JP2000162736A - 写真フィルムカートリッジ及びその遮光部材 - Google Patents

写真フィルムカートリッジ及びその遮光部材

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JP2000162736A
JP2000162736A JP10336117A JP33611798A JP2000162736A JP 2000162736 A JP2000162736 A JP 2000162736A JP 10336117 A JP10336117 A JP 10336117A JP 33611798 A JP33611798 A JP 33611798A JP 2000162736 A JP2000162736 A JP 2000162736A
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light
shielding member
photographic film
fibers
binder
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JP10336117A
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English (en)
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Satoru Tsurumaki
悟 鶴巻
Hiroshi Tanaka
広志 田中
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Fujifilm Holdings Corp
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮光性に優れ、繊維の抜けも発生しない遮光
部材及びその遮光部材を備えた写真フィルムカートリッ
ジを得ることを目的とする。 【解決手段】 カートリッジ本体16には写真フィルム
12の出口となるポート部24が突出して設けられてお
り、ポート部24の先端にはスリット状のポート口26
が設けられている。ポート部24の内壁両面には、ポー
ト口26からカートリッジ本体16内に光が漏れるのを
防止する遮光部材28が固着されている。この遮光部材
28は、立毛部を有するバインダ接着不織布であり、立
毛部の繊維がループ状であるため、遮光部材28はクッ
ション性に富み、容易に写真フィルム12のパーフォレ
イト部に侵入して遮光することができると共に、繊維の
脱落が生じにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真フィルムカー
トリッジ及びその遮光部材、特に、遮光性に優れ、繊維
の抜けも発生しない遮光部材及びその遮光部材を備えた
写真フィルムカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明に関する遮光部材は、写真フィル
ムパトローネのパトローネ本体や印画紙、印刷用感材を
収納するマガジンやカートリッジ等に形成された感光材
料貫通用のスリット状開口の上下内壁面に、遮光のため
に貼着されているものである。この遮光部材が布である
場合、これを遮光用テレンプと呼んでいる。この遮光用
テレンプとしては、実公昭37−21388号公報に記
載されているように、織物構造の基布にパイル糸を織り
込んで形成されたものや、実公昭61−34526号公
報に記載されているように、編物構造の基布にパイル糸
を織り込んで形成されたパイル編物が用いられている。
【0003】しかしながら、これらの織物や編物は製造
工程が長い上に非常に複雑で、コスト的にも高いもので
あった。そこで、実開昭51−127737号公報、特
開平9−120116号公報、特開平10−39451
号公報等に記載されているように、コストの安い不織布
を使用した遮光部材も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の写真フィルムカ
ートリッジの遮光部材は、以上のように構成されていた
が、織物や編物を使用した遮光部材では、立毛の根元部
分に隙間を生じ易いため、遮光性の点で十分なものでは
なく、写真フィルムカートリッジ内に光が侵入して不用
意に写真フィルムの感光材料を露光してしまうという問
題点があった。また、不織布を使用した遮光部材では、
繊維の抜けが発生し易く、抜けた繊維が写真フィルムの
表面に付着して写真撮影の妨げになるという問題点があ
った。
【0005】そこで本発明は、従来の問題点を解消する
ためになされたものであり、遮光性に優れ、繊維の抜け
も発生しない遮光部材及びその遮光部材を備えた写真フ
ィルムカートリッジを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、繊維ウェブと、この繊維ウェブの繊維を互いに
接着するバインダとを有する不織布からなる遮光部材で
あって、遮光部材は立毛部を有し、その立毛部の繊維は
ループ状であることを特徴とする遮光部材である。
【0007】請求項2に記載の発明は、遮光部材の立毛
部側に、繊維質量に対して0.01〜5質量%のバイン
ダが付着していることを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、遮光部材の非立
毛部側に、繊維質量に対して5〜30質量%のバインダ
が付着していることを特徴とする。
【0009】請求項4に記載の発明は、遮光部材に補強
材が挿入されていることを特徴とする。
【0010】請求項5に記載の発明は、繊維ウェブに繊
度1〜15デニールの繊維が含まれていることを特徴と
する。
【0011】請求項6に記載の発明は、写真フィルムが
巻回されるスプールと、写真フィルムが出し入れされる
ポート部を備え、スプールを内部に収納するカートリッ
ジ本体と、このカートリッジ本体の側部に配設され、ス
プールを回転自在に保持するエンドキャップと、カート
リッジ本体のポート部内面に固着される請求項1〜5の
いずれか1項に記載される遮光部材とを備えたことを特
徴とする写真フィルムカートリッジである。
【0012】この発明によれば、遮光部材は立毛部を有
し、その立毛部の繊維はループ状であるので、遮光部材
はクッション性(弾性)に富み、容易に写真フィルムの
パーフォレイト部に侵入して遮光することができる。ま
た、立毛部の繊維は、シャーリング処理又はバフィング
処理を施していない点から繊維の脱落が生じにくい。
【0013】また、遮光部材の立毛部側に、繊維質量に
対して0.01〜5質量%のバインダが付着しているの
で、弾性を損なわずに繊維の脱落を防止することがで
き、写真フィルムとの密着性も損なわれず、遮光性に優
れている。
【0014】また、遮光部材の非立毛部側に、繊維質量
に対して5〜30質量%のバインダが付着しているの
で、繊維の脱落を防止できると共に、遮光部材に腰を持
たせることができるため、遮光部材を裁断する際の寸法
安定性等に優れる。
【0015】また、遮光部材に補強材が挿入されている
ので、遮光部材に腰を持たせることができる。
【0016】また、繊維ウェブに繊度1〜15デニール
の繊維が含まれているので、弾性に優れ、写真フィルム
を傷つけることもなく、遮光性に優れる。
【0017】さらに、以上のような遮光部材をカートリ
ッジ本体のポート部内面に固着することにより、遮光性
に優れ、繊維の抜けも生じにくい写真フィルムカートリ
ッジが得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
に係る写真フィルムカートリッジ及びその遮光部材の実
施形態について説明する。
【0019】図1は、本発明の実施形態1による写真フ
ィルムカートリッジを示す分解斜視図である。なお、各
図中、同一符号は同一又は相当する部材を示す。図にお
いて、写真フィルムカートリッジ10は、写真フィルム
12をスプール14にロール状に巻回し、これを金属製
のカートリッジ本体16内に収納している。カートリッ
ジ本体16の両端には、金属製のエンドキャップ18,
20が配設され、カートリッジ本体16を遮光して閉鎖
すると共に、スプール14を回転自在となるように保持
する。写真フィルム12の両側部には、写真フィルムカ
ートリッジ10から写真フィルム12を引き出す場合等
に使用されるパーフォレイト開口(スプロケット穴)2
2が形成されている。
【0020】図2は、図1に示した写真フィルムカート
リッジを示す側断面図である。図において、カートリッ
ジ本体16には写真フィルム12が出し入れされるポー
ト部24が突出して設けられており、ポート部24の先
端にはスリット状のポート口26が設けられている。ポ
ート部24の内壁両面には、ポート口26からカートリ
ッジ本体16内に光が漏れるのを防止する遮光部材28
が接着剤(図示しない)により固着されている。
【0021】図3は、本発明の実施形態2による遮光部
材を示す概略拡大断面図である。図において、遮光部材
28は、接着剤30によりポート部24の内面に固着さ
れており、遮光部材28は、繊維ウェブの繊維28aを
バインダ28bで接着したバインダ接着不織布からな
る。
【0022】遮光部材28は立毛部28cを有し、その
立毛部28cを構成する繊維28aは、ループ状になっ
ている。そのため、クッション性(弾性)に富み、容易
に写真フィルムのパーフォレイト部に侵入して遮光する
ことができる。ループ状になっているということは、シ
ャーリング処理又はバフィング処理を実施していないこ
とになるため、この点からも繊維の脱落が生じにくいと
いう利点を有する。
【0023】また、図3に示す遮光部材28は、写真フ
ィルム12と当接する立毛部側に、繊維質量に対して
0.01〜5質量%のバインダ28bが付着している。
そのため、繊維28aの脱落を防止することができ、弾
性を損なうこともない。従って、写真フィルム12との
密着性も損なわれず、遮光性に優れている。ここで、バ
インダ28bの付着量は、繊維質量に対して0.01〜
5質量%の範囲が望ましく、0.01質量%未満では繊
維の脱落が発生しやすく、5質量%を越えると遮光部材
28の弾性がなくなって写真フィルム12との密着性が
損なわれる結果として、遮光性が悪くなるので、望まし
くない。バインダ28bの好適な付着量の範囲は、繊維
質量に対して0.05〜3質量%であり、さらに好適な
付着量の範囲は0.1〜1質量%である。なお、立毛部
側とは、立毛部表面から厚さの2分の1までの範囲をい
い、この範囲内に0.01〜5質量%のバインダが付着
しているのが好ましい。本発明における厚さとは、10
g/cm2荷重時の厚さをいう。
【0024】また、不織布を構成する繊維としては、一
般的な種々の合成繊維を使用でき、例えばポリプロピレ
ン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン6繊維、ナイロン
66繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン
繊維等が使用できる。これらの繊維を単独で使用するだ
けでなく、2種以上混合して使用しても良い。また、カ
ーボンを練り込む等により繊維を黒色に着色すると、光
を透過し難いため、遮光性により優れているので望まし
い。
【0025】さらに、不織布には繊度1〜15デニール
程度の繊維が含まれているのが好ましい。繊度1デニー
ル以上であると、弾性に優れているため遮光性により優
れ、繊度15デニール以下であれば、写真フィルムを傷
つける心配もない。また、繊度4以上〜15デニール程
度の繊維が繊維ウェブの5〜35質量%と、繊度1〜4
デニール未満の繊維が繊維ウェブの95〜65質量%含
まれているのが好ましい。より好ましくは、繊度4以上
〜15デニールの繊維15〜25質量%と、繊度1〜4
デニール未満の繊維85〜75質量%とを含む。
【0026】また、不織布を構成する繊維の繊維長は、
20〜120mmが好適である。20mmより繊維長が
短いと、繊維の脱落の可能性が高くなり、所定の厚さの
遮光部材が得られ難くなると共に、写真フィルムとの密
着性が悪くなり、遮光性が不十分となるので望ましくな
い。また、120mmより繊維長が長いと、遮光部材の
厚さが厚くなり過ぎ望ましくない。遮光部材の厚さは、
0.5〜2.5mmが好適であり、1.2〜1.8mm
がさらに好適である。さらに、不織布の中でも乾式不織
布は、前記のような比較的長い繊維を使用でき、クッシ
ョン性及び遮光性に優れるため好適である。
【0027】さらに、バインダ接着不織布のバインダと
しては、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等の弾性に優れる種々のバインダを
使用することができる。また、乾燥によって不織布表面
にバインダを偏在させ易いエマルジョン系のバインダが
好適に使用でき、バインダを泡立てた状態で繊維ウェブ
に付与する方法などにより、不織布表面にバインダを偏
在させることができる。
【0028】なお、以上に説明した遮光部材を構成する
好適な不織布の繊維、バインダ等における種々の条件
は、以下に述べる他の実施形態においても同様に適用す
ることができる。
【0029】図4は、本発明の実施形態3による遮光部
材を示す概略拡大断面図である。図において、遮光部材
28の写真フィルム12と当接しない非立毛部側、すな
わち接着剤30側に、繊維質量に対して5〜30質量%
のバインダ28b´が付着している。5質量%以上のバ
インダ28b´が付着していると、繊維の脱落を防止で
きると共に、遮光部材28に腰をもたせることができる
ため、(1)遮光部材を裁断する際の寸法安定性に優れ
る、(2)ポート部24への貼り付け作業性に優れる、
(3)目止め剤を使用しなくてもよくなる、などの効果
を奏する。他方、30質量%以下のバインダ量であれ
ば、適度な硬さであるため、ポート部24への貼り付け
作業性に優れる。しかし、これらの効果は、5〜30質
量%のバインダ付着量の範囲を外れると得られない。ま
た、バインダ28b´の付着量は、好ましくは繊維質量
に対して15〜25質量%である。なお、本実施形態に
よる非立毛部側に所定量のバインダが付着した遮光部材
について、同時に実施形態2による所定量のバインダを
その立毛部側に付着してもよい。なお、非立毛部側と
は、非立毛部表面から厚さの2分の1までの範囲をい
う。
【0030】図5は、本発明の実施形態4による遮光部
材を示す概略拡大断面図である。図において、遮光部材
28の写真フィルム12と当接しない非立毛部側、すな
わち接着剤30側には、補強材32が挿入されている。
この補強材32の厚さは、0.1〜0.3mm以下程度
であり、この補強材32により遮光部材28に腰を持た
せることができる。補強材32は、例えばスパンボンド
法により形成した不織布が好適に使用でき、この不織布
は低面密度であっても十分な強度や張りを有しており、
しかも安価なためである。なお、上述では補強材32を
遮光部材28の写真フィルム12と当接しない非立毛部
側に設けた場合について説明したが、遮光部材28の内
部に設けても良く、上述と同様な効果が得られる。
【0031】なお、上述した実施形態において、立毛部
28cは、フォークニードルやクラウンニードルを使用
することによって形成できる。
【0032】また、本発明に用いる遮光部材は、広幅
(50cm以上)で製造した後に使用幅にスリットして
もよいし、最初から使用幅で製造することもできる。広
幅品を繊維抜けしないようにスリットする方法として
は、実公昭48−35790号公報に記載のヒート刃で
熱溶融切断したり、超音波カッター、レーザーカッタ
ー、ヒートカッター等で切断する方法がある。
【0033】本発明に用いる遮光部材は、各種感光材料
(写真フィルム、印画紙、感光樹脂フィルム等)のカー
トリッジの引出し口に設けられる遮光部材、感光物質を
対象とした機器類(写真現像機等)の遮光を目的とした
内張り等に用いることができる。特に、本発明による写
真フィルムカートリッジは、各種写真フィルムを遮光的
に収納し、引出し口からフィルムを引出す構造の容器に
好ましく適用でき、特にシート状及びロール状の各種写
真感光材料(JIS135サイズ写真フィルム、カラー
印画紙、電算写植フィルム及び印画紙、感熱紙、感光樹
脂フィルム、マイクロフィルム、Xレイフィルム等)を
収納するカートリッジに好適である。
【0034】本発明に用いる遮光部材には、目止め剤と
接着剤とが塗工される。目止め剤は、特に接着剤の粘度
が低い場合に、裏面から表面に接着剤が浸透してくるの
を防ぐ効果があることが知られている。本発明に用いら
れる目止め剤としては、例えば特開昭60−11847
2号公報、特開昭62−27733号公報、特開昭62
−71949号公報、特開昭62−55649号公報に
記載されているような樹脂が使用可能である。本発明に
用いられる接着剤としては、特開平1−276132号
公報に記載されているような接着剤が使用可能である。
また、接着剤がホットメルトのように、粘度が高くて不
織布に浸透しにくい場合は、特公平5−88455号公
報に記載されているように、目止め剤を省略することも
できる。
【0035】遮光部材を金属パトローネ本体に貼着する
方法としては、特開昭49−96049号公報、特開昭
53−105219号公報、特開昭53−105220
号公報、特開昭53−105221号公報、特開昭54
−4932号公報、特開昭61−233738号公報、
特開昭62−27733号公報、特開昭61−2103
47号公報に記載されている方法が適用できる。金属以
外のカートリッジ、例えば段ボールや紙製の場合は、溶
剤タイプの接着剤、両面接着テープ等の公知のあらゆる
接着方法で貼着することができる。また、パトローネ本
体が樹脂製の場合には、スポット溶着で貼り付けても良
い。
【0036】本発明に用いられる遮光部材には、写真フ
ィルムを引出す際のスタチック防止や遮光機能確保のた
めに、実公昭62−51341号公報、実公平4−33
040号公報に記載されているように、繊維は黒色で、
帯電防止剤及び導電物質を含んでいることが好ましい。
その着色方法としては、染色でも良いし、原着糸を用い
ても良い。
【0037】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳
細に説明する。 実施例1 まず、カーボンを含有させることにより黒色に着色した
ポリエステル繊維(繊度3デニール、繊維長51mm)
を、乾式法によりカード機を用いて面密度200g/m
2の繊維ウェブを形成した。この繊維ウェブをフォーク
ニードルにより絡合すると同時にループ状の立毛を形成
した後、ループ状の立毛を倒れにくくするために、温度
200℃で熱処理した。
【0038】次に、NBR(アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合ゴム)系エマルジョンバインダ(固形分20
%)を泡立て、付着量が30g/m2(繊維重量に対し
て15%)となるように、繊維ウェブの非立毛側に前記
バインダを付与した後、乾燥し、温度140℃で4分間
加熱して硬化させることにより、バインダ接着不織布を
製造した。このバインダ接着不織布の厚さは2.5mm
であった。なお、厚さはPEACOCKダイヤルゲージ
型式Gのダイヤルゲージ(10g/cm2荷重)により
測定した。以下、厚さは、このダイヤルゲージにより測
定した値をいう。
【0039】次に、温度150℃に熱したスチールロー
ルと常温のコットンロールの隙間(スリット、0.1m
m)に、前記バインダ接着不織布の非立毛側がスチール
ロール側、立毛側がコットンロール側となるように通過
させ、厚さを1.3mmに調整した。
【0040】次に、ウレタン系エマルジョンバインダ
(固形分1%)を泡立て、付着量が1.5g/m2(繊
維重量に対して0.75%)となるように、バインダ接
着不織布の立毛側に前記バインダを付与した後、乾燥
し、温度140℃で4分間加熱して硬化させることによ
り、表面にループ状の立毛部を有し、非立毛側にバイン
ダが15質量%(繊維重量に対して)付着しており、立
毛側にバインダが0.75質量%(繊維重量に対して)
付着している遮光部材を製造した。この遮光部材の厚さ
は、1.5mmであった。
【0041】次いで、遮光部材の非立毛側に、目止め剤
としてアクリル系樹脂を40g/m 2塗布した後、同じ
アクリル系の接着剤を70g/m2塗工した。この時の
厚さは、1.65mmであった。
【0042】次に、本実施例による遮光部材を通常の生
産方法で、JIS135サイズ写真フィルムパトローネ
のポート口に設け、さらにこの写真フィルムパトローネ
内にISO感度400のカラーネガ写真フィルム[富士
写真フィルム(株)製のフジカラーSUPER G A
CE 400(商品名)]をスプールに巻回して収納し
た。この状態で、写真性、引出しトルク、遮光性、繊維
抜け、スリキズ、帯電防止性等の品質特性を評価した。
その結果を表1に示す。なお、それぞれの品質特性の評
価方法は、下記に示す通りである。また、以下に説明す
る他の実施例及び比較例の結果も合わせて表1に示す。 [写真性評価方法]写真の商品価値を低下させる有害物
質が含まれているかどうかを評価する目的で強制的に熱
(60℃)を加えて48時間後の写真用フィルムの感度
と被りを評価する。 [引出しトルク測定法]サンプルを24時間、室温で調
湿を行った後、インストロン引っ張り試験機で引出し力
を測定する。 [遮光性評価方法]サンプルを24時間、室温で調湿を
行った後、9万ルクスの光量で、ポート口と両側面の3
方向から各方向に10分間、合計30分間曝光させた
後、現像して被りを評価する。 [繊維抜け評価方法]サンプルを24時間、室温で調湿
後、輸送を想定して10分間、強制的に振動を加えた後
にパトローネ本体とフィルムに付着している繊維の数を
評価する。 [スリキズ評価方法]通常の生産方法でフィルムを巻込
んだ後に、パトローネ本体を分解してフィルム表面に発
生しているスリキズを評価する。 [帯電防止性評価方法]サンプルを24時間、室温で調
湿後、0℃の条件でニコンF3モータードライブ付きの
カメラで連続撮影したフィルムを現像して、フィルム上
のスタチックマークを評価する。 [取り扱い性]取り扱い性は、遮光部材をポート部の金
具に貼り付ける作業の容易さで判定する。
【0043】
【表1】 表1の結果から、実施例1の遮光部材は遮光性に優れ、
繊維抜けがないのはもちろんのこと、コスト、性能共に
優れていることが確認できた。 実施例2 カーボンを含有させることにより黒色に着色したポリエ
ステル繊維(繊度3デニール、繊維長51mm)80%
と、カーボンを含有させることにより黒色に着色したポ
リエステル繊維(繊度6デニール、繊維長64mm)2
0%とを混合した繊維ウェブを用いたこと以外は、実施
例1と全く同様にして、表面にループ状の立毛部を有
し、非立毛側にバインダが15質量%(繊維重量に対し
て)付着し、立毛側にバインダが0.75質量%(繊維
質量に対して)付着している遮光部材を製造した。この
遮光部材の厚さは1.5mmであった。
【0044】次いで、実施例1と同様に目止め剤及び接
着剤を塗工した。この時の厚さは、1.65mmであっ
た。得られた遮光部材を実施例1と同様にして、写真フ
ィルムパトローネのポート口に設け、同様な品質特性の
評価を行った。実施例3まず、実施例1と同様にして、
面密度200g/m2の繊維ウェブを作製した。また、
面密度50g/m2、厚さ0.2mmのポリエステル製
スパンボンド不織布を準備した。次いで、前記繊維ウェ
ブとスパンボンド不織布とを積層し、繊維ウェブ側から
フォークニードルにより繊維ウェブとスパンボンド不織
布とを絡合一体化すると同時にループ状の立毛を形成し
た後、ループ状の立毛を倒れにくくするために、温度2
00℃で熱処理した。この時、スパンボンド不織布は非
立毛側から約1.3mm、立毛側から約1.2mmの位
置にあり、全体の厚さは2.5mmであった。
【0045】次いで、実施例1と同様にして、バインダ
接着不織布の作製、ロール間の通過による厚さ調整、立
毛側へのバインダの付与を順次行って、表面にループ状
の立毛部を有し、非立毛側にバインダが15質量%(繊
維重量に対して)付着しており、立毛側にバインダが
0.75質量%(繊維重量に対して)付着しており、更
に中間層に補強材としてのスパンボンド不織布を有する
遮光部材を得た。この遮光部材の厚さは1.5mmであ
った。次いで、実施例1と同様に目止め剤及び接着剤を
塗工した。この時の厚さは、1.65mmであった。得
られた遮光部材を実施例1と同様にして、写真フィルム
パトローネのポート口に設け、同様な品質特性の評価を
行った。 比較例1 まず、カーボンを含有させることにより黒色に着色した
ポリエステル繊維(繊度3デニール、繊維長51mm)
を、乾式法によりカード機を用いて面密度200g/m
2の繊維ウェブを形成した。この繊維ウェブをフォーク
ニードルにより絡合すると同時にループ状の立毛を形成
した後、ループ状の立毛を倒れにくくするために、温度
200℃で熱処理して絡合不織布を得た。
【0046】次に、温度150℃に熱したスチールロー
ルと常温のコットンロールの隙間(スリット、0.1m
m)に、前記絡合不織布の非立毛側がスチールロール
側、立毛側がコットンロール側となるように通過させ、
厚さを1.5mmに調整し、表面にループ状の立毛を有
する遮光部材(バインダが付着していない)を製造し
た。
【0047】次いで、遮光部材の非立毛側に、目止め剤
としてアクリル系樹脂を40g/m 2で塗布した後、同
じアクリル系の接着剤を70g/m2塗工した。この時
の厚さは、1.65mmであった。得られた遮光部材を
実施例1と同様にして、写真フィルムパトローネのポー
ト口に設け、同様な品質特性の評価を行った。 比較例2,3 経糸と緯糸がレーヨン繊維でパイル糸がナイロン66繊
維からなる織物の遮光部材(比較例2)、クサリ糸、挿
入糸、パイル糸の全てがポリエステル繊維からなる編物
の遮光部材(比較例3)を用意し、ダイヤルゲージによ
り厚みを測定したところ、共に1.65mmであった。
得られた遮光部材を実施例1と同様にして、写真フィル
ムパトローネのポート口に設け、同様な品質特性の評価
を行った。
【0048】表1の結果から、実施例の遮光部材は遮光
性に優れ、繊維抜けがないのはもちろんのこと、コス
ト、性能共に比較例の遮光部材よりも優れていることが
確認できた。なお、遮光性において、実施例2の遮光部
材は特に光り被りが少なく優秀であった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
遮光部材の立毛部の繊維はループ状であるので、遮光部
材はクッション性(弾性)に富み、容易に写真フィルム
のパーフォレイト部に侵入して遮光することができると
共に、立毛部の繊維は、シャーリング処理又はバフィン
グ処理を施していない点から繊維の脱落が生じにくい。
また、遮光部材の立毛部側に、繊維質量に対して0.0
1〜5質量%のバインダが付着しているので、弾性を損
なわずに繊維の脱落を防止することができ、写真フィル
ムとの密着性も損なわれず、遮光性に優れている。ま
た、遮光部材の非立毛部側に、繊維質量に対して5〜3
0質量%のバインダが付着しているので、繊維の脱落を
防止できると共に、遮光部材に腰を持たせることができ
るため、遮光部材を裁断する際の寸法安定性等に優れ
る。また、遮光部材に補強材が挿入されているので、遮
光部材に腰を持たせることができる。また、繊維ウェブ
に繊度1〜15デニールの繊維が含まれているので、弾
性に優れ、写真フィルムを傷つけることもなく、遮光性
に優れる。さらに、以上のような遮光部材をカートリッ
ジ本体のポート部内面に固着することにより、遮光性に
優れ、繊維の抜けも生じにくく、精度の高い写真フィル
ムカートリッジが得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による写真フィルムカート
リッジを示す分解斜視図である。
【図2】図1に示した写真フィルムカートリッジを示す
側断面図である。
【図3】本発明の実施形態2による遮光部材を示す概略
拡大断面図である。
【図4】本発明の実施形態3による遮光部材を示す概略
拡大断面図である。
【図5】本発明の実施形態4による遮光部材を示す概略
拡大断面図である。
【符号の説明】
10…写真フィルムカートリッジ、12…写真フィル
ム、14…スプール、16…カートリッジ本体、18,
20…エンドキャップ、22…パーフォレイト開口、2
4…ポート部、26…ポート口、28…遮光部材、28
a…繊維、28b,28b´…バインダ、28c…立毛
部、30…接着剤、32…補強材。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月17日(1999.5.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】本発明に用いる遮光部材には、目止め剤と
接着剤とが塗工される。目止め剤は、特に接着剤の粘度
が低い場合に、裏面から表面に接着剤が浸透してくるの
を防ぐ効果があることが知られている。本発明に用いら
れる目止め剤としては、例えば特開昭62−27733
号公報、特開昭62−71949号公報、特開昭62−
55649号公報に記載されているような樹脂が使用可
能である。本発明に用いられる接着剤としては、特開平
1−276132号公報に記載されているような接着剤
が使用可能である。また、接着剤がホットメルトのよう
に、粘度が高くて不織布に浸透しにくい場合は、特公平
5−88455号公報に記載されているように、目止め
剤を省略することもできる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】本発明に用いられる遮光部材には、写真フ
ィルムを引出す際のスタチック防止や遮光機能確保のた
めに、実公昭62−51341号公報、実開平4−33
040号公報に記載されているように、繊維は黒色で、
帯電防止剤及び導電物質を含んでいることが好ましい。
その着色方法としては、染色でも良いし、原着糸を用い
ても良い。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維ウェブと、この繊維ウェブの繊維を
    互いに接着するバインダとを有する不織布からなる遮光
    部材であって、前記遮光部材は立毛部を有し、その立毛
    部の繊維はループ状であることを特徴とする遮光部材。
  2. 【請求項2】 前記遮光部材は、その立毛部側に繊維質
    量に対して0.01〜5質量%のバインダが付着してい
    ることを特徴とする請求項1に記載の遮光部材。
  3. 【請求項3】 前記遮光部材は、その非立毛部側に繊維
    質量に対して5〜30質量%のバインダが付着している
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遮光部材。
  4. 【請求項4】 前記遮光部材には、補強材が挿入されて
    いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の遮光部材。
  5. 【請求項5】 前記繊維ウェブには、繊度1〜15デニ
    ールの繊維が含まれていることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれか1項に記載の遮光部材。
  6. 【請求項6】 写真フィルムが巻回されるスプールと、 前記写真フィルムが出し入れされるポート部を備え、前
    記スプールを内部に収納するカートリッジ本体と、 このカートリッジ本体の側部に配設され、前記スプール
    を回転自在に保持するエンドキャップと、 前記カートリッジ本体のポート部内面に固着される請求
    項1〜5のいずれか1項に記載される遮光部材を備えた
    ことを特徴とする写真フィルムカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009510497A (ja) * 2005-09-27 2009-03-12 デュール デンタル アクチェンゲゼルシャフト 露光されたディスケットを読み出す器具

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009510497A (ja) * 2005-09-27 2009-03-12 デュール デンタル アクチェンゲゼルシャフト 露光されたディスケットを読み出す器具
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