JP2000160130A - 硬化性紫外線吸収剤、紫外線遮蔽膜形成用塗布液およびこれを用いた紫外線遮蔽膜 - Google Patents
硬化性紫外線吸収剤、紫外線遮蔽膜形成用塗布液およびこれを用いた紫外線遮蔽膜Info
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Abstract
な紫外線吸収剤を提供し、且つ、該紫外線吸収剤を含有
した塗膜形成用塗布液を使用することによって経時劣化
の少ない紫外線遮蔽膜及び該膜を有する基材を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】2、2’、4、4’−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノンとイソシアノ基を持つアルコキシシランを
触媒の存在下で反応させて得られた一般式(1)で示さ
れる硬化性紫外線吸収剤である。 【化1】 式(1)中のXはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基等の加水分解によってシラノールを生じ
るアルコキシル基を示し、Rは炭素数1〜3のアルキレ
ン鎖を示す。
Description
剤、及び該紫外線吸収剤を含有した紫外線遮断膜形成用
塗布液、及び該紫外線遮断膜形成用塗布液を使用した紫
外線遮蔽機能を有する基材に関する。
光線中の400nm以下の短波長領域の紫外線は、日焼
け、しみ、発癌、視力障害など人体への悪影響があり、
物品の機械的強度の低下、色褪せ等の外観の劣化、食品
の劣化、印刷物の色調の低下なども引き起こす。また、
昆虫類は、可視光線や紫外線領域の特定波長に走行性が
ある。特に紫外線に強く誘引される昆虫類が多く、紫外
線領域にも分光波長を有する蛍光灯などの人工照明にお
いては種々の問題を生じている。例えば、建築物や自動
車の窓からの太陽光線により内部の織物などの色褪せが
生じたり、人体に日焼けを発生させるため、窓からの紫
外線の透過を抑制することが求められている。また、蛍
光灯は照明器具として広く使用されているが、商品の展
示、販売において、設置された蛍光灯の紫外線により物
品の色褪せ、食品の劣化が生ずる。昆虫類は蛍光灯の発
する紫外線を感知して飛来し、物品や食品へ混入する。
さらに街灯、ショウウインドウ、窓へ多数の昆虫が飛来
して不快感を与える。これらの有害な紫外線を遮蔽する
ために、紫外線吸収剤を練り込んで紫外線遮蔽機能を持
たせたガラス、プラスチック、フィルム、および紫外線
吸収剤を含有する塗布液を用いて紫外線遮蔽膜を基材上
に形成し、紫外線遮蔽機能を持たせたガラス、プラスチ
ック、フィルムなどが使用されている。また、既に使用
されている基材に対しても紫外線吸収剤を含有する塗布
液を用いて紫外線遮蔽膜を形成し、紫外線遮蔽機能を持
たせることが行われている。用途にもよるが基材の紫外
線遮蔽機能として99%以上であることが望ましい。
チル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、
シアノアクリレート系などがあるが、これら従来の紫外
線吸収剤は単独で塗膜を形成することができず、バイン
ダー成分に添加する添加剤としての用途が主である。ま
た、これら従来の紫外線吸収剤は長期間使用すると蒸散
などが起こり、基材の紫外線遮蔽能が劣化する問題があ
った。このため基材の紫外線遮蔽能を長時間持続させる
ためには紫外線吸収剤を多量に使用することが必要にな
るが、多量の紫外線吸収剤を使用すると紫外線吸収剤が
表面にしみ出したり(ブリードアウト)、基材に曇りが
生じたりする。
問題点を解決するため種々検討した結果、新規な硬化性
紫外線吸収剤を合成し、これを含む塗布液および該塗布
液を用いた塗布膜、更に該塗布膜を有する基材若しくは
前記硬化性紫外線吸収剤を配合した紫外線遮蔽機能を有
する基材を発明するに至った。即ち、本発明はブリード
アウトの少ない常温で硬化可能な新規な紫外線吸収剤を
提供し、且つ、該紫外線吸収剤を含有した塗膜形成用塗
布液を使用することによって経時劣化の少ない紫外線遮
蔽膜及び該膜を有する若しくは前記紫外線遮蔽機能を有
する基材を提供することを目的とする。
要旨は、2、2’、4、4’−テトラヒドロキシベンゾ
フェノンとイソシアノ基を持つアルコキシシランを触媒
の存在下で反応させて得られた一般式(1)で示される
硬化性紫外線吸収剤である。
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の加水分解によっ
てシラノールを生じるアルコキシル基を示し、Rは炭素
数1〜3のアルキレン鎖を示す。) 請求項2の発明は、硬化性紫外線吸収剤、希釈溶媒、硬
化触媒を含有した常温で硬化可能な硬化性紫外線遮蔽膜
形成用塗布液において、前記硬化性紫外線吸収剤の少な
くとも一種類が上記一般式(1)の硬化性紫外線吸収剤
であり、その含有量は0.5〜70wt%であることが
好ましく、硬化触媒がパラトルエンスルホン酸であるこ
とが好ましい。請求項5の発明は、上記常温で硬化可能
な紫外線遮蔽膜形成用塗布液に、更に、固形分として、
アクリル樹脂、コロイダルシリカの中から選ばれた1種
もしくは2種以上の成分を含有させた常温で硬化可能な
紫外線遮蔽膜形成用塗布液である。請求項6の発明は、
上記の紫外線遮蔽膜形成用塗布液を基材に塗布、硬化さ
せてなる紫外線遮蔽膜であり、請求項7の発明は、上記
紫外線遮蔽膜が形成された紫外線遮蔽機能を有する基材
であり、請求項8の発明は、一般式(1)で示される硬
化性紫外線吸収剤を少なくとも一種類練り込んだ紫外線
遮蔽機能を有する基材である。
線吸収剤は、紫外線吸収能を持つベンゾフェノン骨格と
反応性のアルコキシシリル基を併せ持つことを特徴とす
る紫外線吸収剤であり、これを含有する紫外線遮蔽膜用
塗布液で形成された紫外線遮蔽膜は紫外線吸収剤のブリ
ードアウトが少なく、紫外線吸収能の劣化が少なく、且
つこれを基材に練り込んで使用してもよく、紫外線遮蔽
機能の劣化の少ない基材が得られる。
発明の硬化性紫外線吸収剤は2、2’、4、4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノンとイソシアノ基を持つアル
コキシシランを触媒存在下で反応させて得たものであ
る。イソシアノ基を持つアルコキシシランとしては、γ
−イソシアネートプロピルトリメトキシシランやγ−イ
ソシアネートプロピルトリエトキシシラン等を挙げるこ
とが出来、又、触媒としてはジブチルスズジラウレー
ト、ジブチルスズジオクトエート、ジオクチルスズジラ
ウレート等が好ましい。そして、反応は、常温〜60℃
程度の加温下で約30分〜2時間程度で完了する。得ら
れる反応物は、一般式(1)で表される。
ポキシ基、ブトキシ基等の加水分解によってシラノール
を生じるアルコキシル基を示し、Rは炭素数1〜3のア
ルキレン鎖を示す。本発明の硬化性紫外線吸収剤は分子
内にベンゾフェノン系の骨格を持ち、これが紫外線の吸
収に寄与する。また、分子端のアルコキシル基は加水分
解して反応性の高いシラノールを生じ、これが縮合重合
することによって自身で高分子化、あるいは他のバイン
ダー成分と結合することができる。なお、この硬化性紫
外線吸収剤はアルコキシル基が加水分解し、シラノール
が縮合重合したオリゴマーの形態でも存在しうる。
性紫外線吸収剤を少なくとも一種類含有するものである
が、その硬化は硬化性紫外線吸収剤のアルコシキル基の
加水分解とそれに続くシラノールの縮合重合による高分
子化によって起こり、他のバインダー成分は必須ではな
く、該硬化性紫外線吸収剤のみで硬化膜を形成し、この
ように紫外線吸収剤自体が重合して形成した塗膜は堅牢
であって、紫外線吸収剤のブリードアウトはない。ま
た、この硬化性紫外線吸収剤には湿気硬化性があるが、
常温での硬化速度を実用的なものとするために紫外線遮
蔽膜用塗布液には硬化触媒の添加が必須である。硬化触
媒としてはパラトルエンスルホン酸が好ましい。
限定されるものではなく塗布条件や、塗布環境、塗布液
中の固形分の種類に合わせて選択可能であり、例えば、
メタノール、エタノール、イソブチルアルコール等のア
ルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル等のエ−テルア
ルコ−ル類、酢酸メチルや酢酸エチル等のエステル類、
メチルエチルケトンやシクロヘキサノン等のケトン類な
ど各種溶媒が使用可能である。また用途によって1種ま
たは2種以上の溶媒を組み合わせて使用しても良い。ま
た、紫外線遮蔽膜用塗布液中の硬化性紫外線吸収剤の含
有量は通常の使用においては12〜53wt%であるこ
とが望ましい。含有量が12wt%以下であると塗布硬
化して得られる紫外線遮蔽膜の紫外線遮蔽能が低く、5
3wt%を超えるとその他の固形分を添加しない場合で
も塗布液の粘度が上昇し塗布性が悪化する。そして、紫
外線吸収剤としては、本発明にかかる硬化性紫外線吸収
剤単独使用でも良いが、他の紫外線吸収剤と併用しても
良い。併用する紫外線吸収剤としては、特に限定はない
が、ZnO、CeO2、Fe2O3、FeOOHなどの無
機紫外線吸収剤と併用して用いられる場合は塗布液中の
濃度はこれより低くても良く、0.5〜12wt%の添
加濃度でも充分実用性のある紫外線遮蔽膜用塗布液とし
て使用可能である。
外線吸収剤以外の固形分として、アクリル樹脂、ウレタ
ン樹脂等の有機樹脂、コロイダルシリカ、Al2O3、T
iO 2、ZrO2等の無機超微粒子、種々のシランカップ
リング剤等を一種または二種以上添加してもよい。これ
によって塗布液の塗布性の改良、塗布膜の硬度の改良、
基材への密着力の改良などが成される。本発明の紫外線
遮蔽膜用塗布液をガラス、プラスチック板、フィルムな
どの基材に塗布し常温で硬化させることによって基材上
に長期間安定な紫外線遮蔽能を持つ紫外線遮蔽膜を形成
することができる。紫外線遮蔽膜用塗布液の塗布方法は
特に限定されるものではなく、スピンコート法、スプレ
ーコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、布
や刷毛による方法等、処理液を平坦にかつ薄く均一に塗
布できる方法であればいかなる方法でもよい。基材上に
形成された紫外線遮蔽膜は基材に長期間安定な紫外線遮
蔽機能を付与するとともに、基材そのものの紫外線によ
る劣化を抑制する。このようにして紫外線遮蔽膜が形成
された基材は長期間安定な紫外線遮蔽機能を有する。
実施例を示す。 合成例1 2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン
57gとγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラ
ン77gをビーカーにとり、ジブチルスズジラウレート
を1g加えてメカニカルスターラーで混合攪拌を行っ
た。発熱反応が起こるがそのまま約1時間放置冷却し、
目的の反応性紫外線吸収剤を含む赤褐色、高粘度の液
(合成液1)を得た。13.5gの前記合成液1と1
3.1gのエタノールを混合攪拌し、均一に溶解した。
さらに溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテ
ル45.4gとエチレングリコ−ルモノブチルエ−テル
25.2g、硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸
(一水和物)0.4gを加えて混合攪拌し塗布液を得
た。この塗布液中には合成液1以外の硬化成分は含まれ
ていないが、常温で硬化可能であった。この塗布液を3
mmのソーダライム系ガラス基板上に塗布し、常温で硬
化して塗布膜を得た。塗布膜の透過率を日立製作所製の
分光光度計を用いて測定し、ISO9050に従って紫
外線透過率(τuv)を算出した。τuvは0.04%
であり、塗布膜は十分な紫外線遮蔽能を持つが、合成液
1の成分以外に紫外線を吸収する物質は含まれていな
い。すなわち合成液1は、一般式(1)におけるベンゾ
フェノンの骨格により紫外線吸収能を発現し、一般式
(1)の分子端のアルコキシル基の加水分解、それに続
く縮合重合により常温硬化性を発現したことがわかる。
57gとγ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラ
ン77gをビーカーにとり、ジブチルスズジラウレート
を1g加えてメカニカルスターラーで混合攪拌を行っ
た。発熱反応が起こるがそのまま約1時間放置冷却し、
目的の反応性紫外線吸収剤を含む赤褐色、高粘度の液
(合成液2)を得た。13.5gの前記合成液2と1
3.1gのメタノールを混合攪拌し、均一に溶解した。
さらに溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテ
ル45.4gとエチレングリコールモノブチルエーテル
25.2g、硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸
(一水和物)0.4gを加えて混合攪拌し塗布液を得
た。この塗布液中には合成液2以外の硬化成分は含まれ
ていないが、常温で硬化可能であった。この塗布液を3
mmのソーダライム系ガラス基板上に塗布し、常温で硬
化して塗布膜を得た。塗布膜の透過率を日立製作所製の
分光光度計を用いて測定し、ISO9050に従って紫
外線透過率(τuv)を算出した。τuvは0.03%であ
り、塗布膜は十分な紫外線遮蔽能を持つが、合成液2の
成分以外に紫外線を吸収する物質は含まれていない。す
なわち合成液2は、一般式(1)におけるベンゾフェノ
ンの骨格により紫外線吸収能を発現し、一般式(1)の
分子端のアルコキシル基の加水分解、それに続く縮合重
合により常温硬化性を発現したことがわかる。
1gのエタノールを混合攪拌し、均一に溶解した。さら
に溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテル4
5.4gとエチレングリコールモノブチルエーテル2
5.2g、硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸(一
水和物)0.4gを加えて混合攪拌し紫外線遮蔽膜用塗
布液を得た。この塗布液中の固形分は14.2wt%に
なる。また硬化性紫外線吸収剤含有量は13.8wt%
である。この紫外線遮蔽膜用塗布液を3mmのソーダラ
イム系ガラス基板上に塗布し、常温で硬化して紫外線遮
蔽膜を得た。紫外線遮蔽膜の透過率を日立製作所製の分
光光度計を用いて測定し、ISO9050に従って紫外
線透過率(τuv)を算出した。塗布硬化してから30
日後に膜表面の観察を行いブリードアウトの有無を調べ
た。またテーバー摩耗試験機で荷重250g、50回転
の摩耗試験を行い、試験前後のヘイズの変化量(ΔH)
で膜の摩耗強度を評価した。τuvは0.04%でブリ
ードアウトは無かった。すなわち上記塗布液は一般式
(1)で示されるように、ベンゾフェノン骨格がイソシ
アノ基を持つアルコキシシランと酸素原子を介して結合
しているために、紫外線吸収能を有するベンゾフェノン
骨格がバインダー中に安定化してブリードアウトを抑制
したものである。ΔHは19%であり比較的強い膜が形
成されている。
キシベンゾフェノンを5g、樹脂バインダーとしてラッ
カータイプの常温硬化ウレタン樹脂(溶剤はイソプロピ
ルアルコールで固形分30%)を16.7g、希釈溶剤
としてイソブチルアルコール53.3gとプロピレング
リコールモノエチルエーテル25gを混合攪拌して紫外
線遮蔽膜用塗布液を得た。この塗布液中の固形分は1
0.0wt%になる。また紫外線吸収剤含有量は5.0
wt%である。この紫外線遮蔽膜用塗布液を3mmのソ
ーダライム系ガラス基板上に塗布し、常温で硬化して紫
外線遮蔽膜を得た。紫外線遮蔽膜の透過率を日立製作所
製の分光光度計を用いて測定し、ISO9050に従っ
て紫外線透過率(τuv)を算出した。塗布硬化してか
ら30日後に膜表面の観察を行いブリードアウトの有無
を調べた。またテーバー摩耗試験機で荷重250g、5
0回転の摩耗試験を行い、試験前後のヘイズの変化量
(ΔH)で膜の摩耗強度を評価した。τuvは0.03
%であったがブリードアウトが見られた。これは紫外線
吸収剤の2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾ
フェノンがバインダーと反応する機構なしにはバインダ
ー中に安定して存在することができないことを示すもの
である。ΔHは30%であり膜強度は弱い。
のエタノールを混合攪拌し、均一に溶解した。さらに溶
媒としてエチレングリコールモノメチルエーテル53.
0gとエチレングリコールモノブチルエーテル25.0
g、硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸(一水和
物)0.3gを加えて混合攪拌した。さらに無機紫外線
吸収剤であるFeOOH微粒子の分散液(固形分20w
t%)を4g加えて混合攪拌し紫外線遮蔽膜用塗布液を
得た。この塗布液中の固形分は8.8wt%になる。ま
た硬化性紫外線吸収剤含有量は9.0wt%である。こ
の紫外線遮蔽膜用塗布液を3mmのソーダライム系ガラ
ス基板上に塗布し、常温で硬化して紫外線遮蔽膜を得
た。紫外線遮蔽膜の透過率を日立製作所製の分光光度計
を用いて測定し、ISO9050に従って紫外線透過率
(τuv)を算出した。塗布硬化してから30日後に膜
表面の観察を行いブリードアウトの有無を調べた。また
テーバー摩耗試験機で荷重250g、50回転の摩耗試
験を行い、試験前後のヘイズの変化量(ΔH)で膜の摩
耗強度を評価した。τuvは0.32%であり、ブリー
ドアウトは無かった。硬化性紫外線吸収剤の量が少ない
場合でも無機紫外線吸収剤の併用で充分な紫外線遮蔽能
が得られる。ΔHは21%であり比較的強い膜が形成さ
れている。
0gのエタノールを混合し、さらに溶媒としてエチレン
グリコールモノブチルエーテル7.5g、硬化触媒とし
てパラトルエンスルホン酸(一水和物)0.25gを加
えて混合攪拌し紫外線遮蔽膜用塗布液を得た。この塗布
液中の固形分は53.8wt%になる。また硬化性紫外
線吸収剤含有量は53.3wt%である。この紫外線遮
蔽膜用塗布液は粘度が高く、3mmのソーダライム系ガ
ラス基板上には均一に塗布することができなかった。
1gのエタノールを混合攪拌し、均一に溶解した。さら
に溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテル4
5.4gとエチレングリコールモノブチルエーテル2
5.2g、硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸(一
水和物)0.4gを加えて混合攪拌した。さらに固形分
としてコロイダルシリカ(溶剤はイソプロピルアルコー
ルで固形分30%)15.0gを加えて混合攪拌し、紫
外線遮蔽膜用塗布液を得た。この塗布液中の固形分は1
6.3wt%になる。また硬化性紫外線吸収剤含有量は
12.0wt%である。この紫外線遮蔽膜用塗布液を3
mmのソーダライム系ガラス基板上に塗布し、常温で硬
化して紫外線遮蔽膜を得た。紫外線遮蔽膜の透過率を日
立製作所製の分光光度計を用いて測定し、ISO905
0に従って紫外線透過率(τuv)を算出した。塗布硬
化してから30日後に膜表面の観察を行いブリードアウ
トの有無を調べた。またテーバー摩耗試験機で荷重25
0g、50回転の摩耗試験を行い、試験前後のヘイズの
変化量(ΔH)で膜の摩耗強度を評価した。τuvは
0.11%以下でブリードアウトは無かった。ΔHは1
3%でコロイダルシリカの添加によって膜の摩耗強度が
改善された。
1gのエタノールを混合攪拌し、均一に溶解した。さら
に溶媒としてエチレングリコールモノメチルエーテル4
5.4gとエチレングリコールモノブチルエーテル2
5.2g、硬化触媒としてパラトルエンスルホン酸(一
水和物)0.4gを加えて混合攪拌した。さらに固形分
としてアクリル樹脂をジアセトンアルコールで加熱溶解
した溶液(固形分30wt%)15.0gを加えて混合
攪拌し、紫外線遮蔽膜用塗布液を得た。この塗布液中の
固形分は16.3wt%になる。また硬化性紫外線吸収
剤含有量は12.0wt%である。この紫外線遮蔽膜用
塗布液を3mmのソーダライム系ガラス基板上に塗布
し、常温で硬化して紫外線遮蔽膜を得た。紫外線遮蔽膜
の透過率を日立製作所製の分光光度計を用いて測定し、
ISO9050に従って紫外線透過率(τuv)を算出
した。塗布硬化してから30日後に膜表面の観察を行い
ブリードアウトの有無を調べた。またテーバー摩耗試験
機で荷重250g、50回転の摩耗試験を行い、試験前
後のヘイズの変化量(ΔH)で膜の摩耗強度を評価し
た。τuvは0.12%でブリードアウトは無かった。
ΔHは22%であった。
化性紫外線吸収剤を用いることで、常温で硬化し、紫外
線吸収剤のブリードアウトが無い紫外線遮蔽膜を形成で
きる、紫外線遮蔽膜用塗布液が提供された。本発明によ
り、基材に長期間安定な紫外線遮蔽機能を付与すること
が可能となった。
Claims (8)
- 【請求項1】 2、2’、4、4’−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノンとイソシアノ基を持つアルコキシシラン
を触媒の存在下で反応させて得られた一般式(1)で示
される硬化性紫外線吸収剤。 【化1】 (一般式(1)中のXはメトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基等の加水分解によってシラノール
を生じるアルコキシル基を示し、Rは炭素数1〜3のア
ルキレン鎖を示す。) - 【請求項2】 硬化性紫外線吸収剤、希釈溶媒、硬化触
媒を含有した常温で硬化可能な硬化性紫外線遮蔽膜形成
用塗布液において、前記硬化性紫外線吸収剤の少なくと
も一種類が請求項1記載の硬化性紫外線吸収剤であるこ
とを特徴とする硬化性紫外線遮蔽膜形成用塗布液。 - 【請求項3】 請求項1記載の硬化性紫外線吸収剤の含
有量が0.5〜53wt%である請求項2に記載の常温
で硬化可能な紫外線遮蔽膜形成用塗布液。 - 【請求項4】 硬化触媒がパラトルエンスルホン酸であ
ることを特徴とする請求項2に記載の常温で硬化可能な
紫外線遮蔽膜形成用塗布液。 - 【請求項5】 請求項2〜請求項4の何れかの請求項に
記載の紫外線遮蔽膜形成用塗布液において、固形分とし
てさらにアクリル樹脂、コロイダルシリカの中から選ば
れた1種もしくは2種以上の成分を含む、常温で硬化可
能な紫外線遮蔽膜形成用塗布液。 - 【請求項6】 請求項2〜請求項5の何れかの請求項に
記載の紫外線遮蔽膜形成用塗布液を基材に塗布、硬化さ
せてなる紫外線遮蔽膜。 - 【請求項7】 請求項6に記載された紫外線遮蔽膜が形
成された紫外線遮蔽機能を有する基材 - 【請求項8】 一般式(1)で示される硬化性紫外線吸
収剤を少なくとも一種類練り込んだ紫外線遮蔽機能を有
する基材
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---|---|---|---|
JP10339158A JP2000160130A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | 硬化性紫外線吸収剤、紫外線遮蔽膜形成用塗布液およびこれを用いた紫外線遮蔽膜 |
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---|---|---|---|
JP10339158A JP2000160130A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | 硬化性紫外線吸収剤、紫外線遮蔽膜形成用塗布液およびこれを用いた紫外線遮蔽膜 |
Publications (1)
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---|---|
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JP (1) | JP2000160130A (ja) |
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