JP2000158823A - 熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録媒体

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JP2000158823A
JP2000158823A JP10340329A JP34032998A JP2000158823A JP 2000158823 A JP2000158823 A JP 2000158823A JP 10340329 A JP10340329 A JP 10340329A JP 34032998 A JP34032998 A JP 34032998A JP 2000158823 A JP2000158823 A JP 2000158823A
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thermal transfer
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fluorescent pigment
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JP10340329A
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English (en)
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Ryoichi Kaite
良一 買手
Kenji Kurokawa
健治 黒川
Ryoichi Shimazaki
良一 島崎
Yutaka Wakabayashi
豊 若林
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RUMINOOBA SEIKO KK
Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
RUMINOOBA SEIKO KK
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下地色の影響を受けにくく、発光効率が高
く、かつ耐光性、耐擦過性の優れた蛍光印像を形成でき
る熱転写記録媒体を提供する。 【解決手段】 紫外線を照射すると赤色、緑色または青
色の蛍光を発する、可視光線下で白色系の無機蛍光顔料
をそれぞれ含有する3種類の感熱転写性インク層が単一
の基材上に、または別々の基材上に設けられてなること
を特徴とする熱転写記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可視光線下では視
認が困難または不可能で、紫外線照射下で検出、判読可
能な蛍光印像を形成することができる、耐光性に優れた
熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】クレジットカードなどの個々人向けのカ
ードでは、隠しマークとして蛍光インクで印刷を施して
偽造等を防止することが行われている。しかし蛍光印刷
は所有者ごとに異なった印刷ではなく、同じマークが印
刷されているので、蛍光印刷では個人の識別が困難であ
った。一方、特開平7−125403号公報では熱転写
等による個人識別が可能な蛍光印像の形成方法を開示し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公報の熱転写等を
利用した蛍光印像の形成方法によると蛍光フルカラー印
像の形成が可能である。しかし、具体例では感熱転写性
インク層に透明性のビヒクルと蛍光染料との組み合わせ
が用いられているためインク層の透明性が高く、下地色
の影響を受け易い、下地(カード、基材など)の表面で
紫外線や発光光(蛍光)が吸収され発光効率が低下する
などの問題があった。また、この具体例によるとビヒク
ルはワックスを主体とするものであり、かつ蛍光色素と
して染料をもちいているため、印像の耐擦過性が劣る、
耐光性が劣るなどの問題があった。クレジットカードな
どのセキュリティ用とするには信頼性が最重要項目の一
つであるから、耐光性、耐擦過性が劣るということは特
に問題となる。
【0004】本発明は、前記の点に鑑みて、下地色の影
響を受けにくく、発光効率が高く、かつ耐光性、耐擦過
性の優れた蛍光印像を形成できる熱転写記録媒体を提供
することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
紫外線を照射すると赤色、緑色または青色の蛍光を発す
る可視光線下で白色系の無機蛍光顔料をそれぞれ含有す
る3種類の感熱転写性インク層が単一の基材上に、また
は別々の基材上に設けられてなることを特徴とする熱転
写記録媒体に関する。
【0006】請求項2に係る発明は、前記赤色、緑色ま
たは青色の蛍光を発する白色系無機蛍光顔料が、紫外線
を照射したときのそれぞれの蛍光色がXYZ表色系にお
いて、赤色蛍光顔料は、xが0.55〜0.70、yが
0.25〜0.35、緑色蛍光顔料は、xが0.05〜
0.35、yが0.50〜0.75、青色蛍光顔料は、
xが0.10〜0.20、yが0.01〜0.23なる
色度特性を有することを特徴とする請求項1記載の熱転
写記録媒体に関する。
【0007】請求項3に係る発明は、無機蛍光顔料の平
均粒径が5μm以下で、90%粒径が10μm以下であ
ることを特徴とする請求項1または2記載の熱転写記録
媒体に関する。
【0008】請求項4に係る発明は、無機蛍光顔料の坪
量が0.3〜10g/m2であることを特徴とする請求
項1、2または3のいずれかに記載の熱転写記録媒体に
関する。
【0009】請求項5に係る発明は、感熱転写性インク
層中の無機蛍光顔料の含有量が20〜80重量%、樹脂
を50重量%以上含有するビヒクルの含有量が80〜2
0重量%であることを特徴とする請求項1、2、3また
は4のいずれかに記載の熱転写記録媒体に関する。
【0010】請求項6に係る発明は、基材と感熱転写性
インク層の間に離型インク層を設けたことを特徴とする
請求項1、2、3、4または5のいずれかに記載の熱転
写記録媒体。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の熱転写記録媒体は、紫外
線を照射すると赤色、緑色または青色の蛍光を発する、
可視光線下で白色系の無機蛍光顔料をそれぞれ含有する
3種類の感熱転写性インク層が単一の基材上に、または
別々の基材上に設けられてなることを特徴とするもので
ある。ここで、可視光線下で白色系の無機蛍光顔料(以
下、単に白色系無機蛍光顔料という)とは、可視領域に
吸収帯を有さず、可視光線下では白色顔料としての働き
をする無機蛍光顔料をいう。
【0012】本発明では、紫外線を照射すると赤色、緑
色または青色の蛍光を発する白色系無機蛍光顔料をそれ
ぞれ含有する3種類の感熱転写性インク層が単一の基材
上に並べて設けられた熱転写記録媒体を用いて、または
紫外線を照射すると赤色、緑色または青色の蛍光を発す
る白色系無機蛍光顔料をそれぞれ含有する3種類の感熱
転写性インク層が別々の基材上に設けられた3種類の熱
転写記録媒体を1組として用いて、熱転写により印像を
形成することにより、蛍光フルカラーの印象が得られ
る。隠しマークとしての蛍光印像をフルカラーとするこ
とによって、セキュリティ性が高められる。
【0013】また、感熱転写性インク層を無機蛍光顔料
と樹脂系ビヒクルで構成したことによって、印像の耐光
性、耐擦過性が向上される。
【0014】さらに、無機蛍光顔料として可視光線下で
は白色顔料として機能する白色系無機蛍光顔料を使用す
ることによって、下地色の影響を低減できる、下地(カ
ード、基材など)の表面での紫外線や発光光(蛍光)の
吸収が低減され発光効率が向上される。すなわち、無機
蛍光顔料として白色系のものを用いることにより、照射
された紫外線は顔料粒子の界面や内部で、入射面での
紫外線の乱反射または散乱、粒子内における一部の紫
外線の波長エネルギ変換(紫外線→蛍光発光)、残り
の紫外線の出射面での乱反射または散乱などの作用が起
こる。前記白色系無機蛍光顔料粒子は感熱転写性インク
層中に多数含まれているから、波長エネルギ変換されて
いない紫外線は他の粒子と前記〜の作用を繰り返し
ながら感熱転写性インク層深部に進み波長エネルギ変換
が効率よく実行される。また、下地色の影響も受け難い
利点がある。
【0015】さらに本発明者らは、主放射波長が365
nmの紫外線(以下、単に紫外線という)を用いて鋭意
研究を重ねた結果、該紫外線を無機蛍光顔料そのものに
照射したとき、その蛍光色がXYZ表色系において、赤
色蛍光顔料については、xが好ましくは0.55〜0.
70、さらに好ましくは0.57〜0.68、yが好ま
しくは0.25〜0.35、さらに好ましくは0.28
〜0.33、緑色蛍光顔料についてはxが好ましくは
0.05〜0.35、さらに好ましくは0.10〜0.
30、yが好ましくは0.50〜0.75、さらに好ま
しくは0.55〜0.72、青色蛍光顔料についてはx
が好ましくは0.10〜0.20、さらに好ましくは
0.12〜0.18、yが好ましくは0.01〜0.2
3、さらに好ましくは0.02〜0.15の範囲の色度
特性を有する無機蛍光顔料を含有させた感熱転写性イン
クを用いて印像を形成するときは、色再現性の良好な蛍
光フルカラー印像を得られることが明らかになった。各
色の無機蛍光顔料の色度特性がこれらの範囲から外れる
と、2次色であるシアン、マゼンタ、イエローおよび3
次色である白色の色表現が困難となり、良好なフルカラ
ー蛍光印像を得ることが困難になる。このような色度特
性を有する白色系無機蛍光顔料としては、根本特殊化学
(株)製のオーロレインボーYS−F、HR−A(以
上、赤色蛍光顔料)、オーロレインボーHG−F、AL
N−GPF(以上緑色蛍光顔料)、オーロレインボーS
PE−F(青色蛍光顔料)などがあげられる。
【0016】さらに本発明では、無機蛍光顔料として平
均粒径が5μm以下で、90%粒径が10μm以下であ
るものを使用するのが好ましい。一般的に無機蛍光顔料
の比重は大きく、インク中で沈降しやすいという問題が
あり、用いる無機蛍光顔料の粒径はできるだけ細かいこ
とが好ましい。この点から、無機蛍光顔料の平均粒径は
好ましくは5μm以下、さらに好ましくは3μm以下で
あり、90%粒径は好ましくは10μm以下、さらには
好ましくは5μm以下である。一方、細粒化しすぎると
蛍光強度が低下するという問題がある。この点から、無
機蛍光顔料の平均粒径は0.1μm以上が好ましく、9
0%粒径は0.5μm以上が好ましい。
【0017】さらに本発明では、感熱転写性インク層中
における無機蛍光顔料の坪量が0.3〜10g/m2
あるのが好ましい。個々人の隠し印像が当人のものと合
致するかどうかを識別する場合は肉眼で判定できた方が
好ましい。しかしながら、感熱転写性インク層中に含ま
れる無機蛍光顔料の坪量(顔料坪量)が0.3g/m 2
よりも少ないと蛍光強度が十分でなく、紫外線を照射し
たときに得られる蛍光印像は視認が困難となる。従っ
て、無機蛍光顔料の坪量は好ましくは0.3g/m2
上であり、さらに好ましくは1g/m2以上である。な
お、パターンなどの印像を読取装置で読み取る場合は、
一般的に肉眼よりもセンサーの方が十分感度が高いか
ら、前記下限量よりも少量であっても読み取りは可能で
ある。本発明の熱転写記録媒体はこのような読取装置用
の蛍光印像の形成にも利用することができる。一方、顔
料坪量を増すと蛍光印像はより鮮明に浮かび上がること
から、より多くの顔料を導入することが好ましい。しか
し、無機蛍光顔料は高価であるから肉眼による判定であ
っても、性能とコストを考慮すると、10g/m2が顔
料坪量の上限の目安となる。
【0018】さらに本発明では、感熱転写性インク層中
の無機蛍光顔料の含有量を20〜80重量%、樹脂を5
0重量%以上含有するビヒクルの含有量を80〜20重
量%とするのが好ましい。感熱転写性インク層におい
て、無機蛍光顔料の含有量が20重量%より少ないと蛍
光強度が十分でなく、かつインク層の不透明性が不十分
になる傾向がある。一方、80重量%を超えると熱転写
性が急激に低下する傾向にある。従って、感熱転写性イ
ンク層中の無機蛍光顔料の含有量は好ましくは20〜8
0重量%であり、さらに好ましくは30〜70重量%で
ある。残部(すなわち好ましくは80〜20重量%、さ
らに好ましくは70〜30重量%である)は樹脂を50
重量%以上含有するビヒクルとすることにより、耐擦過
性の良好な熱転写記録媒体とすることができる。但し、
熱転写性を改善するために、ビヒクル成分としてワック
ス状物質等を適量添加することは有効である。またイン
ク特性や熱転写性を改善する目的で分散剤、沈降防止剤
等を適量添加することは有効である。
【0019】前記感熱転写性インク層のビヒクル成分と
して使用される樹脂類としては、キシレン樹脂、エポキ
シ樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
ルリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸共重合体、
アクリル酸エステル樹脂、ポリアミド、ポリスチレン、
ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルブチラールな
どの熱可塑性樹脂の中から選ばれた1種または2種以上
の混合物が使用できる。前記ワックス状物質としては木
ロウ、ミツロウ、ラノリン、カルナバワックス、キャン
デリラワックス、モンタンワックスなどの天然ワック
ス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
スなどの石油系ワックス;酸化ワックス、エステルワッ
クス、ポリエチレンワックス、α−オレフィン−無水マ
レイン酸共重合ワックスなどの合成ワックスなどの中か
ら選ばれた1種または2種以上の混合物が使用できる。
これらワックス状物質単体または混合物は融点が50〜
120℃のものが好ましい。ビヒクル全体としての融点
または軟化点は、耐ブロッキング性や熱転写性の観点か
ら50〜120℃に調整することが好ましい。
【0020】前記感熱転写性インク層は、前記ビヒクル
成分の溶剤溶液に無機蛍光顔料を分散させたインク液を
基材上に塗布、乾燥することによって形成できる。イン
ク層の坪量(乾燥後坪量をいう、以下同様)は蛍光顔料
の前記坪量を満足する範囲内で0.6〜15g/m2
度が好ましい。
【0021】熱転写性を改善するには、前述の感熱転写
性インク層中にワックス状物質を添加をする方法以外
に、基材と感熱転写性インク層の間に離型インク層を設
ける方法がある。この方法は熱転写性の大幅な改善を図
ることができることからより好ましい方法である。該イ
ンクとしてはワックス系エマルションが好適に用いられ
る。
【0022】本発明の熱転写記録媒体における基材とし
ては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチ
レンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリアミドフィルムなどが使用できるが、特に限定
されるものではない。基材の背面(サーマルヘッドに摺
接する側の面)に、従来から知られているスティック防
止層を設けてもよい。基材の厚さは通常1〜10μm程
度であり、熱拡散を小さくして解像度を高める点からは
1〜6μmの範囲が好ましい。
【0023】本発明の熱転写記録媒体によると、紫外線
でそれぞれ赤色、緑色および青色に発光する3種類の白
色系無機蛍光顔料インクのみで人物像や頭部像を印像す
ることにより、可視光線下では単に白色の印像である
が、紫外線照射によりフルカラーの人物像や頭部像を浮
かび上がらせることができる。白色の受像体に形成した
印像は可視光線下では視認が困難なあるいは不可能な印
像である。また熱転写方法を印像の手段として用いるこ
とにより、個々人に対して個別のパターンや、人物像、
頭部像をデジタルデータで容易に形成することができ
る。前記無機蛍光顔料の印像をパスポート、免許証、社
員証、クレジットカードなどに形成することによって、
偽造防止に有効な一手段となる。また、本発明の熱転写
記録媒体はセキュリティ分野はもちろんのこと、アミュ
ーズメントなどの一般分野にも利用できることは勿論で
ある。
【0024】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0025】実施例1 厚さが4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ムの一方の面にスティック防止層を0.1g/m2の坪
量で形成し、他方の面に離型インク層を0.5g/m2
の坪量で形成し、さらにその上に3種の感熱転写性イン
ク層を並べて形成して熱転写記録媒体を作製した。
【0026】感熱転写性インク層中の白色系無機蛍光顔
料としては以下に示す根本特殊化学(株)製のオーロレ
インボーを用いた。
【0027】 YS−F 色度・・・蛍光赤色 x=0.61、y=0.31 粒径・・・平均:0.80μm、90%:1.92μm HG−F 色度・・・蛍光緑色 x=0.29、y=0.59 粒径・・・平均:0.74μm、90%:1.59μm SPE−F 色度・・・蛍光青色 x=0.15、y=0.05 粒径・・・平均:1.16m、90%:3.88μm x、yは市販のブラックライト(主放射波長:365n
m)用いて紫外線を照射したときの蛍光色をXYZ表色
系で表示したものである(以下、同様)。感熱転写性イ
ンクは溶剤を除いた乾燥インク組成で、前記白色系無機
蛍光顔料60重量%、エチレン−酢酸ビニル共重合体3
3重量%、ダイヤカルナ30K(三菱化学(株)製α−
オレフィン−無水マレイン酸共重合ワックス)7重量%
からなるものを使用し、蛍光強度を調整するため蛍光
赤、緑、青インクはそれぞれ3.00g/m2、3.9
0g/m2、4.90g/m2の坪量となるように溶剤塗
布した。従って、顔料坪量はそれぞれ1.80g/
2、2.34g/m2、2.94g/m2であった。
【0028】得られた熱転写記録媒体を用いて熱転写プ
リンタ(アルプス電気(株)製MD−1000)で上質
紙および白PET(ポリエチレンテレフタレートフィル
ムに白色の受像層を形成したもの)に頭部印像を形成
し、名刺サイズにカッティングしてカードを作製した。
図1に得られたカードの概略図を示す。図1において、
1はカード、2は頭部印象である。頭部印像2は可視光
線下では上質紙または白PETと同じ白色をしているた
め、どこに印像が描画されているのか区別するのが困難
であった。しかし、紫外線照射装置を用いて観察したと
ころ鮮明で、かつ色合いが良好な蛍光フルカラー印像が
浮かび上がった(図2参照)。さらにルーペを用いて観
察したところ、背景色などの各色インクの重なりがない
点状の部分は、それぞれの蛍光色(1次色)に、頭部印
像の各色インクの重なりがある部分ではそれぞれの2次
色または3次色に蛍光を発していた。
【0029】実施例2 白色系無機蛍光顔料として、蛍光赤色と蛍光青色は実施
例1と同じものを用い、蛍光緑色は根本特殊化学(株)
製のオーロレインボーALN−GPFを用いた。該無機
蛍光顔料の特性はつぎの通りであった。
【0030】 ALN−GPF 色度・・・蛍光緑色 x=0.15、y=0.68 粒径・・・平均:0.82μm、90%:1.65μm 感熱転写性インクは溶剤を除いた乾燥インク組成で、前
記白色系無機蛍光顔料40重量%、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体35重量%、ポリスチレン(ガラス転移点:
120(C)15重量%、ダイヤカルナ30K 10重
量%からなるものを使用し、蛍光強度を調整するため蛍
光赤、緑、青インクはそれぞれ3.33g/m2、0.
75g/m2、5.43g/m2の坪量となるように溶剤
塗布した。従って、顔料坪量はそれぞれ1.33g/m
2、0.30g/m2、2.17g/m2であった。
【0031】得られた熱転写記録媒体を用いて実施例1
と同様にして印像を形成した。得られた印像は可視光線
下では上質紙または白PETと同じ白色をしているた
め、どこに印像が描画されているのか区別するのが困難
であったが、紫外線を照射したところ実施例1と同様
に、鮮明でかつ色合いが良好な蛍光フルカラー印像が得
られた。
【0032】実施例3 白色系無機蛍光顔料として、蛍光緑色は実施例2と同じ
ものを用い、蛍光青色は実施例1と同じものを用い、蛍
光赤色は根本特殊化学(株)製のオーロレインボーHR
−Aを用いた。該無機蛍光顔料の特徴は以下の通りであ
った。
【0033】 HR−A 色度・・・蛍光赤色 x=0.67、y=0.29 粒径・・・平均:3.35μm、90%:6.92μm 感熱転写性インクは溶剤を除いた乾燥インク組成で、前
記白色系無機蛍光顔料58.8重量%、エチレン−酢酸
ビニル共重合体25.5重量%、ポリスチレン(ガラス
転移点:120℃)6.9重量%、ダイヤカルナ30K
6.8重量%、沈降防止剤(スメクタイトSTN、コ
ープケミカル(株)製)2.0重量%からなり、蛍光強
度を調整するため蛍光赤、緑、青インクはそれぞれ2.
87g/m2、1.38g/m2、10.00g/m2
塗布量とした。従って、顔料坪量はそれぞれ1.69g
/m2、0.81g/m2、5.88g/m2であった。
【0034】得られた熱転写記録媒体を用いて実施例1
と同様にして印像を形成した。得られた印像は可視光線
下では上質紙または白PETと同じ白色をしているた
め、どこに印像が描画されているのか区別するのが困難
であったが、紫外線を照射したところ実施例1と同様
に、鮮明でかつ色合いが良好な蛍光フルカラー印像が得
られた。
【0035】比較例1 白色系無機蛍光顔料として、蛍光赤色と蛍光緑色は実施
例1と同じものを用い、蛍光青色はグローバック社イン
ビジブルシリーズBlue R(蛍光青色 x=0.2
2、y=0.25)を用い、その他の条件は実施例1と
同様として熱転写記録媒体を作製した。蛍光赤色、緑色
のx、yの値は本発明の範囲内であるが、蛍光青色の
x、yの値は本発明の範囲外であった。
【0036】得られた熱転写記録媒体を用いて実施例1
と同様にして印像を形成した。得られた印像を観察した
ところ、2次色はシアンのはずが薄緑色に、マゼンタの
はずがピンクがかった色を呈していた。3次色は白色の
はずが黄色味がかった色を呈した。印像全体も黄色味が
かり、良好な蛍光フルカラー印像を得ることができなか
った。この問題は塗布量を調整しても解決することがで
きなかった。
【0037】比較例2 特開平7−125403号公報に開示されている下記表
1に示される3種の蛍光染料インクを実施例1で用いた
基材上にホットメルト塗布法で3g/m2の坪量で並べ
て塗布して熱転写記録媒体を作製した。
【0038】
【表1】
【0039】得られた熱転写記録媒体を用いて実施例1
と同様にして印像を形成した。得られた印像は、紫外線
照射下では比較的良好な蛍光カラー印像であった。しか
し、可視光線下では透明感のあるインク表面からの光沢
により何かが印像されていることが分かるものであっ
た。
【0040】また、比較例2の印像と実施例1および2
の印像の耐光性テスト(JIS D0205で規定する
屋外暴露テスト)を行ったところ、前者の染料系印像の
寿命は約1カ月相当で、後者の顔料系印像では12カ月
以上であった。このように、本発明の無機蛍光顔料系熱
転写記録媒体による印像は蛍光染料系熱転写記録媒体に
よる印像にくらべて耐光性が優れるものであった。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
紫外線で発光する無機蛍光顔料を用いて、人物や頭部の
蛍光フルカラー印像を個々人が所有するカードや証明書
に個別に設けることができ、カードや証明書の偽造が困
難になる。また無機蛍光顔料の外観が白色系のものを用
いることにより、可視光線下では白色の隠し印像とする
ことができる。また、蛍光顔料として無機タイプのもの
を使用するので、印像の耐光性が優れている。本発明の
熱転写記録媒体を用い、プリンタで印像することによ
り、セキュリティ性の高い、視認が困難または不可能な
個々人の蛍光フルカラー印像を容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写記録媒体を用いて蛍光印像を形
成したカードの一例を示す概略図であって、可視光線下
での状態を示す図である。
【図2】図1のカードの紫外線照射下での状態を示す図
である。
【符号の説明】
1 カード 2 頭部印像
フロントページの続き (72)発明者 黒川 健治 大阪府大阪市西淀川区御幣島五丁目4番14 号 フジコピアン株式会社技術センター内 (72)発明者 島崎 良一 大阪府大阪市西淀川区御幣島五丁目4番14 号 フジコピアン株式会社技術センター内 (72)発明者 若林 豊 千葉県千葉市美浜区中瀬1−8 株式会社 ルミノーバセイコー内 Fターム(参考) 2H111 AA01 AA07 AA09 AA10 AA26 BA03 BA07 BA33 BA53 BA61 BA63 BA74 BA78

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線を照射すると赤色、緑色または青
    色の蛍光を発する、可視光線下で白色系の無機蛍光顔料
    をそれぞれ含有する3種類の感熱転写性インク層が単一
    の基材上に、または別々の基材上に設けられてなること
    を特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記赤色、緑色または青色の蛍光を発す
    る白色系無機蛍光顔料が、紫外線を照射したときのそれ
    ぞれの蛍光色がXYZ表色系において、 赤色蛍光顔料は、xが0.55〜0.70、yが0.2
    5〜0.35、 緑色蛍光顔料は、xが0.05〜0.35、yが0.5
    0〜0.75、 青色蛍光顔料は、xが0.10〜0.20、yが0.0
    1〜0.23なる色度特性を有することを特徴とする請
    求項1記載の熱転写記録媒体。
  3. 【請求項3】 無機蛍光顔料の平均粒径が5μm以下
    で、90%粒径が10μm以下であることを特徴とする
    請求項1または2記載の熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 無機蛍光顔料の坪量が0.3〜10g/
    2であることを特徴とする請求項1、2または3のい
    ずれかに記載の熱転写記録媒体。
  5. 【請求項5】 感熱転写性インク層中の無機蛍光顔料の
    含有量が20〜80重量%、樹脂を50重量%以上含有
    するビヒクルの含有量が80〜20重量%であることを
    特徴とする請求項1、2、3または4のいずれかに記載
    の熱転写記録媒体。
  6. 【請求項6】 基材と感熱転写性インク層の間に離型イ
    ンク層を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4
    または5のいずれかに記載の熱転写記録媒体。
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