JP2016036951A - モールド製造用構造体の製造方法、およびモールドの製造方法 - Google Patents

モールド製造用構造体の製造方法、およびモールドの製造方法 Download PDF

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尚明 宮本
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Abstract

【課題】ガラス板の研磨による凹部の形状崩れを抑制できる、モールド製造用構造体の製造方法の提供。
【解決手段】ガラス板の主面を研削して凹部を形成する研削工程と、前記凹部の表面を研磨する研磨工程とを有する、モールド製造用構造体の製造方法であって、前記凹部は側面、底面、および前記側面と前記底面とをつなぐ内コーナ面を有し、該内コーナ面は前記底面に対し前記側面よりも緩やかな傾きを有し、前記研磨工程は、前記側面を研磨する側面研磨工程と、前記側面を研磨することなく前記底面を研磨する底面研磨工程とを有する、モールド製造用構造体の製造方法
【選択図】図1

Description

本発明は、モールド製造用構造体の製造方法、およびモールドの製造方法に関する。
フォトリソグラフィ法の代替技術として、インプリント法が注目されている。インプリント法は、モールドと基材との間に転写材を挟み、モールドの凹凸パターンを転写材に転写する技術である。インプリント法は、半導体素子だけでなく、反射防止シート、バイオチップ、磁気記録媒体など様々な製品の製造に適用できる。
モールドは、ガラス板の第1主面に形成される凹部と、ガラス板の第1主面とは反対側の第2主面に形成されるメサ部とを有する。凹部は蓋部で覆われた非貫通穴であって、蓋部における凹部底面とは反対側の面からメサ部が突出する。メサ部の周囲は段差で囲まれ、メサ部の表面に凹凸パターンが形成される。
モールドと基材との間に転写材を挟む際、モールドに外力を加えることで、蓋部が弾性的に撓み、メサ部の表面が基材に向けて凸の曲面に変形される。それによりメサ部と基材との間のガスが逃げやすく、ガスの閉じ込めが抑制できる。
例えば特許文献1記載のモールドの製造方法では、ガラス板の主面を研削して凹部を形成する研削工程と、凹部の表面を研磨する研磨工程とを有する。この方法では、凹部側面および凹部底面は1つの研磨工具で同時に研磨され、研磨工具は凹部側面および凹部底面にそれぞれ独立した一定圧力で押し付けられる。
尚、上記特許文献1の段落0035には、凹部側面と凹部底面とを順番に研磨する方法は、研磨工具が凹部側面と凹部底面とに同時に研磨してしまう部分(時間帯)があると記載されている。これは、例えば凹部底面を研磨する工程において、凹部底面の外縁を研磨するためには、研磨工具が凹部側面に当たるからである。
特開2012−32785号公報
従来の製法では、凹部側面の研磨レートと凹部底面の研磨レートとのバランスを取るため、凹部側面が高圧で研磨されることがあり、その影響で研磨工具の中心線が傾き、凹部の形状が崩れることがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ガラス板の研磨による凹部の形状崩れを抑制できる、モールド製造用構造体の製造方法などの提供を主な目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
ガラス板の主面を研削して凹部を形成する研削工程と、前記凹部の表面を研磨する研磨工程とを有する、モールド製造用構造体の製造方法であって、
前記凹部は側面、底面、および前記側面と前記底面とをつなぐ内コーナ面を有し、該内コーナ面は前記底面に対し前記側面よりも緩やかな傾きを有し、
前記研磨工程は、前記側面を研磨する側面研磨工程と、前記側面を研磨することなく前記底面を研磨する底面研磨工程とを有する、モールド製造用構造体の製造方法が提供される。
本発明の一態様によれば、ガラス板の研磨による凹部の形状崩れを抑制できる、モールド製造用構造体の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態によるモールドの製造方法を示すフローチャートである。 図1の研削工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。 図1の研削工程完了時のガラス板の形状を示す平面図である。 図1のメサ部形成工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。 図1のエッチング保護膜形成工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。 図1の凹凸パターン形成工程のうちのレジスト膜形成工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。 図1の凹凸パターン形成工程のうちの開口パターン形成工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。 図1の凹凸パターン形成工程のうちの1次エッチング工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。 図1の凹凸パターン形成工程のうちのレジスト膜除去工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。 図1の凹凸パターン形成工程のうちの2次エッチング工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。 図1の凹凸パターン形成工程のうちのエッチング保護膜除去工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。 本発明の一実施形態によるモールドの平面図である。 本発明の一実施形態によるモールドを用いたインプリント方法を示す断面図である。 本発明の一実施形態による研磨工程で用いられる研磨機を示す斜視図である。 本発明の一実施形態による研磨工程S12を示すフローチャートである。 図15の外コーナ面研磨工程を示す断面図である。 図15の側面研磨工程を示す断面図である。 図15の底面研磨工程を示す断面図である。 第2等速区間の速さが第1等速区間の速さよりも小さい場合の、ガラス板と共に回転する座標系における研磨工具の中心線の軌跡の一例を示す図である。 第1等速区間の速さが第2等速区間の速さよりも小さい場合の、ガラス板と共に回転する座標系における研磨工具の中心線の軌跡の一例を示す図である。 変形例による研削工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。各図面において、同一の又は対応する構成には、同一の又は対応する符号を付して説明を省略する。本明細書において、数値範囲を表す「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味する。
図1は、本発明の一実施形態によるモールドの製造方法を示すフローチャートである。図1に示すように、モールドの製造方法は、研削工程S11、研磨工程S12、メサ部形成工程S13、エッチング保護膜形成工程S14、および凹凸パターン形成工程S15を有する。これらの工程の順序は、図1に示す順序に限定されない。例えば、研削工程S11や研磨工程S12は、メサ部形成工程S13の後であって凹凸パターン形成工程S15の前に行われてもよいし、凹凸パターン形成工程S15の後に行われてもよい。
先ず、図2および図3を参照して研削工程S11について説明する。図2は、図1の研削工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。図3は、図1の研削工程完了時のガラス板の形状を示す平面図である。
研削工程S11では、ガラス板10の第1主面11を研削する。「研削」とは、固定砥粒で削ることを意味する。固定砥粒としては、ダイヤモンド砥粒、CBN(Cubic Boron Nitride)砥粒、炭化珪素砥粒、アルミナ砥粒などが用いられる。固定砥粒は、ボンドで結合され、砥石の形態で用いられる。ボンドの種類は多種多様であってよく、砥石はメタルボンド砥石、レジンボンド砥石、ビトリファイド砥石、電着砥石のいずれでもよい。
ガラス板10は、例えばSiOを85質量%以上含むガラスで形成されてよい。SiO含有量の上限は実質的に100質量%である。SiOを主成分とするガラスは、一般的なソーダライムガラスに比べて、紫外線の透過率が高い。また、SiOを主成分とするガラスは、一般的なソーダライムガラスに比べて、線膨張係数が小さく、温度変化による凹凸パターンの寸法変化が小さい。
ガラス板10は、SiOの他に、TiO含むガラスで形成されてよい。例えば、ガラス板10は、SiOを88〜95質量%、TiOを5〜12質量%含むガラスで形成されてよい。TiO含有量が5〜12質量%であると、室温付近での線膨張係数が略ゼロであり、室温付近での寸法変化がほとんど生じない。
ガラス板10は、ガラス成分としてSiOおよびTiO以外の微量成分を含むガラスで形成されてもよいが、微量成分を含まないことが好ましい。
ガラス板10は、互いに平行な第1主面11および第2主面12を有する。第1主面11および第2主面12は、研磨されたものであってよい。
ガラス板10は、1枚の板であるが、複数枚のガラス板を接合したものでもよい。
研削工程S11では、ガラス板10の第1主面11を研削して凹部15を形成する。凹部15は、図2に示すように蓋部16で覆われた非貫通穴であってよい。凹部15は、側面15a(以下、凹部側面15aという)、底面15b(以下、凹部底面15bという)、内コーナ面15c(以下、凹部内コーナ面15cという)、および外コーナ面15d(以下、凹部外コーナ面15dという)を有する。
凹部側面15aは、第1主面11および第2主面12に対して垂直な円柱面である。尚、凹部側面15aは、円錐台面でもよい。凹部側面15aは、断面視において直線状であればよい。
凹部底面15bは、第1主面11および第2主面12に対して平行な平坦面である。凹部底面15bは、凹部側面15aと同様に、断面視において直線状である。凹部底面15bは、平面視において例えば円形状である。
凹部内コーナ面15cは、凹部側面15aと凹部底面15bとをつなぐものであり、凹部底面15bに対し凹部側面15aよりも緩やかな傾きを有する。傾きとは、接線の傾きを意味する。凹部内コーナ面15cは、凹部側面15aの延長線と凹部底面15bの延長線とが交わる場合よりも丸い角を形成する。
凹部内コーナ面15cは、断面視において、例えば円弧状であってよい。尚、凹部内コーナ面15cは、断面視において、曲線状部分、直線状部分の少なくとも一方を含めばよい。凹部内コーナ面15cは、図21に示すように断面視において、直線状の場合、凹部側面15aおよび凹部底面15bの両方に対して斜めとされる。
凹部外コーナ面15dは、凹部側面15aと第1主面11とをつなぐものであり、第1主面11に対し凹部側面15aよりも緩やかな傾きを有する。傾きとは、接線の傾きを意味する。凹部外コーナ面15dは、凹部側面15aの延長線と第1主面11の延長線とが交わる場合よりも丸い角を形成する。凹部外コーナ面15dは、凹部側面15aを形成した後に凹部側面15aと第1主面11との角を削ることで形成されてもよいし、凹部側面15aよりも先に形成されてもよい。
凹部外コーナ面15dは、断面視において、例えば直線状であってよく、この場合、凹部側面15aおよび第1主面11の両方に対して斜めとされる。尚、凹部外コーナ面15dは、断面視において、曲線状部分、直線状部分の少なくとも一方を含めばよい。
研削工程S11では、例えばマシニングセンターなどの研削機が用いられる。研削機は、ガラス板の研削に用いられる一般的なものであるので、説明を省略する。
次に、研磨工程S12について説明する。研磨工程完了時のガラス板10の形状は、研削工程完了時のガラス板10の形状と同様であるので、図示を省略する。
研磨工程S12では、凹部15の表面を研磨する。研削工程S11において生じた傷などが除去できる。「研磨」とは、遊離砥粒で表面を除去することを意味する。遊離砥粒としては、セリア砥粒、ジルコニア砥粒、シリカ砥粒、炭化珪素砥粒、アルミナ砥粒などが用いられる。遊離砥粒は、研磨液に混ぜられ、スラリーの形態で研磨工具とガラス板との間に供給される。研磨工具は、例えば研磨パッドであって、ポリウレタン、スエード、不織布などで形成される。
研磨工程S12の詳細、および研磨工程S12で用いられる研磨機の詳細は、後述する。
次に、図4を参照してメサ部形成工程S13について説明する。図4は、図1のメサ部形成工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。
メサ部形成工程S13では、ガラス板10の第2主面12に、周囲が段差で囲まれるメサ(mesa)部13を形成する。メサ部13は、図12に示すように平面視において凹部底面15bよりも小さく、凹部底面15bからはみ出さないように形成される。メサ部13の表面13aは、インプリント用の凹凸パターンの形成面である。メサ部13の表面13aの形状は、図12では長方形であるが、円形、楕円形、多角形などでもよい。なお、メサ部はなくてもよい。
メサ部形成工程S13では、ガラス板10の第2主面12にエッチングマスクを形成し、エッチングマスクを用いてエッチングを行うことによりメサ部13を形成する。
次に、図5を参照して、エッチング保護膜形成工程S14について説明する。図5は、図1のエッチング保護膜形成工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。
エッチング保護膜形成工程S14では、凹凸パターンの形成用のエッチング保護膜51を形成する。エッチング保護膜51は、メサ部形成後のガラス板10の第2主面12全体に形成されてよい。
エッチング保護膜形成工程S14は、メサ部形成工程S13の後に行われる。
エッチング保護膜51は、クロムまたはクロム化合物で形成されてよい。エッチング保護膜51は、多層膜であってもよく、例えばクロムまたはクロム化合物の薄膜と、タンタルまたはタンタル化合物の薄膜とで構成されてもよい。タンタルまたはタンタル化合物の薄膜の代わりに、ケイ素またはケイ素化合物の薄膜が用いられてもよい。エッチング保護膜51は、例えばスパッタリング法で形成される。
メサ部13および凹部15が形成されたガラス板10とエッチング保護膜51とで、モールド製造用構造体が構成される。尚、モールド製造用構造体は、メサ部13および凹部15が形成されたガラス板10のみで構成されてもよい。
尚、本実施形態のエッチング保護膜形成工程S14は、凹凸パターン形成工程S15とは別の工程であるが、凹凸パターン形成工程S15の一部であってもよい。また、エッチング保護膜51は、レジスト膜を含んでもよく、この場合、凹凸パターン形成工程S15において、レジスト膜形成工程は不要である。
次に、図6〜図11を参照して、凹凸パターン形成工程S15について説明する。図6は、図1の凹凸パターン形成工程のうちのレジスト膜形成工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。図7は、図1の凹凸パターン形成工程のうちの開口パターン形成工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。図8は、図1の凹凸パターン形成工程のうちの1次エッチング工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。図9は、図1の凹凸パターン形成工程のうちのレジスト膜除去工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。図10は、図1の凹凸パターン形成工程のうちの2次エッチング工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。図11は、図1の凹凸パターン形成工程のうちのエッチング保護膜除去工程完了時のガラス板の形状を示す断面図である。
凹凸パターン形成工程S15では、例えば図6〜図11に示すように、メサ部13の表面13aに、インプリント用の凹凸パターンを形成する。凹凸パターン形成工程S15は、レジスト膜形成工程、開口パターン形成工程、1次エッチング工程、レジスト膜除去工程、2次エッチング工程、およびエッチング保護膜除去工程を有する。
図6に示すように、レジスト膜形成工程では、エッチング保護膜51の上にレジスト膜52を成膜する。レジスト膜52は、本実施形態ではポジ型であるが、ネガ型でもよい。レジスト膜52は、例えばスピンコート法で形成される。
図7に示すように、開口パターン形成工程では、凹凸パターンに対応する開口パターンをレジスト膜52に形成する。レジスト膜52の開口パターンは、フォトリソグラフィ法、電子線リソグラフィ法、インプリント法などで形成される。インプリント法で開口パターンを形成する場合、レジスト膜形成工程において、インクジェット法などでレジスト液の液滴をドット状に塗布してもよい。
図8に示すように、1次エッチング工程では、開口パターン付きのレジスト膜52を用いて、エッチング保護膜51のエッチングを行う。エッチングは、ドライエッチング、ウェットエッチングのいずれでもよい。レジスト膜52の開口パターンに対応する開口パターンがエッチング保護膜51に形成される。
図9に示すように、レジスト膜除去工程では、不要になったレジスト膜52を除去する。
図10に示すように、2次エッチング工程では、開口パターン付きのエッチング保護膜51をエッチングマスクとして用いて、ガラス板10のエッチングを行う。エッチングは、ドライエッチング、ウェットエッチングのいずれでもよい。エッチング保護膜51の開口パターンに対応する凹凸パターンがメサ部13の表面13aに形成される。
図11に示すように、エッチング保護膜除去工程では、不要になったエッチング保護膜51を除去する。
このようにして、図12に示す凹凸パターン付きのガラス板10が得られる。凹凸パターン付きのガラス板10は、モールドとして用いられる。モールドの凹凸パターンは、多種多様であってよく、図12に示すラインアンドスペースのパターンに限定されない。
図13は、本発明の一実施形態によるモールドを用いたインプリント方法を示す図である。インプリント方法は、モールドとしてのガラス板10と基材60との間に転写材70を挟み、ガラス板10の凹凸パターンを転写材70に転写する。転写材70の凹凸パターンは、ガラス板10の凹凸パターンが略反転したものとなる。
基材60としては、例えばシリコンウエハが用いられる。シリコンウエハは素子、回路、端子などが形成されたものであってよく、シリコンウエハに形成された素子などに転写材70が塗布されてよい。尚、基材60として、ガラス板、セラミック板、樹脂板、金属板などが用いられてもよい。
転写材70としては、例えば光硬化性樹脂が用いられる。光硬化性樹脂は、光インプリント法に用いられる一般的なものが使用できる。
転写材70は、液体の状態でガラス板10と基材60との間に挟まれ、その状態で固化される。固化の方法は、転写材70の種類に応じて適宜選択される。転写材70が光硬化性樹脂の場合、光(例えば紫外線)が用いられる。
光硬化性樹脂は、光の照射によって液体から固体に変化する。光硬化性樹脂は非ニュートン流体や粘弾性を有する液体であってもよい。光は、ガラス板10を透過して転写材70に照射されてよい。尚、基材60が光透過性を有する場合、基材60側から転写材70に光が照射されてもよく、この場合、ガラス板10は光透過性を有しなくてもよい。ガラス板10と基材60の両側から転写材70に光が照射されてもよい。
光インプリント法では、室温での硬化が可能であり、ガラス板10と基材60との線膨張係数差による歪みが発生しにくく、転写精度が良い。尚、硬化反応の促進のため、光硬化性樹脂は加熱されてもよい。
尚、本実施形態では、光インプリント法が用いられるが、熱インプリント法が用いられてもよい。熱インプリント法の場合、転写材70として、熱可塑性樹脂、または熱硬化性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂は、加熱によって溶融し、冷却によって固化する。熱硬化性樹脂は、加熱によって液体から固体に変化する。熱硬化性樹脂は非ニュートン流体や粘弾性を有する液体であってもよい。
転写材70の固化後、転写材70とガラス板10とが分離される。転写材70を固化してなる凹凸層と、基材60とで構成される製品が得られる。製品の凹凸パターンは、ガラス板10の凹凸パターンが略反転したものである。
図13に示すように、ガラス板10と基材60との間に転写材70を挟む際、ガラス板10に外力を加えることで、蓋部16が弾性的に撓み、メサ部13の表面13aが基材60に向けて凸の曲面に変形される。メサ部13と基材60との間のガスが逃げやすく、ガスの閉じ込めが抑制できる。
メサ部13の表面13aが基材60に向けて凸の曲面に変形するように、例えば、ガラス板10の外周面や凹部底面15bが押圧される。凹部底面15bは、凹部15内に形成されるガス室の気圧で押圧されてよい。
メサ部13の表面13aの変形は、転写材70の固化前に解除されてよく、固化した転写材70とガラス板10とを剥離する際に再び行われてよい。転写材70の外周から中心に向けて順次剥離を行うことができる。
次に、図14を参照して、研磨工程S12で用いられる研磨機の詳細について説明する。図14は、本発明の一実施形態による研磨工程で用いられる研磨機を示す斜視図である。
研磨機は、回転テーブル110、テーブル回転モータ112、研磨工具120、工具回転モータ122、水平移動モータ124、鉛直移動モータ126、流体圧シリンダ128、ノズル130、およびコントローラ140などを有する。
回転テーブル110は、ガラス板10を水平に保持する。例えば、回転テーブル110は、ガラス板10を真空吸着する。真空吸着前に、ガラス板10と回転テーブル110との位置合わせが行われ、凹部15の中心線と回転テーブル110の中心線とが一致させられる。回転テーブル110の中心線は鉛直方向に平行とされ、回転テーブル110はその中心線を中心に回転自在とされる。
テーブル回転モータ112は、テーブル回転軸111を介して回転テーブル110を回転させる。回転テーブル110の回転数が目標値になるように、コントローラ140がテーブル回転モータ112を制御する。
研磨工具120は、回転テーブル110に対して水平方向および鉛直方向にそれぞれ独立に移動自在とされる。研磨工具120の中心線は、鉛直方向に平行とされ、回転テーブル110の中心線に対して平行とされる。研磨工具120は、その中心線を中心に回転自在とされる。 研磨工具120は、複数種類用意されてよく、研磨の種類に応じて交換されてよい。
工具回転モータ122は、工具回転軸121を介して研磨工具120を回転させる。研磨工具120の回転数が目標値になるように、コントローラ140が工具回転モータ122を制御する。
水平移動モータ124は、水平移動モータ124の回転運動を直線運動に変換するボールねじなどを介して研磨工具120を水平移動させる。研磨工具120は、回転テーブル110の中心線を中心に水平方向に揺動自在とされ、一定のストロークで往復移動自在とされる。研磨工具120の水平方向位置が目標位置になるように、コントローラ140が水平移動モータ124を制御する。水平移動モータ124は、研磨工具120を凹部側面15aに押し付け、研磨圧を生じさせることも可能である。
鉛直移動モータ126は、鉛直移動モータ126の回転運動を直線運動に変換するボールねじなどを介して研磨工具120を鉛直移動させる。研磨工具120の鉛直方向位置が目標位置になるように、コントローラ140が鉛直移動モータ126を制御する。鉛直移動モータ126は、研磨工具120を凹部底面15bに押し付け、研磨圧を生じさせることも可能である。
流体圧シリンダ128は、空気圧シリンダ、油圧シリンダのいずれでもよい。流体圧シリンダ128は、研磨工具120を下方向に押圧し、凹部底面15bに押し付ける。凹部底面15bの研磨圧が目標値になるように、コントローラ140が流体圧シリンダ128を制御する。
尚、鉛直移動モータ126があれば、研磨工具120を凹部底面15bに押し付けることが可能であるため、流体圧シリンダ128はなくてもよい。
ノズル130は、遊離砥粒を含むスラリーを研磨工具120に向けて供給する。これにより、研磨工具120とガラス板10との間にスラリーが供給され、ガラス板10が遊離砥粒により研磨される。尚、スラリーは、ノズル130を介さずに、研磨工具120の回転軸の内部に形成される流路を介して、供給されてもよい。
コントローラ140は、メモリなどの記憶部およびCPU(Central Processing Unit)などを有し、記憶部に記憶されたプログラムをCPUに実行させることにより、各種処理を行う。コントローラ140には各種センサが接続されており、各種センサの検出値が目標値になるようにコントローラ140が各種駆動装置を制御する。コントローラ140が制御する駆動装置としては、例えば、テーブル回転モータ112、工具回転モータ122、水平移動モータ124、鉛直移動モータ126、流体圧シリンダ128などが挙げられる。
コントローラ140は、トルクセンサ142を用いて、工具回転モータ122の負荷トルクを監視する。トルクセンサ142は、例えば工具回転モータ122の電流を検出することにより、工具回転モータ122の負荷トルクを検出する。負荷トルクが高いほど、研磨レートが高い。コントローラ140は、工具回転モータ122の負荷トルクの監視結果に基づいて研磨条件を補正してよい。凹部15の形状が補正できる。
次に、図15を参照して、研磨工程S12の詳細について説明する。図15は、本発明の一実施形態による研磨工程S12を示すフローチャートである。研磨工程S12は、コントローラ140による制御下で行われる。
研磨工程S12は、例えば、外コーナ面研磨工程S121、側面研磨工程S122、および底面研磨工程S123を有する。尚、これらの工程の順序は、図15に示す順序に限定されない。例えば、外コーナ面研磨工程S121は、側面研磨工程S122の後であって底面研磨工程S123の前に行われてもよいし、底面研磨工程S123の後に行われてもよい。また、側面研磨工程S122は、底面研磨工程S123の後に行われてもよい。
先ず、図16を参照して外コーナ面研磨工程S121について説明する。図16は、図15の外コーナ面研磨工程を示す断面図である。
外コーナ面研磨工程S121では、研磨工具120Aを用いて、凹部外コーナ面15dを研磨する。研磨工具120Aは、図14に示す研磨工具120に代えて用いられる。研磨工具120Aは、凹部外コーナ面15dの研磨時に、凹部側面15aに接触してもよいが、図16に示すように凹部側面15aに接触しなくてもよい。
外コーナ面研磨工程S121では、回転テーブル110を回転させることによりガラス板10自体を回転させ、第1主面11に対して垂直な工具回転軸121を中心に研磨工具120Aを自転させながら、研磨工具120Aを凹部外コーナ面15dに接触させ研磨する。
外コーナ面研磨工程S121では、研磨工具120Aの回転軸に対して平行な方向(図16では上下方向)における研磨工具120Aとガラス板10との相対位置を変えながら研磨してもよい。研磨工具120Aとガラス板10のどちらを移動させてもよいし、両方を移動させてもよい。このとき、研磨工具120Aが凹部外コーナ面15dから離れないように、研磨工具120Aの回転軸に対して垂直な方向(図16では左右方向)における研磨工具120Aとガラス板10との相対位置を変える。研磨工具120Aとガラス板10とを相対的に揺動させてよい。
研磨工具120Aの回転軸に対して平行な方向における研磨工具120Aとガラス板10との相対位置を変えながら研磨することにより、下記(1A)〜(5A)の効果が得られる。(1A)研磨工具120Aの外周に欠陥がある場合に、欠陥のガラス板10への転写が抑制できる。(2A)外コーナ面15dの形状が修正できる。(3A)研磨工具120Aの偏磨耗が抑制でき、研磨工具120Aの寿命が長い。(4A)遊離砥粒を含むスラリーが研磨工具120Aとガラス板10との間に入り込みやすく、研磨レートが向上でき、また、傷の発生が抑制できる。(5A)研磨工具120Aとガラス板10との間に異物が侵入した場合に、その間から異物が抜け出やすく、傷の発生が抑制できる。
尚、本実施形態では、工具回転軸121が第1主面11に対して垂直とされるが、斜めとされてもよい。そのような場合としては、例えば、本実施形態と同様に、断面視において、凹部外コーナ面15dが第1主面11に対して斜めとされる場合が挙げられる。この場合も、研磨工具120Aの回転軸に対して平行な方向における研磨工具120Aとガラス板10との相対位置を変えながら研磨することで、上記(1A)〜(5A)の効果が得られる。
次に、図17を参照して側面研磨工程S122について説明する。図17は、図15の側面研磨工程を示す断面図である。
側面研磨工程S122では、研磨工具120Bを用いて、凹部側面15aを研磨する。研磨工具120Bは、図14に示す研磨工具120に代えて用いられる。研磨工具120Bは、凹部側面15aだけでなく、凹部内コーナ面15cを研磨してもよい。研磨工具120Bは、凹部底面15bに接触してもよく、凹部底面15bを僅かに研磨してもよい。
側面研磨工程S122では、回転テーブル110を回転させることによりガラス板10自体を回転させ、凹部底面15bに対して垂直な工具回転軸121を中心に研磨工具120Bを自転させながら、研磨工具120Bを凹部側面15aに接触させ研磨する。ここで、「垂直」とは、89〜91°の範囲をいう。研磨工具120Bにおける凹部底面15bとの対向面120Baは、平らなものでもよいが、図17に示すように回転中心が外縁よりも凹んでいるものでもよい。後者の場合、研磨工具120Bと凹部底面15bとの接触面積が小さく、凹部底面15bの研磨量が抑制できる。対向面120Baの凹みの深さは、回転中心において、好ましくは0.1〜5mm、より好ましくは0.1〜1mmである。
研磨工具120Bにおける凹部底面15bとの対向面120Baは、段差のある平面で構成されてもよいが、図17に示すように曲面で構成されてよい。対向面120Baが曲面であれば、底面研磨工程S123において研磨工具120Bの使用が可能である。研磨工具120Bは、底面研磨工程S123において、側面研磨工程S122よりも強く凹部底面15bに押し付けられる。対向面120Baが弾性的に変形し、対向面120Baの全面が凹部底面15bに接触できる。
側面研磨工程S122では、研磨工具120Bの回転軸に対して平行な方向(図17では上下方向)における研磨工具120Bとガラス板10との相対位置を変えながら研磨してもよい。研磨工具120Bとガラス板10のどちらを移動させてもよいし、両方を移動させてもよい。研磨工具120Bとガラス板10とを相対的に揺動させてよい。
研磨工具120Bの回転軸に対して平行な方向における研磨工具120Bとガラス板10との相対位置を変えながら研磨することにより、下記(1B)〜(5B)に記載の効果が得られる。(1B)研磨工具120Bの外周に欠陥がある場合に、欠陥のガラス板10への転写が抑制できる。(2B)凹部側面15aの形状が修正できる。(3B)研磨工具120Bの偏磨耗が抑制でき、研磨工具120Bの寿命が長い。(4B)遊離砥粒を含むスラリーが研磨工具120Bとガラス板10との間に入り込みやすく、研磨レートが向上でき、また、傷の発生が抑制できる。(5B)研磨工具120Bとガラス板10との間に異物が侵入した場合に、その間から異物が抜け出やすく、傷の発生が抑制できる。
尚、本実施形態では、工具回転軸121が凹部底面15bに対して垂直とされるが、斜めとされてもよい。そのような場合としては、例えば、断面視において、凹部側面15aが凹部底面15bに対して斜めとされる場合が挙げられる。この場合も、研磨工具120Bの回転軸に対して平行な方向における研磨工具120Bとガラス板10との相対位置を変えながら研磨することで、上記(1B)〜(5B)の効果が得られる。
研磨工具120Bは、略円柱状であるが、その形状は特に限定されない。例えば、研磨工具120Bは略円錐台状でもよい。そのような場合としては、例えば、凹部側面15aが略円錐台状の場合が挙げられる。この場合、工具回転軸121は凹部底面15bに対して垂直とされる。この場合も、研磨工具120Bの回転軸に対して平行な方向における研磨工具120Bとガラス板10との相対位置を変えながら研磨することで、上記(1B)〜(5B)の効果が得られる。
側面研磨工程S122では、研磨工具120Bの回転軸に対して平行な方向における研磨工具120Bとガラス板10との相対位置を変えると共に、研磨工具120Bの回転軸に対して垂直な方向における研磨工具120Bとガラス板10との相対位置を変えながら研磨してもよい。そのような場合としては、凹部内コーナ面15cを研磨する場合が挙げられる。
尚、側面研磨工程S122では、凹部内コーナ面15cを研磨するため、研磨工具120Bの回転軸に対して平行な方向における研磨工具120Bとガラス板10との相対位置を変えることで、研磨工具120Bを凹部内コーナ面15cの形状に弾性的に変形させてもよい。
次に、図18を参照して底面研磨工程S123について説明する。図18は、図15の底面研磨工程を示す断面図である。
底面研磨工程S123では、研磨工具120Cを用いて、凹部側面15aを研磨することなく凹部底面15bを研磨する。研磨工具120Cは、図14に示す研磨工具120に代えて用いられる。研磨工具120Cは、凹部底面15bだけでなく、凹部内コーナ面15cを研磨してもよい。研磨工具120Cは、凹部側面15aを研磨しなければよく、凹部側面15aに当たらなければよい。
底面研磨工程S123では、回転テーブル110を回転させることによりガラス板10自体を回転させ、凹部底面15bに対して垂直な工具回転軸121を中心に研磨工具120Cを自転させながら、研磨工具120Cを凹部底面15bに接触させ研磨する。
底面研磨工程S123では、研磨工具120Cの回転軸に対して垂直な方向(図18では左右方向)における研磨工具120Cとガラス板10との相対位置を変えながら研磨してもよい。研磨工具120Cとガラス板10のどちらを移動させてもよいし、両方を移動させてもよい。研磨工具120Cとガラス板10とを相対的に揺動させてよい。
研磨工具120Cの回転軸に対して垂直な方向における研磨工具120Cとガラス板10との相対位置を変えながら研磨することにより、下記(1C)〜(5C)に記載の効果が得られる。(1C)研磨工具120Cにおける凹部底面15bとの対向面に欠陥がある場合に、欠陥のガラス板10への転写が抑制できる。(2C)凹部底面15bの形状が修正できる。(3C)研磨工具120Cの偏磨耗が抑制でき、研磨工具120Cの寿命が長い。(4C)遊離砥粒を含むスラリーが研磨工具120Cとガラス板10との間に入り込みやすく、研磨レートが向上でき、また、傷の発生が抑制できる。(5C)研磨工具120Cとガラス板10との間に異物が侵入した場合に、その間から異物が抜け出やすく、傷の発生が抑制できる。
研磨工具120Cにおける凹部底面15bとの対向面120Caの直径D(以下、単に研磨工具120Cの直径Dという)が小さいほど、研磨工具120Cにおける凹部底面15bとの接触面積が小さい。凹部底面15bの部分的な研磨が可能であり、凹部底面15bの形状修正が容易である。また、研磨工具120Cの直径Dが小さいほど、遊離砥粒を含むスラリーが凹部底面15bに広がりやすい。
研磨工具120Cの直径Dが大きいほど、研磨速度が大きくなる。また、研磨工具120Cの直径Dは、凹部内コーナ面15cと凹部側面15aとの円環状の境界線の半径Rよりも小さくてよい。研磨工具120Cの直径Dが上記境界線の半径R以上の場合と異なり、凹部底面15bの中心部が研磨工具120Cと常時接触せずに済むため、ガラス板10や研磨工具120Cの偏磨耗が抑制でき、ガラス板10における欠陥の発生が抑制できる。
前述の通り、底面研磨工程S123では、回転テーブル110を回転させ、研磨工具120Cを自転させながら、さらに、研磨工具120Cとガラス板10とを、研磨工具120Cの回転軸に対して垂直な方向に相対的に揺動させてよい。例えば、底面研磨工程S123では、研磨工具120Cをその回転軸に対して垂直な方向に揺動させてよい。
研磨工具120Cが凹部底面15bの中心を中心に直線的に揺動される場合、そのストローク(片道の距離)は研磨工具120Cの直径Dよりも大きくてよい。凹部底面15bの中心部が研磨工具120Cと常時接触せずに済むため、ガラス板10や研磨工具120Cの偏磨耗が抑制でき、ガラス板10における欠陥の発生が抑制できる。
また、研磨工具120Cが凹部底面15bの中心を中心に直線的に揺動される場合、そのストロークは、上記境界線の直径(2×R)と研磨工具120Cの直径Dとの差(2×R−D)よりも小さくてよい。研磨工具120Cが凹部側面15aに当たらずに済む。
研磨工具120Cが凹部底面15bの中心を中心に直線的に揺動される場合、研磨工具120Cの揺動の速さは区間ごとに変更されてよい。各揺動端には、方向転換のための増減速区間が設定される。そうして、増減速区間同士の間には、揺動中心から揺動端に向かって複数の等速区間が設定されてよい。例えば、増減速区間同士の間には、揺動中心から揺動端に向かって、第1等速区間、第2等速区間が設定されてよい。
図19は、第2等速区間の速さが第1等速区間の速さよりも小さい場合の、ガラス板10と共に回転する座標系における研磨工具120Cの中心線の軌跡の一例を示す図である。図19では、研磨工具120Cの中心線が増減速区間を抜けてから揺動中心に至るまでの軌跡120Cbを示す。軌跡120Cbのうち、実線は第2等速区間における軌跡、一点鎖線は第1等速区間における軌跡を示す。図19に示すように、第2等速区間の速さが第1等速区間の速さよりも小さい場合、凹部底面15bの外周部が集中的に研磨できる。
図20は、第1等速区間の速さが第2等速区間の速さよりも小さい場合の、ガラス板10と共に回転する座標系における研磨工具120Cの中心線の軌跡の一例を示す図である。図20では、研磨工具120Cの中心線が増減速区間を抜けてから揺動中心に至るまでの軌跡120Cbを示す。軌跡120Cbのうち、実線は第2等速区間における軌跡、一点鎖線は第1等速区間における軌跡を示す。図20に示すように、第1等速区間の速さが第2等速区間の速さよりも小さい場合、凹部底面15bの中心部が集中的に研磨できる。
尚、増減速区間以外の場所において、研磨工具120Cの速さは一定であってもよい。
底面研磨工程S123では、研磨工具120Cの回転軸に対して垂直な方向における研磨工具120Cとガラス板10との相対位置を変えると共に、研磨工具120Cの回転軸に対して平行な方向における研磨工具120Cとガラス板10との相対位置を変えながら研磨してもよい。そのような場合としては、凹部内コーナ面15cを研磨する場合が挙げられる。
尚、底面研磨工程S123では、凹部内コーナ面15cを研磨するため、研磨工具120Cの回転軸に対して垂直な方向における研磨工具120Cとガラス板10との相対位置を変えながら研磨することで、研磨工具120Cを凹部内コーナ面15cの形状に弾性的に変形させてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、凹部15が凹部側面15aおよび凹部底面15bのみならず凹部内コーナ面15cを有し、底面研磨工程S123では凹部側面15aを研磨することなく凹部底面15bを研磨する。よって、凹部底面15bに特化した研磨条件が設定でき、凹部底面15bの形状崩れが抑制できる。
また、側面研磨工程S122と底面研磨工程S123とが別々に行われるため、側面研磨工程S122では凹部底面15bをほとんど研磨せずに済む。凹部側面15aの研磨レートと凹部底面15bの研磨レートとのバランスによる凹部側面15aの研磨圧の制約がなく、凹部側面15aの研磨圧が低くてよい。よって、研磨工具120Bの中心線の傾きが抑制でき、研磨による凹部15の形状崩れが抑制できる。
また、側面研磨工程S122および底面研磨工程S123とは別に、外コーナ面研磨工程S121を行ってもよい。よって、凹部外コーナ面15dに特化した研磨条件が設定でき、凹部外コーナ面15dの形状崩れが抑制できる。
以上、モールドの製造方法、モールド製造用構造体の製造方法の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態などに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、改良が可能である。
例えば、上記実施形態の凹部15は、非貫通穴であるが、溝や段差でもよい。
また、上記実施形態のモールドやモールド製造用構造体は、メサ部13を有するが、メサ部13を有しなくてもよい。ガラス板10の第2主面12には段差がなくてもよく、段差のない平坦な第2主面12にインプリント用のモールドの凹凸パターンが形成されてもよい。
また、上記実施形態の底面研磨工程S123では、平面視において、研磨工具120Cが直線的に揺動されるが、2次元的に移動されてもよく、例えばジグザグに移動されてもよい。この場合、水平移動モータ124が複数用いられてよい。
また、上記実施形態の外コーナ面研磨工程S121、側面研磨工程S122、および底面研磨工程S123では、ガラス板10を回転させるが、ガラス板10を回転させなくてもよい。この場合、研磨工具を自転させながら公転させる。
10 ガラス板
11 第1主面
12 第2主面
15 凹部
15a 凹部側面
15b 凹部底面
15c 凹部内コーナ面
15d 凹部外コーナ面
16 蓋部
51 エッチング保護膜
52 レジスト膜
60 基材
70 転写材
110 回転テーブル
112 テーブル回転モータ
120 研磨工具
122 工具回転モータ
124 水平移動モータ
126 鉛直移動モータ
128 流体圧シリンダ
130 ノズル
140 コントローラ

Claims (14)

  1. ガラス板の主面を研削して凹部を形成する研削工程と、前記凹部の表面を研磨する研磨工程とを有する、モールド製造用構造体の製造方法であって、
    前記凹部は側面、底面、および前記側面と前記底面とをつなぐ内コーナ面を有し、該内コーナ面は前記底面に対し前記側面よりも緩やかな傾きを有し、
    前記研磨工程は、前記側面を研磨する側面研磨工程と、前記側面を研磨することなく前記底面を研磨する底面研磨工程とを有する、モールド製造用構造体の製造方法。
  2. 前記側面研磨工程では、前記底面に対して垂直な回転軸を中心に自転させる研磨工具を用い、
    該研磨工具における前記底面との対向面は、回転中心が外縁よりも凹んでいる、請求項1に記載のモールド製造用構造体の製造方法。
  3. 前記内コーナ面と前記側面との境界線は円環状であり、
    前記底面研磨工程では、前記底面に対して垂直な回転軸を中心に自転させる研磨工具を用い、
    該研磨工具における前記底面との対向面の直径は、前記境界線の半径よりも小さい、請求項1または2に記載のモールド製造用構造体の製造方法。
  4. 前記底面は円形状であり、
    前記底面研磨工程が、前記底面に対して垂直な回転軸を中心に自転させる研磨工具を用い、該研磨工具の回転軸に対して垂直な方向における該研磨工具と前記ガラス板との相対位置を変えながら研磨する工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモールド製造用構造体の製造方法。
  5. 前記側面研磨工程が、前記底面に対して垂直な回転軸または前記底面に対して斜めの回転軸を中心に自転させる研磨工具を用い、該研磨工具の回転軸に対して平行な方向における該研磨工具と前記ガラス板との相対位置を変えながら研磨する工程を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のモールド製造用構造体の製造方法。
  6. 前記凹部は前記側面と前記主面とをつなぐ外コーナ面を有し、該外コーナ面は前記主面に対し前記側面よりも緩やかな傾きを有し、
    前記研磨工程は、前記側面研磨工程および前記底面研磨工程とは別に、前記外コーナ面を研磨する外コーナ面研磨工程を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のモールド製造用構造体の製造方法。
  7. 前記外コーナ面研磨工程が、前記主面に対して垂直な回転軸または前記主面に対して斜めの回転軸を中心に自転させる研磨工具を用い、該研磨工具の回転軸に対して平行な方向における該研磨工具と前記ガラス板との相対位置を変えながら研磨する工程を含む、請求項6に記載のモールド製造用構造体の製造方法。
  8. ガラス板の主面を研削して凹部を形成する研削工程と、前記凹部の表面を研磨する研磨工程と、前記ガラス板に凹凸パターンを形成する凹凸パターン形成工程とを有する、モールドの製造方法であって、
    前記凹部は側面、底面、および前記側面と前記底面とをつなぐ内コーナ面を有し、該内コーナ面は前記底面に対し前記側面よりも緩やかな傾きを有し、
    前記研磨工程は、前記側面を研磨する側面研磨工程と、前記側面を研磨することなく前記底面を研磨する底面研磨工程とを有する、モールドの製造方法。
  9. 前記側面研磨工程では、前記底面に対して垂直な回転軸を中心に自転させる研磨工具を用い、
    該研磨工具における前記底面との対向面は、回転中心が外縁よりも凹む、請求項8に記載のモールドの製造方法。
  10. 前記内コーナ面と前記側面との境界線は円環状であり、
    前記底面研磨工程では、前記底面に対して垂直な回転軸を中心に自転させる研磨工具を用い、
    該研磨工具における前記底面との対向面の直径は、前記境界線の半径よりも小さい、請求項8または9に記載のモールドの製造方法。
  11. 前記底面は円形状であり、
    前記底面研磨工程が、前記底面に対して垂直な回転軸を中心に自転させる研磨工具を用い、該研磨工具の回転軸に対して垂直な方向における該研磨工具と前記ガラス板との相対位置を変えながら研磨する工程を含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載のモールドの製造方法。
  12. 前記側面研磨工程が、前記底面に対して垂直な回転軸または前記底面に対して斜めの回転軸を中心に自転させる研磨工具を用い、該研磨工具の回転軸に対して平行な方向における該研磨工具と前記ガラス板との相対位置を変えながら研磨する工程を含む、請求項8〜11のいずれか1項に記載のモールドの製造方法。
  13. 前記凹部は前記側面と前記主面とをつなぐ外コーナ面を有し、該外コーナ面は前記主面に対し前記側面よりも緩やかな傾きを有し、
    前記研磨工程は、前記側面研磨工程および前記底面研磨工程とは別に、前記外コーナ面を研磨する外コーナ面研磨工程を有する、請求項8〜12のいずれか1項に記載のモールドの製造方法。
  14. 前記外コーナ面研磨工程が、前記主面に対して垂直な回転軸または前記主面に対して斜めの回転軸を中心に自転させる研磨工具を用い、該研磨工具の回転軸に対して平行な方向における該研磨工具と前記ガラス板との相対位置を変えながら研磨する工程を含む、請求項13に記載のモールドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018049087A (ja) * 2016-09-20 2018-03-29 日東電工株式会社 液晶パネル、液晶表示装置、及び偏光子のセット
JP2018060878A (ja) * 2016-10-04 2018-04-12 大日本印刷株式会社 パターン構造体の製造方法およびインプリント用モールドの製造方法
CN110869326A (zh) * 2017-07-18 2020-03-06 株式会社泰库尼思科 玻璃成形方法和通过该方法形成的玻璃成形品

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