JP2000164615A - 樹脂封止金型及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

樹脂封止金型及び半導体装置の製造方法

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JP2000164615A
JP2000164615A JP10339007A JP33900798A JP2000164615A JP 2000164615 A JP2000164615 A JP 2000164615A JP 10339007 A JP10339007 A JP 10339007A JP 33900798 A JP33900798 A JP 33900798A JP 2000164615 A JP2000164615 A JP 2000164615A
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cavity
resin
mold
air vent
groove
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JP10339007A
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Masahiko Masuki
雅彦 増木
Eishin Sato
英信 佐藤
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Toshiba Corp
Toshiba Electronic Device Solutions Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Microelectronics Corp
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  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上金型と下金型が接触し樹脂流路が形成され
た場合に排気抵抗の増加及び排気速度の低下が少なく、
樹脂流路に残留するエア及び溶融した樹脂から発生する
ガスを短時間で脱気できる樹脂封止用金型及びこの金型
を用いた半導体装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 真空(減圧)環境下で用いられる半導体
装置用樹脂封止金型において、樹脂形成を行うキャビテ
ィ14の外側に設けられているエアベント122に隣接
して排気経路となる溝10を上金型12もしくは下金型
13又は両方の押し切り逃げ面に形成する。上金型と下
金型が接触して樹脂流路が形成された際に、この溝によ
りエアベント端までの排気抵抗の増加が少なくなり、排
気速度の低下が少なくなる。エアベントにおける排気抵
抗により低下するキャビティの排気速度の低下を最小限
に抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空又は減圧環境
下で樹脂成形を行う樹脂封止金型の構造及びこの樹脂封
止金型を用いて半導体素子を樹脂封止する半導体装置の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂封止型半導体装置は、通常、リード
フレームに半導体素子(以下、半導体チップという)を
搭載し、この半導体素子をリードフレームと共に樹脂封
止し、成型された樹脂封止体から露出するリードフレー
ムのフレーム部などの不要な部分を除去することにより
製造されている。ここに用いられる樹脂封止体は、上金
型及び下金型から構成された樹脂封止金型により形成さ
れる。図8及び図9を参照して従来の樹脂封止金型を説
明する。図8は、従来の真空もしくは減圧された環境下
で用いられる樹脂封止金型の上金型と下金型が型締めさ
れた状態の断面図、図9は、図8の樹脂封止金型を構成
する上金型のパーティング面から見た平面図であり、図
8は、図9のA−A′線に沿う部分の断面図である。こ
こで上金型及び下金型の両者が合わさる面をそれぞれの
パーティング面という。
【0003】真空環境下での半導体装置の樹脂封止工程
は、予め半導体チップ115がダイボンドされ、且つリ
ードと半導体チップ115とをボンディングワイヤ(図
示せず)でボンディングされたリードフレーム1を用意
する。上金型2と下金型3が開いた状態でリードフレー
ム1を半導体チップ115と共に上金型2と下金型3の
間に置き、半導体チップ115がキャビティ4内に収容
されるように配置する。樹脂タブレット9はリードフレ
ーム1が上金型2と下金型3の間に配置されると同時か
もしくはその直後に下金型3に備えられているポット5
の中に配置される。次に、上金型2と下金型3でリード
フレーム1を挟んで型締めすれば、リードフレーム1で
支持された半導体チップ115がキャビティ4内に固定
される。上金型2又は下金型3にはシール材6が設置さ
れており、上金型2と下金型3が密閉されると上金型2
と下金型3が当接する面とシール材6によって閉じられ
た密封空間が形成される。この密封空間内には排気用の
開口部(排気口)7が設けられており、この開口部7は
真空ポンプ(図示せず)に連結されている。密封空間を
開口部7を介して排気することによりランナー8、キャ
ビティポット等の樹脂流路を真空(減圧)にする。次
に、ポット5内で樹脂タブレット9を溶融し、下金型3
に設けたプランジャ110を上昇させて溶融した樹脂を
キャビティ4内に充填させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように真
空もしくは減圧環境下での半導体装置の樹脂封止は、脱
気することにより大気圧下での半導体装置の樹脂封止の
ような樹脂流路の残留エア及び溶融した樹脂から発生す
るガスが樹脂中に気泡となり取り込まれ不良発生の原因
になることがない。しかし、半導体装置の樹脂封止には
通常熱硬化性樹脂が用いられている。その為、樹脂がポ
ットに配置されてからキャビティに充填されるまでの時
間は限られている。又、前記の時間が長いと生産性が低
下する。真空もしくは減圧環境で半導体の樹脂封止を行
うには、上金型と下金型が型締めされた後、上金型と下
金型とシール材によって閉じられた密封空間を短時間で
脱気する必要がある。しかし、従来の金型構造は、上金
型と下金型が型締めされた際、排気経路となる上金型と
下金型の隙間111が0.1mmと狭い。キャビティ4
の周辺部は、リードフレーム1を固定するためにパーテ
ィング面の他の部分より幾分高くなっており、この部分
は、押し切り面116という。同じパーティング面のキ
ャビティ4以外の部分は、押し切り逃げ面117とい
い、2つの部分は、押し切り面により分けられている。
【0005】更にキャビティ4の周辺部の押し切り面1
16にはリードフレーム1のリード(図示せず)が配置
されない領域にエアベント112が形成されている。エ
アベント112は、キャビティ4と押し切り逃げ面11
7に形成された上記隙間111との間を通気するために
設けられている。エアベント112は、この隙間111
より狭く0.04mm程度である。このようにエアベン
ト112や隙間111などの排気経路は狭くしたがって
排気抵抗が大きいために、真空ポンプに連結されている
排気用の開口部7の排気速度に比べてキャビティ4、ラ
ンナー8等の樹脂流路の排気速度は非常に遅くなり、し
たがって、短時間で脱気することが難しく、樹脂流路の
残留エア及び溶融した樹脂から発生するガスは、十分に
排気されず、樹脂中に気泡となって取り込まれ不良発生
の原因になっている。本発明は、このような事情により
なされたものであり、上金型と下金型が接触し樹脂流路
が形成された場合において排気抵抗の増加が少なく排気
速度の低下が少なく、キャビティやランナー等の樹脂流
路に残留するエア及び溶融した樹脂から発生するガスを
短時間で脱気することが可能な真空もしくは減圧環境下
で用いられる半導体装置用樹脂封止金型及びこの樹脂封
止金型を用いた半導体装置の製造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、真空(減圧)
環境下で用いられる半導体装置用の樹脂封止金型におい
て、樹脂形成を行うキャビティの外側に設けられている
エアベントに隣接して排気経路となる溝を上金型もしく
は下金型又は両方の押し切り逃げ面に形成することを特
徴としている。上金型と下金型が接触して樹脂流路が形
成された際に、この溝によりエアベント端までの排気抵
抗の増加が少なくなり、排気速度の低下が少なくなる。
また、エアベントにおける排気抵抗によりキャビティの
排気速度は低下するが本発明ではその低下を最小限に抑
えることができる。その結果、キャビティやランナー等
の樹脂流路に残留するエア及び溶融した樹脂から発生す
るガスを短時間で脱気することが可能になる。すなわ
ち、本発明の樹脂封止用金型は、上金型及び下金型から
構成され、リードフレームと半導体素子が収納される少
なくとも1つのキャビティと、前記キャビティの周辺に
形成され、前記リードフレームを押圧する押し切り面
と、この押し切り面を介して前記キャビティを囲むよう
に形成された押し切り逃げ面と、前記キャビティ及び押
し切り逃げ面間を通気し前記押し切り面に形成されたエ
アベントとを具備し、前記押し切り逃げ面には空気抜き
手段を有する溝が形成されていることを特徴としてい
る。
【0007】前記空気抜き手段は、前記押し切り逃げ面
の所定の位置に形成された少なくとも1つの排気口であ
るようにしても良い。前記排気口は、前記キャビティの
前記エアベントが形成されている辺に近接し、このエア
ベントと対向しているようにしても良い。前記溝は、前
記上金型及び下金型のいずれか一方もしくは双方に形成
されるようにしても良い。前記溝は、前記キャビティ全
周を囲むように形成配置されているようにしても良い。
前記空気抜き手段は、前記エアベントに近接した位置に
形成され、前記溝は、前記エアベントに近接した位置に
形成されているようにしても良い。前記上金型及び下金
型を合わせて密閉したときの前記押し切り逃げ面の前記
上金型と前記下金型との間隔は、0.1mm以下である
ようにしても良い。前記上金型もしくは下金型のキャビ
ティが形成されているキャビティブロックの厚さは、1
5mm〜30mm程度が適当であり、前記上金型もしく
は下金型の押し切り逃げ面から前記溝までの最深の深さ
は、0.5mm〜30mmであるようにしても良い。前
記溝の前記深さは、前記溝の幅と実質的に等しくしても
良い。
【0008】本発明の半導体装置の製造方法は、上金型
及び下金型から構成された少なくとも1つのキャビティ
と、前記キャビティの周辺に形成され、リードフレーム
を押圧する押し切り面と、この押し切り面を介して前記
キャビティを囲むように形成された押し切り逃げ面と、
前記キャビティ及び押し切り逃げ面間を通気し前記押し
切り面に形成されたエアベントと、前記押し切り逃げ面
に形成され、空気抜き手段を有する溝とを具備する樹脂
封止金型に半導体素子が搭載されたリードフレームを前
記キャビティに収納する工程と、前記上金型及び下金型
を押圧して前記キャビティを密閉する工程と、前記密閉
状態のキャビティを真空もしくは減圧状態にする工程と
前記真空もしくは減圧状態のキャビティ外部から流動樹
脂を供給し前記リードフレームと半導体素子を樹脂封止
する工程とを具備し、前記キャビティ内の残留エアや溶
融した樹脂から発生するガスを前記エアベント及び前記
溝を介して前記空気抜き手段から外部へ排出させること
を特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して発明の実施
の形態を説明する。まず、図1乃至図5を参照して第1
の実施例を説明する。図1は、真空もしくは減圧された
環境下で用いられる樹脂封止金型の上金型と下金型が型
締めされた状態の断面図、図2は、図1に示された樹脂
封止金型を構成する上金型のパーティング面から見た平
面図であり、そして図1は、図2のA−A′線に沿う部
分の樹脂封止金型断面を示したものである。図3は、溝
の深さの違いによるキャビティ内部の真空度と真空にす
る時間との関係を示す特性図、図4は、図2に示された
上金型のパーティング面の内、エアベントが形成された
押し切り面に形成されたエアベント領域を拡大した平面
図、図5は、溝の断面図である。なお、上金型及び下金
型の両者が合わさる面をそれぞれのパーティング面とい
う。
【0010】真空環境下での半導体装置の樹脂封止工程
は、以下のような工程を含む。まず予め半導体チップ1
23がダイボンドされ、且つリードと半導体チップ12
3とを、例えば、ボンディングワイヤ(図示せず)でボ
ンディングされたリードフレーム11を用意する。そし
て、上金型12と下金型13が開いた状態でリードフレ
ーム11を半導体チップ123と共に上金型12と下金
型13の間に置き、半導体チップ123がキャビティ1
4内に収容されるように配置する。樹脂タブレット19
は、リードフレーム11が上金型12と下金型13の間
に配置されると同時かもしくはその直後に下金型13に
備えられているポット15の中に配置される。この上金
型12と下金型13とでリードフレーム11を挟んで型
締めすれば、リードフレーム11で支持された半導体チ
ップ123がキャビティ14内に固定される。上金型1
2又は下金型13にはシール材16が設置されており、
上金型12と下金型13とが密閉されると、上金型12
と下金型13とが当接する面とシール材16によって閉
じられた密封空間が形成される。この密封空間内には排
気用の開口部(排気口)17が設けられており、開口部
17は、真空ポンプ(図示せず)に連結されている。
【0011】そして、密封空間を開口部17を介して排
気することによりランナー18、キャビティポット等の
樹脂流路を真空(減圧)にする。ポット15内で樹脂タ
ブレット19は、ポット15内で溶融され、下金型13
に設けたプランジャ120を上昇させて溶融した樹脂が
キャビティ14内に充填される。この樹脂封止用金型
の、例えば、上金型12のパーティング面は、キャビテ
ィ14と、キャビティ14の周辺に他の部分より高く設
けられ、リードフレーム11を固定する押し切り面12
6と、キャビティとはこの押し切り面を介して隔離され
ている押し切り逃げ面127とが形成されている。この
他ランナー18などの樹脂流路、排気用の開口部17等
がパーティング面には形成されている。上金型12及び
下金型13の押し切り逃げ面127の合わせた部分に
は、例えば、0.1mm程度の間隙125(距離d)が
形成されており、この間隙125は、開口部17と通じ
ている。また、上金型12と下金型13が合わさったと
きに押し切り面126は、リードフレーム11を把持す
るが、押し切り面126のリードが配置されていない部
分にはエアベント122が形成されている。エアベント
122を介してキャビティ14の内部と押し切り逃げ面
127の間隙125とは通気している。
【0012】このような樹脂封止用金型の内部構造にお
いて、上金型12側の押し切り逃げ面127にはキャビ
ティ14及びランナー18を囲むように脱気用の溝10
が環状に形成されている。本発明ではこの溝は、上金型
側でも下金型側でもどちらでも良く、両側に形成するこ
とも可能である。上金型12の厚さ(t)もしくは下金
型13の厚さ(t′)は、30mm程度以下が適当であ
る。溝10の深さ(h)は、0.5mm〜30mmが適
当である。好もしくは、5mm〜10mmが適当であ
る。5mm〜10mmの数値範囲は、溝の効果が真空ポ
ンプ排気速度の大小に余り影響されない範囲である。5
mmより小さいと、溝の効果が真空ポンプ排気速度の大
小に影響され易い。また10mmより大きくしても効果
は5〜10mmの場合とさほどかわらない。また、溝1
0の幅(w)は、0.5mm以上が適当である。好もし
くは、5〜10mmが適当である。図3は、溝10の深
さ(h)の違いによる樹脂封止時の真空度と真空引き時
間との関係を示す特性図である。縦軸は、真空度(to
rr)を表わし、横軸は、真空引き時間(sec)を表
わしている。脱気用の溝は、深さ(h)が0.3mm、
0.5mm、0.7mm、1.0mmの場合について真
空度の時間依存性について示されている。真空度は、4
0torr程度までは溝10の深さがどの様であっても
実質的に時間に違いは生じない。しかし、この値を越え
ると、浅い溝(h=0.3mm)を用いたものは真空引
き時間が、深い溝(h=0.5mm〜〜1.0mm)を
用いた場合より著しく長くなり、半導体装置の製造工程
の長引く一因となる。したがって、真空度を40tor
r程度より深く真空引きする場合は、溝の深さ(h)を
0.5mmより深くする必要がある。
【0013】図5は、樹脂封止金型に形成された脱気用
溝の断面図である。図に示すように溝の断面形状は、実
質的に正方形(図5(a))でも良いし、半円形であっ
ても良く(図5(b))、本発明は、溝の断面形状に拘
らない。図4は、樹脂封止金型のキャビティ部分を拡大
した部分断面図及びキャビティの上金型側の平面図であ
る。この断面図は、平面図のキャビティのA−A′線に
沿う部分の断面に相当している。キャビティ14の周辺
には、パーティング面の他の領域より高くなっている押
し切り面126が形成されており、リードフレーム11
が収容された時にリードフレーム11のリード(図示せ
ず)が配置されていない部分にはエアベント122が形
成されている。エアベント122は、押し切り面126
が終わると直ぐに押し切り逃げ面の間隙125につなが
るが、この実施例では、エアベント122から間隙12
5に入ると直ぐに溝10が形成されている。このエアベ
ントは、上金型と下金型の両方に形成されているが、本
発明では、いずれか一方の金型にのみに形成しても良
い。また、本発明では、エアベント122と溝10との
間に溝以外他の領域が介在しても良い。
【0014】上金型12及び下金型13は、いづれもブ
ロックで構成されており、各ブロックA、A′、B、
B′、C、C′は、それぞれ外枠D、D′に収容されて
いる。したがって、外枠も金型を構成するものの、上金
型もしくは下金型の厚さは、図1に示すようにブロック
の厚さ(t、t′)を意味している。例えば、上金型1
2の外枠Dに収容されるブロックには、キャビティが形
成されているキャビティブロックA、Cと樹脂流路が形
成されているブロックBがある。次に、脱気用溝の作用
について説明する。上金型と下金型が型締めされた脱気
が開始されるまでは従来の樹脂封止工程及び金型と同様
である。図1、図2に示すこの実施例の樹脂封止金型は
上金型もしくは下金型又は両型のエアベント122端に
脱気用の溝10が設置されており、上金型と下金型が型
締めされると上金型と下金型の当接面とシール材16に
よって閉じられた密封空間が形成される。この脱気用溝
は真空ポンプ(図示せず)に連結されている排気用の開
口部17まで設置されており、上金型と下金型が型締め
された後もエアベント122までは十分な排気経路が確
保される。したがって、上金型と下金型が型締めされる
ことにより排気経路が狭くなることがなく、エアベント
122までの排気速度の低下は少ない。
【0015】当然のことながらエアベント122の隙間
は狭く、排気抵抗が大きいのでキャビティ14、ランナ
ー18、ポット15等の樹脂流路の排気速度は低下する
が、脱気用溝10の効果により従来の樹脂封止金型より
樹脂流路の排気速度は速くなる。そのために樹脂流路の
残留エア及び溶融した樹脂から発生するガスが樹脂中に
気泡となり取り込まれて不良発生の原因となるようなこ
とはなくなり、チップの外周を隙間なく樹脂封止するこ
とができる。以上の作用効果は、図3に示すように、溝
の深さを浅くすると真空引き時間が長くなることでも確
認することができる。
【0016】次に、図6を参照して第2の実施例を説明
する。図6は、樹脂封止金型を構成する上金型の平面図
である。上金型及び下金型は、いづれもブロックで構成
されており、各ブロックは、それぞれ外枠に収容されて
いる。この実施例では、例えば、上金型22の外枠に収
容されるブロックには、キャビティが形成されているキ
ャビティブロックA、Cと樹脂流路が形成されているブ
ロックBがある。樹脂封止用金型の、例えば、上金型2
2のパーティング面は、キャビティ24と、キャビティ
24の周辺に他の部分より高く設けられ、チップを搭載
したリードフレーム(図示せず)を固定する押し切り面
226と、キャビティ24とはこの押し切り面226を
介して隔離されている押し切り逃げ面227とが形成さ
れている。この他ランナー28などの樹脂流路、排気用
の開口部27等がパーティング面には形成されている。
上金型22及び下金型の押し切り逃げ面227の合わせ
た部分には、例えば、0.1mm程度の間隙が形成され
ており、この間隙は、開口部27と通じている。また、
上金型22と下金型が合わさったときに押し切り面22
6は、リードフレームを把持するが、押し切り面226
の1辺にあってリードフレームのリードが配置されない
部分にはエアベント222が形成されている。エアベン
ト222を介してキャビティ24の内部と押し切り逃げ
面227の間隙とは通気している。
【0017】このような樹脂封止用金型の内部構造にお
いて、上金型22側の押し切り逃げ面227にはキャビ
ティ24及びランナー28を囲むように開口部27につ
ながる脱気用の溝20がそれぞれのブロックA、Cに形
成されている。溝20の深さは、0.5mm〜30mm
が適当である。好もしくは、5mm〜10mmが適当で
ある。また、溝20の幅は、0.5mm以上が適当であ
る。好ましくは、5〜10mmが適当である。この脱気
用溝は、真空ポンプ(図示せず)に連結されている排気
用の開口部27まで設置されており、上金型と下金型が
型締めされた後もエアベント222までは十分な排気経
路が確保される。したがって、上金型と下金型が型締め
されることにより排気経路が狭くなることがなく、エア
ベント222までの排気速度の低下は少ない。エアベン
ト222の隙間は狭く、排気抵抗が大きいのでキャビテ
ィ224、ランナー28、ポット25等の樹脂流路の排
気速度は低下するが、脱気用溝20の効果により従来の
樹脂封止金型より樹脂流路の排気速度は速くなる。その
ために樹脂流路の残留エア及び溶融した樹脂から発生す
るガスが樹脂中に気泡となり取り込まれて不良発生の原
因となるようなことはなくなりチップの外周を隙間なく
樹脂封止することができる。また、第1の実施例より溝
面積を少なくすることができるので製造工程を容易にす
ることができる。
【0018】次に、図7を参照して第3の実施例を説明
する。図7は、樹脂封止金型を構成する上金型の平面図
である。上金型及び下金型は、いづれもブロックで構成
されており、各ブロックは、それぞれ外枠に収容されて
いる。この実施例では、例えば、上金型32の外枠に収
容されるブロックには、キャビティが形成されているキ
ャビティブロックA、Cと樹脂流路が形成されているブ
ロックBがある。この実施例の樹脂封止用金型は、溝及
び開口部以外は、第2の実施例と同じ配置構造になって
いる。このような樹脂封止用金型の内部構造において、
上金型32側の押し切り逃げ面327には開口部37に
つながる脱気用の溝30がそれぞれのブロックA、Cに
形成されている。溝30の深さは、0.5mm〜30m
mが適当である。好もしくは、5mm〜10mmが適当
である。また、溝30の幅は、0.5mm以上が適当で
ある。好ましくは、5〜10mmが適当である。
【0019】この脱気用溝30は、真空ポンプ(図示せ
ず)に連結されている排気用の開口部37につながって
おり、上金型と下金型が型締めされた後もエアベント3
22までは十分な排気経路が確保される。したがって、
上金型と下金型が型締めされることにより排気経路が狭
くなることがなく、エアベント322までの排気速度の
低下は少ない。エアベント322の隙間は狭く、排気抵
抗が大きいのでキャビティ34、ランナー38、ポット
等の樹脂流路の排気速度は低下するが、脱気用溝30の
効果により従来の樹脂封止金型より樹脂流路の排気速度
は速くなる。そのために樹脂流路の残留エア及び溶融し
た樹脂から発生するガスが樹脂中に気泡となり取り込ま
れて不良発生の原因となるようなことはなくなりチップ
の外周を隙間なく樹脂封止することができる。また、真
空ポンプに直接接続されている開口部は、いずれかのキ
ャビティに設けられたエアベントに対向するように配置
されているので、真空引き速やかになり樹脂封止工程が
容易になる。
【0020】
【発明の効果】本発明以上の構成により、型締め後に排
気経路となる上金型と下金型の隙間が広くなり、排気用
開口部からエアベントまでの排気抵抗増大がなく排気速
度は低下しない。エアベントの持っている本来的な排気
抵抗によりキャビティ、ランナー等の樹脂流路の排気速
度は低下するが、脱気用溝の存在によりこの排気速度は
最大限に保たれる。その結果、樹脂流路の残留エア及び
溶融した樹脂から発生するガスを短時間で脱気できるの
で、これらが樹脂中に気泡となり取り込まれ不良発生の
原因となることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空もしくは減圧環境下で用いられる
半導体装置製造用樹脂封止金型の上金型と下金型が型締
めされた状態の断面図。
【図2】本発明の真空もしくは減圧環境下で用いられる
半導体装置製造用樹脂封止金型の上金型平面図。
【図3】本発明の溝深さの違いによる真空度と時間の関
係を示す特性図。
【図4】本発明の樹脂封止金型の部分断面図及びこの金
型を構成する上金型のキャビティ部分の平面図。
【図5】本発明の脱気用溝の断面図。
【図6】本発明の樹脂封止金型を構成する上金型の平面
図。
【図7】本発明の樹脂封止金型を構成する上金型の平面
図。
【図8】従来の真空もしくは減圧環境下で用いられる半
導体装置用の樹脂封止金型の上金型と下金型が型締めさ
れた断面図。
【図9】従来の真空もしくは減圧環境下で用いられる半
導体装置用の樹脂封止金型の上金型平面図。
【符号の説明】
1、11・・・リードフレーム、 2、12、22、
32・・・上金型、3、13・・・下金型、 4、1
4、24、34・・・キャビティ、5、15・・・ポッ
ト、 6、16・・・シール材、7、17、27、3
7・・・排気用開口部(排気口)、8、18、28、3
8・・・ランナー、 9、19・・・樹脂タブレット、
10、20、30・・・脱気用溝、110、120、・
・・プランジャ、111、125、・・・上金型と下金
型の隙間、112、122、222、322・・・エア
ベント、115、123・・・半導体チップ、116、
126、226、326・・・押し切り面、117、1
27、227、327・・・押し切り逃げ面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 英信 神奈川県川崎市川崎区駅前本町25番地1 東芝マイクロエレクトロニクス株式会社内 Fターム(参考) 4F202 AH37 CA12 CB01 CB17 CK83 CP01 CP04 4F206 AH37 JA02 JB17 JL02 JM16 JQ04 JQ81 5F061 AA01 BA01 CA21 DA01 DA06 DA08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上金型及び下金型から構成され、リード
    フレームと半導体素子が収納される少なくとも1つのキ
    ャビティと、前記キャビティの周辺に形成され、前記リ
    ードフレームを押圧する押し切り面と、この押し切り面
    を介して前記キャビティを囲むように形成された押し切
    り逃げ面と、前記キャビティ及び押し切り逃げ面間を通
    気し前記押し切り面に形成されたエアベントとを具備
    し、前記押し切り逃げ面には空気抜き手段を有する溝が
    形成されていることを特徴とする樹脂封止金型。
  2. 【請求項2】 前記空気抜き手段は、前記押し切り逃げ
    面の所定の位置に形成された少なくとも1つの排気口で
    あることを特徴とする請求項1に記載の樹脂封止金型。
  3. 【請求項3】 前記排気口は、前記キャビティの前記エ
    アベントが形成されている辺に近接し、このエアベント
    と対向していることを特徴とする請求項2に記載の樹脂
    封止金型。
  4. 【請求項4】 前記溝は、前記上金型及び下金型のいず
    れか一方もしくは双方に形成されることを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかにに記載の樹脂封止金
    型。
  5. 【請求項5】 前記溝は、前記キャビティを囲むように
    形成配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項4のいずれかに記載の樹脂封止金型。
  6. 【請求項6】 前記空気抜き手段は、前記エアベントに
    近接した位置に形成され、前記溝は、前記エアベントに
    近接した位置に形成されていることを特徴とする請求項
    1乃至請求項4のいずれかに記載の樹脂封止金型。
  7. 【請求項7】 上金型及び下金型から構成された少なく
    とも1つのキャビティと、前記キャビティの周辺に形成
    され、リードフレームを押圧する押し切り面と、この押
    し切り面を介して前記キャビティを囲むように形成され
    た押し切り逃げ面と、前記キャビティ及び押し切り逃げ
    面間を通気し前記押し切り面に形成されたエアベント
    と、前記押し切り逃げ面に形成され、空気抜き手段を有
    する溝とを具備する樹脂封止金型に半導体素子が搭載さ
    れたリードフレームを前記キャビティに収納する工程
    と、前記上金型及び下金型を押圧して前記キャビティを
    密閉する工程と、前記密閉状態のキャビティを真空もし
    くは減圧状態にする工程と、前記真空もしくは減圧状態
    のキャビティ外部から流動樹脂を供給し前記リードフレ
    ームと半導体素子を樹脂封止する工程とを具備し、前記
    キャビティ内の残留エアや溶融した樹脂から発生するガ
    スを前記エアベント及び前記溝を介して前記空気抜き手
    段から外部へ排出させることを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6674165B2 (en) * 2001-08-15 2004-01-06 Asm Technology Singapore Pte Ltd Mold for a semiconductor chip
US6797542B2 (en) 2002-02-14 2004-09-28 Renesas Technology Corp. Fabrication method of semiconductor integrated circuit device
WO2007119644A1 (ja) * 2006-04-11 2007-10-25 Towa Corporation 電子部品の樹脂封止成形方法および電子部品の樹脂封止成形装置
CN115958178A (zh) * 2023-01-12 2023-04-14 浙江赛豪实业有限公司 一种模具溢料排气结构

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