JP2013049028A - 熱交換器破砕物の選別方法 - Google Patents

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亨淳 太田
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岳 塚崎
Kazunari Tsutsui
一就 筒井
Takuya Tsushima
拓哉 對馬
Masami Ogiso
正実 小木曽
Yasuto Izeki
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Abstract

【課題】 熱交換器のリサイクルでは破砕選別が行われているが、一定量の非常に細かい破砕物が含まれている等が原因で回収純度には限界が生じている。また、破砕物の比重差を利用した方法を使用して各素材に選別しようとしても、素材の粒度、比重の不均一等が原因で、選別機の選別テーブルの目詰まりが生じるなどして風力不足となり、粒度の大きい破砕物が選別できなくなる。
【解決手段】 熱交換器に使用されている各素材を高い純度で回収するため、破砕選別の選別において、破砕物の粒度に応じて所定の破砕粒度以下の破砕物を取り除く粒径選別を行う工程と、その後に比重差選別を行う工程とを含む破砕選別方法とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、破砕した熱交換器を銅、アルミに高純度に分別する方法に関するものである。
エアコンには室内機、室外機にそれぞれ熱交換器が使われており、従来から主にアルミフィン、銅配管、鉄のサイドプレートによって構成されている。アルミフィン、銅配管は高品位のため、廃家電となった後も溶解してアルミ合金の一部として使用されたり、素材毎に分離して再度素材として使用するなど様々な用途でリサイクルが試みられている。
従来の熱交換器の分別方法では、銅、アルミ、鉄が絡まない程度のサイズに破砕し磁力選別機、比重選別機を用いて選別している(例えば特許文献1参照)。他には、鋸などを用いて銅配管に沿って短冊状に切断する方法などが提案されている(例えば特許文献4参照)。
特開2001-70923号公報 特開2006-322622号公報 特開2001-172728号公報 特開2000-317746号公報
現在、熱交換器のリサイクルでは、破砕選別が主に行われており、2回に分けて破砕することにより、より形状の整った破砕物を得られることが公知の技術となっている。
特許文献1には、「破砕粒度はφ(直径)5mm〜φ20mmが好ましい」との記載があり、φ20mm以下の場合の絡まり度合を1〜5%としており、絡まり度合を低減することに重点がおかれている。熱交換器をφ20mmの破砕粒度で破砕した場合、φ5mmの破砕粒度で破砕した場合、どちらにおいても、必ず、ある一定量は非常に細かい破砕物が含まれており、破砕機のスクリーニングサイズを調整し、異物の絡み度合いを少なくするだけでは、回収純度と破砕機の処理能力がトレードオフの関係となり回収純度には限界が生じる。
また、φ5mm程度の粒度に破砕を行うと、連続運転時には銅の破砕物や破砕機が100℃以上の高温となるなどの問題が生じる。このため、実際にはφ10〜φ20mmの間の粒度で破砕することが多い。
また、破砕物の比重差を利用した比重差選別機を使用して各素材に選別しようとしても、上記の破砕物の場合、素材の粒度、比重が均一ではないため、比重差選別機の選別テーブルの目詰まりが生じ風力不足となり、選別不能に陥る結果となる。仮に目詰まり防止として選別テーブルのメッシュを細かくすると、風力ロスが大きくなることと、メッシュと選別物の引っかかり力が小さくなり、粒度の大きい破砕物が選別できなくなる。上記のようなことから95%前後の純度でしか回収出来ないという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、各素材が98%以上の高い純度で回収できることを目的としている。
この発明に係る選別方法は、熱交換器を破砕する破砕機、破砕物の粒度に応じて選別する粒径選別機、および比重差選別を行う比重差選別機を用いて、熱交換器に使用されている金属を所望の金属素材に選別する熱交換器破砕物の選別方法において、
前記金属素材の比重差選別を行う前に、破砕物の粒度に応じて所定の破砕粒度以下の破砕物を取り除く工程を含むようにしたものである。
この発明によれば、比重差選別機に投入される破砕物の粒度が一定範囲となるため、比重差選別機の選別テーブルのメッシュサイズを破砕物の粒度に合わせて選定することが出来、98%という高純度で各素材を回収することが可能となる、といった従来にない顕著な効果を奏するものである。またこのように選別することにより、メッシュサイズを破砕物サイズに合わせて選定することが可能となるため、選別純度の向上という利点だけでなく、無理に線径の細いメッシュを使うことが少なくなり、メッシュの長寿命化という利点と、細かい破砕片が混入していないのでメッシュの清掃頻度が少なくなるという利点もある。
本発明の実施の形態1による熱交換器破砕物を選別する処理方法のフローを示す図である。 本発明の実施の形態1による破砕物の粒径選別機のスクリーン穴サイズと通過比率の関係を示す図である。 本発明の実施の形態1による破砕物をその粒径により3種類に分けた場合のフローを示す図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による熱交換器処理方法のフローを示す図である。エアコンから取り外された熱交換器1は、そのまま破砕機2に投入され所定のサイズになるまで
破砕される。ここで破砕機のスクリーンの穴サイズ(直径。以下同様)をA(単位はmm。以下同様)とする。破砕された破砕物は磁力選別機3に通され、非磁性物のアルミ、銅類と磁性物4の鉄類に選別される。選別された非磁性物はさらに粒径選別機5にて選別される。
この粒径選別機5は選別したい粒度の穴が開いたスクリーン上を粒度の粗いスクリーンを上側にして、任意の枚数積層することが出来る構造となっており、このスクリーン全体を傾斜方向に振動させることにより投入した破砕物を前進させながら所定の粒度に分類することが可能な装置である。篩選別機、トロンメルなども同様の機能を有する。
この粒径選別機5のスクリーンを用いて、破砕機2のスクリーンの穴サイズA(mm)に応じた所定の破砕粒度以下の破砕物を分別する。この粒径選別機5のスクリーンの穴サイズD(直径。単位はmm。以下同様)は、次式(1)にて規定される。
D=A/X ・・・・(1)
ここで、Xの値は以下に述べるように3以上の任意の数にするのが好ましい。
粒径選別機5に投入された破砕物のうち、Dの穴サイズのスクリーンを通過する破砕物は混合物6に分類され、Dの穴サイズのスクリーンを通過しない破砕物は比重差選別機7に投入される。
上記の式(1)Xの値の大小、すなわちDの値によって、図2に示すようにスクリーン通過比率が変わる。スクリーン通過比率が小さいと回収物の量は向上するが、粒度のバラつきが大きくなるため回収物の純度低下の要因となり、逆にスクリーン通過比率が大きいと回収物の量は低下するが、回収物の純度は向上するため、対象となる破砕物の粒度と式(1)を用いて、最適な粒径選別機5のスクリーン穴サイズを選定することが可能となる。また、比重差選別機は石取機とも呼ばれる空気流を利用した乾式の方式であるが、比重液を使用する湿式の選別方式でも同様の効果が得られる。
図2にA=10(mm)で破砕した場合の破砕物の粒径選別機5のスクリーンDのサイズ毎の通過比率を示す。この表から上式(1)のX=3未満ではスクリーンの通過物が多くなりすぎるため、X=3以上(Dは3.3以下)に設定するのが好ましい。
またこのように選別することにより、メッシュサイズを破砕物サイズに合わせて選定することが可能となるため、選別純度の向上という利点だけでなく、無理に線径の細いメッシュを使うことが少なくなり、メッシュの長寿命化という利点と、細かい破砕片が混入していないのでメッシュの清掃頻度が少なくなるという利点がある。
上記においてはスクリーンの穴を円形状と仮定して説明したが、穴の形状はこれに限らず、例えば、長穴、四角穴であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。これらの場合には、例えば、これらの穴に内接する円の直径の値で上記A、あるいはDのサイズを置き換えて考えればよい。
実施の形態2.
実施の形態1で説明したように、粒径選別機5で所定の破砕粒度以下の破砕物を分別することにより、比重差選別機7の選別純度を向上させることが見込まれるが、破砕機のスクリーン穴サイズAと粒径選別機5のスクリーン穴サイズDの設定値によっては、まだ比重差選別機7へ投入する破砕物の比重差が大きすぎることが考えられる。
そこで、次式(2)に適合する場合には、粒径選別機5に穴サイズ(直径)Dのスクリーンと、D<d<Aを満たす穴サイズd(直径。単位はmm。以下同様)のスクリーンを設置し、3種類の穴サイズのスクリーンを用いて選別し、破砕粒度の大きい2種類の破砕物はそれぞれの破砕物に適したメッシュ、振動、風力設定を行った異なる2台の比重選別機7、8に投入し、さらに細かく選別して回収することが可能である(図3参照)。ここでサイズの一番小さい破砕物は混合物6とする。
A−D≧A×0.7 ・・・・(2)
図3は上記のように破砕物を3種類に分ける場合の破砕物の選別方法の処理フローを示したものである。
また本発明では、コストメリット上、上記のように穴サイズDのスクリーン通過物は混合物としたが、アルミ9と銅10で構成された微小破砕物であるため、混合物のままにはせず、別途選別を行うことも可能である。
また、式(2)の条件を満足している場合でも、破砕物を2種類のまま選別を行うことも可能であり、逆に破砕物を3種類以上に分けることによりさらに高純度に選別することも可能である。
一般的に銅の比重は8.9、アルミの比重は2.7であり、熱交換器を破砕した場合の見かけ比重はこの比重より小さくなり、銅は4〜6、アルミは1〜2程度となる。仮に熱交換器を破砕機で10mmに破砕し、粒径選別機5のスクリーン穴サイズを2mmとした場合、2〜10mmの銅、あるいはアルミの破砕物が比重差選別機で選別されることになる。この破砕物の中には少量ではあるが直径2mm程度の銅と10mm程度のアルミが混在し、破砕形状によっては、銅とアルミの見かけ比重が逆転し選別純度の低下が生じる。
この見かけ比重の逆転現象を防ぐために、式(2)に適合する条件の下では、粒径選別機5にて3種類に選別し、粒径の大きい2種類をそれぞれの比重差選別機で選別することにより、銅とアルミの見かけ比重の逆転が生じないようにすることが可能となる。
仮に破砕機2のスクリーンの穴サイズA=10(mm)の場合、粒径選別機5のスクリーンの穴サイズD=2(mm)では、粒径選別機5では3種類に選別したほうがよく、粒径選別機5のスクリーンの穴サイズD=4(mm)では、粒径選別機5では2種類に選別することになる。
実施の形態2では、実施の形態1での利点に加え、さらに幅広いサイズの破砕物を高純度で選別することが可能となる。
なお、上記の各スクリーンの穴は丸穴として説明したが、必ずしも丸穴である必要はなく、長穴、四角穴などでも同様の効果があることは言うまでもない。この場合においては、A、d、Dの値は、上記実施の形態1で説明したように、それぞれの形状の穴に内接する円の直径の値に置き換えて考えればよい。
1 熱交換器、2 破砕機、3 磁力選別機、4 磁性物、5 粒径選別機、6 混合物、7 比重差選別機、8 比重差選別機、9 アルミ、10 銅。

Claims (5)

  1. 熱交換器を破砕する破砕機、破砕物の粒度に応じて選別する粒径選別機、および比重差選別を行う比重差選別機を用いて、熱交換器に使用されている金属を所望の金属素材に選別する熱交換器破砕物の選別方法において、
    前記金属素材の比重差選別を行う前に、破砕物の粒度に応じて所定の破砕粒度以下の破砕物を取り除く工程を含むことを特徴とする熱交換器破砕物の選別方法。
  2. 前記粒度選別機のスクリーンの穴サイズが所定の条件を満足する場合には、さらに、破砕物を粒度によって選別した後、比重差選別機を用いて所望の金属素材に選別する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器破砕物の選別方法。
  3. 熱交換器を破砕機のスクリーンの穴サイズであるAの粒度に破砕した後の破砕物の選別工程において、
    粒径選別機のスクリーンの穴サイズをDとした場合、
    D=A/X (X≧3)の条件下で選別される破砕物の中から、前記穴サイズD以下の破砕物を取り除いて後、比重差選別機でさらに銅、アルミに選別する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器破砕物の選別方法。
  4. 熱交換器を破砕機のスクリーンの穴サイズであるAの粒度に破砕した後の破砕物の選別工程において、
    粒径選別機のスクリーンの穴サイズをD、dをD<d<Aを満たす粒径選別機のスクリーンの穴サイズとした場合、
    D=A/X (X≧3)及びA−D≧A×0.7を満たす条件下において、前記穴サイズD以下で選別された破砕粒度の小さいものは比重差選別機で選別せず、前記穴サイズD<d<Aの範囲内で選別された破砕粒度を含むものについては、比重差選別機でさらに銅、アルミに選別する工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器破砕物の選別方法。
  5. 前記粒度選別機のスクリーンの穴の穴形状、あるいは、前記破砕機のスクリーンの穴の穴形状が円以外の形状である場合には、当該穴の穴サイズを、該穴の穴形状に内接する円の直径の値に置き換えたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の熱交換器破砕物の選別方法。
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