JPH11295854A - 写真フィルムカートリッジ及びその遮光部材 - Google Patents

写真フィルムカートリッジ及びその遮光部材

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JPH11295854A
JPH11295854A JP9605298A JP9605298A JPH11295854A JP H11295854 A JPH11295854 A JP H11295854A JP 9605298 A JP9605298 A JP 9605298A JP 9605298 A JP9605298 A JP 9605298A JP H11295854 A JPH11295854 A JP H11295854A
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JP
Japan
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light
shielding member
photographic film
binder
fibers
Prior art date
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Application number
JP9605298A
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English (en)
Inventor
Satoru Tsurumaki
悟 鶴巻
Hiroshi Tanaka
広志 田中
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Fujifilm Holdings Corp
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd, Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮光性に優れ、繊維の抜けも発生しない遮光
部材及びその遮光部材を備えた写真フィルムカートリッ
ジを得ることを目的とする。 【解決手段】 カートリッジ本体16には写真フィルム
12の出口となるポート部24が突出して設けられてお
り、ポート部24の先端にはスリット状のポート口26
が設けられている。ポート部24の内壁両面には、ポー
ト口26からカートリッジ本体16内に光が漏れるのを
防止する遮光部材28が固着されている。この遮光部材
28は、バインダ接着不織布であり、根本部分に隙間が
ないため遮光性に優れ、繊維ウェブの繊維同士をバイン
ダで接着しているため、繊維の抜けも生じ難い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真フィルムカー
トリッジ及びその遮光部材、特に、遮光性に優れ、繊維
の抜けも発生しない遮光部材及びその遮光部材を備えた
写真フィルムカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明に関する遮光部材は、写真フィル
ムパトローネのパトローネ本体や印画紙、印刷用感材を
収納するマガジンやカートリッジ等に形成された感光材
料貫通用のスリット状開口の上下内壁面に、遮光のため
に貼着されているものである。この遮光部材が布である
場合、これを遮光用テレンプと呼んでいる。この遮光用
テレンプとしては、実公昭37−21388号公報に記
載されているように、織物構造の基布にパイル糸を織り
込んで形成されたものや、実公昭61−34526号公
報に記載されているように、編物構造の基布にパイル糸
を織り込んで形成されたパイル編物が用いられている。
【0003】しかしながら、これらの織物や編物は製造
工程が長い上に非常に複雑で、コスト的にも高いもので
あった。そこで、実開昭51−127737号公報、特
開平9−120116号公報、特開平10−39451
号公報等に記載されているように、コストの安い不織布
を使用した遮光部材も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の写真フィルムカ
ートリッジの遮光部材は、以上のように構成されていた
が、織物や編物を使用した遮光部材では、立毛の根元部
分に隙間を生じ易いため、遮光性の点で十分なものでは
なく、写真フィルムカートリッジ内に光が侵入して不用
意に写真フィルムの感光材料を露光してしまうという問
題点があった。また、不織布を使用した遮光部材では、
繊維の抜けが発生し易く、抜けた繊維が写真フィルムの
表面に付着して写真撮影の妨げになるという問題点があ
った。
【0005】そこで本発明は、従来の問題点を解消する
ためになされたものであり、遮光性に優れ、繊維の抜け
も発生しない遮光部材及びその遮光部材を備えた写真フ
ィルムカートリッジを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、繊維ウェブと、この繊維ウェブの繊維を互いに
接着するバインダとを有する不織布からなることを特徴
とする遮光部材である。
【0007】請求項2に記載の発明は、バインダの付着
量は、繊維ウェブの繊維重量に対して2重量%〜15重
量%であることを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、遮光部材の表面
に、立毛部を有することを特徴とする。
【0009】請求項4に記載の発明は、遮光部材の表面
側及び裏面側のいずれか一方に、より多くのバインダが
偏在していることを特徴とする。
【0010】請求項5に記載の発明は、写真フィルムが
巻回されるスプールと、写真フィルムが出し入れされる
ポート部を備え、スプールを内部に収納するカートリッ
ジ本体と、このカートリッジ本体の側部に配設され、ス
プールを回転自在に保持するエンドキャップと、カート
リッジ本体のポート部内面に固着される請求項1〜4の
いずれか1項に記載される遮光部材とを備えたことを特
徴とする写真フィルムカートリッジである。
【0011】この発明によれば、バインダ接着不織布か
らなる遮光部材は、織物などを立毛させた遮光部材のよ
うに、根本部分に隙間がないため、遮光性に優れてい
る。また、繊維ウェブの繊維同士をバインダで接着して
いるため、繊維の抜けも生じ難い。
【0012】また、バインダの付着量を繊維ウェブの繊
維重量に対して2重量%〜15重量%の範囲とすること
により、繊維の脱落防止性や寸法安定性に優れ、遮光部
材の剛性が低く、写真フィルムに傷を付けることなく、
写真フィルムを巻き出したり巻き戻したりする際のトル
クが適正に維持される。
【0013】また、遮光部材の表面に立毛部を形成する
ことにより、立毛繊維が写真フィルムのパーフォレイト
部に侵入しやすいため、遮光性がより向上する。
【0014】また、繊維ウェブにバインダを施す場合、
不織布の片面側により多くのバインダを偏在させること
により、遮光部材の剛性を低下させることができ、しか
も屈曲性を向上させることができるため、遮光部材をポ
ート部内面に密着させることができ、その結果、遮光性
をより向上させることができる。
【0015】さらに、以上のような遮光部材をカートリ
ッジ本体のポート部内面に固着することにより、遮光性
に優れ、繊維の抜けも生じ難い写真フィルムカートリッ
ジが得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、本発明
に係る写真フィルムカートリッジ及びその遮光部材の実
施形態について説明する。
【0017】図1は、本発明の実施形態1による写真フ
ィルムカートリッジを示す分解斜視図である。なお、各
図中、同一符号は同一又は相当する部材を示す。図にお
いて、写真フィルムカートリッジ10は、写真フィルム
12をスプール14にロール状に巻回し、これを金属製
のカートリッジ本体16内に収納している。カートリッ
ジ本体16の両端には、金属製のエンドキャップ18,
20が配設され、カートリッジ本体16を遮光して閉鎖
すると共に、スプール14を回転自在となるように保持
する。写真フィルム12の両側部には、写真フィルムカ
ートリッジ10から写真フィルム12を引き出す場合等
に使用されるパーフォレイト開口(スプロケット穴)2
2が形成されている。
【0018】図2は、図1に示した写真フィルムカート
リッジを示す側断面図である。図において、カートリッ
ジ本体16には写真フィルム12が出し入れされるポー
ト部24が突出して設けられており、ポート部24の先
端にはスリット状のポート口26が設けられている。ポ
ート部24の内壁両面には、ポート口26からカートリ
ッジ本体16内に光が漏れるのを防止する遮光部材28
が接着剤(図示しない)により固着されている。
【0019】図3は、本発明の実施形態2による遮光部
材を示す概略拡大断面図である。図において、遮光部材
28は、接着剤30によりポート部24の内面に固着さ
れており、遮光部材28は、繊維ウェブの繊維28aを
バインダ28bで接着したバインダ接着不織布からな
る。
【0020】バインダ接着不織布は、織物などを立毛さ
せた遮光部材のように、根本部分に隙間がないため、遮
光性に優れている。また、繊維ウェブの繊維同士をバイ
ンダで接着しているため、繊維の抜けも生じ難いという
特徴を有する。
【0021】不織布を構成する繊維としては、一般的な
種々の合成繊維を使用でき、例えばポリプロピレン繊
維、ポリエステル繊維、ナイロン6繊維、ナイロン66
繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維
等が使用できる。これらの繊維を単独で使用するだけで
なく、2種以上混合して使用しても良い。また、カーボ
ンを練り込む等により繊維を黒色に着色すると、光を透
過し難いため、遮光性により優れているので望ましい。
【0022】不織布を構成する繊維の線密度は、0.0
5〜1.2mg/mが好適である。0.05mg/mよ
り線密度が小さいと、写真フィルムの圧縮性が低下して
遮光性が不十分となり望ましくない。また、1.2mg
/mより線密度が大きいと、遮光性が悪くなる場合があ
り、望ましくない。
【0023】また、不織布を構成する繊維の繊維長は、
20〜120mmが好適である。20mmより繊維長が
短いと、繊維の脱落の可能性があり、所定の厚さの遮光
部材が得られ難くなると共に、写真フィルムの圧縮力が
弱くなり遮光性が不十分となるので望ましくない。ま
た、120mmより繊維長が長いと、遮光部材の厚さが
厚くなり過ぎ望ましくない。遮光部材の厚さは、0.5
〜2.5mmが好適であり、1.2〜1.8mmがさら
に好適である。さらに、不織布の中でも乾式不織布は、
前記のような比較的長い繊維を使用でき、クッション性
及び遮光性に優れるため好適である。また、機械的接合
法であるニードルパンチで処理した不織布は、繊維の配
向が不織布の厚さ方向となりやすく、嵩高で遮光性に優
れる遮光部材を作製できるので、望ましい。特に、フォ
ークニードルにより絡合した不織布は、立毛を有し遮光
性に優れるため、より好適である。
【0024】図4は、本発明の実施形態3による遮光部
材を示す概略拡大断面図である。図において、遮光部材
28であるバインダ接着不織布の表面(写真フィルム
側)には、立毛部32が形成されている。この立毛部3
2は、写真フィルムのパーフォレイト部に侵入するの
で、遮光性がより向上する。立毛部の高さは、0.05
〜1.0mmが好適であり、0.2〜0.5mmがさら
に好適である。立毛部32は、バフィングにより不織布
表面を毛羽立たせたり、前述したフォークニードルを使
用することによって形成できる。なお、フォークニード
ルを使用した場合には、より遮光性が優れるように、シ
ャーリングを行うことが望ましい。すなわち、シャーリ
ングにより、繊維ウェブ表面付近のループ状繊維を切断
するので、繊維先端の自由度が高くなり、パーフォレイ
ト開口22に入り易くなるためである。なお、シャーリ
ングは、フォークニードルにより立毛部32を形成した
後であれば、どの製造工程で実施しても良く、例えば繊
維ウェブにバインダを付与する前であっても付与後であ
っても良い。
【0025】次に、バインダ接着不織布のバインダとし
ては、ゴム系、アクリル系、ウレタン系、塩化ビニル、
塩化ビニリデン等の弾性に優れる種々のバインダを使用
することができる。また、乾燥によって不織布表面(写
真フィルム側)にバインダを偏在させ易いエマルジョン
系のバインダが好適に使用できる。
【0026】バインダの付着量は、繊維重量に対して2
重量%〜15重量%の範囲であることが望ましい。バイ
ンダの付着量が2重量%未満であると、繊維の脱落防止
性や寸法安定性に劣ることになり望ましくない。一方、
バインダの付着量が15重量%を超えると、遮光部材の
剛性が高くなり、写真フィルムに傷を付けたり、写真フ
ィルムを巻き出したり巻き戻したりする際に、トルクが
高くなり過ぎ、写真フィルムにバインダが転移し易くな
るので望ましくない。
【0027】さらに、繊維ウェブにバインダを施す場
合、不織布の片面側により多くのバインダを偏在させる
ことが望ましい。この場合、立毛部が形成されている場
合には、立毛部側により多くのバインダを偏在させるこ
とが望ましい。一方、立毛部がない場合には、バインダ
の偏在する面が写真フィルムと接触させるのが好まし
い。
【0028】バインダを偏在させることにより、遮光部
材の剛性を低下させることができ、しかも屈曲性を向上
させることができるため、遮光部材をポート部内面に密
着させることができる。その結果、遮光性をより向上さ
せることができ、写真フィルムをポート口から巻き出し
たり巻き戻したりする際のトルクを小さくすることがで
き、さらには精度良く写真フィルムカートリッジを製造
することができる。このバインダを偏在させる方法とし
ては、例えばエマルジョン系のバインダを使用したり、
バインダを泡立てた状態でバインダを繊維ウェブに付与
する方法などがある。
【0029】本発明に用いる遮光部材は、広幅(50c
m以上)で製造した後に使用幅にスリットしてもよい
し、最初から使用幅で製造することもできる。広幅品を
繊維抜けしないようにスリットする方法としては、実公
昭48−35790号公報に記載のヒート刃で熱溶融切
断したり、超音波カッター、レーザーカッター、ヒート
カッター等で切断する方法がある。
【0030】本発明に用いる遮光部材は、各種感光材料
(写真フィルム、印画紙、感光樹脂フィルム等)のカー
トリッジの引出し口に設けられる遮光部材、感光物質を
対象とした機器類(写真現像機等)の遮光を目的とした
内張り等に用いることができる。特に、本発明による写
真フィルムカートリッジは、各種写真フィルムを遮光的
に収納し、引出し口からフィルムを引出す構造の容器に
好ましく適用でき、特にシート状及びロール状の各種写
真感光材料(JIS135サイズ写真フィルム、カラー
印画紙、電算写植フィルム及び印画紙、感熱紙、感光樹
脂フィルム、マイクロフィルム、Xレイフィルム等)を
収納するカートリッジに好適である。
【0031】本発明に用いる遮光部材には、目止め剤と
接着剤とが塗工される。目止め剤は、特に接着剤の粘度
が低い場合に、裏面から表面に接着剤が浸透してくるの
を防ぐ効果があることが知られている。本発明に用いら
れる目止め剤としては、例えば特開昭60−11847
2号公報、特開昭62−27733号公報、特開昭62
−71949号公報、特開昭62−55649号公報に
記載されているような樹脂が使用可能である。本発明に
用いられる接着剤としては、特開平1−276132号
公報に記載されているような接着剤が使用可能である。
また、接着剤がホットメルトのように、粘度が高くて不
織布に浸透しにくい場合は、特公平5−88455号公
報に記載されているように、目止め剤を省略することも
できる。
【0032】遮光部材を金属パトローネ本体に貼着する
方法としては、特開昭49−96049号公報、特開昭
53−105219号公報、特開昭53−105220
号公報、特開昭53−105221号公報、特開昭54
−4932号公報、特開昭61−233738号公報、
特開昭62−27733号公報、特開昭61−2103
47号公報に記載されている方法が適用できる。金属以
外のカートリッジ、例えば段ボールや紙製の場合は、溶
剤タイプの接着剤、両面接着テープ等の公知のあらゆる
接着方法で貼着することができる。また、パトローネ本
体が樹脂製の場合には、スポット溶着で貼り付けても良
い。
【0033】本発明に用いられる遮光部材には、写真フ
ィルムを引出す際のスタチック防止や遮光機能確保のた
めに、実公昭62−51341号公報、実公平4−33
040号公報に記載されているように、繊維は黒色で、
帯電防止剤及び導電物質を含んでいることが好ましい。
その着色方法としては、染色でも良いし、原着糸を用い
ても良い。
【0034】
【実施例】以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳
細に説明する。
【0035】[実施例1]まず、カーボンを含有させる
ことにより黒色に着色したポリエステル繊維(線密度
0.22mg/m、繊維長51mm)50重量%と、同
様にカーボンを含有させることにより黒色に着色したポ
リエステル繊維(線密度0.33mg/m、繊維長51
mm)50重量%とからなる繊維を用意し、乾式法によ
りカード機を用いて面密度200g/m2の繊維ウェブ
を形成した。この繊維ウェブを、針密度300本/cm
2でニードルパンチ処理した後、カレンダー処理機によ
り150℃で繊維ウェブの厚さを1mmに調整した。
【0036】次に、ウレタン系エマルジョンバインダ
(固形分10%)を泡立てて、付着量が20g/m2
なるように、厚さを調整した繊維ウェブの片面にこのバ
インダを付与した後、乾燥し、140℃で4分間加熱し
て硬化させることにより、バインダ接着不織布を製造し
た。さらに、バインダ接着不織布のバインダを付与した
側の表面をエミリーペーパーによりバフィングすること
により、バフィング側にバインダが偏在する遮光部材を
得た。得られた遮光部材の厚さは、約1.5mmであっ
た。厚みはダイヤルゲージ(PEACOCKダイヤルゲ
ージ型式G)を使用して測定した。遮光部材の裏面に目
止め剤としてアクリル系樹脂を40g/m2で塗布した
後、同じアクリル系の接着剤を70g/m2で塗工し
た。一方、比較例として、経糸と緯糸がレーヨン繊維で
パイル糸がナイロン66繊維からなる織物の遮光部材
(従来品I)、クサリ糸、挿入糸、パイル糸の全てがポ
リエステル繊維からなる編物の遮光部材(従来品II)を
用意し、ダイヤルゲージにより厚みを測定したところ、
共に1.65mmであった。
【0037】次に、本発明品及び従来品I、IIによる遮
光部材を通常の生産方法で、JIS135サイズ写真フ
ィルムパトローネのポート口に設け、さらにこの写真フ
ィルムパトローネ内にISO感度400のカラーネガ写
真フィルム[富士写真フィルム(株)製のフジカラーS
UPER G ACE 400(商品名)]をスプール
に巻回して収納した。この状態で、写真性、引出しトル
ク、遮光性、繊維抜け、スリキズ、帯電防止性等の品質
特性を評価した。その結果を表1に示す。なお、それぞ
れの品質特性の評価方法は、下記に示す通りである。
【0038】[写真性評価方法]写真の商品価値を低下
させる有害物質が含まれているかどうかを評価する目的
で強制的に熱(60℃)を加えて48時間後の写真用フ
ィルムの感度と被りを評価する。
【0039】[引出しトルク測定法]サンプルを24時
間、室温で調湿を行った後、インストロン引っ張り試験
機で引出し力を測定する。
【0040】[遮光性評価方法]サンプルを24時間、
室温で調湿を行った後、9万ルクスの光量で、ポート口
と両側面の3方向から各方向に10分間、合計30分間
曝光させた後、現像して被りを評価する。
【0041】[繊維抜け評価方法]サンプルを24時
間、室温で調湿後、輸送を想定して10分間、強制的に
振動を加えた後にパトローネ本体とフィルムに付着して
いる繊維の数を評価する。
【0042】[スリキズ評価方法]通常の生産方法でフ
ィルムを巻込んだ後に、パトローネ本体を分解してフィ
ルム表面に発生しているスリキズを評価する。
【0043】[帯電防止性評価方法]サンプルを24時
間、室温で調湿後、0℃の条件でニコンF3モータード
ライブ付きのカメラで連続撮影したフィルムを現像し
て、フィルム上のスタチックマークを評価する。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果から、本発明品はコスト、性能
共に従来品I、IIよりも優れていることが確認できた。
【0046】[実施例2]まず、カーボンを含有させる
ことにより黒色に着色したポリエステル繊維(線密度
0.22mg/m、繊維長51mm)50重量%と、同
様にカーボンを含有させることにより黒色に着色したポ
リエステル繊維(線密度0.33mg/m、繊維長51
mm)50重量%とからなる繊維を用意し、乾式法によ
りカード機を用いて面密度200g/m2の繊維ウェブ
を形成した。この繊維ウェブを、フォークニードルによ
り絡合した後、立毛を倒れにくくするために、200℃
で熱処理した。
【0047】次に、ウレタン系エマルジョンバインダ
(固形分10%)を泡立てて、付着量が20g/m2
なるように、繊維ウェブの立毛面側にこのバインダを付
与した後、乾燥し、140℃で4分間加熱して硬化させ
ることにより、バインダ接着不織布を製造した。さら
に、バインダ接着不織布のバインダを付与した側の表面
をシャーリングし、立毛側にバインダが偏在する遮光部
材を得た。得られた遮光部材の厚さは、約1.5mmで
あった。なお、シャーリングはバインダを繊維ウェブに
付与した後に行ったが、バインダを繊維ウェブに付与前
である熱処理後に行っても良い。比較例である従来品
I、IIとしては、実施例1と同じものを使用した。
【0048】実施例1とは異なり、目止め剤を塗布せず
に遮光部材の裏面にホットメルト接着剤を80g/m2
で塗布した。次に、実施例1と同様に、本発明品及び従
来品I、IIによる遮光部材をJIS135サイズ写真フ
ィルムパトローネのポート口に設け、さらにこの写真フ
ィルムパトローネ内にISO感度400のカラーネガ写
真フィルム[富士写真フィルム(株)製のフジカラーS
UPER G ACE400(商品名)]をスプールに
巻回して収納した。この状態で、実施例1と同様に品質
評価を実施し、その結果を表2に示す。なお、品質特性
の評価方法は実施例1と同様である。
【0049】
【表2】
【0050】表2の結果から、本発明品はコスト、性能
共に従来品I、IIよりも優れていることが確認できた。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
バインダ接着不織布は、織物などを立毛させた遮光部材
のように根本部分に隙間がないため、遮光性に優れた遮
光部材が得られる。また、繊維ウェブの繊維同士をバイ
ンダで接着しているため、繊維の抜けも生じ難い。ま
た、繊維の脱落防止性や寸法安定性に優れ、遮光部材の
剛性が低く、写真フィルムに傷を付けたり、写真フィル
ムを巻き出したり巻き戻したりする際のトルクが適正に
維持される遮光部材が得られる。また、立毛部を形成す
ることにより、立毛部が写真フィルムのパーフォレイト
部に侵入するので、遮光性がより向上する。また、繊維
ウェブにバインダを施す場合、不織布の片面側により多
くのバインダを偏在させることにより、遮光部材の剛性
を低下させることができ、しかも屈曲性を向上させるこ
とができるため、遮光部材を写真フィルムに密着させる
ことができ、その結果、遮光性をより向上させることが
できる。さらに、遮光性に優れ、繊維の抜けも生じ難
く、精度の高い写真フィルムカートリッジが得られると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による写真フィルムカート
リッジを示す分解斜視図である。
【図2】図1に示した写真フィルムカートリッジを示す
側断面図である。
【図3】本発明の実施形態2による遮光部材を示す概略
拡大断面図である。
【図4】本発明の実施形態3による遮光部材を示す概略
拡大断面図である。
【符号の説明】
10…写真フィルムカートリッジ、12…写真フィル
ム、14…スプール、16…カートリッジ本体、18,
20…エンドキャップ、22…パーフォレイト開口、2
4…ポート部、26…ポート口、28…遮光部材、28
a…繊維、28b…バインダ、30…接着剤、32…立
毛部。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】本発明に用いる遮光部材には、目止め剤と
接着剤とが塗工される。目止め剤は、特に接着剤の粘度
が低い場合に、裏面から表面に接着剤が浸透してくるの
を防ぐ効果があることが知られている。本発明に用いら
れる目止め剤としては、例えば特開昭62−27733
号公報、特開昭62−71949号公報、特開昭62−
55649号公報に記載されているような樹脂が使用可
能である。本発明に用いられる接着剤としては、特開平
1−276132号公報に記載されているような接着剤
が使用可能である。また、接着剤がホットメルトのよう
に、粘度が高くて不織布に浸透しにくい場合は、特公平
5−88455号公報に記載されているように、目止め
剤を省略することもできる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】本発明に用いられる遮光部材には、写真フ
ィルムを引出す際のスタチック防止や遮光機能確保のた
めに、実公昭62−51341号公報、実開平4−33
040号公報に記載されているように、繊維は黒色で、
帯電防止剤及び導電物質を含んでいることが好ましい。
その着色方法としては、染色でも良いし、原着糸を用い
ても良い。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維ウェブと、 この繊維ウェブの繊維を互いに接着するバインダとを有
    する不織布からなることを特徴とする遮光部材。
  2. 【請求項2】 前記バインダの付着量は、前記繊維ウェ
    ブの繊維重量に対して2重量%〜15重量%であること
    を特徴とする請求項1に記載の遮光部材。
  3. 【請求項3】 前記遮光部材の表面に、立毛部を有する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遮光部材。
  4. 【請求項4】 前記遮光部材の表面側及び裏面側のいず
    れか一方に、より多くのバインダが偏在していることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮光部
    材。
  5. 【請求項5】 写真フィルムが巻回されるスプールと、 前記写真フィルムが出し入れされるポート部を備え、前
    記スプールを内部に収納するカートリッジ本体と、 このカートリッジ本体の側部に配設され、前記スプール
    を回転自在に保持するエンドキャップと、 前記カートリッジ本体のポート部内面に固着される請求
    項1〜4のいずれか1項に記載される遮光部材を備えた
    ことを特徴とする写真フィルムカートリッジ。
JP9605298A 1998-04-08 1998-04-08 写真フィルムカートリッジ及びその遮光部材 Pending JPH11295854A (ja)

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