JP2000162523A - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JP2000162523A
JP2000162523A JP10340022A JP34002298A JP2000162523A JP 2000162523 A JP2000162523 A JP 2000162523A JP 10340022 A JP10340022 A JP 10340022A JP 34002298 A JP34002298 A JP 34002298A JP 2000162523 A JP2000162523 A JP 2000162523A
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lens
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deflecting
lenses
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Takashi Shiraishi
貴志 白石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数のビームを走査する露光装置において、高
速のカラープリンタ装置に利用可能な大型で画像形成部
の自由度の高い露光装置を提供する。 【解決手段】この発明の露光装置1は、アッベ数νが6
0以上、28以下および65以下の3枚のガラス製の第
1ないし第3の結像レンズ23,25および27からな
る結像系9を含み、それぞれのレンズを通過するレーザ
ビームL(Y,M,CおよびB)を偏向装置5の多面鏡
と第1の結像レンズとの間、多面鏡の回転軸方向に関し
て相互に交差させる光路としたことにより、加工コスト
が低く、画像形成部に要求される形状に対する光路の自
由度を高め、結像位置におけるレーザビームのビーム径
および結像位置を変動を低減可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数ドラム方式
のカラープリンタ装置あるいはカラー複写装置、多色カ
ラープリンタ装置あるいはカラー複写装置、および複数
露光ビームによる単色の高速レーザプリンタあるいは高
速デジタル複写装置等に使用され、複数の光ビームを一
括して露光走査する光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、複数の感光体ドラムを含む画像
形成ユニットを用いたカラープリンタ装置またはカラー
複写装置などの画像形成装置では、色分解された色成分
に対応する複数の画像データすなわち少なくとも画像形
成ユニットの数に等しい複数の光ビームを提供する露光
装置が利用されている。
【0003】この種の露光装置は、色分解された色成分
毎の画像データに対応する所定数の光ビームを放射する
複数の半導体レーザ素子、各半導体レーザ素子を放射さ
れた各光ビームの断面ビーム径を所定の大きさおよび形
状に絞り込む第1のレンズ群、第1のレンズ群により所
定の大きさおよび形状に絞り込まれた光ビーム群を記録
媒体が搬送される方向と直交する方向に連続的に反射す
ることで偏向する偏向装置および偏向装置により偏向さ
れた光ビームを記録媒体の所定位置に結像させる第2の
レンズ群等を有している。
【0004】上述した露光装置は、適用される画像形成
装置に合わせ、画像形成ユニットのそれぞれに対応した
複数の露光装置を用いる例と、複数の光ビームを1つの
露光装置で提供可能としたマルチビーム露光装置を用い
る例とに分類される。なお、今日、画像形成速度の高速
化および解像度の向上のために、同一色の画像データを
並列に露光することで、高速度に、画像形成が可能な高
速プリンタ装置も提案されている。
【0005】例えば、特開平7−256926号公報に
は、色分解された色成分に対応する4組の画像形成部
と、それぞれの画像形成部に対して4色分の画像データ
を単一の露光装置により露光する例が開示されている。
また、特開平3−53213号公報には、4組の光源
と、2方向に分離された2組の結像レンズ系とを含む露
光装置が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平3−
53213号公報に開示されている露光装置は、露光装
置単体の大きさが大きく、結果として画像形成装置の大
きさを増大することが知られている。これに対して、特
開平7−256926号公報に開示されている露光装置
は、偏向装置と像面(感光体ドラム)との間に設けられ
る結像レンズ系が1組のみであり、露光装置および画像
形成装置がコンパクトに構成されている。
【0007】しかしながら、今日、カラー画像形成装置
において、黒のみの画像の出力可能枚数を増大すること
が要求されている。このことは、例えば現像装置が収容
するトナー量を増大することにより容易に達成できる
が、露光装置の結像レンズ系に関して、黒画像用の結像
レンズ系と黒画像用の以外の結像レンズ系に要求される
光学特性の違いに起因して、露光装置の大きさが大きく
なる問題がある。
【0008】この発明の目的は、高速のカラープリンタ
装置に利用可能な大型で画像形成部の自由度の高い露光
装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した問
題点に基づきなされたもので、光源と、前記光源から出
射された光をほぼ平行光に変換する第1のレンズと、前
記第1のレンズによりほぼ平行光に変換された光を第1
の方向に関してさらに収束させる光学部材と、を含む第
1の光学手段と、回転可能に形成された反射面を有し、
前記第1の光学手段で少なくとも前記第1の方向に収束
性が与えられた光を前記第1の方向および前記光が進行
する方向のそれぞれと直交する方向に偏向する偏向手段
と、前記偏向手段により偏向された前記光を所定の距離
の位置で等速となるように結像するとともに、前記偏向
手段の反射面の角度の偏差に起因する前記光の前記第1
の方向の位置のずれを補正する第2の光学手段と、を有
する光学装置において、前記第1のレンズの出射面側主
点から前記第1のレンズのみを用いた場合に前記光が収
束される位置までの距離が温度の上昇にともなって増大
されることを特徴とする光学装置を提供するものであ
る。
【0010】また、この発明は、光源と、前記光源から
出射された光をほぼ平行光に変換する第1のレンズと、
前記第1のレンズによりほぼ平行光に変換された光を、
光が進行する方向と直交する面における第1の方向に関
してさらに収束させるために前記第1の方向にのみ正の
パワーが与えられた光学部材と、を含む第1の光学手段
と、回転可能に形成された反射面を有し、前記第1の光
学手段で少なくとも前記第1の方向に収束性が与えられ
た光を前記第1の方向および前記光が進行する方向のそ
れぞれと直交する方向に偏向する偏向手段と、複数枚の
レンズを含み、前記偏向手段に最も近接して配置される
レンズの前記偏向手段側のレンズ面と前記偏向手段から
最も離れた位置に位置されるレンズの前記偏向手段から
遠い側のレンズは、それぞれ、回転対称軸が前記偏向手
段の回転中心である回転軸と平行な前記第1の方向に沿
って延出されたトーリック面であって、前記偏向手段の
前記反射面と前記回転軸とのなす角の偏差の影響を補正
するとともに、前記偏向手段により偏向された光を所定
の距離の位置で前記反射面の回転角と前記所定の距離の
位置で前記第1の方向と直交する第2の方向の距離を比
例させるレンズからなる第2の光学手段と、を有するこ
とを特徴とする光学装置を提供するものである。
【0011】さらに、この発明は、光源と、前記光源か
ら出射された光をほぼ平行光に変換する第1のレンズ
と、前記第1のレンズによりほぼ平行光に変換された光
を第1の方向に関してさらに収束させる光学部材と、を
含む第1の光学手段と、回転可能に形成された反射面を
有し、前記第1の光学手段で少なくとも前記第1の方向
に収束性が与えられた光を前記第1の方向および前記光
が進行する方向のそれぞれと直交する方向に偏向する偏
向手段と、3枚のレンズを含み、前記偏向手段に最も近
接して配置されるレンズは、前記第1の方向に直交する
第2の方向に正のパワーを持ち、そのアッベ数がνd
1、前記偏向手段から最も離れた位置に配置されるレン
ズは、前記偏向手段側に面するレンズ面形状が、前記偏
向手段側に凸であって、主走査方向に正のパワーを持
ち、そのアッベ数がνd3、前記2つのレンズの間に配
置されるレンズは、主走査方向に負のパワーを持ち、そ
のアッベ数がνd2であるとき、 60<νd1、νd
3<65およびνd2<28 を満足する第2の光学手
段と、を有することを特徴とする光学装置を提供するも
のである。
【0012】またさらに、この発明は、光源と、前記光
源から出射された光をほぼ平行光に変換する第1のレン
ズと、前記第1のレンズによりほぼ平行光に変換された
光を、光が進行する方向と直交する面における第1の方
向に関してさらに収束させるために前記第1の方向にの
み正のパワーが与えられた光学部材と、を含む第1の光
学手段と、回転可能に形成された反射面を有し、前記第
1の光学手段で少なくとも前記第1の方向に収束性が与
えられた光を前記第1の方向および前記光が進行する方
向のそれぞれと直交する方向に偏向する偏向手段と、複
数枚のレンズを含み、前記偏向手段から最も離れた位置
に配置されるレンズの前記偏向手段側のレンズ面の主走
査方向の形状が前記偏向手段側に向かって凸で、前記偏
向手段から遠い側のレンズ面は、回転対称軸が前記偏向
手段の回転中心である回転軸と平行に規定されたトーリ
ック面に形成され、前記偏向手段の前記反射面と前記回
転軸とのなす角の偏差の影響を補正するとともに、前記
偏向手段により偏向された光を所定の距離の位置で前記
反射面の回転角と前記所定の距離の位置で前記第1の方
向と直交する第2の方向の距離を比例させるレンズから
なる第2の光学手段と、を有することを特徴とする光学
装置を提供するものである。
【0013】さらにまた、この発明は、N本(Nは1以
上の整数)×M群(Mは2以上の整数)で定義されるN
×M個の光源と、前記N×M個のそれぞれの光源から出
射された光を収束光または平行光に変換する複数の有限
焦点レンズもしくはコリメータレンズと、前記複数の有
限焦点レンズおよびコリメータレンズにより収束光また
は平行光に変換された光を、前記有限焦点レンズまたは
コリメータレンズにより収束光または平行光に変換され
た光を、光が進行する方向と直交する面における第1の
方向に関してさらに収束させるために前記第1の方向に
のみ正のパワーが与えられたM組の光学部材と、前記M
組の光学部材を通過したM群の光を前記第1の方向に関
して所定の間隔で整列させるM−1個の合成用反射装置
と、を含む第1の光学手段と、回転可能に形成された反
射面を有し、前記第1の光学手段で少なくとも前記第1
の方向に関して収束性が与えられ、もしくは平行光に変
換された光を前記第1の方向および前記光が進行する方
向のそれぞれと直交する方向に偏向する偏向手段と、こ
の偏向手段により偏向されたN×M本の光を前記偏向手
段により偏向された光を所定の距離の位置で前記反射面
の回転角と前記所定の距離の位置で前記第1の方向と直
交する第2の方向の距離を比例させるとともに、前記偏
向手段の前記反射面と前記回転軸とのなす角の偏差の影
響を補正しながら、前記所定の距離の位置に結像する機
能を持つレンズを含む第2の光学手段と、を有し、前記
M群の光のそれぞれが、前記偏向手段の前記反射面と前
記第2の光学手段のレンズのうち最も偏向手段側に位置
するレンズとの間で、互いに交差するよう構成されてい
ることを特徴とする光学装置を提供するものである。
【0014】またさらに、この発明は、ΣNi(N1+
N2+・・・+NM、Mは2以上の整数、かつNiのそ
れぞれは1以上の整数)の光源と、前記ΣNi個のそれ
ぞれの光源から出射された光を収束光または平行光に変
換する複数の有限焦点レンズもしくはコリメータレンズ
のいづれかと、前記複数の有限焦点レンズおよびコリメ
ータレンズのいづれかにより収束光または平行光に変換
された光を、光が進行する方向と直交する面における第
1の方向に関してさらに収束させるために前記第1の方
向にのみ正のパワーが与えられたM組の光学部材と、前
記M組の光学部材を通過したM群の光を前記第1の方向
に関して所定の間隔で整列させるM−1個の合成用反射
装置と、を含む第1の光学手段と、回転可能に形成され
た反射面を有し、前記第1の光学手段で少なくとも前記
第1の方向に収束性が与えられた光を前記第1の方向お
よび前記光が進行する方向のそれぞれと直交する方向に
偏向する偏向手段と、この偏向手段により偏向されたΣ
Ni本のビームを、前記偏向手段により偏向された光を
所定の距離の位置で前記反射面の回転角と前記所定の距
離の位置で前記第1の方向と直交する第2の方向の距離
を比例させるとともに、前記偏向手段の前記反射面と前
記回転軸とのなす角の偏差の影響を補正するように前記
所定の距離の位置に結像するレンズを含む第2の光学手
段と、を有し、前記M群の光の主光線は、前記第2の光
学手段から前記所定の距離の位置に向かう間に、前記第
1の方向の間隔が相互に近接されることを特徴とする光
学装置を提供するものである。
【0015】さらにまた、この発明は、ΣNi(N1+
N2+・・・+NM、Mは1以上の整数、かつNiのそ
れぞれは1以上の整数)の光源と、前記ΣNi個のそれ
ぞれの光源から出射された光を収束光または平行光に変
換する複数の有限焦点レンズもしくはコリメータレンズ
のいづれかと、前記複数の有限焦点レンズおよびコリメ
ータレンズのいづれかにより収束光または平行光に変換
された光を、光が進行する方向と直交する面における第
1の方向に関してさらに収束させるために前記第1の方
向にのみ正のパワーが与えられたM組の光学部材と、前
記M組の光学部材を通過したM群の光を前記第1の方向
に関して相互に接するような間隔に整列させるM−1個
の合成用反射装置と、を含む第1の光学手段と、回転可
能に形成された反射面を有し、前記第1の光学手段で少
なくとも前記第1の方向に収束性が与えられた光を前記
第1の方向および前記光が進行する方向のそれぞれと直
交する方向に偏向する偏向手段と、3枚のレンズで構成
され、前記偏向手段に最も近接して配置されるレンズ
が、回転対称軸を含まない面を含み、偏向手段により偏
向されたΣNi本のビームを、前記偏向手段により偏向
された光を所定の距離の位置で前記反射面の回転角と前
記所定の距離の位置で前記第1の方向と直交する第2の
方向の距離を比例させるとともに、前記偏向手段の前記
反射面と前記回転軸とのなす角の偏差の影響を補正する
ように前記所定の距離の位置に結像するレンズを含む第
2の光学手段と、を有することを特徴とする光学装置を
提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態を詳細に説明する。
【0017】図1には、この発明の実施の形態である露
光装置が利用されるカラー画像形成装置が示されてい
る。なお、この種のカラー画像形成装置においては、減
法混色を用いてカラー画像を形成することから、通常、
Yすなわちイエロー(黄)、Mすなわちマゼンタ(深
紅)、Cすなわちシアン(青紫)、およびBすなわちブ
ラック(黒、墨入れ用)の色成分に色分解された4種類
の画像データと、Y,M,CおよびBのそれぞれに対応
して各色成分ごとに画像を形成するさまざまな装置が4
組ずつ利用されることから、以下に説明する際に、参照
符号に、Y,M,CおよびBを付加することで、色成分
ごとの画像データとそれぞれに対応する装置を識別する
こととする。
【0018】図1に示されるように、画像形成装置10
0は、周知の減法混色法に基づいて色分解された色成分
のそれぞれに対応する画像を形成する第1ないし第4の
画像形成部50Y,50M,50Cおよび50Bを有し
ている。
【0019】各画像形成部50(Y,M,CおよびB,
以下、第1ないし第4の全ての画像形成部およびそれぞ
れの画像形成部を構成する要素に対する共通な説明につ
いては、参照符号に「*」を付加して、代表して説明す
る)は、図2および図5を用いて後段に説明する露光装
置1のうちの黒(ブラック)画像の露光に利用される第
1ミラー33B、イエロー、マゼンタおよびシアンのそ
れぞれの画像の露光に利用される第3ミラー37Y,3
7Mおよび37Cにより露光装置1から外部に出射され
た画像光としての4組のレーザビームL*のそれぞれに
対応する位置に、50Y,50M,50Cおよび50B
の順で直列に配置されている。
【0020】露光装置1の各ミラー37Y,37M,3
7Cおよび33Bにより、各感光体ドラム58*に案内
されるレーザビームL*は、図2を用いて後段に詳述す
る8個の半導体レーザ素子から出射され、各ミラー37
Y,37M,37Cおよび33Bに対応されるそれぞれ
の感光体ドラム58*の外周面の所定の位置に、各帯電
装置60*と各現像装置62*との間から照射される。
【0021】各感光体ドラム58*に照射されたレーザ
ビームL*すなわち色成分に色分解された画像情報は、
それぞれの感光体ドラム58に組み合わせて配置された
現像装置62*からトナーが供給されることで可視化さ
れ、用紙カセット70から給紙ローラ72およびアライ
ニングローラ74を通ってまたは詳述しない手差し部か
らアライニングローラ74を通って、図示しないモータ
により矢印の方向に回転されるベルト駆動ローラ56お
よびテンションローラ54に掛け渡された搬送ベルト5
2に、帯電ローラ76により印加される電界により静電
吸着されて搬送ベルトとともに移動される被転写材であ
る記録用紙Pに、転写装置64*により、順に転写され
る。なお、各感光体ドラム58*に残存した転写残りト
ナーは、クリーナ66*により除去される。また、各感
光体ドラム58*上に残った残存電位は、除電装置68
*により、除去される。
【0022】このようにして、各現像装置64*により
可視化され、搬送ベルト52により搬送される用紙Pに
転写された4色(または黒一色)の画像は、定着装置8
0により、用紙Pに、熱定着される。
【0023】なお、黒画像形成装置50Bと組み合わせ
られる黒現像装置62Bは、黒一色の非カラー画像が形
成される頻度を考慮して、他の現像装置よりも多くのト
ナーを収容可能に形成されている。
【0024】次に、図1に示した画像形成装置に利用さ
れる露光装置を詳細に説明する。
【0025】図2は、図1に示した画像形成装置100
に組み込まれる露光装置1の光路を展開して平面方向
(以下に説明する偏向装置の回転軸と直交する方向)か
ら見た状態を、図3は、図2に示した平面方向と直交す
る方向(同偏向装置の回転軸と平行な方向)において、
偏向装置の反射点から結像位置(像面)までの間に配置
される光学部材を通過する光ビームに関し、偏向装置に
よる偏向角が0°の位置で見た状態を、それぞれ示して
いる。
【0026】露光装置1は、図1に示した画像形成装置
100の4組の画像形成部50*のそれぞれにより形成
される色分解された色成分毎の画像に対応する4色分の
画像データに対応するレーザビームを発生する2個×4
色=8個のレーザ素子3Yaおよび3Yb,3Maおよ
び3Mb,3Caおよび3Cb,3Baおよび3Bb
と、回転可能に形成された複数の反射面5aを含み、個
々の反射面5aを所定の速度で回転することにより、そ
れぞれのレーザ素子を出射されたレーザビームを所定の
位置に設けられた像面すなわち図1に示した4組の画像
形成部50*の4つの感光体ドラム58*に向けて所定
の線速度で偏向する偏向装置5、各レーザ素子3*aお
よび3*bと偏向装置5との間に設けられ、各レーザビ
ームL*aおよびL*bのそれぞれの断面ビームスポッ
ト形状を所定の形状に整えるとともに、各レーザビーム
を2本×4組のレーザビーム群として配列する偏向前光
学系7*、および偏向装置5により偏向(反射)された
レーザビームを感光体ドラム58*に結像させる偏向後
光学系9を有している。なお、多くの場合、偏向装置5
によりそれぞれのレーザビームが偏向(連続的に、直線
状に反射)される方向が主走査方向(反射面5aが回転
される方向に平行な方向)、この主走査方向に直交し、
偏向装置5の反射面5aが回転される際の回転軸の軸方
向に平行な方向が副走査方向と呼ばれる。
【0027】各レーザ素子から放射された8本のレーザ
ビームは、それぞれのレーザ素子に近接して設けられた
8個のコリメータレンズ11Ya,11Yb,11M
a,11Mb,11Ca,11Cb,11Baおよび1
1Bb(偏向前光学系7*)によりコリメートされる。
なお、偏向後光学系9のレンズの適切な選択により全て
のコリメータレンズは、有限焦点レンズに置き換えられ
ることもある。また、表3および表4を用いて後段に説
明するように、各コリメータレンズは、有限焦点レンズ
に類似した特性を示す。
【0028】各コリメータレンズによりコリメートされ
た8本のレーザビームは、それぞれ絞り13Ya,13
Yb,13Ma,13Mb,13Ca,13Cb,13
Baおよび13Bb(偏向前光学系7*)により所定の
断面ビーム形状が与えられ、ハーフミラー15Y,15
M,15Cおよび15B(偏向前光学系7*)により互
いに対をなす2本のレーザビームLYaおよびLYb、
LMaおよびLMb、LCaおよびLCb、LBaおよ
びLBb相互に、偏向装置5で偏向される方向と直交す
る方向である副走査方向に関して所定の間隔に整列され
る。
【0029】ここで、レーザ素子の個数と色成分の数を
整理すると、色成分の数を「M」、各色成分毎のレーザ
素子の個数を「Ni(iは正の整数で最大値がM)」と
すると、N1(Y)=N2(M)=N3(C)=N4
(B)2×M組(Mは正の整数で,M=4)と表すこと
ができる。すなわち、8本のレーザビームは、ハーフミ
ラー15*により整列されることにより、主走査方向か
ら見た状態で4組(各2本)のΣNi本のレーザビーム
群として取り扱うことが可能となる。
【0030】ハーフミラー15Yにより副走査方向に所
定の間隔で整列された2本のレーザビームLYa,LY
bは、シリンダレンズ17Y(偏向前光学系7Y)によ
り少なくとも副走査方向側について収束性が与えられた
のちレーザ合成ミラー19Y(偏向前光学系7Y)で反
射されて偏向装置5の反射面5aに案内される。
【0031】同様に、ハーフミラー15Mにより副走査
方向に所定の間隔で整列された2本のレーザビームLM
a,LMbは、シリンダレンズ17M(偏向前光学系7
M)により少なくとも副走査方向側について収束性が与
えられたのちレーザ合成ミラー19M(偏向前光学系7
M)で反射され、レーザ合成ミラー19Yにより折り返
されるレーザビームLYa,LYbに対して主走査方向
から見た状態で概ね重なるよう、かつ副走査方向からみ
た状態でレーザビームLYa,LYbよりも内側(偏向
装置5の反射面5aの副走査方向長さの中心寄り)を通
るよう位置合わせされ、ハーフミラー19Yを通って偏
向装置5の反射面5aに案内される。
【0032】また、ハーフミラー15Cにより副走査方
向に所定の間隔で整列された2本のレーザビームLC
a,LCbは、シリンダレンズ17C(偏向前光学系7
C)により少なくとも副走査方向側について収束性が与
えられたのちレーザ合成ミラー19C(偏向前光学系7
C)で反射され、レーザ合成ミラー19Mにより折り返
されるレーザビームLMa,LMbに対して主走査方向
から見た状態で概ね重なるように位置合わせされ、レー
ザ合成ミラー19Mおよび19Yとは副走査方向にずれ
た光路を通って偏向装置5の反射面5aに案内される。
【0033】さらに、ハーフミラー15Bにより副走査
方向に所定の間隔で整列された2本のレーザビームLB
a,LBbは、シリンダレンズ17B(偏向前光学系7
B)により少なくとも副走査方向側について収束性が与
えられたのち折り返しミラー19B(偏向前光学系7
B)で反射され、レーザ合成ミラー19Cにより折り返
されたレーザビームLCa,LCbに対して主走査方向
から見た状態で概ね重なるよう、かつ副走査方向からみ
た状態でレーザビームLCa,LCbよりも外側で偏向
装置5の反射面5aの副走査方向長さの中心を対称軸と
してレーザビームLYa,LYbのそれぞれと軸対称と
なるように位置合わせされ、レーザ合成ミラー19C,
19M,19Yとは副走査方向にずれた空間を順に通っ
て偏向装置5の反射面5aに案内される。
【0034】なお、それぞれのレーザ素子3*aないし
3*bと、コリメータレンズ11*aないし11*b
と、絞り13*aないし13*は、図示しないレンズホ
ルダに一体に組み込まれ、例えばアルミニウム合金等に
より形成された保持部材21上を光軸方向に沿って移動
可能に形成されている。また、各ハーフミラー15*
は、反射面角度調整機構つきの図示しないミラーホルダ
により、各シリンダレンズ17*は、焦点距離調整機構
つきの図示しないレンズマウントにより、各レーザ合成
ミラーミラー19*は、角度調整機構つき図示しないミ
ラーマウントにより、それぞれ独立に保持され、同保持
部材21の所定の位置に一体的に配置される。
【0035】偏向装置5の各反射面5aの回転により順
次偏向された8本(4組)のレーザビームは、主走査方
向と平行な方向が円弧状に形成された第1ないし第3の
結像レンズ23,25および27(偏向後光学系9)を
順に通過されることにより、それぞれのレンズで所定の
結像特性が与えられ、結像状態(光軸方向の焦点位置の
ずれ)および結像位置(主走査方向および副走査方向焦
点位置)、断面ビーム径およびその形状、収差状態等が
最適に設定されて、像面(感光体ドラム58*の外周
面)に案内される。なお、第3の結像レンズ27の所定
の領域であって、各感光体ドラム58*の非画像領域に
対応する部分に到達可能な領域を通過したレーザビーム
の一部は、水平同期信号を得るために、水平同期ミラー
29により水平同期検出器31に向けて折り曲げられ
る。また、像面に案内される各レーザビーム(黒用のレ
ーザビームLBa,LBbを除く)は、図1から明らか
なように、第1ないし第3のミラー33Y,35Yおよ
び37Y,33M,35Mおよび37M、33C,35
Cおよび37C(偏向後光学系9)のそれぞれにより順
次折り曲げられ(黒用のレーザビームLBa,LBb
は、第1ミラー33Bにのみ折り曲げられ)、防塵フィ
ルタ39*(偏向後光学系9)を通って像面に照射され
る。
【0036】像面すなわち各画像形成部50*の感光体
ドラム58*に照射された色成分毎のレーザビームL*
aおよびL*bは、先に説明したように、それぞれの感
光体ドラム58に対応する帯電装置60*により予め帯
電されている(感光体ドラム58*の)表面電位を選択
的に変化させる。この表面電位の変化は、静電潜像とし
て、所定時間、維持され、対応する現像装置62*から
現像剤であるトナーが供給されることにより可視化され
る(現像される)。
【0037】このように、4組(8本)のレーザビーム
を媒体として複写された画像データすなわちトナー像
は、カセット70から給送され、搬送ベルト52により
第1の画像形成部50Yの側から第4の画像形成部50
Bに向けて搬送される用紙Pに順に転写され、定着装置
84によって、用紙Pに定着される。
【0038】このとき、それぞれの画像形成部50*の
各現像装置62により形成された4色のトナー像(トナ
ー)は、定着装置84から供給される熱により溶融され
るので、トナーに固有の色とそれぞれのトナーが混じり
合うことにより生じる中間色および濃淡(黒)が最適に
再現され、カラー(黒)画像となる。
【0039】以下、カラー(黒)画像が定着された用紙
Pは、画像形成装置100の外部に順に排出され、スト
ックされる。
【0040】次に、偏向前光学系7および偏向後光学系
9のそれぞれに含まれる光学要素のそれぞれの光学特性
について詳細に説明する。なお、それぞれのレンズある
いは光学要素の光学特性は、表1ないし表3を用いて後
段に示す通りである。
【0041】コリメータレンズ11Ya,11Yb,1
1Ma,11Mb,11Ca,11Cb,11Baおよ
び11Bbのそれぞれは、ガラス製の非球面レンズであ
る。なお、それぞれのコリメータレンズの光学特性は、
単体では同一であり、焦点距離は、例えば57.06m
mである。また、レンズの材料として、ガラス材料は、
好ましくは、FK5,SF60,FSK1等である。
【0042】絞り13Ya,13Yb,13Ma,13
Mb,13Ca,13Cb,13Baおよび13Bbの
それぞれは、厚さ0.1mmのステンレス鋼の薄板に、
所定の大きさおよび形状の開口部を設けたもので、各レ
ーザ素子に取付誤差が生じた場合であっても光量変動が
最小となるように、コリメータレンズの後ろ側焦点に配
置されている。
【0043】ハーフミラー15Y,15M,15Cおよ
び15Bのそれぞれは、厚さが5mmで透過率97%の
ガラス製の平行平板の少なくとも一方の面に、透過率が
51。5%となるよう、所定の厚さの金属薄膜が例えば
蒸着により堆積されたもので、レーザ素子3Ya,3M
a,3Caおよび3Baのそれぞれから放射されたレー
ザビームを透過させ、レーザ素子3Yb,3Mb,3C
bおよび3Bbのそれぞれから放射されたレーザビーム
を反射することにより、各色成分に対応する2本のレー
ザビームを、副走査方向に所定の間隔となるよう合成す
る。
【0044】シリンダレンズ17Y,17M,17Cお
よび17Bのそれぞれは、副走査方向(レーザビームが
進行する方向をX軸、レーザビームが進行する方向に直
交する平面のうち主走査方向をY軸、主走査方向に直交
する副走査方向をZ軸として示すとき、Z軸方向)にの
みパワー(曲率表示で0.02338)が与えられたガ
ラス製のレンズである。なお、ガラス材料としては、好
ましくは、BK7等が利用される。
【0045】レーザ合成ミラー19Y,19M,19C
および19Bのそれぞれは、厚さが5mmのガラス製の
平行平板の少なくとも一方の面に、反射率が85%以上
となるよう、所定の厚さの金属薄膜が例えば蒸着により
堆積されたもので、ハーフミラー15Y,15M,15
Cおよび15Bのそれぞれにより4組に合成され、シリ
ンダレンズ17Y,17M,17Cおよび17Bを通っ
て所定の断面ビーム径が与えられたレーザビームLY,
LM,LCおよびLBのそれぞれを、実質的に1本のレ
ーザビームと見なすことができる状態で副走査方向に所
定の間隔(レーザビーム相互が互いに接しない間隔を所
定の場所、例えば合成ミラー19、分離用ミラー33*
で確保できる程度の間隔)となるようさらに合成して偏
向装置5に向けて折り返すものである。
【0046】偏向装置5は、回転可能に形成された多面
鏡の外周面に設けられた例えば8面の反射面を所定の速
度で主走査方向に沿って回転することで、レーザ合成ミ
ラー19Y,19Mおよび19Cのそれぞれにより一ま
とめに合成された各レーザビームを、以下に説明する偏
向後光学系9に、順に入射させる。
【0047】第1ないし第3の結像レンズ23,25お
よび27は、それぞれガラスにより形成され、副走査方
向に関しては、3枚のレンズにより与えられる収束性が
合成されることにより、像面すなわち各感光体ドラム5
8*の外周面の所定の位置に、各レーザ素子からの4組
のレーザビームと色成分とを対応させて分離するととも
に所定の形状および断面ビーム径のレーザビームを提供
する。また、それぞれのレンズは、主走査方向に関して
は、3枚のレンズにより与えられる収束性が合成される
ことにより、各感光体ドラム58*の外周面の所定の位
置に、それぞれのレーザビームと各色成分とを対応させ
るとともに、各感光体ドラム58*の長手(軸)方向の
位置と偏向装置5の各反射面5aの回転角とを比例させ
ながら所定の形状および断面ビーム径のレーザビームを
提供する。なお、いづれのレンズもガラスレンズであ
り、通常は、レンズ面は研磨により形成されるが、第1
の結像レンズ23についてのみ、後段に詳述するよう
に、2面のレンズ面とも成形加工により形成される。
【0048】第1ないし第3のミラー33Y,33M,
33C,33B,35Y,35M,35C,37Y,3
7Mおよび37Cのそれぞれは、通常のフロートガラス
の一方の面に、反射面を構成する金属層が、例えば蒸着
により所定厚さに形成されたものである。なお、それぞ
れのミラーは、詳述しないミラー保持部材により、主走
査方向、副走査方向およびレーザビームが進行する光軸
方向のそれぞれの方向に関して独立に位置および角度が
調整可能に形成されている。
【0049】防塵フィルタ39*は、それぞれ、例えば
厚さ2mmのフロートガラスであり、必要に応じて、任
意の色に着色されてもよい。なお、画像形成装置100
内部を浮遊するトナーの自己融着をさけるために、樹脂
材料は、避けられる。
【0050】ところで、既に説明したように、特開平7
−256926号公報に開示されているような露光装置
を用いると、例えば黒のみの画像の出力可能枚数を増大
することが要求された場合、黒画像用のトナーの容量を
増大することにより対応可能となるが、多くの量のトナ
ーを収容可能とするために、露光装置の大きさが増大さ
れることになる。なお、特開平7−256926号公報
に開示されている露光装置では、偏向装置5と像面の間
の距離が短いため、トナーの収容量を増大することは困
難である。
【0051】以下、露光装置の大きさを増大することな
く現像装置のトナー収容量を増やすことのできる結像光
学系の構成について説明する。
【0052】図4は、結像光学系9の第1ないし第3の
結像レンズ23,25および27のそれぞれの条件の与
え方を最適化する例を説明する概略図である。
【0053】結像光学系9の第1ないし第3の結像レン
ズ23,25および27はそれぞれ入射面と出射面の2
面のレンズ面を有するから、偏向装置5に近い側から、
第1面ないし第6面と名称を与え、それぞれのレンズ面
の形状および加工時の加工軸(回転対称軸)の向きとレ
ンズの材質について詳細に説明する。
【0054】第1の結像レンズ23は、偏向装置5に面
する側すなわち入射面(第1面)がトーリック面に、出
射面(第2面)が特定の回転対称軸のみでは加工されな
い自由曲面に定義されたレンズである。また、曲率の方
向は、第1面および第2面のそれぞれにおいて、主走査
方向および副走査方向のいづれの方向に関しても、偏向
装置5側に凹である。なお、第1面における回転対称軸
(加工時の加工軸)の方向は、副走査方向に一致されて
いる。また、第1面の母線の円弧の中心は、偏向装置5
側に定義されている。なお、レンズの材質は、例えばア
ッベ数「νd」が、νd=64.2である光学ガラス
(BK7)である。
【0055】第2の結像レンズ25は、第1の結像レン
ズ23(偏向装置5)に面する側すなわち入射面(第3
面)が回転対称軸が副走査方向に定義された円筒面で、
出射面(第4面)が平面に定義されたレンズである。な
お、レンズの材質は、例えばνd=25.46である光
学ガラス(SF60)である。
【0056】第3の結像レンズ27は、第2の結像レン
ズ25(偏向装置5)に面する側すなわち入射面(第5
面)が円筒面に、出射面(第6面)がトーリック面に定
義されたレンズである。また、曲率の方向は、第5面が
偏向装置5側に凸で、第6面が偏向装置5側に凹であ
る。なお、第5面および第6面のそれぞれの回転対称軸
の方向は、いづれも副走査方向に定義されている。ま
た、レンズの材質は、νd=64.2の光学ガラス(B
K7)である。
【0057】上述した各レンズ面の形状およびおよび加
工時の加工軸(回転対称軸)の向きとレンズの材質は、
図4に示されるように、さまざまな条件の組み合わせに
対し、以下に説明する評価関数が最小となる条件を選択
することにより求められたもので、加工コストおよび加
工に要求される時間等も考慮した結果から導き出された
条件の1つである。
【0058】すなわち、主走査方向のデフォーカス量、
副走査方向のデフォーカス量、面倒れ(偏向装置の各反
射面の角度の誤差によるレーザビームの副走査方向の反
射角のずれ)補正量、各レーザビームの主走査方向の相
対位置ずれ、各レーザビームの副走査方向の相対位置ず
れ、fθ特性およびレーザ素子の発光波長の波長変動に
よる位置ずれ量のそれぞれに関し、目標値(基準値)か
らのずれを求め、そのずれの2乗和を評価関数として、
評価関数が最小となる条件を求めることにより第1ない
し第6のレンズ面(第1ないし第3の結像レンズの各レ
ンズ面)を最適化できる。なお、第1の結像レンズ23
の入射面を第1のレンズ面とし、第3の結像レンズ27
の出射面を第6のレンズ面とする。従って、第2のレン
ズ面は、第1の結像レンズ23の出射面、第3のレンズ
面は、第2の結像レンズ25の入射面、第4のレンズ面
は、第2の結像レンズ25の出射面、第5のレンズ面
は、第3の結像レンズ27の入射面に、それぞれ対応さ
れる。
【0059】詳細には、第1ないし第6の各レンズ面
を、 4 :回転対称軸を持たない自由曲面 cv:主走査、副走査方向断面形状が共に円弧の面によ
り入射面および出射面のそれぞれが定義されているレン
ズ (fは、レンズ面の最適化を示す識別子)のそれぞれに
分類し、図4(a)に示すように、第1ないし第6のレ
ンズ面の順に、 4−4−cv−cv ・・・ (11) cv−cv−4−4 ・・・ (12) cv−4−4−cv ・・・ (13) cv−cv−cv ・・・ (14) と条件を変化させながら、回転対称軸を持たない自由曲
面を配列すべきレンズ位置(レンズ面番号)を最適化す
ると、(1)で示される第1の結像レンズ23の各レン
ズ面(第1のレンズ面および第2のレンズ面)のそれぞ
れを自由曲面とする例において、評価関数の数値の小さ
な条件が存在することが認められる。なお、図4(a)
に示されるように、自由曲面を配列すべきレンズ面が第
1レンズ面および第2レンズ面に定義されることは、サ
イズが小さく、研磨による加工が適さない第1の結像レ
ンズ23の加工、すなわち成形加工に好都合であり、か
つ成形加工に要求されるサイクルタイムを短縮できる利
点が生じる。
【0060】図4(b)は、図4(a)に示した条件か
ら求められる最適なレンズ面の配置において、第1の結
像レンズ23の入射面と出射面を既に説明した自由曲面
とし、第2および第3の結像レンズ25,27のそれぞ
れの第3ないし第6のレンズ面の形状をより最適化する
例を示している。
【0061】すなわち、第2の結像レンズ25の入射面
である第3のレンズ面、第2の結像レンズ25の出射面
である第4のレンズ面、第3の結像レンズ27の入射面
である第5のレンズ面および第3の結像レンズ27の出
射面である第6のレンズ面のそれぞれに関し、 d :回転対称軸が副走査方向に定義された円筒面 c :回転対称軸が主走査方向に定義された円筒面 s :球面 u :回転対称軸が副走査方向に定義されているトーリ
ック面で、母線形状は円弧 のいづれかの条件に分類し、図4(a)に示したと同様
に、第1ないし第6のレンズ面の順に、 4−4−d−c−d−u ・・・ (21) 4−4−d−d−d−u ・・・ (22) 4−4−d−c−s−u ・・・ (23) 4−4−d−d−s−u ・・・ (24) 4−4−d−c−c−u ・・・ (25) 4−4−d−d−c−u ・・・ (26) と条件を変化させながら、第3のレンズ面ないし第6の
レンズ面のそれぞれの面の形状を最適化すると、(5)
および(6)もしくは(7)の例において、評価関数の
数値が小さくなる条件が存在することが認められる。な
お、評価関数の大きさは、図4(a)の例とは異なるの
で、評価関数の数値のみによる比較はできない。
【0062】すなわち、図4(b)に示されるように、
少なくとも第3のレンズ面(第2の結像レンズの入射
面)については、回転対称軸が副走査方向に定義された
円筒面が好ましく、第5のレンズ面(第3の結像レンズ
の入射面)については、母線の形状が円弧で回転対称軸
が副走査方向に定義されているトーリック面または球面
のいづれかが好ましいことが認められる。
【0063】図4(c)は、図4(b)により求められ
た第3および第5のレンズ面の条件を生かしながら、す
でに求められた第1および第2のレンズ面の条件を、コ
ストおよび製造のしやすさの点で異なる条件に変更可能
か否かを考慮した結果を示し、第1または第2のレンズ
面のいづれか一方に関し t :回転対称軸が主走査方向に定義されているトーリ
ック面で、母線形状は円弧 p :平面 の条件を新たに付与しながら、図4(a)に示したと同
様に、第1ないし第6のレンズ面の順に、 u−4−d−c−d−u ・・・ (31) u−4−d−d−d−u ・・・ (32) u−4−d−p−d−u ・・・ (34) 4−4−d−c−d−u ・・・ (35) t−4−d−c−s−u ・・・ (36) u−4−d−c−s−u ・・・ (37) t−4−d−c−d−u ・・・ (38) d−4−d−c−s−u ・・・ (3a) s−4−d−c−s−u ・・・ (3b) c−4−d−c−s−u ・・・ (3c) 4−t−d−c−d−u ・・・ (3d) u−4−d−p−c−u ・・・ (3e) u−4−d−p−s−u ・・・ (3f) u−4−d−d−p−u ・・・ (3g) u−4−d−p−p−u ・・・ (3h) と条件を変化させながら、第3のレンズ面ないし第6の
レンズ面のそれぞれの面の形状を最適化すると、(3
1)ないし(33)の例において、評価関数の数値が小
さくなる条件が存在することが認められる。なお、評価
関数の大きさは、図4(a)あるいは図4(b)の例と
は異なるので、評価関数の数値のみによる比較はできな
い。
【0064】ところで、評価関数の数値の大きさとして
は(31)の例に比較して大きくなるが、第1または第
2のレンズ面に母線の形状が円弧で回転対称軸が主走査
方向に定義されているトーリック面を用いる例(38)
あるいは(3d)についても、例えば製造のしやすさの
点で、僅かではあるが有意性が認められる。すなわち、
第1の結像レンズ23の入射面(第1のレンズ面)と、
第3の結像レンズ27の出射面(第6のレンズ面)のそ
れぞれを、母線形状が球面で回転対称軸が副走査方向に
向けられているガラス製のトーリック面を使用すると、
評価関数の大きさは、小さくなる。なお、この条件にお
いて、第1のレンズ面を自由曲面とすることで、さらに
光学特性が向上できるが第1の結像レンズ23を成形加
工するための金型コストが増大するため、第1のレンズ
面は、トーリック面とする。従って、第1の結像レンズ
23の入射面(第1面)をトーリック面、出射面(第2
面)を自由曲面、第2の結像レンズ25の入射面(第3
面)を、加工が容易な円筒面、出射面(第4面)を、平
面、第3の結像レンズ27の入射面(第5面)を、円筒
面および出射面(第6面)を、トーリック面とすること
により、コストおよび製造の容易さを確保しながら、要
求される所定の光学特性を得ることができる。なお、第
3の結像レンズ27に関し、入射面(第5面)の形状と
しては、副走査方向に関しては、偏向装置5に向けて凸
および凹もしくは平面のいづれの条件も設定可能である
が、主走査方向に関しては、偏向装置5に向けて凸であ
る必要が生じる。ここで、副走査方向の形状を偏向装置
5に向けて凹とするならば、評価関数は、50%程度増
大(劣化)することが認められる。このため、第6面
(第3の結像レンズ27の出射面)の形状を、回転対称
軸の方向が偏向装置5の反射面の回転軸の方向と平行な
副走査方向に向けられているトーリック面として第5面
(第3の結像レンズ27の入射面)の副走査方向の形状
を、偏向装置5に向かって凸とすることにより、評価関
数の大きさを小さくできる。
【0065】図4(d)は、図4(c)により求められ
た「平面」を含むレンズ面の構成において、レンズの材
質を変更することにより、さらに最適化した結果を示す
もので、レンズの材質を図4(c)において利用した
「SF10」を、 と変化させたところ、「SF60」または「SF6」を
用いることにより、より評価関数の数値が小さくなる条
件が存在することが認められる(表4参照)。
【0066】より詳細には、各レンズに用いるガラス材
料のアッベ数「νd」を変化させて検討した結果、基本
とした「SF10」におけるνdがνd=28.83で
あるに対して、νd=27.76であるSF13、νd
=25.46であるSF6、νd=25.46であるS
F60、νd=25.70であるSF12、νd=2
6.55であるSF14のそれぞれのガラス材料を用い
ることにより、各レーザ素子から放射されるレーザビー
ムの発光波長が、例えば最大で15nm程度変動したと
しても、像面におけるレーザビームが到達する位置(ビ
ーム到達位置)の変動量を10μm以下に抑えることが
できる。なお、上述したように「SF6」および「SF
60」を用いると、より効果が顕著となることはいうま
でもない。
【0067】これにより、実際に露光装置を組み立てる
際に、温度の変化により発生するレーザ素子の発光波長
の変動量の大きさを考慮する必要がなくなる。
【0068】以上説明したように、偏向後光学系9の第
1ないし第3の結像レンズ23,25および27のそれ
ぞれの入射面および出射面の形状を、 第1面(第1の結像レンズ23の入射面) → 主走査方向の母線の形状が偏向装置5に向けて凹で、回
転対称軸の向きが副走査方向で回転中心が偏向装置5寄
りのトーリック面、 第2面(第1の結像レンズ23の出射面) → 主走査方向の母線の形状が偏向装置5に向けて凹で、副
走査方向の断面形状が偏向装置5に向けて凹の自由曲
面、 第3面(第2の結像レンズ25の入射面) → 主走査方向の母線の形状が偏向装置5に向けて凹で、回
転対称軸の向きが副走査方向で回転中心が偏向装置5寄
りの円筒面、 第4面(第2の結像レンズ25の出射面) → 平面、 第5面(第3の結像レンズ27の入射面) → 主走査方向の母線の形状が偏向装置5に向けて凸で、回
転対称軸の向きが副走査方向で回転中心が像面寄りの円
筒面、 第6面(第3の結像レンズ27の出射面) → 主走査方向の母線の形状が偏向装置5に向けて凹で、回
転対称軸の向きが副走査方向で回転中心が偏向装置5寄
りのトーリック面、と定義することにより、偏向後光学
系9の全ての結像レンズをガラス製のレンズとして、現
像装置あるいはトナー収容部の大きさの増大を許容可能
な露光装置を提供できる。
【0069】表1ないし表3は、以上説明した偏向前光
学系7*および偏向後光学系9*の第1の実施の形態に
おける各光学要素の光学的数値データを示す。なお、表
1は、偏向後光学系9の第1ないし第3の結像レンズ2
3,25および27のそれぞれのレンズ面の形状(Y軸
方向およびZ軸方向のそれぞれの曲率)、レンズ相互間
の距離、それぞれのレーザビームに対する位置、材質等
を示し、表2は、第1のレンズ23の出射面(偏向装置
5から遠い側の面(自由曲面))の曲率を示している。
また、表3は、コリメータレンズまたは有限焦点レンズ
13について、ガラスの材質を変化した場合について示
したものである。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】表3は、表1に記載された第1の実施の形
態においてコリメータレンズまたは有限焦点レンズのガ
ラスの材質を変化した結果を示し、それぞれのガラスの
材質に対して、20°Cおよびこれに対して温度が40
°C上下した場合の、 s1(物点−物点側主点間距離)、 s2(像面側主点−結像面間距離)、 φ(20°Cにおけるレンズパワー)、 n(温度の変化による屈折率の変化、レーザ素子の波長
変動を含む)、 ガラスの材質の線膨張係数、 d(レンズ厚)、 c1(入射面の近軸での曲率)、 c2(出射面の近軸での曲率)、 φ′(各温度におけるレンズパワー)、 s1h(入射面−物点側主点間距離)、 s2h′(出射面−像面側主点間距離)、および シリンダレンズ入射面−像面間距離、 のそれぞれと、以下に説明する(A)式の値を示してい
る。
【0075】なお、表3では、コリメータレンズまたは
有限焦点レンズを保持する部材に、最も一般的なアルミ
ダイキャスト材料であるADC12を想定しており、A
DC12の線膨張係数は、2.1×10-5である。
【0076】また、表1に示したシリンダレンズ入射面
−像面位置の値が、表3の右から2番めの値(シリンダ
レンズ入射面−像面間距離の欄)の表記と一致すること
が好ましい。
【0077】より詳細には、表3から明らかなように、
ガラスの材質がFK5,SF60,FSK1である場合
には、偏向後光学系によるデフォーカスの傾向と反対の
方向へでデフォーカスを動かす(シフトする)ことにな
り、コリメータレンズまたは有限焦点レンズと偏向後光
学系を組み合わせることにより、光学性能が向上する。
しかし、一般に用いられているガラスの材質であるBK
7では、温度が上昇した場合に、像面側主点−結像面間
距離が減少し、偏向後光学系によるデフォーカスの傾向
と一致してしまうため、全体としてのデフォーカスは、
大きい側に、加算されることになる。
【0078】このことを、レンズの材質、特性の面から
検討すると、例えば特開平3−179420号公報に開
示されているように、単レンズを用いた場合に、温度が
上昇しても像面での近軸結像点距離が変化しない条件
は、 Lo2/fo×[{1/(1−no)}× {(∂no/∂t)+(∂no/∂λ)×(∂λ/∂t)+αo}] −α1×Lo=0 ・・・(A) t;温度、 L1;像面側主点−結像点間距離、 Lo;物点−物点側主点間距離、 fo;レンズの近軸焦点距離、 no;レンズの屈折率、 ∂no/∂t;レンズの材質の屈折率の温度上昇による
変化率、 ∂no/∂λ;レンズの材質の屈折率の波長変化による
変化率、 ∂λ/∂t;発光源の温度変化による波長変化率、 αo;レンズの材質の線膨張係数、 α1;保持部材の材質の線膨張係数、 により表すことができる。
【0079】この場合、偏向後光学系において、温度の
変化により結像点移動が生じた場合には、その移動を削
減することができない。
【0080】また、図4を用いて上述したように、偏向
後光学系において、温度が上昇した時に、結像点を偏向
装置側へシフトさせる構成であることが判明した。従っ
て、これをキャンセルするためには、レンズ単体で、温
度が上昇した場合に、結像点が遠くへ移動する特性が必
要となる。
【0081】このため、(A)式の値を、表3および表
4に示したように計算し、望ましい値を比較すると、
(A)式の左辺が以下に示すように、 7.4×10-4 > Lo2/fo×[{1/(1−n
o)}×{(∂no/∂t)+(∂no/∂λ)×(∂λ
/∂t)+αo}]−α1×Lo > 8×10-5 の範囲内の値を満足する場合に、好ましい結果が得られ
ることが認められた。
【0082】なお、図4を用いて上述した光学特性を有
する露光装置1すなわち周囲の温度が上昇した場合、す
なわち表3および表4を用いて説明したように、各レン
ズのガラスの材質を特定するとともに、各コリメータレ
ンズ11*の出射面側の主点から、各コリメータレンズ
のみを用いた場合に各レーザビームが収束される位置
(感光体ドラム)までの距離が温度の上昇に伴って増大
される構成を用いることにより、周知の露光装置におい
て、温度上昇時に、各半導体レーザ素子から放射される
レーザビームの波長の増大および各レンズの膨張に起因
して各レンズの屈折率が見かけじょう減少し、また各レ
ンズを保持するハウジングや支持部材の膨張により各レ
ンズ間距離が変化されることで、それぞれのレーザビー
ムL*が結像される位置が感光体ドラム58*の外周面
よりも偏向装置5側に移動される現象に対し、温度上昇
の影響をキャンセルでき、感光体ドラム58*上での各
レーザビームL*のビームスポット径の変動を抑えるこ
とができる。
【0083】また、図4に示した設計手順に従って結像
レンズ(偏向後光学系9の3枚)のレンズ面の形状を最
適化することにより、副走査方向の広い範囲において、
光学特性を補正できる。これにより、各レーザ素子から
感光体ドラムに向かうレーザビームの光路の設計の自由
度が増大し、例えば使用頻度の高い黒用現像装置64B
に供給するトナー量を増大するために黒用現像装置64
Bの周囲の空間を増大することができる。さらに、黒現
像装置64B向けにセットされるトナーの量を増大しな
がら、同一の露光装置を用いてカラー用の露光装置を提
供できる。
【0084】またさらに、偏向後光学系9の第1ないし
第3の結像レンズ23,25および27のアッベ数を、
第1の結像レンズから順に、νd1,νd2およびνd
3として、 60<νd1,νd2<28およびνd3<65 に定義することにより、任意の半導体レーザ素子相互間
で個体差により、波長が15nm程度の範囲で変動した
場合であっても、それぞれのレーザビームが結像される
位置の変動量を10μm程度に抑止することができる。
【0085】さらにまた、図2,図3および表1および
表4に示した結像レンズ23,25および27(偏向後
光学系9)によれば、それぞれの結像レンズを偏向装置
側へシフトすることができ、結果として、主走査方向の
光学特性の補正が広い範囲で可能となる。これにより、
例えば使用頻度の高い黒用現像装置64Bに供給するト
ナー量を増大するために黒用現像装置64Bの周囲の空
間を増大することができる。このことは、同時に、画角
の大きな高速度の露光が可能な大型の露光装置およびそ
の露光装置を用いる高速で大型のデジタル複写装置もし
くはプリンタ装置への適用を可能とする。
【0086】なお、上述した結像レンズ23,25およ
び27のレンズ面の組み合わせは、研磨による加工が他
のレンズに比較して困難であって、多くの場合、成型加
工により形成される偏向装置寄りのレンズ(第1の結像
レンズ23)の加工に有益であり、このため、第1の結
像レンズ23の成型時のサイクルタイムの低減とそれに
伴うコストの低減を可能とする。
【0087】図5は、偏向装置5と像面との間を通過す
るレーザビームL*の副走査方向の特性を示す概略図で
ある。なお、図5は、特性を明確にするために、副走査
方向の軸線に沿って拡大した模式図である。また、図5
において、横軸は、光路長を示し、O点は、偏向装置5
の多面鏡5a上の反射点を示し、LY,LM,LCおよ
びLBは、対応する感光体ドラム58*に向かうレーザ
ビームを、LYp,LMp,LCpおよびLBpは、各
レーザビームの中心である主光線を表している。
【0088】図5に示されるように、偏向装置5の多面
鏡5aの任意の反射面で反射された2本×4組=8本の
レーザビームL*は、副走査方向断面に関し、任意の反
射面と第1の結像レンズ23との間で相互に交差され
て、像面に案内される。
【0089】詳細には、図5において、水平方向の軸線
を偏向前光学系から偏向装置による反射を伴って像面に
向かう露光装置1の系の光軸(各レーザビームL*の副
走査方向の位置を定義するための基準)、紙面左側を偏
向前光学系、紙面右側を像面とし、垂直方向の軸線を偏
向装置5の任意の反射面とすると、例えば偏向装置5の
任意の反射面に、系の光軸の上方(垂直方向の軸線の
(+)側)から入射したレーザビームは、反射面の近傍
で系の光軸と交差したのち第1の結像レンズ23の副走
査方向の下端側に入射する。同様に、例えば偏向装置5
の任意の反射面に、系の光軸の下方(垂直方向の軸線の
(−)側)から入射したレーザビームは、反射面の近傍
で系の光軸と交差したのち第1の結像レンズ23の副走
査方向の上端側に入射する。また、図5に示されるよう
に、偏向装置5の反射面に案内されるそれぞれのレーザ
ビームは、レーザ素子3*a,*bのそれぞれの発光点
の位置が最適に設定されることにより、副走査方向すな
わち垂直方向の軸線(+)側から、例えば黒(LB)、
シアン(LC)、マゼンタ(LM)およびイエロー(L
Y)の順に整列されるているので、それぞれのレーザビ
ームL*が第1の結像レンズ23に入射する順は、垂直
方向の軸線(+)側から、イエロー(LY)、マゼンタ
(LM)、シアン(LC)および黒(LB)となる。
【0090】なお、図5に示したように、各レーザビー
ムが系の光軸と交差する位置が第1の結像レンズ23と
偏向装置5の反射面との間に定義されることにより、感
光体ドラム58*のそれぞれに向けられる各レーザビー
ムL*は、各レーザビーム毎に収束されながら、感光体
ドラム58*の所定の位置に案内される。すなわち、各
感光体ドラム58*が同一面にあると想定した結像位置
(所定像面)における副走査方向のレーザビーム相互の
間隔を小さくすることができる。このことは、共役な関
係にある位置すなわち第1の結像レンズ23と偏向装置
5の反射面との間でそれぞれのレーザビームL*の副走
査方向の間隔が小さいことを示し、結果として、偏向装
置5の反射面の厚さ(副走査方向高さ)を低減できるこ
とを示している。
【0091】これにより、偏向装置5の多面鏡5aを形
成する際に、多面鏡5aを回転軸の方向に複数枚積層し
た状態で同一工程で加工可能な多面鏡5aの枚数が増大
でき、偏向装置のコストが低減される。また、多面鏡5
aの厚さが薄くなることにより風損(回転時の空気抵抗
に起因する回転力のロス)が低減可能で、同一のパワー
のミラーモータを用いる場合には、消費電力および発熱
を抑止できる。その一方で、ミラーモータが小型化で
き、この場合には、モータ駆動回路のコストが低減でき
る。
【0092】図6ないし図22は、図5を用いて説明し
た第1の結像レンズ23と偏向装置5との間で交差する
各レーザビームL*を提供可能な露光装置1により得ら
れるさまざまな結像特性を示すグラフである。なお、図
6ないし図22のそれぞれにおいて、曲線a(実線)
は、周囲温度が20°C時の、曲線b(破線)は、周囲
温度が70°C時の、および曲線c(一点鎖線)は、周
囲温度が−30°C時のそれぞれの特性(表3および表
4を用いて説明した常温=20°C±40°C)を示す
ものとする。また、それぞれの図において、横軸は、主
走査方向の距離を示す。
【0093】図6ないし図8は、各レーザビームの主走
査方向結像位置の変動を示し、図6は、マゼンタ用レー
ザビーム、図7は、シアン用レーザビーム、および図8
は、イエロー用レーザビームおよび黒用レーザビームに
対応される。
【0094】図6ないし図8から、全ての温度条件にお
いて、主走査方向のほとんどの位置(A3サイズの用紙
の短辺方向に印字可能であるから、−160mmないし
160mmの範囲)において、主走査方向のデフォーカ
ス量の変動量が、250μmから−300μmの範囲内
に抑えられることが認められる。
【0095】図9ないし図11は、各レーザビームの副
走査方向結像位置の変動を示し、図9は、マゼンタ用レ
ーザビーム、図10は、シアン用レーザビーム、および
図11は、イエロー用レーザビームおよび黒用レーザビ
ームに対応される。
【0096】図9ないし図11から、全ての温度条件に
おいて、主走査方向のほとんどの位置(A3サイズの用
紙の短辺方向に印字可能であるから、−160mmない
し160mmの範囲)において、副走査方向のデフォー
カス量の変動量が、500μmから−400μmの範囲
内に抑えられることが認められる。
【0097】図12ないし図14は、偏向装置5の多面
鏡5aの各反射面の角度精度のばらつき(面倒れ)が1
分である場合に各レーザビームが結像される位置が補正
される程度を示し、図12は、マゼンタ用レーザビー
ム、図13は、シアン用レーザビーム、および図14
は、イエロー用レーザビームおよび黒用レーザビームに
対応される。
【0098】図12ないし図14に示されるように、全
ての温度条件において、主走査方向の全領域で、面倒れ
の影響が1μm以下に抑えられることが認められる。
【0099】図15ないし図17は、シアン用レーザビ
ームが偏向装置5の多面鏡5aにより各レーザビームが
反射される角度(多面鏡5aの振り角)が0°である場
合に、常温(20°C)時の副走査方向の各レーザビー
ムの相対位置を示し、図15は、マゼンタ用レーザビー
ム、図16は、シアン用レーザビーム、および図17
は、イエロー用レーザビームおよび黒用レーザビームの
それぞれに対応される。
【0100】図15ないし図17から、図2および図3
に示した露光装置1により、カラー画像を露光する際の
副走査方向の色ずれ量は、各色成分単独で、全温度条件
において、最大で10μm以下に、各色成分相互間で、
最大で24μm以下に、それぞれ補正されることが認め
られる。
【0101】図18および図19は、図15ないし図1
7に示した条件における主走査方向の各レーザビームの
相対位置を示し、図18は、マゼンタ用レーザビームお
よび図19は、イエロー用レーザビームおよび黒用レー
ザビームのそれぞれに対応される。
【0102】図18および図19から明らかなように、
図2および図3に示した露光装置1により、カラー画像
を露光する際の主走査方向の色ずれ量は、各色成分単独
で、全温度条件において、最大で1μm以下に、各色成
分相互間で、最大で10μm以下に、それぞれ補正され
ることが認められる。
【0103】図20ないし図22は、各レーザビームの
fθ特性の基準値からずれを示し、図20は、マゼンタ
用レーザビーム、図21は、シアン用レーザビーム、お
よび図22は、イエロー用レーザビームおよび黒用レー
ザビームに対応される。
【0104】図20ないし図22に示されるように、全
ての温度条件において、主走査方向の全領域で、fθ特
性のずれの大きさが、±150μm以内に抑えられるこ
とが認められる。
【0105】表4、表5および表6は、以上説明した偏
向前光学系7*および偏向後光学系9*の第2の実施の
形態における各光学要素の光学的数値データを示す。な
お、表5は、偏向後光学系9の第1ないし第3の結像レ
ンズ23,25および27のそれぞれのレンズ面の形状
(Y軸方向およびZ軸方向のそれぞれの曲率)、レンズ
相互間の距離、それぞれのレーザビームに対する位置等
を示し、表6は、第1のレンズ23の出射面(偏向装置
5から遠い側の面(自由曲面))の曲率を示している。
また、表4は、表5に示した偏向後光学系に対し、最適
なコリメータレンズまたは有限焦点レンズを選択する際
に、ガラスの材質を変化させて検討した結果を示し、実
質的に、表3に示した第1の実施の形態と同様の結果が
得られている。
【0106】
【表5】
【0107】
【表6】
【0108】表5および表6に示した光学的数値データ
により特定される露光装置1の第2の実施の形態におい
ては、結像光学系(偏向後光学系)9*の第1の結像レ
ンズ23の特徴は、偏向装置5側に面する面が回転対称
軸の方向が副走査方向に向けられたトーリック面であ
り、像面(感光体ドラム)側に面する面は、回転対称軸
が存在しない自由曲面である。また、レンズ面の凹凸の
方向(母線を定義する円弧の中心が凸になる向き)は、
偏向装置5側の面については、偏向装置側、像面(感光
体ドラム)側に面する面については、主走査方向および
副走査方向のそれぞれの方向ともに、偏向装置側に対し
て凹である。なお、レンズの材質としては、アッベ数ν
dが64.2であるBK7を用いている。
【0109】また、第2の結像レンズ25の特徴は、偏
向装置5側に面する面が回転対称軸が副走査方向に向け
られた円筒面であり、像面側に面する面は、回転対称軸
が主走査方向に向けられた円筒面である。なお、レンズ
面の凹凸の方向は、偏向装置5側の面については、偏向
装置側に凹、像面(感光体ドラム)側に面する面につい
ては、偏向装置側に関しては直線である。また、レンズ
の材質としては、アッベ数νdが25.46であるSF
6を用いている。
【0110】一方、第3の結像レンズ27の特徴は、偏
向装置側に面する面が球面であり、像面側に面する面
は、回転対称軸が副走査方向に向けられたトーリック面
である。なお、偏向装置5側に面する面の主走査方向形
状(母線の凹凸の向き)は、偏向装置5に向かって凸
で、像面側に面する面の回転対称軸の向きは、偏向装置
側で、母線の円弧の中心も偏向手段側である。また、レ
ンズの材料としては、アッベ数νdが64.2であるB
K7である。
【0111】図23は、表5および表6に示した第2の
実施の形態において、偏向装置5と像面との間を通過す
るレーザビームL*の副走査方向の特性を示す概略図で
ある。なお、図23は、特性を明確にするために、図5
と同様に、副走査方向の軸線に沿って拡大した模式図で
ある。また、図23において、横軸は、光路長を示し、
O点は、偏向装置5の多面鏡5a上の反射点を示し、L
Y,LM,LCおよびLBは、対応する感光体ドラム5
8*に向かうレーザビームを、LYp,LMp,LCp
およびLBpは、各レーザビームの中心である主光線を
表している。
【0112】図23に示されるように、偏向装置5の多
面鏡5aの任意の反射面で反射された2本×4組=8本
のレーザビームL*は、副走査方向断面に関し、任意の
反射面と第1の結像レンズ23との間で相互に交差され
て、像面に案内される。
【0113】詳細には、図23において、水平方向の軸
線を偏向前光学系から偏向装置による反射を伴って像面
に向かう露光装置1の系の光軸(各レーザビームL*の
副走査方向の位置を定義するための基準)、紙面左側を
偏向前光学系、紙面右側を像面とし、垂直方向の軸線を
偏向装置5の任意の反射面とすると、例えば偏向装置5
の任意の反射面に、系の光軸の上方(垂直方向の軸線の
(+)側)から入射したレーザビームは、反射面の近傍
で系の光軸と交差したのち第1の結像レンズ23の副走
査方向の下端側に入射する。同様に、例えば偏向装置5
の任意の反射面に、系の光軸の下方(垂直方向の軸線の
(−)側)から入射したレーザビームは、反射面の近傍
で系の光軸と交差したのち第1の結像レンズ23の副走
査方向の上端側に入射する。また、図23に示されるよ
うに、偏向装置5の反射面に案内されるそれぞれのレー
ザビームは、レーザ素子3*a,*bのそれぞれの発光
点の位置が最適に設定されることにより、副走査方向す
なわち垂直方向の軸線(+)側から、例えば黒(L
B)、シアン(LC)、マゼンタ(LM)およびイエロ
ー(LY)の順に整列されるているので、それぞれのレ
ーザビームL*が第1の結像レンズ23に入射する順
は、垂直方向の軸線(+)側から、イエロー(LY)、
マゼンタ(LM)、シアン(LC)および黒(LB)と
なる。
【0114】なお、図23に示したように、各レーザビ
ームが系の光軸と交差する位置が第1の結像レンズ23
と偏向装置5の反射面との間に定義されることにより、
感光体ドラム58*のそれぞれに向けられる各レーザビ
ームL*は、各レーザビーム毎に収束されながら、感光
体ドラム58*の所定の位置に案内される。すなわち、
各感光体ドラム58*が同一面にあると想定した結像位
置(所定像面)における副走査方向のレーザビーム相互
の間隔を小さくすることができる。このことは、共役な
関係にある位置すなわち第1の結像レンズ23と偏向装
置5の反射面との間でそれぞれのレーザビームL*の副
走査方向の間隔が小さいことを示し、結果として、偏向
装置5の反射面の厚さ(副走査方向高さ)を低減できる
ことを示している。
【0115】これにより、偏向装置5の多面鏡5aを形
成する際に、多面鏡5aを回転軸の方向に複数枚積層し
た状態で同一工程で加工可能な多面鏡5aの枚数が増大
でき、偏向装置のコストが低減される。また、多面鏡5
aの厚さが薄くなることにより風損(回転時の空気抵抗
に起因する回転力のロス)が低減可能で、同一のパワー
のミラーモータを用いる場合には、消費電力および発熱
を抑止できる。その一方で、ミラーモータが小型化で
き、この場合には、モータ駆動回路のコストが低減でき
る。
【0116】図24ないし図40は、図23を用いて説
明した第1の結像レンズ23と偏向装置5との間で交差
する各レーザビームL*を提供可能な露光装置1により
得られるさまざまな結像特性を示すグラフである。な
お、図24ないし図40のそれぞれにおいて、曲線a
(実線)は、周囲温度が20°C時の、曲線b(破線)
は、周囲温度が70°C時の、および曲線c(一点鎖
線)は、周囲温度が−30°C時のそれぞれの特性を示
すものとする。また、それぞれの図において、横軸は、
主走査方向の距離を示す。
【0117】図24ないし図26は、各レーザビームの
主走査方向結像位置の変動を示し、図24は、マゼンタ
用レーザビーム、図25は、シアン用レーザビーム、お
よび図26は、イエロー用レーザビームおよび黒用レー
ザビームに対応される。
【0118】図24ないし図26から、全ての温度条件
において、主走査方向のほとんどの位置において、主走
査方向のデフォーカス量の変動量が、250μmから−
300μmの範囲内に抑えられることが認められる。
【0119】図27ないし図29は、各レーザビームの
副走査方向結像位置の変動を示し、図27は、マゼンタ
用レーザビーム、図28は、シアン用レーザビーム、お
よび図29は、イエロー用レーザビームおよび黒用レー
ザビームに対応される。
【0120】図27ないし図29から、全ての温度条件
において、主走査方向のほとんどの位置において、副走
査方向のデフォーカス量の変動量が、500μmから−
400μmの範囲内に抑えられることが認められる。
【0121】図30ないし図32は、偏向装置5の多面
鏡5aの各反射面の角度精度のばらつき(面倒れ)が1
分である場合に各レーザビームが結像される位置が補正
される程度を示し、図30は、マゼンタ用レーザビー
ム、図31は、シアン用レーザビーム、および図32
は、イエロー用レーザビームおよび黒用レーザビームに
対応される。
【0122】図30ないし図32に示されるように、全
ての温度条件において、主走査方向の全領域で、面倒れ
の影響が1μm以下に抑えられることが認められる。
【0123】図33ないし図35は、シアン用レーザビ
ームが偏向装置5の多面鏡5aにより各レーザビームが
反射される角度(多面鏡5aの振り角)が0°である場
合に、常温(20°C)時の副走査方向の各レーザビー
ムの相対位置を示し、図33は、マゼンタ用レーザビー
ム、図34は、シアン用レーザビーム、および図35
は、イエロー用レーザビームおよび黒用レーザビームの
それぞれに対応される。
【0124】図33ないし図35から、表5および表6
に示した光学特性が与えられた露光装置1により、カラ
ー画像を露光する際の副走査方向の色ずれ量は、各色成
分単独で、全温度条件において、最大で12μm以下
に、各色成分相互間で、最大で24μm以下に、それぞ
れ補正されることが認められる。
【0125】図36および図37は、図33ないし図3
5に示した条件における主走査方向の各レーザビームの
相対位置を示し、図36は、マゼンタ用レーザビームお
よび図37は、イエロー用レーザビームおよび黒用レー
ザビームのそれぞれに対応される。
【0126】図36および図37から明らかなように、
上述した第2の実施の形態が適用された露光装置1によ
り、カラー画像を露光する際の主走査方向の色ずれ量
は、各色成分単独で、全温度条件において、最大で1μ
m以下に、各色成分相互間で、最大で10μm以下に、
それぞれ補正されることが認められる。
【0127】図38ないし図40は、各レーザビームの
fθ特性の基準値からずれを示し、図38は、マゼンタ
用レーザビーム、図39は、シアン用レーザビーム、お
よび図40は、イエロー用レーザビームおよび黒用レー
ザビームに対応される。
【0128】図38ないし図40に示されるように、全
ての温度条件において、主走査方向の全領域で、fθ特
性のずれの大きさが、±150μm以内に抑えられるこ
とが認められる。
【0129】以上説明したように、この発明の露光装置
は、周囲温度が上昇することによりコリメータレンズよ
りも後段に配置される多くの光学要素によるレーザビー
ムの結像位置が変動する場合において、コリメータレン
ズよりも後段に配置される各光学要素により生じる結像
位置の変動量と、レーザ素子とコリメータレンズ単体に
より生じる結像位置の変動量をキャンセルすることがで
き、像面でのビーム径の変動を低減できる。
【0130】また、この発明の露光装置は、副走査方向
および主走査方向のそれぞれの方向の画角を広く確保で
き、また、光路を選択する際の自由度が向上されている
ので、例えば黒画像のために黒トナーの容量の増大を可
能とする。
【0131】さらに、この発明の露光装置は、偏向後光
学系の3枚の結像レンズのアッベ数を、偏向装置に近い
側から順に60以上、28以下および65以下としたの
で、複数のレーザ素子から放射されるそれぞれのレーザ
ビームの波長に所定範囲内(15nm程度)の個体差が
存在する場合でも、個々の各レーザビームが所定のビー
ム径に収束される位置の変動を10μm以下に抑制でき
る。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の露光装
置は、周囲温度が上昇に伴って生じるレーザビームの結
像位置の変動に関し、コリメータレンズよりも後段(像
面側)に配置される各光学要素により生じる結像位置の
変動量を、半導体レーザ素子とコリメータレンズ単体に
より生じる結像位置の変動量によりキャンセルすること
ができ、像面でのビーム径の変動を低減できる。
【0133】また、この発明の露光装置は、副走査方向
および主走査方向のそれぞれの方向の画角を広く確保で
き、また、光路を選択する際の自由度が向上されている
ので、例えば黒画像のために黒トナーの容量の増大を可
能とする。
【0134】さらに、この発明の露光装置は、偏向後光
学系の3枚の結像レンズのアッベ数を、偏向装置に近い
側から順に60以上、28以下および65以下としたの
で、複数のレーザ素子から放射されるそれぞれのレーザ
ビームの波長に所定範囲内(15nm程度)の個体差が
存在する場合でも、個々の各レーザビームが所定のビー
ム径に収束される位置の変動を10μm以下に抑制でき
る。
【0135】またさらに、この発明の露光装置において
は、偏向後光学系(結像光学系)の3枚のレンズのうち
の最も偏向装置寄りのレンズは、入射面および出射面の
それぞれのレンズ面が成型加工に適した自由曲面で構成
されることから、レンズ単体の製造コストが低減され
る。
【0136】さらにまた、この発明の露光装置は、各レ
ーザビームを、偏向装置の多面鏡との結像光学系(偏向
後光学系)のうちの最も偏向装置寄りのレンズの偏向装
置側に面するレンズ面との間で、交差させる構成を有す
ることから、共役の関係にある結像位置の近傍における
レーザビーム相互の間隔を低減可能であるとともに、偏
向装置の多面鏡の厚さを低減できる。これにより、偏向
装置の多面鏡のコストが低減される。
【0137】従って、露光装置の製造コストおよび組立
コストが低減され、画像形成装置のコストも低減され
る。
【0138】また、レーザビームの光路の選択の自由度
が高いことから、画像形成装置側の要求に合わせて、特
定のレーザビームの光路を容易に変更できる。これによ
り、大型で高速の画像形成が可能なプリンタ装置やカラ
ーコピー装置に対する適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態としての露光装置が組み
込まれる画像形成装置の一例を示す概略図。
【図2】図1に示した画像形成装置に組み込まれる露光
装置の光路を平面方向から見た状態を示す概略図。
【図3】図2に示した露光装置を、偏向装置の反射面の
反射点(偏向角が0°の位置)を含む副走査断面で切断
した概略断面図。
【図4】図2および図3に示した露光装置において、第
1ないし第3の結像レンズの各レンズ面の形状を最適化
するための要素を説明する概略図。
【図5】図2および図3に示した露光装置の偏向装置の
反射面の近傍における光ビームの状態を説明する概略
図。
【図6】図2および図3に示した露光装置において、図
5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および構
成を用いたときのマゼンタ用光ビームの主走査方向結像
位置を説明するグラフ。
【図7】図2および図3に示した露光装置において、図
5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および構
成を用いたときのシアン用光ビームの主走査方向結像位
置を説明するグラフ。
【図8】図2および図3に示した露光装置において、図
5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および構
成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光ビー
ムのそれぞれの主走査方向結像位置を説明するグラフ。
【図9】図2および図3に示した露光装置において、図
5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および構
成を用いたときのマゼンタ用光ビームの副走査方向結像
位置を説明するグラフ。
【図10】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのシアン用光ビームの副走査方向結像
位置を説明するグラフ。
【図11】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光ビ
ームのそれぞれの副走査方向結像位置を説明するグラ
フ。
【図12】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのマゼンタ用光ビームのポリゴンミラ
ー面倒れ1分時の面倒れによるビーム位置の変動量を説
明するグラフ。
【図13】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのシアン用光ビームのポリゴンミラー
面倒れ1分時の面倒れによるビーム位置の変動量を説明
するグラフ。
【図14】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光ビ
ームのそれぞれのポリゴンミラー面倒れ1分時の面倒れ
によるビーム位置の変動量を説明するグラフ。
【図15】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのマゼンタ用光ビームのシアン用光ビ
ームのポリゴン振り角0度、常温時の位置に対する副走
査方向相対位置の関係を説明するグラフ。
【図16】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのシアン用光ビームのシアン用光ビー
ムのポリゴン振り角0度、常温時の位置に対する副走査
方向相対位置の関係を説明するグラフ。
【図17】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光ビ
ームのそれぞれのシアン用光ビームのポリゴン振り角0
度、常温時の位置に対する副走査方向相対位置の関係を
説明するグラフ。
【図18】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのマゼンタ用光ビームのシアン用光ビ
ームの同じ温度に対する主走査方向相対位置の関係を説
明するグラフ。
【図19】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光ビ
ームのそれぞれのシアン用光ビームの同じ温度に対する
主走査方向相対位置の関係を説明するグラフ。
【図20】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのマゼンタ用光ビームのfθ特性から
のずれ量を説明するグラフ。
【図21】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのシアン用光ビームのfθ特性からの
ずれ量を説明するグラフ。
【図22】図2および図3に示した露光装置において、
図5に示した特性を提供可能な各光学要素の配列および
構成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光ビ
ームのそれぞれのfθ特性からのずれ量の関係を説明す
るグラフ。
【図23】図2および図3に示した露光装置の偏向装置
の反射面の近傍における光ビームの状態であって、図5
に示した例とは異なる特性を提供可能な各光学要素の配
列および構成の実施の形態を説明する概略図。
【図24】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのマゼンタ用光ビームの主走査方向
結像位置を説明するグラフ。
【図25】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのシアン用光ビームの主走査方向結
像位置を説明するグラフ。
【図26】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光
ビームのそれぞれの主走査方向結像位置を説明するグラ
フ。
【図27】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのマゼンタ用光ビームの副走査方向
結像位置を説明するグラフ。
【図28】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのシアン用光ビームの副走査方向結
像位置を説明するグラフ。
【図29】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光
ビームのそれぞれの副走査方向結像位置を説明するグラ
フ。
【図30】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのマゼンタ用光ビームのポリゴンミ
ラー面倒れ1分時の面倒れによるビーム位置の変動量を
説明するグラフ。
【図31】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのシアン用光ビームのポリゴンミラ
ー面倒れ1分時の面倒れによるビーム位置の変動量を説
明するグラフ。
【図32】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光
ビームのそれぞれのポリゴンミラー面倒れ1分時の面倒
れによるビーム位置の変動量の関係を説明するグラフ。
【図33】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのマゼンタ用光ビームのシアン用光
ビームのポリゴン振り角0度、常温時の位置に対する副
走査方向相対位置の関係を説明するグラフ。
【図34】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのシアン用光ビームのシアン用光ビ
ームのポリゴン振り角0度、常温時の位置に対する副走
査方向相対位置の関係を説明するグラフ。
【図35】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光
ビームのそれぞれのシアン用光ビームのポリゴン振り角
0度、常温時の位置に対する副走査方向相対位置の関係
を説明するグラフ。
【図36】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのマゼンタ用光ビームのシアン用光
ビームの同じ温度に対する主走査方向相対位置の関係を
説明するグラフ。
【図37】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光
ビームのそれぞれのシアン用光ビームの同じ温度に対す
る主走査方向相対位置を示すの関係を説明するグラフ。
【図38】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのマゼンタ用光ビームのfθ特性か
らのずれ量を説明するグラフ。
【図39】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのシアン用光ビームのfθ特性から
のずれ量を説明するグラフ。
【図40】図2および図3に示した露光装置において、
図23に示した特性を提供可能な各光学要素の配列およ
び構成を用いたときのイエロー用光ビームおよび黒用光
ビームのそれぞれのfθ特性からのずれ量を説明するグ
ラフ。
【符号の説明】
1 ・・・露光装置、 5 ・・・偏向装置、 7 ・・・偏向前光学系、 9 ・・・偏向後光学系、 11 ・・・コリメータレンズ、 13 ・・・絞り、 15 ・・・ハーフミラー、 17 ・・・シリンダレンズ、 19 ・・・合成ミラー、 21 ・・・保持部材、 23 ・・・第1結像レンズ、 25 ・・・第2結像レンズ、 27 ・・・第3結像レンズ、 29 ・・・水平同期ミラー、 31 ・・・水平同期検出器、 33 ・・・第1ミラー、 35 ・・・第2ミラー、 37 ・・・第3ミラー、 39 ・・・防塵フィルタ、 100 ・・・画像形成装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H030 AA01 AA06 AB02 BB02 BB23 2H045 AA01 BA12 BA23 BA24 CA15 CA34 CA55 CA65 DA04 DA31 DA41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、前記光源から出射された光をほぼ
    平行光に変換する第1のレンズと、前記第1のレンズに
    よりほぼ平行光に変換された光を第1の方向に関してさ
    らに収束させる光学部材と、を含む第1の光学手段と、 回転可能に形成された反射面を有し、前記第1の光学手
    段で少なくとも前記第1の方向に収束性が与えられた光
    を前記第1の方向および前記光が進行する方向のそれぞ
    れと直交する方向に偏向する偏向手段と、 前記偏向手段により偏向された前記光を所定の距離の位
    置で等速となるように結像するとともに、前記偏向手段
    の反射面の角度の偏差に起因する前記光の前記第1の方
    向の位置のずれを補正する第2の光学手段と、を有する
    光学装置において、 前記第1のレンズの出射面側主点から前記第1のレンズ
    のみを用いた場合に前記光が収束される位置までの距離
    が温度の上昇にともなって増大されることを特徴とする
    光学装置。
  2. 【請求項2】光源と、前記光源から出射された光をほぼ
    平行光に変換する第1のレンズと、前記第1のレンズに
    よりほぼ平行光に変換された光を、光が進行する方向と
    直交する面における第1の方向に関してさらに収束させ
    るために前記第1の方向にのみ正のパワーが与えられた
    光学部材と、を含む第1の光学手段と、 回転可能に形成された反射面を有し、前記第1の光学手
    段で少なくとも前記第1の方向に収束性が与えられた光
    を前記第1の方向および前記光が進行する方向のそれぞ
    れと直交する方向に偏向する偏向手段と、 複数枚のレンズを含み、前記偏向手段に最も近接して配
    置されるレンズの前記偏向手段側のレンズ面と前記偏向
    手段から最も離れた位置に位置されるレンズの前記偏向
    手段から遠い側のレンズは、それぞれ、回転対称軸が前
    記偏向手段の回転中心である回転軸と平行な前記第1の
    方向に沿って延出されたトーリック面であって、前記偏
    向手段の前記反射面と前記回転軸とのなす角の偏差の影
    響を補正するとともに、前記偏向手段により偏向された
    光を所定の距離の位置で前記反射面の回転角と前記所定
    の距離の位置で前記第1の方向と直交する第2の方向の
    距離を比例させるレンズからなる第2の光学手段と、を
    有することを特徴とする光学装置。
  3. 【請求項3】光源と、前記光源から出射された光をほぼ
    平行光に変換する第1のレンズと、前記第1のレンズに
    よりほぼ平行光に変換された光を第1の方向に関してさ
    らに収束させる光学部材と、を含む第1の光学手段と、 回転可能に形成された反射面を有し、前記第1の光学手
    段で少なくとも前記第1の方向に収束性が与えられた光
    を前記第1の方向および前記光が進行する方向のそれぞ
    れと直交する方向に偏向する偏向手段と、 3枚のレンズを含み、前記偏向手段に最も近接して配置
    されるレンズは、前記第1の方向に直交する第2の方向
    に正のパワーを持ち、そのアッベ数がνd1、前記偏向
    手段から最も離れた位置に配置されるレンズは、前記偏
    向手段側に面するレンズ面形状が、前記偏向手段側に凸
    であって、主走査方向に正のパワーを持ち、そのアッベ
    数がνd3、前記2つのレンズの間に配置されるレンズ
    は、主走査方向に負のパワーを持ち、そのアッベ数がν
    d2であるとき、 60<νd1、νd3<65およびνd2<28 を満足する第2の光学手段と、を有することを特徴とす
    る光学装置。
  4. 【請求項4】光源と、前記光源から出射された光をほぼ
    平行光に変換する第1のレンズと、前記第1のレンズに
    よりほぼ平行光に変換された光を、光が進行する方向と
    直交する面における第1の方向に関してさらに収束させ
    るために前記第1の方向にのみ正のパワーが与えられた
    光学部材と、を含む第1の光学手段と、 回転可能に形成された反射面を有し、前記第1の光学手
    段で少なくとも前記第1の方向に収束性が与えられた光
    を前記第1の方向および前記光が進行する方向のそれぞ
    れと直交する方向に偏向する偏向手段と、 複数枚のレンズを含み、前記偏向手段から最も離れた位
    置に配置されるレンズの前記偏向手段側のレンズ面の主
    走査方向の形状が前記偏向手段側に向かって凸で、前記
    偏向手段から遠い側のレンズ面は、回転対称軸が前記偏
    向手段の回転中心である回転軸と平行に規定されたトー
    リック面に形成され、前記偏向手段の前記反射面と前記
    回転軸とのなす角の偏差の影響を補正するとともに、前
    記偏向手段により偏向された光を所定の距離の位置で前
    記反射面の回転角と前記所定の距離の位置で前記第1の
    方向と直交する第2の方向の距離を比例させるレンズか
    らなる第2の光学手段と、を有することを特徴とする光
    学装置。
  5. 【請求項5】N本(Nは1以上の整数)×M群(Mは2
    以上の整数)で定義されるN×M個の光源と、前記N×
    M個のそれぞれの光源から出射された光を収束光または
    平行光に変換する複数の有限焦点レンズもしくはコリメ
    ータレンズと、前記複数の有限焦点レンズおよびコリメ
    ータレンズにより収束光または平行光に変換された光
    を、前記有限焦点レンズまたはコリメータレンズにより
    収束光または平行光に変換された光を、光が進行する方
    向と直交する面における第1の方向に関してさらに収束
    させるために前記第1の方向にのみ正のパワーが与えら
    れたM組の光学部材と、前記M組の光学部材を通過した
    M群の光を前記第1の方向に関して所定の間隔で整列さ
    せるM−1個の合成用反射装置と、を含む第1の光学手
    段と、 回転可能に形成された反射面を有し、前記第1の光学手
    段で少なくとも前記第1の方向に関して収束性が与えら
    れ、もしくは平行光に変換された光を前記第1の方向お
    よび前記光が進行する方向のそれぞれと直交する方向に
    偏向する偏向手段と、 この偏向手段により偏向されたN×M本の光を前記偏向
    手段により偏向された光を所定の距離の位置で前記反射
    面の回転角と前記所定の距離の位置で前記第1の方向と
    直交する第2の方向の距離を比例させるとともに、前記
    偏向手段の前記反射面と前記回転軸とのなす角の偏差の
    影響を補正しながら、前記所定の距離の位置に結像する
    機能を持つレンズを含む第2の光学手段と、 を有し、 前記M群の光のそれぞれが、前記偏向手段の前記反射面
    と前記第2の光学手段のレンズのうち最も偏向手段側に
    位置するレンズとの間で、互いに交差するよう構成され
    ていることを特徴とする光学装置。
  6. 【請求項6】ΣNi(N1+N2+・・・+NM、Mは
    2以上の整数、かつNiのそれぞれは1以上の整数)の
    光源と、前記ΣNi個のそれぞれの光源から出射された
    光を収束光または平行光に変換する複数の有限焦点レン
    ズもしくはコリメータレンズのいづれかと、前記複数の
    有限焦点レンズおよびコリメータレンズのいづれかによ
    り収束光または平行光に変換された光を、光が進行する
    方向と直交する面における第1の方向に関してさらに収
    束させるために前記第1の方向にのみ正のパワーが与え
    られたM組の光学部材と、前記M組の光学部材を通過し
    たM群の光を前記第1の方向に関して所定の間隔で整列
    させるM−1個の合成用反射装置と、を含む第1の光学
    手段と、 回転可能に形成された反射面を有し、前記第1の光学手
    段で少なくとも前記第1の方向に収束性が与えられた光
    を前記第1の方向および前記光が進行する方向のそれぞ
    れと直交する方向に偏向する偏向手段と、 この偏向手段により偏向されたΣNi本のビームを、前
    記偏向手段により偏向された光を所定の距離の位置で前
    記反射面の回転角と前記所定の距離の位置で前記第1の
    方向と直交する第2の方向の距離を比例させるととも
    に、前記偏向手段の前記反射面と前記回転軸とのなす角
    の偏差の影響を補正するように前記所定の距離の位置に
    結像するレンズを含む第2の光学手段と、を有し、 前記M群の光の主光線は、前記第2の光学手段から前記
    所定の距離の位置に向かう間に、前記第1の方向の間隔
    が相互に近接されることを特徴とする光学装置。
  7. 【請求項7】ΣNi(N1+N2+・・・+NM、Mは
    1以上の整数、かつNiのそれぞれは1以上の整数)の
    光源と、前記ΣNi個のそれぞれの光源から出射された
    光を収束光または平行光に変換する複数の有限焦点レン
    ズもしくはコリメータレンズのいづれかと、前記複数の
    有限焦点レンズおよびコリメータレンズのいづれかによ
    り収束光または平行光に変換された光を、光が進行する
    方向と直交する面における第1の方向に関してさらに収
    束させるために前記第1の方向にのみ正のパワーが与え
    られたM組の光学部材と、前記M組の光学部材を通過し
    たM群の光を前記第1の方向に関して相互に接するよう
    な間隔に整列させるM−1個の合成用反射装置と、を含
    む第1の光学手段と、 回転可能に形成された反射面を有し、前記第1の光学手
    段で少なくとも前記第1の方向に収束性が与えられた光
    を前記第1の方向および前記光が進行する方向のそれぞ
    れと直交する方向に偏向する偏向手段と、 3枚のレンズで構成され、前記偏向手段に最も近接して
    配置されるレンズが、回転対称軸を含まない面を含み、
    偏向手段により偏向されたΣNi本のビームを、前記偏
    向手段により偏向された光を所定の距離の位置で前記反
    射面の回転角と前記所定の距離の位置で前記第1の方向
    と直交する第2の方向の距離を比例させるとともに、前
    記偏向手段の前記反射面と前記回転軸とのなす角の偏差
    の影響を補正するように前記所定の距離の位置に結像す
    るレンズを含む第2の光学手段と、を有することを特徴
    とする光学装置。
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