JP2000159877A - ポリブチレンナフタレートの製造方法 - Google Patents
ポリブチレンナフタレートの製造方法Info
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Abstract
調が良好で、かつ溶融重合並びに固相重合速度が高いポ
リブチレンナフタレートの製造方法を提供する。 【解決手段】1,4−ブタンジオールを主成分とするグ
リコール成分と、2,6−ナフタレンジカルボン酸を主
成分とする二官能性カルボン酸又は2,6−ナフタレン
ジカルボン酸ジメチルを主成分とする二官能性カルボン
酸の低級アルキルエステル成分とを反応させポリブチレ
ンナフタレートを製造するに際し、重合触媒として、
[A]チタン化合物及び[B]該チタン化合物のチタン
に対しマグネシウムとして0.5〜3モル倍のマグネシ
ウム化合物を存在させ、かつ温度260℃未満で溶融重
合を行うことを特徴とするポリブチレンナフタレートの
製造方法。
Description
に優れたポリブチレンナフタレートの製造方法に関する
ものである。詳しくは、特定の重合触媒の組合せでかつ
比較的低い温度条件で溶融重合を行うことよりなる熱安
定性等に優れたポリブチレンナフタレートの製造方法に
関するものである。
Nと称することもある)は結晶化速度が高く、成形性に
優れているため、エンジニアリングプラスチックとして
有用で大きな市場を形成している。
熱安定性が必ずしも十分でなく、特に重合触媒のチタン
化合物が存在すると、分解反応が促進され、末端COO
H基の濃度が増大し、耐加水分解性が悪化し、また、着
色等の色調も悪くなるという問題があった。更に、PB
Nは熱安定性に劣るため、溶融成形時の熱に基因して成
形後の製品の末端COOH基の増加が大きく、そのた
め、製品の耐加水分解性が一層劣るようになるという問
題があり、加えて成形後の分子量の低下も激しいので力
学特性が更に悪化するという問題もあった。
ついては、耐加水分解性や熱安定性、更には色調を改良
するために、次亜燐酸塩等を用いる方法が提案されてい
る(特公昭57−85818号公報、特開平5−230
201号公報)。これらの方法によると、耐加水分解
性、熱安定性、色調をある程度改良できるとしても、溶
融重合における反応速度の低下を招き、生産性をダウン
させるという問題があった。又、特公昭56−3934
0号公報においては、重合温度260℃で、チタン化合
物に0.1〜5倍のマグネシウムの弱酸塩化合物を併用
して重合する方法が記載されているが、重合温度が26
0℃と高いために末端COOH基が増大して製品の耐加
水分解性が悪化したり、末端ビニル基が増大することに
よって、固相重合性が低下し、そのため高分子量の重合
体が製造できない難点があった。特公昭57−1475
16号公報においては、重合温度270℃においてチタ
ン化合物にアルカリ性金属化合物を一緒に用いて重合す
る方法が記載されているが、得られるポリマーの耐加水
分解性、熱安定性、色調等の点で必ずしも十分満足でき
るものではなかった。
合触媒としてTi化合物とMg化合物の組合せの触媒系
を提案し(特開平8−20638号公報)、またポリヘ
キサメチレンテレフタレート(PHT)に関してもTi
化合物とMg化合物の組合せの触媒系を提案している
(特開平7−216066号公報)。他方、特公昭53
−25695号公報、特公昭53−25696号公報で
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)に関し、M
g化合物とTi化合物の組合せからなる触媒が示されて
いるものの、その具体的実施例では、Mn化合物、Mg
化合物及びTi化合物の3元系の触媒が使用されている
に過ぎない。これらの特許は、いずれもPBT、PH
T、PETに関するものであり、これらとは重合反応性
が異なるPBNについては何等言及されていない。
重合における反応速度が高く、生成したPBNはその末
端ビニル基の濃度が低く、そのため得られたPBNの固
相重合性も高く、かつ末端COOH基の濃度が低く、耐
加水分解性や熱安定性が良好で、優れた色調のPBNを
製造する方法を提供することにあり、特に成形に際して
溶融状態においた時に、熱安定性が良いために、成形後
の末端COOH基の増大が小さく、また分子量の低下度
も小さいPBNを製造するための方法を提供しようとす
るものである。
決するためになされたものであり、そのの要旨は、1,
4−ブタンジオールを主成分とするグリコール成分と、
2,6−ナフタレンジカルボン酸を主成分とする二官能
性カルボン酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメ
チルを主成分とする二官能性カルボン酸の低級アルキル
エステル成分とを反応させポリブチレンナフタレートを
製造するに際し、重合触媒として、[A]チタン化合物
及び[B]該チタン化合物のチタンに対しマグネシウム
として0.5〜3モル倍のマグネシウム化合物を存在さ
せ、かつ温度260℃未満で溶融重合を行うことを特徴
とするポリブチレンナフタレートの製造方法に存する。
おいて該チタン化合物がテトラアルキルチタネートであ
ること、及び該マグネシウム化合物が酢酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム又はマグネシウムアルコキサイ
ドの少なくとも一種であることに存する。
本発明において用いられるグリコール成分としては、
1,4−ブタンジオールを主たる対象とするが、エチレ
ングリコール、1,3−プロピレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、へキサメチレングリコール、デカメ
チレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ(オ
キシ)エチレングリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール、ポリメチレングリコール等のアルキレングリコー
ルの1種、または2種以上を混合してもよく、目的によ
り任意に選ぶことができる。さらに少量のグリセリンの
ような多価アルコール成分を用いてもよい。また少量の
エポキシ化合物を用いてもよい。
ン酸成分としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸を
主成分とするが、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェ
ニルジカルボン酸等の芳香族のジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、コハク酸、シュウ酸等の脂肪族ジカル
ボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカル
ボン酸等が挙げられ、これらの1種または2種以上を混
合してもよく、目的により任意に選ぶことができる。二
官能性カルボン酸の低級アルキルエステルとしては、
2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルを主成分とす
るが、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステ
ル、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン
酸の低級アルキルエステル、アジピン酸、セバシン酸、
コハク酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボン酸の低級アル
キルエステル等が挙げられ、これらの1種または2種以
上を混合してもよく、目的により任意に選ぶことができ
る。又、少量のトリメリツト酸のような三官能性以上の
カルボン酸成分を用いてもよく、無水トリメリツト酸の
ような酸無水物を少量使用してもよい。また、乳酸、グ
リコール酸のようなヒドロキシカルボン酸又はそのアル
キルエステル等を少量使用しても良い。
ルエステルを主成分とするが、エチルエステル、プロピ
ルエステル、ブチルエステル等の1種、または2種以上
を混合してもよく、目的により任意に選ぶことができ
る。本発明のPBNは、通常75モル%以上の1,4−
ブチレンナフタレート結合を有しているものであり、好
ましくは85モル%以上の1,4−ブチレンナフタレー
ト結合を有しているものであり、より好ましくは、90
モル%以上の1,4−ブチレンナフタレート結合を有し
ているものである。
れるチタン化合物は、テトラアルキルチタネートが好ま
しく、具体的には、テトラ−n−プロピルチタネート、
テトライソプロピルチタネート、テトラーn−ブチルチ
タネート、テトラ−t一ブチルチタネート、テトラフェ
ニルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テ
トラベンジルチタネート、あるいはこれらの混合チタネ
ートである。これらのうち特にテトラ−n−プロピルチ
タネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n
−ブチルチタネートが好ましく、テトラ−n−ブチルチ
タネートが最も好ましい。又、これらのチタン化合物の
2種以上を併用して用いてもよい。チタン化合物の添加
量はチタン量として生成PBNに対して10−200p
pm、好ましくは15−150ppm、より好ましくは
20〜130ppmである。
ネシウム化合物としては、酢酸マグネシウム、水酸化マ
グネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マ
グネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等のマ
グネシウムアルコキサイド(アルコキシマグネシウ
ム)、燐酸水素マグネシウム等が挙げられ、好ましくは
酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム又はマグネシウ
ムアルコキサイドであり、特に重合速度や1,4−ブタ
ンジオールヘの溶解性(異物生成)等の点で酢酸マグネ
シウムが最も好ましい。
は、金属の原子比、即ち、Mg/Tiの比で表して0.
5〜3.0である。Mg/Ti<0.5の場合には、重
合速度の向上が十分でなく、生成PBNの末端COOH
基の濃度が高く、かつ色調が悪化するので好ましくな
い。Mg/Ti>3.0の場合には、重合速度が同一金
属量見合いで低下すると共に、生成PBNの耐加水分解
性や色調も悪化するので好ましくない。Mg/Ti比は
より好ましくは0.7〜2.5、最も好ましくは0.8
5〜2.0である。この場合、色調はTiのみの場合よ
りも向上する。
ル成分を主成分とするアルキレングリコール(アルカン
ジオール)成分と2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメ
チル成分を主成分とする二官能性カルボン酸の低級アル
キルエステル成分とのエステル交換反応工程、または、
1,4−ブタンジオール成分を主成分とするアルキレン
グリコール成分と2,6−ナフタレンジカルボン酸成分
を主成分とする二官能性カルボン酸とのエステル化反応
工程と、それに続く重縮合反応工程とを経由してPBN
の製造を行うが、これらの反応条件は重合触媒及び溶融
重合時の温度を除いて、特に限定されるものでなく、公
知の反応条件がそのまま適用される。
グリコール成分/二官能性カルボン酸の低級アルキルエ
ステル成分のモル比は2.0以下、好ましくはl.0〜
1.6とし、エステル交換反応として180〜260
℃、好ましくは190〜255℃で、2〜4時間行われ
る。また、直接エステル化の場合は、アルキレングリコ
ール成分/二官能性カルボン酸成分のモル比は2.5以
下、好ましくはl.6〜2.2とし、エステル化応とし
て180〜260℃、好ましくは190〜255℃で、
2〜4時間行われる。次いで重縮合反応を行うが、その
条件は通常、3Torr以下の減圧下、260℃未満温
度、好ましくは220〜260℃未満、更に好ましくは
230〜260℃未満の温度である。また、重合時間は
2〜6時間である。重合度が増大する重合後期において
は、攪拌によるシェア発熱が伴うこともあるので設定温
度に注意して内温を260℃未満に制御することが好ま
しい。
開始時、エステル交換中、エステル交換後、重縮合時等
ありうるが、エステル交換開始時と重縮合反応前に分割
して添加するのが好ましい。マグネシウム化合物の添加
時期もエステル交換の開始時、エステル交換中、エステ
ル交換後、重縮合時等ありうるが、エステル交換終了
時、重合開始前に添加するのが重合活性及ぴ色調等の点
で好ましい。
ナフタレンジカルボン酸ジメチルを主成分とする二官能
性カルボン酸の低級アルキルエステル成分とのエステル
交換反応の場合においては、エステル交換触媒としてチ
タン化合物を使用することが好ましい。即ち、エステル
交換法の場合は、エステル交換触媒として、チタン化合
物を使用し、エステル交換後、重合反応以前にマグネシ
ウム化合物添加と更にチタン化合物を追加添加するのが
好ましい。2,6−ナフタレンジカルボン酸を主成分と
する二官能性カルボン酸とアルキレングリコールとのエ
ステル化反応の場合には、重縮合反応時にチタン化合物
とマグネシウム化合物を添加するのがよい。この場合、
エステル化時、又は重合時にスズ化合物や亜鉛化合物等
を添加してもよい。
温度(内温)は260℃未満で行うことが必要で、特に
溶融重合終了時(末期)の内温を260℃未満で行うこ
とが重要である。260℃以上になると生成ポリマーの
末端ビニル基が大幅に上昇し、溶融重合後に、更に重合
度を高めたり、低ガス化や、低オリゴマー化のために固
相重合を行う場合、固相重合速度が低く、生産性が低下
してしまう。また、末端COOH基も増大し、却って重
合速度が低下したり、耐加水分解性が悪化する。重合温
度は257℃以下がより好ましく、更に好ましくは25
5℃以下である。この場合、溶融重合速度が高いために
増し仕込みを行うことが可能となり、生産性の向上にも
寄与することができる。
おいて、重合触媒としてチタン化合物とマグネシウム化
合物とを用い、チタン化合物におけるチタンの量に対す
るマグネシウム化合物におけるマグネシウムの量を特定
の割合にして、チタン化合物の使用量を低減し、同時に
溶融重合における反応温度を比較的低く、即ち260℃
未満にすることにより、重合速度を低下させることなし
に得られるポリマーの末端カルボキシル基やビニル基の
増大化を防ぎ、耐加水分解性、耐熱性および色調に優れ
たポリエステルが得られることを見出したことに基づく
ものである。
有粘度や固相重合性が改善された高分子のPBNを製造
することができる。その理由としては、マグネシウム化
合物の添加によりマグネシウム化合物とチタン化合物と
の相互作用が生じ、チタン触媒の配位・結合構造が変化
し、反応中、反応原料の分子がTi原子と相互作用でき
るような主反応の特定活性サイトを生じやすくする特定
の構造が形成され、また、同相互作用によりチタン触媒
の酸塩基性が変化することが考えられる。このことは、
X線吸収端微細構造解析(XAFS:X-ray Absorptio
n fine structure)のX線近吸収端構造(XANES:
X-ray Absorption Near-Edge Structure)の測定結果か
ら推定される。
Tiの1sから3d軌道への遷移過程に帰属されるプリエ
ッジピーク(4.965〜4.972keV付近の主ピーク)の強度
は、Ti単独の触媒系よりも、Ti化合物にマグネシウ
ム化合物を添加した触媒からのものの方が大きい。これ
は、Ti元素近傍の配位・結合原子の点対称なオクタヘ
ドラル構造が歪んでいる証拠であり、Tiへの配位数の
減少が推定され、反応原料の分子がTi原子と相互作用
できるような活性サイトが出来ていると推定されるので
ある。チタンの酸塩基性についてもXANESの結果よ
り推定されている。
物の生成を抑えることができる。不要な副生物及び副反
応としては、末端ヒドロキシブチル基の種々の分解反応
によるテトラヒドロフランなどの発生やそれに伴うPB
Nの末端COOH基の生成や末端ビニル基の生成、およ
びエステル基の分解反応によるカルボキシル基の生成や
分子量の低下等がある。チタン触媒系へのマグネシウム
化合物の添加によりマグネシウム化合物とチタン化合物
との相互作用により、チタン触媒の特定サイトの酸性質
が抑制され、不要な副反応及びそれに伴う副生物が抑制
された良好な重合活性を有し、その結果として生成した
ポリマーは固相重合性、耐加水分解性、熱安定性、色調
等が良好であり、しかも溶融成形後の製品においても耐
加水分解性及び熱安定性に優れているのである。本発明
によるPBNの色調は、L値は85以上が好ましく、8
5未満であれば、色調が暗く好ましくない。b≦1.0
が好ましく、更に好ましくはb≦0.0である。
粘度IVは機械的強度の点から通常IV≧0.5であ
り、成形性も考慮すると0.6≦IV≦2.0が好まし
く、より好ましくは0.7≦IV≦l.6である。本発
明のPBNにおいては、末端COOH基数は平均して4
5eq/トン以下、好ましくは、40eq/トン以下、
更に好ましくは、35eq/トン以下、最も好ましく
は、30eq/トン以下である。末端COOH基数が少
なくなると共に、耐加水分解性、熱安定性が向上する
し、また固相重合性も向上する。
q/トン未満である。未端ビニル基が10eq/トン未
満であれば、熱安定性にすぐれ、耐加水分解性、及ぴ固
相重合性に優れる。好ましくは、末端ビニル基は8eq
/トン以下、さらに好ましくは、末端ビニル基は6eq
/トン以下、最も好ましくは4eq/トン以下である。
末端ビニル基が10eq/トン以上であれば、熱安定性
に劣り、耐加水分解性に劣り、固相重合性が低い。
るために、溶融成形時にも熱による分子量の低下や末端
COOH基の増大度合いが低く、その結果、製品の力学
特性や耐加水分解性の低下を招く度合が少ない。例え
ば、本発明PBNを270℃で1時間溶融処理した場
合、溶融処理後のIVを処理前のIVに対する割合で表
すIV保持率は70%以上である。また、処理後の末端
COOH基の増大は70eq/トン以下であり、好まし
くは60eq/トン以下、更に好ましくは50eq/ト
ン以下である。IV保持率が70%未満であれば、製品
の力学特性が低下し、末端COOH基の増加が70eq
/トンを超えると耐加水分解性が低下していずれも好ま
しくない。耐加水分解性に係わるプレッシャークッカー
テスト後のIV保持率は、80%以上が好ましく、83
%以上がより好ましく、84%以上が最も好ましい。8
0%未満であれば、耐加水分解性が悪く好ましくない。
べて大幅に向上するので、仕込量を増量したりして更に
生産性を向上することができる。一方仕込量を下げるこ
とも可能となり、その結果、更にPBNの末端COOH
基の濃度を下げることも可能になり、加えて色調もよく
なる。また、この末端ビニル基の少ないPBNを更に固
相重合する場合には、その固相重合速度が速く、良好な
固相重合を行うことができる。
において各種の添加剤、例えば熱安定剤、酸化防止剤、
結晶核剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、紫外線吸収剤
等を添加してもよい。上記の重縮合で得たPBNを引き
続き常法に従って固相重合することもできる。固相重合
の条件は、通常、減圧下180〜240℃の温度で3〜
25時間程度である。
するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例
に限定されるものではない。なお、実施例中の「部」と
あるものは、「重量部」を表す。本発明のPBNにおけ
る末端ビニル基、固有粘度lV、末端カルボキシル基、
色調、耐加水分解性、溶融重合性、固相重合性及び熱安
定性は以下の方法に基づき実施した。
フルオロイソプロパノール/重水素化クロロホルム=3
/7(vo1比)に溶解し、40OMHz H−NMR
で測定した値であり、1×106g(トン)当たりのビ
ニル基当量である。 (2) 固有粘度IVは、PBNをフェノール/テトラ
クロロエタン(1:1重量比)中、30℃で測定した溶
液粘度から求めたものである。
は、PBNをベンジルアルコールに溶解し0.1N N
aOHにて滴定した値であり、1×106g当たりのカ
ルボキシル基当量である。 (4) 耐加水分解性は、平山製作所製プレッシャーク
ッカーテスト機を用いて120℃、加湿下(ゲージ圧:
1.1kg/cm2)でペレットを96時間処理(PC
T処理)し、処理前後のIVを測定し、IV保持率
[(処理後のIV)/(処理前のIV)×100]にて評
価を行った。
いて日本電色工業(株)製測色色差計でL値、a値、b
値を測定した。 (6) 溶融重合性は、溶融重合後のIVを溶融重合時
間(Hr)で割った値IV/Hrで示した。
(1Torr以下)、4時間の固相重合後のIVを測定し、
[(固相重合後のIV)−(溶融重合後のIV)]を固
相重合時間(4時間)で割った固相重合速度として△I
V/Hrで示した。
にPBNを入れ、N2下270℃で1時間処理(溶融熱
安定性試験)後のIV及び末端COOH基を測定し、処
理前PBNのIV及び末端COOH基と対比した。即
ち、IVの保持率[(処理後のIV)/(処理前のI
V)×100]と末端COOH基数の差ΔCOOH[(処
理前の末端COOH基数)−(処理後の末端COOH
基)]により評価した。
8.8部、1,4−ブタンジオール88.0部にテトラ
ブチルチタネート0.0156部(10ppmTi/ホ゜リマー)を
加え、190℃から255℃まで2時間30分かけて昇
温し、エステル交換反応を行った。エステル交換反応終
了時に、酢酸マグネシウム・四水塩0.0968部(50
ppmMg/ホ゜リマー;モル比(Mg/Ti)=1.0)を1,4−ブ
タンジオールに溶解して添加し、引き続きテトラブチル
チタネート0.1405部(90ppmTi/ホ゜リマー)を添加
し、重縮合反応を開始した。
分かけて徐々に減圧し、同時に所定の重合温度255℃
まで昇温し、以降所定重合温度、1Torrで継続し、
所定の撹拌トルクに到達した時点で反応を終了しPBN
を取り出した。その際の重合時間、得られたPBNの固
有粘度,色調,溶融重合性、末端基(カルボキシル基、
ビニル基)、耐加水分解性及び溶融熱安定性を測定し、
その結果を表−1に示した。また、得られたPBNを2
30℃、1Torr以下で4時間固相重合を行い、得られた
ポリマーのIVを測定し、固相重合性の評価を行いその
結果を表ー1に示した。
0.0678部(35ppmMg/ホ゜リマー)に変更(Mg/Ti
=0.7 モル比)した以外は実施例1と同様にして反
応を行いPBNを得た。 実施例3 実施例1において酢酸マグネシウム・四水塩の添加を
0.242部(125ppmMg/ホ゜リマー)に変更(Mg/Ti
=2.5 モル比)した以外は実施例1と同様にして反
応を行いPBNを得た。
水酸化マグネシウムを0.0264部(50ppmMg/ホ゜リマ
ー)(Mg/Ti=1.0 モル比)添加した以外は実
施例1と同様にして反応を行いPBNを得た。
い以外は実施例lと同様の反応を行ないPBNポリマー
を得た。
0.4840部(250ppmMg/ホ゜リマー)に変更(Mg/T
i=5.0 モル比)した以外は実施例1と同様にして
反応を行いPBNを得た。
0.0194部(10ppmMg/ホ゜リマー)に変更(Mg/Ti
=0.2 モル比)した以外は実施例1と同様にして反
応を行いPBNを得た。 比較例4 実施例1において重合温度(内温)を260℃に上げて
重合した以外は実施例1と同様にして反応を行いPBN
を得た。実施例2〜4及び比較例1〜4で得られたPB
Nポリマーにつき実施例1におけるのと同様にして各物
性の測定を行い、それぞれの結果を表−1に示した。
い、即ち溶融重合性及び固相重合性のいずれも高いた
め、重合時間の短縮や増し仕込みが可能となり、生産性
を著しく向上することができる。又、本発明方法で得ら
れるPBNは末端COOH基や末端ビニル基が少ないた
めに、熱安定性、耐加水分解性及び色調に優れるという
特徴を有する。
Claims (3)
- 【請求項1】 1,4−ブタンジオールを主成分とする
グリコール成分と、2,6−ナフタレンジカルボン酸を
主成分とする二官能性カルボン酸又は2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸ジメチルを主成分とする二官能性カルボ
ン酸の低級アルキルエステル成分とを反応させポリブチ
レンナフタレートを製造するに際し、重合触媒として、
[A]チタン化合物及び[B]該チタン化合物のチタン
に対しマグネシウムとして0.5〜3モル倍のマグネシ
ウム化合物を存在させ、かつ温度260℃未満で溶融重
合を行うことを特徴とするポリブチレンナフタレートの
製造方法。 - 【請求項2】 該チタン化合物がテトラアルキルチタネ
ートであることを特徴とする請求項1記載のポリブチレ
ンナフタレートの製造方法。 - 【請求項3】 該マグネシウム化合物が酢酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム又はマグネシウムアルコキサイ
ドの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又
は2記載のポリブチレンナフタレートの製造方法。
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---|---|---|---|
JP34017498A JP3696739B2 (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | ポリブチレンナフタレートの製造方法 |
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JP34017498A JP3696739B2 (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | ポリブチレンナフタレートの製造方法 |
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JP34017498A Expired - Lifetime JP3696739B2 (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | ポリブチレンナフタレートの製造方法 |
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-
1998
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JP2006316179A (ja) * | 2005-05-13 | 2006-11-24 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリエーテルエステルブロック共重合体の製造方法 |
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