JPH07149073A - 感熱孔版印刷用原紙 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙

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JPH07149073A
JPH07149073A JP32583693A JP32583693A JPH07149073A JP H07149073 A JPH07149073 A JP H07149073A JP 32583693 A JP32583693 A JP 32583693A JP 32583693 A JP32583693 A JP 32583693A JP H07149073 A JPH07149073 A JP H07149073A
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学 藤村
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを接
着剤で貼り合わせ、且つ該フィルム表面にスティック防
止層を設けてなる感熱孔版印刷用原紙において、前記接
着剤が分子内の活性水素含有率0.01%以下の熱可塑
性樹脂とポリイソシアネートとを主成分とする組成物か
らなり、しかも該組成物のNCO含有率が0.3〜17
%であるものとする。 【効果】 接着剤層での熱軟化温度の上昇がないため穿
孔感度の低下がなく高解像度の印刷物が得られ、耐刷性
が向上し、更に接着剤溶液のポットライフが長く、管理
の必要性がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱孔版印刷用原紙の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、感熱孔版印刷用原紙は熱可塑性
樹脂フィルムとインキ透過性の多孔性支持体とを接着剤
で貼り合わせ、更にフィルム表面にサーマルヘッドの発
熱素子との融着を防止するためのスティック防止層を設
けた構成からなっている。そして、該原紙に従来より用
いられいる接着剤としては、例えば、アクリル系樹脂
(特公昭47ー1187号、特公昭51ー33004号
各公報)、酢酸ビニル系樹脂(特公昭47ー1188号
公報)、ロジン系樹脂を添加した酢酸ビニル系樹脂(特
開昭59ー16786号公報)、メトキシ化ポリアミド
樹脂(特開昭59ー115899号公報)、塩化ビニル
共重合体(特開昭59ー215894号公報)、塩素化
ポリプロピレン樹脂(特開昭62ー1589号公報)、
ウレタン系樹脂(特開昭61ー116595号公報)、
ジイソシアネートとポリエーテルジオールとの反応プレ
ポリマー(特開昭62ー181374号公報)、活性水
素含有樹脂とポリイソシアネートとの混合接着剤(特開
平2ー299887号公報)、紫外線硬化、電子線硬化
接着剤(W/O 89/01872号明細書)などがあ
る。
【0003】一般に、熱可塑性樹脂フィルムとインキ透
過性の多孔性支持体とを接着剤で貼り合わせ、更にサー
マルヘッドの発熱素子との融着を防止するためのスティ
ック防止層を設けた構成の感熱孔版印刷用原紙では、出
来るだけ少量の接着剤でより強固で均一な接着を得るこ
とが必要である。特に最近、製版の高速化、サーマルヘ
ッド発熱体の微細化、サーマルヘッドの高耐久性化のた
めに、低エネルギーで穿孔できる高感度フィルムが開発
され、これに使用される接着剤も高性能なものが要求さ
れるようになってきている。即ち、低エネルギーで穿孔
するために、低付着量で強接着力であると共に穿孔性を
妨げないことが要求されている。
【0004】一般的には、接着剤の量が多いと、フィル
ムの穿孔性が悪くなると共に多孔性支持体の空間が塞が
れるためインキの通過が妨げられ、鮮明な印刷物が得ら
れない。逆に接着剤の量が少ないと、接着力が弱くなり
保存中フィルムの部分的剥離が発生し易くなると共に印
刷中フィルム剥離が発生し、耐刷性が低下する。また、
接着剤を架橋硬化することにより接着強度を改善するこ
とは公知の技術であるが、熱軟化温度が高くなり熱穿孔
性が低下する。
【0005】接着剤自体についても、アクリル樹脂、酢
酸ビニル系樹脂、ロジン系樹脂を添加した酢酸ビニル系
樹脂、メトキシ化ポリアミド樹脂、塩化ビニル共重合
体、塩素化ポリプロピレン樹脂などを用いた場合、これ
ら接着剤と多孔性支持体及び/又はフィルムとの接着力
が不充分であり、印刷インキがW/O型のエマルション
なのでインキ中の水分に軟化、膨潤、溶解するため耐刷
性が低下し、更に接着剤の量が多いと鮮明な印刷物が得
られない。また、ジイソシアネートとポリエーテルジオ
ールとの反応プレポリマーであるウレタン接着剤、活性
水素含有樹脂とポリイソシアネートとの混合接着剤を用
いる場合は、耐インキ性が良いので少量で耐刷強度は大
きいものの、湿度の影響を受け易い接着剤溶液のポット
ライフの管理が困難であり、硬化ムラを生じ易かった
り、硬化によりサーマルヘッドでの穿孔性が低下する等
の問題点がある。更に、紫外線硬化、電子線硬化接着剤
を用いた場合、設備面でのコストがかかる上に、これら
の接着剤の取扱いが衛生上難しく、少なからず人体への
影響がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、多孔性
支持体と熱可塑性樹脂フィルムを接着剤で貼り合わせ、
該フィルム表面にスティック防止層を設けた構成の感熱
孔版印刷用原紙において、接着強度が強く、しかも接着
剤層での熱軟化温度の上昇がなくて穿孔感度の低下がな
く高解像度の印刷物が得られ、耐刷性に優れ、更に接着
剤溶液のポットライフが長い感熱孔版印刷用原紙を提供
することをその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記構成
の感熱孔版印刷用原紙を製造するに際し、接着強度が強
く、低温で接着可能であり、且つ長期保存後でも穿孔感
度の劣化がなく、更に保存安定性の高い接着剤を鋭意検
討した結果、本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明によれば、多孔性支持体と熱
可塑性樹脂フィルムとを接着剤で貼り合わせ、且つ該フ
ィルム表面にスティック防止層を設けてなる感熱孔版印
刷用原紙において、前記接着剤が分子内の活性水素含有
率0.01%以下の熱可塑性樹脂とポリイソシアネート
とを主成分とする組成物からなり、しかも該組成物のN
CO含有率が0.3〜17%であることを特徴とする感
熱孔版印刷用原紙が提供される。
【0009】なお、本発明で言う活性水素含有率とは、
熱可塑性樹脂の重量平均分子量に対する活性水素原子の
重量%である。また、活性水素を有しない熱可塑性樹脂
と活性水素含有熱可塑性樹脂をブレンドする場合は、ブ
レンド比率に対応した重量平均分子量を計算し、この値
に対する活性水素原子の重量%として求めた値である。
活性水素の定量方法は多種あるが、例えばZerewitinoff
法(新実験化学講座13−有機構造Ι,P41−43に
記載されている、)により求められる。
【0010】また、本発明で言うNCO含有率は、次の
方法により求めたものである。あらかじめポリイソシア
ネート1mol中のNCO基の重量%を計算しておき、こ
の値を用い、混合するポリイソシアネートの重量(g)
に対するNCO基の重量(g)を求める。そして、熱可
塑性樹脂及びその他の添加物に前記ポリイソシアートを
混合した接着剤組成物の総重量(g)に対するNCO基
の重量(g)の割合(%)を計算し、NCO含有率とす
る。NCO含有率の計算方法は多種あるが、例えば「J
IS K 1603−ポリメリックMDΙ試験方法」中
のイソシアネート含有率の試験方法及び計算方法により
求められる。
【0011】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、多孔性支
持体と熱可塑性樹脂フィルムとを接着剤で貼り合わせ、
更に該フィルム表面にスティック防止層を設けた構成か
らなる感熱孔版印刷用原紙において、前記接着剤として
ポリイソシアネートを特定量混合したものを使用したこ
とから、多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを少量
の接着剤で比較的容易に接着させることができるうえ
に、乾燥後の接着が強固なものとなり、そのため耐刷性
の高いものとなる。更に、接着剤として分子内の活性水
素含有率が0.01%以下の熱可塑性樹脂を用いること
により、ポリイソシアネートを混合しても、接着剤層に
おいて硬化反応による三次元構造の形成が殆ど起こり得
ないため、フィルムとの接着界面での熱軟化温度は、主
成分である活性水素を有しない熱可塑性樹脂に依存す
る。そのため、長期保存後でも三次元構造の形成による
熱軟化温度の上昇が起こらず、サーマルヘッドでの熱穿
孔時に低エネルギーで穿孔でき、穿孔感度の劣化が起こ
らないものとなる。また同様に、接着剤溶液中でも、熱
可塑性樹脂は活性水素含有率が0.01%以下なので硬
化反応は殆ど起こらず、ポットライフの管理及び湿度の
調整が不要なものとなる。
【0012】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明において、接着剤に用いられる分子内の活性水素含有
率が0.01%以下の熱可塑性樹脂としては、例えば塩
素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、スチレン/
ブタジエン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン樹脂、
ポリエステル樹脂、その他の活性水素含有率が0.01
%以下の熱可塑性樹脂であれば使用できる。更に、活性
水素含有率が最終的に0.01%以下であれば、これら
の樹脂をブレンドして使用してもよい。また、顔料、帯
電防止剤等の添加物を、印刷画像、耐刷性に悪影響を及
ぼさない範囲の量を添加することは差支えない。
【0013】なお、ここで言う活性水素含有率とは、前
記したように、熱可塑性樹脂の重量平均分子量に対する
活性水素原子の重量%である。また、活性水素を有しな
い熱可塑性樹脂と活性水素含有樹脂をブレンドする場合
は、ブレンド比率に対応した重量平均分子量を計算し、
この値に対する活性水素原子の重量%として求めた値で
ある。更に、ここで活性水素とは、酸素、硫黄、窒素な
どと結合している水素原子を指し、反応性が強く、各種
の試薬と反応する。例えばOH、SH、NH2、COO
H等の原子団に含まれている水素は、活性水素である。
【0014】また、本発明において、接着剤に添加使用
されるポリイソシアネートとしては、例えば4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m−/
p−キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリレン
ジイソシアネート(TDI)、3,3′−トリレン−
4,4′−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート(IPDI)、ジフェニルメタン−p,p′,p″
−トリイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシ
アネート(NDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、ヘキサヒドロ−m−キシリレ
ンジイソシアネート(HXDI)、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート(HMDI)、トリメチロールプロパン−
1−メチル−2−イソシアナト−4−カババメート、m
−及びp−フェニレンジイソシアネート、トリメチロー
ルプロパン−イソシアナトヘキサメチレン−カババメー
ト、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、3,
3′−ジメトキシ−4,4′−ジフェニルジイソシアネ
ート、2,4−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキ
サン、2,6−ジイソシアナト−1−メチルシクロヘキ
サン、ジイソシアナトシクロブタン、テトラメチレンジ
イソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネー
ト、3−メチルジフェニル−4,4′−ジイソシアネー
ト、ジフェニル−4,4′−ジイソシアネート−3,
3′−ジメチルジフェニル、1,3,5−トリイソプロ
ピルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、クロロフェ
ニレン−2,4−ジイソシアネート及びこれらの二種以
上の混合物が挙げられる。
【0015】本発明において、接着剤組成物中のNCO
含有量率は0.3〜17%、好ましくは1〜15%であ
る。NCO含有率が0.3%未満では添加効果がなく、
17%超過では、それ以上の接着性向上に効果がないば
かりでなく、ポリイソシアネート自体での硬化反応が進
行するため穿孔性が低下する。
【0016】なお、前記したように、ここで言うNCO
含有率は次のようにして求められたものである。即ち、
あらかじめポリイソシアネート1mol中のNCO基の重
量%を計算しておき、この値を用い、混合するポリイソ
シアネートの重量(g)に対するNCO基の重量(g)を
求める。そして、熱可塑性樹脂及びその他の添加物に前
記ポリイソシアネートを混合した接着剤組成物の総重量
(g)に対するNCO基の重量(g)の割合(%)を計算
し、NCO含有率とした。
【0017】本発明で使用する熱可塑性樹脂フィルムと
しては、押出法、流延法などにより形成された一般的な
熱可塑性樹脂フィルムであればよく、ポリエステル(好
ましくは共重合ポリエステル)系、ナイロン(好ましく
は共重合ナイロン)系、ポリオオフィン系、ポリスチレ
ン系、塩化ビニル系、アクリル酸誘導体系、エチレン/
ビニルアルコール系、ポリカーボネート系共重合体など
が挙げられる。また、その厚みは0.2μm〜30μ
m、好ましくは0.7〜20μm、更に好ましくは1〜
3μmである。なお、溶融開始温度としては、50℃〜
300℃、好ましくは70℃〜290℃である。また、
これらの熱可塑性樹脂フィルム中に顔料、帯電防止剤を
添加したものを使用してもよい。
【0018】本発明で使用される多孔性支持体として
は、こうぞ、みつまた、マニラ麻などの天然繊維、レー
ヨンなどの半合成繊維、ポリエステル、ビニロン、ナイ
ロン、ポリプロピレンなどの合成繊維を原料として、こ
れらを単独で又は二種以上の混合物として用い、坪量は
8〜15g/m2である。また、これらの多孔性支持体
中に帯電防止剤などを添加したものを使用してもよい。
【0019】本発明におけるスティック防止層は、サー
マルヘッドによる熱穿孔時、熱溶融した熱可塑性樹脂フ
ィルムがサーマルヘッドに融着するのを防ぐ機能を持
ち、熱可塑性樹脂フィルムのサーマルヘッドと接触する
表面に塗布されるものである。使用されるスティック防
止剤としては、脂肪酸金属塩、リン酸エステル型界面活
性剤、シリコーンオイル等の流動性潤滑剤、パーフロロ
アルキル基を有するフッ素化合物などの熱融着防止剤等
が挙げられ、塗布量としては、0.001〜2g/
2、好ましくは0.005〜1g/m2である。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものでない。
【0021】実施例1 厚さ1.5μm、100℃における熱収縮率25%のポ
リエステルフィルムとポリエステル繊維15%、マニラ
麻85%からなる11g/m2の多孔性支持体を用い、
貼り合わせを行なった。活性水素含有率が0.01%以
下である熱可塑性樹脂として、重量平均分子量が3万、
ガラス転移温度が60℃であるポリエステル系樹脂を用
いた。ポリイソシアネートとして、トリレンジイソシア
ネート(TDI)を用いた。前記活性水素含有率が0.
01%以下である熱可塑性樹脂を、トルエン/酢酸エチ
ル=1/1の溶媒で希釈し、固形分濃度4%、粘度2c
ps/25℃に調整した溶液100重量部に、前記ポリ
イソシアネートを酢酸エチルで固形分濃度10%にした
溶液5重量部を混合し、ポリエステルフィルムに乾燥付
着量0.24g/m2で塗布した(NCO含有率5.3
%)。貼り合わせ工程は、未乾燥状態のポリエステルフ
ィルムを多孔性支持体と重ね合わせ、65℃で数分間乾
燥した後、スティック防止層としてシリコーンオイルを
乾燥付着量で0.05g/m2塗布し、感熱孔版印刷用
原紙を得た。
【0022】以上のようにして得られた感熱孔版印刷用
原紙について、デジタル孔版印刷機[(株)リコー製
プリポートVT2500]を用いて印刷したところ、高
解像度の印刷物が得られた。解像度は穿孔率(%)で表
わされ、製版後の原紙を光学顕微鏡で観察したところの
10×10ドットにおける穿孔確率であり、すべて穿孔
されたものは100%である。更に、耐刷性において
は、製造後7日目の原紙を用いると5,000枚以上の
鮮明な印刷物が得られ、印刷耐久性の優れたものであっ
た。また、接着剤溶液を常温で5日間保存しても硬化反
応が起こらず、ポットライフ管理の必要性がなかった。
【0023】実施例2 厚さ1.5μm、100℃における熱収縮率25%のポ
リエステルフィルムと、ポリエステル繊維15%、マニ
ラ麻85%からなる11g/m2の多孔性支持体を用
い、貼り合わせを行なった。活性水素含有率が0.01
%以下である熱可塑性樹脂として、重量平均分子量が7
万6千、ガラス転移温度が20℃である塩素化ポリエチ
レンを用いた。ポリイソシアネートとしてナフタレン−
1,5−ジイソシアネート(NDI)を用いた。前記活
性水素含有率が0.01%以下である熱可塑性樹脂をト
ルエンで希釈し、固形分濃度6%、粘度4cps/25
℃に調整した溶液100重量部に、前記ポリイソシアネ
ートを酢酸エチルで固形分濃度10%にした溶液を15
重量部混合し、ポリエステルフィルムに乾燥付着量0.
41g/m2で塗布した(NCO含有率8%)。実施例
1と同様に貼り合わせ工程を行ない、スッティク防止層
としてシリコーンオイルを乾燥付着量で0.05g/m
2塗布し、感熱孔版印刷用原紙を得た。
【0024】以上のようにして得られた感熱孔版印刷用
原紙について、デジタル孔版印刷機[(株)リコー製
プリポートVT2500]を用いて印刷したところ、高
解像度の印刷物が得られた。更に、耐刷性においては、
製造後7日後の原紙を用いると5,000枚以上の鮮明
な印刷物が得られ、印刷耐久性の優れたものであった。
また、接着剤溶液を常温で5日間保存しても硬化反応が
起こらず、ポットライフ管理の必要性がなかった。
【0025】実施例3 厚さ1.5μm、100℃における熱収縮率25%のポ
リエステルフィルムと、ポリエステル繊維15%、マニ
ラ麻85%からなる11g/m2の多孔性支持体を用
い、貼り合わせを行なった。活性水素含有率が0.01
%以下である熱可塑性樹脂として、重量平均分子量が4
万1千、ガラス転移温度が61℃であるポリエステル樹
脂を用いた。ポリイソシアネートとして、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(HDI)を用いた。前記活性水素
含有率が0.01%以下である熱可塑性樹脂をトルエン
/酢酸エチル=1/1の溶媒で希釈し、固形分濃度4
%、粘度2cps/25℃に調整した溶液100重量部
に、前記ポリイソシアネートを酢酸エチルで固形分濃度
10%にした溶液を20重量部混合し、ポリエステルフ
ィルムに乾燥付着量0.35g/m2で塗布した(NC
O含有率16.7%)。実施例1と同様に貼り合わせ工
程を行ない、スティック防止層としてシリコーンオイル
を乾燥付着量で0.05g/m2塗布し、感熱孔版印刷
用原紙を得た。
【0026】以上のようにして得られた感熱孔版印刷用
原紙について、デジタル孔版印刷機[(株)リコー製
プリポートVT2500]を用いて印刷したところ、高
解像度の印刷物が得られた。更に、耐刷性においては、
製造後7日後の原紙を用いると5,000枚以上の鮮明
な印刷物が得られ、印刷耐久性の優れたものであった。
また、接着剤溶液を常温で5日間保存しても硬化反応が
起こらず、ポットライフ管理の必要性がなかった。
【0027】比較例1 厚さ1.5μm、100℃における熱収縮率25%のポ
リエステルフィルムと、ポリエステル繊維15%、マニ
ラ麻85%からなる11g/m2の多孔性支持体を用
い、貼り合わせを行なった。活性水素含有率が0.01
%以下である熱可塑性樹脂として、重量平均分子量が4
万4千、ガラス転移温度が61℃であるポリエステル樹
脂を用いた。この活性水素含有率が0.01%以下であ
る熱可塑性樹脂をトルエン/酢酸エチル=1/1で希釈
し、固形分濃度8%、粘度5cps/25℃に調整した
溶液をポリエステルフィルムに乾燥付着量0.42g/
2で塗布した。実施例1と同様に貼り合わせ工程を行
ない、スティック防止層としてシリコーンオイルを乾燥
付着量で0.05g/m2塗布し、感熱孔版印刷用原紙
を得た。
【0028】以上のようにして得られた感熱孔版印刷用
原紙について、デジタル孔版印刷機[(株)リコー製
プリポートVT2500]を用いて印刷したところ、高
解像度の印刷物が得られたが、耐刷性においては1,0
00枚で太りによる画像歪みが生じた。
【0029】比較例2 厚さ1.5μm、100℃における熱収縮率25%のポ
リエステルフィルムと、ポリエステル繊維15%、マニ
ラ麻85%からなる11g/m2の多孔性支持体を用
い、貼り合わせを行なった。活性水素含有率が0.01
%以下である熱可塑性樹脂として、重量平均分子量が7
万6千、ガラス転移温度が20℃である塩素化ポリエチ
レンを用いた。ポリイソシアネートとして、ナフタレン
−1,5−ジイソシアネート(NDI)を用いた。前記
活性水素含有率が0.01%以下である熱可塑性樹脂を
トルエンで希釈し、固形分濃度6%、粘度4cps/2
5℃に調整した溶液100重量部に、前記ポリイソシア
ネートを酢酸エチルで固形分濃度10%にした溶液を1
00重量部混合し、ポリエステルフィルムに乾燥付着量
0.35g/m2で塗布した(NCO含有率25.0
%)。実施例1と同様に貼り合わせ工程を行ない、ステ
ィック防止層としてシリコーンオイルを乾燥付着量で
0.05g/m2塗布し、感熱孔版印刷用原紙を得た。
【0030】以上のようにして得られた感熱孔版印刷用
原紙について、デジタル孔版印刷機[(株)リコー製
プリポートVT2500]を用いて印刷したところ、白
ヌケの多い印刷物が得られた。これは、穿孔率が低下し
ていることから、イソシアネートの混合率が高過ぎるた
め、熱可塑性樹脂とフィルム界面においてイソシアネー
ト自体の硬化により熱軟化温度が高くなり、更に、多孔
性支持体中へポリイソシアネートが含浸し過ぎたため、
多孔性支持体の空間が塞がれ、インキ透過性が著しく低
下したものと考えられる。しかし、製造後7日後の原紙
を用いると、白ヌケの多い印刷物ではあるが5,000
枚以上得られ、印刷耐久性に関しては優れたものであっ
た。
【0031】比較例3 厚さ1.5μm、100℃における熱収縮率25%のポ
リエステルフィルムと、ポリエステル繊維15%、マニ
ラ麻85%からなる11g/m2の多孔性支持体を用
い、貼り合わせを行なった。熱可塑性樹脂として、活性
水素含有率が1.05%であり、重量平均分子量が12
万5千、ガラス転移温度が20℃であるポリプロピレン
グリコールモノメタクリレートを用いた。ポリイソシア
ネートとして、トリレンジイソシアネート(TDI)を
用いた。前記活性水素含有率が1.05%以下である熱
可塑性樹脂をトルエン/酢酸エチル=1/1の溶媒で希
釈し、固形分濃度4%、粘度2cps/25℃に調整し
た溶液100重量部に、前記ポリイソシアネートを酢酸
エチルで固形分濃度10%にした溶液を5重量部混合
し、ポリエステルフィルムに乾燥付着量0.31g/m
2で塗布した(NCO含有率5.3%)。実施例1と同
様に貼り合わせ工程を行ない、スティック防止層として
シリコーンオイルを乾燥付着量で0.05g/m2塗布
し、感熱孔版印刷用原紙を得た。
【0032】以上のように得られた感熱孔版印刷用原紙
について、デジタル孔版印刷機[(株)リコー製 プリ
ポートVT2500]を用いて印刷したところ、白ヌケ
の多い印刷物が得られた。これは、穿孔率が低下してい
ることから、接着剤層における硬化反応により熱軟化温
度が上昇したものと推測される。また、耐刷性の面では
優れていたものの、接着剤溶液を1日間保存したところ
接着剤溶液中に析出物が認められ、ポットライフが短か
った。
【0033】以上の結果をまとめると、下記表1で示さ
れる。
【表1】 ─┘
【0034】
【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、多孔性
支持体と熱可塑性樹脂フィルムとを接着剤で貼り合わ
せ、且つ該フィルム表面にスティック防止層を設けてな
る感熱孔版印刷用原紙において、前記接着剤が分子内の
活性水素含有率0.01%以下の熱可塑性樹脂とポリイ
ソシアネートとを主成分とする組成物からなり、しかも
該組成物のNCO含有率が0.3〜17%であるものと
したことから、接着剤層での熱軟化性温度の上昇がない
ため穿孔感度の低下がなく高解像度の印刷物が得られ、
耐刷性が向上し、更に接着剤溶液のポットライフが長
く、管理の必要性がないという効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性支持体と熱可塑性樹脂フィルムと
    を接着剤で貼り合わせ、且つ該フィルム表面にスティッ
    ク防止層を設けてなる感熱孔版印刷用原紙において、前
    記接着剤が分子内の活性水素含有率0.01%以下の熱
    可塑性樹脂とポリイソシアネートとを主成分とする組成
    物からなり、しかも該組成物のNCO含有率が0.3〜
    17%であることを特徴とする感熱孔版印刷用原紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010214635A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Shikiso Ota Ohtas:Kk サーマルヘッド感熱性スクリーン印刷用孔版原紙及び該孔版原紙を用いた製版方法

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