JP2005178204A - 熱転写シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材の一方の面に、蛍光顔料又は蛍光染料を含む熱転写性の蛍光インキ層を少なくとも有するもので、該蛍光インキ層中のバインダーが少なくとも2種の異なるガラス転移点を有する樹脂の混合物であり、蛍光インキ層中の蛍光顔料又は蛍光染料の含有量が、蛍光インキ層の全固形分に対して、60〜80質量%であるようにしたので、熱転写時の転写性が良好であり、耐ブロッキング性にも優れ、得られる印画物の耐擦過性に強いものが得られる。
【選択図】 図1
Description
に関する。
(基材)
本発明で用いる基材1としては、従来の熱転写シートに使用されていると同じ基材がそのまま用いることが出来ると共に、その他のものも使用することが出来、特に制限されない。好ましい基材の具体例としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラスチックフィルム、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、不織布等があり、又、これらを複合した基材であってもよい。特に好ましい基材はポリエチレンテレフタレートフィルムである。この基材の厚さは、その強度及び熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜変更することが出来るが、その厚さは、好ましくは、例えば、2〜25μmである。
本発明では、基材と蛍光インキ層との間に剥離層3を形成することができる。剥離層は、熱転写時に溶融、あるいは軟化して、蛍光インキ層の剥離性を良くし、転写後は転写画像の表面に少なくとも一部が蛍光インキ層と共に転写され、蛍光インキ層の保護層の機能も発揮する。剥離層に使用する材料は、熱可塑性樹脂類、ワックス類、またこれらを混合させたもの、また必要に応じて有機・無機フィラー等の添加剤が挙げられる。
剥離層の形成は、剥離層形成用塗工液を、従来公知のグラビアダイレクトコート、グラビアリバースコート、ナイフコート、エアコート、ロールコート、ダイコート等の方法により、乾燥状態で塗工量が0.1g/m2以上1.0g/m2以下で設けることが望ましい。剥離層の塗工量が0.1g/m2未満では、剥離層の機能が充分に発揮できず、また剥離層塗工量が1.0g/m2を越えると、感度低下を起こす場合があり好ましくない。
本発明における熱転写シートの蛍光インキ層2は、蛍光顔料又は蛍光染料を含有する熱転写性を有する層で、熱転写される受像シートに蛍光性を有した印画を形成する。その蛍光インキ層では、該層を構成するバインダーが少なくとも2種の異なるガラス転移点を有する樹脂の混合物であり、蛍光インキ層中の蛍光顔料又は蛍光染料の含有量が、蛍光インキ層の全固形分に対して、60〜80質量%の範囲としている。
上記スチレン−アクリル共重合体は、アクリル系モノマーとスチレンモノマーとの共重合体からなる樹脂であり、アクリル系モノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル、又はアクリロニトリル等である。またスチレンモノマーとしてはスチレン、o,m,p−クロルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
蛍光インキ層には、上記の界面活性剤の中でも、パーフルオロアルキル化合物を使用することにより、蛍光インキ層の基材上の塗工面の品質が特に良好となり、好ましい。このような界面活性剤は、蛍光インキ層の塗工液に対して、0.1〜2質量%の範囲で添加することが好ましい。更に好ましくは、0.7〜1.3質量%の範囲で添加することが好ましい。
本発明においては、基材として、高熱に対する耐久性が欠ける材料を用いる場合、サーマルヘッドに接する側の基材表面に、つまり基材の蛍光インキ層の設けている面と反対側の面に、サーマルヘッドの滑り性を良くし、かつスティッキングを防止するために、耐熱層を設けることが好ましい。耐熱層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤又は滑剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とする。このような耐熱層を設けることによって、熱に弱いプラスチックフィルムを基材とした熱転写シートにおいてもスティッキングが起こることなく熱印字が可能であって、プラスチックフィルムの持つ切れにくさ、加工のし易さ等のメリットが生かせる。
又はフッ素変性ウレタン樹脂などが、あげられる。
本発明では、昇華性染料又は顔料からなる1色以上の色材層が基材の一方の面に面順次に設けられている熱転写シートにおいて、上記色材層以外に、上記の蛍光インキ層を基材上に面順次に付加して設けることができる。その色材層は、昇華性染料とバインダーを主成分として構成される昇華性染料層の場合、イエロー、マゼンタ、シアン等の色相の染料を使用して、染料層の色相をイエロー、マゼンタ、シアンや、染料を組み合わせて、ブラックの色相や、その他の色相であっても良い。昇華性染料層で使用する昇華性染料、そのバインダーなどの材料および形成方法などは公知であり、該公知の方法に従って昇華性染料層を形成することができる。
また、本発明の熱転写シートは、基材の一方の面に、少なくとも上記の蛍光インキ層と面順次に、熱転写性の保護層5を形成することができる。この熱転写性保護層は、受像シートに印画された蛍光インキ層や、色材層の転写部の上に転写されて、それらの印画部の耐候性、耐薬品性、耐擦傷性などの各種耐久性を向上させることができる。保護層形成材料および形成方法としては、従来から保護層形成用樹脂として知られている各種の樹脂で形成することができる。
上記の樹脂を溶剤に溶解して塗工液を作製し、該塗工液を塗布および乾燥して転写性保護層が形成される。保護層の厚さは、乾燥状態で、0.5〜10g/m2程度である。
厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタラートフィルムを基材とし、その一方の面に、下記組成で耐熱層を0.1g/m2(乾燥状態)、またその基材の反対面に、下記組成で剥離層を0.3g/m2(乾燥状態)、それぞれグラビアコート法によって塗布した。また、上記剥離層の上に、下記組成により蛍光インキ層をグラビアコート法にて3g/m2(乾燥状態)塗布して、実施例1の熱転写シートを作製した。
ウレタン変性シリコーン樹脂 10部
メチルエチルケトン 45部
トルエン 45部
アクリル樹脂 20部
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂 10部
メチルエチルケトン 35部
トルエン 35部
蛍光ピンク顔料エマルション(シンロイヒ社製、シンロイヒカラーベースSF−8017ピンク、純分53%) 60部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション1(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:90℃) 30部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション2(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:−15℃) 10部
パーフルオロアルキル化合物(セイミケミカル社製、純分30%) 1部
0.1%水溶液(25℃) 表面張力:18.6N・m-1
75%イソプロパノール水溶液 50部
(蛍光インキ層塗工液2)
蛍光ピンク顔料エマルション(シンロイヒ社製、シンロイヒカラーベースSF−8017ピンク、純分53%) 80部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション1(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:90℃) 15部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション2(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:−15℃) 5部
パーフルオロアルキル化合物(セイミケミカル社製、純分30%) 1部
0.1%水溶液(25℃) 表面張力:18.6N・m-1
75%イソプロパノール水溶液 50部
(蛍光インキ層塗工液3)
蛍光イエロー顔料エマルション(富士色素社製、純分44%) 70部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション1(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:90℃) 15部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション2(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:−15℃) 15部
パーフルオロアルキル化合物(セイミケミカル社製、純分30%) 1部
0.1%水溶液(25℃) 表面張力:18.6N・m-1
75%イソプロパノール水溶液 50部
イエロー染料(Macrolex Yellow 6G、バイエル社製、C.I.Disperse Yellow 201) 5.5部
ポリビニルアセトアセタール(エスレックKS−5、積水化学工業社製) 4.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 89.0部
マゼンタ染料(C.I.Disperse Red 60) 5.5部
ポリビニルアセトアセタール(エスレックKS−5、積水化学工業社製) 4.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 89.0部
シアン染料(C.I.Solvent Blue 63) 5.5部
ポリビニルアセトアセタール(エスレックKS−5、積水化学工業社製) 4.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 89.0部
アクリル樹脂(BR−85、三井化学社製) 100部
ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡社製) 1部
メチルエチルケトン 200部
トルエン 200部
上記の実施例1で使用した蛍光インキ層塗工液1を下記組成の塗工液4に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例1の熱転写シートを作製した。
(蛍光インキ層塗工液4)
蛍光ピンク顔料エマルション(シンロイヒ社製、シンロイヒカラーベースSF−8017ピンク、純分53%) 50部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション1(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:90℃) 35部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション2(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:−15℃) 15部
パーフルオロアルキル化合物(セイミケミカル社製、純分30%) 1部
0.1%水溶液(25℃) 表面張力:18.6N・m-1
75%イソプロパノール水溶液 50部
上記の実施例1で使用した蛍光インキ層塗工液1を下記組成の塗工液5に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例2の熱転写シートを作製した。
(蛍光インキ層塗工液5)
蛍光ピンク顔料エマルション(シンロイヒ社製、シンロイヒカラーベースSF−8017ピンク、純分53%) 90部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション1(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:90℃) 7.5部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション2(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:−15℃) 2.5部
パーフルオロアルキル化合物(セイミケミカル社製、純分30%) 1部
0.1%水溶液(25℃) 表面張力:18.6N・m-1
75%イソプロパノール水溶液 50部
上記の実施例1で使用した蛍光インキ層塗工液1を下記組成の塗工液6に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例3の熱転写シートを作製した。
(蛍光インキ層塗工液6)
蛍光ピンク顔料エマルション(シンロイヒ社製、シンロイヒカラーベースSF−8017ピンク、純分53%) 75部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション1(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:90℃) 25部
パーフルオロアルキル化合物(セイミケミカル社製、純分30%) 1部
0.1%水溶液(25℃) 表面張力:18.6N・m-1
75%イソプロパノール水溶液 50部
上記の実施例1で使用した蛍光インキ層塗工液1を下記組成の塗工液7に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例4の熱転写シートを作製した。
(蛍光インキ層塗工液7)
蛍光ピンク顔料エマルション(シンロイヒ社製、シンロイヒカラーベースSF−8017ピンク、純分53%) 60部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション1(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:90℃) 30部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション2(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:−15℃) 10部
75%イソプロパノール水溶液 50部
上記の実施例1で使用した蛍光インキ層塗工液1を下記組成の塗工液8に変更した以外は、実施例1と同様にて、比較例5の熱転写シートを作製した。
(蛍光インキ層塗工液8)
蛍光ピンク顔料エマルション(シンロイヒ社製、シンロイヒカラーベースSF−8017ピンク、純分53%) 60部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション1(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:90℃) 30部
スチレン−アクリル共重合体水性エマルション2(日本エヌエスシー社製、純分49%、Tg:−15℃) 10部
アセチレンジオール系化合物(日信化学社製、純分30%) 1部
0.1%水溶液(25℃) 表面張力:25.8・m-1
75%イソプロパノール水溶液 50部
(塗工面質)
○:はじき無し、△:はじき一部有り、×:はじき前面有り
(箔もち)
○:蛍光インキ層の剥落がほとんど無い、△:蛍光インキ層の剥落がやや目立つ、×:蛍光インキ層の剥落が目立つ
○:ボイドの発生がほとんど無い、△:ボイドの発生がやや目立つ、×:ボイドの発生が目立つ
(シャープネス)
○:つぶれの発生がほとんど無い、△:つぶれの発生がやや目立つ、×:つぶれの発生が目立つ
(細部かすれ)
○:細線の抜けがほとんど無い、△:細線の抜けがやや目立つ、×:細線の抜けが目立つ
2 蛍光インキ層
3 剥離層
4 耐熱層
5 保護層
Claims (6)
- 基材の一方の面に、蛍光顔料又は蛍光染料を含む熱転写性の蛍光インキ層を少なくとも有する熱転写シートにおいて、該蛍光インキ層中のバインダーが少なくとも2種の異なるガラス転移点を有する樹脂の混合物であり、蛍光インキ層中の蛍光顔料又は蛍光染料の含有量が、蛍光インキ層の全固形分に対して、60〜80質量%であることを特徴とする熱転写シート。
- 前記の蛍光インキ層のバインダーが、少なくとも2種の異なるガラス転移点を有するスチレン−アクリル共重合体の水性エマルジョン樹脂の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記の蛍光インキ層中に25℃における0.1%水溶液の表面張力が10N・m-1以上、25mN・m-1以下の界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
- 蛍光インキ層中に含まれる界面活性剤がパーフルオロアルキル化合物からなる界面活性剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱転写シート。
- 昇華性染料又は顔料からなる1色以上の色材層が基材の一方の面に面順次に設けられている熱転写シートにおいて、上記色材層以外に、請求項1〜4のいずれか一つに記載の蛍光インキ層を基材上に面順次に付加して、有することを特徴とする熱転写シート。
- 前記基材の一方の面に、転写性保護層が面順次に付加して、設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の熱転写シート。
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