JP2000167846A - 累進屈折力レンズ用ガラス型の加工方法、加工装置及びガラス型ホルダ - Google Patents
累進屈折力レンズ用ガラス型の加工方法、加工装置及びガラス型ホルダInfo
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Abstract
部のツバ幅の差を許容値内に収めることができる累進屈
折力レンズ用の加工方法を得る。 【構成】 ガラス光学素子を近用部と遠用部を有するマ
スター型を用い、軟化させて成形するステップ;及びこ
の成形ステップで成形されたガラス型を近用部側に偏荷
重を与えながら研磨面に当接させ、該ガラス型の周縁に
光軸と略直交する方向のツバ面を形成するステップ;を
有する累進屈折力レンズ用ガラス型の加工方法。
Description
を重合成形する際に用いるガラス型の加工方法、加工装
置、及びガラス型ホルダに関する。
視するときに適した屈折力の遠用部(上方部分)と、近
方視するのに適した屈折力の近用部(下方部分)と、両
者の間の中間部とを有する。図7は、このような累進屈
折力レンズの成形状態を示しており、環状のガスケット
11の両面に一対のガラス型12、13を結合して成形
型を構成し、この成形空間内に合成樹脂材料(モノマ
ー)を注入し、重合硬化させることにより累進屈折力レ
ンズ15が形成される。ガスケット11の周縁には、ガ
ラス型12が当接する光軸Oと略直交する方向のツバ部
(平面部)12bが形成されている。
時の前面に形成され、従って、図7の左方のガラス型1
2の成形面12aは、遠用部、中間部、及び近用部の設
定度数(加入度数)に応じてその形状が設定されてい
る。このガラス型12の加工に当たっては、図8に示す
ように、セラミック製のマスター型16の成形面16a
を必要な累進面形状に機械加工し、このマスター型16
と押圧型17との間に、正確に計量されたガラスプリフ
ォームを位置させ、ガラス軟化点付近迄加熱しながら押
圧することで、成形面16aの形状をガラス型12の成
形面12aに転写する。
2に示すガラス型ホルダ24に保持し、研磨機の回転駆
動される研磨皿に押しつけながら偏心回転させる。すな
わち、従来のガラス型ホルダ24はガラス型12の外径
中心(O)と一致する回転中心突起(押圧中心部)24
aを有しており、図12に示すようにその凹部24b内
にガラス型12を保持する。このガラス型ホルダ24の
回転中心突起24aに、レンズ光軸と平行な軸を中心に
偏心回転する偏心軸23を嵌め、ガラス型12を研磨機
の回転駆動される研磨皿に押し当てて研磨し、光軸Oと
略直交するツバ部12bを形成する。図9は、この研磨
の状態を模式的に示している。研磨皿18は平面であ
り、この平面に対してガラス型12が均等な力で押しつ
けられ、ツバ部12bが形成されていく。ところが、累
進屈折力レンズ用のガラス型12においては、次のよう
な問題点があることが分かった。
部と近用部の屈折力に差があるレンズであり、遠用部の
屈折力より近用部の屈折力の方が大きい。屈折力に差が
あるということは、遠用部と近用部の曲率半径に差があ
るということである。このことは、累進屈折力レンズ1
5を成形するためのガラス型12についても全く同様で
ある。従って、ガラス型12の近用部12Nの曲率半径
は、遠用部12Fの曲率半径より小さく、これを研磨皿
18に押し当てたときの近用部12Nと研磨皿18がな
す角度αは、遠用部12Fと研磨皿18がなす角度βよ
り大きい(図9)。この状態で、ガラス型12の周縁に
ツバ部12bを研磨加工していくと、曲率半径の小さい
近用部12N側のツバ部12bの幅L1と、曲率半径の
大きい遠用部12F側のツバ部12bの幅L2との間
に、差が生じてしまう(図9、図10参照)。このよう
に、ツバ部12bの幅に差が生じると、重合成形される
累進屈折力レンズ15に、不必要で有害なプリズムを作
ることになり好ましくない。
ツバ部12bの幅(一定)の光学設計値が6.8mmで
あるとき、図6に示すように、遠用部12F側は正しく
6.8mm、近用部12N側は4.6mmに加工された
とする。眼鏡レンズでいうプリズムは、斜位などを矯正
するために用いられ、1mにつき偏位1cmを与えるプ
リズム作用を、1プリズムディオプトリ(プリズムΔ)
と定めている。上の例のように、近用部12Nのツバ部
12bの幅が設計値より2.2mm小さいと、プリズム
誤差Δは、 Δ=100・(n−1)・tanδ で表せる。(但し、累進屈折力レンズ15の屈折率n=
1.60、設計値と加工値のなす角をδとする) δは図より、tanδ=1.02/79.2=0.01
29従って、Δ=100×(1.6−1)×0.012
9=0.77となる。
リズム誤差は、度数が6.0ディオプター以下のとき±
0.25以内、6.0ディオプターを越えるとき±0.
50以内と定められており、上の例ではJIS規格を満
足しない。
ラス型についての以上の問題を解消し、ガラス型の遠用
部と近用部のツバ幅の差を許容値内に収めることができ
る加工方法及び装置を目的とする。
用部を有する累進屈折力レンズを合成樹脂材料により成
形するためのガラス型の加工方法であって、ガラス光学
素子を近用部と遠用部を有するマスター型を用い、軟化
させて成形するステップ;及びこの成形ステップで成形
されたガラス型を近用部側に偏荷重を与えながら研磨面
に当接させ、該ガラス型の周縁に光軸と略直交する方向
のツバ面を形成するステップ;を有することを特徴とし
ている。
遠用部を有する累進屈折力レンズを合成樹脂材料により
成形するためのガラス型の加工装置であって、成形され
た累進屈折力レンズ用ガラス型を保持するガラス型ホル
ダ;このガラス型ホルダを光軸と平行な軸を中心に偏心
回転させるガラス型回転機構;及びこのガラス型回転機
構に対向して回転駆動される研磨皿を有し、ガラス型ホ
ルダに保持されたガラス型の周縁に光軸と略直交する方
向のツバ面を形成する研磨機;を有する累進屈折力レン
ズ用ガラス型の加工装置において、ガラス型ホルダの回
転中心を、該ガラス型ホルダに保持されているガラス型
の外径中心から近用部側に偏心させたことを特徴として
いる。
された累進屈折力レンズ用ガラス型の周縁に光軸と略直
交する方向のツバ面を加工する際に該ガラス型を保持す
るガラス型ホルダであって、ガラス型を保持する凹部
と;この凹部の外径中心とは偏心した位置に形成された
押圧中心部と;を有することを特徴としている。
部よりも強い加工圧力を受け、近用部が遠用部よりも多
く研磨されるので、近用部と遠用部のツバ面の幅を許容
値に収め、プリズム誤差を抑えることができる。
レンズ用ガラス型の加工装置を示している。アッパプレ
ート20には、エアシリンダ装置21によって昇降する
昇降軸22が設けられている。この昇降軸22の下端部
には、その偏心位置に、昇降軸22と平行な偏心軸23
が延びていて、この偏心軸23の下端部にガラス型12
のガラス型ホルダ50(累進屈折力レンズ用ガラス型ホ
ルダ)が係合する。
5と減速機26によって回転駆動される駆動歯車27が
支持されており、この駆動歯車27は、昇降軸22と同
軸で、軸方向の相対移動ができる被駆動歯車28に噛み
合っている。被駆動歯車28と昇降軸22とはキー29
により結合されていて、両者は常に等しい回動をする。
被駆動歯車28は、軸方向には移動しないように、軸受
24を介してアッパプレート20に回転自在に支持され
ている。このアッパプレート20上に支持されている要
素は、ガラス型回転機構30を構成する。
ように、平面円形のガラス型収納凹部50aを有し、こ
の凹部50aの中心(凹部50aに支持されるガラス型
12の外径中心)Oに対して偏心した位置に、偏心軸2
3が嵌まる押圧中心部50b(偏心軸X)が形成されて
いる。累進屈折力レンズ用ガラス型12は、その近用部
12Nが押圧中心部50b(偏心軸23)の下方に位置
するようにガラス型ホルダ50の凹部50a内に収納保
持される。
40が設けられている。この研磨機40は、ロワプレー
ト44に、モータによって回転駆動される主軸歯車41
と一体に回転する研磨軸42を有し、この研磨軸42の
上端部に研磨皿43が備えられている。
て、本発明方法は例えば次のように行うことができる。
まず、定法に従い、マスター型16と押圧型17を用い
て平面円形のガラス型12を成形する(図8)。このガ
ラス型12を、転写痕を除く等の通常の処理を施した
後、近用部12N側が押圧中心部50bの下方に位置す
るようにガラス型ホルダ50の凹部50aに保持する。
たガラス型12を研磨機40の研磨皿43上に位置さ
せ、押圧中心部50bにガラス型回転機構30の偏心軸
23を嵌める
粗さのダイアモンドシートを接着しておき、モータ25
によって昇降軸22を回転(自転)させることにより、
偏心軸23を昇降軸22を中心に偏心回転(公転)させ
る。さらにエアシリンダ装置21によりガラス型ホルダ
50に研磨機40側への研磨圧力を加え、研磨機40の
研磨皿43を回転駆動する。すると、ガラス型12は、
近用部12N側に偏心荷重を受けているガラス型ホルダ
50に保持されているため、近用部12N側の周縁部の
方が遠用部12F側の周縁部よりも多く研磨され、近用
部12N側のツバ部12bと遠用部12F側のツバ部1
2bの幅は略一定に形成される(図4、図5)。
たら、ガラス型回転機構30及び研磨機40を停止し、
エアシリンダ装置21により昇降軸22及び偏心軸23
を上昇させ、ガラス型ホルダ50からガラス型12を取
り出す。
中心部50bの外径中心Oからの偏心量)は、ガラス型
12のベースカーブや加入度数に応じ、ツバ部の幅が略
均一になるように定める。均一な幅のツバ部を得るため
の偏心荷重位置は、ベースカーブや加入度数によって異
なるから、最適な位置を実験によって求め、この実験デ
ータに基づき決定することができる。従って、ガラス型
ホルダ50は、ガラス型12のベースカーブや加入度数
に応じ、複数種類を用意し、これらを選択使用すること
が好ましい。
ラス型の遠用部と近用部のツバ幅の差を許容値内に収め
ることが可能となる。
ダの断面図である。
同断面図である。
ダを搭載した加工装置を示す図である。
ダを用いてツバ面を形成した状態の断面図である。
る。
従来の同ガラス型の形状の違いを示す図である
態を示す断面図である。
図である。
際の問題点を説明する図である。
る。
断面図である。
の同断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 近用部と遠用部を有する累進屈折力レン
ズを合成樹脂材料により成形するためのガラス型の加工
方法であって、 ガラス光学素子を近用部と遠用部を有するマスター型を
用い、軟化させて成形するステップ;及びこの成形ステ
ップで成形されたガラス型を近用部側に偏荷重を与えな
がら研磨面に当接させ、該ガラス型の周縁に光軸と略直
交する方向のツバ面を形成するステップ;を有すること
を特徴とする累進屈折力レンズ用ガラス型の加工方法。 - 【請求項2】 近用部と遠用部を有する累進屈折力レン
ズを合成樹脂材料により成形するためのガラス型の加工
装置であって、 成形された累進屈折力レンズ用ガラス型を保持するガラ
ス型ホルダ;このガラス型ホルダを光軸と平行な軸を中
心に偏心回転させるガラス型回転機構;及びこのガラス
型回転機構に対向して回転駆動される研磨皿を有し、上
記ガラス型ホルダに保持されたガラス型の周縁に光軸と
略直交する方向のツバ面を形成する研磨機;を有する累
進屈折力レンズ用ガラス型の加工装置において、 上記ガラス型ホルダの回転中心を、該ガラス型ホルダに
保持されているガラス型の外径中心から近用部側に偏心
させたことを特徴とする累進屈折力レンズ用ガラス型の
加工装置。 - 【請求項3】 成形された累進屈折力レンズ用ガラス型
の周縁に光軸と略直交する方向のツバ面を加工する際に
該ガラス型を保持するガラス型ホルダであって、 上記ガラス型を保持する凹部と;この凹部の外径中心と
は偏心した位置に形成された押圧中心部と;を有するこ
とを特徴とする累進屈折力レンズ用ガラス型ホルダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35138098A JP3590536B2 (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | 累進屈折力レンズ用ガラス型の加工方法、加工装置及びガラス型ホルダ |
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JP2000167846A true JP2000167846A (ja) | 2000-06-20 |
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JP (1) | JP3590536B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021089170A (ja) * | 2019-12-03 | 2021-06-10 | 株式会社トプコン | レンズ測定装置 |
JP2021089169A (ja) * | 2019-12-03 | 2021-06-10 | 株式会社トプコン | レンズメータ |
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1998
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