JP2000166977A - 分離合体式移乗機能付き車椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】患者を載せ換えるとき、看護人が横から押し引
きするだけで、看護人が横についたまま患者載せ台をベ
ッドの上に滑らかにせり出したり戻したりするととも
に、患者載せ台の背もたれ部がベッド上で立ったり倒れ
たりする、患者をベッドとの間で短時間の操作による少
ない労力で容易かつ安全に載せ換える機能を備えた分離
合体式移乗機能付き車椅子を提供する。 【解決手段】裏面に回転支持アームをもうけた山型に２
つ折れする背もたれ部と、腰掛け部と、臨時脚載せ部か
らなる患者載せ台をもうけ、患者載せ台を下から支持す
る患者移乗用台車をもうけ、移乗用台車を載せる患者搬
送用フレーム車両をもうけ、患者移乗時は患者移乗用台
車と患者搬送用フレーム車両を分離させ、患者搬送時に
は合体させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、車椅子を構成す
る患者移乗用台車をベッドの横から押したり引いたりす
るだけで、看護人が患者の脇についたままの状態で患者
載せ台をベッド上にせり出したり、または元に戻すこと
を特徴とする、患者をベッドから載せ換える機能を備え
た車椅子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来からある通常の車椅子やストレッチ
ャーは、寝たきり患者を載せ換える場合、看護人が患者
をベッドから抱え上げ下ろしをする方法がとられた。ま
た、ベッドから車椅子に変えられるものがあった。この
ほか、強力な電動モーターで患者を吊り上げたり、特願
平５−１２８６４４（特開平６−３３５４９３）のごと
く、寝ている患者の下に電動の薄板をせり出させたり、
電動アームで患者載せ台をせり出させて患者を載せて移
動するもの、特願平５−１５４４６３（特開平６−３３
９４９９）のごとく、手でハンドルをまわして患者載せ
台をせり出させるもの、特願平３−１９２１７９（特開
平５−３１１４１）や特願平３−３０７７２３（特開平
６−２０５）のごとく、片側の支柱のみで患者載せ台を
支持しながら患者載せ台がベッド上にせり出し構造体の
一部もベッドの下へせり出すが患者移乗時も搬送時も同
じ片側支柱のみの支持形態で全車輪が小さいもの、特願
平５−２１０３８６（特開平６−１８１９５２）のごと
く、４方の周囲が囲まれたフレーム本体を残したまま患
者載せ台が分離してベッド上にせり出していくもの、特
願平４−１８１４９６（特開平５−３２９１８５）のご
とく、患者載せ台を載せてせり出すためのローラーが本
体についているが、ベッド上にせり出した患者載せ台を
直接受ける装置が付いていないもの、特願平８−８１８
４２（特開平９−２９０００４）のごとく、フレームの
中に看護人が入れるがフレームの一部が残るもの、肘掛
けが滑りやすい平板でできていて、これをベッド上に架
けるかっこうで倒してその上に患者を載せて引っ張って
移動させるものがあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】これらは、次のような
欠点があった。 （イ）通常の車椅子での寝たきり患者のベッドからの抱
え上げ下ろしには看護人等に多大な労力がかかる。 （ロ）ベッドから車椅子に変えられるものは、大きすぎ
て機動性に欠ける。 （ハ）患者を吊り上げて載せ換えるものは、患者が宙に
浮くので不安がる。 （ニ）患者をベッドから載せ換えるために、強力な動力
装置で患者載せ台をせり出させするものは、装置が大が
かりとなるので機動性に欠け、運搬や操作が難しい上、
価格も高価である。 （ホ）ハンドルを回して患者載せ台をベッド上にせり出
したり戻したりするものは、ハンドルを回す操作時間が
長く、単に腕や足で患者載せ台を押し戻しするのに比べ
て操作時間が長くかかる。 （ヘ）ベッドの下に装置の一部が入るが、その装置がせ
り出しもどしのための臨時的な装置ではなく、搬送時で
も同形で使用する結果、搬送時も片側の支柱のみで患者
載せ台を支持し、小さな車輪のままで搬送することにな
るため車椅子としては、見た目の安定性に欠け、乗り心
地も悪い。 （ト）患者載せ台が車椅子の本体から分離してづれるも
のは、患者と看護人との間に残った支柱枠内に入れない
ため、支柱枠が邪魔になって看護人がベッド上の患者の
脇に行けず、載せ換え作業がしにくい。 （チ）ローラーが本体についており、患者載せ台が滑ら
かにベッド上にせり出すが、患者載せ台を受ける装置が
ないものは、せり出した患者載せ台がベッドに沈んでし
まい、戻すときに摩擦抵抗が大きくなるので動かしにく
い。これを動かすには別途機械的に動かす機構が必要と
なり、その操作に時間がかかる。 （リ）フレームの中に看護人が入れるものは看護人がベ
ッド脇に移動できるとはいえ、患者載せ台を引き戻す時
にフックをかけ忘れると、フレームが一緒に動いてしま
う可能性があり、危険性が残る。 （ヌ）肘掛けを倒してその上に患者を載せて滑らすもの
は、看護人等の労力の低減程度が低い。 本発明はこれらの課題を解決するためのものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の分離合体式移乗
機能付き車椅子は、次の手段により課題を解決する。 （イ）背もたれ部（８）の裏面を上下に移動しながら下
から支持する、取り付け位置を中心として回転する上端
にバネ付きローラーが付いた回転支持アーム（９）が後
方の隅に取り付けられた、片側にフック（１０）を差し
込む孔（１１）をもうけた平板からなる腰掛け部（１
２）をもうける。 （ロ）腰掛け部（１２）の前方に、腰掛け部（１２）と
蝶番で接続して腰掛け部（１２）に対して、患者移乗用
台車（３）にもうけた支持棒（１３）により垂直から水
平になる平板からなる臨時脚載せ部（１４）をもうけ
る。 （ハ）腰掛け部（１２）の後方に、上半部と下半部のそ
れぞれ２枚の平板の先端を蝶番で互いに接続し、下半部
の先端を蝶番で腰掛け部（１２）と接続した上半部に停
止凸部（２１）が付いた背もたれ部（８）をもうけ、腰
掛け部（１２）と臨時脚載せ部（１４）と背もたれ部
（８）からなる患者載せ台（１）をもうける。 （ニ）複数の台車用小車輪（２）が下部に付いた、Ｌ字
型になった並行する２本の縦支柱を横支柱で連結したＬ
字型支柱（１５）の丸棒の縦支柱に、縦支柱を軸として
上下する内径にベアリングをもうけた円筒が２個連結し
たベアリング円筒（１６）をもうけ、これに逆Ｌ字型支
柱（１７）を取り付け、ペダル（１８）を踏んでバルブ
付きシリンダー（１９）の空気圧で上下するエアシリン
ダーダンパー（２０）のピストンの先端を逆Ｌ字型支柱
（１７）に接続した、左右のＬ字型支柱（１５）の外側
に取り付けた縦パイプに鞘管構造で上下するパイプから
なる手押しハンドルを兼ねた変動肘掛け（２４）が付い
た、臨時脚載せ部（１４）を支持する支持棒（１３）が
付いた、正面から見るとＬ字型支柱（１５）と逆Ｌ字型
支柱（１７）とがコの字型をなす患者移乗用台車（３）
をもうける。 （ホ）患者移乗用台車（３）の上部に患者載せ台（１）
を設置して、ビスで両者を接続する。 （ヘ）前部下方の左右の一方の片側と中央は垂直に固定
された車軸が付いた車輪（４）が付き、もう一方の片側
は、中間に取り付けたビスを中心として垂直から水平に
回転する変更車軸（５）が付いた、後部の左右の縦支柱
に大きな車輪（４）と手押しハンドル（６）が付き、片
側の上部に固定肘掛け（２３）が付き、前部の下方には
脚載せ台（２２）が付き、両側の上下横支柱がやや内側
に取り付けられた立体支柱枠からなる、コの字型の患者
移乗用台車（３）を斜め横から差し入れるかっこうで上
部横支柱上に載せて下から支持し、斜め横に引き出すか
っこうで降ろす患者搬送用フレーム車両（７）をもうけ
る。 （ト）患者移乗時は、フック（１０）を孔（１１）から
外し、患者移乗用台車（３）を患者搬送用フレーム車両
（７）と分離してベッド上にせり出し戻しをし、患者搬
送時は、患者搬送用フレーム車両（７）の変更車軸
（５）を横に振って一時的に浮かせてから患者移乗用台
車（３）を横から差し入れ、患者載せ台（１）が上に付
いている逆Ｌ字型支柱（１７）の高さを下げて患者搬送
用フレーム車両（７）の上に載せてフック（１０）を孔
（１１）に入れ、合体させて車椅子を形成させる。 （チ）図１３の正面図はこのような構成と組立による、
患者移乗用台車（３）と患者搬送用フレーム車両（７）
との合体状況を、図１４の正面図は患者移乗用台車
（３）のベッド側へのせり出し状況を示したものであ
る。

【０００５】

【発明実施の形態】本発明の分離合体式移乗機能付き車
椅子を使用するときは、 （イ）患者搬送用フレーム車両（７）と患者移乗用台車
（３）が合体して形成された車椅子の手押しハンドル
（６）のブレーキをベッドの近くでロックして車輪
（４）にブレーキをかけ、患者搬送用フレーム車両
（７）を静止させ、患者移乗用台車（３）のペダル（１
８）を踏んでバルブ付きシリンダー（１９）から空気を
送ると、Ｌ字型支柱（１５）に付いた上部の逆Ｌ字型支
柱（１７）が上り、台車用小車輪（２）が下り、患者載
せ台（１）のフック（１０）を孔（１１）から外すと、
患者移乗用台車（３）と患者搬送用フレーム車両（７）
が分離できる状態になる。 （ロ）患者移乗用台車（３）の前面にまわり、臨時脚載
せ部（１４）を引き上げ片側の支持棒（１３）で支持
し、水平にしてから側面にまわり、手押しハンドルを兼
ねた変動肘掛け（２４）を下から引き上げて患者移乗用
台車（３）を腕で押し引きしてベッドに横付けし、さら
にベッド側に押すと、コの字型をなす支柱枠がベッドを
上下から挟むかっこうで患者載せ台（１）がベッド上に
せり出す。せり出しきったら、ベッドより少し上がって
いる患者載せ台（１）をエアシリンダーダンパー（２
０）のエアを調節してベッド上に接触させる。 （ハ）座椅子型になった患者載せ台（１）の山型に２つ
折れしている背もたれ部（８）の停止凸部（２１）を停
止凹部から外してベッド上で開きながら伸ばして平らに
し、バネ付きローラーのバネの弾力で背もたれ部（８）
が折れて浮かないように、回転支持アーム（９）の延長
部に取り付けたＬ字金具を背もたれ部（８）の板に這わ
せて止める。 （ニ）ベッド上で横向きになった患者を半回転またはす
べらせながら、ベッド上で平らになった患者載せ台
（１）の上に載せる。 （ホ）背もたれ部（８）を引き上げると、回転支持アー
ム（９）のバネと先端のローラーが働き、比較的軽く背
もたれ部（８）が浮き上がってくるので、背もたれ部
（８）の上半部に患者の荷重があまりかからなくなった
ら、背もたれ部（８）を２つ折れにして回転支持アーム
（９）のローラーを下半部側に移して、上半部の先端に
もうけた停止凸部（２１）を停止凹部に引っかけて背も
たれ部（８）を立てる。 （ヘ）ペダル（１８）を踏んでバルブ付きシリンダー
（１９）からエアシリンダーダンパー（２０）へ送るエ
アを調節し、患者載せ台（１）をベッドより少し上げ
る。変動肘掛け（２４）を兼ねたハンドルを押し引きし
て静止した患者搬送用フレーム車両（７）の脇にゆき、
片側の変更車軸（５）を水平にすると、斜め前方から患
者搬送用フレーム車両（７）に患者移乗用台車（３）を
差し込めるようになるので、差込み、上下の載せる位置
が合致したらバルブ付きシリンダー（１９）を操作して
エアシリンダーダンパー（２０）のエアを調節して患者
移乗用台車（３）を患者搬送用フレーム車両（７）の上
に載せるかっこうで納めると通常の車椅子の形状となる
ので、脚載せ台（２２）を水平にして、臨時脚載せ部
（１４）を下げ、フック（１０）を孔（１１）に入れて
患者移乗用台車（３）と患者搬送用フレーム車両（７）
とを接続固定してから後部にまわり、手押しハンドル
（６）を押して載せた患者と共に移動する。患者をこの
車椅子からベッドに戻す場合はこの逆の順番の操作をす
ればよい。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の分離合体式移乗機能付き車椅
子の実施例について説明する。 （イ）背もたれ部（８）の裏面を上下に移動しながら下
から支持する、取り付け位置を中心として回転する上端
にバネ付きローラーが付いた回転支持アーム（９）が後
方の隅に取り付けられた、片側にフック（１０）を差し
込む孔（１１）をもうけた平板からなる腰掛け部（１
２）をもうける。 （ロ）腰掛け部（１２）の前方に、腰掛け部（１２）と
蝶番で接続して腰掛け部（１２）に対して、患者移乗用
台車（３）にもうけた支持棒（１３）により垂直から水
平になる平板からなる臨時脚載せ部（１４）をもうけ
る。 （ハ）腰掛け部（１２）の後方に、上半部と下半部のそ
れぞれ２枚の平板の先端を蝶番で互いに接続し、下半部
の先端を蝶番で腰掛け部（１２）と接続した上半部に停
止凸部（２１）が付いた背もたれ部（８）をもうけ、腰
掛け部（１２）と臨時脚載せ部（１４）と背もたれ部
（８）からなる患者載せ台（１）をもうける。 （ニ）複数の台車用小車輪（２）が下部に付いた、Ｌ字
型になった並行する２本の縦支柱を横支柱で連結したＬ
字型支柱（１５）をもうけ、Ｌ字型支柱（１５）の丸棒
の縦支柱に縦支柱を軸として上下する内径にベアリング
をもうけた円筒が２個連結したベアリング円筒（１６）
をもうけ、これに逆Ｌ字型支柱（１７）を取り付け、ペ
ダル（１８）を踏んでバルブ付きシリンダー（１９）の
空気圧で上下するエアシリンダーダンパー（２０）のピ
ストンの先端を逆Ｌ字型支柱（１７）に接続した、左右
のＬ字型支柱（１５）の外側に取り付けた縦パイプに鞘
管構造で上下するパイプからなる手押しハンドルを兼ね
た変動肘掛け（２４）が付いた、臨時脚載せ部（１４）
を支持する支持棒（１３）が付いた、正面から見るとＬ
字型支柱（１５）と逆Ｌ字型支柱（１７）とがコの字型
をなす患者移乗用台車（３）をもうける。 （ホ）患者移乗用台車（３）の上部に患者載せ台（１）
を設置して、ビスで両者を接続する。 （ヘ）前部下方の左右の一方の片側と中央は垂直に固定
された車軸が付いた車輪（４）が付き、もう一方の片側
は、中間に取り付けたビスを中心として垂直から水平に
回転する変更車軸（５）が付いた、後部の左右の縦支柱
に大きな車輪（４）と手押しハンドル（６）が付き、片
側の上部に固定肘掛け（２３）が付き、前部の下方には
脚載せ台（２２）が付き、両側の上下横支柱がやや内側
に取り付けられた立体支柱枠からなる、コの字型の患者
移乗用台車（３）を斜め横から差し入れるかっこうで上
部横支柱上に載せて下から支持し、斜め横に引き出すか
っこうで降ろす患者搬送用フレーム車両（７）をもうけ
る。 （ト）患者移乗時は、患者移乗用台車（３）を患者搬送
用フレーム車両（７）と分離してベッド上にせり出し戻
しをし、患者搬送時は、患者搬送用フレーム車両（７）
の片側の前輪を横に振って一時的に浮かせてから患者移
乗用台車（３）を斜め横から差し入れ、患者載せ台
（１）を上に載せた逆Ｌ字型支柱（１７）の高さを下げ
て患者搬送用フレーム車両（７）と合体させて車椅子を
形成させる。 （チ）図１３の正面図はこのような構成と組立による、
患者移乗用台車（３）と患者搬送用フレーム車両（７）
との合体状況を、図１４の正面図は患者移乗用台車
（３）のベッド側へのせり出し状況を示したものであ
る。 （リ）ペダル（１８）を踏んでエアシリンダーダンパー
（２０）へ送り込む空気圧の力で逆Ｌ字型支柱（１７）
を上下させる代わりに、手動ハンドルや電動モーターの
先端にギヤを付け、丸棒でできた縦支柱に雄ネジを切り
込んでギヤとかみあわせて回転させ、雌ネジを逆Ｌ字型
支柱（１７）に取り付け、縦支柱の雄ネジとかみあわせ
るようにして、手動ハンドルや電動モーターの回転によ
り、逆Ｌ字型支柱（１７）を上下させても良い。 （ヌ）図１５のように、左右のＬ字型支柱の丸棒の縦支
柱の下部に雄ネジを切り、ナットをかませて、その上に
左右にＬ字型支柱（１５）を通す孔があいた横長の平板
をもうけ、平板の上にエアシリンダーダンパー（２０）
を固定して、ボルトにはめたナットの高さで平板とその
上のエアシリンダーダンパー（２０）の高さを変え、こ
れに連結している逆Ｌ字型支柱（１７）の最高値や最低
値を変えるようにしても良い。また、エアーシリンダー
ダンパー（２０）とベアリング円筒（１６）との接続金
具の長さを変更することにより、逆Ｌ字型支柱（１７）
の最高値や最低値を変えるようにしても良い。 （ル）前部の片側の車軸を移動させる方法として、図１
６のように、患者搬送用車両の前部の中央または逆の片
側を中心として水平に回転するフレームをもうけ、この
フレームに車軸を取り付けても良い。また、単に車軸を
引き上げて車輪を浮かせ、引き下げて車輪を床面に接触
させて設置してもよい。 （オ）片側の車軸を移動させる代わりに、両側の前輪の
車軸を図１７のように、もともと逆Ｌ字型に前方に突き
出したものを設定してもよい。 （ワ）図１８のように、２本のコの字型の金属製丸棒
を、側面から見るとＸ字になるように重ねて中心で軸で
束ね、２連に並べて、２連のＸ字の中心軸にそれぞれナ
ットを取り付け、両ナット間を雄ネジを切った末端にハ
ンドルが付いた軸棒を通してつなぎ、軸棒をハンドルで
回転させることにより、Ｘ字が開いたり閉じたりする方
法で、２連のＸ字の上に取り付けた患者載せ台の高さを
変えてもよい。 （カ）患者移乗用台車（３）を患者搬送用フレーム車両
（７）に斜め横から載せ降ろしする代わりに、患者搬送
用フレーム車両（７）を上面から見て、前部または、後
部が開いたコの字型のフレームとし、垂直に立てて格納
し、降ろして傾斜させて接地する平板からなる渡し板の
付いた水平な床部をもうけ、患者搬送用フレーム車両
（７）の前部または後部から渡し板を経由して床部の上
に患者移乗用台車（３）を載せ降ろししてもよい。 （ヨ）患者載せ台（１）と患者移乗用台車（３）の逆Ｌ
字型支柱（１７）との接続を、両者に複数の孔をもう
け、これにボルトを通してナットで止める方法をとる
が、長めのボルトとし、ボルト部分に孔の動きしろをも
うけることにより、ベッド上で患者載せ台（１）を斜め
にできるようにして、ベッド上での患者の載せ降ろしを
楽にできるようにしてもよい。

【０００７】

【発明の効果】本発明の分離合体式移乗機能付き車椅子
は、以上のような構造で、 （イ）通常、患者をベッドから車椅子に載せ換えるため
には、看護人が患者の抱え上げ下ろしをするが、この動
作が少なくなるので看護人の労力を大幅に削減できる。
また、患者載せ台のせり出しや戻しは、患者移乗用台車
に対する脚力や腕力による横からの押し引きだけでよ
い。患者搬送用フレーム車両と患者移乗用台車の機能と
を分離せず１つに統合してしまうと、片側の大車輪を脇
によけたり、片側の縦支柱をそのつど設定したり、両側
の大車輪を一時的に浮かせたり、片側の肘掛けや手押し
ハンドルをそのつど脱着したり、相当数の操作が増えて
しまう。しかし、本発明の分離合体方式ではこれらの操
作が省略でき、患者移乗用台車と患者搬送用車両との分
離や合体も基本的には患者移乗用台車のコの字型フレー
ムの高さ調整と移動だけである結果、操作が簡単で短時
間で作業が終わるため、作業効率が上がるうえ、職業病
と言われている看護人の腰痛を軽減できる。 （ロ）通常、患者載せ台の横幅の３／４以上のせりだし
ストロークが得られるため、患者載せ換えに十分な患者
載せ台の幅がベッド上に載せられる。 （ハ）患者載せ台がベッド上にせり出したとき、看護人
も患者載せ台の脇について行けるので、ベッド上の患者
の至近距離で載せ換え作業ができるうえ、ベッドと看護
人との間に邪魔になるものがないので作業が楽にでき
る。 （ニ）患者移乗時に、患者載せ台はベッド上で操作さ
れ、ベッドと車椅子間には空間だけでローラー等巻き込
むものや邪魔になる機器の部分がないうえ、患者移乗用
台車と患者載せ台が常に一体であるため極めて安全であ
る。 （ホ）患者搬送用フレーム車両の長さは腰掛け部の幅と
背もたれ部を支持するアームを設置する幅だけのため比
較的短く設定でき、狭い病室内でも使用できる。 （ヘ）分離合体方式のため、それぞれの構造が従来の同
様な機能のものより単純なため、安価に製造できるう
え、操作も簡単であることから、普及が図りやすい。 （ト）患者載せ台がベッド上にある時以外は常に背もた
れ部は立ててあるので、移乗時にベッドの周囲に卓袱台
やテレビ台等障害物があっても脇によける必要がない。 （チ）患者移乗用台車は逆Ｌ字型支柱にかかる回転モー
メントをＬ字型支柱で受ける構造だが、２連のベアリン
グ円筒を設定しているため、滑らかに上下できるうえ強
度上比較的安定している。 （リ）患者移乗用台車のコの字型を形成する逆Ｌ字型支
柱を支える床部となる基準高または、エアシリンダーの
基準高を上下に調整して病院ごとのベッドの高さに合う
ように患者載せ台の高さを設定すれば、多少高さの異な
るベッドに対しても対応が可能である。 （ヌ）背もたれ部は倒すほど支持位置が移動する先端に
ローラーの付いた回転支持アームのバネの弾力がより強
く働き支持力が増加されるため、ベッド上で楽に背もた
れ部を上げ下げできる。 （ル）患者搬送時は患者載せ台の背もたれ部は２つ折れ
にするため、看護人が後方から車椅子を押して進む場合
にも、背もたれ部が前方の視界を遮ることはない。 （オ）患者搬送時は小さな車輪の患者移乗用台車（３）
で搬送するのではなく、大きな車輪の患者搬送用フレー
ム車両（７）で搬送するため、良い乗り心地が確保され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】分離合体式移乗機能付き車椅子の機能と構成を
示す斜視図

【図２】分離合体式移乗機能付き車椅子の斜視図

【図３】患者搬送用フレーム車両の斜視図

【図４】患者載せ台を取り付けた患者移乗用台車の斜視
図

【図５】患者載せ台の斜視図

【図６】患者載せ台を取り外した患者移乗用台車の斜視
図

【図７】患者移乗用台車のベッドへのせり出し状況を示
す斜視図

【図８】（ａ）患者搬送用フレーム車両の平面図 （ｂ）患者搬送用フレーム車両の正面図 （ｃ）患者搬送用フレーム車両の側面図

【図９】患者移乗用台車の平面図

【図１０】患者移乗用台車の正面図

【図１１】患者移乗用台車の右側面図

【図１２】患者移乗用台車の左側面図

【図１３】患者移乗用台車と患者搬送用フレーム車両が
合体した正面図

【図１４】患者移乗用台車がベッド側にせりだした正面
図

【図１５】逆Ｌ字型支柱の基準となる高さを変えられる
患者載せ台を取り外した患者移乗用台車の斜視図

【図１６】片側の前輪の車軸の付いたフレームを水平に
回転して車軸の位置を変更する患者搬送用フレーム車両
の斜視図

【図１７】両側の前輪の車軸が逆Ｌ字型に突き出した患
者搬送用フレーム車両の斜視図

【図１８】コの字型の丸棒をＸ字状に重ねたＸ字型フレ
ームを２連に並べた構造の患者搬送用フレーム車両の斜
視図

【符号の説明】

１ 患者載せ台 ２ 台車用小車輪 ３ 患者移乗用台車 ４ 車輪 ５ 変更車軸 ６ 手押しハンドル ７ 患者搬送用フレーム車両 ８ 背もたれ部 ９ 回転支持アーム １０ フック １１ 孔 １２ 腰掛け部 １３ 支持棒 １４ 臨時脚載せ部 １５ Ｌ字型支柱 １６ ベアリング円筒 １７ 逆Ｌ字型支柱 １８ ペダル １９ バルブ付きシリンダー ２０ エアシリンダーダンパー ２１ 停止凸部 ２２ 脚載せ台 ２３ 固定肘掛け ２４ 変動肘掛け

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】裏側に回転支持アームをもうけた山型に２
   つ折れする背もたれ部と、腰掛け部と、臨時脚載せ部か
   らなる、患者を載せる患者載せ台（１）をもうけ、複数
   の台車用小車輪（２）が下部に付いた、コの字型をな
   す、高さが変わる支柱枠からなる、患者載せ台（１）を
   上に取り付けて下から支持する患者移乗用台車（３）を
   もうけ、前部および後部の左右にそれぞれ車輪（４）が
   付き、そのうち、前部の片側の車輪のみ、車軸の位置を
   変更できる変更車軸（５）に付いた車輪とした、後部左
   右に手押しハンドル（６）が付き、左右両側の上下の横
   支柱がやや内側に付いた、患者移乗用台車（３）を横か
   ら出入りさせて、患者移乗用台車（３）を載せたり降ろ
   したりする立体支柱枠からなる、患者搬送用フレーム車
   両（７）をもうけ、患者移乗時には患者移乗用台車
   （３）と患者搬送用フレーム車両（７）とを分離して、
   患者搬送時には患者移乗用台車（３）と患者搬送用フレ
   ーム車両（７）とを合体して使用することを特徴とす
   る、移乗専用の患者移乗用台車（３）と搬送専用の患者
   搬送用フレーム車両（７）との組み合わせからなる分離
   合体式移乗機能付き車椅子。