JP2000158503A - 射出成形同時絵付用熱盤 - Google Patents

射出成形同時絵付用熱盤

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JP2000158503A
JP2000158503A JP10339561A JP33956198A JP2000158503A JP 2000158503 A JP2000158503 A JP 2000158503A JP 10339561 A JP10339561 A JP 10339561A JP 33956198 A JP33956198 A JP 33956198A JP 2000158503 A JP2000158503 A JP 2000158503A
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temperature
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Gen Takeuchi
玄 竹内
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絵付シートの要高温加熱部及び要低温加熱部
の表面温度(それぞれに対する実効加熱温度)を所望値
に調節することができ、もって、絵付シートに破れやシ
ワ等の不具合を生じ難くできるようにされた射出成形同
時絵付用熱盤を提供する。 【解決手段】 絵付シートSを加熱軟化するための複数
に分割された面発熱体71、72、73、74を有し、
それら各面発熱体毎に加熱温度を制御できるようにさ
れ、かつ、前記複数の面発熱体71、72、73、74
のうちの少なくとも一つが前記絵付シートSに対する姿
勢を任意に変えることができるようにされてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形と同時に
型内で図柄や文字等が施された絵付シートを射出樹脂成
形体の表面に一体的に接着積層して加飾積層品(製品)
を得るための射出成形同時絵付けに用いられる熱盤に関
する。
【0002】
【従来の技術】射出成形と同時に射出樹脂成形体の表面
に絵付シートを一体的に接着する射出成形同時絵付方法
としては、従来より幾つもの態様が提案されているが、
それらの大半は、次の(a)〜(i)の工程の全部又は
幾つかを記述順に又はその順番を入れ換えて、順次、又
は複数の工程を同時に重複してもしくは並列的に行うよ
うにされている(特公昭50−19132号、実公平3
−56344号、特公平7−41637号公報等を参
照)。
【0003】(a)絵付シートを射出成形に用いられる
雌型のパーティング面上に供給するシート供給工程。 (b)絵付シートを雌型のパーティング面に固定保持す
るクランプ工程。 (c)絵付シートを熱盤等により加熱軟化させる加熱軟
化工程。 (d)絵付シートを真空吸引及び/又は圧空供給等によ
り雌型のキャビティに沿わせるように延伸させる延伸工
程(予備成形工程)。
【0004】(e)雌型と雄型の一方(通常は雌型)を
他方(通常は雄型)側へ移動させて型締めを行う型締め
工程。 (f)雌型と雄型との間に形成されるキャビティ内に雄
型側から流動状態の樹脂(熔融樹脂)を注入充填して射
出成形を行う射出成形工程。 (g)雌型と雄型とを離間させる型開き工程。 (h)絵付シートのうちの射出樹脂成形体に接着付随さ
せるべき部分を他の部分(余剰部分)から切り離すシー
トトリミング工程。 (i)絵付シートが接着積層された積層品を雄雌両成形
型から取り出す取出工程。
【0005】なお、複数の工程を同時に重複して行うと
は、複数の工程が一工程に含まれることをいい、例え
ば、前記(e)の型締め工程において絵付シートを雌型
と雄型との間に挟んで固定保持するようになせば、該型
締め工程と同時に重複して前記(b)のクランプ工程が
行われたことになり、また、前記(f)の射出成形工程
において絵付シートを射出された熔融樹脂の熱と圧力に
より延伸させるようになせば、該射出成形工程と同時に
重複して前記(d)の延伸工程が行われたことになる場
合をいう。
【0006】また、絵付シートとしては、製品種別に応
じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シ
ートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場
合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたこ
とになり、射出樹脂成形体の表面にシート全層が接着一
体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写
シートである場合には、射出樹脂成形体の表面に一体化
した絵付シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層
等の転写層のみを射出樹脂成形体側に残留させて化粧層
となすことにより絵付けが完了する。
【0007】ところで、前記した如くの射出成形同時絵
付方法においては、射出成形工程前に、予備成形工程と
して、絵付シートを、雌型パーティング面上にクランパ
ーによって押圧固定し、この絵付シートを加熱軟化させ
た状態で延伸させて雌型キャビティに沿うように密着さ
せる工程を行うことが好ましく、このため、通常の射出
成形同時絵付装置には、絵付シートを雌型パーティング
面に固定しておくためのクランパーと、この絵付シート
を加熱軟化させるための熱盤と、が備えられる。
【0008】これを以下に、図11〜図13を参照しな
がら簡単に説明する。図は、従来より使用されている射
出成形同時絵付装置10’を示しており、この装置1
0’により得るべき積層製品P’は、例えば、縦断面外
形がコ字状で横断面外形が台形状の比較的深絞り形状の
トレー形パネルであり、射出樹脂成形体Pa’(図1
3)の表面に、例えば木目模様の装飾層を有する絵付シ
ートS(この例では、ラミネートシート)を接着積層し
たものである。
【0009】前記装置10’は、前記積層製品P’に対
応した凹凸形状の雌型12と雄型25とを備え、前記雌
型12には、得るべき積層製品P’に対応したキャビテ
ィ13が設けられるとともに、真空吸引手段としての真
空吸引孔17、真空吸引溝16、スリット状の真空吸引
隙間15、真空吸引通路18、外部に真空源に接続され
た導管19等が設けられ、そのパーティング面14上に
は、図11のZ方向から見た平面視外形が矩形枠状ない
し井桁状のクランパー80が前記パーティング面14に
対して接離する方向(Z方向)に進退可能に配置され、
また、前記パーティング面14の外周側にはOリング2
2が装着された装着溝23が形成されており、該Oリン
グ22は前記クランパー80と対向している。そして、
絵付シートSは、搬送チャック31、受取チャック32
等のシート供給手段により雌型12のパーティング面1
4に供給されて、前記クランパー80によりパーティン
グ面14に押圧固定され、このパーティング面14に押
圧固定された絵付シートSを加熱軟化すべく、熱盤60
が備えられている。
【0010】この熱盤60は、保持基体61と、その前
面側(雌型12側)に配設された、絵付シートSを加熱
軟化するための単一の面発熱体70からなっており、該
熱盤60は、熱盤移送手段とされる例えば流体圧シリン
ダ(図外)のピストンロッド81の先端に取り付けられ
ており、前記熱盤移送手段により、前記面発熱体70
(の前面の熱輻射面)を前記雌型12側に向けた姿勢
で、雄雌両成形型外(ここでは、雌型12の上方)の待
機位置から図のX方向に沿って真っ直ぐに下降せしめら
れるとともに、雌型12のパーティング面14に接近す
る方向(Z方向)にも移動せしめられて、雄雌両成形型
間(雌型12のパーティング面14上)の対向加熱位置
(図11の位置)に停止せしめられ、この対向加熱位置
にて、前記絵付シートSを非接触状態で輻射熱によって
加熱軟化するようになっている。
【0011】一方、前記雄型25は、図示はされていな
いが、射出成形機のノズルが装着される固定盤に固定さ
れており、この雄型25には、前記積層製品形状に対応
した凸部(コア部)26が設けられるとともに、その内
部には、熔融樹脂射出用のランナー27及びそれに連な
るゲート28が設けられている。また、前記雄型25に
は、図12に示される如くの型締め、射出成形工程時に
おいて前記クランパー80が収容される収容凹部29が
穿設されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】かかる構成の従来装置
10’においては、図12に示される如くに、加熱軟化
工程において、絵付シートSを前記熱盤60により図示
の対向加熱位置にて加熱して軟化させるのであるが、こ
の際、次のような問題が生じることが明らかになった。
すなわち、前記のような熱盤60により絵付シートSを
加熱した場合、絵付シートSのうちの射出樹脂成形体P
a’(図13参照)に接着される部分(前記面発熱体7
0の略投影部分に相当する)は、全体が略均一に加熱さ
れる。しかしながら、次の延伸工程では、絵付シートS
は、図12の仮想線で示される如くに、得るべき積層製
品P’が深絞り形状であるため、射出樹脂成形体Pa’
の平らな表面側(キャビティ13の底面側)に接着され
るべき中央部分Siより射出樹脂成形体Pa’の側面側
(キャビティ13の側周部)に接着されるべき外周部分
の、特に上下に位置する垂直立上り部Sv、Svがより
大きく延伸せしめられ、該垂直立上り部Sv、Svには
前記中央部分Siより高い延伸性を付与すること、つま
り、より高い温度で加熱することが要求される。
【0013】このため、前記面発熱体70の加熱温度
(熱輻射量)を、さほど延伸性が必要とされない前記中
央部分Siに適合する低温(例えば280°C)に設定
すると、高い延伸性を必要とする前記垂直立上り部S
v、Svは加熱不足によって充分に延伸されず、破れや
白化(射出樹脂圧により絵付シートが延伸されて微細ク
ラックが発生する現象)等の不具合が生じる。それに対
し、前記面発熱体70の加熱温度(熱輻射量)を、前記
垂直立上り部Sv、Svに適合する高温(例えば320
°C)に設定すると、前記中央部分Siでは過加熱によ
ってシワ等の不具合が生じる。
【0014】このような不具合は得るべき積層製品の凹
凸の高低差が大きい程生じやすい。そこで、上記のよう
な問題を解消すべく、特開平6−315950号公報で
は、図8、図9に示される如くの熱盤60が提案されて
いる。図示の熱盤60は、保持基体61と、その前面側
(雌型12側)に配設された、絵付シートSを加熱軟化
するための複数(ここでは4枚)に分割された面発熱体
71、72、73、74を有し、前記4枚の面発熱体7
1〜74は、それぞれ同一平面上(雌型12のパーティ
ング面と平行な面上)に並設された同一寸法形状の板状
体であり、それら各面発熱体71、72、73、74毎
に個別に加熱温度(熱輻射量)を制御できるようにされ
ている。
【0015】ここでは、前記垂直立上り部Sv、Svと
なる部分(要高温加熱部)を加熱する一番上に位置する
面発熱体71と一番下に位置する面発熱体74とは、そ
の加熱温度T1、T4が高温の例えば320°Cとさ
れ、他の部分(要低温加熱部)を加熱する中央の面発熱
体72と73とは、その加熱温度T2、T3が低温の例
えば280°Cとされる。このように各面発熱体71〜
74の加熱温度が制御されることにより、絵付シートS
の各部の表面温度は、前記面発熱体71〜74の加熱温
度に応じたものとなり、前記した如くの破れやシワ等の
不具合が生じ難くなるはずである。
【0016】しかしながら、実際の絵付シートSにおけ
るX方向に沿った温度分布T(x)及びY方向(前記X
方向及びZ方向に直行する方向)に沿った温度分布T
(y)を測定すると、図9、図10の概念図に示される
如くの曲線となる。すなわち、温度分布T(x)からわ
かるように、加熱温度が高い面発熱体71、74とそれ
に隣接する加熱温度が低い面発熱体72、73との間で
熱干渉が生じ、特にそれらの境目周辺部における絵付シ
ートSに対する温度制御が不安定となり、絵付シートS
の各部(特に垂直立上り部Sv、Svと中央部Siとの
境界部分)が所望温度に加熱されないという問題が生じ
ていた。
【0017】本発明は、上述した如くの従来の問題を解
消すべくなされたもので、その目的とするところは、比
較的低コストで作製することができて、絵付シートの要
高温加熱部及び要低温加熱部の表面温度(それぞれに対
する実効加熱温度)を所望値に調節することができ、も
って、絵付シートに破れやシワ等の不具合を生じ難くで
きるようにされた射出成形同時絵付用熱盤を提供するこ
とにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る射出成形同時絵付用熱盤は、基本的に
は、絵付シートを加熱軟化するための複数に分割された
面発熱体を有し、それら各面発熱体毎に加熱温度を制御
できるようにされ、かつ、前記複数の面発熱体のうちの
少なくとも一つが前記絵付シートに対して傾斜せしめら
れてなる。別の好ましい態様では、絵付シートを加熱軟
化するための複数に分割された面発熱体を有し、それら
各面発熱体毎に加熱温度を制御できるようにされ、か
つ、前記複数の面発熱体のうちの少なくとも一つが前記
絵付シートに対する姿勢を任意に変えることができるよ
うにされてなる。
【0019】この場合、前記複数の面発熱体のうちの少
なくとも一つは、保持基体に連結手段を介して少なくと
も一方向に回動可能で、かつ、任意の回動位置にて固定
保持できるように連結される。さらに好ましくは、前記
連結手段は、連結軸及び球面軸受を含んで構成される。
ここで、本発明に係る熱盤は、より詳細には、絵付シー
トには非接触で輻射加熱する面発熱体を備え、エアーシ
リンダ等の流体圧シリンダ、ラック・ピニオンあるいは
ねじ送り等による直線移送機構、案内レール上を走行す
る台車機構等の熱盤移送手段により、雌雄両型外の待機
位置から絵付シート加熱位置まで可逆的に移送される。
【0020】熱盤の絵付シート加熱時の位置は、通常
は、雌型のパーティング面上であるが、絵付シートを雌
型のパーティング面上に供給する以前に絵付シートの加
熱軟化及び延伸工程を行う場合もあり、この場合の絵付
シート加熱時の位置は、前記雌型(のキャビティ及びパ
ーティング面)と同形状の専用の成形型上となる。前記
熱盤に備えられる面発熱体としては、セラミック板又は
金属板を、それに内設したニクロム線等の電熱線で加熱
するもの、電磁場による誘導加熱又は誘電加熱するも
の、埋設した管内に高温の蒸気等の熱媒を流して加熱す
るもの、埋設したヒートポンプにより加熱するもの、等
が挙げられ、この面発熱体の表面からの熱線の輻射によ
り絵付シートを加熱軟化させる。あるいは、面発熱体
を、面状の抵抗体で構成し、それに通電して加熱し、熱
線を輻射させるようにしてもよい。
【0021】また、面発熱体として、その熱輻射面全体
の加熱温度(熱線の輻射量)分布が均一のものを使用す
る。また、熱盤及び面発熱体の形状は、平板状のものの
他、雌型、又は、絵付シートの加熱軟化及び延伸工程を
行うための、前記雌型(のキャビティ)と同形状の専用
の成形型のパーティング面やキャビティ形状等に対応す
る形状、例えば、パーティング面が側面視「く」字状形
状の場合には、熱盤形状は例えば側面視が「く」字状等
の立体型のものでもよい。
【0022】また、本発明に係る熱盤が適用される射出
成形同時絵付装置は、上記した如くの面発熱体を備えた
熱盤と、雄雌両成形型とを備え、好ましくは、前記雌型
のパーティング面上に絵付シートを供給するとともに、
供給された絵付シートをクランプ手段によって前記パー
ティング面上に押圧固定し、この絵付シートを前記熱盤
により加熱軟化させるとともに、真空吸引手段等により
前記雌型キャビティに沿って密着させるべく延伸させ、
その後、前記雄雌両成形型の型締めを行って、射出成形
機からの流動状態の樹脂を前記雄型から前記雌型と雄型
との間に形成される成形キャビティへ射出充填し、この
樹脂が固化した後、前記雄雌両成形型の型開きを行い、
前記雄雌両成形型から絵付シートが接着積層された積層
製品を取り出すようにされてなる。
【0023】上述した如くの熱盤を備えた射出成形同時
絵付装置により、絵付シートの加熱軟化工程を行うにあ
たっては、予め、絵付シートのうちの例えば垂直立上り
部等の要高温加熱部を加熱すべき少なくとも一つの面発
熱体を絵付シートに対して所定の姿勢を維持するように
回動傾斜させておく。この場合、高温加熱用の(加熱温
度が高い)面発熱体と低温加熱用の(加熱温度が低い)
面発熱体とが隣接している場合は、高温加熱用の面発熱
体における低温加熱用の面発熱体側を絵付シートに接近
させるように回動傾斜させて該傾斜角度で固定保持して
おく。
【0024】そして、前記熱盤を雄雌両成形型外の待機
位置から、絵付シートがクランプ手段により押圧固定さ
れている雌型のパーティング面上の、絵付シート加熱位
置(対向加熱位置)に移動させる。熱盤が前記対向加熱
位置に移動せしめられると、高温加熱用の面発熱体は、
絵付シートのうちの垂直立上り部等の要高温加熱部に対
面せしめられ、低温加熱用の面発熱体は中央部等の要低
温加熱部に対面せしめられる。
【0025】この場合、絵付シートの要高温加熱部に対
面せしめられた面発熱体は、前記のように、傾斜せしめ
られてその低温加熱用面発熱体側が絵付シートに接近せ
しめられている関係上、絵付シートにおける高温加熱用
面発熱体が接近している要高温加熱部分の表面温度(実
効加熱温度)が該面発熱体が傾斜せしめられていない場
合に比してより高くされるとともに、加熱温度が高い面
発熱体とそれに隣接する加熱温度が低い面発熱体との間
で熱干渉が生じ難くなり、それらの境目周辺部における
絵付シートに対する温度制御が安定し、絵付シートSの
各部が所望温度に加熱され、その結果、絵付シートに破
れやシワ等の不具合が生じ難くなる。
【0026】上記に加え、絵付シートに対する面発熱体
の姿勢を任意に変えることができるようにしたことによ
り、一つの熱盤を幾種類かの形状の異なる積層製品を製
造する場合に共用でき、対応範囲が拡げられるととも
に、より精密な温度制御が可能となる。本発明の熱盤が
適用される射出成形同時絵付装置において、雄雌両成形
型は、鉄等の金属あるいはセラミックス等で作製され、
それらに必要に応じて、真空吸引や圧空供給用に小孔
(真空吸引孔等)を設ける。
【0027】また、雌型を複数の分割部分の集合体で構
成(いわゆる入れ子構造に)し、隣合う分割部分間にス
リット状の隙間を形成してこの隙間を真空吸引孔として
用いて真空吸引を行うようにしてもよい。前記雄型に
は、流動状態の樹脂を射出するためのランナーと所要本
のゲートを設ける。ゲートの本数、位置、形状等は、得
るべき製品の形状等を勘案して自由に設定することがで
きる。
【0028】また、絵付シートを雌型パーティング面に
固定保持すべくクランプ手段を付設する。クランプ手段
としては、平面視形状が枠状ないし井桁状の押さえ板等
を用いることができ、その駆動は、型締め動作等の成形
用駆動力を用いたり、イジェクターピン駆動機構の動力
を利用したりすることができる他、別途に流体圧アクチ
ュエーター等の駆動手段を設けることによりなされる。
【0029】絵付シートの供給方法としては、巻き出し
巻き取り方式(ロール/ロール方式)、あるいは、ロー
ル状に巻き取られた長尺の連続帯状シートの先端を搬送
チャック等で把持して雌型のパーティング面上に供給
し、雌型下流部の受取チャックで該シート先端部を把持
し、該シートを雌型パーティング面にクランパーで固定
した後、該クランパーの上流側にて該シートを1ショッ
ト分に切断して枚葉シートとなす方式、予め作成した枚
葉シートをロボット等で供給する方式等、いずれの供給
方式も採用できる。
【0030】絵付シートは、基材シートとその上に積層
された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体
化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シ
ート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと
成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成
形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する
転写シートのいずれも使用することができる。
【0031】前記貼合わせ積層シートの場合、基材シー
トとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリス
チレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。基材
シートの厚さは、通常20〜500μm程度である。装
飾層としては、印刷絵柄、着色又は透明塗装、金属薄
膜、あるいは、硬質塗膜、防曇塗料、導電性層等の機能
性層等を用いることができる。
【0032】前記転写シートの場合は、一旦剥離性の支
持体シート上に形成した絵柄層等よりなる転写層を、別
の被転写体に転移させるためのもので、支持体シート上
には必要に応じて離型層を設けても良く、転写層として
は、剥離層、装飾層、接着剤層、等からなり、装飾層以
外の層は必要に応じて選択する。装飾層としては、絵柄
層、金属薄膜層(部分又は全面)あるいは硬質塗膜、防
曇塗膜、導電性層等の機能性層から選ばれる。
【0033】支持体シートは、ナイロン6、ナイロン6
6等のポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル等、可撓性を
有する熱可塑性樹脂フィルムあるいはそれらの積層体が
好ましい。射出成形用の樹脂としては、ABS(アクリ
ロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を加熱熔融して液状ない
し流動状態となったもの、あるいは、二液硬化型、触媒
硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂等の未硬化液等の射出成形同時絵付用として従来より
知られている材料を使用でき、製品の要求物性やコスト
等に応じて選定される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1、図2は、本発明に係
る第1実施形態の熱盤60Aを示している。本実施形態
の熱盤60Aは、保持基体61と、その前面側(雌型1
2側)に配置された、絵付シートSを加熱軟化するため
の複数(ここでは4枚)に分割された面発熱体71、7
2、73、74を有している。面発熱体71〜74とし
ては、セラミック板又は金属板を、それに内設したニク
ロム線等の電熱線で加熱するもの、電磁場による誘導加
熱又は誘電加熱するもの、埋設した管内に高温の蒸気等
の熱媒を流して加熱するもの、埋設したヒートポンプに
より加熱するもの、等を使用でき、この面発熱体の表面
からの熱線の輻射により絵付シートを加熱軟化させる。
あるいは、面発熱体を、面状の抵抗体で構成し、それに
通電して加熱し、熱線を輻射させるようにしてもよい。
また、面発熱体71〜74として、その熱輻射面全体の
加熱温度(熱線の輻射量)分布が均一のものが使用され
ている。 前記4枚の面発熱体71〜74のX方向中央
部にはそれぞれY方向に伸びる回動支軸63が内設され
ており、該面発熱体71〜74は、それぞれ保持基体6
1に、前記回動支軸63及びそれに一端側が回動可能に
結合された連結部材64を介して回動可能に、かつ、任
意の回動位置にて固定保持できるように連結されてい
る。
【0035】ここでは、前記面発熱体71〜74のうち
の一番上に位置する、絵付シートSにおける前記垂直立
上り部Sv等の要高温加熱部を加熱するための、面発熱
体71と一番下に位置する面発熱体74とは、その加熱
温度T1、T4が高温の例えば320°Cとされ、他の部
分(要低温加熱部)を加熱する中央の面発熱体72と7
3とは、その加熱温度T2、T3が低温の例えば280°
Cとされる。
【0036】そして、前記面発熱体71〜74のうちの
一番上に位置する高温加熱用の面発熱体71は、予め、
図1に示される如くに、前記回動支軸63回り(Y軸回
り)に、その下端側(低温加熱用の面発熱体72側)を
絵付シートSに接近させるように所定角度θだけ回動傾
斜せしめられている。この場合、面発熱体71は、前記
回動支軸63と連結部材64との間の摩擦力等により、
前記所定角度θだけ傾斜した状態で固定保持されてい
る。 上述した如くの熱盤60Aを備えた射出成形同時
絵付装置により、絵付シートSの加熱軟化工程を行うに
あたっては、予め、絵付シートSのうちの例えば垂直立
上り部等の要高温加熱部を加熱すべき、一番上に位置す
る高温加熱用の(加熱温度が高い)面発熱体71を絵付
シートSに対して、前記した如くに、前記回動支軸63
回りに、その下端側(低温加熱用の面発熱体72側)を
絵付シートSに接近させるように所定角度θだけ回動傾
斜せしめて該姿勢で固定保持しておく。
【0037】そして、前記熱盤60Aを雄雌両成形型外
の待機位置から、絵付シートSがクランプ手段(クラン
パー)により押圧固定されている雌型のパーティング面
上の、絵付シート加熱位置(対向加熱位置)に移動させ
る。熱盤60Aが前記対向加熱位置に移動せしめられる
と、高温加熱用の面発熱体71は、絵付シートSのうち
の垂直立上り部等の要高温加熱部に対面せしめられ、低
温加熱用の面発熱体72、73は中央部等の要低温加熱
部に対面せしめられる。
【0038】この場合、絵付シートSの要高温加熱部に
対面せしめられた面発熱体71は、傾斜せしめられてそ
の低温加熱用面発熱体72側が絵付シートSに接近せし
められている関係上、絵付シートSにおけるX方向に沿
った温度分布T(x)及びY方向(前記X方向及びZ方
向に直行する方向)に沿った温度分布T(y)は、図
2、図3の概念図に示される如くの曲線となり、絵付シ
ートSにおける高温加熱用面発熱体71が接近している
要高温加熱部分の表面温度(実効加熱温度)が該面発熱
体が傾斜せしめられていない場合(図2において細い二
点鎖線で示す)に比してより高くされるとともに、加熱
温度が高い面発熱体71とそれに隣接する加熱温度が低
い面発熱体72との間で熱干渉が生じ難くなり、それら
の境目周辺部における絵付シートSに対する温度制御が
安定し、絵付シートSの各部が所望温度に加熱され、そ
の結果、絵付シートに破れやシワ等の不具合が生じ難く
なる。
【0039】上記に加え、絵付シートSに対する面発熱
体71〜74の姿勢を任意に変えることができるように
していることにより、一つの熱盤60Aを幾種類かの形
状の異なる積層製品を製造する場合に共用でき、対応範
囲が拡げられるとともに、より精密な温度制御が可能と
なる。図4は本発明に係る熱盤の第2実施形態を示して
いる。本実施形態の熱盤60Bも、保持基体61と、そ
の前面側(雌型12側)に配置された、絵付シートSを
加熱軟化するための複数(ここでは4枚)に分割された
面発熱体71、72、73、74を有している。
【0040】前記4枚の面発熱体71〜74の裏面側中
央部には、図5に示される如くに、球面軸受66が配設
され、この球面軸受66に、前記保持基体61に基端部
が固着された連結部材67の先端部に設けられた球体部
67Aが嵌合軸支されており、面発熱体71〜74は、
それぞれ保持基体61に、前記球面軸受66及び連結部
材67を介して任意方向(X方向及びY方向)に回動可
能に、かつ、任意の回動位置にて固定保持できるように
連結されている。
【0041】ここでは、前記面発熱体71〜74のうち
の一番上に位置する、絵付シートSにおける前記垂直立
上り部Sv等の要高温加熱部を加熱するための、面発熱
体71と、絵付シートSにおける、得るべき積層製品に
おける例えば傾斜凹凸部分に接着される部分等の要高温
加熱部を加熱するための、一番下に位置する面発熱体7
4とは、その加熱温度T1、T4が高温の例えば320°
Cとされ、他の部分(要低温加熱部)を加熱する中央の
面発熱体72と73とは、その加熱温度T2、T3が低温
の例えば280°Cとされる。
【0042】そして、前記面発熱体71〜74のうちの
一番上に位置する高温加熱用の面発熱体71は、予め、
前記した第1実施形態のものと同様に、その下端側(低
温加熱用の面発熱体72側)を絵付シートSに接近させ
るようにY軸回りに所定角度θだけ回動傾斜せしめられ
て固定保持されており、また、一番下に位置する高温加
熱用の面発熱体74は、例えば前記傾斜凹凸部分の傾斜
方向に対応させてX軸回りに所定角度φだけ回動傾斜せ
しめられて固定保持されている。
【0043】かかる構成の熱盤60Bにおいては、絵付
シートSにおける、Y方向中央部を通るX軸方向に沿っ
た温度分布T(x)、及び、各面発熱体71、72、7
3、74のY方向に沿った温度分布T(y1 )、T(y
2,3 )、(y4 )は、図6、図7の概念図に示される如
くの曲線となり、各面発熱体71〜74の境目周辺部に
おける絵付シートSに対する温度制御が安定し、絵付シ
ートSの各部が所望温度に加熱され、その結果、絵付シ
ートに破れやシワ等の不具合が生じ難くなる。
【0044】上記に加え、この実施形態では、球面軸受
66を使用して絵付シートSに対する面発熱体71〜7
4の姿勢をより自由に変えることができるようにしてい
るので、一つの熱盤60Aを多種類の積層製品を製造す
る場合に共用でき、対応範囲を一層拡げられるととも
に、より精密な温度制御が可能となる。なお、本発明の
熱盤を利用した射出成形同時絵付の工程は、既に図11
〜図13に示したものと(熱盤による加熱の態様以外に
ついては)同様にため、説明は省略する。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る射出成形同時絵用熱盤は、比較的低コストで作
製することができて、絵付シートに対する温度制御を安
定させ得、絵付シートの各部を所望温度に加熱でき、そ
の結果、絵付シートに破れやシワ等の不具合が生じ難く
なる。また、絵付シートに対する面発熱体の姿勢を任意
に変えることができるようにしたことにより、一つの熱
盤を幾種類かの積層製品を製造する場合に共用でき、対
応範囲が拡げられるとともに、より精密な温度制御が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の射出成形同時絵付
用熱盤を示す概略斜視図。
【図2】図1に示される熱盤の構成並びに作用効果の説
明に供される概念図。
【図3】図1に示される熱盤の作用効果の説明に供され
る概念図。
【図4】本発明に係る第2実施形態の射出成形同時絵付
用熱盤を示す概略斜視図。
【図5】図4に示される熱盤の構成の説明に供される要
部斜視図。
【図6】図4に示される熱盤の構成並びに作用効果の説
明に供される概念図。
【図7】図4に示される熱盤の作用効果の説明に供され
る概念図。
【図8】従来の射出成形同時絵付用熱盤の一例を示す概
略斜視図。
【図9】図8に示される熱盤の構成並びに作用効果の説
明に供される概念図。
【図10】図8に示される熱盤の作用効果の説明に供さ
れる概念図。
【図11】従来の熱盤を備えた射出成形同時絵付装置の
全体構成を示す縦断面図。
【図12】図11の装置の加熱軟化工程の説明に供され
る縦断面図。
【図13】図11の装置の射出成形工程の説明に供され
る縦断面図。
【符号の説明】
S 絵付シート 10 射出成形同時絵付装置 12 雌型 13 キャビティ 14 パーティング面 60、60A、60B 熱盤 71、72、73、74 面発熱体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絵付シートを加熱軟化するための複数に
    分割された面発熱体を有し、それら各面発熱体毎に加熱
    温度を制御できるようにされ、かつ、前記複数の面発熱
    体のうちの少なくとも一つが前記絵付シートに対して傾
    斜せしめられてなる射出成形同時絵付用熱盤。
  2. 【請求項2】 絵付シートを加熱軟化するための複数に
    分割された面発熱体を有し、それら各面発熱体毎に加熱
    温度を制御できるようにされ、かつ、前記複数の面発熱
    体のうちの少なくとも一つが前記絵付シートに対する姿
    勢を任意に変えることができるようにされてなる射出成
    形同時絵付用熱盤。
  3. 【請求項3】 前記複数の面発熱体のうちの少なくとも
    一つは、保持基体に連結手段を介して少なくとも一方向
    に回動可能で、かつ、任意の回動位置にて固定保持でき
    るように連結されていることを特徴とする請求項2に記
    載の射出成形同時絵付用熱盤。
  4. 【請求項4】 前記連結手段は、連結軸及び球面軸受を
    含んで構成されていることを特徴とする請求項3に記載
    の射出成形同時絵付用熱盤。
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