JP2000167530A - 廃熱交換器のリサイクル方法 - Google Patents

廃熱交換器のリサイクル方法

Info

Publication number
JP2000167530A
JP2000167530A JP10351101A JP35110198A JP2000167530A JP 2000167530 A JP2000167530 A JP 2000167530A JP 10351101 A JP10351101 A JP 10351101A JP 35110198 A JP35110198 A JP 35110198A JP 2000167530 A JP2000167530 A JP 2000167530A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
heat exchanger
aluminum
waste heat
recycling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10351101A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Osumi
研治 大隅
Chikara Saeki
主税 佐伯
Mamoru Ishikawa
守 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP10351101A priority Critical patent/JP2000167530A/ja
Publication of JP2000167530A publication Critical patent/JP2000167530A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Disintegrating Or Milling (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅管に対しアルミニウムフインが接合された
廃熱交換器の処理効率の高いリサイクル方法を提供す
る。 【解決手段】 廃熱交換器を溶解用原料として用いる場
合に不純物となる金属を予め除去した後、前記銅管とア
ルミニウムフインが接合されたままの状態で廃熱交換器
を破砕機にかけ、アルミニウム細片と銅細片とが各々分
離して混在する混合破砕片となるまで破砕し、この混合
破砕片からアルミニウム細片と銅細片とを各々分離選別
し、その後これらの細片を、各々アルミニウムおよび銅
の溶解用原料として用いることである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅管に対しアルミ
ニウムフインが接合された廃熱交換器のリサイクル方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、家庭用乃至業務用の空調機
(エアコン、クーラー) には、冷媒乃至熱媒を通す銅管
と、この銅管に接合されて室内の空気との接触面積を増
加させて熱交換効率を増大させるためのアルミニウムフ
インとが組み合わされた熱交換器が汎用されている。
【0003】近年、自動車や家電製品などのリサイクル
の一貫として、これらの使用済みの廃熱交換器のリサイ
クルも社会的な課題となっている。
【0004】自動車や家電製品などをリサイクルする場
合、これらは多くの異種材料から構成されているため
に、そのまま一体乃至一括での処理は難しく、まず部材
を構成する材料毎に各々分離、選別したのち、各材料毎
に破砕して、各々の材料素材の溶解原料などとして再利
用するのが一般的である。したがって、廃熱交換器をリ
サイクルする場合にも、銅管とアルミニウムフインとの
異種金属材料が混在しているために、廃熱交換器を構成
する銅管とアルミニウムフインとを、まず人手によって
分離、分別したのち破砕して、各々の材料毎に各素材の
溶解原料などとして用いるのが一般的である。
【0005】ただ、廃熱交換器から銅とアルミニウムと
を人手によって分離する方法では効率が悪く、廃熱交換
器のリサイクル量の増大に対応した現実的な方法にはな
り得ない。これに対し、廃熱交換器をそのまま破砕機な
どにより破砕することができれば、廃熱交換器のリサイ
クル量の増大に対応して処理の効率も上げることができ
る。
【0006】しかし、従来から、強固に接合された銅管
とアルミニウムフインとの分離自体が困難であると認識
され、廃熱交換器をそのまま破砕しても、銅管とアルミ
ニウムフインとの分離がうまく図れないというのが、こ
れまでの一般的な技術常識であった。
【0007】このため、従来から、廃熱交換器をそのま
ま破砕せず、予め銅管とアルミニウムフインとを分離乃
至分離しやすい状態にしてから破砕することが種々提案
されている。
【0008】例えば、特開平7 −171723号などの公報に
は、廃熱交換器に砥粒を含む高圧水を噴射してアルミニ
ウムフインを銅管の端部に寄せてから、アルミニウムフ
インを切断および塑性変形させて分離する方法が開示さ
れている。更に、特開平7 −265986号などの公報には、
銅管を長手方向に引き延ばして、アルミニウムフインと
の接合を破壊し、その後両者を分離することが開示され
ている。したがって、これらの公報には、破砕方法より
も処理効率が劣る分離方法が開示されており、廃熱交換
器をそのまま破砕しても、銅管とアルミニウムフインと
の分離がうまく図れないという技術常識に基づいてい
る。
【0009】また、特開平9 −57144 号、特開平9 −57
145 号、特開平9 −155213号などの公報には、予め銅管
の外周を所定方向に拡張してアルミニウムフインを破断
させた後に廃熱交換器を解砕することが開示されてい
る。また、特開平8 −11022 号公報には、予め廃熱交換
器をロール圧延して圧潰してから、廃熱交換器を解砕す
ることが開示されている。これらは、いずれも、銅管と
アルミニウムフインとの接合を予め破壊してから解砕し
ないと、銅管とアルミニウムフインとの分離がうまく図
れないという技術常識に基づいている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら従来
の、予め銅管とアルミニウムフインとの分離方法は、い
ずれもその工程の煩雑さゆえに、未だに実用化されてい
ないのが実情である。
【0011】一方、これら従来の分離方法による銅管と
アルミニウムフインとの分離の困難さを考慮して、熱交
換器自体をアルミニウム管とアルミニウムフインとの、
オールアルミニウム製に替える方法も考えられている。
この方法は、熱交換器自体を銅管とアルミニウムフイン
との異種金属材料が混在しないような構成にするもので
ある。したがって、このタイプの熱交換器であるなら
ば、銅とアルミニウムとの異種金属材料を分離する必要
がないため、廃熱交換器のまま、あるいは適当に破砕し
て、アルミニウムの溶解原料として用いることが可能と
なる。しかし、オールアルミニウム製の熱交換器自体の
効率は、前記銅管製の熱交換器に比して、著しく低下す
ることは否めない。しかも、この方法では、実際に今の
時点で大量に使用されている銅管とアルミニウムフイン
とからなる熱交換器の前記リサイクル問題の解決にはな
らない。
【0012】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、銅管に対しアルミニウムフ
インが接合された廃熱交換器の処理効率の高いリサイク
ル方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の要旨は、銅管に対しアルミニウムフインが
接合された廃熱交換器のリサイクル方法であって、廃熱
交換器を溶解用原料として用いる場合に不純物となる金
属を予め除去した後、前記銅管とアルミニウムフインが
接合されたままの状態で廃熱交換器を破砕機にかけ、ア
ルミニウム細片と銅細片とが各々分離して混在する混合
破砕片となるまで破砕し、この混合破砕片からアルミニ
ウム細片と銅細片とを各々分離選別し、その後これらの
細片を、各々アルミニウムおよび銅の溶解用原料として
用いることである。
【0014】このように、異種金属や不純物などと分離
選別した後のアルミニウム細片および銅細片を、アルミ
ニウム合金の溶解用原料、特に熱交換器のフィン用のア
ルミニウム合金材の溶解用原料に、また銅合金の溶解用
原料、特に熱交換器の銅管用のリン脱酸銅の溶解用原料
に各々用いることにより、廃熱交換器の完全なリサイク
ルプロセスが確立する。
【0015】本発明者は、通常の破砕機あるいはミルに
より、廃熱交換器を銅管とアルミニウムフインが接合さ
れたままの状態で破砕機にかけ破砕する際、十分に細か
く破砕してやれば、前記技術常識に反して、フインであ
ったアルミニウムと銅管であった銅とが細片として互い
に分離し、アルミニウム細片と銅細片とが分離して混在
する混合破砕片が得られることを知見した。言い換える
と、十分に細かく破砕してやれば、アルミニウム細片と
銅細片とが元々の廃熱交換器の状態のように、互いに接
合された状態で残らずに互いに分離して存在し、その後
の混合破砕片からのアルミニウム細片と銅細片との分離
選別が容易かつ簡便に行えることを知見した。
【0016】そして、このように、アルミニウム細片と
銅細片とを分離選別した後は、各々、アルミニウム細片
を1100などの純アルミニウム系または 3000 系などのア
ルミニウム合金系等、元々のアルミニウムフィン用のア
ルミニウム材の溶解用原料に、および銅細片を元々の銅
管用のリン脱酸銅の溶解用原料に各々用いることができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明における各要件の意義につ
いて、以下に説明する。
【0018】本発明において、廃熱交換器、特に古いタ
イプの廃熱交換器で、銅管およびアルミニウムフインの
主要構成部材以外に、これらに錫(Sn)を含むろう剤によ
りろう付けされた鋼(乃至鉄)製の支え板などの鋼製部
材が用いられている場合には、廃熱交換器をこのままの
状態で破砕機にかけて、丸ごと破砕することはできな
い。
【0019】なぜなら、これら廃熱交換器に含まれる鉄
分や錫分は分離しにくく、分離選別した後のアルミニウ
ム細片および銅細片中に、必然的に残留する。そして、
これらが残留するアルミニウム細片および銅細片を、ア
ルミニウムおよび銅の溶解用原料として用いた場合、鉄
や錫などの金属系の不純物となって各々の溶湯に含ま
れ、溶湯の品質や商品価値を低下させるからである。特
に、アルミニウム溶湯の場合、後述する銅溶湯のよう
に、鉄や錫分などの有効な除去手段(溶湯精錬手段)が
無いため、鉄や錫などの金属系の不純物が含まれた場合
には、勿論その含有量にもよるが、溶解原料としてリサ
イクルすることができなくなる。
【0020】特に、溶解用原料として用いる場合の金属
不純物である、鉄分や錫分は元々のフィン材用の純アル
ミニウム系またはJIS 3000系のアルミニウム合金の溶解
用原料として、また、元々の銅管材用のリン脱酸銅の溶
解用原料として、有害であり、鋳造された各々の鋳塊の
合金規格を外させる可能性が高い。したがって、特に鉄
分や錫分の除去は厳密に行う必要がある。
【0021】また、廃熱交換器の銅管内に冷凍油などの
油分が装入されている場合には、この油分も、不純物と
しての金属分を含む場合があり、また破砕、分離工程に
おいて、銅やアルミニウムからは分離しにくく、溶解工
程で燃焼してガスを生成させる等溶解作業を困難にさせ
るので、破砕機にかける前に分離乃至除去しておくこと
が望ましい。
【0022】一方、廃熱交換器が、銅管およびアルミニ
ウムフインの主要構成部材以外に、前記鋼製部材や油分
を実質的に含まない場合には、廃熱交換器をそのままの
状態で破砕機にかけて破砕することができる。そして、
本発明において、破砕前に廃熱交換器から前記鋼製部材
や油分を除去するという点についても、これらを予め完
全に除去する場合だけでなく、後の分離工程である程度
の除去できるので、前記アルミニウムおよび銅の溶湯を
実質的に汚染しない範囲で、前記鋼製部材や油分を含有
乃至残留させる場合も含む。
【0023】廃熱交換器の破砕は、通常の衝撃式破砕
機、ハンマーミル、カッターミル、あるいは2 軸剪断式
破砕機などにより行うことが可能であり、一次破砕に衝
撃式破砕機や2 軸剪断式破砕機を用い、その後二次破砕
としてカッターミルを用いても良く、破砕機やミルによ
り一次破砕のみとしても良い。ただ、前記アルミニウム
細片と銅細片とが互いに分離して混在するまで破砕する
破砕効率を考慮すると、破砕を2 段階で行うとともに、
一次破砕に2 軸剪断式破砕機および二次破砕にカッター
ミルを用いることが好ましい。
【0024】なお、本発明で言う2 段階破砕とは、一次
破砕および二次破砕を各々1 回の破砕で行うことのみを
意味するのではなく、各段階の破砕を複数回行っても良
い。しかし、この際重要なことは、アルミニウム細片と
銅細片とが分離して混在するまで、細かく破砕すること
である。即ち、アルミニウム細片と銅細片とが廃熱交換
器の状態のように、互いに接合された状態が部分的にも
残っていると、その後の混合破砕片からのアルミニウム
細片と銅細片との分離選別が困難乃至非常に効率の悪い
ものとなる。
【0025】アルミニウム細片と銅細片とが分離して混
在する混合破砕片とされれば、公知の粒度選別、風力選
別、比重選別、磁力選別から選択される選別方法を単
独、または適宜組み合わせて用いることにより、混合破
砕片からのアルミニウム細片と銅細片との分離が容易か
つ簡便に行える。この中でも簡便さと分離効率の点から
風力選別が好ましい。
【0026】そして、この分離されたアルミニウム細片
と銅細片とは、各々アルミニウム細片は、元々のアルミ
ニウムフィン材用の純アルミニウム系またはJIS 3000系
のアルミニウム合金の溶解用原料に、および銅細片は、
元々の銅管材用のリン脱酸銅の溶解用原料に各々用いる
ことができる。そして、これらは細片化されているの
で、溶解速度が早くなり、溶解歩留りが向上するなど
の、溶解原料としての利点も有する。
【0027】本発明がリサイクルの対象とする溶製銅乃
至銅合金 (本発明では合わせて銅と言っている) の場合
には、前記した通り、溶銅中の鉄、錫などの不純物量が
高くなると、溶製銅乃至銅合金の用途、即ち、溶製銅乃
至銅合金が板や条材、管や棒材などの製品に加工された
電子、電気、あるいは熱交換などの分野で使用された際
の要求特性を劣化乃至低下させる。
【0028】このため、前記した通り、本発明では廃熱
交換器に含まれる前記鉄分や錫分を破砕前に除去する
が、後の破砕乃至分離工程によっても除去しきれない分
が不可避的に混入する場合がある。このように、アルミ
ニウムおよび銅の溶湯を実質的に汚染するほど、溶解原
料に前記鉄分や錫分が含有される乃至残留する場合、銅
の場合は溶湯の精錬により、また、アルミニウムの場合
には、地金を加えて希釈することにより、これら鉄分や
錫分を除去乃至濃度を低下させる。
【0029】この内、銅の場合には、鉄、錫、場合によ
ってはハンダなどに含まれる鉛(Pb)を除去する溶湯の精
錬方法として、酸化および還元処理を行うことが好まし
い。この酸化および還元処理は公知の方法が採用できる
が、一例としては、リサイクルした銅細片を溶解原料の
一部或いは全部として使用して大気溶解を行い、まず、
溶湯中の酸素濃度を例えば3000〜30000ppmに調整して溶
湯中の鉄、錫、鉛を酸化させる酸化処理を行う。その
後、溶湯重量の10〜10000ppm の、珪酸、硼砂、硼酸な
どの酸化物をキャリヤーガスを使用して溶湯中に吹き込
み、鉄、錫、鉛の酸化物を含むノロを生成させ、このノ
ロを除滓した後、溶解雰囲気を還元性にする、または溶
湯中乃至溶湯表面にCOガス或いは生松などの (カーボン
源) 還元剤を投入するなどの還元処理を行う。そして、
係る精錬処理の後に、銅の鋳造を行う。
【0030】
【実施例】次に、本発明方法の実施例を説明する。エア
コンから、プラスチック製の枠体や錫(Sn)を含むろう剤
によりろう付けされた鋼(乃至鉄)製の支え板やビスや
バルブなどアルミニウムや銅以外の他の材料素材からな
る部品、銅管中の油分を予め除去して廃熱交換器本体の
みを取り出した。そして、この脱酸銅からなる銅管に対
しJIS 3004アルミニウム合金からなるアルミニウムフイ
ンが接合された廃熱交換器本体であって、580mm 長さ×
450mm 幅×40mm厚さの前記廃熱交換器本体を、合計で約
1100Kg (合計 500個、内アルミ分が500Kg 、銅分が600K
g)、そのまま二軸剪断式破砕機 (刃厚50t 、電動機110k
w)により、連続的に一次破砕した。この結果、概ね25cm
長さ×5cm 幅以下の混合破砕片に、特に破砕機の運転や
操作に支障を来すことなく破砕することができ、廃熱交
換器本体の連続的な破砕処理が可能であることが証明さ
れた。
【0031】そして、この一次破砕による混合破砕片の
状態では、まだ一部のアルミニウム細片と銅細片とが廃
熱交換器の状態のように、互いに接合された状態で残っ
ていたので、一次破砕による混合破砕片を、更にカッタ
ーミル (スクリーン目φ25mm) により二次破砕した混合
破砕片 (概ね 5cm長さ×2cm 幅以下) とした。この二次
破砕した混合破砕片の観察の結果、アルミニウム細片と
銅細片とが完全に分離して混在する混合破砕片とするま
で破砕乃至細片化することが可能であることが証明され
た。
【0032】その後、風力選別により、この混合破砕片
からアルミニウム細片と銅細片とを各々分離選別した。
これらの選別した分離アルミニウム細片をアルミニウム
の溶解用原料に、および分離銅細片を銅の溶解用原料
に、各々これら細片のみを溶解原料として用い、1100ア
ルミニウム合金およびリン脱酸銅を溶製した。この溶製
したアルミニウムおよびリン脱酸銅の成分を表1 、2 に
示す。
【0033】なお、アルミニウムおよびリン脱酸銅の溶
解は大気溶解で行い、リン脱酸銅の場合は、溶湯中の酸
素濃度を10000ppmに調整して溶湯中の鉄、錫、鉛を酸化
させる酸化処理を行い、その後、溶湯重量の1000ppm の
硼砂をキャリヤーガスを使用して溶湯中に吹き込み、
鉄、錫、鉛などの金属不純物の酸化物を含むノロを生成
させ、このノロを除滓した後、溶湯表面に生松の還元剤
を投入して還元処理を行い鋳造した。
【0034】比較のために、エアコンから錫(Sn)を含む
ろう剤によりろう付けされた鋼製の支え板の一部を除去
せずに残留させ、他の条件は発明例と同じとした585mm
長さ×450mm 幅×40mm厚さの前記廃熱交換器本体を、合
計で約1150Kg (合計 500個、内アルミ分が500Kg 、銅分
が600Kg 、鉄が50Kg) 発明例と同じ条件で破砕、選別し
た。この選別した分離アルミニウム細片をアルミニウム
の溶解用原料に、および分離銅細片を銅の溶解用原料
に、各々これら細片のみを溶解原料として用い、1100ア
ルミニウム合金およびリン脱酸銅を溶製した。この溶製
したアルミニウムおよびリン脱酸銅の成分を比較例とし
て表1 、2 に示す (なお、各成分量はwt%である) 。
【0035】表1 から明らかな通り、本発明要件を満足
するアルミニウム合金を溶解用原料として用いた発明例
No.1は、1100アルミニウム合金としての成分規格を満足
している。したがって、この発明例No.1は、更にMnを添
加するだけで、3003、3004などの熱交換器のアルミニウ
ムフイン用のアルミニウム合金として用いることが可能
であるなど、合金元素添加により種々のアルミニウム合
金としても使用 (リサイクル) 可能であることも示して
いる。
【0036】また、表2 から明らかな通り、本発明要件
を満足する銅合金を溶解用原料として用いた発明例No.3
は、Snを20ppm 以下とするリン脱酸銅としての成分規格
を満足している。したがって、この発明例No.3は、この
ままで、熱交換器の銅管用のリン脱酸銅として用いるこ
とが可能である。そして、合金元素添加により種々の銅
合金としても使用 (リサイクル) 可能であることも示し
ている。
【0037】これに対し、表1 から明らかな通り、破砕
前に、鉄分を残留させたアルミニウム細片を溶解用原料
として用いた比較例No.2は、鋼製の支え板由来の鉄分が
破砕および選別によっても除去されず、更には、これら
の混入物により銅の分離効率も低下したため銅分も混入
したため、鉄、銅の含有量が高く、1100アルミニウム合
金の成分規格を満足できない。特に、鉄分は精錬によっ
て除去できず、鉄分を下げるためには、鉄分が低く地金
の値段が高い純アルミニウム地金溶湯により希釈するし
かない。しかし、そのような方法をとっては、溶解コス
トが高騰するため、廃熱交換器のアルミニウム合金をリ
サイクルする利点が損なわれる。
【0038】また、表2 から明らかな通り、破砕前に、
鉄分を残留させた銅細片を溶解用原料として用いた比較
例No.4は、錫を含むろう剤由来の錫分が破砕および選別
によっても除去されず、前記発明例と同じ酸化処理およ
び還元処理を行い鋳造したにもかかわらず、錫の含有量
が高く、リン脱酸銅の成分規格を満足できない。このた
め、錫分を下げるために、これらの量が低く地金の値段
が高い純銅地金溶湯により希釈するしかない。しかし、
そのような方法をとっては、溶解コストが高騰するた
め、廃熱交換器の銅合金をリサイクルする利点が損なわ
れる。
【0039】更に、比較のために、前記実施例と同じ条
件でアルミニウム細片と銅細片とを得たものの、破砕機
での破砕の際、アルミニウム細片と銅細片とが各々分離
して混在する混合破砕片となるまで細かく破砕せず、ア
ルミニウム細片と銅細片とが互いに接合された状態を部
分的に残した例も溶解の試験を行った。これらの細片
は、その後の分離選別によっても、互いの細片中に各々
アルミニウム細片および銅細片が残留しており、このま
ま溶解しても互いの溶湯中のアルミニウム量および銅量
が高くなることが当然予測された。実際、これら細片を
大気溶解したところ、アルミニウム溶湯では1.7wt%と銅
含有量が高くなり、また、銅溶湯でもアルミニウム含有
量が0.8wt%と高くなってしまった。そして、これを成分
規格内にするためには、前記比較例と同様に、地金溶湯
により希釈するしかなく、所定濃度に希釈するために
は、多量の地金を必要とし、溶解コストが高騰するた
め、廃熱交換器のアルミニウム合金をリサイクルする利
点が損なわれる。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明リサイクル
方法によれば、銅管とアルミニウムフインとからなる熱
交換器の処理効率の高いリサイクル方法を提供すること
ができる。したがって、実際に今の時点で大量に使用さ
れている銅管とアルミニウムフインとからなる熱交換器
のリサイクルを可能にする点で、工業的な価値が大き
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 守 神奈川県秦野市平沢65番地 株式会社神戸 製鋼所秦野工場内 Fターム(参考) 4D004 AA21 AA50 BA05 CA04 CA08 CA41 CB13 4D067 CG06 GA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅管に対しアルミニウムフインが接合さ
    れた廃熱交換器のリサイクル方法であって、廃熱交換器
    を溶解用原料として用いる場合に不純物となる金属を予
    め除去した後、前記銅管とアルミニウムフインが接合さ
    れたままの状態で廃熱交換器を破砕機にかけ、アルミニ
    ウム細片と銅細片とが各々分離して混在する混合破砕片
    となるまで破砕し、この混合破砕片からアルミニウム細
    片と銅細片とを各々分離選別し、その後これらの細片
    を、各々アルミニウムおよび銅の溶解用原料として用い
    ることを特徴とする廃熱交換器のリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 前記破砕を2 段階で行い、一次破砕に2
    軸剪断式破砕機を用い、その後の二次破砕にカッターミ
    ルを用る請求項1に記載の廃熱交換器のリサイクル方
    法。
  3. 【請求項3】 前記分離選別した後の銅細片を、銅の溶
    解用原料とする際に、溶解後の銅溶湯を酸化および還元
    して精錬し、溶湯中から金属不純物を除去する請求項1
    または2に記載の廃熱交換器のリサイクル方法。
  4. 【請求項4】 前記アルミニウム細片を熱交換器フィン
    用のアルミニウム材の溶解用原料に、および前記銅細片
    を熱交換器銅管用のリン脱酸銅の溶解用原料に各々用い
    る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の廃熱交換器の
    リサイクル方法。
  5. 【請求項5】 前記分離選別を風力選別により行う請求
    項1乃至4のいずれか1項に記載の廃熱交換器のリサイ
    クル方法。
  6. 【請求項6】 前記金属不純物が鉄分および/または錫
    分である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の廃熱交
    換器のリサイクル方法。
JP10351101A 1998-12-10 1998-12-10 廃熱交換器のリサイクル方法 Pending JP2000167530A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10351101A JP2000167530A (ja) 1998-12-10 1998-12-10 廃熱交換器のリサイクル方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10351101A JP2000167530A (ja) 1998-12-10 1998-12-10 廃熱交換器のリサイクル方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000167530A true JP2000167530A (ja) 2000-06-20

Family

ID=18415067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10351101A Pending JP2000167530A (ja) 1998-12-10 1998-12-10 廃熱交換器のリサイクル方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000167530A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006322622A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 熱交換器の処理装置および処理方法
CN101797577A (zh) * 2010-04-08 2010-08-11 合肥工业大学 换热器铜铝分离方法及装置
KR101185441B1 (ko) 2012-02-29 2012-10-02 윤기봉 폐라디에이터 분리수거장치
CN102744240A (zh) * 2012-07-25 2012-10-24 安徽华翼金属集团有限公司 高效环保节能的散热器铜铝分离系统
JP2013049028A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Mitsubishi Electric Corp 熱交換器破砕物の選別方法
CN116493386A (zh) * 2023-06-05 2023-07-28 清远市金运再生资源有限公司 一种废线路板破碎分选回收铜、锡的循环绿色工艺

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006322622A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd 熱交換器の処理装置および処理方法
CN101797577A (zh) * 2010-04-08 2010-08-11 合肥工业大学 换热器铜铝分离方法及装置
CN101797577B (zh) * 2010-04-08 2012-05-09 合肥工业大学 换热器铜铝分离方法及装置
JP2013049028A (ja) * 2011-08-31 2013-03-14 Mitsubishi Electric Corp 熱交換器破砕物の選別方法
KR101185441B1 (ko) 2012-02-29 2012-10-02 윤기봉 폐라디에이터 분리수거장치
CN102744240A (zh) * 2012-07-25 2012-10-24 安徽华翼金属集团有限公司 高效环保节能的散热器铜铝分离系统
CN116493386A (zh) * 2023-06-05 2023-07-28 清远市金运再生资源有限公司 一种废线路板破碎分选回收铜、锡的循环绿色工艺
CN116493386B (zh) * 2023-06-05 2023-10-27 清远市金运再生资源有限公司 一种废线路板破碎分选回收铜、锡的循环绿色工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1999053110A1 (fr) Procede de fabrication d'alliage d'aluminium pour materiaux a aplatir et materiaux a aplatir d'alliage d'aluminium pour automobiles
EP2687613A1 (en) Method for recovering valuable metals
JPH0372689B2 (ja)
JP5149164B2 (ja) 希土類−鉄−ボロン系磁石スクラップからの有用材料回収方法
CN104384743A (zh) 一种低银无镉钎料及其制备方法
JP4779145B2 (ja) 自動車と電子廃棄物の回収プロセス
JP2000167530A (ja) 廃熱交換器のリサイクル方法
CN111893335A (zh) 一种铝锂合金废料废屑再生回收方法
JP2002173717A (ja) 廃銅製品からのアルミニウムのリサイクル方法
CN105821226A (zh) 一种制备az31-re变形镁合金的方法
US4126673A (en) Method for processing dross
JP2001172728A (ja) 廃空調機のリサイクル方法
US7134619B2 (en) Method of separating and processing catalyst carriers
JP4693028B2 (ja) 切削性に優れたアルミニウム合金材の製造方法
CN115582392A (zh) 一种固废金属回收资源化的处理方法
JP2002060852A (ja) 廃銅製品からの銅のリサイクル方法
JPH09316577A (ja) 熱交換器の冷媒通路部材用ブレージングシート
JP2001170609A (ja) 銅又は銅合金のリサイクル方法
CN101250650A (zh) 换热器用铝合金材料及其加工方法
JPH07188798A (ja) アルミニウム缶屑再生の処理方法
JP2002001513A (ja) 銅の溶解鋳造方法
USRE31028E (en) Method for processing dross
CN102586633B (zh) 提高Al-Si-Cu系压铸合金的机械性能的方法
JPH11293362A (ja) 展伸材用アルミニウム合金の製造方法及びこれにより得られるアルミニウム合金展伸材
KR101079503B1 (ko) 비자착 슬래그의 재활용 방법, 그로부터 제조된 고비중 재료 및 그 제조방법