JP2000168259A - 印刷用ブランケット - Google Patents

印刷用ブランケット

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JP2000168259A
JP2000168259A JP10343197A JP34319798A JP2000168259A JP 2000168259 A JP2000168259 A JP 2000168259A JP 10343197 A JP10343197 A JP 10343197A JP 34319798 A JP34319798 A JP 34319798A JP 2000168259 A JP2000168259 A JP 2000168259A
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urethane resin
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rubber
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JP10343197A
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Inventor
Makoto Sugitani
信 杉谷
Katsumi Terakawa
克美 寺川
Toshio Kamata
敏生 鎌田
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤の使用量を低減して製造されるために、
製造工程が煩雑化せず、しかも作業環境性の悪化や大気
汚染の問題を生じるおそれがない、新規な印刷用ブラン
ケットを提供する。 【解決手段】 印刷用ブランケットを構成する積層構造
のうちの少なくとも一層を、溶剤の含有量が10体積%
以下の無溶剤型の液状ウレタン樹脂で形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用ブランケッ
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版オフセット印刷やグラビアオフセッ
ト印刷などに使用される印刷用ブランケットとしては、
(1) 複数枚の基布を積層した上に、ゴムなどのエラスト
マー材料からなる表面印刷層を設けた、いわゆるソリッ
ドタイプのものや、(2) 上記表面印刷層の下に、同じく
エラストマー材料からなる多孔質構造の圧縮性層を設け
た、いわゆるエアータイプのもの、あるいは(3) 円筒状
のスリーブの外周面に、エラストマー材料からなる非発
泡のベース層、長さ方向に非伸縮性の線材(糸など)を
らせん状に捲回した非伸縮性層、圧縮性層、表面印刷層
などの各層を積層した、周方向に継ぎ目のない、いわゆ
るギャップレスタイプのもの、などが知られている。
【0003】たとえば、上記(1)のソリッドタイプの印
刷用ブランケットは、下記(i)〜(iv)に従って製造され
る。 (i) まず、未加硫ゴムを溶剤に溶かしてゴム糊を調製
し、これをブレードコーティング法などの糊引き法によ
って1枚の基布上に塗布し、ついでその上に、もう1枚
の基布を重ねて接着する。 (ii)この作業を繰り返し行って、所定枚数の基布を積層
する。 (iii) つぎにこの積層体上に、表面印刷層用の未加硫の
ゴムシート部材を、ゴム糊を介して貼り合わせるか、あ
るいは表面印刷層用のゴム糊を調製して直接塗布するこ
とによって、表面印刷層を形成する。 (iv)そして最後に、上記各層の積層体を加圧下で加熱し
て、未加硫ゴムを加硫させることにより、ソリッドタイ
プの印刷用ブランケットが製造される。
【0004】このように、ゴム糊を用いて各層を形成す
れば、これら各層の厚みの調整が、塗布回数の調節によ
って極めて簡単に行えるといった利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしその反面、上記
ゴム糊の調製には、トルエンなどの溶剤を多量に必要と
するので、作業環境性を損なうおそれがある上、糊引き
後の各(ゴム)層の乾燥時には、多量の溶剤が気散して
大気汚染につながるおそれもある。そこで、たとえば乾
燥時に溶剤を回収することも考えられるが、この場合に
は、従来の印刷用ブランケットの製造設備にはない、新
たな設備のための大掛かりな投資が必要で、製造コスト
がかかると共に、製造工程が煩雑になるおそれがある。
【0006】そのためゴム糊、換言すれば多量の溶剤を
必要とするゴム材料に代わる、印刷用ブランケットの新
規な形成材料の開発が期待されている。本発明の目的
は、溶剤の使用量を低減して製造されるために、製造工
程が煩雑化せず、しかも作業環境性の悪化や大気汚染の
問題を生じるおそれがない、新規な印刷用ブランケット
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ゴム材料に代
わる新規な材料として、硬化前は溶剤を一切必要とせず
に基布などへの塗布が容易に行え、しかも硬化後はゴム
と同等の弾性を有する、無溶剤型の液状ウレタン樹脂を
使用するのがよいという新たな事実を見出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の印刷用ブランケット
は、積層構造を有し、上記積層構造のうちの少なくとも
一層が、溶剤の含有量が10体積%以下である無溶剤型
の液状ウレタン樹脂から形成された層であることを特徴
とするものである。上記無溶剤型の液状ウレタン樹脂と
しては、硬化前に液状を呈し、しかもその粘度が、従来
のゴム糊と同等であるものが、従来のゴム糊の設備を用
いて、基布などにそのまま塗布できるために、好適に使
用される。なおここでいう液状とは、常温で液状のウレ
タン樹脂はもとより、常温で固体であっても加熱によっ
て液状となって、基布などへの塗布が溶剤を一切、必要
とせずに行えるものも含まれる。
【0009】そして印刷用ブランケットの製造に、従来
のゴム糊に代えて、上記無溶剤型の液状ウレタン樹脂を
使用した場合には、基布などへ塗布する際に溶剤が不要
になり、製造時の作業環境性の低下や大気汚染などの問
題を改善でき、しかも製造コストがかからないという利
点がある。また、上記無溶剤型の液状ウレタン樹脂は、
硬化後は従来のゴムと同様の弾性を発揮するものであ
る。しかも、その硬化は、従来の高温、高圧の加硫操作
が必要なゴム材料に比べて、より低温、低圧、短時間と
いう条件で行えるので、印刷用ブランケットを効率よく
製造することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。本発
明の印刷用ブランケットで使用するウレタン樹脂として
は、前記のように無溶剤型で、かつ塗布環境において液
状を呈する種々のウレタン樹脂が、いずれも使用可能で
ある。
【0011】なお、本発明でいう無溶剤型の液状ウレタ
ン樹脂とは、本質的に無溶剤であるという意味であっ
て、基本的には溶剤の含有量が10体積%(vol%)以下で
あるウレタン樹脂をいう。使用する溶剤としては、例え
ばトルエン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケト
ン、ヘキサン、キシレン、シクロヘキサン、アセトンな
どがあげられる。
【0012】上記ウレタン樹脂としては、これに限定さ
れないがたとえば、(a)ポリオール、ポリアミンおよび
これらの混合物と、(b)ポリイソシアネートの2成分か
らなり、しかも前記のように溶剤を含まない状態で、塗
布環境において液状であるウレタン樹脂があげられる。
具体的にはたとえば、(A)ポリオールおよび/またはポ
リアミンと、ポリイソシアネートとを、ポリイソシアネ
ート過剰の状態で反応させた、空気中の湿気と触れるこ
とで硬化反応が開始される、いわゆる1成分湿気硬化型
ウレタン樹脂、(B)ポリオールおよび/またはポリアミ
ンを含む第1成分と、ポリイソシアネートを含む第2成
分とからなり、上記の両成分を混合して硬化反応を開始
させる2成分硬化型ウレタン樹脂、などがあげられる。
【0013】上記無溶剤型の液状ウレタン樹脂を構成す
るポリオールとしては、たとえばひまし油や、あるいは
ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオー
ル、カーボネート系ポリオール、アクリル系ポリオー
ル、エポキシ樹脂系ポリオール、シリコーン系ポリオー
ル、フッ素化系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオー
ル、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体系ポリオー
ルなどのポリマー系のポリオール、あるいはこれらのポ
リオールを、後述するポリイソシアネートで鎖延長して
得られたポリウレタンポリオールなどがあげられる。
【0014】また、上記のうちポリエーテル系ポリオー
ルとしては、たとえばトリエチレングリコール、ブチレ
ングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチ
ロールプロパン、ヘキサントリオール等の低分子ポリオ
ールや、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、エチ
レンオキシド、プロピレンオキシド共重合体、ポリマー
ポリオールなどが挙げられる。
【0015】またポリエステル系ポリオールとしては、
たとえばポリエチレンアジペート、ポリジエチレンアジ
ペート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリネオペン
チルアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリ
メチルペンタンアジペート、ポリヘキサメチレンドデカ
ンジオエート、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ−β−
δ−バレロラクトンなどがあげられる。
【0016】ポリアミンとしては、たとえば3,3′−
ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,
5′−ジメチルチオ−2,4′−トルエンジアミン、
3,5′−ジメチル−2,6′−トルエンジアミン、o
−クロロアニリンとホルムアルデヒドとの初期縮合物、
トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカル
バマト、4,4′−メチレンビス−o−クロロアニリン
などがあげられる。
【0017】さらに上記ポリオールおよび/またはポリ
アミンと反応させるポリイソシアネートとしては、たと
えばヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチ
ルキシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ト
リジンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネー
ト、水添ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなど
の脂肪族系、脂環族系、または芳香族系のジイソシアネ
ート類、もしくはこれらジイソシアネートのビウレット
体、アダクト体、イソシアヌレート体などの多量体、あ
るいはこれらポリイソシアネートを、前述したポリオー
ルで鎖延長することによって得られるポリウレタンポリ
イソシアネートなどがあげられる。あるいはまた、これ
らのポリイソシアネートを、アルコール類、フェノール
類、ε−カプロラクタム、オキシム類、活性メチレン化
合物等によってブロック体にしたものなどもあげられ
る。
【0018】無溶剤型の液状ウレタン樹脂は、前述した
ように、その粘度が従来のゴム糊と同等であるのが好ま
しい。具体的には、その粘度がおよそ1000〜500
00cPs程度に調整されているのが好ましい。無溶剤
型の液状ウレタン樹脂の粘度を調整するには、たとえば
前述した各成分の種類や分子量などを調整したり、ある
いは常温で液状を呈し、かつ前記各成分の反応時に同時
に反応して、硬化後のウレタン樹脂中に取り込まれる、
いわゆる反応性希釈剤もしくは可塑剤および溶剤を添加
したりすればよい。但し、溶剤の添加量は、溶剤の含有
量が10体積%未満となる量に限る。
【0019】また、上記のように各成分の種類や分子量
などを調整することによって、ウレタン樹脂の硬化速度
を調整して、ポットライフなどを制御したり、貯蔵安定
性を向上させたりすることもできる。また、上記無溶剤
型の液状ウレタン樹脂には、従来公知の種々の添加剤を
配合することもできる。かかる添加剤としては、硬化触
媒、充填剤、可塑剤、分散剤、消泡剤、顔料などがあげ
られる。これら添加剤の配合量は、圧縮性層などの強度
や弾性などを考慮すると、総量で、上記無溶剤型の液状
ウレタン樹脂100重量部に対して2〜40重量部程
度、とくに5〜30重量部程度であるのが好ましい。
【0020】本発明では、前記ソリッドタイプ(1)、エ
アータイプ(2)またはギャップレスタイプ(3)などの従来
公知の印刷用ブランケットを構成する積層構造のうちの
少なくとも一層が、ゴム糊に代えて、上記無溶剤型の液
状ウレタン樹脂で形成されていればよく、かかる構成に
よって、従来の未加硫のゴム糊を用いた場合に比べて溶
剤の使用量を低減でき、製造コストおよび作業環境性の
改善を図ることができる。また、従来のゴム糊を使用し
た場合に行う溶剤の乾燥工程を省略できるので、製造工
程の減少および大気汚染の防止が可能となる。
【0021】たとえばソリッドタイプ(1)の場合には表
面印刷層、エアータイプ(2)の場合には表面印刷層と圧
縮性層、ギャップレスタイプ(3)の場合にはベース層、
圧縮性層、表面印刷層の各層のうち、ゴム糊を塗布して
形成される層が、それぞれ上記無溶剤型の液状ウレタン
樹脂で形成されていると、溶剤の使用量を大幅に低減す
ることができ、コスト面や作業環境性などの改善効果が
顕著なものとなる。
【0022】また、たとえばソリッドタイプ(1)やエア
ータイプ(2)において基布間を接着したり、あるいは未
加硫ゴムのシートなどで形成された表面印刷層、圧縮性
層と、その下地とを接着したりするために使用されるゴ
ム糊、またはギャップレスタイプ(3)において上記各層
間を接着したり、あるいは非伸縮性層を構成する線材を
固定したりするために使用されるゴム糊に代えて、無溶
剤型の液状ウレタン樹脂を使用することもできる。
【0023】その場合には、さらに溶剤の使用量を低減
できる他、とくにソリッドタイプ(1)やエアータイプ(2)
において従来のゴム糊を使用した場合にみられた、基布
層における基布と接着層との接着不良や、溶剤に生じる
気泡による部分的な印刷ムラの発生を防止できるという
利点がある。これに対し、無溶剤型の液状ウレタン樹脂
を使用すれば、上記の、いずれも溶剤が原因で発生する
不良を解消することができる。
【0024】また本発明において、前記(2)のエアータ
イプのうちの圧縮性層を、ゴム糊に代えて無溶剤型の液
状ウレタン樹脂にて形成するには、従来と同様の方法が
採用される。すなわち圧縮性層は、 各気孔が互いに
連通した連続気孔構造のものと、各気孔がそれぞれ独
立した独立気孔構造のものとに分類され、このうちの
連続気孔構造を有する圧縮性層は、たとえば食塩などの
粒子を分散した無溶剤型の液状ウレタン樹脂を下地上に
塗布して硬化させたのち、食塩を、温水などで抽出して
除去する、いわゆるリーチング法によって形成すること
ができる。
【0025】またの、独立気孔構造を有する圧縮性層
は、発泡剤を添加した無溶剤型の液状ウレタン樹脂を下
地上に塗布し、その硬化に先立って、または硬化と同時
に加熱して発泡剤を発泡させるか、あるいは熱可塑性樹
脂の殻体を有する中空微小球を分散させた無溶剤型の液
状ウレタン樹脂を下地上に塗布して硬化させることによ
り形成される。
【0026】このうち、中空微小球を分散させて形成さ
れる、独立気孔構造を有する圧縮性層は、従来の未加硫
のゴム糊を用いた場合に比べて、圧縮性層の厚みにばら
つきを生じず、また圧縮特性の低下を引き起こさないと
いう利点を有する。すなわち従来のゴム糊を用いて、上
記と同様の独立気孔構造を有する圧縮性層を形成した場
合には、(a) 中空微小球中を構成する、熱可塑性樹脂に
て形成された殻体が、ゴム糊に使用される溶剤によって
膨潤、軟化、変形などを生じて、独立気孔の大きさが不
均一になる、(b) ゴム糊を塗布した後のゴム層の乾燥が
不十分で、ゴム層中に溶剤が残留していると、それが加
硫時に気泡化して、中空微小球と関係のない不均一な気
孔を生じる、(c) 中空微小球を構成する殻体が、ゴムを
加硫する際の加圧、加熱によって圧壊、変形して、独立
気孔の大きさが不均一になる、といった現象により、圧
縮性層中に、十分な空隙率を持った、均一な独立気孔構
造が形成されず、圧縮性層の圧縮特性(ベタ着肉性な
ど)を悪化させていた。
【0027】これに対し、溶剤を一切、使用しない無溶
剤型の液状ウレタン樹脂を使用すれば、上記のうち(a)
(b)の、いずれも溶剤が原因で発生する不良を解消する
ことができる。また無溶剤型の液状ウレタン樹脂の硬化
は、前述したように従来の高温、高圧の加硫操作が必要
なゴム糊に比べて、より低温、低圧、短時間という条件
で行えるので、(c)の加硫時の高温、高圧が原因で発生
する不良を解消することもできる。そしてその結果とし
て、厚みや独立気孔構造が均一で、かつ圧縮特性にすぐ
れた圧縮性層を形成することが可能となる。
【0028】なお上記中空微小球としては、たとえば特
開平2−20392号公報、特公平6−59749号公
報、特許第2670188号公報などに開示された、殻
体が種々の熱可塑性樹脂にて形成された、従来公知の種
々のものが、いずれも使用可能である。無溶剤型の液状
ウレタン樹脂の硬化は、従来同様に連続加硫機や加硫缶
などを用いて行うこともできるが、硬化反応は、前記の
ようにゴムの加硫に比べてより低温、低圧、短時間で完
了するため、たとえば加圧下で硬化させる場合は通常の
プレス成形機などを用いてもよく、また非加圧下で加熱
する場合はオーブンなどを用いてもよい。
【0029】上記のうち硬化温度は、高すぎると当該ウ
レタン樹脂が劣化しやすくなるため一般に、常温〜15
0℃程度、好ましくは常温〜120℃程度で行うのが好
ましい。とくに硬化を常温で行うようにすると、製造設
備から加熱のための装置を省略できるという利点がある
他、前記のように中空微小球を分散させて独立気孔構造
の圧縮性層を形成する際には、その軟化、溶融などによ
る変形を防止できるという利点もある。
【0030】また硬化は、加圧下、非加圧(圧力フリ
ー)下いずれの状態で行ってもよいが、非加圧下で硬化
させると、上記中空微小球の変形、圧壊を、さらに確実
に防止することができる。また非加圧の状態、つまり大
気中で硬化を行えば、製造設備から加圧のための装置を
省略できるという利点もある。つまり加熱も加圧もしな
い場合は、硬化のための装置を全く必要とせずに、ウレ
タン樹脂を硬化できる。
【0031】なお加圧する際の加圧条件はとくに限定さ
れないが、通常は1kgf/cm2以下、とくに0.5
kgf/cm2以下程度であるのが好ましい。なお本発
明においては、印刷用ブランケットを構成する積層構造
のうちの少なくとも一層が、無溶剤型の液状ウレタン樹
脂を硬化させて形成されていればよいが、前述した本発
明の作用効果をより一層、有効なものとするためには、
積層構造のうち、できる限り多くの層を、無溶剤型の液
状ウレタン樹脂を用いて形成するのがよい。ただし、イ
ンキと直接に接するために耐溶剤性や、あるいは紙など
と繰り返し接触されるために耐磨耗性などが要求される
表面印刷層などの、従来どおりゴムの加硫物で形成する
のが望ましい層については、この限りでない。
【0032】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。《基布接着用の液状ウレタン樹脂の調製》下
記の各成分を配合して、無溶剤型の、基布接着用の液状
ウレタン樹脂を調製した。
【0033】 (成 分) (重量部) 主剤:TDI/PPG*1 65.50 硬化剤:エタキュアー300*2 6.15 PPG−1*3 13.04 PPG−2*4 0.64 添加剤:オクチル酸亜鉛(亜鉛含量8%) 0.69 消泡剤 0.38 顔料*5 13.60 注) *1:トリレンジイソシアネートとポリプロピレングリ
コールとを反応させて得たポリウレタンポリイソシアネ
ートプレポリマー *2:アルベマールコーポレーション製、ビス(メチル
チオ)−2,4−トルエンジアミン、ビス(メチルチ
オ)−2,6−トルエンジアミンおよびメチルチオトル
エンジアミンの混合物。
【0034】*3:ポリプロピレングリコール、水酸基
価=56mgKOH/g *4:ポリプロピレングリコール、水酸基価=410m
gKOH/g *5:カーボンブラックとジオクチルフタレートとの混
合物(重量比で前者/後者=25/75) 《圧縮性層用の液状ウレタン樹脂の調製》上記で調整し
た基布接着用の液状ウレタン樹脂に、同じ体積の中空微
小球〔松本油脂製のF50E、殻体がアクリロニトリル
とメタクリル酸メチルの共重合体からなる、平均粒径5
0μmの、発泡済みの中空微小球。〕を配合し、均一に
分散させて、無溶剤型の、圧縮性層用の液状ウレタン樹
脂を調製した。 《基布接着用のゴム糊の調製》アクリロニトリル―ブタ
ジエン共重合ゴム100重量部と、下記の各成分とをト
ルエンに溶かして、基布接着用のゴム糊を調製した。
【0035】 (成 分) (重量部) カーボン 30 亜鉛華 3 ステアリン酸 1 可塑剤 10 硫黄 1.5 加硫促進剤 2 《圧縮性層用のゴム糊の調製》上記で調整した基布接着
用のゴム糊に、同じ体積の中空微小球〔前出の松本油脂
製のF50E〕を配合し、均一に分散させて、圧縮性層
用のゴム糊を調製した。 《表面印刷層用のゴム糊の調製》アクリロニトリル―ブ
タジエン共重合ゴム100重量部と、下記の各成分とを
トルエンに溶かして、表面印刷層用のゴム糊を調製し
た。
【0036】 (成 分) (重量部) シリカ 20 顔料 1 亜鉛華 3 ステアリン酸 1 可塑剤 12 硫黄 2 加硫促進剤 2 《印刷用ブランケットの製造》 実施例1 厚み0.15mmの1枚の基布の片面に、前記で調製し
た基布接着用の液状ウレタン樹脂を、厚み0.15mm
となるように塗布し、ついでその上に、もう1枚の同じ
厚みの基布を重ねて接着する作業を繰り返し行って、3
枚の基布を積層した。
【0037】つぎに上記基布上に、前記で調製した圧縮
性層用の液状ウレタン樹脂を、厚み0.5mmになるよ
うに塗布し、ついでその上に、もう1枚の厚み0.15
mmの基布を重ねて接着したのち、非加圧下で、23℃
で一日かけて硬化させた。つぎに、上記積層体のうち最
上層の基布上に、前記で調製した表面印刷層用のゴム糊
を、厚み0.5mmとなるように塗布して乾燥させたの
ち、全体を、連続加硫機を用いて、1kgf/cm2
圧力下、150℃で10分間、加熱して加硫させた。
【0038】そして表面印刷層の表面を、10点平均粗
さRz〔JIS B0601-1982〕が4〜6μmとな
るまで研磨して、全体の厚みが1.95mmのシート状
の、エアータイプの印刷用ブランケットを製造した。 実施例2 液状ウレタン樹脂の硬化条件を、非加圧下、100℃で
10分としたこと以外は実施例1と同様にして、全体の
厚みが1.95mmのシート状の、エアータイプの印刷
用ブランケットを製造した。 実施例3 液状ウレタン樹脂として、10体積%(vol%)のトルエン
を含有したものを使用した以外は実施例1と同様にし
て、全体の厚みが1.95mmのシート状の、エアータ
イプの印刷用ブランケットを製造した。 比較例1 液状ウレタン樹脂として、30体積%(vol%)のトルエン
を含有したものを使用した以外は実施例1と同様にし
て、全体の厚みが1.95mmのシート状の、エアータ
イプの印刷用ブランケットを製造した。 比較例2 基布の接着に、前記で調製した基布接着用のゴム糊を使
用し、かつ圧縮性層を、前記で調整した圧縮性層用のゴ
ム糊を用いて形成したこと以外は実施例1と同様にし
て、全体の厚みが1.95mmのシート状の、エアータ
イプの印刷用ブランケットを製造した。なお全体加硫の
条件は、連続加硫機を用いて、1kgf/cm2の圧力
下、150℃で15分間とした。 《使用トルエン量》上記各実施例、比較例の印刷用ブラ
ンケットを製造する際に使用した、ブランケット1m2
あたりのトルエンの量(g)を計算した。 《断面観察》上記各実施例、比較例の印刷用ブランケッ
トの断面を顕微鏡で観察し、異常気泡の有無を調べた。 《実機試験》上記各実施例、比較例の印刷用ブランケッ
トを、オフセット印刷機〔リョービ(株)製の560
型〕のブランケット胴にまきつけて、下記の印刷条件
で、コート紙に印刷を行った。
【0039】(印刷条件) 印刷速度:10000枚/時 インキ:東洋インキ(株)製の商品名「マークVニュ
ー」 コート紙:大王加工紙(株)製の商品名「ユトリロコー
ト110kg」 そして下記の各特性を調べて、各実施例、比較例の印刷
用ブランケットを評価した。
【0040】(べた着肉性)印刷物のべた部を画像解析
し、その標準偏差nを求めた。標準偏差nは、その値が
小さいほど、べた着肉性が良好である。 (網点の太り)印刷物の画像(階調を設けた網点からな
るテストチャート)の網点を顕微鏡で拡大して、原版の
網点よりサイズが大きくなる、いわゆる網点の太りの有
無を観察した。いうまでもなく、網点の太りを生じない
ものは印刷品質が良好であり、発生したものは、それよ
りも印刷品質が劣っている。
【0041】(外観観察)10000枚の連続印刷を行
った後のブランケットを観察して、はく離や破れの有無
を確認した。以上の結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1より、実施例1〜3では、比較例1お
よび2に比べて、製造時の溶剤の使用量を大幅に低減で
きることがわかった。また、実施例1〜3の印刷用ブラ
ンケットはいずれも、比較例1および2に比べて、ベタ
着肉性が良好で、かつ網点の太りの発生が認められず、
印刷特性にすぐれている上、従来の構成である比較例2
と同等の耐久性を有することが確認された。
【0044】また、トルエン含有量が10体積%より多
いウレタン樹脂を使用した比較例1では、製造コストと
作業環境性とが通常のウレタン樹脂を使用した場合に近
くなるとともに、得られるブランケットにも異常気泡が
生じて、印刷特性に悪影響を及ぼすことがわかった。一
方、トルエン含有量が10体積%以下であるウレタン樹
脂を使用した実施例1〜3では、このような不都合は生
じないことが確認された。
【0045】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
溶剤の使用量を低減して製造されるために、製造工程が
煩雑化せず、しかも作業環境性の悪化や大気汚染の問題
を生じるおそれがない、新規な印刷用ブランケットを提
供できるという特有の作用効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H114 CA02 CA03 CA05 DA60 DA73 EA08 GA12 GA34 GA38 4J034 CA14 CA15 CB03 CB05 CB07 CC12 CC61 CC65 CC67 CD08 CD13 CE01 DF11 DF12 DF16 DF20 DG03 DG04 DG06 DG08 DG09 DG14 DH02 DH06 DQ05 EA12 HA01 HA02 HA06 HA07 HB07 HB08 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC26 HC35 HC46 HC52 HC61 HC63 HC64 HC67 HC71 HC73 HD03 HD04 HD05 HD12 HD15 JA42 LA08 LA33 QB12 QB13 QC03 RA05

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層構造を有する印刷用ブランケットであ
    って、上記積層構造のうちの少なくとも一層が、溶剤の
    含有量が10体積%以下である無溶剤型の液状ウレタン
    樹脂から形成された層であることを特徴とする印刷用ブ
    ランケット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101365432B1 (ko) 2009-09-15 2014-02-19 주식회사 엘지화학 슬립층이 구비된 인쇄 블랭킷, 및 이의 제조방법
WO2023024605A1 (zh) * 2021-08-24 2023-03-02 浙江凯瑞博科技有限公司 一种新型印刷材料及其制备方法

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