JP2000162634A - 電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその製造方法並びに電子機器

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JP2000162634A JP2500899A JP2500899A JP2000162634A JP 2000162634 A JP2000162634 A JP 2000162634A JP 2500899 A JP2500899 A JP 2500899A JP 2500899 A JP2500899 A JP 2500899A JP 2000162634 A JP2000162634 A JP 2000162634A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周辺回路内蔵型の液晶装置等の電気光学装置
において、画素部を構成する薄膜の有効利用により周辺
回路の入出力配線における電気抵抗を低めて、高品質の
画像表示を可能にする。 【解決手段】 液晶装置は、一対の基板間に挟持された
液晶層(50)と、TFTアレイ基板(10)にマトリ
クス状に設けられた画素電極(9a)とを備える。高融
点金属からなる第1遮光膜(11a)が、画素スイッチ
ング用TFT(30)、走査線(3a)、容量線(3
b)等の下側に形成されている。画像信号線(115)
等の周辺配線は、データ線(6a)と同じ金属膜からな
る第2配線部と、これに立体的に交差可能な、走査線と
同じポリシリコン膜及び遮光膜からなる第1配線部とを
含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜トランジスタ
(以下適宜、TFTと称する)によるアクティブマトリ
クス駆動方式の液晶装置等の電気光学装置及びその製造
方法の技術分野に属し、特に、データ線駆動回路や走査
線駆動回路などの周辺回路を内蔵する周辺回路内蔵型
で、TFTの下側に遮光膜を設けた形式の液晶装置等の
電気光学装置及びその製造方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、周辺回路内蔵型の液晶装置におい
ては、液晶を挟持する一対の基板の一方であるTFTア
レイ基板上に、データ線駆動回路、走査線駆動回路、サ
ンプリング回路などの周辺回路が形成される。これらの
周辺回路は、製造効率等の観点より、各画素部に設けら
れ各画素電極に印加される画像信号のスイッチング制御
を行うためのTFT(以下適宜、画素スイッチング用T
FTと称する)と同一の構造を用いた製造プロセスによ
り形成されるのが一般的である。そして、TFTアレイ
基板上には、液晶に対向する画像表示領域内に多数のデ
ータ線及び走査線が相交差して配線される。また、この
画像表示領域外にあり液晶を封入するためのシール材に
対向するシール領域や更にその外側に位置する周辺領域
には、周辺回路の入出力配線が配線されている。より具
体的には、周辺回路の入出力配線として、データ線、走
査線及び容量線からの引き出し配線等がシール領域下に
設けられており、外部回路接続端子に接続された画像信
号線、制御信号線、電源配線、クロック信号線などが周
辺領域に設けられている。
【0003】特に周辺回路としてサンプリング回路を備
えた液晶装置では、外部回路接続端子を介して画像信号
が画像信号線に供給されると、データ線駆動回路から所
定タイミングで出力されるサンプリング回路駆動信号に
よりサンプリング回路の各サンプリングスイッチが画像
信号をデータ線毎にサンプリングするように構成されて
いる。
【0004】ここで、画像信号線は、液晶にかける印加
電圧を規定する画像信号そのものを供給する信号線であ
るが故に、その画像信号の遅延が低いことが、画質劣化
を防ぐ上で極めて重要となる。このため、液晶装置を構
成する配線材料のうち最も低抵抗であり、通常はデータ
線を形成するのに用いられるAl(アルミニウム)等の金
属膜から画像信号線は形成される。
【0005】これに対し、走査線を金属膜や金属シリサ
イド膜から形成する技術は、走査線形成後の高温プロセ
スにおいて、走査線における膜剥れが起きてしまう等の
理由から実用化されておらず、走査線は通常ポリシリコ
ン膜で形成される。このポリシリコン膜のシート抵抗
は、例えば、Al等の金属膜からなるシート抵抗と比較
して、数十倍になり、配線抵抗が大きくなる。従って、
仮にポリシリコン膜から画像信号線を形成した場合に
は、当該配線抵抗が大きくなることにより信号遅延が生
じ、画質劣化が引き起こされるのである。このため実際
には、画像信号線は、前述のように金属膜から形成され
る。
【0006】このように構成された周辺回路内蔵型の液
晶装置では、画像信号線が一本であれば、基板端部に設
けられた外部回路接続端子からサンプリング回路の各サ
ンプリングスイッチに至るまで、基板上の同一層にある
(即ち、同一工程により形成される)金属膜により配線
することが可能である。しかし、例えば液晶装置におけ
る高周波駆動に対応すべくシリアル−パラレル変換され
た画像信号に対しシリアル−パラレル変換数に応じて画
像信号線が複数本必要となる場合や、RGBのカラー画
像信号に対し色別に画像信号線が複数本必要となる場合
などには、各サンプリングスイッチに至る間に、少なく
とも一本の画像信号線が他の画像信号線とどこかで交差
せねば配線できないことになる。即ち、同一層にある金
属膜のみを用いて複数の画像信号線の全てを配線するこ
とは不可能となる。このため、当該金属膜に対し層間絶
縁膜を介して別層にあるポリシリコン膜を中継配線(第
1配線部)として用いて対処している。より具体的に
は、交差する箇所では、一方の配線を、低抵抗な金属膜
からなる第2配線部として構成する。そして、他方の配
線を、層間絶縁膜を介して第2配線部の下又は上を立体
的に交差させるように、交差する箇所の前後に開孔され
たコンタクトホールを介して金属膜からなる配線部分に
電気接続されたポリシリコン膜からなる第1配線部とし
て構成する。
【0007】以上のように交差する箇所だけをポリシリ
コン膜からなる第1配線部とし、それ以外の箇所を低抵
抗な金属膜からなる第2配線部とすれば、ポリシリコン
膜からなる中継配線の長さは、非常に短くて済むため、
当該ポリシリコン膜からなる中継配線の存在による画像
信号線全体の時定数の上昇が実用上問題となることは殆
どなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近時の画質向上という
一般的要請の下、所謂XGA方式、SXGA方式など液
晶装置の駆動周波数は益々高くなってきており、これに
伴って、シリアル−パラレル変換数も、例えば24相な
ど、かなり多数になってきている。
【0009】しかしながら、このように多数にシリアル
−パラレル変換すると、並列配置される画像信号線の数
も当然に多くなり、これに応じて前述のポリシリコン膜
を用いた中継配線の長さは長くなる。ここで、配線抵抗
は長さに比例して大きくなるため、中継配線の配線抵抗
は高くなり、これに起因して画像信号線の時定数は大き
くなってしまい、画質の劣化を引き起こすようになる。
例えば、画像信号線の時定数が大きくなると、カップリ
ング容量の増大により画像信号の電位揺れが引き起こさ
れたり、次段のライン(列)に自段のライン(列)用の
画像信号が書込まれてゴーストやクロストークが生じた
りする問題がある。
【0010】また仮に、シール領域や周辺領域における
中継配線を、画素部では用いられない金属膜等から別途
形成するのでは、プレーナ技術を用いた製造プロセスに
おける製造効率が低下してコスト上昇を招いてしまい、
周辺回路内蔵型の液晶装置の基本的利点が失われかねな
い。
【0011】本発明は上述した問題点に鑑みなされたも
のであり、周辺回路内蔵型の液晶装置等の電気光学装置
において、画素部を構成する薄膜の有効利用により周辺
回路の入出力配線における電気抵抗が低められており、
高品質の画像表示が可能な電気光学装置及びその製造方
法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の電気光学
装置は上記課題を解決するために、基板上に複数の走査
線と、複数のデータ線と、前記各走査線と前記各データ
線に接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジ
スタに接続された画素電極と、前記薄膜トランジスタの
少なくともチャネル領域を平面的に覆うように配置され
た導電性の遮光膜と、前記走査線と前記データ線の少な
くとも一方に信号を供給するための周辺回路と、前記周
辺回路に接続された周辺配線とを備えており、前記周辺
配線は、前記遮光膜を形成する第1導電膜を含む第1配
線部と、前記薄膜トランジスタ、前記データ線及び前記
走査線を構成する複数の薄膜の少なくとも一つの導電膜
を含む第2配線部とを有することを特徴とする。
【0013】本発明の第1の電気光学装置によれば、基
板上に遮光膜が薄膜トランジスタの少なくともチャネル
領域を平面的に覆うように設けられている。従って、薄
膜トランジスタのチャネル領域は、遮光膜により遮光さ
れており、薄膜トランジスタへの光の侵入等による特性
劣化を防止できる。本発明では特に、周辺配線は、薄膜
トランジスタ、データ線及び走査線を構成する複数の薄
膜層のうちの一つである導電膜からなる第2配線部と、
遮光膜と同一膜からなる第1配線部とを有する。例え
ば、第1導電膜を導電性の高融点金属膜であるTi(チ
タン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta
(タンタル)、Mo(モリブデン)及びPb(鉛)のう
ちの少なくとも一つを含む、金属単体、金属又は金属シ
リサイド層等により形成すれば配線抵抗を顕著に低める
ことが可能となる。この際、遮光膜は、薄膜トランジス
タに対する遮光機能と周辺配線としての機能の両方を兼
ね備えるので、構成の簡易化及び製造の単純化を図る上
で有利である。
【0014】以上の結果、低抵抗の周辺配線により、周
辺回路における画像信号等の各種の信号の入出力が行わ
れるため、電気光学装置の駆動周波数を高めたり、更に
シリアル−パラレル変換数やパラレル入力される画像信
号数を増加させたりしても、前述した従来例の如き画像
信号線等の周辺配線における容量カップリングによる電
位揺れ、ゴースト、クロストークなどは低減され、高品
位の画像表示が行うことも可能である。
【0015】本発明の第1の電気光学装置の一の態様で
は、前記第1配線部は前記薄膜トランジスタ、前記デー
タ線及び前記走査線を構成する複数の薄膜のうちの少な
くとも一つの第2導電膜と前記第1導電膜とを有し、前
記第2配線部は前記薄膜トランジスタ、前記データ線及
び前記走査線を構成する複数の薄膜のうちの前記第2導
電膜とは異なる第3導電膜を含むことを特徴とする。
【0016】この態様によれば、例えば、第3導電膜が
例えば金属膜などの低抵抗な金属膜で、第2導電膜が例
えばポリシリコン膜などの第3導電膜よりも高抵抗な薄
膜層で形成した場合、できるだけ低抵抗な金属膜からな
る第3導電膜により配線を形成することが好ましいが、
配線同士が交差する個所は、第2導電膜を配線の一部と
して用いることがある。その場合、第2導電膜は第3導
電膜に比べて抵抗が高いため、信号遅延等の問題が発生
する場合がある。そこで、第2導電膜からなる配線の代
わりに第1及び第2導電膜を電気接続して二重配線とす
ることにより、周辺配線自体の抵抗も低めることができ
る。例えば、第2導電膜をポリシリコン膜から形成し、
且つ第1導電膜を導電性の高融点金属膜であるTi、C
r、W、Ta、Mo及びPbのうちの少なくとも一つを
含む金属単体、合金又は金属シリサイド等により形成す
れば、第1配線部の抵抗を第1導電膜のシート抵抗によ
り支配できる。即ち、従来の如くポリシリコン膜単独か
らなる配線と比較して第1導電膜を電気接続することに
より大幅な低抵抗化が可能となる。そして、本発明の第
2配線部における抵抗については、例えばAl(アルミ
ニウム)等の第3導電膜を用いることにより低抵抗にで
きるので、第1配線部と第2配線部とを直列に電気接続
した周辺配線を低抵抗化することができる。
【0017】これに加えて、異物等により第1配線部に
おけるポリシリコン膜等からなる第2導電膜又は第1導
電膜からなる部分が途中で断線しても、他方の部分で導
通がとれるという冗長構造が実現できる。
【0018】尚、本発明の周辺配線は、第1配線部及び
第2配線部を有するが、上述の如き第3導電膜を有する
第2配線部に対して冗長的な配線を加えて二重、三重等
の多重配線としても、当該一重配線部を有することに変
わりはなく、更に、上述の如き第1導電膜と第2導電膜
を有する第1配線部に対して更に冗長的な配線を加えて
三重、四重等の多重配線としても、当該二重配線部を有
することに変わりはないことは言うまでもない。
【0019】本発明の第1の電気光学装置における前記
第2導電膜は、前記第1導電膜よりも高抵抗であってよ
い。
【0020】このように構成すれば、第3導電膜は、例
えばアルミニウム膜など薄膜トランジスタを構成する薄
膜層のうち最も低抵抗であり、他方、第2導電膜は、例
えばポリシリコン膜など薄膜トランジスタを構成する薄
膜層のうち2番目に低抵抗である。第1配線部において
第1導電膜により抵抗が低められているので、周辺配線
自体の抵抗も低められている。
【0021】本発明の第1の電気光学装置において、前
記遮光膜と前記薄膜トランジスタとの間に介在する第1
層間絶縁膜と、前記第2導電膜と前記第3導電膜との間
に介在する第2層間絶縁膜とを更に備えており、前記第
1配線部は、前記第2配線部の一部に電気接続されると
共に前記2重配線部の他部に対し前記第1及び第2層間
絶縁膜を夫々介して立体的に交差する中継配線からな
る。
【0022】この態様によれば、中継配線は、第2配線
部の一部に電気接続されると共に第2配線部の他部に対
し第1及び第2層間絶縁膜を夫々介して立体的に(即
ち、上又は下側を)交差する。従って、相互に交差する
箇所が必要であり、同一層では配設不可能な周辺配線
を、中継配線を介して所望のパターンに配線できる。
【0023】本発明の第1の電気光学装置において、前
記周辺配線は、外部回路接続端子から前記画像信号を供
給するための画像信号線を含み、前記周辺回路は、前記
画像信号をサンプリングするためのサンプリング回路
と、該サンプリング回路を所定タイミングで駆動して前
記画像信号線上の前記画像信号を前記サンプリング回路
を介して前記複数のデータ線に供給させるデータ線駆動
回路と、前記走査線を駆動する走査線駆動回路とを含む
ように構成してもよい。
【0024】このように構成すれば、相互に交差する箇
所が必要であり、同一層では配設不可能な画像信号線
を、中継配線を介して所望のパターンに配線できる。
【0025】本発明の第1の電気光学装置において、前
記画像信号は、N(但し、Nは2以上の自然数)シリア
ル−パラレル変換されており、前記画像信号線は、並列
にN本設けられており、該N本の画像信号線は、相互に
交差する箇所において前記中継配線を含むように構成し
てもよい。
【0026】このように構成すれば、例えば、シリアル
−パラレル変換数(N)が大きいため或いはRGBのカ
ラー画像信号などの場合のようにパラレル入力される画
像信号の数が多いため、中継配線を長くとる必要がある
場合や、 前述した従来例の如くポリシリコン膜単独か
ら中継配線を形成した場合と比較して、中継配線の抵抗
や時定数の増加を抑えることができる。
【0027】本発明の第1の電気光学装置において、前
記データ線駆動回路から前記サンプリング回路にサンプ
リング回路駆動信号を供給するための複数のサンプリン
グ回路駆動信号線を更に備えており、該サンプリング回
路駆動信号線は、少なくとも前記画像信号線に交差する
箇所が前記中継配線からなるように構成してもよい。
【0028】このように構成すれば、データ線駆動回路
からサンプリング回路に至るサンプリング回路駆動信号
線を、例えば画像信号線と交差する中継配線を用いて配
線することが可能となり、配線レイアウトの自由度が増
し、更にこの場合にも、サンプリング回路駆動信号線に
おける中継配線を前述した従来例の如くポリシリコン膜
等の第2導電膜単独から形成した場合と比較して、サン
プリング回路駆動信号線における時定数の増加を抑える
ことができる。
【0029】本発明の第1の電気光学装置において、前
記第1配線部を構成する前記第1導電膜及び前記第2導
電膜は、前記第1層間絶縁膜に設けられたコンタクトホ
ールを介して相互に電気接続されているように構成して
もよい。
【0030】このように構成すれば、コンタクトホール
を介して相互に電気接続された信頼性の高い第1配線部
を得ることが出来る。しかも、このようなコンタクトホ
ールは、画素TFTにおける製造プロセスを利用して比
較的容易に形成することが可能である。
【0031】本発明の第1の電気光学装置において、前
記第3導電膜は前記データ線を形成する金属膜からな
り、前記第2導電膜は前記走査線を形成するポリシリコ
ン膜からなってよい。
【0032】このように構成すれば、第2配線部は、例
えばアルミニウム等の金属膜から形成されるので、低抵
抗化できる。また、ポリシリコン膜からなる部分は金属
膜の場合と比較して数十倍程度に高抵抗ではあるが、第
1導電膜により二重に配線されば、第1配線部の抵抗
は、ポリシリコン膜の抵抗よりも遥かに低抵抗化するこ
とが可能となる。例えば、第1導電膜を、導電性の高融
点金属膜Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPbのうちの
少なくとも一つを含む金属膜、合金又は金属シリサイド
から形成すれば、ポリシリコン膜単独の場合と比較し
て、時定数を数分の一(例えば、約1/2や1/3程度
に)に低めることが可能となる。
【0033】本発明の第1の電気光学装置において、前
記基板に対向する対向基板との間に電気光学物質が挟持
されてなり、前記基板と前記対向基板とはシール材によ
り接着されてなり、前記シール材に対向する前記一方の
基板上のシール領域には、前記電気光学物質の周囲に渡
って少なくとも前記第1導電膜、前記第2導電膜及び前
記第3導電膜が積層されており、前記シール領域を介し
て前記データ線及び前記走査線の延設方向に引き出され
る引き出し配線部は夫々、前記第1導電膜と第2導電膜
と第3導電膜のうちの少なくとも1つからなってよい。
【0034】このように構成すれば、シール材により、
一対の基板間で電気光学物質が封入され、所謂電気光学
物質セルが構成される。ここで、シール領域には、電気
光学物質の周囲に渡って少なくとも第1導電膜、第2導
電膜及び第3導電膜が積層されているので、シール領域
における各種薄膜を含めた両基板間のギャップの電気光
学物質の周囲に渡ってのバラツキを抑えることが可能と
なる。従って、例えば、シール材中に所定外径をもつギ
ャップ材を混入して電気光学物質セルのギャップを制御
する場合に、ギャップ制御をより正確且つ良好に行うこ
とが可能となる。そして、シール領域を介してデータ線
及び走査線の延設方向にそれぞれ引き出される引き出し
配線部は夫々、第1導電膜、第2導電膜及び第3導電膜
のうちの少なくとも1つからなるので、画像表示領域内
への信号供給を問題無く行うことが可能となる。
【0035】本発明の第1の電気光学装置におけるシー
ル領域に第1導電膜、第2導電膜及び第3導電膜が積層
される態様では、前記引き出し配線部は夫々、前記第1
導電膜、第2導電膜及び第3導電膜のうち少なくとも2
つが相互にコンタクトホールを介して電気接続された二
重又は三重配線部からなるように構成してもよい。この
ように構成すれば、引き出し配線部における低抵抗化を
図れる。
【0036】或いは、前記引き出し配線部は夫々、前記
第1導電膜、第2導電膜及び第3導電膜のうち一つから
形成された一重配線部からなり、前記第1導電膜、第2
導電膜及び第3導電膜のうち他の2つは、前記シール領
域において配線として機能しないダミー配線からなるよ
うに構成してもよい。このように構成すれば、ダミー配
線の膜厚により比較的簡単にシール領域における両基板
間のギャップのバラツキを抑えることが可能となる。
【0037】本発明の第1の電気光学装置において、前
記第1導電膜は前記第2導電膜により覆われる形状を持
ってよい。
【0038】この態様によれば、第1配線部のうち第1
導電膜を第2導電膜により平面的に覆うことにより、こ
の第1導電膜からなる部分と交差する、例えば画像信号
線などの配線部において、この第1導電膜からなる部分
との容量カップリングの増大を抑制できるため、この容
量カップリングによる配線部における時定数の増大を抑
制できる。特に、第1導電膜と第2導電膜が介在する構
造を採れば、遮光膜を二重配線部に利用した場合の、第
1導電膜と第2導電膜との間の容量カップリングの増大
を抑制できる。この結果、画像信号線等の配線における
画像信号等の劣化を効果的に防止できる。
【0039】本発明の第1の電気光学装置において、前
記第1導電膜の配線幅は、前記第2導電膜からなる部分
の配線幅以下であってよい。
【0040】このように構成すれば、第1導電膜と第2
導電膜との間の容量カップリングの増大を確実に抑制で
きる。
【0041】本発明の第2の電気光学装置は上記課題を
解決するために、基板上には、複数の走査線と、複数の
データ線と、前記各走査線及び前記各データ線に接続さ
れた薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続
された画素電極と、前記薄膜トランジスタの少なくとも
チャネル領域を平面的に覆う位置に設けられた導電性の
遮光膜と、画像信号を供給する複数の画像信号線と、該
複数の画像信号線に供給される前記画像信号をサンプリ
ングして前記複数のデータ線の各々に供給するサンプリ
ング回路とを備えており、前記画像信号線と前記サンプ
リング回路とを接続する配線の少なくとも一部は、前記
遮光膜と同一膜の第1導電膜からなる。
【0042】本発明の第2の電気光学装置によれば、画
像信号線とサンプリング回路とを接続する中継配線の少
なくとも一部は、導電性の遮光膜と同一膜の第1導電膜
からなるので、配線における低抵抗化を図ることが出来
る。例えば、第1導電膜を導電性の高融点金属膜により
形成すれば、当該中継配線における配線抵抗を顕著に低
めることが可能となる。この際、第1導電膜は、薄膜ト
ランジスタに対する遮光機能と配線としての機能の両方
を兼ね備えるので、構成の簡易化及び製造の単純化を図
る上で有利である。
【0043】以上の結果、低抵抗の配線により、サンプ
リング回路における画像信号の入力が行われるため、電
気光学装置の駆動周波数を高めたり、更にシリアル−パ
ラレル変換数やパラレル入力される画像信号数を増加さ
せたりしても、前述した従来例の如き画像信号線等の中
継配線における容量カップリングによる電位揺れ、ゴー
スト、クロストークなどは低減され、高品位の画像表示
が行える。
【0044】本発明の第2の電気光学装置の一の態様で
は、前記サンプリング回路にサンプリング回路駆動信号
を供給するサンプリング回路駆動信号線の少なくとも一
部は、前記第1導電膜からなる。
【0045】この態様によれば、サンプリング回路駆動
信号線の少なくとも一部は、第1導電膜からなるので、
サンプリング回路駆動信号線における低抵抗化を図るこ
とが出来る。この結果、低抵抗のサンプリング回路駆動
信号線により、サンプリング回路におけるサンプリング
回路駆動信号の入力が行われるため、高品位の画像表示
が行える。
【0046】本発明の第1の電気光学装置の製造方法は
上記課題を解決するために、一対の基板間に電気光学物
質が挿入されてなり、該一対の基板の一方の基板上に
は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記各走査線
及び前記各データ線に接続された薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、前記薄
膜トランジスタの少なくともチャネル領域を平面的に覆
う位置に設けられた導電性の遮光膜と、画像信号を供給
する複数の画像信号線と、該複数の画像信号線に供給さ
れる前記画像信号をサンプリングして前記複数のデータ
線の各々に供給するサンプリング回路とを備えた電気光
学装置の製造方法において、前記画像信号線と前記サン
プリング回路とを接続する配線の一部となる第1導電膜
と前記遮光膜とを同一材料により形成する工程と、前記
第1導電膜及び前記遮光膜の上に第1層間絶縁膜を形成
する工程と、該第1層間絶縁膜上に前記走査線を形成す
ると共に前記第1層間絶縁膜に形成したコンタクトホー
ルを介して前記第1導電膜に接続される第2導電膜を形
成する工程と、前記走査線及び前記第2導電膜上に第2
層間絶縁膜を形成する工程と、前記第2層間絶縁膜のコ
ンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタに接続さ
れる前記データ線及び前記第2導電膜に接続される前記
画像信号線を形成する工程とを有する。
【0047】本発明の第1の電気光学装置の製造方法に
よれば、画像信号線とサンプリング回路とを接続する第
1導電膜と遮光膜とが同一材料により形成される。従っ
て、製造工程の簡略化が図られる。次に、第1導電膜及
び遮光膜の上に第1層間絶縁膜が形成され、この第1層
間絶縁膜上に走査線が形成され、第1層間絶縁膜に形成
したコンタクトホールを介して第1導電膜に接続される
第2導電膜が形成される。次に、走査線及び第2導電膜
上に第2層間絶縁膜が形成され、第2層間絶縁膜のコン
タクトホールを介して薄膜トランジスタに接続されるデ
ータ線及び第2導電膜に接続される画像信号線が形成さ
れる。以上の結果、低抵抗の中継配線により、サンプリ
ング回路における画像信号の入力が行われるため、電気
光学装置の駆動周波数を高めたり、更にシリアル−パラ
レル変換数やパラレル入力される画像信号数を増加させ
たりしても、高品位の画像表示が可能な電気光学装置を
製造できる。
【0048】本発明の第2の電気光学装置の製造方法は
上記課題を解決するために、一対の基板間に電気光学物
質が挿入されてなり、該一対の基板の一方の基板上に
は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記各走査線
及び前記各データ線に接続された薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、前記薄
膜トランジスタの少なくともチャネル領域を平面的に覆
う位置に形成された導電性の遮光膜と、画像信号を供給
する複数の画像信号線と、前記複数の画像信号線に供給
される前記画像信号をサンプリングして前記複数のデー
タ線の各々に供給するサンプリング回路とを備えた電気
光学装置の製造方法において、前記画像信号線と前記サ
ンプリング回路とを接続する中継配線の少なくとも一部
となる第1導電膜と前記遮光膜とを同一材料により形成
する工程と、該第1導電膜及び前記遮光膜の上に第1層
間絶縁膜を形成する工程と、該第1層間絶縁膜上に前記
薄膜トランジスタのソース及びドレインとなる半導体
層、ゲート絶縁膜並びにゲート電極を順次積層形成する
工程と、前記ゲート電極上に第2層間絶縁膜を形成する
工程と、前記第2層間絶縁膜のコンタクトホールを介し
て前記薄膜トランジスタに接続される前記データ線を形
成し、前記第1及び第2層間絶縁膜のコンタクトホール
を介して前記第1導電膜に接続される画像信号線を形成
する工程とを有する。
【0049】本発明の第2の電気光学装置の製造方法に
よれば、画像信号線とサンプリング回路とを接続する第
1導電膜と遮光膜とが同一材料により形成される。従っ
て、製造工程の簡略化が図られる。次に、第1導電膜及
び遮光膜の上に第1層間絶縁膜が形成され、この第1層
間絶縁膜上に、薄膜トランジスタのソース及びドレイン
となる半導体層、ゲート絶縁膜並びにゲート電極が順次
積層形成され、更に、ゲート電極上に第2層間絶縁膜が
形成される。次に、第2層間絶縁膜のコンタクトホール
を介して薄膜トランジスタに接続されるデータ線が形成
される。次に、第1及び第2層間絶縁膜のコンタクトホ
ールを介して、第1導電膜に接続される画像信号線が形
成される。以上の結果、低抵抗の中継配線により、画像
信号の入力が行われるため、電気光学装置の駆動周波数
を高めたり、更にシリアル−パラレル変換数やパラレル
入力される画像信号数を増加させたりしても、高品位の
画像表示が可能な電気光学装置を製造できる。
【0050】本発明の電子機器は、上記の電気光学装置
を備えたことを特徴とする。かかる構成によれば、信号
遅延を抑えて高品位な画像表示可能な電子機器を提供す
ることができる。
【0051】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施形態から明らかにする。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。尚、本発明の実施形態では電気光学
装置として液晶装置を例として説明する。
【0053】(液晶装置の構成及び動作)本発明による
液晶装置の実施形態の構成及び動作について、図1から
図10を参照して説明する。
【0054】先ず、液晶装置の回路構成について図1の
ブロック図を参照して説明する。
【0055】図1は、液晶装置のTFTアレイ基板上に
おいて画像表示領域を構成するマトリクス状に形成され
た複数の画素における各種素子、配線等の等価回路及び
画像表示領域の周辺に位置する周辺回路を示している。
【0056】図1において、本実施形態による液晶装置
の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複
数の画素は、画素電極9aと画素電極9aを制御するた
めのTFT30がマトリクス状に複数形成されており、
画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT30の
ソースに電気接続されている。データ線6aに書き込む
画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供
給されている。本実施形態では特に、画像信号S1、S
2、…、Snは、N(但し、Nは2以上の自然数)相に
シリアル−パラレル変換されている。尚、N本の画像信
号線115から相隣接するN本のデータ線6a同士に対
してグループ毎に供給するように構成しても良い。この
ような構成を採れば、データ線駆動回路101の駆動周
波数を低減でき、信頼性の高い液晶装置を実現できる。
【0057】また、TFT30のゲートに走査線3aが
電気接続されており、所定のタイミングで、走査線3a
にパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順
に線順次で印加するように構成されている。画素電極9
aは、TFT30のドレインに電気接続されており、ス
イッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのス
イッチを閉じることにより、データ線6aから供給され
る画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで
書き込む。画素電極9aを介して電気光学物質としての
液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、
…、Snは、対向基板(後述する)に形成された対向電
極(後述する)との間で一定期間保持される。液晶は、
印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変
化することにより、光を変調し、階調表示を可能にす
る。ノーマリーホワイトモードであれば、印加された電
圧に応じて入射光がこの液晶部分を通過不可能とされ、
ノーマリーブラックモードであれば、印加された電圧に
応じて入射光がこの液晶部分を通過可能とされ、全体と
して液晶装置からは画像信号に応じたコントラストを持
つ光が出射する。ここで、保持された画像信号がリーク
するのを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に
形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。
例えば、画素電極9aの電圧は、画像信号S1、S2、
…Snが供給された時間よりも3桁も長い時間だけ蓄積
容量70により保持される。これにより、保持特性は更
に改善され、コントラスト比の高い液晶装置が実現でき
る。尚、蓄積容量70を形成する方法としては、容量を
形成するための配線である容量線3bを設けても良い
し、前段の走査線3aとの間で容量を形成しても良いこ
とは言うまでもない。
【0058】図1において、液晶装置は、上述のように
データ線6a、走査線3a等が形成されたTFTアレイ
基板上における画像表示領域の周囲に、周辺回路の例と
して、データ線6aを駆動するデータ線駆動回路10
1、走査線3aを駆動する走査線駆動回路104及び画
像信号をサンプリングするサンプリング回路103を備
えている。更に、画像表示領域の周囲には、周辺配線の
一例として、外部回路接続端子から上述の如きN相にシ
リアル−パラレル変換された画像信号S1、S2、…、
Snを供給するためのN本の画像信号線115が配線さ
れている。
【0059】このシリアル−パラレル変換数(N)とし
ては、例えば、当該サンプリング回路103におけるサ
ンプリング能力が相対的に高ければ、3相のシリアル−
パラレル変換、6相のシリアル−パラレル変換等で足り
るし、サンプリング能力が相対的に低ければ、12相の
シリアル−パラレル変換、24相のシリアル−パラレル
変換等が好ましい。
【0060】ここで特に本実施形態では、後に詳述する
ようにシリアル−パラレル変換数(N)即ち画像信号線
115の本数(N)に応じて長くなる中継配線116を
二重配線構造にすることにより低抵抗化しているため
に、画像信号の信号遅延を効果的に抑えつつ、シリアル
−パラレル変換数(N)及び画像信号線115の本数を
増やすことが出来、よって画質を劣化させることなく液
晶装置の駆動周波数を高められる。尚、このシリアル−
パラレル変換数(N)としては、カラー画像信号が3つ
の色(赤、青、緑)に係る信号からなることとの関係か
ら3の倍数であると、NTSC表示やPAL表示等のビ
デオ表示をする際に制御や回路を簡易化する上で好まし
い。
【0061】上述の如きシリアル−パラレル変換を行わ
なくても、RGBのカラー画像信号の場合などのように
複数の画像信号線115を設ける場合には、以下に説明
する本実施形態における低抵抗化された中継配線116
等に係る構造は有効である。
【0062】更に本実施形態では、後に詳述するように
データ線駆動回路101からサンプリング回路103に
至るサンプリング回路駆動信号線114の低抵抗化もそ
の二重配線構造により図ることができる。
【0063】データ線駆動回路101は、走査線駆動回
路104がパルス的に走査線3aに順番に走査信号を送
るのに合わせて、サンプリング回路駆動信号線114を
介してサンプリング回路駆動信号をサンプリング回路1
03を構成する各サンプリングスイッチ103aの制御
端子に供給する。サンプリング回路103は、このサン
プリング回路駆動信号に応じて、外部回路から画像信号
線115に供給された画像信号をサンプリングして、デ
ータ線6aに供給する。
【0064】尚、サンプリング回路103を構成する各
サンプリングスイッチ103aは、製造効率等の観点か
ら好ましくは、画素部におけるTFT30と同一製造プ
ロセスにより製造可能なnチャネル型、pチャネル型、
相補型等のTFTから構成される。
【0065】次に、液晶装置の画像表示領域内における
画素部の構成について図2及び図3を参照して説明す
る。図2は、データ線、走査線、画素電極、遮光膜等が
形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群
の平面図であり、図3は、図2のA−A’断面図であ
る。尚、図3においては、各層や各部材を図面上で認識
可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺
を異ならしめてある。
【0066】図2において、液晶装置のTFTアレイ基
板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9a
(点線部9a’により輪郭が示されている)が設けられ
ており、画素電極9aの縦横の境界に各々沿ってデータ
線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。
データ線6aは、コンタクトホール5を介して半導体層
1aのうち後述のソース領域に電気接続されており、画
素電極9aは、コンタクトホール8を介して半導体層1
aのうち後述のドレイン領域に電気接続されている。ま
た、半導体層1aのうち後述のチャネル領域に対向する
ように走査線3aが配置されている。そして、図中右上
がりの斜線で示した領域に画素部における第1遮光膜1
1aが設けられている。即ち第1遮光膜11aは、画素
部において、半導体層1aのチャネル領域を含むTFT
をTFTアレイ基板の側から見て各々平面的に覆う位置
に設けられている。尚、第1遮光膜11aは、少なくと
も半導体層1aのチャネル領域及びチャネル領域とソー
ス・ドレイン領域の接合部を覆えば、画素TFTにおけ
る光リークの防止機能は発揮されるが、第1遮光膜11
aを定電位にするための配線機能を持たせるためや画素
部の開口領域(即ち、光が透過する領域)を規定するた
め等の理由から、本実施形態では特に、第1遮光膜11
aは、走査線3aに沿って縞状に設けられている。
【0067】図3に示すように、液晶装置は、透明な一
方の基板の一例を構成するTFTアレイ基板10と、こ
れに対向配置される透明な他方の基板の一例を構成する
対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10
は、例えば石英基板からなり、対向基板20は、例えば
ガラス基板や石英基板からなる。TFTアレイ基板10
には、画素電極9aが設けられており、その上側には、
ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16
が設けられている。画素電極9aは例えば、ITO(In
dium Tin Oxide)膜などの透明導電性薄膜からなる。ま
た配向膜16は例えば、ポリイミド薄膜などの有機薄膜
からなる。
【0068】また、TFTアレイ基板10には、各画素
電極9aに隣接する位置に、各画素電極9aをスイッチ
ング制御する画素スイッチング用TFT30が設けられ
ている。
【0069】他方、対向基板20には、その全面に渡っ
て対向電極(共通電極)21が設けられており、その下
側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配
向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、I
TO膜などの透明導電性薄膜からなる。また配向膜22
は、ポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる。
【0070】対向基板20には、更に図3に示すよう
に、各画素の開口領域以外の領域に第2遮光膜23が設
けられている。このため、対向基板20の側から入射光
が画素スイッチング用TFT30の半導体層1aのチャ
ネル領域1a’やソース側LDD(Lightly Doped Drai
n)領域1b及びドレイン側LDD領域1cに侵入する
ことはない。更に、第2遮光膜23は、コントラストの
向上、色材の混色防止などの機能を有する。
【0071】このように構成され、画素電極9aと対向
電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基
板10と対向基板20との間には、後述のシール材によ
り囲まれた空間に液晶が封入され、液晶層50が形成さ
れる。液晶層50は、画素電極9aからの電界が印加さ
れていない状態で配向膜16及び22により所定の配向
状態を採る。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネ
マティック液晶を混合した液晶からなる。シール材52
は、TFTアレイ基板10及び対向基板20をそれらの
周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬
化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定
値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等
のスペーサが混入されている。
【0072】図3に示すように、画素スイッチング用T
FT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板
10と各画素スイッチング用TFT30との間には、第
1遮光膜11aが各々設けられている。第1遮光膜11
aは、好ましくは不透明な高融点金属膜であるTi、C
r、W、Ta、Mo及びPbのうちの少なくとも一つを
含む、金属単体、合金又は、金属シリサイド等から構成
される。このような材料から構成すれば、TFTアレイ
基板10上の第1遮光膜11aの形成工程の後に行われ
る高温処理により、第1遮光膜11aが破壊されたり溶
融しないようにできる。第1遮光膜11aが形成されて
いるので、TFTアレイ基板10の側からの戻り光等が
画素スイッチング用TFT30のチャネル領域1a’や
低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cに入射
する事態を未然に防ぐことができ、光電流の発生により
画素スイッチング用TFT30の特性が劣化することは
ない。
【0073】更に、第1遮光膜11aと複数の画素スイ
ッチング用TFT30との間には、第1層間絶縁膜12
が設けられている。第1層間絶縁膜12は、画素スイッ
チング用TFT30を構成する半導体層1aを第1遮光
膜11aから電気絶縁するために設けられるものであ
る。
【0074】本実施形態では、走査線3aの一部からな
るゲート電極と半導体層1aとの間に設ける絶縁薄膜2
を、走査線3aに対向する位置から延設して誘電体膜と
して用い、半導体層1aを延設して第1蓄積容量電極1
fとし、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2
蓄積容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成さ
れている。より詳細には、半導体層1aの高濃度ドレイ
ン領域1eが、データ線6a及び走査線3aの下に延設
されて、同じくデータ線6a及び走査線3aに沿って延
びる容量線3b部分に絶縁薄膜2を介して対向配置され
て、第1蓄積容量電極1fとされている。特に蓄積容量
70の誘電体としての絶縁薄膜2は、高温酸化によりポ
リシリコン膜上に形成されるTFT30のゲート絶縁膜
に他ならないので、薄く且つ高耐圧の絶縁膜とすること
ができ、蓄積容量70は比較的小面積で大容量の蓄積容
量として構成できる。
【0075】図3において、画素スイッチング用TFT
30は、LDD構造を有しており、走査線3a、該走査
線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層
1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1a
とを絶縁する絶縁薄膜2、データ線6a、半導体層1a
の低濃度ソース領域(ソース側LDD領域)1b及び低
濃度ドレイン領域(ドレイン側LDD領域)1c、半導
体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン
領域1eを備えている。高濃度ドレイン領域1eには、
複数の画素電極9aのうちの対応する一つが接続されて
いる。低濃度ソース領域1b及び高濃度ソース領域1d
並びに低濃度ドレイン領域1c及び高濃度ドレイン領域
1eは後述のように、半導体層1aに対し、n型又はp
型のチャネルを形成するかに応じて所定濃度のn型用又
はp型用の不純物イオンをドープすることにより形成さ
れている。n型チャネルのTFTは、動作速度が速いと
いう利点があり、画素のスイッチング素子である画素ス
イッチング用TFT30として用いられることが多い。
本実施形態では特にデータ線6aは、Al等の金属膜や
金属シリサイド等の合金膜などの遮光性の薄膜から構成
されている。また、走査線3a、絶縁薄膜2及び第1層
間絶縁膜12の上には、高濃度ソース領域1dへ通じる
コンタクトホール5及び高濃度ドレイン領域1eへ通じ
るコンタクトホール8が各々形成された第2層間絶縁膜
4が形成されている。この高濃度ソース領域1dへのコ
ンタクトホール5を介して、データ線6aは高濃度ソー
ス領域1dに電気接続されている。更に、データ線6a
及び第2層間絶縁膜4の上には、高濃度ドレイン領域1
eへのコンタクトホール8が形成された第3層間絶縁膜
7が形成されている。この高濃度ドレイン領域1eへの
コンタクトホール8を介して、画素電極9aは高濃度ド
レイン領域1eに電気接続されている。前述の画素電極
9aは、このように構成された第3層間絶縁膜7の上面
に設けられている。
【0076】画素スイッチング用TFT30は、好まし
くは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領
域1b及び低濃度ドレイン領域1cに不純物イオンの打
ち込みを行わないオフセット構造を持ってよいし、走査
線3aの一部からなるゲート電極をマスクとして高濃度
で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソース
領域及び高濃度ドレイン領域を形成するセルフアライン
型のTFTであってもよい。
【0077】また本実施形態では、画素スイッチング用
TFT30の走査線3aの一部からなるゲート電極を高
濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1e間に1
個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの
間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この際、
各々のゲート電極には同一の信号が印加されるようにす
る。このようにデュアルゲート(ダブルゲート)或いは
トリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネル領
域とソース・ドレイン領域接合部のリーク電流を防止で
き、オフ時の電流を低減することができる。これらのゲ
ート電極の少なくとも1個をLDD構造或いはオフセッ
ト構造にすれば、更にオフ電流を低減でき、安定したス
イッチング素子を得ることができる。
【0078】ここで、一般には、半導体層1aのチャネ
ル領域1a’、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイ
ン領域1c等は、光が入射すると光電変換効果により光
電流が発生してしまい画素スイッチング用TFT30の
トランジスタ特性が劣化するが、本実施形態では、走査
線3aを上側から重なるようにデータ線6aがAl等の
遮光性の金属膜から形成されているので、少なくとも半
導体層1aのチャネル領域1a’及び低濃度ソース領域
1b、低濃度ドレイン領域1cへの入射光の入射を効果
的に防ぐことが出来る。また、前述のように、画素スイ
ッチング用TFT30の下側には、第1遮光膜11aが
設けられているので、少なくとも半導体層1aのチャネ
ル領域1a’及び低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイ
ン領域1cへの戻り光の入射を効果的に防ぐことが出来
る。
【0079】尚、本実施形態では特に、第1遮光膜11
aは定電位源に電気接続されており、定電位とされる。
従って、第1遮光膜11aに対向配置される画素スイッ
チング用TFT30に対し第1遮光膜11aの電位変動
が悪影響を及ぼすことはない。この場合、定電位源とし
ては、当該液晶装置を駆動するための周辺回路(例え
ば、走査線駆動回路、データ線駆動回路等)に供給され
る負電源、正電源等の定電位源、接地電源、対向電極2
1に供給される定電位源等が挙げられるが、本実施形態
では、第1遮光膜11aは走査線駆動回路の負電源に接
続されるものとする。このように周辺回路等の電源を利
用すれば、専用の電位配線や外部回路接続端子を設ける
必要なく、第1遮光膜11aを定電位にできる。
【0080】次に、液晶装置の周辺回路における入出力
配線或いは周辺配線について、図4から図7を参照して
説明する。
【0081】図4は、周辺配線が設けられたTFTアレ
イ基板の部分平面図であり、図5は、図4の中継配線及
び引き出し配線部を拡大して示す拡大平面図であり、図
6は、図4及び図5のB−B’断面図であり、図7は、
図4及び図5のC−C’断面図である。
【0082】図4において、TFT基板アレイ基板10
の周辺部に設けられた外部回路接続端子102からは、
走査線駆動回路104に走査線駆動信号線105aが配
線されており、データ線駆動回路101と液晶を封入す
るシール材52が配置されたシール領域との間の領域
に、複数の画像信号線115が配線されている。
【0083】そして、図4及び図5に示すように、サン
プリング回路103は、シール領域よりも内側におい
て、画像表示領域と該画像表示領域外とを仕切るために
対向基板20上に設けられた額縁としての第3遮光膜5
3(図中、右上がりの斜線領域)下に配置されている。
また、データ線6aの延長線上におけるシール領域下に
は、データ線駆動回路101からのサンプリング回路駆
動信号線114の引き出し配線301a及び画像信号線
115からの引き出し配線301bを含むデータ線側の
引き出し配線301が設けられている。他方、走査線3
aの延長線上におけるシール領域下には、走査線3aの
引き出し配線401aが設けられている。また、容量線
3bの引き出し配線401bを設けても良いということ
は言うまでもない。これら、走査線側の引き出し配線4
01と並列に対向電極電位配線112を設置してもよ
い。この対向電極電位配線112は、上下導通端子10
6a及び上下導通材106を介して対向基板20に形成
された対向電極21(図3参照)に接続され、共通電位
を供給する。また、データ線駆動回路101に所定検査
用の信号を入力するための検査端子111を、データ線
駆動回路101に隣接して設けても良い。
【0084】図6のB−B’断面図に示すように、周辺
配線の一例たる画像信号線115及び引き出し配線30
1bは、データ線6aを形成するのと同一工程で形成さ
れるAl等の金属膜(第3導電膜)で形成されている。
他方、画像信号線115から引き出し配線301bに至
る中継配線116は、走査線3aを形成するポリシリコ
ン膜と同一膜から形成されておりコンタクトホール30
5aを介して対応する画像信号線115に電気接続され
た第2導電膜116a、及び第1遮光膜11aと同一膜
から形成されておりコンタクトホール305bを介して
中継配線116aに電気接続された第1導電膜116b
により、TFTアレイ基板の厚み方向に二重に配線され
た二重配線構造を有する。また、引き出し配線301b
を更に低抵抗化するため第2導電膜116a’及び第1
導電膜116b’を設けても良い。
【0085】このため、従来の如くポリシリコン膜単独
から中継配線を形成する場合と比較して、中継配線11
6における抵抗が導電性の第1導電膜116bにより低
められている。より具体的には、第1導電膜116b
は、導電性の高融点金属膜であるW、Ti、Cr、T
a、Mo及びPbのうちの少なくとも一つを含む、金属
単体、合金又は金属シリサイド等から形成されているの
で、中継配線116における配線に沿った方向の抵抗
を、第1導電膜116bのシート抵抗により支配でき
る。即ち、ポリシリコン膜は、例えば膜厚が300nm
の場合、25Ω/□程度のシート抵抗値を持つため、対
角1.3インチや0.9インチ程度の小型の液晶装置の
場合には、100〜200KΩ程度の抵抗を有し、例え
ば、十数μ秒程度の配線時定数を有するが、第1導電膜
116bはシート抵抗が膜厚200nmの場合10Ω/
□程度まで低減することができるため、この配線時定数
を数μ秒程度にまで小さくすることが可能となる。従っ
て、画像信号線115の下を交差して配線された中継配
線116と画像信号線115との容量カップリングによ
る画像信号の電位揺れで生じる、クロストーク、ゴース
ト等の発生を低減できる。そして、特に当該液晶装置を
前述のようにXGA、SXGA等の駆動周波数の高い機
種として構成することで、シリアル−パラレル変換数
(N)や画像信号線115の本数(N)が増えても、画
像信号の信号遅延を抑制できるため、高精細で高品位な
液晶装置を実現できる。
【0086】これに加えて図6から分かるように、異物
等により第2導電膜116a及び第1導電膜116bの
一方が途中で断線しても、他方で導通がとれるという冗
長構造が実現されている。しかも、第2導電膜116a
及び第1導電膜116bが、第1層間絶縁膜12を突き
破って相互にショートしてしまった場合にも、欠陥品と
ならないで済む。従って、本実施形態によれば、不良品
率が低く、信頼性の高い高品位の画像表示が可能な液晶
装置を実現できる。しかも、当該中継配線116を構築
するにあたっては、画素スイッチング用TFTを遮光す
るための第1遮光膜11aを形成する工程と同一工程
で、第1導電膜116bを形成できるので、工程を増や
すことなく、中継配線116の低抵抗が実現できる。
【0087】また、図4及び図5に示したサンプリング
回路駆動信号線114は、図6に示した中継配線116
と同様に、画像信号線115の下方を交差する二重配線
構造を有する。このように構成すれば、従来例の如くポ
リシリコン膜単独から形成した場合と比較して、サンプ
リング回路駆動信号線114の抵抗や時定数の増加を抑
えることができ、高周波数駆動に適用できる。
【0088】更に図6及び図7に示すように、シール領
域下における画像信号線115aからの引き出し配線3
01bは、第2導電膜116a’及び第1導電膜116
b’が冗長配線として設けられており、三重配線構造を
有する。従って、極めて低抵抗の配線とされており、し
かも図5に示したようにコンタクトホール305a及び
コンタクトホール305bによりシール領域下において
複数箇所で相互に電気接続されており冗長度が増してい
る。これらの結果、引き出し配線301bの信頼性は非
常に高い。尚、第2導電膜116a’及び第3導電膜1
16b’のいずれか一方を引き出し配線301bの冗長
配線とする二重配線構造を採用しても、同じ効果が得ら
れる。また、サンプリング回路駆動信号線114の引き
出し配線301aも同様に、二重或いは三重以上の配線
構造を有するように構成してもよい。
【0089】他方、図4に示した走査線側の引き出し配
線401は各々、走査線3aに沿った方向に延びてお
り、相隣接する配線同士は間隔をおいて配列されてい
る。そして、引き出し配線401は、走査線3aと同じ
ポリシリコン膜から構成されており、各引き出し配線4
01の上には、データ線6aと同じAl膜から構成され
たダミー配線が設けられている。尚、走査線側の引き出
し配線401についての抵抗は通常問題とならないが、
上述したデータ線側の引き出し配線301の場合と同様
に、走査線側の引き出し配線401を、二重或いは三重
以上の配線構造を有するように構成してもよい。
【0090】従って、シール領域には、液晶層50の周
囲に渡ってTFTアレイ基板10上に第1導電膜116
b、116b’、第2導電膜116a、116a’、第
3導電膜(Al膜)並びに第1層間絶縁膜12、第2層
間絶縁膜4及び第3層間絶縁膜7を含む積層体が万遍な
く形成されていることになり、画像表示領域の上下の辺
におけるシール領域における第3層間絶縁膜7の表面の
高さと、画像表示領域の左右の辺における第3層間絶縁
膜7の表面の高さとは一致するので、シール領域全体に
おける両基板間のギャップのバラツキを抑えることが可
能となる。従って、例えば、シール材中に所定外径をも
つギャップ材を混入して液晶セルのギャップを制御する
場合に、ギャップ制御をより正確且つ良好に行うことが
可能となる。特にこのように構成すると、シール領域下
においてギャップ材による応力を受けてデータ線側の引
き出し配線301又は走査線側の引き出し配線401が
断線しても、多重配線構造のため、致命欠陥とはならな
い。
【0091】尚、このようなギャップ制御の目的を重視
するのであれば、図6に示したように引き出し配線30
1bに対し第2導電膜116a’及び第1導電膜116
b’を電気接続するのを止めて、これらの第2導電膜1
16a’及び第1導電膜116b’をギャップ制御用の
ダミー配線として構成してもよい。
【0092】本実施形態では図5に示すように、シール
領域において、引き出し配線301は、ストライプ状の
平面パターンを備えており、夫々幅Lを有して相隣接す
る配線間に配線間隔Sに対応する光透過用の隙間が設け
られている。従って、光硬化性樹脂からなるシール材5
2を用いた場合に、TFTアレイ基板10を介して光を
入射すれば、この積層構造における光透過用の隙間を通
ってシール材52に光を十分に照射することが出来る。
従って、光硬化性樹脂からなるシール材52を、両方の
基板の側からの光により良好に光硬化させることが出来
る。特に、このように光硬化できれば、熱硬化の場合と
比べて余分な熱を液晶装置に与えなくて済むので、液晶
装置の各構成要素の熱劣化を防いだり、熱歪みによる装
置欠陥の発生を防いだり出来るので有利である。また、
光照射の時間が少なくて済むため、配向膜16及び22
(図3参照)にダメージを与えることがない。従って、
液晶のティルト角が高いまま維持されるので、液晶の配
向不良(ディスクリネーション)による画質劣化を防ぐ
ことが出来る。
【0093】また、図4及び図5において、額縁として
の第3遮光膜53下には画像表示領域を構成する画素と
同一構成を持つダミー画素が形成されている。液晶の配
向不良領域等を隠すように設けられた第3遮光膜53下
に表示用の画素を構成する必要は無いが、画像表示領域
の縁付近の画素の特性安定化のために、このように画像
表示領域の縁よりも外に所定幅だけダミー画素を設ける
ようにしても良い。
【0094】更に本実施形態では特に、中継配線116
は、対向基板側から見て、遮光膜からなる第1導電膜1
16b、116b’がポリシリコン膜からなる第2導電
膜116a、116a'により覆われる形状を持つのが
好ましい。より具体的には、例えば図7において、第2
導電膜116a’の配線幅W1が、第1導電膜116
b’の配線幅W2と同じか或いはそれ以上であること、
即ち、W1≧W2となる関係が、図6に示した画像信号
線115下及び図7に示したシール領域下で成立するの
が好ましい。このように構成すれば、図6において、第
1導電膜116bと画像信号線115との間における容
量カップリングの増大を抑制でき、この容量カップリン
グによる画像信号線115や中継配線116における時
定数の増大を抑制できる。特に、交差する個所におい
て、第2導電膜116aが第1導電膜116bと画像信
号線115との間に介在し、第1導電膜116bと画像
信号線115とは比較的距離を隔てているので、前述の
容量カップリングの増大を抑制できる。
【0095】図6及び図7に示した中継配線116は、
第2導電膜116a及び第1導電膜116bから構成さ
れた二重配線構造を採っているが、これらの図に示した
二重配線構造における第2導電膜116a及び116
a’を削除して、図8及び図9に示すように、第1導電
膜116c及び116c’から構成された一重配線構造
を採ってもよい。このように構成すれば、冗長構造によ
る利益は得られないが、図6に示した画像信号線115
下における画像信号線115と第1導電膜116cとの
間の容量は、第1層間絶縁膜12及び第2層間絶縁膜4
の間に第2導電膜116aを設けて中継配線116を構
成する場合と比較して、第1層間絶縁膜12が存在する
分だけ小さくなるので有利である。
【0096】他方、図4及び図5において、画像信号線
115は第2層間絶縁膜4上に形成された第3導電膜
(Al膜)から構成されているため、これと交差するデ
ータ線駆動回路101から引き出し配線301aに至る
サンプリング回路駆動信号線114についても、図6や
図8に示した中継配線116の場合と同様に、Al膜か
ら構成することはできない。このため、画像信号線11
5の下層又は上層等を通る図10の如き立体的な中継配
線116がサンプリング回路駆動信号線114用に必要
となる。尚、図10は図5のD−D’に沿った断面図で
ある。また、中継配線116はできる限り時定数を下げ
る工夫が必要である。そこで以下に述べるような方式が
考えられる。
【0097】図10(1)において、第1導電膜116
dは、第1遮光膜11aと同一膜のW(タングステン)
等の高融点金属膜あるいは金属合金膜等から構成されて
おり、画像信号線115と交差するように第1層間絶縁
膜12の下を通されている。そして、画像信号線115
の両側において第1層間絶縁膜12及び第2層間絶縁膜
4に開孔されたコンタクトホールを介して、データ線駆
動回路101側のサンプリング回路駆動信号線114と
シール領域側の引き出し配線301aとを夫々電気接続
するように構成されている。このような構成を採れば、
中継配線を低抵抗な高融点金属等で形成できるため、配
線抵抗を下げることが可能となり、画像信号の遅延を招
かない。
【0098】図10(2)において、中継配線は、走査
線3aと同一のポリシリコン膜からなる第2導電膜11
6eと第1遮光膜11aと同一のW等の高融点金属膜あ
るいは金属合金膜等からなる第1導電膜116dとから
構成されており、画像信号線115と交差するように第
2層間絶縁膜4及び第1層間絶縁膜12の下を夫々通さ
れている。そして、図で画像信号線115の両側におい
て第1層間絶縁膜12及び第2層間絶縁膜4に夫々開孔
されたコンタクトホールを介して、データ線駆動回路1
01側のサンプリング回路駆動信号線114とシール領
域側の引き出し配線301aとを夫々電気接続するよう
に構成されている。このような構成を採れば、画像信号
線115の下層に第1層間絶縁膜12及び第2層間絶縁
膜4を介して第1導電膜116d及び第2導電膜116
eを形成するため、冗長構造が実現できる。また、第1
導電膜116dは、低抵抗な高融点金属あるいは金属合
金膜等からなるため、配線抵抗を下げることが可能とな
り、画像信号の信号遅延を招かない。尚、第1導電膜1
16dと第2導電膜116eとを直接に電気接続するよ
うにしたが、第1導電膜116dとサンプリング回路駆
動信号線114或いはシール領域側の引き出し配線30
1aと直接に電気接続するようにしてもよい。
【0099】図10(3)において、中継配線は、図1
0(2)における冗長構造をなす中継配線とほぼ同様に
構成された第1導電膜116d及び第2導電膜116e
に加えて、第3層間絶縁膜7上に更に、少なくとも画素
開口領域の一部を規定するための高融点金属膜あるいは
金属合金膜等からなる第4導電膜116fが、画像信号
線115と交差するように通されており、その上に第4
層間絶縁膜117が形成されている。そして、図で画像
信号線115の両側において第3層間絶縁膜7に開孔さ
れたコンタクトホールを介して、データ線駆動回路10
1側のサンプリング回路駆動信号線114とシール領域
側の引き出し配線301aとを第4導電膜116fと共
に夫々電気接続するように構成されている。このような
構成を採れば、画像信号線115の上下層に第1層間絶
縁膜12、第2層間絶縁膜4及び第3層間絶縁膜7を介
して第1導電膜116d、第2導電膜116e、第4導
電膜116fの3層から中継配線を形成するため、更な
る冗長構造が実現できる。また、第1導電膜116d及
び第4導電膜116fは、低抵抗な高融点金属膜あるい
は金属合金膜等からなるため、配線抵抗をなお一層下げ
ることが可能となり、画像信号の信号遅延を招かない。
【0100】以上説明したように本実施形態では、画像
信号線115やサンプリング回路駆動信号線114用の
中継配線116を、第1遮光膜11aと同一工程で形成
される第1導電膜を利用して低抵抗化したが、本発明の
中継配線の適用箇所は、これらの画像信号線115やサ
ンプリング回路駆動信号線114に限られない。例え
ば、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、
サンプリング回路103等の周辺回路内において、Al
膜からなる配線同士が交差する箇所に層間絶縁膜を介し
て形成される走査線3aと同一工程で形成されるポリシ
リコン膜からなる中継配線などの、周辺回路内の任意の
中継配線を第1導電膜を利用して低抵抗化された単層あ
るいは多重配線に置き換えて構成することが、上述の実
施の形態の場合と同様に可能である。特に、データ線駆
動回路101や走査線駆動回路104用の中継配線の低
抵抗化は、それらの回路を構成するシフトレジスタの遅
延を防ぐことによる駆動の高速化を図ることができる。
また、サンプリング回路やプリチャージ回路用の中継配
線の低抵抗化は、サンプリング回路駆動信号やプリチャ
ージ回路駆動信号のなまりを抑えることができ、画像信
号の良好な書込みが可能となり、最終的には画質向上を
図れる。尚、中継配線は2層以上の導電膜から多重配線
を構成しても何等問題はない。
【0101】(液晶装置の製造プロセス)次に、以上の
ような構成を持つ液晶装置の実施形態の製造プロセスに
ついて、図11から図14を参照して説明する。図11
及び図12は、各工程におけるTFTアレイ基板側の各
層を、図6と同様に図4のB−B’断面に対応させて示
す工程図であり、図13及び図14は、各工程における
TFTアレイ基板側の各層を、図3と同様に図2のA−
A’断面に対応させて示す工程図である。尚、B−B断
面における製造プロセスとC−C’断面における製造プ
ロセスとは基本的に同時に並行して行われるものである
ので、以下の説明も両プロセスについて並列に行う。
【0102】図11及び図13の工程(1)に示すよう
に、石英基板、ハードガラス等のTFTアレイ基板10
を用意する。ここで、好ましくはN(窒素)等の不活
性ガス雰囲気且つ約900〜1300℃の高温でアニー
ル処理し、後に実施される高温プロセスにおけるTFT
アレイ基板10に生じる歪みが少なくなるように前処理
しておく。即ち、製造プロセスにおける最高温で高温処
理される温度に合わせて、事前にTFTアレイ基板10
を同じ温度かそれ以上の温度で熱処理しておくと良い。
【0103】このように処理されたTFTアレイ基板1
0の全面に、導電性の高融点金属膜であるTi、Cr、
W、Ta、Mo及びPb等のうち少なくとも一つを含む
金属単体、合金又は金属シリサイドを、スパッタリング
により、100〜500nm程度の膜厚、好ましくは約
200nmの膜厚の遮光膜11を形成する。
【0104】続いて、図13の工程(2)に示すよう
に、該形成された遮光膜11にフォトリソグラフィ及び
エッチングを行うことにより、第1遮光膜11aを形成
する。
【0105】同時に、図11の工程(2)に示すよう
に、該形成された遮光膜11にフォトリソグラフィ及び
エッチングを行うことにより、第1導電膜116b及び
116b’を形成する。
【0106】次に図11及び図13の工程(3)に示す
ように、第1遮光膜11a及び第1導電膜116b上
に、例えば、常圧又は減圧CVD法等によりTEOS
(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB
(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テ
トラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用い
て、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケー
トガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からな
る第1層間絶縁膜12を形成する。この第1層間絶縁膜
12の膜厚は、例えば、約500〜2000nmとす
る。
【0107】次に図11及び図13の工程(4)に示す
ように、第1層間絶縁膜12の上に、約450〜550
℃、好ましくは約500℃の比較的低温環境中で、流量
約400〜600cc/minのモノシランガス、ジシ
ランガス等を用いた減圧CVD(例えば、圧力約20〜
40PaのCVD)により、アモルファスシリコン膜を
形成する。その後、窒素雰囲気中で、約600〜700
℃にて約1〜10時間、好ましくは、4〜6時間のアニ
ール処理を施すことにより、ポリシリコン膜1を約50
〜200nmの厚さ、好ましくは約100nmの厚さと
なるまで固相成長させる。
【0108】この際、nチャネル型の画素スイッチング
用TFT30を作成する場合には、当該チャネル領域に
Sb(アンチモン)、As(砒素)、P(リン)などの
V族元素の不純物イオンを僅かにイオン注入等によりド
ープしても良い。また、画素スイッチング用TFT30
をpチャネル型とする場合には、B(ボロン)、Ga
(ガリウム)、In(インジウム)などのIII族元素の
不純物イオンを僅かにイオン注入等によりドープしても
良い。尚、アモルファスシリコン膜を経ないで、減圧C
VD法等によりポリシリコン膜1を直接形成しても良
い。或いは、減圧CVD法等により堆積したポリシリコ
ン膜にシリコンイオンを打ち込んで一旦非晶質化(アモ
ルファス化)し、その後アニール処理等により再結晶化
させてポリシリコン膜1を形成しても良い。
【0109】次に図13の工程(5)に示すように、フ
ォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、図2
に示した如き所定パターンの半導体層1aを形成する。
即ち、特に走査線3aに沿って容量線3bが形成される
領域には、画素スイッチング用TFT30を構成する半
導体層1aから延設された第1蓄積容量電極1fを形成
する。
【0110】次に図13の工程(6)に示すように、画
素スイッチング用TFT30を構成する半導体層1aと
共に第1蓄積容量電極1fを約900〜1300℃の温
度、好ましくは約1000℃の温度により熱酸化するこ
とにより、約30nmの比較的薄い厚さの熱酸化シリコ
ン膜を形成し、更に減圧CVD法等により高温酸化シリ
コン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜を約50nmの比
較的薄い厚さに堆積し、多層構造を持つ画素スイッチン
グ用TFT30のゲート絶縁膜や容量形成用誘電体膜と
なる絶縁薄膜2を形成する。この結果、半導体層1aの
厚さは、約30〜150nmの厚さ、好ましくは約35
〜50nmの厚さとなり、絶縁薄膜2の厚さは、約20
〜150nmの厚さ、好ましくは約30〜100nmの
厚さとなる。このように高温熱酸化時間を短くすること
により、特に8インチ程度の大型基板を使用する場合に
熱によるそりを防止することができる。但し、ポリシリ
コン膜1を熱酸化することのみにより、絶縁薄膜2を形
成してもよい。
【0111】尚、図13の工程(6)において特に限定
されないが、第1蓄積容量電極1fの部分に、例えば、
Pイオンをドーズ量約3×1012/cmでドープし
て、低抵抗化させてもよい。
【0112】次に、図11の工程(7)において、第1
層間絶縁膜12に第1導電膜116b及び116b’に
至るコンタクトホール305aを反応性イオンエッチン
グ、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチン
グにより或いはウエットエッチングにより形成する。こ
の際、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエ
ッチングのような異方性エッチングにより、コンタクト
ホール305a等を開孔した方が、開孔形状をマスク形
状とほぼ同じにできるという利点がある。但し、ドライ
エッチングとウエットエッチングとを組み合わせて開孔
すれば、これらのコンタクトホール305a等をテーパ
状にできるので、配線接続時の断線を防止できるという
利点が得られる。
【0113】次に図11及び図13の工程(8)に示す
ように、減圧CVD法等によりポリシリコン膜3を堆積
した後、Pを熱拡散し、ポリシリコン膜3を導電化す
る。又は、Pイオンをポリシリコン膜3の成膜と同時に
導入したドープトシリコン膜を用いてもよい。
【0114】次に、図13の工程(9)に示すように、
フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、図
2に示した如き所定パターンの走査線3a及び容量線3
bを形成する。
【0115】同時に図11の工程(9)に示すように、
図4及び図5に示した如き所定パターンの中継配線11
6及び引き出し配線301bを構成する第2導電膜11
6a及び116a’を形成する。
【0116】次に図13の工程(10)に示すように、
図3に示した画素スイッチング用TFT30をLDD構
造を持つnチャネル型のTFTとする場合、半導体層1
aに、先ず低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領
域1cを形成するために、走査線3aを拡散マスクとし
て、PなどのV族元素の不純物イオン17を低濃度で
(例えば、Pイオンを1〜3×1013/cmのドー
ズ量にて)ドープする。これにより走査線3a下の半導
体層1aはチャネル領域1a’となる。
【0117】続いて、図13の工程(11)に示すよう
に、画素スイッチング用TFT30を構成する高濃度ソ
ース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成するた
めに、走査線3aの一部であるゲート電極よりも幅の広
いマスクでレジスト層18を走査線3a上に形成した
後、同じくPなどのV族元素の不純物イオン17’を高
濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1015/cm
のドーズ量にて)ドープする。また、画素スイッチング
用TFT30をpチャネル型とする場合、半導体層1a
に、低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c
並びに高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1
eを形成するために、BなどのIII族元素の不純物イオ
ンを用いてドープする。尚、例えば、低濃度のドープを
行わずに、オフセット構造のTFTとしてもよく、走査
線3aをマスクとして、Pイオン、Bイオン等を用いた
イオン注入技術によりセルフアライン型のTFTとして
もよい。
【0118】これらの工程と並行して、nチャネル型T
FT及びpチャネル型TFTから構成される相補型構造
を持つデータ線駆動回路101及び走査線駆動回路10
4等の周辺回路をTFTアレイ基板10上の周辺部に形
成する。このように、本実施形態において画素スイッチ
ング用TFT30の半導体層1aをポリシリコン膜で形
成すれば、画素スイッチング用TFT30の形成時にほ
ぼ同一工程で、データ線駆動回路101及び走査線駆動
回路104等の周辺回路を形成することができ、製造上
有利である。
【0119】次に図12及び図14の工程(12)に示
すように、画素スイッチング用TFT30における走査
線3aと共に容量線3b及び走査線3a並びに第2導電
膜116a及び116a’を平面的に覆うように、例え
ば、常圧又は減圧CVD法でTEOSガス等を用いて、
NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガ
ラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第
2層間絶縁膜4を形成する。第2層間絶縁膜4の膜厚
は、約500〜1500nmが好ましい。
【0120】次に図12及び図14の工程(13)の段
階で、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1
eを活性化するために約1000℃のアニール処理を2
0分程度行った後、データ線6aに対するコンタクトホ
ール5を、反応性イオンエッチング、反応性イオンビー
ムエッチング等のドライエッチングにより或いはウエッ
トエッチングにより形成する。また、第2導電膜116
aと引き出し配線301bを電気接続するためのコンタ
クトホール305bも、コンタクトホール5と同一の工
程により第2層間絶縁膜4に開孔する。
【0121】次に図12及び図14の工程(14)に示
すように、第2層間絶縁膜4の上に、スパッタリング等
により、遮光性のAl等の低抵抗金属や金属シリサイド
等を金属膜6として、約100〜500nmの厚さ、好
ましくは約300nmに堆積し、更に工程(15)に示
すように、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等
により、データ線6a並びに画像信号線115及び引き
出し配線301bを形成する。
【0122】次に図12及び図14の工程(16)に示
すように、データ線6a上を覆うように、例えば、常圧
又は減圧CVD法でTEOSガス等を用いて、NSG、
PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、
窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶
縁膜7を形成する。第3層間絶縁膜7の膜厚は、約50
0〜1500nmが好ましい。
【0123】次に図14の工程(17)の段階におい
て、画素スイッチング用TFT30において、画素電極
9aと高濃度ドレイン領域1eとを電気接続するための
コンタクトホール8を、反応性イオンエッチング、反応
性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより
形成する。
【0124】次に図12及び図14の工程(18)に示
すように、第3層間絶縁膜7の上に、スパッタリング等
により、ITO膜等の透明導電性薄膜9を、約50〜2
00nmの厚さに堆積し、更に図12及び図14の工程
(19)に示すように、フォトリソグラフィ工程、エッ
チング工程等により、画素電極9aを形成する。尚、当
該液晶装置を反射型の液晶装置に用いる場合には、Al
等の反射率の高い不透明な材料から画素電極9aを形成
してもよい。
【0125】続いて、画素電極9aの上にポリイミド系
の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角
を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等
により、配向膜16が形成される。
【0126】他方、図3に示した対向基板20について
は、ガラス基板等が先ず用意され、第2遮光膜23及び
第3遮光膜53(図4及び図5参照)が、例えば金属ク
ロムをスパッタリングした後、フォトリソグラフィ工
程、エッチング工程を経て形成される。尚、第2遮光膜
23及び第3遮光膜53は、Cr、Ni、Alなどの金
属材料の他、カーボンやTiをフォトレジストに分散し
た樹脂ブラックなどの材料から形成してもよい。
【0127】その後、対向基板20の全面にスパッタ処
理等により、ITO等の透明導電性薄膜を、約50〜2
00nmの厚さに堆積することにより、対向電極21を
形成する。更に、対向電極21の全面にポリイミド系の
配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角を
持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等に
より、配向膜22が形成される。
【0128】最後に、上述のように各層が形成されたT
FTアレイ基板10と対向基板20とは、配向膜16及
び22が対面するようにシール材により貼り合わされ、
真空吸引等により、両基板間の空間に、例えば複数種類
のネマティック液晶を混合してなる液晶が吸引されて、
所定膜厚の液晶層50が形成される。
【0129】(液晶装置の全体構成)以上のように構成
された液晶装置の各の実施形態の全体構成を図15及び
図16を参照して説明する。尚、図15は、TFTアレ
イ基板10をその上に形成された各構成要素と共に対向
基板20の側から見た平面図であり、図16は、対向基
板20を含めて示す図16のH−H’断面図である。
【0130】図15において、TFTアレイ基板10の
上には、シール材52がその縁に沿って設けられてお
り、その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じ
或いは異なる材料から成る額縁としての第3遮光膜53
が設けられている。シール材52の外側の領域には、デ
ータ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がT
FTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走
査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿っ
て設けられている。走査線3aに供給される走査信号遅
延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は
片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ
線駆動回路101を画像表示領域の辺に沿って両側に配
列してもよい。例えば奇数列のデータ線は画像表示領域
の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画
像信号を供給し、偶数列のデータ線は前記画像表示領域
の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から
画像信号を供給するようにしてもよい。この様にデータ
線6aを櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動
回路101の占有面積を拡張することができるため、複
雑な回路を構成することが可能となる。更にTFTアレ
イ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設け
られた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配
線105が設けられている。また、対向基板20のコー
ナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基
板10と対向基板20との間で電気的に導通をとるため
の上下導通材106が設けられている。そして、図16
に示すように、図15に示したシール材52とほぼ同じ
輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52によりTF
Tアレイ基板10に固着されている。
【0131】以上図1から図16を参照して説明した実
施形態における液晶装置のTFTアレイ基板10上には
更に、画像信号のデータ線6aへの書込み負荷軽減のた
めに各データ線6aについて画像信号に先行するタイミ
ングで所定電位のプリチャージ信号を書き込むプリチャ
ージ回路を形成してもよいし、製造途中や出荷時の当該
液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を
形成してもよい。また、データ線駆動回路101、走査
線駆動回路104等の周辺回路の一部を、TFTアレイ
基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape A
utomated Bonding)基板上に実装された駆動用LSI
に、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性
導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するよう
にしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する
側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には
各々、例えば、TN(ツイステッドネマティック)モー
ド、等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノ
ーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、
位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置され
る。
【0132】以上説明した本実施形態における液晶装置
は、カラー液晶プロジェクタに適用されるため、3枚の
液晶装置がRGB用のライトバルブとして各々用いら
れ、各ライトバルブには各々RGB色分解用のダイクロ
イックミラーを介して分解された各色の光が投射光とし
て各々入射されることになる。従って、本実施形態で
は、対向基板20に、カラーフィルタは設けられていな
い。しかしながら、第2遮光膜23の形成されていない
画素電極9aに対向する所定領域にRGBのカラーフィ
ルタをその保護膜と共に、対向基板20上に形成しても
よい。このようにすれば、液晶プロジェクタ以外の直視
型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラー液晶装置に
実施形態における液晶装置を適用できる。更に、対向基
板20上に1画素1個対応するようにマイクロレンズを
形成してもよい。このようにすれば、入射光の集光効率
を向上することで、明るい液晶装置が実現できる。更に
また、対向基板20上に、何層もの屈折率の相違する干
渉層を堆積することで、光の干渉を利用して、RGB色
を作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。
このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、よ
り明るいカラー液晶装置が実現できる。
【0133】以上説明した実施形態における液晶装置で
は、従来と同様に入射光を対向基板20の側から入射す
ることとしたが、第1遮光膜11aを設けているので、
TFTアレイ基板10の側から入射光を入射し、対向基
板20の側から出射するようにしても良い。即ち、この
ように液晶装置を液晶プロジェクタに取り付けても、半
導体層1aのチャネル領域1a’及び低濃度ソース領域
1b、低濃度ドレイン領域1cに光が入射することを防
ぐことが出来、高画質の画像を表示することが可能であ
る。ここで、従来は、TFTアレイ基板10の裏面側で
の反射を防止するために、反射防止用のAR(Anti Ref
lection)被膜された偏光板を別途配置したり、ARフィ
ルムを貼り付ける必要があった。しかし、本実施形態で
は、TFTアレイ基板10の表面と半導体層1aの少な
くともチャネル領域1a’及び低濃度ソース領域1b、
低濃度ドレイン領域1cとの間に第1遮光膜11aが形
成されているため、このようなAR被膜された偏光板や
ARフィルムを用いたり、TFTアレイ基板10そのも
のをAR処理した基板を使用する必要が無くなる。従っ
て、本実施形態によれば、材料コストを削減でき、また
偏光板貼り付け時に、ごみ、傷等により、歩留まりを落
とすことがなく大変有利である。また、耐光性が優れて
いるため、明るい光源を使用したり、偏光ビームスプリ
ッタにより偏光変換して、光利用効率を向上させても、
光によるクロストーク等の画質劣化を生じない。
【0134】また、各画素に設けられるスイッチング素
子としては、正スタガ型又はプレーナー型のポリシリコ
ンTFTであるとして説明したが、逆スタガ型のTFT
やアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに
対しても、実施形態は有効である。
【0135】(電子機器)次に、以上詳細に説明した電
気光学装置を備えた電子機器の実施形態について図17
から図19を参照して説明する。
【0136】先ず図17に、このように電気光学装置の
一例として液晶装置100を備えた電子機器の概略構成
を示す。
【0137】図17において、電子機器は、表示情報出
力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1
004、液晶装置100、クロック発生回路1008並
びに電源回路1010を備えて構成されている。表示情
報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、R
AM(Random Access Memory)、光ディスク装置などの
メモリ、画像信号を同調して出力する同調回路等を含
み、クロック発生回路1008からのクロック信号に基
づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示情報を
表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回
路1002は、増幅・極性反転回路、シリアル−パラレ
ル変換回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、ク
ランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成されて
おり、クロック信号に基づいて入力された表示情報から
デジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKと共に駆
動回路1004に出力する。駆動回路1004は、液晶
装置100を駆動する。電源回路1010は、上述の各
回路に所定電源を供給する。尚、液晶装置100を構成
するTFTアレイ基板の上に、駆動回路1004を搭載
してもよく、これに加えて表示情報処理回路1002を
搭載してもよい。
【0138】次に図18から図19に、このように構成
された電子機器の具体例を各々示す。
【0139】図18は電子機器の一例たる液晶プロジェ
クタ1100を示す。この液晶プロジェクタ1100に
は、上述した駆動回路1004がTFTアレイ基板上に
搭載された液晶装置100を含む液晶表示モジュールを
3個用意し、各々RGB用のライトバルブ100R、1
00G及び100Bとして用いられている。液晶プロジ
ェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光
源のランプユニット1102から投射光が発せられる
と、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミ
ラー1108によって、RGBの3原色に対応する光成
分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ
100R、100G及び100Bに各々導かれる。この
際特にB光は、長い光路による光損失を防ぐために、入
射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レン
ズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導
かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び
100Bにより各々変調された3原色に対応する光成分
は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成さ
れた後、投射レンズ1114を介してスクリーン112
0にカラー画像として投射される。
【0140】図19は電子機器の他の例たるマルチメデ
ィア対応のラップトップ型のパーソナルコンピュータ
(PC)1200を示す。上述した液晶装置100がト
ップカバーケース内に設けられており、更にCPU、メ
モリ、モデム等を収容すると共にキーボード1202が
組み込まれた本体1204を備えている。
【0141】以上図18から図19を参照して説明した
電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又
はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲー
ション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、エン
ジニアリング・ワークステーション(EWS)、携帯電
話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装
置等などが図17に示した電子機器の例として挙げられ
る。
【0142】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、製造効率が高く高品位の画像表示が可能な液晶装置
を備えた各種の電子機器を実現できる。
【0143】
【発明の効果】本発明の電気光学装置によれば、遮光膜
を利用して低抵抗した中継配線等の周辺配線により、画
像信号等を供給するようにしたので、電気光学装置の駆
動周波数を高めても、画像信号線等と中継配線等との容
量カップリングによる容量線の電位揺れ、クロストー
ク、ゴースト等は低減され、高品位の画像表示が行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶装置の実施形態における画像形成領域を構
成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素
子、配線等の等価回路並びに周辺回路を含む液晶装置の
ブロック図である。
【図2】液晶装置の実施形態におけるデータ線、走査
線、画素電極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ基板
の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図3】図2のA−A’断面図である。
【図4】周辺配線が設けられたTFTアレイ基板の部分
平面図である。
【図5】図4の中継配線及び引き出し配線部を拡大して
示す拡大平面図である。
【図6】図4及び図5のB−B’断面図である。
【図7】図4及び図5のC−C’断面図である。
【図8】図4及び図5のB−B’断面における変形態様
を示す断面図である。
【図9】図4及び図5のC−C’断面図における変形態
様を示す断面図である。
【図10】図5のD−D’断面におけるサンプリング回
路駆動信号線用の中継配線の各種態様を示す断面図であ
る。
【図11】液晶装置の実施形態の製造プロセスを、図6
に対応する部分について順を追って示す工程図(その
1)である。
【図12】液晶装置の実施形態の製造プロセスを、図6
に対応する部分について順を追って示す工程図(その
2)である。
【図13】液晶装置の実施形態の製造プロセスを、図3
に対応する部分について順を追って示す工程図(その
1)である。
【図14】液晶装置の実施形態の製造プロセスを、図3
に対応する部分について順を追って示す工程図(その
2)である。
【図15】液晶装置の実施形態におけるTFTアレイ基
板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側
から見た平面図である。
【図16】図15のH−H’断面図である。
【図17】本発明による電子機器の実施形態の概略構成
を示すブロック図である。
【図18】電子機器の一例として液晶プロジェクタを示
す断面図である。
【図19】電子機器の他の例としてパーソナルコンピュ
ータを示す正面図である。
【符号の説明】
1a…半導体層 1a’…チャネル領域 1b…低濃度ソース領域(ソース側LDD領域) 1c…低濃度ドレイン領域(ドレイン側LDD領域) 1d…高濃度ソース領域 1e…高濃度ドレイン領域 1f…第1蓄積容量電極 2…絶縁薄膜 3a…走査線 3b…容量線 4…第2層間絶縁膜 5…コンタクトホール 6a…データ線 7…第3層間絶縁膜 8…コンタクトホール 9a…画素電極 10…TFTアレイ基板 11a…第1遮光膜 12…第1層間絶縁膜 20…対向基板 21…対向電極 23…第2遮光膜 30…TFT 50…液晶層 52…シール材 53…第3遮光膜 70…蓄積容量 101…データ線駆動回路 103…サンプリング回路 104…走査線駆動回路 114…サンプリング回路駆動信号線 115…画像信号線 116…中継配線 301、401…引き出し配線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/78 619B Fターム(参考) 2H092 HA27 JA24 JA46 JB22 JB31 JB51 KA04 MA05 MA13 MA18 MA19 MA29 NA01 NA12 NA22 NA27 NA28 PA01 PA06 QA07 RA05 5C094 AA04 AA09 AA13 AA24 AA53 AA55 BA03 BA43 CA19 DA09 DA13 DB01 DB04 DB10 EA04 EA10 ED15 FA01 FA02 FB12 GB10 5F110 AA06 AA24 AA26 AA30 BB01 BB06 BB07 CC02 CC07 DD02 DD03 EE09 EE28 FF02 FF03 FF09 FF23 FF32 GG02 GG13 GG24 GG25 GG47 HJ01 HJ13 HJ23 HL07 HM14 HM15 HM17 NN03 NN04 NN22 NN23 NN24 NN25 NN26 NN35 NN40 NN42 NN44 NN45 NN46 NN47 NN54 NN72 PP27 PP33 QQ04 QQ05 QQ11

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に複数の走査線と、複数のデータ
    線と、前記各走査線と前記各データ線に接続された薄膜
    トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画
    素電極と、前記薄膜トランジスタの少なくともチャネル
    領域を平面的に覆うように配置された導電性の遮光膜
    と、前記走査線と前記データ線の少なくとも一方に信号
    を供給するための周辺回路と、前記周辺回路に接続され
    た周辺配線とを備えており、 前記周辺配線は、前記遮光膜を形成する第1導電膜を含
    む第1配線部と、前記薄膜トランジスタ、前記データ線
    及び前記走査線を構成する複数の薄膜の少なくとも一つ
    の導電膜を含む第2配線部とを有することを特徴とする
    電気光学装置。
  2. 【請求項2】 前記第1配線部は前記薄膜トランジス
    タ、前記データ線及び前記走査線を構成する複数の薄膜
    のうちの少なくとも一つの第2導電膜と前記第1導電膜
    とを有し、前記第2配線部は前記薄膜トランジスタ、前
    記データ線及び前記走査線を構成する複数の薄膜のうち
    の前記第2導電膜とは異なる第3導電膜を含むことを特
    徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 【請求項3】 前記第2導電膜は、前記第1導電膜より
    も高抵抗であることを特徴とする請求項2に記載の電気
    光学装置。
  4. 【請求項4】 前記遮光膜と前記薄膜トランジスタとの
    間に介在する第1層間絶縁膜と、 前記第2導電膜と前記第3導電膜との間に介在する第2
    層間絶縁膜とを更に備えており、 前記第1配線部は、前記第2配線部の一部に電気接続さ
    れると共に前記第1配線部の他部に対し前記第1及び第
    2層間絶縁膜を夫々介して立体的に交差する中継配線か
    らなることを特徴とする請求項2又は3に記載の電気光
    学装置。
  5. 【請求項5】 前記周辺配線は、外部回路接続端子から
    前記画像信号を供給するための画像信号線を含み、 前記周辺回路は、前記画像信号をサンプリングするため
    のサンプリング回路と、該サンプリング回路を所定タイ
    ミングで駆動して前記画像信号線上の前記画像信号を前
    記サンプリング回路を介して前記複数のデータ線に供給
    させるデータ線駆動回路と、前記走査線を駆動する走査
    線駆動回路とを含むことを特徴とする請求項4に記載の
    電気光学装置。
  6. 【請求項6】 前記画像信号は、N(但し、Nは2以上
    の自然数)シリアル−パラレル変換されており、前記画
    像信号線は、並列にN本設けられており、 該N本の画像信号線は、相互に交差する箇所において前
    記中継配線を含むことを特徴とする請求項5に記載の電
    気光学装置。
  7. 【請求項7】 前記データ線駆動回路から前記サンプリ
    ング回路にサンプリング回路駆動信号を供給するための
    複数のサンプリング回路駆動信号線を更に備えており、 該サンプリング回路駆動信号線は、少なくとも前記画像
    信号線に交差する箇所が前記中継配線からなることを特
    徴とする請求項5又は6に記載の電気光学装置。
  8. 【請求項8】 前記1配線部を構成する前記第1導電膜
    及び前記第2導電膜は、前記第1層間絶縁膜に設けられ
    たコンタクトホールを介して相互に電気接続されている
    ことを特徴とする請求項2から7のいずれか一項に記載
    の電気光学装置。
  9. 【請求項9】 前記第3導電膜は前記データ線を形成す
    る金属膜からなり、 前記第2導電膜は前記走査線を形成するポリシリコン膜
    からなることを特徴とする請求項2から8のいずれか一
    項に記載の電気光学装置。
  10. 【請求項10】 前記基板に対向する対向基板との間に
    前記電気光学物質が挟持されて、前記基板と対向基板と
    はシール材により接着されてなり、 前記シール材に対向する前記基板上のシール領域には、
    電気光学物質の周囲に渡って少なくとも前記第1導電
    膜、前記第2導電膜及び前記第3導電膜が積層されてお
    り、 前記シール領域を介して引き出される前記データ線及び
    前記走査線側の引き出し配線部は夫々、前記第1導電膜
    と第2導電膜と第3導電膜のうちの少なくとも1つから
    なることを特徴とする請求項2から9のいずれか一項に
    記載の電気光学装置。
  11. 【請求項11】 前記引き出し配線部は夫々、前記第1
    導電膜と第2導電膜と第3導電膜のうち少なくとも2つ
    が相互にコンタクトホールを介して電気接続されてなる
    ことを特徴とする請求項10に記載の電気光学装置。
  12. 【請求項12】 前記引き出し配線部は夫々、前記第1
    導電膜と第2導電膜と第3導電膜のうち一つから形成さ
    れた配線からなり、 前記第1導電膜と第2導電膜と第3導電膜のうち他の2
    つは、前記シール領域において配線として機能しないダ
    ミー配線からなることを特徴とする請求項10に記載の
    電気光学装置。
  13. 【請求項13】 前記第1配線部において、前記第1導
    電膜が前記第2導電膜により覆われていることを特徴と
    する請求項2から12のいずれか一項に記載の電気光学
    装置。
  14. 【請求項14】 前記第1配線部において、前記第1導
    電膜の配線幅は、前記第2導電膜の配線幅以下であるこ
    とを特徴とする請求項13に記載の電気光学装置。
  15. 【請求項15】 基板上に複数の走査線と、複数のデー
    タ線と、前記各走査線及び前記各データ線に接続された
    薄膜トランジスタと、 前記薄膜トランジスタに接続された画素電極と、前記薄
    膜トランジスタの少なくともチャネル領域を平面的に覆
    う位置に設けられた導電性の遮光膜と、画像信号を供給
    する複数の画像信号線と、該複数の画像信号線に供給さ
    れる前記画像信号をサンプリングして前記複数のデータ
    線の各々に供給するサンプリング回路とを備えており、 前記画像信号線と前記サンプリング回路とを接続する配
    線の少なくとも一部は、前記遮光膜と同一膜の第1導電
    膜からなることを特徴とする電気光学装置。
  16. 【請求項16】 前記サンプリング回路にサンプリング
    回路駆動信号を供給するサンプリング回路駆動信号線の
    少なくとも一部は、前記第1導電膜からなることを特徴
    とする請求項15に記載の電気光学装置。
  17. 【請求項17】 一対の基板間に電気光学物質が挿入さ
    れてなり、該一対の基板の一方の基板上には、複数の走
    査線と、複数のデータ線と、前記各走査線及び前記各デ
    ータ線に接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トラ
    ンジスタに接続された画素電極と、前記薄膜トランジス
    タの少なくともチャネル領域を平面的に覆う位置に設け
    られた導電性の遮光膜と、画像信号を供給する複数の画
    像信号線と、該複数の画像信号線に供給される前記画像
    信号をサンプリングして前記複数のデータ線の各々に供
    給するサンプリング回路とを備えた電気光学装置の製造
    方法において、 前記画像信号線と前記サンプリング回路とを接続する配
    線の一部となる第1導電膜と前記遮光膜とを同一材料に
    より形成する工程と、 前記第1導電膜及び前記遮光膜の上に第1層間絶縁膜を
    形成する工程と、 該第1層間絶縁膜上に前記走査線を形成すると共に前記
    第1層間絶縁膜に形成したコンタクトホールを介して前
    記第1導電膜に接続される第2導電膜を形成する工程
    と、 前記走査線及び前記第2導電膜上に第2層間絶縁膜を形
    成する工程と、 前記第2層間絶縁膜のコンタクトホールを介して前記薄
    膜トランジスタに接続される前記データ線及び前記第2
    導電膜に接続される前記画像信号線を形成する工程とを
    有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 一対の基板間に電気光学物質が挿入さ
    れてなり、該一対の基板の一方の基板上には、複数の走
    査線と、複数のデータ線と、前記各走査線及び前記各デ
    ータ線に接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トラ
    ンジスタに接続された画素電極と、前記薄膜トランジス
    タの少なくともチャネル領域を平面的に覆う位置に設け
    られた導電性の遮光膜と、画像信号を供給する複数の画
    像信号線と、該複数の画像信号線に供給される前記画像
    信号をサンプリングして前記複数のデータ線の各々に供
    給するサンプリング回路とを備えた電気光学装置の製造
    方法において、 前記画像信号線と前記サンプリング回路とを接続する配
    線の一部となる第1導電膜と前記遮光膜とを同一材料に
    より形成する工程と、 該第1導電膜及び前記遮光膜の上に第1層間絶縁膜を形
    成する工程と、 該第1層間絶縁膜上に前記薄膜トランジスタのソース及
    びドレインとなる半導体層、ゲート絶縁膜並びにゲート
    電極を順次積層形成する工程と、 前記ゲート電極上に第2層間絶縁膜を形成する工程と、 前記第2層間絶縁膜のコンタクトホールを介して前記薄
    膜トランジスタに接続される前記データ線を形成し、前
    記第1及び第2層間絶縁膜のコンタクトホールを介して
    前記第1導電膜に接続される画像信号線を形成する工程
    とを有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1から16に記載の電気光学装
    置を備えたことを特徴とする電子機器。
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