JP2000164247A - 非水電解液およびそれを用いた二次電池 - Google Patents

非水電解液およびそれを用いた二次電池

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JP2000164247A
JP2000164247A JP10332824A JP33282498A JP2000164247A JP 2000164247 A JP2000164247 A JP 2000164247A JP 10332824 A JP10332824 A JP 10332824A JP 33282498 A JP33282498 A JP 33282498A JP 2000164247 A JP2000164247 A JP 2000164247A
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aqueous electrolyte
phosphate
electrolyte according
ether
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JP10332824A
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English (en)
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Takehiko Onomi
毅彦 尾身
Masahiro Toriida
昌弘 鳥井田
Takashi Hayashi
剛史 林
Hiroaki Tan
弘明 丹
Takeshi Ishitoku
石徳  武
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性が高く、高電圧を発生で
き、かつ電池の充放電効率に優れた非水電解液を提供
し、またそれを利用した二次電池を提供すること。 【解決手段】 ポリエチレングリコールアルキル
エーテルのような一般式[1]で表されるポリアルキレン
グリコールエーテル誘導体、リン酸エステル、および電
解質、必要に応じて炭酸エステルのような他の溶媒を混
合した電解液を用いる。 【化1】 式中、Rは水素または炭化水素基、R’は水素、炭化水
素基、アルキルカルボニル基、またはアルキルカルボン
酸エステル基、AおよびBはアルキレン基またはフェニ
レン基、j、k、l、mおよびnは各々整数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、電池等に用いられる非水
電解液およびそれを利用した二次電池に関する。さらに
詳しくは難燃性が高く、高電圧を発生でき、かつ電池の
充放電特性に優れた非水電解液に関すると共に、この電
解液を含む二次電池に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】非水電解液は、リチウム電池など
エネルギー貯蔵デバイスの電解液として使用され、これ
らのデバイスは高電圧かつ高エネルギー密度を有し、信
頼性が高いことから、広く民生用電子機器の電源などに
用いられている。非水電解液は、非水溶媒と電解質とか
ら構成されている。非水溶媒としては、一般に高誘電率
の有機溶媒であるプロピレンカーボネート、γ−ブチロ
ラクトン、スルホラン、あるいは低粘度の有機溶媒であ
るジメチルカーボネート、ジメトキシエタン、テトラヒ
ドロフラン、1,3-ジオキソランなどが用いられている。
また電解質としてはLiBF 4、LiPF6、LiClO4、LiAsF6、Li
CF3SO3、LiAICl4、LiSiF6などが用いられている。
【0003】最近この二次電池の分野で、エネルギー密
度の高い電池へのニーズが強いことから、高電圧電池に
ついて研究が進められている。例えば、電池の正極にLi
CoO2、LiNiO2、LiMn2O4等のリチウムと遷移金属の複合
酸化物を使用し、負極に炭素材料を使用した、ロッキン
グチェア型と呼ばれる二次電池がある。この電池は、4V
以上の電池電圧を発生させることでき、しかも金属リチ
ウムの析出がないため、過充電、外部ショート、釘刺
し、押しつぶし等の安全性実験によって優れた結果が得
られており、民生用の電池として流通している。
【0004】しかしながら、今後一層の高エネルギー密
度化、また、大型化が期待されており、その実現のため
には、安全性の観点から可燃性の非水電解液に自己消火
性を保持することが求められている。その一方法とし
て、特開平4-184870号公報には、自己消火性のある化合
物として知られているリン酸エステル類を電解液に添加
することが提案されている。ところが、リン酸トリエチ
ルなどの一般的なリン酸エステル類を電解液へ添加する
と、難燃性は向上するが、リン酸エステルの種類や添加
量によっては、電池の充放電効率、電池のエネルギー密
度、電池寿命等が低下する現象がみられた。そこで、特
開平7-114940号公報では、リン酸エステルの添加量を限
定する方法等が提案されている。
【0005】これらの対策により、電池の難燃性、充放
電効率、エネルギー密度、あるいは電池寿命などの向上
が図られてきたが、現在ではより高性能の電解液が求め
られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の要請に
応えるために、難燃性が高く、高電圧を発生でき、かつ
電池充放電性能に優れた非水電解液を提供することを目
的し、またその非水電解液を含む二次電池の提供を目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る非水電解液
は、下記一般式[1]で表されるポリアルキレングリコ
ールエーテル誘導体およびリン酸エステル化合物とから
なる非水溶媒と、電解質とから基本的に構成されてい
る。
【0008】
【化6】
【0009】(式中、Rは水素または炭素数1から20
の炭化水素基であり、R’は水素、炭素数1から20の
炭化水素基、−COR”、または−COOR”であり、
ここでR”は水素、アルキル基またはフェニル基であっ
て、RとR’とは互いに同一であっても異なっていても
よく、AおよびBは炭素数2から8のアルキレン基また
はフェニレン基であって、互いに同一であっても異なっ
ていてもよく、jは0から2000までの整数であり、
kは0または1であり、lは0から2000までの整数
であり、j+lは1から4000までの整数、mは1か
ら100までの整数であり、nは1から4までの整数で
ある。)
【0010】本発明において前記の非水媒体は、さらに
一般式[2]で表される環状炭酸エステルおよび/または
鎖状炭酸エステル等の他の溶媒を含むことが望ましい。
【化7】 (式中、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基を示し、R1とR2は互いに同一でも異なって
いてもよい。)
【0011】前記の一般式[1]で表されるポリアルキ
レングリコールエーテル誘導体は、特にポリアルキレン
グリコール、ポリアルキレンフェニレングリコール、ポ
リアルキレンモノアルキルエーテル、ポリアルキレンフ
ェニレングリコールモノアルキルエーテル、ポリアルキ
レングリコールモノフェニレンエーテル、ポリアルキレ
ングリコールジアルキルエーテル、ポリアルキレンフェ
ニレングリコールジアルキルエーテル、ポリアルキレン
グリコールアルキルフェニルエーテル、ポリアルキレン
グリコールジフェニルエーテルからなる群から選ばれた
いずれかの化合物であることが好ましい。
【0012】さらに、リン酸エステルとしては、下記一
般式[3]〜[5]で表されるリン酸エステルであるこ
とが好ましく、中でもトリメチルホスフェート、および
トリエチルホスフェートは高い難燃性を示す。
【0013】
【化8】 ・・・・・・[3]
【0014】
【化9】 ・・・・・[4]
【0015】
【化10】 ・・・・・・[5]
【0016】(式中、R3〜R6は互いに同一であっても
異なっていてもよく、炭素数1〜6のアルキル基または
フッ素置換アルキル基を示す。−(C)−は、直鎖状また
は分岐状の炭化水素基であり、r、s、t、uは炭素数
を示し、rは2〜8の整数であり、s、t、uは互いに
同一であっても異なっていてもよく0〜12の整数であ
り、 s、t、uの少なくとも1つは1以上の整数であ
る。)
【0017】また、本発明に係る二次電池は、前記した
非水電解液を用いた二次電池であって、特に、負極活物
質として金属リチウム、リチウム含有合金、リチウムイ
オンのドープ・脱ドーブが可能な炭素材料のいずれかを
含む負極と、正極活物質としてリチウムと遷移金属の複
合酸化物、炭素材料またはこれらの混合物のいずれかを
含む正極と、電解液として前記非水電解液とを含むこと
が好ましい。
【0018】
【発明の具体的説明】次に、本発明に係る非水電解液お
よびこの非水電解液を用いた二次電池について具体的に
説明する。まず、非水電解液は、特定のポリアルキレン
グリコールエーテル誘導体、リン酸エステル化合物、お
よび電解質とから基本的に構成されており、さらに好ま
しくはこれらに他の溶媒が添加混合されている。
【0019】ポリアルキレングリコールエーテル誘導体 本発明で用いられるポリアルキレングリコールエーテル
誘導体としては、下記一般式[1]で表される化合物が
使用される。これらは液体であっても固体であってもよ
い。この様なポリアルキレングリコールエーテル誘導体
には、リン酸エステル化合物を添加する際に生じる電池
の充放電効率および負荷特性の低下を改善する効果があ
る。
【0020】
【化11】
【0021】前記[1]式において、Rは水素または炭
素数1〜20の炭化水素基であり、R’は水素、炭素数
1〜20の炭化水素基、−COR”、または−COO
R”であり、ここでR”は水素、アルキル基、またはフ
ェニル基であり、RとR’は互いに同一であっても異な
っていてもよい。
【0022】炭化水素基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等の直鎖
または分岐アルキル基、あるいはフェニル基、さらに前
記のアルキル基がフェニル基に結合した置換フェニル基
を挙げることができる。アルキル基としては、炭素数1
〜9のアルキル基が好ましい。これらの中でも特に好ま
しいRおよびR’は、水素、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、フェニル基、およびノニルフェニル
基である。−COR”および−COOR”としては、メ
チルカルボニル基、エチルカルボニル基、メチルカルボ
キシレート基、エチルカルボキシレート基等を挙げるこ
とができる。
【0023】また、前記[1]式において、 Aおよび
Bは、炭素数2〜8のアルキレン基またはフェニレン基
であって、アルキレン基は直鎖であっても分岐を有して
いてもよく、フェニレン基はアルキル基で置換されてい
てもよい。さらにAおよびBは、互いに同一であっても
異なっていてもよい。AおよびBの好ましい例として、
エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、フェニレン基
を挙げることができ、これらの中でも特にエチレン基ま
たはプロピレン基が好ましい。
【0024】さらに、前記[1]式において、jは0か
ら2000までの整数であり、kは0または1であり、
lは0から2000までの整数であり、j+lは1から
4000までの整数であり、mは1から100までの整
数であり、nは1から4までの整数である。特に、j+
lは、4から2500までの整数が好ましく、j+lがこ
の範囲内であると、リン酸エステルや他の溶媒の充電時
における分解還元反応を抑制する効果が大きく、また、
リン酸エステルや他の溶媒への溶解度が高く、電池の充
放電効率を高めることができる。特に、kは0、mおよ
びnは1であるものが好ましい。
【0025】なお、前記式[1]で表されるポリアルキレ
ングリコールエーテル誘導体は、その平均分子量が150
〜100000、さらに150〜20000であることが望ましい。
【0026】前記の式[1]で表される具体的な化合物
としては、次式で示される化合物を挙げることができ
る。 (1)HO−(AO)j−(BO)l−H で表されるポ
リアルキレングリコール類、またはポリアルキレンフェ
ニレングリコール類;例えば、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレ
ングリコール。また、例えば、ポリエチレンフェニレン
グリコール、ポリプロピレンフェニレングリコール。
【0027】(2)RO−(AO)j−(BO)l−H
で表されるポリアルキレングリコールモノアルキルエー
テル類、またはポリアルキレンフェニレングリコールモ
ノアルキルエーテル類(ここで、Rはアルキル基);
【0028】例えば、ポリエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポ
リエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレング
リコールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコー
ルモノプロピルエーテル、ポリプロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、ポリエチレンプロピレングリコール
モノメチルエーテル、ポリエチレンプロピレングリコー
ルモノエチルエーテル、ポリエチレンプロピレングリコ
ールモノプロピルエーテル、ポリエチレンプロピレング
リコールモノブチルエーテル。また、例えば、ポリエチ
レンフェニレングリコールモノメチルエーテル、ポリプ
ロピレンフェニレングリコールモノメチルエーテル。
【0029】(3)RO−(AO)j−(BO)l−H
で表されるポリアルキレングリコールモノフェニルエー
テル類(ここで、Rはフェニル基);例えば、ポリエチ
レングリコールモノフェニルエーテル、ポリプロピレン
グリコールモノフェニルエーテル、ポリエチレンプロピ
レングリコールモノフェニルエーテル。
【0030】(4)RO−(AO)j−(BO)l−R’
で表されるポリアルキレングリコールジアルキルエー
テル類、またはポリアルキレンフェニレングリコールジ
アルキルエーテル類(ここで、RおよびR’はアルキル
基);
【0031】例えば、ポリエチレングリコールジメチル
エーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、
ポリエチレングリコールジプロピルエーテル、ポリエチ
レングリコールジブチルエーテル、ポリプロピレングリ
コールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジ
エチルエーテル、ポリプロピレングリコールジプロピル
エーテル、ポリプロピレングリコールジブチルエーテ
ル、ポリエチレンプロピレングリコールジメチルエーテ
ル、ポリエチレンプロピレングリコールジエチルエーテ
ル、ポリエチレンプロピレングリコールジプロピルエー
テル、ポリエチレンプロピレングリコールジブチルエー
テル。
【0032】また、例えば、ポリエチレンフェニレング
リコールジメチルエーテル、ポリプロピレンフェニレン
グリコールジメチルエーテル。
【0033】(5)RO−(AO)j−(BO)l−R’
で表されるポリアルキレングリコールアルキルフェニ
ルエーテル類(ここで、Rはアルキル基、R’はフェニ
ル基);
【0034】例えば、ポリエチレングリコールメチルフ
ェニルエーテル、ポリエチレングリコールエチルフェニ
ルエーテル、ポリエチレングリコールプロピルフェニル
エーテル、ポリエチレングリコールブチルフェニルエー
テル、ポリプロピレングリコールメチルフェニルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールエチルフェニルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールプロピルフェニルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールブチルフェニルエーテ
ル、ポリエチレンプロピレングリコールメチルフェニル
エーテル、ポリエチレンプロピレングリコールエチルフ
ェニルエーテル、ポリエチレンプロピレングリコールプ
ロピルフェニルエーテル、ポリエチレンプロピレングリ
コールブチルフェニルエーテル。
【0035】(6)RO−(AO)j−(BO)l−R’
で表されるポリアルキレングリコールジフェニルエー
テル類(ここで、RおよびR’はフェニル基);例え
ば、ポリエチレングリコールジフェニルエーテル、ポリ
プロピレングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレ
ンプロピレングリコールジフェニルエーテル。
【0036】(7)次式で表されるポリアルキレングリ
コールエーテル誘導体;
【化12】 ただし、mは1〜100の整数
【0037】例えば、次の化合物を挙げることができ
る。
【化13】
【化14】
【0038】(8)次式で表されるポリアルレングリコ
ールエーテル誘導体;
【化15】
【0039】例えば、次の化合物を挙げることができ
る。
【化16】
【0040】(9)次式で表されるポリアルキレングリ
コールエーテル誘導体;
【化17】
【0041】例えば、次の化合物を挙げることができ
る。
【化18】
【0042】(10)次式で表されるポリアルキレング
リコールエーテル誘導体;
【化19】
【0043】例えば次の化合物を挙げることができる。
【化20】
【0044】(11)次式で表されるポリアルキレング
リコールエーテル誘導体;
【化21】
【0045】例えば次の化合物を挙げることができる。
【化22】
【0046】前記のポリアルキレングリコールエーテル
誘導体の中でも、次の化合物は特に電池特性を改良する
上で好ましい。 HO(CH2CH2O)aH HO{CH2CH(CH3)O}b H CH3O(CH2CH2O)c H] CH3O{CH2CH(CH3)O}d H CH3O(CH2CH2O)e CH3 CH3O{CH2CH(CH3)O}f CH3919PhO(CH2CH2O)g − {CH2CH(CH3)O}h H (Phはフェニレン
基) C919PhO(CH2CH2O)g − {CH2CH(CH3)O}h CH3 (Phはフェニレ
ン基) CH3O{CH2CH(CH3)O}i − CO{O(CH3)CHCH2jOCH3 (前記の式中、a〜jは2〜2000の整数であり、4
<g+h≦2500、4<i+j≦2500である。)
【0047】これらの中でも特に好ましい化合物として
は、ポリエチレンギリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリ
エチレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレン
グリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコ
ールジメチルエーテルである。このような式[1]で表
されるポリアルキレングリコール誘導体には、充電時に
おけるリン酸エステルや他の溶媒の還元分解反応を抑制
し、充放電効率を改善する効果がある。
【0048】リン酸エステル化合物 本発明で用いられるリン酸エステル化合物として、下記
一般式[3]〜[5]で表されるリン酸エステルが好ま
しく使用されるが、必ずしもそれらに限定されるもので
はない。。
【0049】
【化23】 ・・・・・・・[3]
【0050】
【化24】 ・・・・・・・[4]
【0051】
【化25】 ・・・・・・[5]
【0052】(式中、R3〜R6は互いに同一であっても
異なっていてもよく、炭素数1〜6のアルキル基または
フッ素置換アルキル基を示す。−(C)−は、直鎖状また
は分岐状の炭化水素基であり、r、s、t、uは炭素数
を示し、rは2〜8の整数であり、s、t、uは互いに
同一であっても異なっていてもよく0〜12の整数であ
り、s、t、uの少なくとも1つは1以上の整数であ
る。)
【0053】式[3]で表されるリン酸エステルとし
て、具体的には、トリメチルホスフェート、トリエチル
ホスフェート、トリプロピルホスフェート、トリブチル
ホスフェート、ジメチルエチルホスフェート、メチルジ
エチルホスフェートなどが挙げられる。
【0054】式[4]で表されるリン酸エステルとし
て、具体的には次に示した構造式で表されるメチルエチ
レンホスフェート(1)、メチルトリメチレンホスフェ
ート(2)などが挙げられる。また、式[5]で表され
るリン酸エステルとして、具体的には、次の構造式
(3)、(4)、(5)で表される化合物を例示するこ
とができる。
【0055】
【化26】
【0056】これらのうち、トリメチルホスフェート、
トリエチルホスフェートが難燃性付与の点で効果が大き
いため好ましく、とくにトリメチルホスフェートが好ま
しい。
【0057】他 の 溶 媒 本発明において、ポリアルキレングリコールエーテル誘
導体およびリン酸エステルとからなる非水溶媒に添加す
る他の溶媒としては、誘電率の高い有機溶媒が通常使用
される。その中でも環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステ
ル等の炭酸エステルの使用が好ましく、炭酸エステルを
使用することにより、電池の充放電効率および負荷特性
を改善することができる。
【0058】好適な環状炭酸エステルは、次の一般式
[2]で表される化合物が選ばれる。
【化27】 ここで、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基を示し、R1とR2は互いに同一であっても異
なっていてもよい。アルキル基としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基を例示することができる。
【0059】このような式[2]で表される環状炭酸エ
ステルの例としては、エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、1,2-ブチレンカーボネート、2,3-ブチ
レンカーボネート、1,2-ペンチレンカーボネート、2,3-
ペンチレンカーボネートなどが挙げられる。これら環状
炭酸エステルは2種以上混合して使用してもよい。特
に、誘電率が高く、粘度及び凝固点の低いエチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、あるいはエチレン
カーボネートとプロピレンカーボネートとの混合溶媒が
好ましく使用される。これらの環状炭酸エステルが含ま
れていると、低温における電解質の溶解度を高めること
が可能であり、電解質の輸送が容易となり、さらに電解
液の電気伝導度を向上させることができる。
【0060】鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカー
ボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロ
ピルカーボネート、エチルプロピルカーボネートなどが
挙げられる。これら鎖状炭酸エステルは2種以上混合し
て使用してもよい。
【0061】このような鎖状炭酸エステルが非水溶媒中
に含まれていると、非水電解液の粘度を低くすることが
可能となり、電解質の溶解度をさらに高め、常温または
低温での電気伝導性に優れた電解液とすることできる。
鎖状炭酸エステル、特にジメチルカーボネートは、電解
液の自己消火性を高める作用があるので、好適に使用さ
れる。
【0062】環状炭酸エステルおよび/または鎖状炭酸
エステルを使用する時には、非水溶媒中の、一般式
[2]で表される環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステル
との混合割合は、重量比で表して、環状炭酸エステル:
鎖状炭酸エステルが、0:100〜100:0、好まし
くは5:95〜95:5、特に好ましくは20:80〜
85:15である。このような量で非水溶媒中に環状炭
酸エステルが含まれていると、非水電解液の電気伝導度
を高めることが可能であり、また鎖状炭酸エステルが含
まれていると、自己消火性に優れた非水電解液を得るこ
とができる。
【0063】炭酸エステル以外に使用可能な他の溶媒と
しては、次に示す化合物を挙げることができる。 1) 蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸メ
チル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチ
ル、プロピオン酸エチルなどの鎖状エステル類、 2) ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル類、 3) テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、 4) ジメチルホルムアミドなどのアミド類、 5) メチル-N,N-ジメチルカーバメートなどの鎖状力
―バメート類、 6) γ-ブチロラクトンなどの環状エステル類、 7) スルホランなどの環状スルホン類、 8) N-メチルオキサソリジノンなどの環状カーバメー
ト、 9) N-メチルピロリドンなどの環状アミド、 10)N,N-ジメチルイミダゾリドンなどの環状ウレア
等。
【0064】電 解 質 電解質の具体例としては、LiPF6、LiBF4、LiCl
4、LiAsF6、LiSiF6、LiC49SO3、LiC8
17SO3などのリチウム塩が挙げられる。また、次の
一般式で示されるリチウム塩も使用することができる。
LiOSO25、LiN(SO26) (SO27)、LiC
(SO28) (SO29) (SO21 0)、LiN(SO2OR
1 1) (SO2OR1 2)(ここで、R5〜R1 2は、互いに同一
であっても異なっていてもよく、炭素数1〜6のパーフ
ルオロアルキル基である)。これらのリチウム塩は単独
で使用してもよく、また2種以上を混合して使用しても
よい。
【0065】これらの内、特に、LiPF6、LiBF4
LiOSO211、LiN(SO212)(SO21 3)、LiC
(SO21 4) (SO21 5) (SO21 6)、LiN(SO2
1 7) (SO2OR1 8)が好ましい。これらリチウム塩の
うち、LiPF6およびLiBF4は、リン酸エステルとの
相乗作用で難燃性がより一層高くなることから特に好ま
しい。
【0066】非 水 電 解 液 本発明に係る非水電解液では、一般式[1]で表される
ポリアルキレングリコールエーテル誘導体と、リン酸エ
ステル化合物とを含む非水溶媒、および電解質とからな
っており、好ましくはさらに前述した他の溶媒を加えて
もよい。これらの各成分は次に説明する量割合で配合さ
れる。
【0067】本発明において、非水溶媒が、ポリアルキ
レングリコールエーテル誘導体およびリン酸エステルと
からなる場合、一般式[1]で表されるポリアルキレン
グリコールエーテル誘導体は、非水溶媒中に、0.001〜4
0重量%、好ましくは0.01〜20重量%、さらに好ましく
は0.1〜10重量%の量で添加されていることが望まし
い。このような配合割合量で非水溶媒中にポリアルキレ
ングリコールエーテル誘導体が添加されていると、リン
酸エステル化合物を添加する際に生じる電池の充放電効
率および負荷特性の低下を改善することができる。
【0068】また、リン酸エスデル化合物は、非水溶媒
中に、60〜99.999重量%、好ましくは80〜99.99重量
%、さらに好ましくは90〜99.9重量%の量で含まれてい
ることが望ましい。このような量割合で非水溶媒中にリ
ン酸エステル化合物が含まれていると、非水電解液に難
燃性を付与することができる。
【0069】環状エステルや鎖状炭酸エステル等の他の
溶媒をさらに混合して使用する場合には、一般式[1]
で表わされるポリアルキレングリコールエーテル誘導体
は、非水媒体全量、すなわちにポリアルキレングリコー
ルエーテル誘導体、リン酸エステル化合物および他の溶
媒の合計量、に対し通常0.001〜40重量%、好ましくは
0.01〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%の割合
で使用される。また同様の場合、リン酸エステル化合物
は、非水媒体全量に対し通常0.1〜99.999重量%、好ま
しくは1〜99.99重量%、さらに好ましくは3〜60重量%
の割合で使用される。
【0070】環状エステルや鎖状炭酸エステル等の他の
溶媒は、非水媒体全量に対し通常99.999重量%以下、好
ましくは98.9重量%以下、さらに好ましくは30〜96.9重
量%の割合で使用される。
【0071】さらに、電解質は、非水溶媒、ポリアルキ
レングリコールエーテル誘導体、リン酸エステル化合物
および電解質の合計体積を基準として、通常、0.1〜3モ
ル/リットル、好ましくは0.5〜2モル/リットルの濃度で
非水電解液中に含まれていることが望ましい。なお、本
発明の目的を損なわない範囲内で、他の添加物を配合す
ることができる。
【0072】二 次 電 池 本発明に係る二次電池は、負極と、正極と、前記の非水
電解液とを基本的に含んで構成されており、通常負極と
正極との間にセパレータが設けられている。
【0073】負極を構成する負極活物質としては、金属
リチウム、リチウム合金、リチウムイオンをドーブ・脱
ドーブすることが可能な炭素材料のいずれを用いること
ができる。これらの中でもリチウムイオンをドーブ・脱
ドーブすることが可能な炭素材料が好ましい。このよう
な炭素材料は、グラファイトであっても非晶質炭素であ
ってもよく、活性炭、炭素繊維、カーボンブラック、メ
ソカーボンマイクロビーズなどが用いられる。
【0074】負極活物質として、特にX線解析で測定し
た(002))面の面間隔(d002)が0.340n
m以下の炭素材料が好ましく、密度が1.70g/cm
3以上である黒鉛またはそれに近い性質を有する高結晶
性炭素材料が望ましい。このような炭素材料を使用する
と、電池のエネルギー密度を高くすることができる。
【0075】正極を構成する正極活物質としては、Mo
2、TiS2、MnO2、V25などの遷移金属酸化物ま
たは遷移金属硫化物、LiCoO2、LiMnO2、LiMn2
4、LiNiO2などのリチウムと遷移金属とからなる複
合酸化物が挙げられる。これ等の中でも、特にリチウム
と遷移金属とからなる複合酸化物が好ましい。負極がリ
チウム金属またはリチウム合金である場合は、正極とし
て炭素材料を用いることもできる。また、正極として、
リチウムと遷移金属の複合酸化物と炭素材料との混合物
を用いることもできる。
【0076】セパレータは多孔性の膜であって、通常微
多孔性ポリマーフィルムが好適に使用される。特に、多
孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には多
孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィ
ルム、または多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロ
ピレンとの多層フィルムを例示することができる。
【0077】このような非水電解液を含む二次電池は、
円筒型、コイン型、角型、その他任意の形状に形成する
ことができる。しかし、電池の基本構造は形状によらず
同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができ
る。次に、円筒型およびコイン型電池の構造について説
明するが、各電池を構成する負極活物質、正極活物質お
よびセバレータは、前記したものが共通して使用され
る。
【0078】例えば、円筒型二次電池の場合には、負極
集電体に負極活物質を塗布した負極と、正極集電体に正
極活物質を塗布した正極とを、非水電解液を注入したセ
バレータを介して巻回し、巻回体の上下に絶縁板を載置
した状態で電池缶に収納されている。
【0079】また、本発明に係る二次電池は、コイン型
二次電池にも適用することができる。コイン型電池で
は、円盤状負極、セバレータ、円盤状正極、およびステ
ンレスの板が、この順序に積層された状態でコイン型電
池缶に収納されている。
【0080】
【実施例】次に、実施例および比較例を通して本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定
されるものではない。
【0081】(実施例1) <非水電解液の調製>エチレンカーボネート(EC)、ジ
メチルカーボネート(DMC)、リン酸トリメチル(TMP
A)、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(PEGDM
E:n=4)の混合溶媒(重量比EC:DMC:TMPA:PEGDME=3
7.6:56.7:5.2:0.5)に電解質のLiPF6を溶解し、電解質
濃度1.0mol/リットルの非水電解液を調製した。
【0082】<負極の作製>(株)ペトカ製のメソフェ
ーズピッチマイクロファイバー(商品名:メンブロンミ
ルド、d002=0.336nm、密度2.21g/cm3)の炭素粉末95重
量部と、結着剤のポリフッ化ビニリデン(PVDF)5
重量部とを混合し、溶剤のN−メチルピロリドンに分散
させ、負極合剤スラリー(ペースト状)を調製した。
【0083】この負極合剤スラリーを厚さ20μmの帯
状銅箔製の負極集電体に塗布し、乾燥させたのち、帯状
の炭素負極を得た。乾燥後の負極合剤の厚さは25μm
であった。さらに、この帯状電極を直径15mmの円盤
状に打ち抜いた後、圧縮成形して負極電極とした。
【0084】<正極の作製>本庄ケミカル(株)製のLi
CoO2(製品名:HLC−21、平均粒径8μm)微粒子
91重量部と、導電材のグラファイト6重量部と、結着
剤のポリフッ化ビニリデン3重量部とを混合して正極合
剤を調製し、その後N−メチルピロリドンに分散させる
ことにより、正極合剤スラリーを得た。
【0085】このスラリーを厚さ20μmの帯状アルミニ
ウム箔製正極集電体に塗布し、乾燥させ、圧縮成形し
て、帯状正極を得た。乾燥後の正極合剤の厚さは40μ
mであった。さらにこの帯状電極を直径15mmの円盤
状に打ち抜くことによって正極電極とした。
【0086】<電池の作製>このようにして得られた円
盤状負極、円盤状正極、およびセパレータ(厚さ25μ
m、直径19mmの微多孔性ポリプロピレンフィルム)を
ステンレス製の2032サイズの電池缶に、負極、セパ
レータ、正極の順序で積層した。その後、セパレータに
前記非水電解液を注入し、ステンレス製の板(厚さ2.4
mm、直径15.4mm)を収納した。ポリプロピレン製の
ガスケットを介して、電池缶(蓋)をかしめることによ
り、電池内の気密性を保持し、直径20mm、高さ3.2m
mのコイン型非水電解液二次電池を作製した。
【0087】<放電容量の測定>このようにして作製し
た二次電池の充放電容量を測定した。なお、本実施例で
は、負極にLi+がドープされる電流方向を充電、脱ド
ープされる電流方向を放電とした。充電は、4.2V、1mA
定電流定電圧充電方法で行い、充電電流が50μA以下
になった時点で終了とした。放電は、1mAの定電流で行
い、電圧が2.7Vに達した時点で終了とした。この充放電
サイクルの充電容量と放電容量とから、次式により充放
電効率を計算し、その結果を表1に示した。 充放電効率(%)={放電容量(mAh/g)}/{充
電容量(mAh/g)}×100
【0088】く非水電解液の自己消火性評価>前記非水
電解液の入ったビーカー中に、1 5mm、長さ30cmの短冊
状に切断した厚さ0.04mmのセパレーター用マニラ紙を1
分以上浸した。マニラ紙から滴り落ちる過剰の非水電解
液をビーカー壁で拭い、マニラ紙を2.5 cm間隔で支持針
を有するサンプル台の支持針に刺して水平に固定した。
マニラ紙を固定したサンプル台を25 cm×2 5 cm×5 0 c
mの金属製の箱に入れ、一端をライターで着火し、セパ
レーター紙の燃えた長さを測定し、燃焼長がlcm未満の
場合を自己消火性があると評価し、その結果を表1に示
した。
【0089】(実施例2〜3)実施例1において、平均
分子量の異なるPEGDMEを使用した以外は実施例1と同様
にして、電池の充放電効率と電解液の自己消火性を評価
した。結果を表1に示す。
【0090】(実施例4〜8)実施例1において、混合
溶媒にEC、DMC、TMPA、PEGDMEの混合比、及びPEGDMEの
平均分子量を変化させた以外は実施例1と同様にして、
電池の充放電効率と電解液の自己消火性を評価した。結
果を表1に示す。
【0091】(実施例9〜11)実施例1において、混
合溶媒のアルキレングリコールエーテル誘導体にポリプ
ロピレングリコールジメチルエーテル(PPGDME)を使用
し、更にEC、DMC、TMPA、PPGDMEの混合比、及び PPGDME
の平均分子量を変化させた以外は、実施例1と同様にし
て、電池の充放電効率と電解液の自己消火性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0092】(実施例12)実施例9において、混合溶
媒のアルキレングリコールエーテル誘導体にポリプロピ
レングリコールモノメチルエーテル(PPGMME:平均分子
量1000)を使用した以外は、実施例9と同様にして、電
池の充放電効率と電解液の自己消火性を評価した。結果
を表1に示す。
【0093】(実施例13〜17)実施例5において、
混合溶媒のアルキレングリコールエーテル誘導体として
平均分子量の異なるポリエチレングリコール(PEG)を使
用した以外は、実施例5と同様にして、電池の充放電効
率と電解液の自己消火性を評価した。結果を表1に示
す。
【0094】(実施例18)実施例5において、混合溶
媒のアルキレングリコールエーテル誘導体として化合物
(6)(平均分子量2000)を使用した以外は、実施例5
と同様にして、電池の充放電効率と電解液の自己消火性
を評価した。結果を表1に示す。
【0095】(実施例19)実施例5において、混合溶
媒のアルキレングリコールエーテル誘導体として下記化
合物(7)を使用した以外は、実施例5と同様にして、
電池の充放電効率と電解液の自己消火性を評価した。結
果を表1に示す。
【0096】(実施例20)実施例5において、混合溶
媒のアルキレングリコールエーテル誘導体として下記化
合物(8)を使用した以外は、実施例5と同様にして、
電池の充放電効率と電解液の自己消火性を評価した。結
果を表1に示す。
【0097】(実施例21)実施例5において、混合溶
媒のアルキレングリコールエーテル誘導体として化合物
(9)(平均分子量2900)を使用した以外は、実施例5
と同様にして、電池の充放電効率と電解液の自己消火性
を評価した。結果を表1に示す。
【0098】(実施例22)実施例5において、混合溶
媒のアルキレングリコールエーテル誘導体として化合物
(10)を使用した以外は、実施例5と同様にして、電
池の充放電効率と電解液の自己消火性を評価した。結果
を表1に示す。
【0099】(実施例23)実施例5において、混合溶
媒のアルキレングリコールエーテル誘導体として化合物
(11)(平均分子量1000)を使用した以外は、実施例
5と同様にして、電池の充放電効率と電解液の自己消火
性を評価した。結果を表1に示す。
【0100】
【化28】 (註)PO;プロピレンオキシド基 EO;エチレン
オキシド基
【0101】(比較例1)実施例1において、混合溶媒
としてアルキレングリコールエーテル誘導体を含まない
混合溶媒(重量比EC:DMC:TMPA=31.7:47.8:20.5)を用
いた以外は、実施例1と同様にして、電池の充放電効率
と電解液の自己消火性を評価した。結果を表1に示す。
【0102】(比較例2)実施例1において、混合溶媒
としてTMPA及びアルキレングリコールエーテル誘導体を
含まない混合溶媒(重量比EC:DMC=35.0:65.0)を用い
た以外は、実施例1と同様にして、電池の充放電効率と
電解液の自己消火性を評価した。結果を表1に示す。
【0103】(実施例24)実施例7において、負極の
炭素粉末に中越黒鉛(株)製の天然黒鉛(商品名:LF-1
8A、d002=0.335nm、密度2.26g/cm3)を用いた以外は実
施例1と同様に行って、電池の充放電効率と電解液の自
己消火性を評価した。結果を表1に示す。
【0104】(実施例25)実施例7において、負極の
炭素粉末に大阪ガス(株)製のメソカーボンマイクロビー
ズ (商品名:MCMB6-28、d002=0.337nm、密度2.17g/cm
3)を用いた以外は実施例1と同様に行い、電池の充放電
効率と電解液の自己消火性を評価した。結果を表1に示
す。
【0105】(比較例3)実施例24において、混合溶
媒としてアルキレングリコールエーテル誘導体を含まな
い混合溶媒(重量比EC:DMC:TMPA=31.7:47.8:20.5)を
用いた以外は、実施例24と同様にして、電池の充放電
効率と電解液の自己消火性を評価した。結果を表1に示
す。
【0106】(比較例4)実施例25において、混合溶
媒としてアルキレングリコールエーテル誘導体を含まな
い混合溶媒(重量比EC:DMC:TMPA=31.7:47.8:20.5)を
用いた以外は、実施例25と同様にして、電池の充放電
効率と電解液の自己消火性を評価した。結果を表1に示
す。
【0107】
【発明の効果】本発明に係る非水電解液は、難燃性評価
が高く、電池の充放電性能に優れている。またこの非水
電解液を用いた二次電池は、難燃性に優れており、高電
圧を発生させることができ、充放電特性にも優れてお
り、リチウムイオン二次電池として好適である。
【0108】
【表1】
【0109】
【表2】
【0110】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 剛史 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 (72)発明者 丹 弘明 千葉県袖ヶ浦市長浦字拓二号580番32 三 井化学株式会社内 (72)発明者 石徳 武 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ12 AK02 AK03 AK05 AK06 AL06 AL12 AM01 AM02 AM03 AM07 BJ02 BJ03 HJ01 HJ02

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1]で表されるポリアルキ
    レングリコールエーテル誘導体と、リン酸エステル化合
    物とを含む非水溶媒と、電解質とからなることを特徴と
    する非水電解液。 【化1】 (式中、Rは水素または炭素数1から20の炭化水素基
    であり、 R’は水素、炭素数1から20の炭化水素基、−CO
    R”、または−COOR”であり、ここでR”は水素、
    アルキル基またはフェニル基であって、 RとR’とは互いに同一であっても異なっていてもよ
    く、 AおよびBは炭素数2から8のアルキレン基またはフェ
    ニレン基であって、互いに同一であっても異なっていて
    もよく、 jは0から2000までの整数であり、kは0または1
    であり、lは0から2000までの整数であり、j+l
    は1から4000までの整数、mは1から100までの
    整数であり、nは1から4までの整数である。)
  2. 【請求項2】 前記の非水溶媒が、さらに一般式[2]で
    表される環状炭酸エステルおよび/または鎖状炭酸エス
    テルとを含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解
    液。 【化2】 (式中、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜3の
    アルキル基を示し、R1とR2は互いに同一でも異なって
    いてもよい。)
  3. 【請求項3】 前記一般式[2]で表される環状炭酸エ
    ステルが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
    ートまたはブチレンカーボネートであることを特徴とす
    る請求項2記載の非水電解液。
  4. 【請求項4】 前記鎖状炭酸エステルが、ジメチルカー
    ボネートまたはジエチルカーボネートであることを特徴
    とする請求項2記載の非水電解液。
  5. 【請求項5】 前記一般式[1]において、mおよびn
    が共に1であることを特徴とする請求項1記載の非水電
    解液。
  6. 【請求項6】 前記一般式[1]において、kが0であ
    ることを特徴とする請求項1記載の非水電解液。
  7. 【請求項7】 前記一般式[1]において、kが0、か
    つnが1であることを特徴とする請求項1記載の非水電
    解液。
  8. 【請求項8】 前記一般式[1]において、AおよびB
    がエチレン基またはプロピレン基であることを特徴とす
    る請求項1記載の非水電解液。
  9. 【請求項9】 前記一般式[1]において、j+lが4か
    ら2500までの整数であることを特徴とする請求項1
    記載の非水電解液。
  10. 【請求項10】 前記一般式[1]で表されるポリアル
    キレングリコールエーテル誘導体の平均分子量が150〜1
    00000であることを特徴とする請求項1記載の非水電解
    液。
  11. 【請求項11】 前記一般式[1]において、Rおよび
    R’が水素または炭素数が1から9のアルキル基である
    ことを特徴とする請求項1記載の非水電解液。
  12. 【請求項12】 前記一般式[1]で表される化合物
    が、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンフェニ
    レングリコール、ポリアルキレンモノアルキルエーテ
    ル、ポリアルキレンフェニレングリコールモノアルキル
    エーテル、ポリアルキレングリコールモノフェニレンエ
    ーテル、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテ
    ル、ポリアルキレンフェニレングリコールジアルキルエ
    ーテル、ポリアルキレングリコールアルキルフェニルエ
    ーテル、ポリアルキレングリコールジフェニルエーテル
    からなる群から選ばれたいずれかの化合物であることを
    特徴とする請求項1記載の非水電解液。
  13. 【請求項13】 前記一般式[1]で表される化合物
    が、次の化学式で表されるいずれかの化合物であること
    を特徴とする請求項1記載の非水電解液。 HO(CH2CH2O)a H HO{CH2CH(CH3)O}b H CH3O(CH2CH2O)c H CH3O{CH2CH(CH3)O}d H CH3O(CH2CH2O)e CH3 CH3O{CH2CH(CH3)O}f CH3919PhO(CH2CH2O)g − {CH(CH3)O}h CH3 (Phはフェニレン基) CH3O{CH2CH(CH3)O}i − CO{O(CH3)CHCH2jOCH3 (前記の式中、a〜jは2〜2000の整数であり、4
    <g+h≦2500、4<i+j≦2500である。)
  14. 【請求項14】 前記リン酸エステル化合物が、下記一
    般式[3]〜[5]で表されるリン酸エステルであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の非水電解液。 【化3】 ・・・・・[3] 【化4】 ・・・・・[4] 【化5】 ・・・・・[5] (式中、R3〜R6は互いに同一であっても異なっていて
    もよく、炭素数1〜6のアルキル基またはフッ素置換ア
    ルキル基を示す。−(C)−は、直鎖状または分岐状の炭
    化水素基であり、r、s、t、uは炭素数を示し、rは
    2〜8の整数であり、s、t、uは互いに同一であって
    も異なっていてもよく0〜12の整数であり、 s、t、
    uの少なくとも1つは1以上の整数である。)
  15. 【請求項15】 前記リン酸エステル化合物が、トリメ
    チルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロ
    ピルホスフェート、トリブチルホスフェート、ジメチル
    エチルホスフェート、メチルジエチルホスフェート、メ
    チルエチレンホスフェート、メチルトリメチレンホスフ
    ェート、トリメチロールエタンホスフェートなる群から
    選ばれたいずれかの化合物であることを特徴とする請求
    項14記載の非水電解液。
  16. 【請求項16】 前記リン酸エステル化合物が、トリメ
    チルホスフェート、またはトリエチルホスフェートであ
    ることを特徴とする請求項14記載の非水電解液。
  17. 【請求項17】 電解質がリチウム塩であることを特徴
    とする請求項1記載の非水電解液。
  18. 【請求項18】 前記一般式[1]で表されるポリアル
    キレングリコールエーテル誘導体が、非水溶媒中に0.
    001〜40重量%の量で配合されていることを特徴と
    する請求項1記載の非水電解液。
  19. 【請求項19】 前記リン酸エステル化合物が、非水溶
    媒中に60〜99.999重量%の量で配合されている
    ことを特徴とする請求項1記載の非水電解液。
  20. 【請求項20】 非水電解液がリチウムイオン二次電池
    用電解液であることを特徴とする請求項1記載の非水電
    解液。
  21. 【請求項21】 請求項1、2、3、13または14記
    載のいずれかの非水電解液を含む二次電池。
  22. 【請求項22】 負極活物質として金属リチウム、リチ
    ウム含有合金、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可
    能な炭素材料のいずれかを含む負極と、正極活物質とし
    てリチウムと遷移金属の複合酸化物、炭素材料またはこ
    れらの混合物のいずれかを含む正極と、電解液として請
    求項1、2、3、13または14記載のいずれかの非水
    電解液とを含むことを特徴とする二次電池。
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