JP2002173717A - 廃銅製品からのアルミニウムのリサイクル方法 - Google Patents

廃銅製品からのアルミニウムのリサイクル方法

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JP2002173717A
JP2002173717A JP2000369762A JP2000369762A JP2002173717A JP 2002173717 A JP2002173717 A JP 2002173717A JP 2000369762 A JP2000369762 A JP 2000369762A JP 2000369762 A JP2000369762 A JP 2000369762A JP 2002173717 A JP2002173717 A JP 2002173717A
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copper
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recycling
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JP2000369762A
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Chikara Saeki
主税 佐伯
Tetsuo Suzuki
哲雄 鈴木
Kenji Osumi
研治 大隅
Mamoru Ishikawa
守 石川
Akio Isozaki
昭夫 磯崎
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃銅製品からアルミニウム分を破砕方式に
よって分離回収する際、分離されたアルミニウム分に銅
や鉄などの他の金属分が不純物として実質量混入されな
いようにした、廃銅製品からのアルミニウムのリサイク
ル方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 銅材に対しAA乃至JIS 規格に規定され
るAl純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金材が接合
された廃銅製品からアルミニウム分を分離回収して、ア
ルミニウム合金展伸材用の溶解用原料としてリサイクル
する方法であって、廃熱交換器を破砕し、生じた破砕片
からアルミニウム細片を分離選別した後、20%以上の濃
硝酸水溶液により洗浄することによって、このアルミニ
ウム細片のみを溶解した際の成分組成が前記AA乃至JIS
規格を満足するように、銅を始めとする他の金属分を除
去することである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅管に対しアルミ
ニウムフインが接合された廃熱交換器などの廃銅製品か
らのアルミニウムのリサイクル方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、家庭用乃至業務用の空調機
(エアコン、クーラー) には、冷媒乃至熱媒を通す銅管
と、この銅管に接合されて室内の空気との接触面積を増
加させて熱交換効率を増大させるためのアルミニウムフ
インとが組み合わされた熱交換器が汎用されている。
【0003】近年、自動車や家電製品などのリサイクル
の一貫として、これらの使用済みの廃熱交換器のリサイ
クルも社会的な課題となっている。
【0004】自動車や家電製品などをリサイクルする場
合、これらは多くの異種材料から構成されているため
に、そのまま一体乃至一括での処理は難しく、まず部材
を構成する材料毎に各々分離、選別したのち、各材料毎
に破砕して、各々の材料素材の溶解原料などとして再利
用するのが一般的である。したがって、廃熱交換器をリ
サイクルする場合にも、銅管とアルミニウムフインとの
異種金属材料が混在しているために、廃熱交換器を構成
する銅管とアルミニウムフインとを、まず人手によって
分離、分別したのち破砕して、各々の材料毎に各素材の
溶解原料などとして用いるのが一般的である。
【0005】ただ、廃熱交換器から銅とアルミニウムと
を人手によって分離する方法では効率が悪く、廃熱交換
器のリサイクル量の増大に対応した現実的な方法にはな
り得ない。これに対し、廃熱交換器をそのまま破砕機な
どにより破砕することができれば、廃熱交換器のリサイ
クル量の増大に対応して処理の効率も上げることができ
る。
【0006】しかし、強固に接合された銅管とアルミニ
ウムフインとの分離自体が困難であると認識され、廃熱
交換器をそのまま破砕しても、銅管とアルミニウムフイ
ンとの分離がうまく図れないというのが、これまでの一
般的な技術常識であった。
【0007】これに対して、本出願人は、特開2000-167
530 号や特願平11-356049 号で、前記公開公報に記載の
ように、銅管に対しアルミニウムフインが接合された廃
熱交換器のリサイクル方法として、銅管とアルミニウム
フインが接合されたままの状態で廃熱交換器を破砕機に
かけることを提案した。
【0008】この技術によれば、廃熱交換器をアルミニ
ウム細片と銅細片とが各々分離して混在する混合破砕片
となるまで十分に細かく破砕してやれば、前記技術常識
に反して、フインであったアルミニウムと銅管であった
銅とが細片として、互いに接合された状態で残らずに、
互いに分離して混在する混合破砕片が得られる。そし
て、この混合破砕片からアルミニウム細片と銅細片とを
各々分離選別すること容易であり、分離後のこれら細片
を、各々、元々のアルミニウムフィン用のアルミニウム
材などのアルミニウムおよび元々のリン脱酸銅などの銅
管用の溶解用原料として用いることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この技術によ
っても、特に、アルミニウムの側の分離において、分離
アルミニウム分に銅や鉄などの他の金属分が不純物とし
て少量混入される。
【0010】このため、合金成分量の多い他の3000系、
5000系、7000系(AA 乃至JIS 規格)などのアルミニウム
合金展伸材用の溶解原料にはリサイクルが可能であると
しても、このアルミニウム細片のみを或いはこのアルミ
ニウム細片を主体に溶解原料として、元のフイン材用純
アルミニウム合金 (AA乃至JIS 規格に規定されるAl純度
99.00%以上の1000系アルミニウム合金) を溶製する場合
には、混入される銅や鉄などの金属分量により、成分規
格を外れる場合が生じる。
【0011】この結果、上記アルミニウム細片を、前記
Al純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金の溶解原料
とする場合には、他に多量のアルミニウム地金の添加を
必要とすることとなる。これでは、前記廃熱交換器に元
々使用されていた純アルミニウム合金フイン材 (純度9
9.00%以上の1000系アルミニウム合金) を、元のアルミ
ニウムフイン材に効率良くリサイクルできないことを意
味する。そして、リサイクルの効率を考慮するならば、
実際問題としては、よりアルミニウム純度が低く合金成
分量の多い他の合金系にしかリサイクルできないことも
意味する。
【0012】しかして、前記廃熱交換器に元々使用され
ていた純アルミニウム合金フイン材をよりアルミニウム
純度の低い合金系にリサイクルすることも、一応のリサ
イクルではあるものの、スクラップアルミニウムを、品
位を落とさずに、元々使用されていた用途に再使用する
という、本来のリサイクルの意義が失われる。
【0013】前記技術において、アルミニウム細片に銅
や鉄などの他の金属分が不純物として少量混入される理
由は、前記廃熱交換器の破砕の際に、アルミニウム細片
と銅細片とが各々分離して混在する混合破砕片となるま
で十分に細かく破砕するために、破砕機の種類にもよる
が、アルミニウム細片と銅細片や他の鉄などの金属細片
とが破砕中に擦れ合うことによる。この破砕中の擦れ合
いが生じた場合、比較的硬度が低いアルミニウム細片表
面に、銅や鉄などの他の金属分 (細片や微粉状態) が擦
り付くあるいは付着する。
【0014】そして、この擦り付いた銅や鉄などの他の
金属分のアルミニウム細片表面への接着性はかなり強固
なものである。このため、後段での選別工程での、通常
この種技術分野で汎用される、磁力、比重、振動、風力
などの公知の機械的な選別手段では、アルミニウム合金
展伸材用の溶解用原料として許容できる不純物量以下ま
では、中々除去できない。
【0015】また、銅や鉄などの他の金属分が擦り付い
たアルミニウム細片を、更に、破砕して細かくし、破砕
中や破砕後の前記機械的な選別手段で、他の金属分を分
離除去することも考えられる。しかし、前記他の金属分
のアルミニウム細片表面への接着性の強固さから、この
方法によっても、アルミニウム合金展伸材用の溶解用原
料として許容できる不純物量以下までは、中々分離除去
できない。また、アルミニウム細片を微粉などに細かく
しすぎた場合、溶解用原料として使用する際の飛散など
の問題から、逆に、塊状に予め固める工程が必要となっ
てしまい、リサイクルの工程としての実用性が損なわれ
る。
【0016】従って、銅管に対しアルミニウムフインが
接合された廃熱交換器を始め、銅材に対しAl純度99.00%
以上の1000系アルミニウム合金材が接合された廃銅製品
からアルミニウム分を前記破砕方式によって分離回収す
る方法において、溶解用原料として前記アルミニウム合
金規格を満足するために、破砕方式や破砕機の種類に関
わらず、分離された溶解用原料アルミニウム分に、銅や
鉄などの他の金属分が不純物として実質量混入されない
ようにする改善が強く求められていたものである。
【0017】因みに、アルミニウム合金鋳物などの溶解
用原料としてリサイクルする場合には、鋳物の合金成分
のAA乃至JIS 規格からして、前記銅や鉄などの他の金属
分が実質量混入することは許容され、除去する必要は全
くない。したがって、このアルミニウム細片表面へ擦り
付いた銅や鉄などの他の不純物金属分の問題は、圧延、
押出、鍛造などの塑性加工を伴う、前記Al純度99.00%以
上の純アルミニウム合金展伸材の溶解用原料特有の問題
である。
【0018】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、廃銅製品からアルミニウム
分を破砕方式によって分離回収する際、分離されたアル
ミニウム分に銅や鉄などの他の金属分が不純物として実
質量混入されないようにした、廃銅製品からのアルミニ
ウムのリサイクル方法を提供しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明リサイクル方法の請求項1の要旨は、銅材に
対しAA乃至JIS 規格に規定されるAl純度99.00%以上の10
00系アルミニウム合金材が接合された廃銅製品からアル
ミニウム分を分離回収して、アルミニウム合金展伸材用
の溶解用原料としてリサイクルする方法であって、廃銅
製品を破砕し、生じた破砕片からアルミニウム細片を分
離選別した後、 20%以上の濃硝酸水溶液により洗浄する
ことによって、このアルミニウム細片のみを溶解した際
の成分組成が前記AA乃至JIS 規格を満足するように、銅
を始めとする他の金属分を除去することである。
【0020】銅や鉄などの他の金属分が擦り付いた上記
アルミニウム細片を、20% 以上の濃硝酸水溶液により洗
浄した場合、アルミニウム細片側は溶解されずに、銅、
鉄、亜鉛、マンガンなど、アルミニウムフィン用純アル
ミニウム系合金にとっての成分規格上の不純物金属のみ
が溶解されて、アルミニウム細片から効率よく除去乃至
分離される。
【0021】なお、本発明で、アルミニウム細片のみを
溶解した際の成分組成が前記AA乃至JIS 規格を満足する
とは、溶解の際に混入される不純物金属量が、前記規格
に規定される各々の上限値を越えないと言う意味であ
る。因みに、アルミニウム細片のみを溶解した際に、前
記規格に規定される合金元素の各々の下限値を下回った
場合は、当該合金元素を通常の溶解工程と同様に添加す
れば事足りるため、本発明では、前記AA乃至JIS 規格を
外れるとは規定しない。
【0022】
【発明の実施の形態】(濃硝酸水溶液洗浄)前記した通
り、本発明では、アルミニウムを溶解せず、銅、鉄、亜
鉛、マンガンなどの不純物金属だけを溶解させるため
に、洗浄濃硝酸水溶液の濃度は20%(vol%以下同じ))以上
とする。
【0023】硝酸濃度が20% 未満の場合、洗浄水溶液
の、銅、鉄、亜鉛、マンガンなどの不純物金属の溶解力
が弱くなり、強固に擦り付いたこれら金属分を、アルミ
ニウム細片表面から、実用的な短時間の工程で溶解除去
することができない。このため、洗浄アルミニウム細片
のみを溶解した際の成分組成が、AA乃至JIS規格に規定
されるAl純度99.00% (質量% ) 以上の1000系アルミニウ
ム合金規格を満足できなくなる。
【0024】一方、濃硝酸水溶液の濃度が高いほど、前
記溶解力は高くなるため、この点からの濃硝酸水溶液の
濃度の上限は特に規定しないが、廃液処理の問題や作業
環境面を考慮すると、50% 以下とすることが好まし
い。
【0025】なお、この硝酸水溶液以外に、この種洗浄
用の薬液としては、リン酸、硫酸、塩酸などの酸水溶
液、カセイソーダなどのアルカリ水溶液などがある。し
かし、アルミニウムはこれら洗浄用の薬液に対して全て
溶解しやすく、アルミニウムの溶解量が増して、リサイ
クル量が減り、リサイクル自体の意味が失われる。ま
た、アルミニウム細片にとっての主たる除去対象不純物
である銅は、塩酸、カセイソーダなどのアルカリ水溶液
には溶解しない。このため、硝酸水溶液以外の薬液は、
本発明の目的からして使用できない。
【0026】(アルミニウムの分別回収)一方、この濃硝
酸水溶液洗浄に入る前に、廃空調機、廃給湯器、風呂釜
などにおける廃熱交換器などの廃銅製品からアルミニウ
ムを分別回収し、溶解原料とするためには、廃銅製品か
らのスクラップアルミニウムの分別回収がまず必要であ
る。このスクラップアルミニウムの分別回収には、混入
する不純物量を低減するための、重要な工程があるの
で、以下に詳細に説明する。
【0027】前記廃銅製品から、スクラップアルミニウ
ムやスクラップ銅を得る場合、廃銅製品を複合材として
構成している他の金属材である、鉄材 (鋼材を含む) 、
真鍮材、ろう材および廃銅製品内 (例えば廃空調機の銅
管内など) に含まれる油分や冷媒ガスは、選別分離後の
スクラップ銅細片に混入されると、溶解用原料としての
異物となり、溶湯の品質を低下させ、鋳造されるアルミ
ニウム材や銅材 (鋳造材やその後の展伸材) の品質や商
品価値を失わせる問題がある。また、発煙や発生ガスな
ど、溶解工程自体を困難とする問題もある。
【0028】したがって、これらの異物は、本発明の酸
化処理工程や還元処理工程の負荷を減らすためにも、異
物の種類や量に応じて、選択的に除去する前処理が必要
である。この異物除去処理は、廃銅製品を構成する他の
主要金属部材との分離工程において行うのが効率的であ
る。
【0029】(破砕工程)廃銅製品から、本発明における
スクラップ銅やスクラップアルミニウムの細片を得るた
めに、まず、前記分離後の廃銅製品を破砕する。
【0030】この際に、廃銅製品を、銅およびアルミニ
ウムと他の金属が接合されたままの状態で破砕して、分
離促進の観点から、スクラップ銅細片と、他の金属片や
樹脂片とが各々分離して混在する混合破砕片となるま
で、細かく破砕することが好ましい。廃銅製品を細かく
破砕し、各粒子の寸法を均一化する (同じサイズとす
る) ほど、風力選別などの密度差により選別する場合
に、各粒子の重量差が生じやすく他の主要金属部材との
分離が促進される。このための、細片化の一つの目安は
細片一個当たりの最大長さを平均で10cm以下の細片に破
砕することである。
【0031】破砕手段は、引き裂き作用による破砕機、
カッターミルなどの切断や剪断による破砕機、また、リ
ングハンマ破砕機などの衝撃式破砕機など、公知の破砕
機や粉砕機などが適宜使用可能である。
【0032】ただ、平均粒径が10mm以下の均一な鱗片状
の前記混合粉を得るためには、この破砕の段階でも、長
片形状の細片よりは、均一な鱗片形状の混合破砕片が得
られるような破砕手段と条件を選択することが特に好ま
しい。
【0033】この点、特開平10-137617 号公報や特開平
11-290834 号公報などに記載された引き裂き作用による
破砕機を用いれば、均一な鱗片形状の混合破砕片が得ら
れやすい。この破砕機を用いると、廃風呂釜や廃石油炊
き給湯器など、亜鉛やハンダなどの厚メッキが施されて
いる場合に、破砕機の引き裂き作用により、これらのメ
ッキを銅から効率よく剥離除去する効果も期待できる。
【0034】この引き裂き作用による破砕機は、破砕室
内中央に回転羽根車を配し、この回転羽根車を囲む位置
に複数枚の円弧状破砕刃を所定間隔で並列に設けた基本
構造をしている。このため、前記回転羽根車と円弧状破
砕刃との協働による引き裂き作用を有し、平均粒径が10
mmよりは大きいが、前記均一な鱗片形状の混合破砕片が
得られる。
【0035】(磨り潰し工程)また、前記混合破砕片は、
引き続き、砥石、ミル、回転ローラーミルなど、公知の
適宜の磨り潰し手段により磨り潰し、平均粒径が10mm以
下の均一な鱗片状の混合細片としても良い。
【0036】(選別工程)そして、このような、銅および
アルミニウムスクラップ銅と他の金属や樹脂とが各々分
離して混在する混合細片となった後は、この混合細片
は、前記破砕乃至磨り潰し工程中で、あるいは前記破砕
乃至磨り潰し工程後に、風力選別手段、或いは、色調選
別手段 (選別対象の色調を波長により識別する) で、ス
クラップ銅細片、アルミニウムスクラップ細片、および
他の金属などの不純物細片乃至粉とに各々分離選別す
る。
【0037】他に、比重、磁力等の公知の選別手段を適
宜使用乃至併用しても良いが、平均粒径が10mm以下の均
一な鱗片状の混合細片からのスクラップ銅細片、アルミ
ニウムスクラップ細片、他の金属細片乃至粉などの不純
物との分離には、前記風力選別手段が最も効率的であ
る。このため、選別の主体には風力選別手段を用いるこ
とが好ましい。
【0038】そして、この分離されたアルミニウム細片
と銅細片とは、アルミニウム細片は前記洗浄処理を施し
た上で、各々の展伸材用の溶解用原料に各々用いること
ができる。これらは細片化されているので、溶解速度が
早くなり、溶解歩留りが向上するなどの、溶解原料とし
ての利点も有する。
【0039】本発明では、前記洗浄処理により、洗浄後
のアルミニウム細片は、洗浄アルミニウム細片のみを溶
解した際の成分組成が、AA乃至JIS 規格に規定されるAl
純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金規格を満足す
る。このため、前記廃熱交換器であれば、このスクラッ
プアルミニウムだけを溶解原料として使用して、元々の
アルミニウムフィン材用の純アルミニウム合金系展伸材
を製造できる。
【0040】勿論、元々のアルミニウム合金の溶解用原
料に必ず戻す必要は全くなく、必要があれば、またリサ
イクルの本来の意味を失わない範囲で、3000系など他の
アルミニウム合金系の溶解用原料や不純物の希釈用溶解
原料として使用することもできる。なお、銅細片の場合
も同様であって、元々の銅管材用のリン脱酸銅や、それ
以外の銅乃至銅合金展伸材用の溶解用原料に各々用いる
ことができる。
【0041】
【実施例】次に、本発明方法の実施例を説明する。廃銅
製品として、JIS 1200規格のアルミニウムフイン材を用
いた同じタイプの複数の廃空調機より、プラスチック製
や鋼製の枠体を除去し、熱交換器と、機内配管部材とキ
ット材部材を含む冷媒配管部材とを分離した。更に、熱
交換器と冷媒配管部材とから、溶解用原料として用いる
場合の異物を除去した、熱交換器塊と冷媒配管部材群を
各々別個に準備した。なお、異物の除去について、鉄材
は鉄製の枠材、支え板、締結具等、真鍮材は真鍮ネジ
等、ろう材や油分および冷媒ガスは銅管のU ベンド部等
を各々除去することにより行った。
【0042】そして、これら熱交換器塊と冷媒配管部材
群を合計で約1100Kg、そのまま前記特開平10-137617 号
公報や特開平11-290834 号公報などに記載された引き裂
き作用による破砕機にかけ破砕するとともに、磁力選別
機にかけて鉄分を分離し、平均粒径が10mm以下の均一な
鱗片形状の混合 (銅、アルミニウム、樹脂を主体とす
る) 破砕細片を得た。
【0043】その後、風力選別により、この混合細片か
ら、銅細片、他の金属細片や樹脂などの不純物細片乃至
粉を分離選別して、前記アルミニウムフイン材の溶解用
のアルミニウム細片を得た。
【0044】そして、この溶解用のアルミニウム細片
を、表1 に示すように、濃硝酸の濃度を変えた水溶液で
洗浄して、アルミニウムを溶解せずに、銅、鉄、亜鉛、
マンガンなど、成分規格上の不純物金属だけを溶解させ
ることを試みた。洗浄後のアルミニウム細片は水洗乾燥
した。
【0045】これらのアルミニウム細片を各々用いて、
アルミニウム合金を溶製すべく大気溶解試験を行い成分
の測定を行った。そして、アルミニウムフイン用のJIS
1200規格相当(JIS規格よりも若干厳しいという意味) と
JIS 1M30規格相当と比較し、成分組成の評価を行った。
また、比較のために、水洗のみで、濃硝酸水溶液で洗浄
しない例の大気溶解試験 (比較例No.6) も行った。これ
らの溶製したアルミニウム合金の成分測定結果を、前記
JIS 規格相当の成分規格とともに、表1 に示す。
【0046】表1 から明らかな通り、硝酸濃度が30、40
% と本発明要件を満足する濃硝酸水溶液で洗浄したアル
ミニウム合金を溶解用原料として用いた発明例No.2、3
は、Al純度99.00%以上のアルミニウムフイン用のJIS 12
00規格相当とJIS 1M30規格相当を両方とも満足している
(JIS 1M30規格相当より下限に外れているTi量は前記し
た通りTi添加により別途調整可能) 。ただ、硝酸濃度が
20% と本発明で規定する下限値の濃硝酸水溶液で洗浄し
たアルミニウム合金を溶解用原料として用いた発明例N
o.1は、不純物金属含有量が比較的高く、JIS 1M30規格
相当の方は満足するものの、JIS 1200規格相当からはMn
量などが高めに外れている。
【0047】これに対し、表1 から明らかな通り、濃度
が20% 未満の本発明要件を外れる濃硝酸水溶液で洗浄し
たアルミニウム合金を溶解用原料として用いた比較例N
o.4、5 および濃硝酸水溶液で洗浄しなかった比較例No.
6 は、特に銅、鉄などの含有量が、Al純度99.00%以上
のアルミニウムフイン用のJIS 1200規格相当とJIS 1M30
規格相当から、いずれも外れている。したがって、これ
らの結果から、本発明で規定する濃硝酸水溶液の硝酸濃
度20% と濃硝酸水溶液洗浄の技術的な意義が明らかであ
る。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明リサイクル
方法によれば、廃銅製品からアルミニウム分を破砕方式
によって分離回収する際、分離されたアルミニウム分
に、AA乃至JIS 規格での前記Al純度99.00%以上の1000系
アルミニウム合金規格を満足するように、銅や鉄などの
他の金属分が不純物として実質量混入されないようにし
たリサイクル方法を提供することができる。したがっ
て、実際に現時点で大量に使用されている廃銅製品か
ら、高純度のアルミニウム展伸材などへのリサイクルを
可能にする点で、工業的な価値が大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大隅 研治 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 石川 守 神奈川県秦野市平沢65番地 株式会社神戸 製鋼所秦野工場内 (72)発明者 磯崎 昭夫 神奈川県秦野市平沢65番地 株式会社神戸 製鋼所秦野工場内 Fターム(参考) 4D004 AA22 AA50 BA05 CA04 CA12 CA34 CA40 4K001 AA02 BA22 CA01 CA03 DB05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅材に対しAA乃至JIS 規格に規定される
    Al純度99.00%以上の1000系アルミニウム合金材が接合さ
    れた廃銅製品からアルミニウム分を分離回収して、アル
    ミニウム合金展伸材用の溶解用原料としてリサイクルす
    る方法であって、廃銅製品を破砕し、生じた破砕片から
    アルミニウム細片を分離選別した後、20%以上の濃硝酸
    水溶液により洗浄することによって、このアルミニウム
    細片のみを溶解した際の成分組成が前記AA乃至JIS 規格
    を満足するように、銅を始めとする他の金属分を除去す
    ることを特徴とする廃銅製品からのアルミニウムのリサ
    イクル方法。
  2. 【請求項2】 前記廃銅製品が銅管に対しアルミニウム
    フインが接合された廃熱交換器である請求項1に記載の
    廃銅製品からのアルミニウムのリサイクル方法。
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