JP2000162743A - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯時にはコンパクトな外形となり、撮影時
には指写りなどの撮影ミスを防止したレンズ付きフイル
ムユニットを提供する。 【解決手段】 レンズ付きフイルムユニット２は、収納
位置においては、大型の部品であるメインコンデンサ２
３が、ファインダ側壁１８ａに設けられたコンデンサ収
納穴２５からファインダ装置１３の光路内に収納される
ので、従来の開閉型レンズ付きフイルムユニットより
も、大幅に横幅を短くすることが可能になり、携帯性が
非常に向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、携帯性に優れたレ
ンズ付きフイルムユニットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】写真フイルムとフイルムカートリッジと
を製造時に予めユニット本体に組み込んだレンズ付きフ
イルムユニットは、手軽に写真撮影ができる簡易型のカ
メラとして、広く一般に普及している。このようなレン
ズ付きフイルムユニットを構成するユニット本体は、カ
ートリッジ室とフイルム室とが設けられたプラスチック
製の本体基部にシャッタ機構を組み付け、その前後にプ
ラスチックの成形品からなる前カバーと後カバーとを組
み付けて構成されている。このようなレンズ付きフイル
ムユニットには、ストロボ内蔵型、パノラマ撮影用、望
遠撮影用など、機能的な相違に応じて様々な機種が用意
されている。

【０００３】近年、レンズ付きフイルムユニットの携帯
性を更に向上させ、使い勝手を良くするために、ユニッ
ト本体を小型化したコンパクトタイプのものがある。特
に、本出願人等から提唱され、近年急速に普及しつつあ
る「Advanced Photo System」で用いられるフイルムカ
ートリッジは従来の１３５フイルムカートリッジよりも
小型であり、また写真フイルム１コマ分のフレームサイ
ズも小さくなっているためユニット本体をさらにコンパ
クト化することが可能となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述したような各種レ
ンズ付きフイルムユニットの内、特にストロボ装置を内
蔵したタイプのものは、ストロボ装置を構成するメイン
コンデンサや乾電池が構成部品として相当に大きく、ユ
ニット本体全体の体積に占める割合が高いので、これら
メインコンデンサや乾電池の取り扱いがレンズ付きフイ
ルムユニットの小型化のポイントとなっている。しかし
ながら、一定の蓄電容量が必要なメインコンデンサ、及
び大きさの規格が決まっている乾電池の小型化は難し
く、従来の製品よりも更にレンズ付きフイルムユニット
を小型化することには限界があった。

【０００５】また、レンズ付きフイルムユニットの小型
化は携帯時には非常に便利であるが、一方で、撮影時に
は逆に扱いにくくなるという問題も生じる。特に、撮影
者の手指が撮影レンズの画角内に入っていることに気づ
かずにそのまま撮影してしまう、いわゆる指写り撮影の
ミスが出やすくなることが懸念される。

【０００６】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、携帯時にはコンパクトな外形となり、撮影時には指
写りなどの撮影ミスを防止したレンズ付きフイルムユニ
ットを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、予め未露光の写真フイルムを収納し、
ファインダやシャッタ装置等からなる簡単な撮影機構を
備えたユニット本体と、このユニット本体を覆う外ケー
スと、コンデンサやストロボ放電管等を備えたストロボ
装置とからなるレンズ付きフイルムユニットにおいて、
前記外ケースの少なくとも一部を、前記ユニット本体を
完全に覆う収納位置と前記ユニット本体の一部を露出さ
せる使用位置との間で、前記ユニット本体の横幅方向に
移動可能にするとともに、この外ケースの移動可能な部
分の内面側に前記ストロボ装置を設け、前記外ケースが
前記収納位置にあるときには、前記コンデンサの少なく
とも一部が前記ファインダの光路内に進入した状態とな
るものである。

【０００８】また、予め未露光の写真フイルムを収納
し、ファインダやシャッタ装置等からなる簡単な撮影機
構を備えたユニット本体と、このユニット本体を覆う外
ケースと、コンデンサや乾電池等を備えたストロボ装置
とからなるレンズ付きフイルムユニットにおいて、前記
外ケースの少なくとも一部を、前記ユニット本体を完全
に覆う収納位置と前記ユニット本体の一部を露出させる
使用位置との間で、前記ユニット本体の横幅方向に移動
可能にするとともに、この外ケースの移動可能な部分の
内面側に前記ストロボ装置を設け、前記外ケースが前記
収納位置にあるときには、前記乾電池の少なくとも一部
が前記ファインダの光路内に進入した状態となるもので
ある。

【０００９】

【発明の実施の形態】図２は、本発明のレンズ付きフイ
ルムユニットの使用時の様子を示す外観斜視図であり、
図４は、図２のレンズ付きフイルムユニットの収納時の
様子を示す外観斜視図である。レンズ付きフイルムユニ
ット２は、ユニット本体３と、このユニット本体３を露
出可能に覆う外ケース４とからなる。ユニット本体３の
前面には、撮影機構を構成する撮影レンズ１１、及びフ
ァインダ装置１３等が設けられている。

【００１０】外ケース４は、右ケース５と左ケース６と
からなる。左ケース６は、ユニット本体３に固着して左
側部分を覆う。一方、右ケース５は、ユニット本体３の
上部と下部に設けられたスライドレール３ａに係合して
いる。そして、図４に示す収納位置と図２に示す使用位
置との間で、ユニット本体３の横幅方向に対して左右に
スライド可能な構造となっており、収納位置において
は、レンズ付きフイルムユニット２の横幅は短くコンパ
クトになり、使用位置においては横幅は長くなる。

【００１１】左ケース６の上面には、ユニット本体３に
形成された撮影機構（図示せず）のシャッタを動作させ
るレリーズボタン６ａが形成されている。また、ユニッ
ト本体３上部の撮影枚数表示板を観察するための撮影枚
数表示窓６ｂが形成されている。

【００１２】右ケース５の前面上方には、後述するスト
ロボ装置を構成するストロボ発光部１２が設けられてお
り、前面下方には、このストロボ装置の充電を開始させ
るストロボ充電スイッチ５ａが形成されている。

【００１３】図３は、本発明のレンズ付きフイルムユニ
ットの上面を破断した状態の要部説明図であり、図１
は、図３の収納時における要部説明図である。右ケース
５の内面側には、ストロボ装置２１が取り付けられる。
このストロボ装置２１は、ストロボ回路を構成する各種
部品が搭載されたストロボ回路基板２２と、このストロ
ボ回路基板２２の一端に取り付けられたメインコンデン
サ２３と、ストロボ放電管等からなり、右ケース５の前
面に露出しているストロボ発光部１２、ストロボ充電ス
イッチ５ａとからなる。これらストロボ装置２１は、右
ケース５の左右方向のスライド操作により一体となって
動く。

【００１４】一方、ユニット本体３の中央上部に設けら
れたファインダ装置１３は、ファインダ接眼レンズ１
６、ファインダ対物レンズ１７、及びこのファインダ装
置１３の光路を形成するファインダ側壁１８ａ，１８ｂ
とからなる。これらファインダ側壁の内、ストロボ装置
２１寄りのファインダ側壁１８ａには、メインコンデン
サ２３の直径よりも僅かに大きい円形のコンデンサ収納
穴２５が形成されている。

【００１５】このような構成により、図２、図３に示す
レンズ付きフイルムユニット２の使用位置から右ケース
５をスライドさせ、図１、図４に示す収納位置に移動さ
せると、ストロボ装置２１も一体に左方向に移動する。
そして、メインコンデンサ２３の円筒部分がファインダ
側壁１８ａのコンデンサ収納穴２５からファインダ装置
１３の光路内に入り込んで収納される。

【００１６】また、レンズ付きフイルムユニット２の収
納位置から使用位置に右ケース５をスライドさせると、
メインコンデンサ２３の円筒部分がファインダ装置１３
の光路内から引き出され、ファインダ装置１３の使用が
可能になる。

【００１７】以上ような構成のレンズ付きフイルムユニ
ットの作用について説明する。本発明のレンズ付きフイ
ルムユニット２は、図１、図４に示す収納位置において
は、大型の部品であるメインコンデンサ２３が、ファイ
ンダ側壁１８ａに設けられたコンデンサ収納穴２５から
ファインダ装置１３の光路内に収納されるので、従来の
開閉型レンズ付きフイルムユニットよりも、大幅に横幅
を短くすることが可能になり、携帯性が非常に向上す
る。また、撮影レンズ１１、及びファインダ装置１３等
が外ケース４に覆われることにより、表面に擦り傷が生
じたり、ゴミやホコリで汚れたりすることがない。

【００１８】一方、図２、図３に示すレンズ付きフイル
ムユニット２の使用位置においては、メインコンデンサ
２３がファインダ装置１３の光路内から引き出されてフ
ァインダ装置１３が使用可能になると共に、収納位置よ
りも横幅が長くなるので、撮影時のホールド性が大幅に
向上する。また、レンズ付きフイルムユニット２の左側
端と撮影レンズ１１との距離も長くなるので、撮影者の
右手指が撮影範囲内に入ることがなくなり、指写りによ
る撮影の失敗を効果的に防止することができる。

【００１９】図５は、本発明の第２の実施形態を示す断
面図である。上述した第１の実施形態では、収納位置に
おいてファインダ装置内にメインコンデンサが収納され
るようにしたが、第２の実施形態においては、乾電池を
収納するようにしたものである。レンズ付きフイルムユ
ニット３１の外ケースを構成する右ケース３２は、ユニ
ット本体３３にスライド自在に取り付けられており、こ
の右ケース３２の内部にストロボ装置３４が取り付けら
れている。

【００２０】ストロボ装置３４のストロボ回路基板３５
には、乾電池３６を保持する電池ホルダを兼ねた電池接
片３７ａ，３７ｂが取り付けられている。この電池接片
３７ａ，３７ｂに、乾電池３６の正極，負極が各々接触
する。

【００２１】一方、ユニット本体３３の中央付近には、
ファインダ装置３８が設けられている。このファインダ
装置３８のストロボ装置３４側のファインダ側壁３９に
は、収納位置においてファインダ装置３８内に乾電池３
６が入り込むための乾電池収納穴４０が設けられてい
る。

【００２２】このような構成により、レンズ付きフイル
ムユニット３１の収納位置においては、大型の部品であ
る乾電池３６が、ファインダ側壁３９に設けられた乾電
池収納穴４０からファインダ装置３８の光路内に収納さ
れるので、従来の開閉型レンズ付きフイルムユニットよ
りも、大幅に横幅を短くすることが可能になり、コンデ
ンサの収納の例と同様に、レンズ付きフイルムユニット
３１の携帯性が非常に向上する。

【００２３】なお、上述した各実施形態においては、外
ケースを構成する左ケースをユニット本体に対してスラ
イド可能にし、他方をユニット本体に固定したが、勿
論、右ケースと左ケースの両方をスライド可能にしても
よい。

【００２４】また、収納位置においてメインコンデン
サ、又は乾電池をファインダ装置内に導入する各々の収
納穴を、一方のファインダ側壁だけに設けたが、勿論、
両方のファインダ側壁にコンデンサ収納穴、乾電池収納
穴をそれぞれ設け、収納位置においては、メインコンデ
ンサ又は乾電池がファインダ装置を完全に貫通するよう
に収納してもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上のように、本発明では、予め未露光
の写真フイルムを収納し、ファインダやシャッタ装置等
からなる簡単な撮影機構を備えたユニット本体と、この
ユニット本体を覆う外ケースと、コンデンサやストロボ
放電管等を備えたストロボ装置とからなるレンズ付きフ
イルムユニットにおいて、前記外ケースの少なくとも一
部を、前記ユニット本体を完全に覆う収納位置と前記ユ
ニット本体の一部を露出させる使用位置との間で、前記
ユニット本体の横幅方向に移動可能にするとともに、こ
の外ケースの移動可能な部分の内面側に前記ストロボ装
置を設け、前記外ケースが前記収納位置にあるときに
は、前記コンデンサの少なくとも一部が前記ファインダ
の光路内に進入した状態となるようにしたので、携帯時
にはコンパクトな外形となり、撮影時には指写りなどの
撮影ミスを防止したレンズ付きフイルムユニットを提供
することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のレンズ付きフイルムユニットの上面を
破断した状態の要部説明図である。

【図２】本発明のレンズ付きフイルムユニットの使用時
の様子を示す外観斜視図である。

【図３】図１の収納時における要部説明図である。

【図４】図２のレンズ付きフイルムユニットの収納時の
様子を示す外観斜視図である。

【図５】本発明の第２の実施形態における要部説明図で
ある。

【符号の説明】

２ レンズ付きフイルムユニット ３ ユニット本体 ４ 外ケース ５ 右ケース ６ 左ケース １３ ファインダ装置 １８ａ，１８ｂ ファインダ側壁 ２１ ストロボ装置 ２５ コンデンサ収納穴

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 予め未露光の写真フイルムを収納し、フ
   ァインダやシャッタ装置等からなる簡単な撮影機構を備
   えたユニット本体と、このユニット本体を覆う外ケース
   と、コンデンサやストロボ放電管等を備えたストロボ装
   置とからなるレンズ付きフイルムユニットにおいて、 前記外ケースの少なくとも一部を、前記ユニット本体を
   完全に覆う収納位置と前記ユニット本体の一部を露出さ
   せる使用位置との間で、前記ユニット本体の横幅方向に
   移動可能にするとともに、この外ケースの移動可能な部
   分の内面側に前記ストロボ装置を設け、前記外ケースが
   前記収納位置にあるときには、前記コンデンサの少なく
   とも一部が前記ファインダの光路内に進入した状態とな
   ることを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。
2. 【請求項２】 予め未露光の写真フイルムを収納し、フ
   ァインダやシャッタ装置等からなる簡単な撮影機構を備
   えたユニット本体と、このユニット本体を覆う外ケース
   と、コンデンサや乾電池等を備えたストロボ装置とから
   なるレンズ付きフイルムユニットにおいて、 前記外ケースの少なくとも一部を、前記ユニット本体を
   完全に覆う収納位置と前記ユニット本体の一部を露出さ
   せる使用位置との間で、前記ユニット本体の横幅方向に
   移動可能にするとともに、この外ケースの移動可能な部
   分の内面側に前記ストロボ装置を設け、前記外ケースが
   前記収納位置にあるときには、前記乾電池の少なくとも
   一部が前記ファインダの光路内に進入した状態となるこ
   とを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。