタノールの代わりに希釈剤として使用し、そして、酢酸の代わ
りにスルファミン酸が可溶化する酸として使用する。
【0077】 以下の成分から、新規のポリエポキシドポリオキシアルキレン−ジアミン付加
体を調製した。
【0078】
【表2】
【0079】1 2モルのジエチレングリコールブチルエーテルと1モルのホルムアルデヒドと の反応生成物は、一般に、米国特許第4,891,111号に記載される通りに
調製した: EPON 828、ビスフェノールA、ブチルカルビトールホルマールおよびヨ
ウ化エチルトリフェニルホスホニウムを反応容器に充填し、そして、窒素雰囲気
下で125℃まで加熱する。この混合物は発熱し得るが、発熱の最高点が180
℃未満を保持するような方法でこれを維持する。この反応を、160℃〜170
℃において、1時間保持する。第二のブチルカルビトールホルマールの充填物を
添加し、続いて、Jeffamine D−2000を速やかに添加する。次い
で、この混合物を130℃で3時間保持する。樹脂混合物(1866部)を、6
0.29部のスルファミン酸と1925.6部の脱イオン水の混合物に添加する
ことによって、水性媒体中に分散する。60分後、この混合物を1812.7部
の脱イオン水でさらに希釈し、34%の固体含有量を有する分散体を得る。
【0080】 (実施例2Bおよび2C) スルファミン酸(米国特許第4,933,056号の実施例BおよびCにおけ
る乳酸に匹敵する)を基準にした四級化剤および粉砕ビヒクルは、以下のように
調製する:
【0081】
【表3】
【0082】 室温、フラスコ中で、窒素下にて、2−エチルヘキサノールで半分キャップ化
したトルエンジイソシアネートをDMEAに添加する。この混合物は発熱し、そ
して80℃にて20分間、攪拌する。2−ブトキシエタノールを充填し、そして
、20分間混合し、続いて、12分間かけて、スルファミン酸を添加する。この
酸含有混合物を90℃まで加温し、そして、脱イオン水を添加し、そして、攪拌
し、四級化剤を得る。
【0083】 顔料粉砕ビヒクルは、以下のようにして調製する:
【0084】
【表4】
【0085】a ビスフェノールAのジグリシジルエーテルはShell Oil and C hemical Co.から入手可能である。
【0086】 EPON 828、ビスフェノールAおよびキシレンを窒素雰囲気下で適切な
反応容器に充填し、全てのビスフェノールAが融解するまで、110℃〜115
℃まで加熱する。ヨウ化エチルトリフェニルホスホニウム触媒を添加し、そして
、この混合物を約130℃まで加熱し、反応を開始する。この反応混合物を16
0℃〜190℃まで発熱させ、温度が160℃を超えた直後に一時間の保持を開
始する。発熱が放散する場合、熱は残りの時間、温度を165℃〜170℃に維
持するために使用する。保持を完了した際、この混合物を130℃〜135℃ま
で冷却し、そして、120℃〜127℃を維持しながら、2−エチルヘキサノー
ルで半分キャップ化したトルエンジイソシアネートを添加する。この反応混合物
を120℃〜127℃でさらに一時間保持し、そしてこの混合物を80℃〜85
℃まで冷却する間、2−ブトキシエタノールを添加する。2−ブトキシエタノー
ルを添加後、80℃〜85℃を維持しながら四級化溶液を2時間かけて添加し、
そして、得られる混合物を、1未満の酸価が得られるまで、この温度で保持する
。最終生成物は、約54%の固体含有量を有し得る。
【0087】 (実施例2D) 触媒ペーストは、実施例Cのスルファミン酸をベースとする粉砕ビヒクルから
調製する。
【0088】
【表5】
【0089】 この成分を一緒に混合し、そして、鋼ボールミル中で、Hegman No.
7 グラインドまで粉砕する。
【0090】 (実施例2E) 顔料ペーストは、実施例2Cのスルファミン酸をベースとする粉砕ビヒクルお
よび実施例2Dの触媒ペーストから調製する。
【0091】
【表6】
【0092】 上記の成分を示した順番に混合し、そして鋼ボールミル中で、Hegman値
7まで粉砕する。
【0093】 (実施例III) 浴を、米国特許第4,933,056号の実施例IIIと同様に、実施例2A
のスルファミン酸をベースとするポリエポキシドポリオキシアルキレンジアミン
付加体および実施例2Eのスルファミン酸をベースとする顔料ペーストを使用し
て、調製する。この浴は、米国特許第4,933,056号の実施例IIIのポ
リエポキシドポリオキシアルキレンジアミン付加体の含有量と等しくなるように
処方する。
【0094】 この浴は、以下の成分から調製する:
【0095】
【表7】
【0096】1 プロポキシル化したクレゾールは、Rohm and Haasから市販され る。
【0097】 米国特許第4,933,056('056)号の実施例IIIと本明細書中の 実施例IIIとの酸含有量の比較を以下に示す:
【0098】
【表8】
【0099】 ★全てのラクトン類およびラクチド類の完全な加水分解を仮定する。
【0100】
【表9】
【0101】 あるいは、スルファミン酸と酢酸および/または乳酸の中和する酸との最小限の
置き換えは、まさに、乳酸を用いる粉砕を残し、そして他の酸をスルファミン酸
と置き換えることであり得る。それ故に、表IIICに示されるようなスルファ
ミン酸の酸当量重量のパーセントの範囲は、90%より大きく100%までであ
り得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 コーリガン, ビクター ジー. アメリカ合衆国 オハイオ 44070, ノ ース オルムステッド, ジャックライン レーン 5461 (72)発明者 クック, ウィリアム ディー. アメリカ合衆国 アリゾナ 85204, メ サ, イー. ジャキント アベニュー 3327 (72)発明者 カイロ, アラン ジェイ. アメリカ合衆国 ペンシルバニア 15116, グレンショー, リンゲイ ドライブ 140 Fターム(参考) 4H011 AA02 BA01 BB07 BC04 BC06 BC19 DA13 DA14 DD01 DH08 4J038 DB031 DB041 DB051 DB391 GA03 GA09 GA12 JC09 NA05 NA27 PA04 PA19 PB07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体において分散された樹脂相を含むカチオン性電着可
    能組成物を有する電着浴組成物の細菌数を減少させるためのプロセスであって、
    該組成物は少なくとも約5のpHを有し、該樹脂相は以下の式: 【化1】 の酸で少なくとも部分的に中和された塩基性窒素基を有し、すでに調製された浴
    への式1のスルファミン酸の添加によって、少なくとも約5〜約8の範囲のpH
    に該浴を維持する工程を包含する、プロセス。
  2. 【請求項2】 前記スルファミン酸が約10〜約20重量/重量%の範囲の
    スルファミン酸濃度を有する水溶液である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 【請求項3】 前記組成物が約2,000ppm未満の鉛を含む、請求項1
    に記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 前記組成物が約20℃〜約100℃の温度で最初に中和され
    る、請求項1に記載のプロセス。
  5. 【請求項5】 前記カチオン性樹脂相の塩基性アミンおよび/または第4級
    アミンの中和が、該樹脂の水分散性について十分な程度の中和を含む、請求項1
    に記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 前記カチオン性樹脂相の塩基性アミンおよび/または第4級
    アミンの中和が、該アミンの全理論中和の少なくとも約20%であり、ここでこ
    のような中和のための酸の90当量重量%をこえるミリ当量が式1のスルファミ
    ン酸である、請求項1に記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 前記カチオン性樹脂相が複数のカチオン性樹脂物質からなり
    、該カチオン性樹脂物質の少なくとも1つがスルファミン酸を用いて中和される
    、請求項1に記載のプロセス。
  8. 【請求項8】 前記カチオン性樹脂相が式1のスルファミン酸の存在によっ
    て全理論中和の割合について中和される、請求項1に記載のプロセス。
  9. 【請求項9】 塩基性窒素基として、第1級アミン基を含む、請求項1に記
    載のプロセス。
  10. 【請求項10】 前記分散した樹脂相が、前記電着組成物の全重量を基に約
    2〜約60重量%の量で存在する、請求項1に記載のプロセス。
  11. 【請求項11】 前記浴がすでに調製された浴への式1のスルファミン酸の
    添加によって5.5〜6.5の範囲のpHに維持される、請求項1に記載のプロ
    セス。
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